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ポーツマスの旗
ポーツマスの旗
吉村昭/新潮社
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総合評価

60件)
4.4
26
25
3
1
0
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    明治38年。大西洋に面する港町。海軍工廠で開催された調停会議。全権を委任されたのは「ねずみ公使」と呼ばれた小柄な人物。財政難で継続できない戦争。講和するのが絶対条件の中、弱味を悟られずに交渉する。12か条の要求に対し合意された骨子は6つ。賠償金がとれないのは予定通り。樺太南半分が割譲されたのは大きな成果。だが、苦境を隠されていた国民の不満は膨らみ、日比谷での焼き討ちを招く。誠実さを貫くしかなかった当時の指導者たち。この後、日本は勢力拡張を図り、大戦の悲劇を招く。因があって果になる。その時があり、今がある。

    0
    投稿日: 2025.08.02
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    小村が外相だった輝いていたときと、それ以外との対比が良かった。彼の人生が何かを象徴している感じがした。

    0
    投稿日: 2025.01.19
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    図書館で借りた。 日露戦争の講和条約、ポーツマス条約。これを交渉して締結に結びつけたのが、当時の外務大臣・小村寿太郎。小村寿太郎がポーツマス条約を締結する歴史小説だ。日露戦争と言うと、司馬遼太郎の『坂の上の雲』があまりに有名だが(私は未読)、こちらもリアルで非常に面白い作品だ。 終われば悪役になると分かりつつ、賠償金を1銭も取れずに厳しい駆け引きが続く雰囲気は手に汗握る。当時の海外のメディアや一般市民の様子も垣間見えて興味深い。 偉大なる先輩たちに作られて現代日本が今ある。とても勉強になったし、感動した。

    0
    投稿日: 2024.12.09
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    日露戦争の講和交渉の末、ポーツマス条約が結ばれたが、国民からは評価されず。ロシアが日本に対して一切の賠償金を支払わず、領土については、日本軍が占領していたサハリン島のうち南半分を日本の領土とし、ロシアが有していた中国東北部の権益は日本に譲渡される、という内容だったが、死傷者総数20万人以上という犠牲と、戦費負担のための金銭的の国民の我慢が報われないと感じられたからだ。そのため、東京では講和に反対する市民によって「日比谷焼打事件」と呼ばれる暴動が引き起こされたという、これは歴史の教科書にも書かれる内容だが、本書は、ここに至る経緯に迫る。 小村寿太郎や金子堅太郎の活躍がよく分かるが、特に金子の胆力やルーズベルトの関係性を活かした交渉は迫力がある。また、まだ通信傍受やその対策も未熟だった時代。そのためのエピソードも綴られる。 しかし、改めて。停戦に際して如何に対価を得ようと努力し、そのために樺太侵攻を決めた経緯は正しい判断だったと感じたが、第二次大戦ではそれの意趣返しか、中立条約を破り占領された北方領土。戦争とはこういうものだと、考えさせられる。

    59
    投稿日: 2024.10.22
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    日露戦争は日本海海戦で終結した訳ではなく、ポーツマス条約締結交渉が最後の戦い。世界中の諜報網、各国の思惑、世界のマスコミを相手にしたもう一つの戦い。国内世論と現実との乖離。真実を国内に明らかにすると露や世界との交渉が不利になるジレンマ。国内不満の皺寄せは最後は政治エリートが負うという覚悟。このような覚悟を持った政治家の歴史記録でした。

    0
    投稿日: 2024.08.30
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    小村寿太郎のキャラクターも、ポーツマス条約の交渉の実情も、ほとんど何も知らなかったので読んでよかった。

    2
    投稿日: 2024.06.29
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    文字通り国の存亡をかけた綱渡りの駆け引きが丁寧に書いてあって、日本史的な結論はわかっているんだけどドキドキしながら読んだ。この構成、最高。 自分としては小村寿太郎の私生活が意外にクズだったのが面白かった…

    1
    投稿日: 2024.04.13
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    歴史小説として個人的には満点の作品でした。 国の尊厳をかけたギリギリの外交交渉。容易に譲れない全権たちが、それでも講和成立に向け妥協点を探りあう。そんな緊迫した様子をまるで同室で見ているような臨場感が、この小説にはありました。小村という人物にも大変興味をもちました。乃木や東郷が英雄ならば小村も同等に英雄なのでは、そう思いました。

    3
    投稿日: 2022.10.19
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    作品は、基本的に叙事詩的な文章で書き進められており、淡々と当時の時間の流れと出来事を連ねているが、それがポーツマス条約の緊縛した場面をより強く浮き彫りにしていると思う。困難なポーツマス条約を成立させた優れた外交官、政治家として記憶していた小村であるが、"私"の方はとても陰の部分が濃い人生だったことは、この作品で知った。 日本が近代国家として名乗りを挙げた日露戦争の勝利の一方、このポーツマス条約が後のさらなる悲惨な戦争の歴史に繋がっていくことを考えると歴史の皮肉さを思う。 この度のウクライナ戦争もあり、読んでみた一作であった。

