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総合評価

446件)
4.4
213
130
56
2
0
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     読んでいると気持ちが辛くなった。それほど人の悲しい感情を細かく描いてると思う。  舞台が学校だが、学生時代読んでも響かないかもしれない。それくらい深い内容だと思う。  最近人に安易にアドバイスできなくなってきた。多くのことを経験、知ることにより、多方面からものを見ることができるようになった。そのため答えが出ててもできないことがあることに気づいたかもしれない。  一人にさせないってことが子供だけではなく、大人にも必要な気がする。  嘘をつくのは、一人になりなくないため、その通りだと思った。

    19
    投稿日: 2025.11.09
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     いじめ、傷害、自殺未遂、DVなどに苦しむ子どもたちが出てきて、読むのが重い。それでも、これからどうなっていくのかが気になって仕方がない。ページが速く進む。快刀乱麻で、問題をスパッと解決してしまうわけではない。決してかっこよくはない村内先生が、そばにいて、独りぼっちにしないでくれる。  間に合ってよかった。

    0
    投稿日: 2025.10.01
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    苦しくなって、嬉しくなって、何度も泣いた。 吃音でうまく話せない村内先生は、たいせつなことしか言わない。 生きづらさを抱える中学生たちの心の奥に寄り添っていくお話。 理性が出来上がっていく途中である中学生という中途半端な年頃、学校という狭いコミュニティの中では大人の世界よりも過酷な子供の残酷さがあり、例えば無意識に自分より下の存在を作っていくカースト上位群、相手の状況や気持ちに考えが及ばないことからの未熟な発言、簡単に受け流せない側の未熟さ、、 そういった全てのものから関わりを断とうにもにも断てない’狭さ’が、さらに強い苦しみの原因となる。 まさに本にあったとある女子の周りに全員が集まるような構図が、自分が小6の時にあった。順番に誰かを仲間はずれにしていくのに自分も途中まで加担した。順番が来て自分が仲間はずれにされた時、携帯電話の画面を歩き回って話しかけてくれるクマのアイコンだけが友達・・・なんて思ったこともあった。そのことを思い出した。(最後は思い切って離脱に成功し、離脱仲間もできて楽しく過ごせたので良かった) 少しずつ大人になるとそういうことはなくなる、少なくともあからさまなものは当然無くなる。特に今や会社のハラスメントが厳しくなっているので、ある意味理性が未成熟な生徒で構成され、簡単には罰則ともなりづらい学校の方が無法地帯だろう。 昨年2024年の日本の子どもの自殺数は527名で、歴代最多らしい。慣らすと1日1人以上の子どもが亡くなっていることになる。未遂や、そこまで至らなくても辛い思いをしている子はたくさんいるのだろう。 村内先生のように、心の奥底に寄り添ってくれる存在が、1人でも多くの子に現れますように。 自分も子を持ったら、また読み返したい本だと思いました。

    1
    投稿日: 2025.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    吃音の非常勤講師である村内先生が、たくさんの中学生に出会っていく話。吃音って言葉を初めて知った。中学生の打ち明けられない思いに対して、ムラウチ先生は寄り添ってくれる。そばにいてくれることの安心感は絶対に力になってくれる。きっと中学生たちはムラウチ先生を忘れないし、周りに優しくなれると思う。どんな時もムラウチ先生は大切なことしか言わない。だからこそ、その言葉には嘘がない。勝手に判断しないで、真実を見極めてくれる、そんな先生だから安心出来る。先生みたいな大人になりたい。

    2
    投稿日: 2025.09.05
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    受験生だけど、この夏休みどうしても本が読みたくてこの一冊を選びましたが、大正解。本当に読んで良かった。購入して再読したい。 村内先生のようにたいせつなことを教えるのは私には難しい気がするけれど、子どもたちにそっと寄り添い、そばにいられるような先生に私もなりたいです。受験が終わったら重松清さんのほかの作品もいっぱい読むぞ!、

    6
    投稿日: 2025.08.08
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    心温まる連作短編小説。様々な課題を抱えた中学生の話なのですが、この本のヒーローは、吃音で地味でモッサリしていて(確か)お腹も少しでている、でもいつも本気で、大切なことしか発言しない中学校の村内先生。 心配な生徒のそばにいることが仕事と言う。嘘の考え方が秀逸だなと思った。嘘をつくのはその子がひとりぼっちになりたくないからで、嘘は寂しいことなんだと。嘘を悪いことと決めつけては危ないと、考えさせられた。 よかった。

    7
    投稿日: 2025.08.03
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    泣いてしまった。特に最後の話。 小説の感想って本当に難しい。 村内先生のように、子どもの話をしっかりと聞いて、信じて、その子の居場所になれるような大人でありたい、と思う。

    4
    投稿日: 2025.08.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでよかったなと思う本。 村内先生が教えてくれる「たいせつなこと」 それはとても大事なことだと思いました。 社会人になった中で自分の在り方や社会に疑問を持ってた自分も自分らしく生きることが大事ということが自分らしくある中で当たり前ながらに大事なんだなあと感じました。

    3
    投稿日: 2025.04.21
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    大好きな本。 こんな大人に出会いたかったなって思うし、なりたいなとも思う。 出会えなかった分、私が周りや子どもにとっても村内先生になれたらいいんだけど。難しい。 私自身もまだ嘘をついてしまう。

    3
    投稿日: 2025.04.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    吃音で最低限の大切なことしか話さない、だからこそ話す言葉は全て大切なことである村内先生の言葉が好きです。 個人的には最後の短編である「カッコウの卵」の「人はひとりぼっちになりなくないから嘘をつく、嘘をつかなければひとりぼっちになってしまう人が嘘をつく」というセリフが心に沁みました。 もし自分が村内先生と出会っていたら…という想像が広がる心温まるいい作品でした。

    4
    投稿日: 2025.03.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ひとりぼっちの中学生のそばにいてくれる非常勤教師のお話。 ほっこりする。 子供が多感な時期になったらオススメしたい本。

    3
    投稿日: 2025.03.07
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    大変心が熱くなる作品でした。 孤独感の強かった中学生の自分に贈りたい1冊です。 また、孤独感を感じた際には、何度も本作を読み返そうと思います。村内先生のように、ひとりぼっちな人にそっと寄り添える人になれるよう生きたいと思いました。

    7
    投稿日: 2025.03.02
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    吃音を患っている友達が小学校の時にいた。その時、なんであんな話し方なんだろう?って疑問に感じたことをきっかけに吃音というものを知ったから、のめりこんで読めました。泣ける本でした。

    1
    投稿日: 2025.03.02
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    星3.5 短編集だと知らずに読み始めたけど、どのお話も学校が舞台になってるから、身近で興味深い内容だった 女子特有の友達関係の感じとか、特に意地悪な女の子といると心が苦しくなる描写とかすごいリアルだった ただやっぱり短編集はちょっと物足りなく感じるかな

    0
    投稿日: 2025.02.10
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    学生生活をうまく送れたことがなかった。円滑な友人関係を維持できない。中学時代が1番ひどくて、別室で授業を受けたり、先生が家庭訪問にきたこともあった。1日が終わると生徒手帳の日付に×をつけることが習慣になっていた。卒業までの日数をカウントするためだ。 いじめを受け、本当に友達がいなかった。孤独だった。あの当時、村内先生がいたら私は救われていたのだろうか?ポジティブな言葉なんていらない。何も言わずただ側にいてくれるだけできっと私は救われた。そういう生徒がたくさんいる。当時の自分にこの作品を勧めたい。あなたはそのままで良いと言ってあげたい。 孤独な思いをしてる子供達が一人でも多く救われますように。

    1
    投稿日: 2025.01.25
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    悩みを抱えるひとりぼっちの生徒のもとに、フラッと現れる先生の話 進路は北へが特に好きだった。 学生時代のみんなと一緒がうまくできなくて苦しかった自分と重ね合わせながら読んだ そばにいること

