
総合評価
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powered by ブクログ国がどうやって繁栄するのか、なぜ衰退するのか、を色んな角度から説明してくれる本。 経済的な制度と政治が重要だとはわかった。文化的や地理的な説も多いが、それは違うとも言っている。日本で生まれたことは恵まれたことだなぁ、私は自由だなぁと感じられた部分もあった。今の私レベルだと「へぇ~そうなんだ〜」という感じだが、いつか何かのきっかけでこの知識を思い出せたらと思う。 とはいえ、翻訳だと一文が長くて、なかなか読みにくい。うーん、くどいかも。内容は魅力的だから、この本をもとに池上彰さんとか日本語を平易に使ってくれる方に再編集してもらって、図録付きで出版してくれたら、と思ってしまった。もっと軽快なテンポで進むかと思ったが、論文めいた硬派な本だった。私の勉強不足です、トホホ。日本の繁栄については、下巻に書かれている模様。期待したい。
1投稿日: 2025.10.19無駄に長い
「銃・病原菌・鉄」にくらべて、明らかに無駄に冗長、延々繰り返しでつまらない。 さっきも聞きましたよそれ、ベストセラーってホントに? って感じ。
0投稿日: 2025.09.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
国家が貧困を免れるのは、適切な経済制度、特に私有財産と競争が保証されている場合に限られる。 エジプトが貧困なのは、砂漠や気候、土壌、文化的特性、イスラム信仰、間違った政策、ではない。限られたエリートによって支配されてきたから。 イングランド、フランス、合衆国、日本、ボツワナ、ブラジルで政治変革が起きたために、豊かになった。 アリゾナ州ノガレスと、メキシコのソノラ州ノガレス。同じ地域、気候風土だが、生活は全く違っている。メキシコは独立後50年間、政情不安にあった。アメリカの銀行は、競争があった。メキシコの銀行間にはなかった。政治家は、選挙で勝つためには銀行と結託したくても続けられなかった。メキシコのカルロススリムは、イノベーションによって財を成したのではなく、政治的モネによって、民営化された独占通人企業を手に入れたことで財を得た。 経済制度は経済的インセンティブをもたらし、イノベーションを起こす。どのような経済制度を受け入れるかは政治的プロセスであり、これを決めるのは政治制度。政治家が国民の代理人になるか、自らの権力を乱用するか。成文憲法や民主的制度にとどまるのではなく、社会のあり方も決める。 制度と法の支配と安定性と継続性が保証されているからこそ、繁栄に向かうインセンティブを生む。 繁栄は経済制度で決まるが、それを決めるのは政治制度。 不平等の原因としての地理説では、豊富な生物と植物がいるインド、中国を説明できない。新石器革命が起きたのは、中東だたが、オスマン帝国の支配により貧しいままとなった。 コンゴは中央集権化された国家だったが、銃を奴隷を捕まえて輸出するためにつかった。コンゴは王によって、没収や課税のリスクを抱えていた。新しいテクノロジーを取り入れるインセンティブはなかった。鋤をつかって農業生産力を上げても、取り上げられる危険があるため、奴隷輸出を選んだ。 中国は、数百万の飢餓の経験から、共産主義から市場的インセンティブへの転換を図ったため、成功したが、これは政治が変わったから。 繁栄の達成の多くは、政治的問題の解決にかかっている。政治問題は解決済みではない。 韓国は民主的ではなかったが、私有財産と市場経済を認めた。そのため急速な経済成長がおきた。北朝鮮は私有財産をもてないため、生産の増進や維持のインセンティブがない。新しいテクノロジーを受け入れる余地がない。 収奪的な経済制度と包括的な経済制度の違い。私有財産、イノベーションだけでなく教育にも及ぶ。 収奪的な政治制度と包括的な政治制度の違い。政治とは社会のシステム、ルールを選ぶプロセス。 その前に、中央集権化された国家権力が必要。ソマリアでは多元的な政治勢力が争うため、実質的な権威が不在。 収奪的な政治制度と経済制度は、互いに支え合い持続しやすい。 包括的な経済制度は包括的な政治制度の上に作られる。恣意的な講師を抑制する。 経済成長は創造的破壊から起きる。収奪的制度ではそれが恐怖となり、イノベーションを抑え込もうとする。 オーストリア=ハンガリー帝国とロシア帝国は、貴族階級が強く、失うものが多いため、産業化が阻まれた。 成長が進むのは、経済的特権の喪失を心配する者、政治権力が失われることを心配する者、による妨害がない場合。 現代のコンゴ民主共和国は依然として貧しい。成長を促す経済制度がなく、収奪的な経済制度になっている。一部のエリートに政治権力が集中しているため、経済発展を促すインセンティブがない。中央集権化も起きない。取って代わる政権も、収奪的制度を繰り返す。 経済制度が収奪的でも、エリートたちが生産性の高い活動に投資すれば経済成長は起きる。カリブ海諸国、ソビエトの経済成長の例。 韓国は、経済制度が包括的だったため、収奪的な政治制度を維持する必要がなくなった。軍隊や政治を支配しても、得るものは少ない。 どちらもケースでも、中央集権的な国家がなければ成り立たない。部族間の対立があると、取って代わった勢力も収奪的にならざるを得ない。 ペストはヨーロッパを襲ったが、少しの違いから収奪的制度を壊す働きをするか、より収奪的制度の出現を許すか、の違いが起きる。 スペイン国王は、アメリカ帝国から金と銀を得たが、イングランド国王は財政的に豊かではないため、増税のため議会の承認を得る必要があった。 イギリスでは国王は貿易を独占できなかったが、スペインやフランスはできた。これが産業革命につながった。 東欧は農奴がいたが、西欧では少なかった。 ベネティアは、一部の独占エリートが収奪的制度を復活させた。 北米は、英国、フランスの植民地政策で決まった。ラテンアメリカはスペインの植民地政策で骨格が決まった。中東はオスマン帝国の植民地政策で決まった。 中国はアヘン戦争のあとも絶対王政を崩そうとしなかった。日本は、外圧と明治維新で包括的な政治制度ができた。 中央集権的体制があれば、なんらかの規則を実施することができる。収奪的制度であっても、富を奪おうとすれば富を生み出す必要があり、資源を特定分野に集中させることで成長はできる。既存の技術を下にした成長しかできない。ソ連の例。成長は早いが終了するのも早い。 経済的インセンティブはない。エリートは、持続的変化を嫌う。 スターリンは、インセンティブがないと働かないことを理解していて、その仕組みを作った。しかしボーナス制度は、常に業績不振がスタートの方が都合がいいことに気づかなかった。利潤動機ではなく、算出目標が同期だとイノベーションは怒らない。良いアイデアを思いつくことは強制できない。 コンゴ共和国の川を挟んだ2つの部族、レレ族は貧しいが、ブショング族は裕福。はなぜ起きたか。政治制度が違う。ブショング族は収奪的で絶対王政ではあったが、中央集権体制があった。収奪スべき富を生み出すために、ある程度の経済的繁栄は動機される。富は少数エリートに集まる。しかし、包括的な政治制度の場合と全く違うのは、それが持続不可能ということ。支配が続く場合は、創造的破壊とイノベーションが不足するので、成長は長続きしない。内紛と政情不安がおきると、政府は転覆するが、その後に出現する政治もやはり収奪的である。 ベネチアの遠距離貿易は、国営化し貴族のものになったことで、没落が始まった。包括的制度は反転することがある。小さな相違ははかないもの。 ローマ帝国は共和国から帝国へ移行して収奪の比重が増し、内紛や内戦がおきて崩壊した。 労働者の抑圧に基づく経済、奴隷制、農奴制、はイノベーションとは無縁。 いまでも、アフガニスタン、ハイチ、ネパールなどは政治的中央集権体制が欠けている。これは工業化の前提条件。 エリザベス一世とジェームズ一世は、靴下の機械化の特許を却下した。失業が生まれれば政治的不安定を生み、国王の権力を脅かすと考えた。収奪的制度はイノベーションを歓迎しない。 イギリスでは、名誉革命で王の収奪的制度を破壊した。専売品は国王のものではなく、国家のものになった。同時に中央集権化も進んだ。これが産業革命への糸口となった。包括的経済制度のたまもの。 オスマン帝国は、活版印刷が発明されても印刷を禁止した。民衆に知識をつけないため。印刷機の創造的破壊に反対した。 スペインは絶対王政が樹立されていたことが収奪的制度が持続した原因。イングランドでは名誉革命で絶対王政が敗北したことで、発展した。スペインは、むしろ絶対王政が強固になった。私有財産の曖昧さ、貿易の独占、公職の世襲など。 ロシアやオーストリアハンガリー帝国では鉄道も権力者の反対で敷設できなかった。国家が人々の繁栄を望まなかった。農業中心の社会のほうが都合が良かった。鉄道で革命がやってくる、と考えた。 明、清が交易に反対したのは、創造的破壊への恐怖から。国内市場は大きかったがイノベーションを起こすほどではない。 エチオピアでは、国王が気まぐれに土地を与えたり取り上げたりした。そのため、耕し、面倒を見るものはいなくなった。自分が収穫できるとは思わないから。
