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坊っちゃん
坊っちゃん
夏目漱石/新潮社
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総合評価

619件)
3.9
154
219
160
14
6
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    話を読んだ後に色々と考えた結果、作者である漱石は正しいはずの「正義」が通用しない世の中への批判とそんな世の中にもわずかながら理解者がいるということをこの物語を通して伝えたかったのではないかという結論に落ち着きました。単純明快で話のテンポも良いのにどこか寂しい雰囲気と暖かい空気が流れているのにはそうした理由があるんじゃないでしょうか。

    0
    投稿日: 2013.12.14
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    竹を割ったように真っ直ぐな主人公の性格と、弁舌が下手くそでありながら心の中ではべらんめえ調でユーモアたっぷりに皮肉る様子が面白く、痛快である。 『坂の上の雲』を知っていたので、松山という舞台に惹かれたし、日露戦争・クロパトキンを絡めた皮肉もより一層おかしく感じられた。 また、描写は細かいところは本当に細かく書いてある一方で最後のシーンなどは驚くほど簡潔であり、そういうリズムの良さもあったと思う。 内容について考えてみると、確かに現代においても赤シャツや野だのように弁舌巧みでずる賢い人は多いし、うらなり君のように気弱で何をされてもやり返さないような人もいる。坊ちゃんや山嵐のような人は少ない。そして大抵、赤シャツのような人物の方が却ってうまくやっているものではないだろうか。私自身、坊ちゃんまでいかなくとも素直さや正直さというのは大切にしたいと考えている方であるが、これから社会人になって大きな組織に入っていけば赤シャツ、というより野だのような気質に流されていくのではないかと不安を覚えた。坊ちゃんを読んで痛快に感じるというのは、そういう事ではないかと思った。

    2
    投稿日: 2013.11.16
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    何年かぶりの再読。重い本を連続で読んで気分が沈んでいたから元気になれる本をと。坊っちゃんの語り口調に時々くすりとさせられた。マドンナって実際物語にほとんど出てこないよなーと思ったり。昔読んだ時はなんて面白い本なんだ!と思ったけど、今回は自分の気分の問題で楽しく読めなかった。もっと元気な時に読むべきだったな…。またいつか読もう。2012/105

    0
    投稿日: 2013.11.13
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    なんてFUNKY! 文豪にむかって失礼ですが、こんなお話を明治時代に書いたなんて、夏目漱石という人物に惹かれます!

    0
    投稿日: 2013.11.06
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    自分がどうありたいか。 読んでいてずっと考えていた。 自分がどうありたいか。 例えば、坊ちゃんのように、竹を割ったように素直に、真っ直ぐな人間に。 でも、きっとそんなに強くはなく、自信を持てない自分は、もしかしたら赤シャツに近いんじゃないかなんて、こわごわしてみたり。でも、あんな大胆さもなかったりする。 時間を経て、もう一度、読んで、己を振り返ってみたくなる。

    2
    投稿日: 2013.09.23
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    嘘つきの策略家である赤シャツにいいようにあしらわれ 野だいこや生徒たちにも軽く見られてしまう坊っちゃん先生 しかし彼のほうにしたって田舎者を見下し 腹のなかで嘲り倒しているのだから世話はない 結局、自分以外のことを考える余裕はないのだ それは、松山を去ったあと 山嵐とまったく疎遠になってしまうことからもわかる しかし坊っちゃんの信じる正義のようなものが 坊っちゃんの性格の単純さを裏付けるもので それを失わずにすんだことは、ある意味救いと言えるのかもしれない 「こころ」の先生とはまったく対象的である

    0
    投稿日: 2013.09.22
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    再読しました。赴任先の先生達のキャラクターユーモアに描かれていて、「あぁ、こういう先生いたな」という人物が1人はいるのでは。 常に自分の味方をしてくれる存在って大事ですね。

    0
    投稿日: 2013.09.19
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    赤シャツが足音を立てずに歩くいけ好かないやろうとして書かれている。僕も足音が小さいほうなので少しショックを受けた。登場人物の善悪はわりとはっきりと書かれている。