    0
    投稿日: 2025.01.18
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    さだまさし氏の「償い」に影響を受けているのだろうか、この曲を弾き語った時に聴者からこの本を読んでほしいと借りた。この本に収録されている「おまもり」という短編である。ストーリーが似ている。どちらのラストにも込み上げるものがある。読んでよかった。 せっかくなら、と他のすべての話も読んだが、これがまた素晴らしくよい話ばかり。 村内先生は言う。 「教師は、何があっても、どんな時でも、どんな生徒でも、その子をひとりぼっちにしちゃいけないんですよ。」と。 村内先生の言葉を忘れずに胸に刻んでいきたい。

    13
    投稿日: 2025.01.13
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    自分が辛かった学生の頃に読んで今でも記憶に残っている こんな先生がいたら、、と当時から10年以上経っても思わずにはいられない

    5
    投稿日: 2025.01.05
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    みんなと一緒でないと不安だもんな。 いじめって、そんなことがきっかけなのかもしれない。1人にならないために。 自分がたいせつだと思うことでも、他の人が賛同してくれないと不安だし、意見を曲げてしまうこともあると思う。 そばにいることって、とてもたいせつだと思いました。 村内先生は、そばにいるべき生徒と向き合うために非常勤の教員としてあらわれる。村内先生しか向き合えない仕事なのだと思う。 村内先生も過去に生徒として、そんな先生との出会いがあったのかもしれない。

    25
    投稿日: 2024.12.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    重松清好きの息子のおすすめで手に取った本。 正直、重松清は好みに合うかわからなかったけど、ひとまず読み始めた。読むのを途中で一度中断。前半は感動を狙った作品のように思えて、単調さが気になったのもある。しかし、後半は引き込まれるように、そして大切に読みすすめた。 一番最後のお話が一番いいんだ、と教えてくれた息子のお勧め、カッコウの卵。村内先生の「バンザーイ!ばんざーい!」が素朴で胸に刺さった。「ひとりぼっちにさせない」だからこそ、「共感する、寄り添う」。言葉は違っても、結局教師の仕事ってそこなんだろうなぁと改めて思った。この本を「書架に置きたいくらいいい本だと思う!」といった息子の感性が嬉しく、そしてそんな素直な気持ちをもった息子を誇らしく思う(親バカながら)。

    2
    投稿日: 2024.11.30
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    「進路は北へ」が好き。 【ぎゅうぎゅうに詰められている幸せ(の在り方)を嫌悪しつつも、その幸せに甘んじている自分がいる】こと、自己矛盾に食い潰される様を感情たっぷりに描ききっていて気持ちよかった。

    1
    投稿日: 2024.11.26
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    村内先生のような先生に出会えた生徒は幸せだろうな。 自分の人には見せにくい部分をオープンにして人と付き合っていく、彼の場合は仕事にしている。 とても簡単にできることではない。 どんなに強い気持ちが必要なことか。 けどそれをオープンにすることで周りの見方が変わってこれからの社会で受け入れてもらえる環境を作ることに貢献している。 なんて素晴らしいんだろう。 本当に尊敬します。 色んな人がいるんだよってことを存在自体で教えてくれている。 生きにくさを感じてる子どもたちには早いうちからこの作品に出会ってほしい。 周りと違ったり、違う部分を寄せて目立たないようにしなくてはという生きにくい社会を変えたいな。

    12
    投稿日: 2024.11.25
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    村内先生が登場するたびに涙が出てきて感動させられぱっなしでした。 読んでいて切なく苦しくなるところもありましたが出会えてよかった本のひとつになりました。

    17
    投稿日: 2024.11.23
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    吃音症の非常勤講師ムラウチ先生。 なかなか上手く言葉がでないけど言葉にすることは全て大切なこと。 その大切なことを一生懸命教えてくれる。 人生において勇気づけられた言葉や助けられた人っていると思います。 自分はひとりじゃないんだなって思えることが大事で大切なお守りになるんだとも感じました。 様々な悩みや過去への後悔がある中で前向きに生きようとおもわせてくれる短篇集でした。 短篇集だけどムラウチ先生は毎回出てきて一応繋がっている?感じでした。 学生のうちとかに読むと良い作品かなと思いました。

    2
    投稿日: 2024.11.14
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    『学校の。教室は。みんなが西を向いて座っていないといけないから、西を向くのが。つらくなる生徒も、いるんだよ。どこの、学校の。どこの。教室にも。』 村内先生はそんな辛さを抱えている生徒のいる学校へ非常勤でやってくる先生、格好いい先生じゃないし、うまく喋れないけど、本当に大切なことだけを教えてくれる、寄り添ってくれる先生。途中、読んでいるのが辛くなったけどこんなスーパーヒーロー先生がいたら救われる子達がたくさんいるんだろうな。

    13
    投稿日: 2024.11.10
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    吃音の非常勤国語教師・村内先生が、思春期の中学生たちに寄り添い、大切なことを教える姿を描いた物語。 村内先生は言葉をつっかえながらも、余計なことを省き、心を込めて生徒に伝える。そのシンプルで真摯な言葉が、生徒たちの心に深く響く。 村内先生が伝えたかったのは、「あなたはひとりぼっちではない」という事。完璧な人間は存在せず、誰もが誰かに必要。先生自身、吃音を持ちながらも、それを必要とする生徒がいるように、誰もが自分を必要としてくれる人がいる。そして先生の言葉は、かつて中学生だったすべての大人たちの心にも深く響き、他者とのつながりを大切にすることの重要性を教えてくれた。 本書はどの世代が読んでも心が響く、温かく優しい物語です。

    18
    投稿日: 2024.11.05
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    本当にこんな先生いたら、何か変わってたかな。 色々考えさせられて、ぐっときた。 1人の出会いが子どもの未来を救ったり豊かにしたり 経済的には豊かじゃないかもしれないけど 心が豊かに、その人にとって明るい未来だったら こんなに幸せなことは無い。

    1
    投稿日: 2024.11.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    吃音の国語教師、村内先生が人には打ち明けられない悩みを抱える中学生たちに寄り添い、大切なことに気づかせるハッピーエンド短編集。村内先生は、「自分は上手く話すことは出来ない代わりに、大切なことだけを一所懸命しゃべります。」と言う。その言葉通り、孤独な生徒たちにそっと寄り添い、様々な苦悩に希望を与える。いじめ関連4章、打ち明けられない悩み系4章で構成されている。前者はいじめ発生後に学校が用意した偽善的な学級目標や学校目標、いじめ告発box..etcいずれもどこか表面的で胡散臭く、むしろ歪な友情を作り出してしまう中、村内先生と接することでそれらに違和感を覚え始めるいじめ加害者の心理変容が興味深い。後者は悩みの種類は違えど吃音の村内先生に一人じゃないことを教えられ前を向いていく点は共通の印象。きっと先生も「ひとりぼっち」だったのだろうが、先生にも「村内先生」がいたのだと思う。著者の重松清氏も吃音であるらしく、間違いなくこの人にしか書けない作品だと感じた。個人的に「カッコウの卵」がイチオシ。

    1
    投稿日: 2024.10.27
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    最後のカッコウの卵がとても良くて、ボロ泣きで本を閉じました。 ひとりぼっちにならないために嘘をつき続けたてっちゃん。巣をつくるカッコウになったてっちゃん。 村内先生が間に合って、ほんとうに良かった。 ひとりぼっちは、寂しい。 うまくやれなくて、「みんな」からこぼれ落ちてしまう子供たちにとって、村内先生は間違いなくヒーローだ。 ひとりぼっちが二人いれば、それはもうひとりぼっちじゃないって先生は言ったけど、それってきっと、先生がひとりぼっちだったからなんだろうなぁ。 ひとりぼっちの子供の隣には、村内先生だから、寄り添うことができる空間がある。 子供たちの心が溶けて行く様子は、読み手の心もあたたかくしてくれる。 あとがきを読んで、「きよしこ」も読んでみたいな、と思いました。