0投稿日: 2025.02.20
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支配層が既得権益を守るために制度を閉鎖的にし続ける限り、経済発展は阻害され、貧困と停滞の悪循環から抜け出せない。どんなに資源が豊富でも経済的に発展できないのは収奪的制度のせい。名誉革命によって国王より議会になったイギリスは産業革命の土台を築いた、という論理を繰り返してる。まあそういう考えもあるとは思うが、この論理が必ずしも貧困の国が作られる正解ではないと思った。
0投稿日: 2025.02.18
powered by ブクログ国家経済の発展に最も寄与するのは、民族、宗教、地政学的特性などではなく、政治システムが包括的なのか収奪的なのかの違いに因る、ということの証明を事細かく事例を用いて証明している。歴史書を読むようなボリュームで、ちょっと冗長かなと思われる内容だが、なかなか読み応えがあって面白い。 日本の今の発展を特別なことと思わず、政治システムをきちんと監視していく必要性を感じた。 あとは中国が今後どうなるか?によって、この本主張の真価が分かるだろう。
0投稿日: 2025.01.13
powered by ブクログ絶対主義的な政治制度は経済的に発展しない。包括的な政治制度を目指すべき。創造的破壊を恐れてはいけない。所有権の保証、大切。
0投稿日: 2024.12.07
powered by ブクログ世界にはなぜ豊かな国と貧しい国が存在するのか? ー上記の問いに答える鍵は、地理でも、気候でも、文化でも、あるいは為政者の無知でもない。問題なのは、政治・経済上の「制度」なのだ。 ・・・表紙見開きに書かれているこの内容について、詳細に検証している本。 ノーベル経済学賞受賞、おめでとうございます。
3投稿日: 2024.11.02
powered by ブクログ国家の衰退、貧富の差が出来るのは国のトップの考え、経済制度、収奪的制度が強く影響していることがよく分かった。無知が貧困を招く、経済制度、共産主義、創造的破壊、奴隷制度、包括的制度、イデオロギー、計画経済を基に過去の歴史を紐解いており、世界史を考えるきっかけになったという意味で良書だと思う。
0投稿日: 2024.08.24
powered by ブクログ世界には豊かな国(地域)と貧しい国(地域)があるが、それらを隔てる境界線が「包括的な政治・経済制度」か「収奪的」かの違いにある、という主張。「包括的」という言葉の意味するところは、自由主義や民主主義、多元主義といったイデオロギーを重視する政治であり、私有財産や市場経済を重視する経済制度を指す。 別に目新しくはない。日本の歴史教科書にはこの手のメッセージがすでに散りばめられている。啓蒙思想、西洋史観と言って良いかもしれない。実際に本書には「収奪的な政治・経済制度から包括的なものにうまく変革できた成功例」として明治維新が紹介されているが、深みは学校で学ぶ程度のものだった。でも本書には範囲の広さがある。世界各国の「豊かな国」「貧しい国」の紹介事例の多さだ。 少し残念なのは、各章のタイトルから「いつの時代の、どの国(地域)の、どのような統治制度」について解説してるのか?が判別つかず、また章末に「まとめ」もないので再読し辛いことだ。
0投稿日: 2022.08.23
powered by ブクログ2022年3月「眼横鼻直」 https://www.komazawa-u.ac.jp/facilities/library/plan-special-feature/gannoubichoku/2022/0301-11308.html
0投稿日: 2022.03.01
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「国家の衰退は制度がもたらす」「地理は関係ない」という主張に、思考が非常に刺激された。包括的制度(自由?)の重要姓を主張するので、人によっては自由主義野押し売りと感じるかもしれない。
0投稿日: 2021.05.29
powered by ブクログ豊かな国もあれば貧しい国もある理由 地理や文化ではなく、制度や政治の問題。 貧困国の経済的障害は、政治権力が限られたエリートによって行使され、独占されているという事態から生じている。 世界の2つの政治制度 包括的─自由民主政─自由市場の好循環 収奪的─権威主義的独裁─奴隷性や計画経済の悪循環 前者こそが持続的な成長が可能となる。 では、中国のような中央集権的市場経済が発展を続けるのか?→続けない。彼らは後発性の利益をたまたま得ただけであり、そうした社会は、創造的破壊を伴う技術革新への許容度が低い。 つまり、政治体制を支配するエリート層が、社会的基盤を揺るがされることを許さない。 権力を握り独裁を敷いていても、自国を自由経済に置き換え、繁栄すれば、結果的により多くの金が自分のものになるのでは?→ノー。自由民主主義に必要な異なる制度は、誰か権力を握るかについて異なる結果を生む。自由民主主義と自由経済における創造的破壊は、既存の利益者を壊すことになるのだ。 包括的政治制度とは、そこにいる権力が、ある特定の個人や社会集団の財産になっていないような仕組み。権力者はあくまで権力機関の役割の担い手に過ぎない。 収奪的政治制度とは、権力者=権力機関であり、権力機関が丸ごと権力者の財産である。 そうした収奪機関は、他者やライバルを蹴落とすため、自分の私服を肥やすために課税を行う。これを止めるには、単なる頭の挿げ替え(あとに座るのも既得権益にまみれた人物)だけでなく、非エリート中間層、民衆の連帯と多元的で広範な連携を軸とした民主的なトップの交代が必要。 自由な市場経済が創造的破壊によって経済的強者の交代を生むのに対し、自由民主主義も、既存の政治的リーダーの交代を生む。 現在のアフリカは、天然資源ブームにより経済発展を遂げているが、そこは政治権力が安定化されているとは言い難いかもしれない。しかし、長期的には持続可能性にないとはいえ、短期的な経済の発展は、人々を貧困からすくい上げ、安定の土台を構築することに貢献する。 16~17世紀、スペイン人は南米において奴隷と金銀の接収で巨万の富を得たが、イギリス人は北米大陸で同じことができなかった。北米大陸には金が無く、先住民も労働力を提供しなかったのだ。 その結果、「入植者が働きたくなるインセンティブを与えなければ駄目だ」と言うことに気づき、北米大陸の植民地が自前で議会と法を持ち始める。先住民の搾取と独占を社会の土台としたメキシコと、発展具合は大違いだった。 経済制度は経済的インセンティブを形作る。知識を身に着け、貯蓄して投資し、イノヴェーションを起こして新しいテクノロジーを取り入れる。人々がどんな経済制度の下で生きるかを決めるのが政治的プロセスであり、政治権力が社会の中でどう分配されるのかを決める。 貧しい国が貧しいのは、権力者が貧困を生み出す選択をするからで、これは誤解や無知のせいではなく、故意である。貧しい国の生活水準が低い原因は、親が子に教育を受けさせるインセンティブを生み出せない経済制度であり、そうした親子や学校の希望をサポートできない政治制度である。ある程度の政治の中央集権化が進み、かつ権力者が権力を掌握してないとき、成長が生まれる。 18世紀のイングランドには市場経済が生まれ、イングランドは植民地を多く獲得したが、それらにイングランドの制度が導入されることは少なかった。 