    1
    投稿日: 2022.09.04
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    米村万里さんの書評がきっかけで読んでみた一冊。 恥ずかしながら、小村寿太郎という名前もポーツマス条約という名詞も「教科書に載ってたなぁ」くらいの記憶しかなかったけれど、こんなにも熾烈な駆け引きがあったとことが授業で教えられていたら興味の持ち方が違ったと思いました。 当時の外交、戦争、政治がどのようなものだったのか、垣間見ることができる良作。 果たして現代日本の政治家に、これほどの熱量があるのだろうかと改めて疑問を抱いてみたりもしました。 ポーツマス条約における小村氏の功績だけでなく、家庭人としてのダメっぷりも記されているのが本作の面白さ。 決して教科書っぽくならず、小説として楽しめる理由の1つはここにあるのでしょう。 これまであまり歴史小説は読んできませんでしたが、 戦争や人種差別に強い関心が出てきたのもあってか、近代歴史小説にはハマる予感がします。 2020年55冊目。

    1
    投稿日: 2022.09.04
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    日露戦争の講和条約締結に尽力した小村寿太郎の話。 日露戦争の海戦を描いた海の史劇の後に読んだ。 前半は出来事の羅列が多く、若干読みづらいが、後半のロシア全権ウィッテとの緊迫した交渉は、息詰まるものがあった。 また、当時のロシアのマスコミ(新聞)操作も印象的で、時代は違えど、戦争におけるマスコミ、民衆の印象操作が重要なのは、今も昔も変わらないことが分かる。 日露戦争後の民衆の暴動、軍部の権力拡大など、このあたりから日本の外交はおかしな方向へと進んでいくことになり、あとがきにあるように、小村の行った外交は、全然日本の最後の英知といえるそうだ。

    0
    投稿日: 2022.05.01
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    初の吉村作品。こう言った記録小説自体を初めて読み、読み進めるのには時間がかかったが、通常の小説と同じく、或いはそれ以上に世界に入り込むことができたのは不思議な感覚だった。 舞台はポーツマス講和会議、日本全権の小村寿太郎。小村は私も多少縁のある宮崎・飫肥出身ということもあり、読前から思い入れがあった。ただ、ポーツマス条約という日露戦争の輝かしい成果の話と思っていたが、実際は当時も今も色々な見方ができる結果だったのだということを知った。 小村はメディアを使った印象操作を行わなかった。積極的に利用していたロシアとは対照的な姿勢に私は非常に小村らしいと誇らしく感じた。昔からメディアの力で世論は動くし、たった一つの記事が大きく戦争を左右するのだなと改めて実感した。ウィッテは日本目線で見ると嫌な外交官であるが、終盤ロシア皇帝の勅命に対して決死の抵抗をする姿は素晴らしく、彼も平和と自国の利の狭間で苦悩し続けた人なのだなと感じた。 本作で衝撃だったのは外交官以外の小村の印象だった。一言で言えばクズ人間。家庭は顧みず、借財は平気で踏み倒す。小説としては小村という人物にどういう感情を抱けば良いのか分からなくなるが、ありのままの人物を描くのが吉村流なのかなと思った。そして私は自堕落な私生活を踏まえてもなお小村を憎めない。一生を外交官という職務に捧げた人物なのだと思う。

    3
    投稿日: 2022.04.17
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    日露戦争後、ロシアとの講和条約交渉に臨んだ外相・小村寿太郎の物語。旅順を攻略し、日本海海戦に勝ったとはいえ、既に日本は兵も物資も底をついており、戦争継続が不可能な状態で交渉に臨む。しかし、実態は国民には知らされず、我慢を強いられた人々は賠償金などの獲得を当然のものとして期待している。一方のロシアはまだ余力があり、極めて強気な姿勢で交渉に臨んでくる。 この困難な状況での緊迫した交渉の場面がスゴイ。冷静に強く交渉し、ポーツマス条約の締結を実現する。しかし、賠償金は取れない。小村が出国時に考えていたように、日本では条約に反対する人々の暴動が発生する。 小村寿太郎という人の強さと弱さを見事に描きつつ、近代日本の分岐点になった日露戦争から条約締結までを振り返る傑作ですね。

    0
    投稿日: 2021.09.09
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    ロシア戦争後のポーツマス講和会議の名前くらいは歴史として知っているが、海戦に買った日本が屈辱的な講和を結ぶまでの小村寿太郎については何も知らなかった。史実に基づきながら当時の歴史的人物の思いを確実に書き進める小説で日本の歴史の1ページを知ることができた。

    0
    投稿日: 2021.08.08
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    日露戦争後のポーツマス講和条約に臨んだ小村寿太郎を描いた経済小説。ネズミと評されても信念を曲げず条約交渉を成し遂げた一人の外交官に感涙した。しかし私生活は余りに自堕落。そのコントラストが、人間臭くて実に良い。

    0
    投稿日: 2020.10.20
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    吉村作品は本当に面白い!解説にもあるが単なる小説ではなく今後の厳しい国際社会での死活を賭した交渉の実物教育の書。

    1
    投稿日: 2020.09.20
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    ここに歴史の大きな転換点があることを強く教えられた。外交交渉の中での情報の大切さ。ギリギリの交渉妥結の緊張感と大衆の恐怖。今こそもっと読まれるべき本だと思う。