    1
    投稿日: 2024.10.11
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    こんな先生に出会えてたら、人生変わってたなあと。大切なことを伝えてくれる先生って、記憶にないなあ。私的に傑作です。私的に「進路は北へ」が好き。

    1
    投稿日: 2024.10.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【作品紹介】 中学校国語の非常勤講師、村松先生は吃音で、うまく喋れない。だから先生は、大切なことしか喋らないー この本はいじめの加害者、事故加害者の家族、自殺した親の遺族、大きくなった虐待孤児など、さまざまな事情を抱えた中学生たちが村松先生との出会いを通じて学び、救われ、次に進んでいく短編集。 【感想】 1番印象に残ったのは、「青い鳥」。 一学期、クラスでいじめられていた野口くんが自殺未遂をし、転校した。この話は二学期にいじめを見て見ぬ振りし、一度いじめに加担した園部くんと、休職した担任のピンチヒッターとしてやって来た村松先生のお話。 村松先生は、転校した野口くんの机をわざわざ教室に運び込み、毎朝のホームルームで「野口くん、おはよう」と声をかけていた。園部くんはその光景を見て、毎日罰を受けていると感じていた。もう反省したしやめて欲しいとまで思っていた。 そんな園部くんに対して村松先生は、野口くんを毎朝呼ぶのはいじめた人、いじめを看過した人に責任として、忘れてはいけないと伝えるメッセージだった。 個人的な懺悔をする。実は私にも、悪口を言ったクラスメイトが学校に来れなくさせてしまった経験がある。今その子がどこでどうしているのかは知らない。でもその子にとって、私は忘れられない酷い言葉をかけた人であり、人生を狂わせたかもしれない恨み相手として思われていることは間違いないのだ。大人になって、重松先生の学校のいじめをテーマにした青い鳥を読んで、思い出した。忘れてはいけない…一生背負ってかなきゃいけない。それが責任。 このお話は大人になって、日々過ごす中でとても大事なことを思い出させてくれた。だから印象に残った。 私も園部くんのように、自分が人を傷つけてしまったことを忘れずに生きていきたいと思う。

    0
    投稿日: 2024.09.27
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    吃音の先生と、その先生に救われる生徒たちのお話 吃音で言葉をうまく話せない村内先生は、思春期で自分の気持ちを素直に口にすることが難しい子供たちのそばにいる。 うまく話せないからこそ、先生はたいせつなことしか言わない たいせつなことしか言わない、ただそばにいるって実は難しいこと 吃音に関する物語を読んでみたかったので選んだ本だった 物語は先生に救われる生徒目線で話が進むので、先生の心情や状況はあまり書かれていない。 個人的にはもう少し吃音の当事者である先生の気持ちを読みたかったなと思ったが、あとがきでそれも解消されたのでよかった

    2
    投稿日: 2024.09.04
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    どのお話も感動した。村内先生のような先生を必要としている生徒は沢山いると思う。私も学生の時に何も言わずただそばにいてくれる人が欲しかったのかもしれないと思った。生徒はひとりぼっちにならないために嘘をつくというのが印象的だった。

    3
    投稿日: 2024.07.10
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    言葉をつかえながらも、心が壊れそうになってる生徒に寄り添い、大切なことを話す非常勤の先生。不思議なくらい生徒の苦しさに気づく。8つのお話をひとつひとつ大事にかみしめながら読んだ。 ハンカチのお話、学生時代の自分に重なるようで心がぎゅっとなった。著者は異性でありながら、女子のやっかみや帝国の世界をよく分かっていて、タイムスリップするかのごとく話に引き込まれた。

    2
    投稿日: 2024.07.08
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    自分的24年上半期、大賞の作品でした。(2007年の作品) 重松清さんの話は、物語をただ追いかけるだけの話ではないと改めて感じました。読後、ちゃんと自分の糧になってる感じがします。 ただ読んでほっこりするとかではなくて、心の傷の痛みがひしひし伝わり、胸に迫るシーンやセリフから、本当の意味で、優しい気持ちになれます。 なんというか色んな物事を考えられるきっかけになったり、経験したことのない体験を感じられて、読書っていいなぁと思わせてくれる本というか… 生半可じゃない作品です。 ◾️おまもり 交通事故の加害者の父をもつ女の子が主人公。 部活の友達が別の交通事故の被害者。 両方の立場を享受する女の子の心の動きが、読み手の心をキューッとさせます。 すごくホッとして、すごく好きな話。 ◾️青い鳥 クラスで起きたいじめの加害者の一人が主人公の物語。 忘れることや逃げることは人にとって必要な場合もあると思う。でも、楽になりたい一心で、自分がしたことの責任に向き合いたくないから、忘れたり、逃げる人もいると思う。 村内先生は、それは卑怯だという。 自分がなりたい自分である為に、責任と向き合えるかどうかが、その人の一生を決める気がします。 ◾️拝啓ねずみ大王さま p307間に合ったんだ。富田くんも。 自分を。嫌いになる前に。間に合ったんだよ。きみは。 →この言葉は、この本の中でも一番好きな言葉。 自分を嫌いになる時期は、誰しもあると思います。 自分が自分を好きでいれるように生きることって、生き方の軸として素敵。 ◾️進路は北へ p364うまくしゃべれないっていうのはつらいんだ。自分の思いが伝えられないのはひとりぼっちになるってことなんだ。言葉がつっかえなくても自分の思いが伝えられなくて、わかってもらえなくて、誰ともつながっていないと思う子はひとりぼっちなんだよ、やっぱり。 でも、ひとりぼっちが二人いれば、それはもうひとりぼっちじゃないんじゃないかって先生は思う。 先生はひとりぼっちの子のそばにいるもう一人のひとりぼっちになりたいんだ。だから先生は先生をやってるんだ。 →吃音である村内先生だからこそ、気持ちをうまく言葉にできない子への思いやりを感じるシーンですごく響きました。 上手くできない人、弱ってる人に、優しくできる人って、自分の憧れるかっこいい人です。 ◾️カッコウの卵 「そばにいる」ってどういうことかを知れるお話。 ひとりぼっちを知ってるてっちゃんに、誰かがそばにいる喜びを知って誰かのそばにいてあげて。 という村内先生の優しさが沁みる…

    17
    投稿日: 2024.06.20
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    中学の教師を主人公にした、8話からなる短編集。 吃音の先生が一生懸命伝えてくれる、大切なこと。 ひとりぼっち生徒に寄り添ってくれる姿にホロリとさせられた。

    0
    投稿日: 2024.06.08
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    とても静かに胸に来るお話でした。 ムラウチ先生がどんなときもぶれることなくひとりぼっちの子のそばにいてくれるのは本当に救いだと思いました。 私がお気に入りのお話は、 ○ハンカチ  ○おまもり ○カッコウの卵

    0
    投稿日: 2024.05.09
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    おすすめしてもらって読んだ小説。面白くて止まらなくて、二日で読了。 一つ一つの物語に出てくるフレーズが心に残る。特に印象に残ったのは、「教室の黒板はどこの学校も西側と決まっている」という話。今の場所を抜け出そうとする主人公に対して、「どこに行っても一緒だ」という現実と同時に「でも君なら新しい場所でもやっていける」と背中を押してくれる姿が心に沁みた。多数派が有利な理不尽な環境の中でも、「それっておかしいよね」って気づいて言葉にして行動に移す、それが「大切なこと」なんだと、村内先生は教えてくれた。 一回読んだだけでは咀嚼しきれない部分もあるからこそ、大切に近くに置いて、またいつでも読み返したいと思える小説です。おすすめです。

    11
    投稿日: 2024.04.29
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    中学校の臨時教師の村内先生と周囲に馴染めない生徒とのお話。短編8篇。出だしはなんだかモヤモヤするけど最後にホロリとさせられる。