世界の様々な地域ごとにすでに存在した制度は、小さな相違から始まり、時としてイングランド流の受け入れに適さないまでに増幅していた。悪循環と好循環は現在まで持続する傾向があるのだ。 収奪的経済の元でも、経済成長が生まれることがある。例えばソ連のように、生産性の高い重工業に強制的に人を配置する方法などだ。 しかし、技術的発展は長くは続かない。それは、経済的インセンティヴの欠如とエリートによる抵抗である。 ローマ共和国からローマ帝国時代に変わり、経済形態が収奪的になった。技術革新が起きなかった重要な理由として、奴隷制の普及が挙げられる。奴隷をあくせく働かせておけば富が得られるし、そこから発展するイノベーションは少ない。これは奴隷制に共通する特徴だ。 西ローマ帝国が崩壊後、抑圧された労働者に依存する封建的な諸制度が生み出され、これが中世ヨーロッパの長期に渡る収奪的でゆっくりした成長の土台を形成した。 また、名誉革命が、イングランドの政治制度を変化させて多元化し、包括的経済制度の基盤を築き始めた。 名誉革命が所有権を強化・正当化し、金融市場を改善し、海外貿易での国家承認専売制度を弱め、産業を拡大させた。 これは政治的制度において、幅広い連合が、議会に多元性をもたらし、あらゆるメンバーの権力を抑制した。議員でない人や選挙権さえ持たない人の請願にも、議員が耳を傾けるようになった。 権力がゆっくりと少しずつ、エリートから市民へと移行していったのだ。 さらに、アメリカ大陸の発見が決定的な岐路となる。 アメリカ大陸に先乗りしていたスペインと違い、植民地との貿易を商人にまで開いた(国が独占しなかった)ことが、イングランドの経済的活力の礎となった。 歴史的要素が制度の発展の道筋を形成するとはいえ、累積的なものではない。 それらは既存の諸制度から簡単に逆転するものであり、そうした要素が歴史の決定的な浮動点となりうることもある。 政治的エリートが、創造的破壊への恐れが主な原因となって、人間の生活水準に持続的な向上がなされない場合がある。 産業の普及を妨げるのは、絶対主義か、政治的な中央集権制(規則や財産権を制定できる機関)がないことであり、これら二つは繋がっている。
0投稿日: 2020.07.02
powered by ブクログ長期的な経済発展の成否を左右する要因は、政治経済制度の違いである。 経済発展には、inclusive=包括的な政治制度(民主政治)と包括的な経済制度(開放的で公平な市場経済)との相互依存というメカニズムが存在する。 また、良いスパイラルとは逆の、独裁政治と収奪的な経済制度との悪循環も同時に存在する。
2投稿日: 2018.10.13
powered by ブクログ180504 中央図書館 とりあえず、世界各地のドキュメンタリを見ている気分にはなれる。読みやすいとはいえない。
0投稿日: 2018.05.04
powered by ブクログ世界に裕福な国と貧しい国が生まれた理由を歴史的に解き明かす。緯度や気候などの地理的条件、宗教や民族ごとの価値観などの文化的側面は、世界的な不平等の説明にはならず、経済と政治の制度が重要であると説く。 ヨーロッパの植民地としての歴史を持つ南北アメリカ大陸に相違が生まれた理由がおもしろい。スペインが支配するアメリカ大陸の植民地では、金銀の略奪段階が過ぎると、労働力としての先住民を分け与える制度であるエンコミエンダなどの制度を導入し、土地を奪い、労働を強制し、低い賃金と重税、高い商品を売りつけた。コンキスタドールとその子孫は大金持ちになり、先住民の生活水準は最低となる不平等な社会となった。スペインは、1808年にナポレオンが率いるフランス軍に侵攻され、王が退位させられると、評議会が結成されてコルテスと呼ばれる議会を組織してカディス憲法を生み出したが、南米のエリートは、労働力としての先住民を分け与える制度であるエンコミエンダ、強制労働、絶対的権力による制度を守り、独立していった。 イングランドはアメリカ大陸の征服に遅れたため、先住民がたくさんいて鉱山のある場所はすでに占領されており、北米しか残っていなかった。入植者たちは先住民を支配することができなかったため、入植の支援をしたヴァージニア会社は人頭権制度を導入して土地と家を与え、1619年には議会が設立されて法と制度の決定権が与えられた。メリーランドでは荘園社会がつくられたが、議会が創設されると荘園領主の特権は剥奪された。1720年までに、アメリカ合衆国となる13の植民地のすべてに知事がいて、選挙に基づく議会があった。 ヨーロッパでは、14世紀のペスト流行による人口減少が、地域ごとに異なる結果を生んだ。イングランドでは労働力不足の結果、農民は強制労働と多くの義務から解放された。しかし、封建君主が組織化されていた東欧では、もともと広かった小作地はさらに拡大され、労働者の自由は奪われた。1500年以降は、西欧が東欧の農産物を輸入し始めたため、地主による労働者の支配は強くなり、無給労働が増えた(再版農奴制)。 政治制度の違いも重要な影響を与えた。16世紀末のイングランド、フランス、スペインは、いずれも絶対君主に支配されていたが、イングランドとスペインの議会は課税権を手に入れていた。スペイン国王はアメリカ大陸からの金銀から膨大な利益を得ていたが、イングランドの女王は税金を上げる見返りに、独占企業を創設する権利が奪われていった。イングランドでは、大西洋貿易と植民地化によって、国王とつながりのない裕福な商人が大勢現れ、政治制度の変化と国王の特権の制限を要求して、名誉革命において決定的な役割を演じた。名誉革命によって、所有権が強化・正当化され、金融市場が改善され、海外貿易における国家承認専売制度が弱められ、産業拡大の障壁が取り除かれた。包括的経済制度の下で、ジェームズ・ワットをはじめとする人々が機会とインセンティブを与えられて、産業革命が始まった。
1投稿日: 2017.06.16
powered by ブクログ国家の繁栄と衰退について、大きな要因としてテクノロジーがあると思われるが、それについては説明されていない。すべて制度に起因ささている。また、例えば日本についての例など、より歴史的知識のある日本人からすると、「オイオイ、よく知らないんじゃないの?」と突っ込みたくなる単純化が多いと感じるだろう。冒頭にそうそうたるメンツの賛辞を掲載しているが、それほどの本ではないような気がする。
0投稿日: 2016.07.10
powered by ブクログタイトル通りではあるが、なぜ繁栄している国家と貧困にあえぐ国家があり、後者は貧困を脱することができないのかがクリアになる。やはり自由、信頼、イノベーションは必須で、行き過ぎた統制、独裁は進歩を妨げるのだ。ジャレド・ダイアモンドの説より腹落ちする内容で、国家だけでなく組織に当てはまることで学びが多い。読み応え十分。
0投稿日: 2016.07.02
powered by ブクログイングランド人が北米を選んだのは、そこが魅力的だったからではなく、そこしか手に入らなかったからだ。アメリカ大陸の好ましい部分、つまり搾取すべき先住民がたくさんいて金山や銀山がある場所は、すでに占領されていた。 スペインによる征服当時のアメリカ大陸各地の人口密度 合衆国の人口密度は一部の地域を除き、一平方メートルあたりせいぜい4分の3人だった。メキシコ中央部やペルーのアンデス地方では、400人にも達しており、合衆国の500倍を超えている。 19世紀の合衆国ほど、政治に関して民主的な国が当時の世界にはほとんどなかったのと同じように、イノベーションに関してもこれほど民主的な国はまずなかった。 合衆国では政治的権力が幅広く分配されていたおかげで、特にメキシコと比べて、貸付や融資の平等な利用が保証されていた。 ある国が貧しいか裕福かを決めるのに重要な役割を果たすのは経済制度だが、国がどんな経済制度を持つかを決めるのは政治と政治制度だということだ。 熱帯における大いなる繁栄がまた目に入ってくる。偉大な全近代文明のいくつか、たとえばカンボジアのアンコール、南インドのヴィジャヤナガル、エチオピアのアクスムなどが、熱帯地方で繁栄を謳歌した。パキスタンのモヘンジョダロ、ハラッパーのインダス文明も同様。