    0
    投稿日: 2020.09.20
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    日露戦争終結に向け、小村寿太郎はポーツマス講和会議に臨みます。 講話を成立させるために、ロシア側全権ウイッテとの交渉、駆け引きの末に劇的な講和を成立させます。 日本人は交渉下手とよくいわれますが、小村寿太郎の交渉をみると、決してそうとはいえません。 国民の憤懣を呼びますが、日本のために、平和のために、名利を求めず交渉妥結に生命をかけた外相小村寿太郎の物語です。 感動しました! 小村は、欧米殊にヨーロッパ各国の外交に長い歴史の重みを感じていた。国境を接するそれらの国々では、常に外交は戦争と表裏一体の関係にある。外交が戦争の回避に功を奏したこともあれば、逆に多くの人々に血を流させたことも数知れない。そのようなことをくりかえしている間に、外交は、攻めと守りの術を巧妙に駆使し、自国の利益を守るため他国との間でむすばれた約束事を一方的に廃棄することすらある。 そうした多様な欧米列強の外交政策に対して、日本の外交姿勢はどのようなものであるべきかを小村は常に考えつづけてきた。結論は、一つしかなかった。歴史の浅い日本の外交は、誠実さを基本方針として貫くことだ、と思っていた。列強の外交関係者からは愚直と蔑称されても、それを唯一の武器とする以外に対抗できる手段はなさそうだった。 ー 228ページ

    0
    投稿日: 2019.10.09
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    講和条約締結に臨んでの日露それぞれの国情、駆け引きがリアルに伝わってきた。日清戦争と並べることが多いが後世への位置付けが大きく異なることも改めて認識できた。2019.8.2

    0
    投稿日: 2019.08.02
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    外交は当初から落としどころを決めて始める。 最近の米国やEU、その他日韓関係などの緊張具合の現在進行形を体感する限り、その様子は見えない。 この書籍当時の時代の外相は、胆が太い。 いい意味で官僚じゃないからなのと、個人が日本を背負っていたんだろうと思う。 日本を守ろうとするんじゃない。 日本を創ろうと、救おうとする気概が、ただただ、そうさせてたのかも。 「日本人は金銭よりも名誉を尊ぶ」 講和成立時、小村寿太郎の言葉は重い。

    0
    投稿日: 2019.08.01
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    ・小村は部屋の重苦しい空気も気にならぬらしく、平然としていた。ルーズベルトの質問にも適切な言葉で答え、表情になんの感情も現れていない。随員の竹下中佐は、その折の小村の態度について、「露国一行ハ大ニ畏敬ノ念ヲ生ジタル如ク見ヘタリ」と日記に記し、ロシア側の主席随員コロストヴェッツもその日誌に、「日本側の態度は謙虚で、分別と節度があり、立派であった」と述べている ・(講和条約妥結後)コロストヴェッツの日誌には「日本側は、何も特別なことが起こったわけではないように、泰然自若としていた」と、その折の小村らの印象が記され、本会議ははじまってからも、ウイッテが興奮を抑えきれぬように紙をしきりにちぎっている前で、「日本側は誰も彼も表情一つ変えず、何を考えているのか全く分からなかった」とつづられている

    0
    投稿日: 2018.11.04
  • 日露戦争の講和会議の物語。

    司馬遼太郎の「坂の上の雲」の後日譚ともいえる日露戦争の講和会議にスポットを当てた歴史小説。 互いに弱みを見せたくない日露両国の思惑の中でより多くの譲歩を引き出そうとする日本側とロシア側の駆け引きがアツい。 日露戦争自体は日本の勝利となっているが、講和会議自体はもはや戦争遂行能力のない日本が大きく譲歩をさせられた結果になっている。それでも決して弱みを見せず最後まで日本に有利な条件を得られるよう奮闘した日本側全権、小村寿太郎が頼もしかった。 講和条約締結後、日本国内で国賊扱いされる小村だがその理不尽さに同情を禁じ得ない。文字通り寿命を削って日本のために奔走した小村をもう少し歴史的に評価して見てもいいはずだと思い知らされる話だった。

    0
    投稿日: 2017.06.06
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    日露戦争の経緯と講和交渉時点の国情の無駄なく十分な描写の後に、アメリカはポーツマスにて日本の全権大使小村寿太郎がロシアの全権ウィッテと息詰まる講和交渉を展開するストーリー。決して報われることの無い仕事と分かっていながら日本にとってほぼ最善と思われる手を尽くし、精根尽き果て条約締結後数年で小村が病気に蝕まれ果てていく様は、日露戦争の危うい勝利を頂点として破局へと転落していく戦前日本の国家と民衆のその後の暗い行く末を暗示しているよう。そうした後の事情を抜きにしても、ポーツマスでの日本とロシアとの極限の交渉についての史実に基づく詳細な描写は、外交官はもちろん厳しい国際環境の下で働くビジネスマンにとっても読んで損は無い内容であろうと感じた。

    0
    投稿日: 2017.01.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

     薄氷を踏んできた日露戦争の終幕を飾る外交戦。  その事実を隠蔽してきた付けが日比谷焼き討ち事件(東京騒擾)につながり、それを糊塗するための方策が後の15年戦争の種となってしまった。そんな感慨が残る小説である。  なお、今後、日露戦中から在米し、米国世論に対する日本への好意的目線の扶植に努力してきた金子堅太郎に注目すべきだろう。そして、彼らその役割を付与した意味も。

    0
    投稿日: 2016.12.23
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    日本の危機的状況を救った影のヒーローなのに、当時の国民の理解を全く得られなかった不運の主人公である。 彼の歴史的成果や苦労が手に取るように分かる良書なので、坂の上の雲とセットで読むべきだと思う。