    7
    投稿日: 2024.04.29
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    ▪️サマリー ・学校を舞台にした8つの短編集。 ・主人公は国語教師の村内先生。 ・先生は吃音なため、話す時にカ行とタ行でつっかえてしまう。 ・先生は、つっかえながらも悩みを抱える生徒に  「たいせつなこと」を伝え、見守る姿勢を貫く。 ▪️心に残るフレーズ(一部、言い回しを変更) ・ひとりぼっちが二人いれば、それはひとりぼっちではない。 ・先生は、ひとりぼっちの子のそばにいて、もう一人のひとりぼっちになるために、先生をやっている。 ・先生は、生徒を助けたとは言わない、間に合ったという。 ▪️つぶやき 学生時代に教わった先生は、多感な時代に成長していく子どもにとっては、大きな存在になる。 私も遥か昔のあの先生にあんなこと(勉学以外の人生の教訓)を教わったなぁと本書を読みながら、懐かしい気持ちになった。 村内先生のように、つまり生徒をより良い方へ誘うきっかけを与える先生に私が出会えていれば、私の人生も幾ばくか良い方向へ道が開かれたのにと感じた。残念。 さて、作者の重松清さんは、教師を志したが吃音を持っており、教師の道を断念されたようだ。 村内先生にご自身を重ね合わされたのかもしれない。

    22
    投稿日: 2024.04.17
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    2024.4.2 読了 ☆9.6/10.0 主人公の村内先生は、中学の非常勤講師。 先生は、様々な理由で“ひとりぼっち”の心を持つ生徒の前に現れ、教え諭すでもなく、ただそばにいて、生徒たちの気持ちに寄り添ってくれます。 そして“大切なこと”しか喋りません。 先生には、“ひとりぼっち”の生徒のそばにいる事という、授業より大切な仕事があるのです。 登場する生徒たちは、学校で上手くしゃべれない子や、クラスでいじめにあった子、お父さんが自殺をしてしまった子、親に愛されなかった子、そんな背景を抱えた子たちです。 そのひとりひとりに心を開かせてくれる先生。 各話、温かい涙が胸の奥にとめどなく溢れてきます。 村内先生の良さは、言葉では語りつくせない… 村内先生に会えた子は、幸せです。 「たいせつなこと」は「そばにいること」 学校の先生は、みんなの味方でもないし、敵でもない。 正しいことと、たいせつなことは違う。 とても良い本に出会えました。 いつまでも心に留めておきたいことばかりです。

    144
    投稿日: 2024.04.02
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    とても好きな作品になりました。 数編の物語も、それぞれがいい世界感を持っている。 「先生は、大切なことしか言わない」 これに尽きます。 ありがとうとお礼を言いたくなりました。

    4
    投稿日: 2024.03.29
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    吃音の先生は大切なことしか言わない。正しいことではなく、大切なこと。ひとりぼっちの子供に、ひとりぼっちにならないよう先生はただ寄り添う。親になって、ついつい大人として、親として正しいこと、より良い道を言おうとしてしまう。でも、私の経験や知識なんてあまりにも小さすぎて何の参考にもならない。子供が成長してやっと気付いた。周りの大人の意見なんて気にするな、参考にするな、と。大人はただただ見守るだけでいいんだと。ごめん、娘たち。今更だよねぇ。

    5
    投稿日: 2024.03.17
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    吃音症の先生が、一生懸命苦しんでいる子どもに寄り添って心を救ってくれる話。 印象に残っている言葉 「ひとりぼっちが二人いれば、それはもうひとりぼっちじゃない。先生は、ひとりぼっちの子のそばにいる、もう一人のひとりぼっちになりたいから先生をやっているんだ。」 なんて素敵な言葉なんだろう。 今まさに学校で悩みを抱えている子たちや、生きづらさを抱えている人たちに、この本が届きますように。

    2
    投稿日: 2024.03.04
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    ひとりぼっちで苦しむ子どもに、そっと寄り添いそばにいてくれる。吃音で上手く喋れない村内先生が教えてくれる”たいせつなこと”。 どの話も、心にすーっと沁みました。 “ハンカチ”場面緘黙症の女の子の卒業式のシーンが良かったな。

    6
    投稿日: 2024.02.18
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    ステキな先生のおはなし 「みんな」にあわせてまわっている学校で、「みんな」にうまくとけ込めない子たちに寄り添う村内先生が本当に素敵だなあと思いながら読んだ。 学校は誰一人取り残さない場所であって欲しいし、私もそんな教育を実現したいし、村内先生みたいになれたらうれしいなあ〜〜

    3
    投稿日: 2024.02.14
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    心を動かされすぎて一編終わる度に本を閉じてあれこれ思いを巡らせてしまった。「あたりまえ」で「ふつう」の人たちが作っている社会、そしてそんな「ふつう」の人を育てる学校。「ふつう」でいられない人の苦しさ、「ふつう」の人がそんな人を無意識に傷つけている怖さが書かれている。 だけど、「ふつうの人」って本当にいるんだろうか。 「あなたはふつうの人ですか?」と問われた時に「はい、私はふつうの人です」と答えられる人は何人いるのだろうか。少なくとも私は自分がふつうの人だとは言えない。「君は普通じゃない」と人に言えてしまう人も、やっぱり普通じゃないんじゃないか。そう考えるとみんな、「孤独」なのかもしれない。 本の一編『ひむりーる独唱』で村内先生が紹介した、草野心平の詩の一節が染みる。 『みんな孤独で。 みんなの孤独が通じあふたしかな存在をほのぼの意識し。 うつらうつらの日をすごすことは幸福である。』 私は教員として、この詩のような幸福な空間を教室に作りたい。

    11
    投稿日: 2024.02.12
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    初めての重松清作品。 金八先生のような熱血ではない先生のお話です。 大切なことを教えてもらえます。 最後のお話のてっちゃん。良かった。 私は幼稚園で誰とも喋れなかった。私も場面寡黙症だったのかもな。そんなことを思い出した。

    6
    投稿日: 2024.01.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    村内先生 「カ」行と「タ」行と濁音で始まる言葉は必ずつっかえる。国語の教師。 ハンカチ 千葉知子 城山中学三年生。場面緘黙症。いつもポケットの中のハンカチを握りしめている。 真澄美 いいたいことをぽんぽん言って、自分の冗談に自分で大笑いする。 黒田 千葉が三年間好きだった男子生徒。 川崎 五年前に昼休みの美術室で自殺した。 土居 クラス委員。 ひむりーる独唱 斎藤義男 中学二年。担任教師をナイフで刺した。無口で、引っ込み思案で、みんなのように面白いことを言っておしゃべりするのが大の苦手。 橋本 クラス委員。 真田 クラス担任。斎藤義男にアーミーナイフで背中を刺された。 おまもり 須藤杏子 中学二年生。バスケットボール部。 清水 塾の帰りに交差点で自転車どうしでぶつかって、転んだはずみに右脚の脛を骨折して入院。二年生。バスケットボール部。 杏子の父 十二年前の十月に交通事故を起こした。 前田先生 バスケットボール部顧問。 青い鳥 園部真一 クラスで起こったいじめに加担したことに苦しむ。二年一組。総務委員。 井上 野口の家のコンビニから店の商品を持ってこさせてた。 野口 一学期の途中からクラスのみんなにいじめられる。自殺未遂を起こす。 梅田 ふだんから井上としっくりいってない。 片山 二年二組の総務委員。 石野先生 生活指導部長。 静かな楽隊 中山聡美 一年一組。一人のクラスメイトがすべてを仕切る帝国の国民の一人。 所 トロちゃん。小学校の頃の同級生。卒業したあと、すぐに引っ越してしまった。 あやちゃん あやちゃん帝国。クラスの中心人物。 拝啓ねずみ大王さま 富田洋介 お父さんがハムスターを買ってきた。父親の自殺がきっかけで私大の附属校から公立校に転校する。中学二年生。 富田孝弘 ハムスターを買った三日後に電車に飛び込んで自殺した。 佐藤 お父さんの数少ない会社の同僚。同期入社。 吉川めぐみ 洋介のクラスメイト。 進路は北へ 篠沢涼子 女子大附属中学の三年生。狭い自分の世界に息苦しさを感じている。 森バア クラスの担任。 ちひろ 涼子の前の席。 古川翔子 中学から入ってきた外部生。イジメにあい心が壊れ、学校を辞めた。 カッコウの卵 松本 てっちゃん。中学生の時に村内の生徒だった。二十二歳。小二から中学入学まで児童養護施設に預けられていた。小学校に上がる頃、父親と二人まとめて母親に捨てられる。父親にも体と心をこわしてしまったという理由で捨てられた。父親に暴力を振るわれる。 智恵子 てっちゃんの妻。二十歳。親から虐待を受けていた。中学二年の夏から十八歳の誕生日まで児童養護施設に預けられていた。母親に捨てられた。父親の顔も名前も知らない。