・・・熱帯という場所と経済的成功のあいだに単純なつながりがないことは、ほとんど疑いないのだ。 マックス・ウェーバー 国家の本質とは、合法的な暴力の独占 ソ連をはじめ、収奪的制度のもとで成長を成し遂げたほかの大半の事例とは異なり、韓国は1980年代に収奪的な政治制度から包括的な政治制度へと移行した。 エリザベス1世とその後継者はアメリカとの貿易を独占できなかった。ヨーロッパのほかの君主はそれができた。したrがってイングランドでは、大西洋貿易と植民地化を通じて、国王とほとんどつながりのない裕福な商品が大勢現れ始めたが、スペインやフランスではそうはならなかった。 世界には、イングランドに非常に近い制度をかなり異なるルートで発展させた地域があった。それがとくに当てはまるのが、ヨーロッパ人の定住植民地、つまりオーストラリア、カナダ、合衆国といった国々である。 共産党支配下の中国は、収奪的制度のもとで成長を経験している社会のもう一つの例であり、根本的な政治改革を経て包括的な政治制度へと向かわないかぎり、持続的な成長を生み出す可能性は同じように低いのである。 地理説や文化説から予想される事態とは対照的に、17世紀に包括的制度への決定的なステップを踏んだイングランドは、中東の新石器革命に続く数千年のみならず、西ローマ帝国崩壊後の中世初頭においても、発展の遅れた地域だったのだ。
0投稿日: 2015.10.12
powered by ブクログタイトルだけだとわかりにくいのですが「地域によって何故、繁栄と貧困に分かれてしまうのか」を説明した作品です。 ちょっとジャレド・ダイアモンドの面白かった「銃・病原菌・鉄」と似た感じかな、と思って読んみました。 冒頭の解は一言で言ってしまうと「ある程度中央集権的でかつ一部のエリートが権力を独占していない国は繁栄する。それ以外はダメ。」ということを日本の明治維新なども例に取りながら説明してあります。確かに本作でもふれられていますがダイヤモンド博士の説「人種に関係無く地理的、生物学的条件で繁栄する文明とそうでないものは決まる」だけでは説明しきれない事例があり、政治機構をいかにして持つか、というのは重要なテーマなのだと認識させられます。 残念なのは読み物としてくどく、かつこれは翻訳の問題かも知れませんが記述がややこしいいところ...そんな言い回ししなくてもいいのに、というところがけっこうあって、重要なテーマなのに残念だなと。 しかし、まとめてしまえば一行にできるようなことができないせいで苦しんでいる人がたくさんいるという現実がなんともな、と思わせられました。
0投稿日: 2015.09.21
powered by ブクログ繁栄する国家と、逆に落ちていく国家。その違いを、地理や文化といった(役に立たない)理論に求めるのではなく、経済と政治に関する、歴史の中では小さな選択にあるされています。なぜイギリスが産業革命で成功したのか、他のヨーロッパ諸国はそうならなかったのか。少々の偶然の要素もあったのですが、違う制度を取った国々の差を広げこそすれ、そのベクトルを決めたのは、その選択にあったということ。 具体的な歴史を、読みやすく、読ませる書き方で書かれており、現代の我々が立っている位置が、どのように出来上がっているものなのか。また維持するために、何に注意していなければならないのかを教えていただきました。
0投稿日: 2015.04.23
powered by ブクログジャレド・ダイアモンドは「銃・病原菌・鉄」で文明発祥と伝播には栽培可能な穀物や家畜が反映する社会を生んだ原動力となり東西には伝播しやすく自然環境の異なる南北には伝播速度が遅いと唱えた。それは一つの強力な仮説だが本書の調査結果によると歴史的に野生の牛や豚が棲息した地域の分布はヨーロッパからアジアの非常に広い範囲に及び米の原種はインドから東南アジアにかけて広く分布している。小麦の原種も肥沃な三日月地帯だけでなく地中海東岸からイラン、アフガン、中央アジアの「スタンズ」にまで広がっている。ダイアモンド自身も「文明崩壊」で同じ島でありながら崩壊しつつあるハイチと発展を目指すドミニカの違いを書いている。また、ニーアル・ファーガソンは西洋文明が優位になった理由を「競争、科学、所有権、医学、消費、労働」とまとめた。 それに対して本書では北朝鮮と韓国、フェンスを挟んで貧富の差が激しいアメリカとメキシコのノガレスなどを上げながら地理や気候と経済的成功の間には単純な、あるいは持続的なつながりはないことを明らかにしていく。そして政治制度が包括的で多元的であれば繁栄の好循環を生み、収奪的で独裁的であれば貧困の連鎖を生むとしている。包括的と多元的と言うのがわかるようでわからない訳なのだがinclusiveとextractiveの対比らしい。包括的な市場と言うのは個人の権利が尊重され、権力者による搾取がない市場、包括的で多元的な政治制度とは参政権が広く開かれ、色々な考え方が許容される政治制度と考えればいい。その最も極端な姿が民主主義だ。収奪的な独裁制の元では個人が努力するモチベーションが働かない。産業革命がイギリスで生まれたのは偶然ではなく、イノヴェーションが個人の利益を生むと言うモチベーションが後押しした。 しかし歴史的には封建社会が長く普通でイングランドで包括的な制度が生まれたのは偶発的なものだった。1688年の名誉革命によって王権の制限や多元的な制度を求めた商人達を含むグループが勝利したのは100年前にイングランドがスペインの無敵艦隊を破り大西洋がイングランド承認に開かれたことに端を発する。それでもイングランドで包括的な制度が力を持つにはまだまだ時間がかかり、1733年に飛びひを発明したジョン・ケイやジェニー紡績機のハーグリーブスはラッダイト運動でイノヴェーションに対する抵抗に会っている。それを黙認したのはイノヴェーションにより政治権力が脅かされることを怖れた権力者だ。君主制化の17世紀には王家や貴族は専売制の独占権の分配によって収奪的な制度を維持しておりこれが国家の大きな収入源だった。1642年独裁的なチャールズ1世に対抗した議会はオリヴァー・クロムウェルの指揮の下王党派を破りチャールズ1世を裁判にかけて処刑したがそれはただ、クロムウェルの独裁を生んだだけだった。そして王政復古後絶対君主制を復活させようとした弟のジェームズ2世は議会に破れ、議会はオレンジ公ウイリアムとメアリを招き立憲君主制を成立させた。王と議会の力関係が代わりより多元的になったわけだ。 逆に繁栄が上手くいかなかった例としては13世紀のヴェネツィアがある。定住し資金を提供する商人と自身は財産を持たず商人のパートナーとして旅をする貿易商からなるコメンダ(ワンタイムの合資会社)によりヴェネツィアの経済は発展し大評議会が生まれ毎年100人の新たな評議員が任命された。独立した裁判所、契約法と破産法が生まれ現代の銀行業の元が生まれた。しかし既得権益を持つ貴族勢力は評議会を世襲化し、コメンダの利用を停止した。1314年に貿易を国営化し、個人商人に高額の税を課すようになるとヴェネツィアの経済は衰退を始めた。ヴェネツィアは世界経済の中心から今では地方の観光地、よく言えば往事の繁栄を記録した博物館になっている。 「発見」された当時のアメリカ大陸では現在のアメリカとカナダの人口密度が最も低くこれだけでも地理説は力を持ちにくい。どこで差がついたかと言うとアメリカの入植はことごとく上手くいかず入植者に所有権と参政権を与える試みだけがうまく働いたのは収奪するほどの先住民がいなかったということでもある。メキシコや南米に入植したエリートは強制労働を元にした植民地制度を享受していたからだ。そしてクーデターはあっても制度は維持された。アメリカ合衆国が楽園とは言えずとも世界最大の経済大国になった成り立ちには自由主義や民主主義が大きなモチベーションとなったことは間違いはない。 では共産党一党独裁の元で収奪的な政治制度の下で繁栄する中国はどうなるのだろうか。収奪的な制度の下で経済的な発展を達成するケースはある。中央集権制がない政治制度よりはまだ条件としては整っている。「漢江の奇跡」の韓国の政治が包括的制度に移行したのは1980年代盧泰愚政権の時だ。しかし著者の見立てでは中国が韓国の様に包括的制度に移行する見込みは薄い。
0投稿日: 2015.02.11韓国は収奪的制度の下で経済発展し包括的な制度に移行した。では中国は?