    0
    投稿日: 2013.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    漱石において重要でない作品などひとつもないのだが、その中でも富に世に知られていて重要である作品のひとつである『坊っちゃん』。 その読み方は人それぞれだろうと思う。 読書メーターなるものの感想を見ると坊っちゃんの痛快、清の優しさなどに触れられていることが多いように思う。 僕もそれはそれで結構なのだが日本の歴史上、おそらく200年、300年経っても残るだろう作品のその魅力を書ききれている批評、感想などはないのではないかと思う。 僕もここでそれを書けと言われたら無理です!と答えるだろうし、いま手元には資料がまったくないし思いつきでタイプしているというのも言い訳にしておきたい。 『坊っちゃん』を読む上でまず若い人も含めて、小学生でももちろん、知識として持っていてほしいのは漱石が超エリートであること、生い立ちにおいて養子に出されて出戻っていること、官費留学でイギリスに行って神経衰弱になっていること、松山は正岡子規の故郷であること、養源寺とは漱石にとってなんなのか、とこれぐらいは知っていてほしいということである。 無論、テクストと作者を切り離して読むことに楽しみを見出しているかたはそのまま読んでほしい。それは当然の行為だし、未来が過去を書き換えることにも貢献しうるだろう。 しかし、漱石という人物のファンであるというのならマニアックに読んでもいいのではないかという考え方は許容してほしい。 漱石とテクストから思いを馳せるわけだ。 漱石は東大で教えながらわずか2週間ばかりで『坊っちゃん』を書き上げた。 当代の最高知性を若い人には特に敏感になって味わってほしい。 歳をとっても坊っちゃんは痛快、痛快と言っているのはただのバカである。 ひとつの大人の読み方として茂木健一郎さんが昔、ツイッター上で書いていたが、いま探してみるとブログに載っているようだ。 クオリア日記。 茂木さんの読み方も一面的だが『坊っちゃん』を別の角度から照射したということで新しい影を作って見せたといえるだろう。 坊っちゃんは親譲りの無鉄砲でいつも損ばかりしている少年だったが、結局彼がどんな人生を送ったのかを考えると、親に嫌われ、兄に嫌われ、私学にしか通う頭しかなく、松山という田舎の教師になり、そこで問題を起こし、東京に帰ってきて街鉄に勤めて清と一緒に暮らす。妻子を持ったかは不明。 どうということのない人生を歩んできた人物である。 むしろ不幸な人生を歩んできたというべきかもしれない。 確かではないが、漱石はたしか『坊っちゃん』を書き上げる前だかに島崎藤村の『破戒』を絶賛している。 対して尾崎紅葉の『金色夜叉』を酷評している。 漱石のなかでは『破戒』のようなものが上等であったと思われる。 しかし漱石は坊っちゃんという不幸な人物に対して清という人物を置くことで救いを与えている。 坊っちゃんに清がいなければ惨憺たる人生を送っていただろうというと平面的すぎるか。 そして彼はなんとかかんとか数学の教師になり松山へと赴くのである。 松山に来てから様々な事件が起こるがそれは読んでもらうとして、登場人物は、狸、赤シャツ、野だいこ、山嵐、うらなり、マドンナ、他にもいたかな、まあ多種多彩である。 彼らがそれぞれ個性を持っている…などというと漱石はそこはちょっと違うというかもしれない。 まずもって坊っちゃん自体が個性的な人間のように思えるのかもしれないが、英国帰りの漱石にとって日本人の没個性ぶりははっきりと自覚していたはずである。 個性的というなら遠藤周作の『沈黙』のキチジローのような意味での個性的なやつはいたかもしれないが西洋人のいう意味での個性的なといえるかどうかははなはだ疑問である。 幕末に詳しい人間なら松山藩と会津藩のその幕府への忠誠において松山藩がどれほど国民に軽蔑されていたかは推して知るべしだろう。 その中でも正岡子規は故郷への気概を持っていた。 会津の会津っぽの精神である。 会津といえば『八重の桜』がはなはだ面白くないという噂だが僕が見るに会津っぽの気概をもっと見せねばならぬと思う。 会津の弱い部分ばかり見せられて不快である。 正岡子規がモデルかもしれない山嵐はそういう意味では筋の通った日本男児であろう。 しかし漱石のモデルはあくまで赤シャツだろう。 これからの時代は赤シャツのような理屈をこねくり回して人を煙に巻くような人間が増えていくのだろうと漱石は自虐的に皮肉っているのだろう。 その赤シャツはあろうことかうらなりの婚約者マドンナを奪うのであるからこれは漱石=赤シャツで間違いあるまい。 赤シャツは裏で手を回し、マドンナを奪ったあげく、うらなりを九州へと転任させる。 しかも赤シャツはマドンナを奪ったにもかかわらず、女を買うのである。 このような作品を小学生に読ませるのはどうかという問題は置いておく。 こういう悪党を許せないと坊っちゃんと山嵐は職を賭けて赤シャツ、おまけに野だいこを退治する。 その結果、坊っちゃんは職を辞し、東京へと帰る。 マドンナという女がうらなりから平気で赤シャツに乗り換えるというのもこの作品の見物のひとつだろう。 『坊っちゃん』のマドンナというと世間では評判がいいらしいがとんでもないあばずれ女にしか見えないのは気のせいか。 漱石は女というモノ、近代の女というモノを作品のなかで描きだし、それを抹殺する!それに命を賭けていたに違いない。 私見を述べさせてもらうと漱石の書く女はどの作品もみな魅力的である。 この女になら命を捧げてもいいと思わせる女ばかりを書く。 そして男は人生を踏み誤るのである。 最後に漱石のひとつの問題としていつもとりだたされる、 「二個の者が same space ヲ occupy スル訳には行かぬ。甲が乙を追い払うか、乙が甲をはき除けるか二法あるのみじゃ」 である。 これこそ漱石の作品において語られるべき最高の法である。 ここに魅力を感じなければ漱石を読む資格は無しという烙印を押してもらうといい。 赤シャツとうらなり。 坊っちゃんと赤シャツ。 same space ヲ occupy スル訳には行かぬ。 我が最高の愛読書『こころ』における先生とK。 これこそが漱石を日本史上最高の作家と証明するに足る理由だろう。 漱石は『明暗』を書いた後に『猫』、『坊っちゃん』へと回帰するつもりだったという話も聞く。 無頼の小説家、当然知っていることだろうが帝大を辞し、一新聞社へと勤めるというとんでもない決断をした男である、夏目漱石の魅力に気づいたあるいは興味を抱いた人は早速読んでみることを薦める。 漱石を読んで無駄になることなし。