    1
    投稿日: 2024.01.25
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    ほんとに感動しました! そっと寄り添ってくれる、そばに居てくれる一冊です。この本があるから、今も頑張って学校に通えてます。

    4
    投稿日: 2024.01.24
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    職場の先輩先生にこれいいよ!と勧められて読みました。 村内先生のように一人一人を大切にして、寄り添える先生になりたいと心から思いました。 何度も読み返したくなる作品です。

    1
    投稿日: 2023.12.30
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    年の瀬に心が温かくなる素敵な本に出会えました☺「間に合ってよかった」、その一言を村内先生がいうたびに、本当によかった、と私まで涙がこぼれる。 必要なのは、こんな先生なんじゃない?

    2
    投稿日: 2023.12.26
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    孤独を感じる寂しさ、みんなとは違う劣等感、逆にみんなと同じでなければいけない窮屈さ。思春期の悩みは言葉にし難いけど、モヤモヤを抱えた自分を理解してくれる誰かを求めている。 それが本書では村内先生のだと思う。説教する訳でもなくアドバイスをする訳でもなくただそばにいる。 自分を認めてあげよう、前を向いていこうとさせてくれる村内先生の人柄に憧れた。 思春期特有の悩みを抱えた小中学生にはぜひ読んでもらいたい。

    5
    投稿日: 2023.12.22
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    小、中学生の時に読んだらいいんじゃねっていう感じの本だった。 悩みはもちろん人それぞれだが、悩んでる背景が個人的には浅く感じてしまった。

    1
    投稿日: 2023.12.21
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    吃音があり、教師を目指している私にとって一生大切な本になると思います。泣きながら読みました。吃音があっても頑張ろうって思えます

    2
    投稿日: 2023.12.12
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    読んでいると、昔たしかに感じていた、あのざらついた、息が今にもつまりそうだった感覚がたちどころに思い出されて、涙が止まらなかった。 あの頃この本に出会えていたなら、村内先生に出会えていたなら、そばにいてくれる人がいたなら、、どんなに救われただろう。 みんなと違っていたら生きていく価値はないのですか、世の中には小さな違和感には目を瞑って上手く生きていける人にしか価値がないのですかーー学生の頃 場面緘黙だった私は、「ハンカチ」の知子のように自己否定と周りへの疑心暗鬼が喉に蓋をして声を出すことができなかったし、「ひむりーる独唱」の斎藤くんのように孤独にがんじがらめになっていたし、他のこの本に出てくる生徒たちのように、私も上手く生きられず「欠けている」と思っていた。 でも、そうではなくて。 みんなと違うから孤独なのではなく、みんな孤独なんだということ。 みんながそれぞれに固有で、みんなちがうから、だからひとりぼっちではないということを、村内先生は生徒たちに教えていく。 吃音の症状を持つ先生だからこそ、「弱い立場」に共感できるからこそ掛けられる言葉で、心に寄り添ってーー。 大人になるにつれて、"みんな"と同じようにできないことに目を逸らして、必死にごまかして"普通"のふりをして生きてきた。 でも、違ってそれでいいじゃないか、違うからこそ与えられるものがあるんじゃないか……孤独と向き合い、弱さを強さに変えてきた村内先生の姿を見ていると、そんな風に思った。 生きづらさを抱えている人にも、抱えてきた人にも、読んでほしい物語。きっと私も何度も読み返すことになるだろう。

    5
    投稿日: 2023.12.09
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    嘘をつくのはひとりぼっちになりたくないから。悪いことじゃなくて寂しいこと。 すごく共感できた。 若い頃の苦い思い出がたくさん思い出され、苦い思い出ほど記憶に強く残って、二度とあの苦い思いをしたくなくて、大人になってきた。

    2
    投稿日: 2023.11.10
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    普通の短編集かな?と思ったら少しだけ世界観がリンクしていました!作者の重松清さんも吃音ということで重松清さんの体験がもとになっているのかな?と感じました!勇気が欲しき人、是非本を手に取って!

    10
    投稿日: 2023.10.12
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    いじめてる、いじめられてる、中学生を救う先生の話。 先生は本当にたいせつなことしか話さない。 正しいことが大切なことなわけじゃない 正しくないことが正しいこともある 中学生ってほんと大変だよね。 そんなん分からんよね。 そういうことにたくさん気づかせてくれる1冊でした。 ちょっと重かったかなぁ。でも読めて良かった。

    2
    投稿日: 2023.10.09
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    「正しくなくてもたいせつなことだって、あるんだ。でも、たいせつじゃない、たいせつなことは、絶対にないんだ。たいせつなことは、どんなときでもたいせつなんだ。中学生でも高校生でも。おとなでも子どもでも。」ひとりぼっちの心にそっと寄り添い、本当にたいせつなことは何かを教えてくれる物語。クラスからはみ出ないよう、理詰めで正しいことを指導しがちな、現役の先生達に読んでもらいたい一冊です。

    2
    投稿日: 2023.10.06
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    吃音の強い国語教師から「たいせつなこと」を学び取る中学生らの物語。 教訓めいたことは何一つ言わないし、分かりやすい行動をするわけではないのに、生徒たちの心に何かを残す村内先生。穏やかさの中に揺るぎない信念がある。たくさんの感情を経験してそれらと向き合ってきた村内先生の人生そのものが生徒たちへの関わりに表れているんだなあと思った。 いずれの物語も良いが、最後が「カッコウの卵」で締め括られ、晴れやかな読後感。

    1
    投稿日: 2023.09.17
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    吃音で上手く話せない非常勤講師の村内先生が、傷つきひとりぼっちの心を持つ生徒に寄り添い、生徒の心を癒していく、心温まる短編小説です。 各短編小説に登場する主人公の生徒において、思春期中の心境が細かく描かれていると共に、村内先生の名言も心に響きました。奥が深く考えさせられる内容だと思います。 特に最後の「カッコウの卵」は感動して涙腺が緩んでしまいました。

    5
    投稿日: 2023.09.02
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    非常勤で吃音の村内先生は上手く話すことができない。でも先生には授業よりも、もっともっと大切な仕事がある。ひとりぼっちの心にそっと寄り添いそばにいてくれる。温かな物語。 最後の『カッコウの卵』は一緒になって万歳してしまうほど感動しました。 人として正しいことよりも、人として大切なことを教えてくれる物語です。

    31
    投稿日: 2023.08.13
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    本気で怒ったり体を張って守ったりするわけではないが、そばにいて本当に大切なことだけを伝える、それだけでこんなにも救われるものなんだと感じた。村内先生がこの先も独りぼっちの生徒に出会い、“間に合わせる“場面を、続編で読みたくなった。