ジャレド・ダイアモンドは「銃・病原菌・鉄」で文明発祥と伝播には栽培可能な穀物や家畜が反映する社会を生んだ原動力となり東西には伝播しやすく自然環境の異なる南北には伝播速度が遅いと唱えた。それは一つの強力な仮説だが本書の調査結果によると歴史的に野生の牛や豚が棲息した地域の分布はヨーロッパからアジアの非常に広い範囲に及び米の原種はインドから東南アジアにかけて広く分布している。小麦の原種も肥沃な三日月地帯だけでなく地中海東岸からイラン、アフガン、中央アジアの「スタンズ」にまで広がっている。ダイアモンド自身も「文明崩壊」で同じ島でありながら崩壊しつつあるハイチと発展を目指すドミニカの違いを書いている。また、ニーアル・ファーガソンは西洋文明が優位になった理由を「競争、科学、所有権、医学、消費、労働」とまとめた。 それに対して本書では北朝鮮と韓国、フェンスを挟んで貧富の差が激しいアメリカとメキシコのノガレスなどを上げながら地理や気候と経済的成功の間には単純な、あるいは持続的なつながりはないことを明らかにしていく。そして政治制度が包括的で多元的であれば繁栄の好循環を生み、収奪的で独裁的であれば貧困の連鎖を生むとしている。包括的と多元的と言うのがわかるようでわからない訳なのだがinclusiveとextractiveの対比らしい。包括的な市場と言うのは個人の権利が尊重され、権力者による搾取がない市場、包括的で多元的な政治制度とは参政権が広く開かれ、色々な考え方が許容される政治制度と考えればいい。その最も極端な姿が民主主義だ。収奪的な独裁制の元では個人が努力するモチベーションが働かない。産業革命がイギリスで生まれたのは偶然ではなく、イノヴェーションが個人の利益を生むと言うモチベーションが後押しした。 しかし歴史的には封建社会が長く普通でイングランドで包括的な制度が生まれたのは偶発的なものだった。1688年の名誉革命によって王権の制限や多元的な制度を求めた商人達を含むグループが勝利したのは100年前にイングランドがスペインの無敵艦隊を破り大西洋がイングランド承認に開かれたことに端を発する。それでもイングランドで包括的な制度が力を持つにはまだまだ時間がかかり、1733年に飛びひを発明したジョン・ケイやジェニー紡績機のハーグリーブスはラッダイト運動でイノヴェーションに対する抵抗に会っている。それを黙認したのはイノヴェーションにより政治権力が脅かされることを怖れた権力者だ。君主制化の17世紀には王家や貴族は専売制の独占権の分配によって収奪的な制度を維持しておりこれが国家の大きな収入源だった。1642年独裁的なチャールズ1世に対抗した議会はオリヴァー・クロムウェルの指揮の下王党派を破りチャールズ1世を裁判にかけて処刑したがそれはただ、クロムウェルの独裁を生んだだけだった。そして王政復古後絶対君主制を復活させようとした弟のジェームズ2世は議会に破れ、議会はオレンジ公ウイリアムとメアリを招き立憲君主制を成立させた。王と議会の力関係が代わりより多元的になったわけだ。 逆に繁栄が上手くいかなかった例としては13世紀のヴェネツィアがある。定住し資金を提供する商人と自身は財産を持たず商人のパートナーとして旅をする貿易商からなるコメンダ(ワンタイムの合資会社)によりヴェネツィアの経済は発展し大評議会が生まれ毎年100人の新たな評議員が任命された。独立した裁判所、契約法と破産法が生まれ現代の銀行業の元が生まれた。しかし既得権益を持つ貴族勢力は評議会を世襲化し、コメンダの利用を停止した。1314年に貿易を国営化し、個人商人に高額の税を課すようになるとヴェネツィアの経済は衰退を始めた。ヴェネツィアは世界経済の中心から今では地方の観光地、よく言えば往事の繁栄を記録した博物館になっている。 「発見」された当時のアメリカ大陸では現在のアメリカとカナダの人口密度が最も低くこれだけでも地理説は力を持ちにくい。どこで差がついたかと言うとアメリカの入植はことごとく上手くいかず入植者に所有権と参政権を与える試みだけがうまく働いたのは収奪するほどの先住民がいなかったということでもある。メキシコや南米に入植したエリートは強制労働を元にした植民地制度を享受していたからだ。そしてクーデターはあっても制度は維持された。アメリカ合衆国が楽園とは言えずとも世界最大の経済大国になった成り立ちには自由主義や民主主義が大きなモチベーションとなったことは間違いはない。 では共産党一党独裁の元で収奪的な政治制度の下で繁栄する中国はどうなるのだろうか。収奪的な制度の下で経済的な発展を達成するケースはある。中央集権制がない政治制度よりはまだ条件としては整っているが見込みは薄いと見ている。
1投稿日: 2015.02.11
powered by ブクログジャレッド ダイアモンドの「銃 病原菌 鉄」に対するアンチテーゼ?。地域性を主軸に論旨展開したジャレッド ダイアモンドに対して、社会システムに注目した本書。一つの歴史の切り取り方、という観点で読んでも凄く面白い。下巻が楽しみ。
0投稿日: 2015.01.08
powered by ブクログなぜいま国家や地域によって経済や成長にここまで格差が生じているのかを考察した本。名著「銃、病原菌、鉄」では「近くにいた動植物がたまたま飼いならしやすいもので食料化し、かつそれらにいた病原菌を欧州民族が最初に抗体をつけたから」みたいな要因に格差が生じる根本原因を見出していたが、本書ではそれを社会システムに求めている。(歴史的偶然性である、というのはどちらも同じ結論なんだけど。。) つまり、多元的・民主的政治システムは包括的システムであり、その下にはやはり包括的な経済システム、具体的には人々が発展することへのインセンティブが生じ、経済が発展すると説き、莫大な量の事例でこれを証明している。 慧眼というか最大のミソは、権威主義的あるいは絶対主義的な政治システム下でも権力の集権化に伴う効率性により経済はある程度発展するが、前者と後者の違いは破壊的なイノベーションによる許容度の違い、つまり権威主義、絶対主義的な政治システムの下では社会を根本的に変革し、自らの政治基盤を脅かすことにつながるイノベーションは結局のところ受け入れず、発展に限界が訪れることを指摘している点である。イノベーションを起こさせるインセンティブを人々に起こさせ、変化を国家自体も受け入れられるような多様な人々を意思決定の中に組み込んでおくこと、これがもっとも重要なようだ。 この視点から、現在の中国の開発独裁的手法には自ずと限界が訪れることを本書では指摘している。これが当たるかどうかが、本書の真価を問う場になりそうだ。 ある体制が崩壊し、新しい体制が生じる際に、その体制が社会のあらゆる階層や意見を多元的に受け入れているものかどうか、それが次の発展を規定すると本書では定義している。なぜならば前者と同じ性質の人たちが次の体制を構築する場合、よりひどい収奪的構造がそこに生まれることが多いことが歴史の多くの事例から証明されているからである。このことを正確に理解していれば、今後の国際情勢を見る上でのひとつのものさしになるような気もする。 いずれにしても、上下巻全部読むと、人類の社会、経済システム史に相当に詳しくなったような気にならせてくれる良書である。
0投稿日: 2014.11.25
powered by ブクログ人民に労働対価が与えられないと、その国は滅んでいく。ということを、実例をいくつも挙げながら説明している。特に、アフリカ諸国での絶対的権力政治が、現状に至っていることがよくわかる。ソマリランドの無政府状態が何故続いているのかが、判りやすく書かれている。平易な言葉で書かれているが、中身が非常に濃すぎるだけに、読むのに時間がかかる。3回くらい読み直してやっと、筆者の言いたいことが判るのかもしれない。
0投稿日: 2014.06.19
powered by ブクログ収奪の体制になると経済的な成長が止まるという理論。過去のいろいろな地域、国を事例として説明している。 政治体制によって経済体制が決まり、成長のインセンティブが働くなくなると国家は衰退する。国家の衰退を経済的な衰退ととらえている。 政治体制が民主的であれば経済成長が促される仕組みになっている。ただ、ローマを事例にとると民主から独裁へと移行しており、民主から他の仕組みに移行する可能性はある。 「隷属への道」では政治的な自由よりも経済的自由が重要と言われており、つながるところがある。というのも、収奪的な政治体制でなければ経済的な自由は保障されるので、民主主義にはこだわっていないと言える。