    0
    投稿日: 2013.09.02
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    自分でもびっくりなぐらいの期間を積読しといてからのようやく読了。 べらんめえ口調だから正義感MAXでも心地いいんだろうな。 山嵐との友情のかたちは素敵すぎる。古い男同士の粋。 清への愛と清からの愛が根底にずっと流れていて、それが全体をふんわりと包む安心感の正体だった。離れていてもなお母性というか。

    0
    投稿日: 2013.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    そういえば読んだことがなかったような気がして。 時代背景こそ違うものの今読んでも実に愉快痛快な物語。 主人公は自分のものさしをあてがって気に入らない世の中のほとんども事物人物に徹底的に文句を言い散らす。彼の立場に立ってみれば、そうだそうだもっとやれ、という気持ちになれる。“いくら月給で買われた身体だって、あいた時間まで学校へ縛りつけて机と睨めっくらをさせるなんて法があるものか。”という件など、月給で雇われた身としては大いに納得できる。 一方で彼の赴任先の校長や教頭その他教員たちの振る舞いの中にも自分に重ね合わせられる点があるので、これを批判されている気持ちにもなって反省したりもしながら読んだ。 全体を眺めると勧善懲悪の節もあるものの、主人公を旧来の日本人像、敵対する立場の人物を舶来の思想に染まる新たな日本人像と見做すと、旧来の日本的な倫理観が敗北する様子を描くさびしい物語でもあるようだ。

    2
    投稿日: 2013.08.15
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    青空文庫にて読了。森見登美彦を読んだ直後の漱石でした。森見の軽妙で滑稽な文章のルーツが漱石にあることを確認。 『坊っちゃん』、100年経っても通用するエンタメ小説です。やっぱり漱石すごいね。

    0
    投稿日: 2013.08.06
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    坊っちゃんまっすぐすぎる~。でもこの融通のきかんところがなんとも魅力的。しかもたまにクソ真面目におもろいこと言うもんなぁ。清に愛されてほんまによかった。

    0
    投稿日: 2013.07.08
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    親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。 坊ちゃんという題名とは正反対に一見ガサツで喧嘩っ早く、単純な青年だ。しかし、芯はまっすぐで筋の通らないことは大嫌い。悪いことは悪いとすぐ口に出てしまうのがたまに傷だか、私は大好きなタイプだ♡清という世話役の老婆を常に優しくおもいやる所が、面白い。常に少年の心をもった人物だ。また学校の先生という設定にも関わらず、生徒との絡みはほとんどない。個性豊かな教師の間で、大人のややこしい世界を感じていく。 夏目漱石の軽快でユニークな表現と主人公のキャラが好きであっという間に読んじゃった(^ ^)