    3
    投稿日: 2023.08.11
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    なんとなく、誰かそばにいてほしいな…、なんとなく、モヤモヤするな…、と思う夜に読むといいかもしれない。スーッと心に溶けていく薬のような作品。 重松清の作品は、課題図書や受験問題のイメージがあって、今までちゃんと読んだことがなかった。学生の時に適当に読んで読書感想文を書いたくらい。 ストーリーが綺麗すぎて、汚れてみたい年頃の私には素直に読めなかったのだと思う。先生や親が子供に勧めたい本なのだろうというのが透けて見えてしまって。 大人の「こうだったら良かったのに」がたくさん詰まってはいるけど、それを子供に伝えるために読ませると言うよりかは、大人が「自分もこうだったな…」と振り返り、過去の自分を認めてあげるために読む方が、なんだか沁みる気がしている。疲れた大人こそ読むべきだぞー! しばらく積読になっていたので、久しぶりに読んでみるかと買ってきたきっかけは忘れてしまったけど…読み始めが今のタイミングで本当に良かった。 私も「間に合った」のかな?と、勝手に思っておく。

    1
    投稿日: 2023.07.17
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    これは、私の担任の先生が家から 持ってきた本です。 私もいろいろ十人十色の人がいる中で、 少しでもたくさんの人の心に 寄り添えたらいいなと思いました。

    4
    投稿日: 2023.07.14
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    多分自分が中学生の頃に読んでも響かなかったかもしれない。『これは個人的な物語である』 きっと、読んだ大人の誰もが部分的に共感したり、周りにいた人を思い出したりすると思う。 自分は道徳の授業が大嫌いで、本来『正解』がないものに対する答えを押し付けられたり否定されたり、何が道徳じゃと、苦い思い出がある。 でも、村内先生の教えは紛れもなく大切な『道徳』の一種のように思う。 個人的には、映画『怪物』を観た後に読んだのでとても響きました。誰もがかつて中学生の歳だったはず。思い出せないだけで。この流れ、おすすめです。

    3
    投稿日: 2023.07.01
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    大学の課題として出されて読みました。だから、最初は読むのに気分が乗っていませんでした。しかし、とてもおもしろく、読みやすい作品でした。 村内先生は勉強なんかよりももっと大切なことを生徒に教えるためにいるんだなとおもいました。 教師を目指している人にはぜひ一度読んで欲しいとおもいました。

    5
    投稿日: 2023.06.09
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    言葉やない心や〜 を体現してるな。 多分、自身も吃音という障害を持っているから、独りぼっちの気持ちが分かるのかもしれんな。 やっぱり、自身で体験せんと分からんもん。 何か、色んな学校を渡り歩いて、そこにいる独りの生徒に寄り添う。 「助けに来たで!」とかいう恩義せがましい言葉やなく「間に合った〜」 あとがきでは、ヒーローって書いてあったけど、まぁ、そういう名称が合ってるかは微妙やけど、そうかな… 特命教員みたいなもんなんかな?生徒を救ってくれるけど、先生の事何も分からん。家も家族おるかとか、何にも… だからこそヒーローなんかもね。 ずっと、みんなを救ってあげて〜! 何故か、村内先生が、コロナウィルスで有名になった京大 M沢准教授とオーバーラップする。

    58
    投稿日: 2023.05.11
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    友人関係や、窮屈な学校のルール、交通事故の加害者の家族、いじめ、虐待、さまざまな背景で心に傷をおった生徒に、吃音の国語教師、村内先生が寄り添う話。 中学生の心情が痛いほどうまく描かれていて、中高生にぜひ読んでほしいと感じた。 大切なことしか言わない村内先生の伝える大切なこと。 きっとこの本を読んで共感ができる人は学生時代に人間関係に悩まされた人だけど、子供ができたらこの本の登場人物に共感ができる人間であって欲しいと思う。

    2
    投稿日: 2023.05.06
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    村内先生、素敵なヒーローでした。 ヒロインのピンチに無駄にかっこよく登場する王道のヒーローじゃないけれど、みんなに優しく寄り添う、間違いなくヒーローでした。村内先生が生徒にかける言葉が全部私にも突き刺さって苦しくて滝のように泣いてしまいました。大人は一日に何度も泣かないらしいですけど

    2
    投稿日: 2023.04.27
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    久々の重松さん。 めちゃくちゃ良かった、、 村内先生はヒーロー。 うまく話せない自分に負けず(という表現が正しいのかわからないけど)たいせつなことを沢山の生徒に教え続けた 色んな人に読んでほしい

    2
    投稿日: 2023.04.20
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    心が温かくなるステキな作品。私自身いろいろ「たいせつなこと」をこの村内先生から教えていただいたような気がする。 「自分の思いが。伝えられなくて、わかってもらえなくて。誰とも。つながっていないと思う。子は、ひとりぼっちなんだよ。」 「先生は、ひとりぼっちの。子の。そばにいる、もう一人のひとりぼっちになりたいんだ。」 村内先生の言葉が心に響いた。

    3
    投稿日: 2023.04.12
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    授業より大切なこと、それを一生懸命に話す村内先生を想像して感動した。 複雑な問題を抱える中学生が悩んでる時に、いいタイミングで現れる村内先生、そんな生徒に優しく寄り添うシーンで、自分自身の中学時代の悩みとかも思い出した。 もし村内先生に出会っていたらどう変わっていたかと考えてしまった。

    9
    投稿日: 2023.03.23
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    とても好きなお話だった。 わたしは竹内先生を必要とするような児童生徒では無かったけれど、今のわたしにはとても必要な人だった。どうしてこんなに生き辛くなっちゃったのかな。出会えてよかった。 同時に、ずっと忘れていた、あの子のことを思い出した。同じクラスというだけで、たいして話したこともない、お世辞にも可愛いとは言えない、クラスに馴染めなかったあの子のことを。竹内先生がいたら、彼女は教室に来てくれただろうか。大人になった今は少しは生きやすくなっていたらいいなと思う。 安心して、わたしは今、苦しいよ。

    1
    投稿日: 2023.03.17
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    学生のころに出会いたかった本。 もし学生の頃に出会っていればこの本の評価も変わっていただろう。 主人公の村内先生が万能過ぎて、そんなことあるかなと思ってしまった。 繰り返すが学生の頃に出会っていれば間違いなく評価は変わる。学生の頃の自分がこれを読んだらどう感じるだろうか。想像すると楽しい

    1
    投稿日: 2023.02.13
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    寂しいから嘘をつく。 自分の気持ちを上手く表現できずに もがき苦しむ未熟者へ そっと寄り添う先生が素敵。

    0
    投稿日: 2023.02.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    吃音を持った先生がヒーローとして悩める生徒の元に間に合う本。 吃音者としては傑作と言っても有り余るほどの作品。 多感な思春期における吃音の不安は計り知れないものであり、葛藤を伴う障害である。 そんな吃音を持ちながらも生徒を救う先生の姿が印象的。 "大切な言葉しか言わない"この言葉の重みを当事者以外に間接的に伝えているのではないかと思う。 実際吃音に固執している私のような吃音者にとって一言一言の言葉の重みは計り知れないものであり、言えなくても言う場面は実際にある。 そんなときこの本を思い出したいと思う。 村内先生が間に合ったように自分が吃音が出ても話している姿は自身の元にヒーローが間に合っているということに。

    2
    投稿日: 2023.01.11
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    吃音で上手く話すことが出来ない村内先生が、色々な学校で問題を抱えた生徒に寄り添う連作集です。 上手く話せないからこそ大切な事しか話さない村内先生。どれもこれも優しさと痛みが有って、読んでいて胸が苦しくなります。うまい事学生時代を渡ってこれなかったかつての僕が心の中で村内先生と出会いたかったと言っています。

    2
    投稿日: 2022.12.19
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    青い鳥 (新潮社文庫) 著作者:重松清 発行者:新潮社 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 facecollabo home Booklog https://facecollabo.jimdofree.com/ 弱った心にそっと寄り添う、優しいぬくもりのような短編集。