    0
    投稿日: 2015.06.14
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    淡々とした筆致のなかに、日露両国外交団のギリギリの駆け引きが重く伝わってくる。講和成立でハッピーエンドとならず、日比谷騒擾事件の顛末まで叙述されていてとても痛々しい。「坂の上の雲」に加えて読むことができて良かった。

    0
    投稿日: 2014.12.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今では日露戦争は、「坂の上の雲」にもあるように、日本が勝利したということになってますが、自分が中学生の時は「負けてはいないけど、勝ってもいない」と先生から教えられていた記憶があり、それが不思議でなりませんでした。 今回その日露戦争後の講和条約(ポーツマス条約)を舞台にしたこの本を読んで、その疑問が解けました。 ・日露戦争終結後の講和条約の日本側の全権大使は外務大臣小村寿太郎。ロシア側は蔵相ウィッテ。 ・日露戦争における日本の味方は、日英同盟を結んでいた英国と、当時はまだ世界の警察ではなかったアメリカ。ロシアの味方は英国と対立していたフランスとドイツ。 ・日露戦争に臨んだ日本は、最初から短期決戦で決着させるために、戦争が有利に展開しているうちに講和を持ちかけようと、アメリカのルーズベルト大統領にその仲介を依頼。世界への影響力を誇示したかったルーズベルトも、再三ロシアのニコライ皇帝に提案したが、ロシア側は最初それをことごとく拒否。 ・しかし、203高地で有名な旅順が陥落し、その後奉天大合戦で惨敗し、バルチック艦隊が壊滅し、皇帝に対するレーニンによる共産主義勢力の革命の兆しも出ていて、ついに講和に応じることに。 ・日本としては多くの犠牲者と戦費を費やしての勝利であったため、国民は賠償金や領土拡大に大きな期待を持って小村をアメリカに送り出した。しかし、日本軍にはこれ以上戦争を続けるだけの軍隊も、弾薬も、戦費もなく、日本政府としては一刻も早く講和に持ち込みたかった。 ・一方のロシアは、海軍は全滅したとはいえ、陸軍はまだまだ精鋭が健在で、続々とシベリア鉄道を使って援軍を送り出している状況で、ニコライ皇帝がウィッテに伝えた講和の条件は「ロシアの一にぎりの土地も、一ルーブルの金も日本に与えてはいけない」。 ・こうして始まった講和条件の話し合いは難航。日本が求めた、日本政府の韓国への政治的保護政策の実施や満州鉄道の権益にはロシアも同意したものの、日本への領土分割と戦争賠償金については全く譲歩せず。 ・交渉当時のロシアは、戦争継続のための準備を進める一方、国内では革命の機運と同時に戦争反対の機運も高まったいる状態。日本は戦争継続も辞さずという世論が熱を帯びる一方、戦争を継続する戦力が殆どない状態。 ・結局このチキンレースは、ロシア皇帝が「樺太の南半分は割譲してもよい」と譲渡し、決裂寸前、戦争再開寸前で講和は成立。 ・この結果、賠償金を放棄した日本は「平和を尊ぶ人道国家」として世界で称賛され、この講和を斡旋したルーズベルト大統領はノーベル平和賞を受賞。 ・しかし、日本国政府から、戦力がもはやない、ということを知らされていない日本国民(戦力がないことを公表すると、ロシアが一気に攻めてきて、日本軍は壊滅すると政府は予想)は、軟弱な外交交渉を行った政府に反発。全権大使小村寿太郎の自宅は焼き打ちされ、各地で暴動がおこった。また、そんな講和条約を斡旋したアメリカにも強い不信感が生まれた。 ・一方、アメリカ国内においても、あの大国ロシアを打ち負かした日本に対して急激な警戒感が生まれ、これが後々、日米を戦争に導く火種となった。 というのが、ポーツマス条約が締結された背景であったようです。全権大使の小村寿太郎は、最初からこうした結論を予想し、国民から激しい非難を受けることを覚悟したが、戦争を終わらせるため、国のためにあえて臨んだということで、こうした人物が日本を救ってきたんだなと、またひとつ納得。

    0
    投稿日: 2014.12.05
  • 日露戦争

    戦争とはこのように終わらせるものなのかと納得しました。 日本の近・現代史のことは本当に知らなくて、「日露戦争に勝利した」と知っていただけなので興味深かったです。 また、冒頭いきなりの「日本の国旗のはじまり」がおもしろいのですが、国歌については後半ときどき「国歌が演奏された」という感じでさらっと出てくるだけなのが少し気になりました。国歌の成り立ちも知りたかった。

    3
    投稿日: 2014.10.12
  • もう一つの日露戦争

    思えば世に「戦争」(戦闘)を扱った歴史小説は多い。 本書は日露戦争の講和会議からポーツマス条約について扱った小説で、 「戦争」ではなく「外交」がテーマであると思われる。 が、少しここでクラウゼビッツの『戦争論』を思い出してみよう。 ざっと言えば、「戦争は政治的手段とは異なる手段をもって継続される政治にほかならない」 ということである。 ということは、逆に言うと、講和条約というのも、戦闘とは違う手段をもって継続される戦争なのであろう。 日露戦争とは何であったかを決定づける条約。 戦闘に劣らぬ戦いである。 戦いの相手はロシアだけではない。 条約締結の場であるアメリカのマスコミ、そこに対して力を持つユダヤ人・・・ いろいろなことを考えなければならず、読んでいてとてもスリリングである。 そして、衝撃的なのが講和条約締結後、日本で待ち受けていた激しい非難・暴動・・・。 おそらく中高の歴史の授業で聞いたことはあるであろうが、 ここまでの経緯について小村寿太郎に寄り添う形でものがたりを読んできた読者には、 やりきれない思いだろう。 全体に台詞も少なく、淡々とした描写であるだけに、 「小村を斬首せよ」 という群衆の言葉が一際残酷に響く。 戦いの物語であった。さて、何との戦いだったのだろう?