0投稿日: 2014.06.14
powered by ブクログ経済は政治の上にある。政治が正しく平等で安定していないと投資もできないし新しい産業は(既存の権力者に)つぶされる。で政治は民主的なほうが長続きしやすくて、王政や社会主義とかだと一時的に発展はするが継続しない。まっ100年ぐらいは持つかもしれないみたい。ソ連は持たなかったけど。 南米やアフリカの収奪的な政治を何とかしないと経済発展や飢饉の対策はできない。 となるとまずは地域の自治レベルでの民主制の萌芽を目指すのかな。フランス革命も三部会とかの影響もあったし。
0投稿日: 2014.06.13納得させられます
いくつかの国、先進国といわれている国と、そうでない国の両方、を訪れたり居住した経験から、なぜこの国の人々はこのように考え行動するのかという疑問を心の中に抱えていましたが、この本から疑問に対する多くの答えを得られたと思いました。外国語で書かれた原作を日本語訳した本にしばしば見られる読みずらさがあることが否定できないものの、多くの事例を挙げ、他の文献をきちんと引用しつつ丁寧に書かれている内容は、そこを補ってあまりあるものです。 書かれている内容を集約すると、富を独り占めしたいという国の権力者のエゴが、結果としてどれ程その国の発展を妨げ国民を豊かな生活から遠ざけてしまうものかというところに尽きるのでは。 一方で、現在発展している国が発展するにたる制度を持つことになったのは偶然の結果なのか、あるいはそこの何らかの意思が働いていたのか?本の中に既に答えがあるとも言えますが、私としてはその点に関心があります。 これから下巻も読んでみます。
1投稿日: 2014.05.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
世界にはなぜ豊かな国と貧しい国が存在するのか、本書は、政治・経済上の「制度」による違いがその理由であることを古代ローマから、マヤの都市国家、中世ヴェネツィア、名誉革命期のイングランド、幕末・明治期の日本、ソ連、ラテンアメリカとアフリカ諸国、現在の中国といった広範な事例を用いて説明するもの。 これからの日本を考えると、既得権益に縛られずに、世の中のニーズに応じた創造的な技術・仕組み・取組みが自由活発に進められる社会により良く変えていくことが重要で、政治・行政としてもその基盤を作ったり、後押しすることが役割になろうと感じました。 今後の日本、また世界を考えていく上で必読の良書です。ちなみに、筆者は同じヨーク大学・LSE出身の政治経済学者で親近感があります。 【ポイント】 ・豊かな国には自由で公平、開放的な経済制度があり、技術革新・創造的破壊による持続的な発展のインセンティブがある(一方で、権力者が国家を食い物にして民衆から収奪する仕組みあり)。また、法の支配、民主主義、多元主義といった政治的基盤がそれを支えている。 ・日本の明治維新とその後の経済発展は、イギリス名誉革命、フランス革命と並んで偶然性も相まった稀有の出来事。 ・現在の中国の急速な発展も、既存技術の導入などに留まっており限定的で、政治的な開放がなされていない統制的な経済制度では、長続きしないのが歴史的な必然。 ・あくまで制度という人間によって左右できるものが主要因であることは楽観的、一方で、人の問題であるがゆえ一度形作られた制度は硬直的でなかなか変わらないことは悲観的(奴隷制、植民地時代の制度が未だに残っているアフリカ、南米など)。 ・これまでの国際機関や開発機関による「開発援助」は往々にして途上国の時の権力者を肥太らせ、また国際機関から現場に至るまでに幾重にもピンはねされるために、真の援助が必要な大衆には届かず、必要な制度を作るにも至っていないのが現状。一方で、何もしないよりは何かした方がマシなのも事実。
0投稿日: 2014.05.16
powered by ブクログ世界史に疎い自分にとってはめちゃくちゃ難しかった。 この本に出てくる「収奪的な制度」は日本でもある程度は見られそう。 電力業界とか、限られたエリートとは違うけど、農業とか?
0投稿日: 2014.05.07
powered by ブクログ「国家はなぜ衰退するのか」(上)は「国家はなぜ衰退したのか」「国家はなぜ繁栄したのか」「国家はなぜ繁栄できないのか」の事例のショーケースでした。包括的制度と収奪的制度という本書の提示するフレームワークのもと、産業のイノベーションが事業者に対してインセンティブをもたらす政治体制かどうか、というシンプルな視点で古今東西の国家の盛衰を語っていきます。初めに結論をハッキリさせておいて次々とサンプルを繰り出してくるのでテーマの重さの割りには一気に読めました。そういう意味では本書でも何回も言及されている「銃・病原菌・鉄」がゆっくり読み進まないとならなかったのと違いを感じました。西欧と東欧の違い、イングランドとスペインの別れ道、名誉革命と産業革命の意味、アフリカの苦しみ、中国の不透明性などなど、なるほどの連発です。ただ、その主張の分かりやすさが新自由主義的な市場礼賛にも繋がりかねないような気がしてヒヤヒヤしながら(下)に突入します。
0投稿日: 2014.05.06
powered by ブクログ2014年25冊目。 わずか一枚のフェンスで区切られた「ノガレス」の北と南で大きな経済的格差が生じるのはなぜか。 地理・気候・民族が同じ北朝鮮と韓国でこれだけ貧富が違うのはなぜか。 国家の貧富を左右するのは「地理」「病気」「文化」ではなく、 “収奪的”ではなく“包括的”な経済「制度」とそれを構築する政治「制度」が有るか否かだというのが、本書の主張である。 ■「収奪的制度」:絶対主義、一部のエリートによる支配、新技術導入への渋りや妨害、商業の独占・・・etc ■「包括的制度」:多元的政治体制、議会の機能、イノベーション(創造的破壊)への寛容性や促進、認められた財産権・・・etc これらの制度の違いによって(たとえ小さな相違でも)、決定的帰路(たとえば、「新大陸の発見」や「産業革命」)が訪れた際に、その恩恵を享受して継続的な発展を手にできるかどうかが決まるという。 収奪的制度の元でも、一定の発展は見受けられる。 しかし、包括的制度の元での発展と違うのは、そこに「持続性」が認められないこと。 これらの主張を、原始時代、ローマ帝国、コンゴ民主共和国、ロシア、産業革命前後のイギリス・・・非常に広範な歴史を紐解いて論じている。 ■巻末に出展と解説が多少あるものの、脚注がないため、やや信憑性に欠ける部分がある ■全ページが塗りつぶしたように文字ばかりで、箇条書きでのまとめなどがないため、読み辛さを感じる時がある などの点は気になったが、「全ては制度」という明快な主張を通していて、一読の価値はとても高いと思う。 下巻では明治維新に至る日本の事例も出るそうなので楽しみ。
0投稿日: 2014.04.27
powered by ブクログ上巻では国家が繁栄するには多元的な政治システム、経済システムが必要だと豊富な事例により説明されている。主張自体は理解できる(というかなんとなく先進国では以前から共有されていると思われる)が、全体的にアネクドータルで冗長な印象を受ける。著者の一人が経済学者なのだから、この著書の中でモデルを呈示するべきとまでは言わないが、グラフ等で相関関係が納得できる記述にしてもらいたかった。
0投稿日: 2014.03.29
powered by ブクログ☆チャーリーおすすめの一冊! 非常に難しい内容ではありますが、とてもためになります。活用できる部分も多く、自分に取ってはバイブルとなる1冊です。
0投稿日: 2014.03.26
powered by ブクログ包括的な政治制度と包括的な経済制度が国家の繁栄をもたらし、逆に収奪的政治制度と収奪的な経済制度が国家を衰退させるという新しい視点がとても納得できた。しかし言ってることがそれだけで、ほとんどがその繰り返しである。豊富な例を挙げていると言えばその通りだが、私にはしつこく感じられた。