    3
    投稿日: 2022.12.12
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    村内先生。吃音の、村内先生、あの頃はそばに居てくれてありがとうございました。 大人になって、読み返して気づきました。小学校の頃に確か読んだこの小説。当時はあんまり覚えていなかったけど、冒頭作の「ハンカチ」の話が、何だか頭に残っていた。あとは、村内先生。めっちゃ吃る先生。 それぐらいしか覚えていなかったけど、読み終わって、きっとこの小説は、きっと重松清は、僕をひとりぼっちにしないでいてくれたんだなって気づけました。 重松清さんの小説で度々見られる「みんな」と「ひとりぼっち」そういった話に付随して描かれる子達の心理描写は、適確で、なかなか子供の頃は響かない。 だけど、ぼんやりと、ふんわりと、自分の心に楔のように言葉が残ってくれていた事に、ここ最近で気づく。 「大切なこと」しか話さない。それって凄く難しい世の中になってきた。どうでもいい事で溢れる社会だから、大切なことなんて埋もれてしまっている。 誰かにとっての大切なこと、それに本気で目を向けたいなと思った日でした。

    7
    投稿日: 2022.12.11
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    Kindleにて読了。 …Kindleは会社の休み時間にちょこちょこ読む感じなので、いつも評価が低くなるのですが(なかなか入り込めない)この本はすごい! 村内先生に会いたくなる。 Kindleを開くとスーーっとムラウチが入ってる! 読み終わってしまって…ムラウチロスです…

    0
    投稿日: 2022.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昔一度読んで、とても良かった印象。重松さんの空気に触れたくて再読。 こんなに生と死が近く感じる本だったけ? と読み始めて今のタイミングで大丈夫か自分に問いかける。 思ったより、重かった。昔は重さより、ムラウチ先生のヒーローっぷりに惚れ惚れしていたけれど、今はもちろんその醍醐味もあるが、違うところも拾ってしまう。 ヒーロー登場のタイミング 「間に合った」って思うタイミングで、ヒーローを呼んでくれたのは、昔は子どもたちだと思ってた。というかあまり考えなかった。でも、今は、困って自分ではどうしようもない思いを抱えた子どもと同じ時間を過ごす学年の先生やその子の事を気にかけていた教師だったらいいな、と思った。 教員も万能じゃない。得意不得意もある。だから大人みんなで子どもを見ていけたらいいのにな。大事なのは技量じゃなくて想いなんだなぁ~と思う。その想いの先に技量とかがついて来ればなおいい。 最初の「ハンカチ」と「カッコウの卵」がより印象的。 最後の、てっちゃんが、治療が必要なのはちーちゃんじゃなくて、ちーちゃんやてっちゃんの親や祖母や再婚相手だ!って叫んだのは、本当その通りだなと思った。 でも、辛い事のあった二人が互いを必要としながら大事にして一緒にいる、一生懸命前をむいて生きている感じが感動した。 特に、ちーちゃんがてっちゃんの為に一所懸命の作ったとんかつや肉じゃが、餃子やハンバーグを愛おしそうに食べるてっちゃんがまたいい。 みんな幸せになってくれーーーー。

    0
    投稿日: 2022.11.05
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    改めて… 立場や立ち位置が変わって、読んでみた。 こんなに感じることは、違うんだね。 何度でも、違う感想を感じてみたい。

    0
    投稿日: 2022.11.04
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    吃音の国語の非常勤講師が 寂しい生徒のいる色々な学校へ行き、 100%解決ではないけど、 前を歩き出すきっかけを与えてくれる短編集。 生徒それぞれが抱えている悩みがあって、 その描写がリアル。 インタビューでとしたのか?と思うくらいに 状況が浮かび上がる感じで、さすが重松さん。 今の時代に実際にありそうな背景もあり、 でもある種普遍的な、学生独特の世界観。 中高生に読んで欲しいな、と思いつつ、 大人が読んでも、記憶のどこかで 思い出す何かがあるのではないでしょうか。 『寂しい』から嘘をつく。 『普通』でないと、居場所がなくなる学校。 そんなとき、寄り添ってくれる人は やはり必要なんだろうな。 元生徒との再開のシーンでは 今までの話と、 この元生徒と先生の過去を想像してしまい、涙腺が。 油断してました。

    0
    投稿日: 2022.10.31
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    吃音というものを初めて知った。 この本に出会わなければ吃音のことを知らずにいたと思う。 自分も人に自分の想いを伝えるのがとても苦手だ。 村内先生は深いところまで言わなくてもわかってくれるんだと思う。 こんな先生に出会いたい。

    1
    投稿日: 2022.10.26
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    傷ついた人たちには特別な励ましより寄り添ってあげることが大切だと感じた。 吃音であっても大切なことを伝える大切さ。いかに相手に寄り添えるか。

    0
    投稿日: 2022.10.22
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    自分が中学生だった頃の記憶が蘇ってきて大変でした。(辛い日々でしたので)冷静に読もうと思ったのに…。 次から次へと何かしら抱えた中学生が登場するので、誰かには共感できると思います。共感できない「なんだこれ?」という話もありますが。 最後、カッコウの卵は題名見たら「村内先生の話かな?」と期待しましたが違いました。村内先生の視点で描かれる短編も読みたかったなあ…。

    2
    投稿日: 2022.10.13
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    ひとりぼっちじゃない。そばにいる。 たいせつなことを教えるためにやってきたヒーロー、国語の非常勤講師、村内先生。 見た目はもっさりした風貌のオジサンなんだけど、彼は間違いなくヒーローだ。 しゃべられなくなった子。 父親が交通事故の加害者になった子。 いじめられて転校していった子。 私立の受験に失敗した子。 父親が自殺した子。 それぞれ孤独を抱えた生徒たちの前にヒーローは現れる。 そして言う「間に合ってよかった」。 学校という閉鎖的で逃げ場のない空間。 思春期で多感な子どもたちにとっては、すべてが紙一重。ふとした瞬間に崩れてしまう危うさがある。 誰もがどの立場にもなりえる話だと思う。 こんなにも人の心の痛みがわかるのは、村内先生自身が誰より孤独を抱えてきた人だからだろう。 吃音があって、言葉を話すことが苦手。 だから、たいせつなことしか言わない。 そんな彼を見ているうちに、言葉よりもたいせつなことがあると気付かされる。 言葉を使えるからこそ、言葉に頼りすぎていた気がする。 本気で伝えたいことがある人間は強い。 最初の数ページから涙だった。 この本に出会えてよかった。

    26
    投稿日: 2022.10.13
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    吃音の非常勤講師が生きづらさを抱えた生徒のそばにいる物語。 伝える言葉は大切なことだけ。勉強よりも大切なものを感じた。

    1
    投稿日: 2022.09.25
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    「きよしこ」の続編かな?と思って読みました。 どこの学校にもいろんな悩みを抱えている子はいると思うし、上手く喋れなくてもこうして寄り添ってくれる先生がいれば、何か変わるきっかけになるかもしれないなぁと思いました。

    0
    投稿日: 2022.09.15
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    「ヒーローの登場する物語を書きました」 と作者あとがきにあるように、登場する村内先生は間違いなくヒーローだ。 村内先生は臨時の国語教師。教師だけど吃音症で上手く話せない。 とてもヒーローって柄じゃないけど、本当に大切なことをつっかえながらも自分の言葉で伝えてくれる。 そして生徒をひとりにしない。寄り添い、そばにいて、信じてくれる。 敵と闘うだけがヒーローじゃない。 誰かを救うことができる人がヒーロー

    3
    投稿日: 2022.08.17
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    30代になって久しぶりに読書を始めた私みたいな人にも読みやすい本です。 終わりの章に近い『進路は北へ』という話で村内先生がなぜ先生をやっているかが語られています。そのフレーズが一番心に残りました。

    1
    投稿日: 2022.07.29
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    学校を舞台にした連作短編集。 短編ごとに、様々な「問題のある」子どもたちが登場する。 全ての短編には、吃音を持った教師が登場する。彼が子どもたちを「救っていく」という話。 子どもたちの心象風景の描写は、さすがの重松清。もうすっかり昔のことになってしまった子ども時代の記憶が蘇る。あの頃の、とても小さな世界の空気感がよく描かれていると思う。 でもちょっと読むのが遅すぎたかな。子どもたちにはオススメ。人生に影響を与えた一冊になるかもしれない。 大人が読むのはどうだろう。自分個人は、子どもたちのウジウジした感じが、読んでいてじれったく感じてしまった…笑 あと、短編の中には、「これって問題解決してるの…?」みたいな話もでてくる。