    7
    投稿日: 2014.10.02
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    日露戦争講話会議全権の外相、小村寿太郎を描いた作品。 彼は日本の存亡を賭して、身を削って講話会議の妥結を勝ち取った。 「 日露戦争でもあきらかなように、資源のかぎられた島国の日本では、軍事力には一定の限界がある。人口五千万の日本人の団結心は強く将兵の士気も高いが、大国と戦争するには人員が少く、物資も枯渇し、長期戦には堪えられない。 」日本の国策上、外交が重要なのは今も昔も変わらない。

    0
    投稿日: 2014.09.29
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    坂の上の雲に見るような戦争の功労者を英雄視するのは容易いけれど、本当の英雄とは、自らの覚悟と知恵を武器に国の平和と未来を勝ち取った小村寿太郎のような人だと思った。

    0
    投稿日: 2014.05.03
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    〜14.4.4条約を結ぶまでが戦争だよ。坂の上の雲では終われない日露戦争の先を詳しく知れる。国の交渉の行われ方も興味深い。妥協点や譲歩、捉え方を変えるなど微妙なやり取りが面白い。

    0
    投稿日: 2014.04.05
  • 日露戦争を終結させるために命を削った男の物語

    強国ロシアを相手にぎりぎりの折衝を重ねて勝ち取った講和条約。しかし、その結果に過度な期待を寄せていた国民からは弱腰外交と罵られ、家族の命まで危険にさらされる日々。決して幸せとは言い難い人生だったろうに、最期まで日本のために尽くした小村寿太郎の生き方に圧倒されました。 彼と共に戦った随員たちやロシア全権の苦悩、したたかなアメリカの様子も描かれていて、読み応えたっぷりの一冊です。

    4
    投稿日: 2014.03.03
  • 一気読みです

    とにかく面白いです。当時の国際情勢、日本の立場、そして何より小村寿太郎のありように感動しました。明治時期の日本人の凄味が伝わってきます。

    3
    投稿日: 2014.02.20
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    日本が開国列強国へと進む中強烈な自制心をもって国に尽くした男の物語。私生活は幸せとは言えずも信念の人、もっと評価されてもいい人だと思う。韓国から見ると暗殺された伊藤博文と並ぶ憎むべき対象だったはず。伊藤は暗殺、小村は壮絶な病死…国に命を捧げた男達だ。安重根も韓国から見れば命を捧げた人物、が、日本には列強に比べてもまったく引けを取らない優秀な人物が多く排出した。一体この小国にどうしてこんな多くのエネルギーが隠されていたのだろう。

    0
    投稿日: 2014.02.02
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    日露戦争の後片付けだとおもったら どうしてどうして、面白いですね。剣を持たない戦争。 小村寿太郎は食えない感じでした。それがいい。 条約締結後の日比谷騒動、伊藤博文暗殺、日韓併合などが流れるようで興味はつきません。 日露から大平洋戦争までの知識をバチっと埋めたいです。

    0
    投稿日: 2014.01.27
  • 戦争とマスコミと世論の関係

    日露戦争に勝利した後、ポーツマスで講和条約を結ぶべくロシア全権と交渉する過程は大変面白いのですが、それ以上に、日本が国防の為にロシアと開戦した事や、日本・ロシア、アメリカの世論などが交渉に影響してくる過程が大変勉強になります。一旦戦争になると国民は新聞でその状況を知り、勝っていたら「戦争賛成!もっと戦え!」となり、負けていたら「戦争反対」とる。しかし今勝っているからと言って、圧倒的に国力の大きいロシアとこれ以上戦争継続すれば、日本の敗北は目に見えている。 しかしこの事実を国民は知らないのでロシアと交渉している小村寿太郎を責め、「もっと強気で交渉しろ」という世論が沸き立ちます。国の為に命を削るような交渉をした小村の晩年は辛いものでした。 日露戦争終結後、ポーツマス条約を経て清や韓国へ日本が進出(言葉は難しい)していきます。そして韓国併合論が言われ、伊藤博文が安重根に暗殺されて、その後韓国が併合されます。日本はなぜ韓国を併合したのか、併合しなければならなかったのか、最後の方に数ページですがその辺りの状況も書かれており、学校で習わなかった歴史を知る事ができました。しかし大東亜戦争(太平洋戦争)で新聞が「連戦連勝」と書きまくり、戦争から手を引けなくなってしまった、という面があると思うのですが、日露戦争終結時と同じような「間違った情報に基づく世論」は危険で怖いと思います。しかし本当の事実をマスコミに公開できない、するべきではない、事もあり(ポーツマス条約交渉中に、日本に戦争継続の国力が無いことを発表するわけにはいかない、等)、あぁ、難しいです。こういう本当の歴史を知り、活かさなければならないと思います。