0投稿日: 2014.01.19
powered by ブクログちょっと内容が私の趣向とは違ってました。経済の発展とその国の政策制度で変わって来るというのは理解できますが、いかにも欧米的な理論でちょっと辟易してしまいました。
0投稿日: 2014.01.12
powered by ブクログ第1章 こんなに近いのに、こんなに違う 第2章 役に立たない理論 第3章 繁栄と貧困の形成過程 第4章 小さな相違と決定的な岐路―歴史の重み 第5章 「私は未来を見た。うまくいっている未来を」―収奪的制度のもとでの成長 第6章 乖離 第7章 転換点 第8章 領域外―発展の障壁
0投稿日: 2013.12.29
powered by ブクログ地理的要因と家畜化および農耕化可能な野生生物種の存在を文明発祥の起源としての条件を提示したジャレット・ダイヤモンドの名著『銃・病原菌・鉄』に対して、その統治形態によって、国家の趨勢が決まるというのが本書の要点だ。 しかし、『銃・病原菌・鉄』のスコープと本書はスコープと論点が異なっており、明らかに互いに排他的な議論をしているわけではない。名が通ったものを恣意的な解釈のもとにアンチとして定義し、それ対して自らを対置することで正当性を主張する手のように見え、あまりいい印象を持つことができない。 著者の主張をまとめると、ごくシンプルで、統治形態が収奪的である場合は経済的繁栄は持続しないし、包括的制度である場合は繁栄する、というのが主張である。その事例としてスペインとイングランドの植民地政策の違いを歴史的に考察し、南北アメリカの違いを説明する。 スペインとイギリスの植民地政策の違いは、マクルーハンにも取り上げられて、決して新しい視点ではない。また、収奪的システムが経済的自立を阻害するのは、社会主義国家の失敗やアフリカの多くの独立後の国家の状況、さらには南北朝鮮の明白な違いを見れば明らかだ。 本書のテーマに対応する本としては『銃...』よりも、ウィリアム・バーンスタインの『「豊かさ」の誕生』を挙げる方が適当だろう。参考文献には挙げられていないので、著者が読んだかどうかは分からないが、そのスコープや着眼点は重なっている。成功した国家としてイギリスやオランダ、明治維新以降の日本を挙げている点も同じだ。『「豊かさ」...』では、「豊かさ」の発展の必要条件として「私有財産制度」、「科学的合理主義」、「資本市場の形成」、「輸送技術と通信技術」の4つを挙げている。本書では、おそらくはそれらに先立ち統治形態がより根源的な支配条件だと主張していると考えることができる。特に、「私有財産制度」と「資本市場の形成」は、包括的制度の必然の要素である。どちらの本に説得力があったかと言われると『「豊かさ」...』の方に自分とした軍配を挙げる。機会があれば合わせて読むとよいだろう。 また売れている本では、マット・リドレーの『繁栄』も対比できる本だが、『繁栄』では、人間が獲得した「交換」の能力が繁栄を約束したという。その要因をより根源的なものに焦点を当てているが、国家間で繁栄の差があることについては、あまり気に掛けていないように思われる。その意味で、両者は互いに補完するような関係にあると見ることもできるだろう。個人的には、『繁栄』の方が視点に意外性がありかつ根源的な問いかけがされていて面白い。 いずれにせよ上下巻に渡る大著である。もう少し短くできたかとも思うが、かなりの史料をベースにした真面目な本である。
0投稿日: 2013.12.28
powered by ブクログ国が豊かかどうかを規定する因子を考察している。つまり、国民にインセンティブを持たせることができるか、どうか。それは、経済制度であり、政治制度が、どのような形をとっているのか。アメリカとメキシコの国境の街ノガレスを例に挙げ物語が始まる。 創造的破壊を拒絶するような絶対主義のもとでは、インセンティブは育たない。もちろん、創造的破壊によって、統治者やエリートは多くのものを失いうる。抜本的なイノベーションを導入するためには、常に新規参入者を必要とする。多元的なものを許容できる政治制度、つまり変化し続けることが生き残るための秘策なのだろう。 私のような基盤を未だ持たない者にとっては、本著はきわめて刺激的な内容に富んでいた。
0投稿日: 2013.12.07凡庸なれど緻密な文明論(上下巻通読)
基本的に本書のテーマは王道にして明快。なぜ国家で貧富差が出るのか、なぜ国家が隆盛したり衰退したりするのか。 まず中央集権体制がなければ国民の生産活動もイノベーションもままならぬ、でも包括的制度でないと生産活動やイノベーションを胚胎し推進するインセンティブに欠ける。 ここで頻出する対立軸「包括的制度」=法の支配・万民の法の下での平等的政治体制、アンド万人が既存経済システムの創造的破壊を生じるイノベーションを生み出しうるような経済体制。対する「収奪的制度」=絶対者やエリートの専横による政治体制、アンド経済的強者が自分の利益の源泉たる経済システムを守るためにイノベーションを圧殺するような経済体制。これを念頭に置いて読む限り、全体に一般書として充分分かりやすく各種国家・文明の成り行きが描かれている。 要するに政治的自由主義の中でも多様性容認な現代型、そして経済でも自由主義が、国民の持てる総力を生産活動やイノベーションにつぎ込めるから強い、と。 どうすればそうなれるのかは、各国の「制度」に関わるため多様な経緯を辿るし偶然に依存する部分も多々あるが、その結論は変わらない。 恐ろしい程に王道でベタ。だけどそれを導出するために言及・調査されている世界各国各地域の量が膨大で、有無を言わせぬ程の説得力がある。 ある意味教養課程の経済史や、受験論述用の世界史の副読本としても利用価値があるのではないかと。 ただ、若干ひっかかりを禁じ得ないのは、本書の批判対象への言及。ジャレド・ダイヤモンドの地政学やヴェーバーの文化・倫理を一刀両断してしまっているのだが。 確かに両者ともに根拠や原因とするには弱いのだが、地政学は文明の発展にとって有利な条件ではあったろうし、ヴェーバーは元々社会事象の原因が多様である事を前提にした上で資本主義黎明期の駆動力に新教のメンタリティが資したという論調ではなかったかと(この点、マルクス主義側からのヴェーバー批判のように類型化が著しい)。 また、包括的制度の世界的極限たる合衆国が今陥ってる苦境はどう説明されるのか。例えば今の日本のように(他の原因も非常に多いが)一定水準の生活インフラが整ってしまった事で、イノベーションが生み出せても滅多な事で「創造的破壊」に至るような社会的インパクトが生み出せなくなってないか、とか。 それらの疑問は原著者の別のタイトルを参照すべき話ではあるのだろうが、いずれにしても本書の価値を減ずるものではなく、政治経済史・文明論として読む価値のあるタイトルだと思う。
3投稿日: 2013.11.14この本のテーマは,「経済的に豊かな国と貧しい国があるのはどうしてか?」
この本のテーマは,「経済的に豊かな国と貧しい国があるのはどうしてか?を考察すること」と言えます. 「Why Naitions Fail」というタイトルだけを見ると,反映していた国の力が衰えていく...つまり軍事的に弱体化するとか権力者の権力基盤が弱くなると言った意味にも 取れそうですが,そういう内容ではありません. 先進国に代表される経済的に繁栄している国と,経済的に貧しいいわゆる発展途上国があるのはなぜか, その差はどうして生まれたか,ということを様々な事例を挙げて分析しています. 一言で言ってしまうと,その差は「制度の違い」であるというのが本書の主張です. 絶対権力を持った少数の人間が大多数の人間を奴隷のように支配する制度を持つ国は貧しく, 逆に権力が分散され経済活動など様々な自由が保障される制度を持つ国は豊かである,と. 堅苦しそうなタイトルと,実際堅苦しいテーマではありますが,全米ベストセラーというだけあって, 内容は興味深く,文章も読みやすいです. 少し値は張りますが,それに見合う価値があると思います. そして読み終えてこう思いました. 様々な問題はあるにせよ,日本という経済的な繁栄をもたらす制度を持つ国に生まれることができて良かった,と.