    5
    投稿日: 2022.07.08
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    「おまもり」主人公が、父親の事故のことを家族で自分だけ覚えていないことを複雑に感じてるシーンに共感しすぎて苦しくなった

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    投稿日: 2022.06.23
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    主人公の村内先生は、中学の非常勤講師。 先生は、様々な理由で“ひとりぼっち”の心を持つ生徒の前に現れる。 そして“大切なこと”しか喋らない。 そして先生には、授業より大切な仕事がある。 それは“ひとりぼっち”の生徒のそばにいる事… 8編(8人)のストーリーだが、最初の「ハンカチ」は、卒業式絡みのお話で、いきなり涙腺がゆるむ。 一度緩んだ涙腺は、次の話に進んでも元に戻ることはない(TT) 最後の「カッコウの卵」だけは、先生の元教え子で22歳の青年のお話。 今はもう“ひとりぼっち”じゃない。 そばにいる家族が出来た。 そう、未来は明るい! あとがきで著者が、この作品は“ヒーローを主人公にした物語”と書いている。 本当に2話目、3話目、と読み進めていくと、村内先生がヒーローに見えてくる。 ビジュアルはオジサンなんだけどね(^.^; この本をオススメしてくれた土瓶さん、ありがとうございます。 素敵な作品でした。 そして、完敗。瞬殺でした(笑) 特に最終話はヤバいです(TT)

    42
    投稿日: 2022.06.16
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    多分、中学生の時に読んでもわからなかったと思う。「ひとりぼっち」って本当に難しい。 誰かといてもひとりぼっちだと感じるってこともある。自分にしか分からない孤独。自分でもわからない感情。 村内先生は「間に合ってよかった」って言うけれど、「見つけてくれてありがとう」って思うよ。 『たいせつ』は、すごく、たいせつだから。たいせつじゃない、たいせつなことは絶対にないから。 今、大人の私にはできるのだろうか

    0
    投稿日: 2022.06.13
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    いじめや孤独な生徒に不器用だけどまっすぐにたいせつなことを教える村内先生。「先生は、ひとりぼっちの。子の。そばにいる、もうひとりの、ひとりぼっちになりたいんだ。たから、先生は、先生をやっているんだ。」という言葉に泣いてしまいました。ぜひとも読んでいただきたい一冊です。

    3
    投稿日: 2022.06.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    さて今日は、私にとっては読むのに相当覚悟のいる作家さんの本である。 『青い鳥』 重松清 (新潮文庫) 私は、感動物語が苦手だ。 たぶん泣くのが嫌なんだと思う。 小さい頃から、泣くと怒られてきたからじゃないかなと思うんだけど、人前では泣かないようにしてきた。 “泣ける”なんていう惹句の付いたものはもちろん、何となく感動ものっぽいなと思える映画とかドラマはなるべく遠ざけてきた。 闘病の話など、人が苦しむものはしんどくなってしまう。 たまたま目にしてしまっても、泣かないように努力する。 そんなふうに注意深く生きてきた私が、いつも負けてしまうのが、重松清さんの小説だった。 やばい。 とにかく涙が止まらない。 年を取るにつれて確かに涙もろくなっているが、それにしてもこれはひどい。 心の琴線に触れまくる。 しかも優しい触れかたじゃない。 心の蓋が開いて感情がどんどん流れ出す。 “泣かない自分”の中身には、本当は“泣きたい自分”がいっぱい詰まっていて、まさにその部分に突き刺さってくるようだ。 吃音の国語教師・村内先生と、心の傷を抱えた生徒との交流を描く8つの物語。 吃音、というと『きよしこ』を思い出す。 『きよしこ』の主人公きよしも、学校の先生になりたかったのだ。 きよしの未来の姿が、村内先生に重なっているのかどうかは分からないが、同じ吃音で教師になることを諦めた重松さんの気持ちが、きっとどちらにも託されているに違いない。 だから心に響くのかな。 一作目『ハンカチ』は、あることがきっかけで、学校で全く話せなくなってしまった女子生徒の話だ。 卒業式が近づき、式で名前を呼ばれても返事ができず答辞が読めない彼女は、卒業式を欠席する、と担任に提出する日記に書いた。 非常勤講師で臨時の担任である村内先生は、国語の教師なのにうまく喋れない。 カ行とタ行と濁音が駄目で、いつも苦しそうにつっかえながら喋る。 その先生が、彼女の名前「千葉知子」を卒業式で呼ぶために、一生懸命練習する。 知子が喋れなくなってしまってから、初めて村内先生を呼ぶ場面がすごくよかった。 卒業式のシーンなんてもう…… あかん。 この話は何度読んでも泣いてしまう。 一番好きな話だ。 『ひむりーる独唱』もすごかったな。 心と体の乖離とはこういうことなのか…。 中学二年生の斎藤義男は、学校内で、担任教師をナイフで刺した。 さらに、保護観察処分中、祖母の住む田舎で暮らすのだが、そこでは大量のカエルを殺し続けていた。 しかし彼自身は、拍子抜けするほど、いわゆる普通の子なのだ。 その彼の目線で物語は語られてゆく。 なぜあんなことをしたのかわからないと彼は言い、自分は心を病んではいないと自己分析をする。 彼の心の中が見えていたのは、村内先生だけだった。 カエルを112匹殺した義男は、草野心平の詩集を読んで、作中のカエルたちの声を聞き、村内先生の一生懸命な言葉を聞き、変わっていく。 “ひむりーる”とは、体が白いために仲間はずれにされた、孤独なカエルの名前なのだった。 『おまもり』も好きだなぁ。 “たいせつ”という言葉が温かく心に広がる優しいお話だ。 最後の『カッコウの卵』は、中学生のときに村内先生に出会って立ち直った少年の、七年後の話。 先生は彼を“てっちゃん”と呼ぶ。 「人間は大人になる前に、下の名前でたくさん呼ばれなきゃいけない。下の名前で呼んでくれるひとが、そばにいなきゃいけない。」 涙が止まらない。 子供の頃の私に、村内先生が間に合っていたらよかったのにな。 この物語の主人公たちのように、「間に合ってよかった」と言ってもらえたらよかったのにな。 ほらね。 しまい込んでいた感情が、こうしてどんどん出てきて困ってしまう。 息ができなくなるほど言葉をつっかえさせて、一生懸命喋る村内先生の、本当の“たいせつなこと”。 今、出会えたことに、感謝したい。

    0
    投稿日: 2022.06.07
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    青い鳥を探す少年少女達を 一人の臨時国語教師が彼らに寄り添い、歪んだ心の形をそっと治そうとするオムニバス。8編・8人・8様の悩みと葛藤。 村内先生は、突然、必然に現れる。吃音の為多くを語らず、大切な事は何かを教えてくれる。 中学生くらいの人間関係は、本当に難しい。誰もが触れ方を間違えると、壊れてしまいそうな危ういバランスを保ちながら、教室に留まる。作者は、この息苦しさを描くのが本当に上手い。まるで、その教室に座っているかの様な、思春期の想い出をえぐられる様な気持ちになる。今、当事者である年代には、共感よりも辛い作品かもしれない。 幾つになっても青い鳥を探して、何処へ行っても隣の芝生は青い。隣の花は赤いし、隣の糠味噌はなんとか。 最後の「かっこうの卵」は、村内先生が「間に合って良かった。」教え子の未来像。自らの境遇を受け入れ、守るべきものを見つけ、自分の家を作った青年のお話。 aoi-soraさん、一敗です。 涙腺は辛い話よりも、最後のこんな幸福論に弱かったです。

    34
    投稿日: 2022.06.05