    3
    投稿日: 2013.12.30
  • 理想と現実…

    バルチック艦隊を撃破し、日露戦争を勝利した日本。ロシアからの戦後補償と領土獲得を当然とみる日本国民の理想と、隠された日本の現実のハザマに苦悩する小村寿太郎ら全権の活躍がとてもおもしろい。日本全権の小村がこんなに小柄な人物だったとは。「坂の上の雲」を詠みたくなった。

    1
    投稿日: 2013.11.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    父から昔から勧められていた作品。吉村昭らしく淡々と書かれているのだが、国家の大きな曲がり角をクロージングする大役を、ある意味負け戦覚悟で挑んでいく主人公の姿・心境、交渉におけるスリリングなやりとりが鮮明。文体が古いので読みにくいかもしれないが、慣れてしまえば手に汗握る描写に吸い込まれて、あっという間に読了してしまうでしょう。 吉村昭は膨大な取材をもとに作品を書いていると聞いたことがあるが、歴史の中に散らばった情報を繋ぎあわせて再構築し、ここまで惹きつける「物語」に仕上げてしまうところに魅了される。

    0
    投稿日: 2013.10.03
  • 「坂の上の雲」を終わらせるために

    両国にとって泥試合となった日露戦争の終結を任せられた外交官、小村寿太郎とウィッテ。2人の静かな激戦は「坂の上の雲」に負けていない。漁夫の利を得ようとするアメリカのしたたかさも見どころ。

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    投稿日: 2013.09.28
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    著者吉村昭は小村寿太郎のポーツマス条約交渉の経過を丁寧に描いた歴史小説。 明治から大正にいたるこの時代の政治家は日本の将来に対する責任感とリアリティを持って、非力な日本を舵取りして来たということがよくわかる。 この後日本は無責任な政治家・軍人によって散々な目にあうのだが、志やビションを失った国や組織は劣化するという事だろうか?

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    投稿日: 2013.09.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    熱狂する群集に見送られて米国へ出発する全権大使・小村、その胸には帰国した時にはその全く正反対の群集が待っていることを予感していたという。その歴史が100年を超えて吉村昭により、生々しい現実として蘇ります。小村の家庭から始まりその人となりが明らかになるとともに、ウィッテとの交渉は息詰る迫力により描かれています。交渉が纏まった時の小村・ウィッテ双方の頬が緩みそうになるという記述はまるでその場面に居合わせたかのように生き生きと再現しています。ポーツマスのその部屋を探訪する研究熱心さが生んだ賜物です。礼拝に出席し、ポーツマスの人たちに親近さを感じさせ、味方に引きつけようとする日露代表。フランス語が話せることを隠し。和平交渉成立後、流暢なフランス語でウイッテに話しかける小村の姿。ルーズベルト大統領とその親友・金子堅太郎のドイツ皇帝からの親書を巡っての駆け引き。その他、国の存亡をかけた彼らの人間ドラマです。そして和平成立後、日米の精神的な隙間が広がり、日米対立への伏線が見え、日露戦争から15年戦争までの期間が以外と短いことを改めて感じることになります。

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    投稿日: 2013.08.24
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    [翻った忍耐の証]陸海の両面で大戦となり、多くの人命と資材が費やされた日露戦争。両国共に戦争継続のための能力に陰りが見られる中、アメリカ大統領ルーズベルトの仲介の下、ポーツマスにて講和会議が開かれることに。のっぴきならない調整の結果、決裂間近で結実に至った会議の模様、そして日本側全権の小村寿太郎らを始めとする人々に焦点を当てた歴史小説です。著者は、『破獄』や『ふぉん・しいほるとの娘』など、多くの歴史の一場面に光を当ててきた吉村昭。 外交交渉をつぶさに、そして臨場感をもって読者に追体験させるという小説は珍しいのではないでしょうか。息詰まる交渉はもちろんのこと、それを取り巻く会議への参加者やポーツマスの様子など、漏らすことなく往事の雰囲気を伝えることに成功していると思います。特に後半、会議決裂かに思われた段階からの両者のつばぜり合いには、結末を知っている後代の私たちが読んでも興奮を覚えること間違いなしです。 小説ではあるのですが、あまりに緻密なため、一つの外交のテキストも読めてしまうのではないかと思います。会議に至るまでの周到な準備、仲介者との間での細かな連絡・報告、そして「敵」にすらなりかねない交渉相手との信頼など、(参加したことはまだないのですが)現在の交渉の実態にも近いものがあると思います。交渉の内幕というのはあまり表に出てこないと思いますので、そういった意味でも価値ある読書体験でした。 〜歴史の浅い日本の外交は、誠実さを基本方針として貫くことだ、と思っていた。列強の外交関係者からは愚直と蔑称されても、それを唯一の武器とする以外対抗できる手段はなさそうだった。〜 それにしてもルーズベルトのあの仲介にかける意気込みはどこから来ていたのだろう☆5つ

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    投稿日: 2013.08.10
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    某戦国さんが私は小村寿太郎だ!といってたのがほんと笑い話だ。この人が今日本にいてくれたらパンダの国やキムチの国相手にどんな外交をしただろう⁈