    0
    投稿日: 2013.07.06
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    [作品] 1906年(明治39年)発行。 「ホトトギス」掲載。 旧千円札 明治の文豪 夏目漱石 著 [内容・あらすじ] 東京の物理学校(東京理科大の前身)を卒業したばかりの江戸っ子気質で、血気盛んな若者“坊っちゃん”は、母校の校長のすすめで四国のとある旧制中学に数学の教師として赴任することとなる。 愛媛尋常中学校に英語教師として赴任した著者の実体験を元に書かれた作品。 [感想] 漱石というとどうしても硬くて暗い文学作品というイメージだったが、本書「坊っちゃん」は主人公が悪党をこらしめるという単純明快でわかりやすく、読んでいて痛快な娯楽小説だった。 漫画的な解釈だが、夏目漱石はキャラクターの造形が非常に上手いと思う。文章におけるセリフや描写の一つ一つが登場人物の輪郭を浮かび上がらせる。特に一番出番の多い主人公の坊っちゃんの描写は秀逸で、作品に集中しているとこの小説の作者は夏目漱石ではなくて、この主人公の坊つちゃんなのでは?と錯覚してしまうほどだった。 現代ではこういったリアルなキャラクターの造形は普通、絵や映像といったヴィジュアルに頼るが、それを文章のみでできてしまうというところはさすが紙幣になるだけの人物だと感じた。

    0
    投稿日: 2013.06.22
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    夏目漱石さんの人物像が意外と面白いw 登場人物それぞれの性格、が細かに表され、それに対する漱石の素直な感情がかかれており、気持ちよかったり、むむむと思ったりしました

    0
    投稿日: 2013.06.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    デジタル本で読みました。 本書の冒頭にあるように、まさしく「無鉄砲で小供の時から損ばかりしている」・・坊ちゃんの物語。 終始、主人公の坊ちゃんの視点で物語が綴られているのですが、読んでいて、どんだけ上から目線の思考なんだ?!・・・と思わずにいられないところが多々・・(^_^.) 怒りっぽいけれど、自分に正直な坊ちゃんです。 口は悪いながらも、清のことを心底気にしていたのが、微笑ましかった。 坊ちゃんのそういうところ、憎めない人物像・・という気がします。 漫画や映画など、誰かのフィルターを通した作品を鑑賞してみたいと思いました。

    0
    投稿日: 2013.05.31
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    夏目漱石の坊ちゃん、もちろん原作。映画が見たくてたまらなかったんですが、ぐっと堪えて目の前にあった原作から入ることにしました。 いやぁ、面白い、面白い。 坊ちゃんこと主人公のはちゃめちゃぶりが、我輩は猫であるの先生と被ります。案外未来型ではなかろうか。 とりあえず、これも◯な、夏目作品です。

    0
    投稿日: 2013.05.29
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    「わが輩は猫である」で夏目漱石を挫折し、読んでいなかった坊ちゃんをGoogleBooksのお陰で読了。 想像していたホワーっとした学園ものではなかった。 マドンナの登場も最小限。 山嵐、かっけーです。

    0
    投稿日: 2013.05.24
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    「大方〜」とか「〜に極っている」とかに代表される主人公の勝手な当て推量で物事を誤解・曲解する様に全く辟易する。空気読めよ。 そりゃあ彼のように直情径行、単刀直入に快刀乱麻を断つように何事もあっさりざっくりが通用すればある意味幸福の至りではあるが人間関係ってそんな単純なもんじゃないでしょ。 親友や恋人同士でさえ少しはどろっとした感情も混ざり得るというのに、いわんや同僚をや。主人公には「郷に入っては郷に従え」という諺を贈りたい。 とはいえ、赤シャツに対する疑念が定かになり、主人公が山嵐と意気投合したあたりからは流石に先が気になり面白く読めた。 結局赤シャツは徹底的に悪者でしたな(笑)

    0
    投稿日: 2013.05.21
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    「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている」(P.5) 有名な書き出しで始まる夏目漱石の小説は、松山に赴任した中学教師を主人公とした話である。 坊っちゃんによる勧善懲悪の筋書きが、近代に挑んで敗れる、ある意味では思想的な、またある意味では倫理的な、戦いの寓話であるという読み方は、巻末に付された、江藤淳による解説にも表れている。 「坊っちゃんも山嵐も、赤シャツと野だを退治こそするが、実はよく考えてみれば単に腹癒せをしたというにすぎない。勝ったはずの二人は辞表を出して「不浄の地」を離れなければならなくなり、おそらく赤シャツと野だは恬として中学校を牛耳りつづけるだろうからである」(P.154) あるいは、ここから更に一歩を進めて、それがおそらくは勝ち目のない戦いであることを自覚しながら、それでもあえて、敵に挑むこと自体に意味を見出しているのだとしたら。 そしてまた、正直さ、実直さ、誠実さ、そしてそれらを含めた意味での優しさを、肯定し、受け入れる象徴が、坊っちゃんの下女である清であるとしたら。 この物語が指し示すものは、前近代を武器に無謀な戦いを推し進めるための、一つの思想的な旗印にもなりうる。 坊っちゃんが我々に与えてくれるものは、虚飾や矛盾に対して異議を申し立てるための勇気だろうか。 それとも、不合理さに気付かずそれを固持して憚らない蛮勇だろうか。 ※ページ数は旧版のもの。