6投稿日: 2013.11.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
マックスウェーバーは国家の本質を『合法的な暴力の独占』と定義した。中央集権していない国家は政情不安を招き、混沌となる。そしてその盛衰は文化や地理的気候が決めるのではなく、国家の政治・経済制度が決める。収奪的制度(≒共産主義?)を採る国は一部のエリートが富を得ることで、それ以外の人々との内紛や政情不安を必ず引き起こす。エリートは情報を操作し、自由な発想や創造的なものを破壊してしまうからだという。 つまり十分に中央主権された強力な国家と多元的価値観を認める政治・経済制度の共存が、繁栄できる条件なのだ。 植民地時代においても王に集権していたスペインと多元的なイギリスとの差がその後の繁栄を分けた。 更に植民地にされた国(特に資源が見込まれる国)は搾取を容易にするため、収奪的な政治・経済制度を強要され、繁栄を妨げられた。 人間の欲望が人間を支配する起源であることがよく分かる。 資源も少なく、タイミングよく明治維新が成功した日本は、こうした世界の潮流に飲み込まれなかったのかのように思えたが、やはり集権的な時代には数度の戦争に突入した。 集権・多元を繰り返すことが今後も国家の宿命なのだろうか。 まだまだ集権的な中国やロシアといった大国は、今後どのような方向に進むのか。 宗教で集権化されている国々はどうなっていくのか。 読んでいて根本的な問いが生まれるのは良書の証拠なのだと思う。
0投稿日: 2013.10.20
powered by ブクログ批判も賛同も多く出ているので、すでにそれに付け加えることもないのでしょうが、還元主義的というか説明のための歴史や制度の恣意的な採用をして書いているのではという違和感はありました それでも経済学のブロゴスフィア的にはあまり扱われない国々についての詳しい説明があったのはおもしろかったのですが
0投稿日: 2013.10.07
powered by ブクログとりあえず上巻読了。経済制度が「包括的」か「収奪的」かで国の豊かさが決まるんだって。しかし、「包括的」の定義について直接的な記述が発見できないけど、安全な私有財産、公平な法体系、公共サービスの提供が必要条件らしい。
0投稿日: 2013.09.26専門家だけでなく、一般の人向けでもある
ノーベル賞よりも受賞が難しいとさえ言われる経済学の賞、ジョン・ベイツ・クラーク賞受賞者であるMIT教授ダロン・アセモグルと気鋭のハーバード大学教授ジェイムズ・A・ロビンソンが、産業革命以降の国家の繁栄、衰退に関わる要因となる社会の仕組みを、歴史的事象を取り上げながら解説しています。これからの経済学を担う2人が、およそ15年の歳月をかけて研究した結果は、間違いなく贅沢で価値ある1冊。ノーベル賞歴代受賞者がこぞって褒めたとされるのにも納得。政治と経済の両面からみて、持続性のある社会とはどのようなものなのでしょう。過去の事象から豊富な引用を行っており、政治経済の点から世界史を再読する機会にも。(スタッフO)
0投稿日: 2013.09.20
powered by ブクログ国家のあるべき「カタチ」を考える指針を提示してくれる。 読みにくいけど。 長期的な発展に必要なのは政治経済制度の違い、と言い切る。地理や環境的条件、文化の違いも関係ないのだと。 包括的な経済制度と収奪的な経済制度、政治制度においても包括的(多元的でもある)と収奪的(独裁的)なものの掛け合わせで4つの組み合わせができあがる。歴史的にこれら4つがどう変遷していくのかを説明する。 経済制度を決めるのは政治だ。だからこそ包括的な政治のもとでなければ経済の長期的発展は考えにくいともいう。共産国家の計画経済の限界をこう説明するわけだ。 中国も政治制度が変わらない限り、継続的な発展は見込めないだろうと言いきる。 そうかな。 多元的な政治制度はどのように誕生するのか? はうまく理解できなかった。ここには地理的な要因、文化の違い、そして何より偶然性があると思うのだけれど。 競争的な市場を継続するために、アメリカが市場の活性化のためにMicrosoftを独禁法に問うたことを思い出した。かの国はボーランドもたたいたし、鉄鋼、石油産業ではカルテルを解体した。そのフィロソフィーはすごいな。 それにしても名誉革命ってやっぱりすごいことだったのですね。
0投稿日: 2013.09.05
powered by ブクログイングランド人が北米の植民地化を始めたのは偶然ではなかった。そこを選んだのは、魅力的だったのではなくそこしか手に入らなかったから。アメリカ大陸の好ましい部分、つまり搾取擦べき先住民が沢山すんでいて、金山銀山がある場所はすでに占領されていた。イングランド人は残り物をとったのだ。
0投稿日: 2013.08.30
powered by ブクログ国家が経済的な繁栄を得られるか否かは、経済活動(特に技術革新)に対するインセンティブが担保されていること『のみ』が重要であり、その他の地理的・文化的要因は一切関係ないと断言する。 また、このインセンティブを維持するためには、政府が集権的で強固なパワーを持ちながらも、権力が特定の個人ではなく、広く分散していることが必須であるとも付け加えている。 話を纏めればこれだけなんだが、延々と同じ様な話が繰り返されており、正直飽きる。良い本だけど、もう少しコンパクトに纏まったんじゃないか・・・?って思う。
0投稿日: 2013.08.25
powered by ブクログ読みにくい本である。 内容のせいか翻訳のせいなのか、本書は全米ベストセラーだそうだから、内容はそれなりに充実していると思われるのだが・・・。 アメリカとメキシコの国境をへだてた対照的な都市の描写をはじめとして、アメリカ大陸への植民の歴史的考察などは、それなりに興味深いが、長いセンテンスの読みにくい著述は、読む気さえ失わせる。 本書は、訳者を変更してもう一度出版すべきではないか。本書は上下巻があるが、下巻を読む気をまったく失ってしまった。 本書は、残念な本であると思う。
0投稿日: 2013.08.14
powered by ブクログ本書は気鋭の経済学者・ダロン・アセモグル(と、ジェームズ・ロビンソン)の経済成長に関する歴史実証の本である。普通、経済成長論と言えば、資本、労働、技術進歩などで決まってくると言うのが教科書的な説明であるが、本書ではそれらとは別に、政府の「制度」が経済成長を決めると主張する。すなわち、国民がより参加している政治における政治制度から生み出される経済制度こそが、経済成長に寄与すると言う物である。このロジッックは、より多くの国民が関わっている政治制度の方が、一部のエリートで構成される政治制度よりも国民の繁栄に対して積極的であり、また人々のインセンティブにも反応するような制度を作らせる傾向にあるため、経済成長を促進する、というものである。 第一章から第四章までは事例を交えながらの理論展開、第五章から第八章までは紹介した理論の様々な事例紹介という位置づけである。 経済成長には制度が重要である、そしてその制度と言うのは全員参加型の政治制度から形成される、という主張は、著者の知的貢献であるのは間違いない。しかしながら、その根本のロジックとなるのは、人はインセンティブに反応するという経済学の基本原理に他ならない。つまり、経済学の基礎にぶれない形で、その叡智を応用していると言いかえることもできる。 個人的には、この1年間で読んだ本の中でベスト5に入るくらい面白い本だった。もう少し経済成長論を復習した上で、それらと比較しながら読めば良かったと思うので、下巻は経済成長論を復習した上で読みたい。
0投稿日: 2013.06.29