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    投稿日: 2013.04.01
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    浪人時代の日本史の先生が「読むべし」と薦めていた本。 先生がそんなこと言うのは珍しいので強烈に覚えていた。 大学4年にしてやっと読了。ちなみに初の吉村昭。 舞台は日露戦争講和会議。 主人公は日本全権・小村寿太郎。 小村とロシア全権ウィッテ、そしてアメリカ大統領ルーズベルトそれぞれの「かけひき」…… 「外交」そして「政治」とはどういうものなのかをかいま見れて非常に面白かった。 “日露戦争・ポーツマス条約・小村寿太郎” 受験生にとってはこの程度の暗記項目でしかないものに ここまでの大河ドラマがある。だから歴史は面白い。 明るくないと思わせていたフランス語が実は堪能であることを、条約締結後に小村がしれっとウィッテに見せつける場面。 ここが一番かっこよかったね。

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    投稿日: 2013.03.31
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    交渉にあたってロシア代表のウィッテは新聞にさかんにアピールして自国に有利なアメリカ世論作りに腐心したのに対し、日本の小村寿太郎は同じような真似をするのを避けて誠実に交渉するのを心がけた、というあたり、日本の対外交渉の体質なのかと思わせる。 それに不満を持つのは他ならぬ日本国民だったわけで、外交のプレーヤーは国民も入っていることを改めて教える。

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    投稿日: 2013.03.27
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    日露戦争終結のためにポーツマス講和会議に臨んだ小村寿太郎を描いた歴史小説 日露戦争では日本軍は勝利を重ねていたわけですが、長期戦になると人手や資源が圧倒的豊富なロシアにはかなわない、そのために不利な条件でも絶対講和は成立させなければいけないわけですが、勝利に沸く国民には、戦争継続を望む声も多く、小村は国民の批判を覚悟の上で臨んだわけです。こうした彼の覚悟とともに、小村を必ずしも英雄として描くだけでなく、家庭人としての彼の姿を描いているあたりも、詳細にその人物や事件を調べ上げ小説に昇華させる吉村さんの徹底した取材力を感じさせられました。でもそのおかげで小村寿太郎の人間臭さも感じることができたと思います。 講和会議でのロシア側のウィッテとの駆け引きはかなり緊迫していて引き込まれてしまいます。日本は日本で自国の弱みを見せずに結果を得ようと苦心するわけですが、ロシアもロシアで革命の兆しや戦争継続派の圧力などがあり小村、ウィッテともに戦争の終結を望みながらも、それが上手くいかない様子、どこまで譲歩しどこを譲らないのか、日本、ロシアそれぞれの巧妙な作戦などなど、講和に対しての人々の熱い思いを感じることもできました。 敵国同士でありながら、この講和に参加した人々の最終目的はよくよく考えると同じなんですよね。そう考えるとなんとも不可思議な気持ちにもなりました(笑)敵でありながら、ある意味戦友でもあるこの二人の関係についてもついつい考えてしまいます。 日露戦争ではこうして冷静に戦況を読むことができたのに、太平洋戦争ではどうして勝ち目のないままズルズルと戦況を引きずって行ってしまったのか、とふと思ったりもしました。 それにしてもこれだけ熱意を傾けて外交をやった人ってほとんどいないのではないでしょうか。現代の政治家にも見習ってほしいものです……

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    投稿日: 2013.02.25
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    「ポーツマスの旗」吉村昭訳、新潮文庫、1983.05.25 373p¥360C0193(2022.03.12読了)(2011.10.10購入) 【目次】(なし) 一~十一 あとがき 参考資料 解説  粕谷一希(1983年4月) ☆今後読みたい本 「検証 日露戦争」読売新聞取材班、中公文庫、2010.09.25 「陸奥宗光(上)」岡崎久彦著、PHP文庫、1990.11.15 「陸奥宗光(下)」岡崎久彦著、PHP文庫、1990.11.15 「小村寿太郎とその時代」岡崎久彦著、PHP研究所、1998.12.04 ☆関連図書(既読) 「日清・日露戦争」原田敬一著、岩波新書、2007.02.20 「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」加藤陽子著、朝日出版社、2009.07.30 「ニコライ遭難」吉村昭著、新潮文庫、1996.11.01 「海の史劇」吉村昭著、新潮文庫、1981.05.25 「日本海海戦の真実」野村実著、講談社現代新書、1999.07.20 「坂の上の雲(一)」司馬遼太郎著、文春文庫、1978.01.25 内容紹介(アマゾンより) 日本の命運を賭した日露戦争。国民の多大な期待を肩に、全権・小村寿太郎はポーツマス講和会議に臨んだ。ロシア側全権ウイッテとの緊迫した駆け引きの末に迎えた劇的な講和成立。しかし樺太北部と償金の放棄は国民の憤懣を呼び、大暴動へ発展する――。近代日本の分水嶺・日露戦争に光をあて、名利を求めず交渉妥結に生命を燃焼させた外相・小村寿太郎の姿を浮き彫りにする力作長編。

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    投稿日: 2013.02.17
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    こんなキーマンがいたからこそ、今の日本がある 「就活のまえに」の中で中沢孝夫さんが取り上げていて、興味を持って読みました。日露戦争の講和条約締結に尽力した小村寿太郎の功績を、詳しく明らかにしている本です。 事実を淡々と描写するような文体は、最後まで読み終えることができるかどうか不安に思わせましたが、緊迫の交渉シーンは迫力があり、一気に読了することができました。いまさらながら、日本近代史を掘り返しては見識を新たにしている今日この頃ですが、学校の授業でこういう話を聞くことができなかったものでしょうか。単純に「日露戦争でも日本は勝利を収めた」なんて習っただけじゃ、話にならないです。凄いんです。 小村寿太郎がポーツマス条約を締結に持っていかなかったら、今の日本はどうなっていたのか。こんなキーマンがいたからこそ、今の日本があることを、我々はもっと知らんといかんです。英語教育も現代ほど浸透していない当時に、これだけの国際的なネゴシエーション力のある人物が日本にいたことを知って、105年経った今の自分達がどれだけ進化したのかというと、結構疑問に思えてしまいます。実は進化したのは移動手段(船から飛行機)と通信手段(電報からインターネット)だけであって、「人間力」そのものは、昔のほうが凄い人は大勢いたのかも知れないです。もちろん、金子らがそれぞれの役割を果たした「組織戦」であったことも、忘れてはならないですけどね。 いやー、頑張らないといけないです!

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    投稿日: 2011.10.01
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    とにかく小村がかっこいい。 それと当時の日本の政治家、軍人がいかに冷静に現状を 把握する能力を有していたかが分かる。

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    投稿日: 2011.09.30
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    ポーツマス条約。学校で歴史を習ったときに覚えたのは、小村寿太郎という外務大臣の名前、日露戦争を終わらせた講話条約であること、日本は賠償金を得られなかったこと。くらいか。 しかし、この条約締結までの日露のやりとりが、こんなエキサイトなものだったとは。やっぱり、歴史の面白さは教科書では教えてくれないのだ。

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    投稿日: 2011.05.07
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    外相小村寿太郎の壮絶な外交交渉がわかりやすい文章で書かれていた。小説としても読みやすく、波瀾万丈のストーリーが面白かった。

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    投稿日: 2011.04.01
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    日露戦争での小村寿太郎の壮絶な交渉の姿が目に浮かぶように、詳細をうまく描いている。 国家の為に命をかけている小村寿太郎の胆力に圧巻。現在の政治家も見ならって欲しい。

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    投稿日: 2011.01.30
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    アメリカでの交渉に向かう小村寿太郎が、出稼ぎの為に渡米していた日雇い労働の日本人からの心からの応援されるシーンは感動的。 切迫した交渉シーンの緊張感は、何とも言えないぐらいに吉村昭の真骨頂

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    投稿日: 2010.10.03
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    日露戦争の講和条約であるポーツマス条約成立の過程を小村寿太郎という人物を軸に置き展開する歴史小説。 歴史資料に基づく緻密な更生は小説を超えてノンフィクションの域に達していると言える。 明治以降の日本が近代国家の目指し取り組んできた成果の結実としてやはり日露戦争は一つのターニングポイントであったことを強く感じる。それは明治という時代のクライマックスであり頂点であったのかもしれない。

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    投稿日: 2010.02.21
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    ポーツマス条約にいたる交渉にのぞむ小村寿太郎をはじめ、日本外交団の軌跡と苦闘をドキュメンタリー風に描く。淡々と時間を追って経緯を描写しており、そんな感じだったのかと思う以上のことはないが、記録小説という意味でわかりやすく、不思議と頭に残っている。 昔、NHKがドラマ化して、小村=石坂浩二、金子=児玉清、明石大佐=原田芳雄のキャストだったと記憶している。割と面白かったように憶えているので再放送してくれないかな。(笑)

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    投稿日: 2010.02.21
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    日露戦争の戦後処理の過程を、外相・小村寿太郎の苦悩を通して描いた作品。 列強各国の意図、日本政府の意図が複雑に絡み合う中で、平和を希求した日本全権・小村寿太郎とロシア全権・ウィッテ。しかし、日本の世論、ロシア国内の動きも複雑で、講和会議は、暗礁に乗り上げ、一時は決裂寸前に。 平和主義者のウィッテも、自らの進退を賭けながらこの会議に臨み、ウィッテ独自の譲歩案を提示するが、ロシア政府はそれをも受諾せず、強気の姿勢を崩さない。 会議をまとめられなければウィッテは失脚することが確実であっただけに、時にはロシア政府とも意見を闘わせながら、折衝を繰り返した。 結果的には、日本が最大限の譲歩を迫られ、日比谷焼き討ち事件などの大騒擾が起こることとなったが、戦力、戦費が尽きていた中で、講和会議を纏め上げた小村外相は立派であった。 藩閥政府の中で、小藩・飫肥から見出されたというのは異例中の異例といわざるを得ない。そのことが、小村がいかに外交官として優れていたかを物語っているであろう。 私生活では恵まれなかったものの、日本国全体のために、体を壊しながらも多大な功績を残した小村は偉大であった!

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    投稿日: 2009.11.01
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    小村寿太郎はやっぱりかっこいい。 明治時代の人には愛国心だったり、自分を捨ててもいいという気概を感じて、どんな人も尊敬できる。

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    投稿日: 2009.05.30
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    日露戦争終結のため、命を懸けたロシアとの交渉は、小村寿太郎あってこそのものだったのだと感じた。残念ながら今の外務省に小村的人物はいないのだろう。

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    投稿日: 2007.02.05
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    ハマる人はハマる作品、ハマらない人は(ry 面白かったけどこういう作品苦手だなぁ・・・・・

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    投稿日: 2006.09.02