    0
    投稿日: 2013.05.19
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    へー、こんな話だったんだ。 赤シャツやら山嵐やら聞き覚えのある登場人物に、なんとなく知っているようで実はよく知らなかったおはなし。 教科書や試験問題で一部だけ読んでもわからないよね。 有名な冒頭がやはりかなり面白く、ラストは切ない。 真ん中あたりは愚痴だらけ(笑) 最終的に、赤シャツをまんまとやり込めて、マドンナにも感謝され、生徒からも慕われ、ハッピーエンド…というヒーロー像をイメージしていたので、なんかあっけないというか、物足りないというか。 現実はこんなものなんでしょうな。 坊ちゃんの独りよがりで上から目線の語り口調に、ちょっとついていけないところもあったけど、気持ちよく共感できるところもあった。 散々けなされている松山にもなんだか行きたくなってしまう。

    5
    投稿日: 2013.05.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うらなり、赤シャツなど綽名で登場人物を描写している。 学校教育の裏側を垣間見る。 坊ちゃんはどこまで行っても坊ちゃんなのかも。

    0
    投稿日: 2013.04.30
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    明治に書かれたとは思えない読みやすさ。 石原千明の言葉を借りれば、 漱石が「顔の見える読者」に書いたからこそ、 現在のわたし達の生活が小説にやっと追いつき 面白く読めるようになったのだろう。 漱石が当時より後の方が、販売部数が伸びたのも肯ける。 吾輩は猫であるが連載小説として書かれている関係、なかなか話が進まないので、 漱石を初めて読むなら、 執筆順ではなく、坊ちゃんからからがお薦め。

    0
    投稿日: 2013.04.21
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    読みやすい。 単純な感想だけども、そう思いました。 登場人物のキャラクターがはっきりとしている点、 物語の途中、丁度良く述懐の形で補足説明が入るので読みやすいのかもしれないと思います。 また、主人公の痛快さ、自分の正義を貫くさまは爽快でした。 何かを紹介した後に入る突っ込みも面白く、今読んでも思わず笑ってしまうシーンがあるほど。 物語の中で妙に印象的なのは山嵐に返したお金をお互いに手を付けず、 埃をかぶってしまうシーン。 お互いの意地がぶつかり合っていて、とても恰好が良かったです。 何より、キヨに対する私の愛情はとても良いなあと、全編を通して思わされました。

    0
    投稿日: 2013.04.20
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    自分の読み方だと、どうしてもキャラクターものとして以外の読み方が出来ないので、何度も読んで他の見方が見えるようになればと思う。

    0
    投稿日: 2013.04.13
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    坊っちゃん『贋作』殺人事件を読んで、他の方のレビューを見たら、原作を読んでから読んだ方がいい、と書かれてあったので、贋作も読んじゃったけど、一応読んでみました。 冒頭の文章は学校の授業で習った気がします。『贋作』でも同じような文章で、あら?読んだことあるわ?と思いましたから。でも、全部を読んだ事はなかったので、読み終わって、なるほど、これは原作を読んで贋作を読めば、ストーリーがつながっているので読みやすかっただろうな、と思いました。 ストーリーとしては贋作のように、誰かが死んだり殺されたりはしないので(当たり前ですが)、はねっかえりの主人公が、何を間違えたのか学校の先生になり、生徒に、先生たちとの人間関係に苦労していく物語。短編だけど、坊っちゃんの生きざまが分かりやすくて良かった。

    0
    投稿日: 2013.04.09
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    ずる賢い人が得をするのだなあと読み終えて思いました。 自分に正直に、真っ向から受けて立つ坊っちゃんが馬鹿にされる様はむず痒く感じた。 教頭が徹底的にこらしめられて、うらなり君のところにマドンナが戻ってきて、、 というようなスッキリした落ちになるだろうと 私の理想で勝手に決めていたため、なんだかショックだった。 現実はこんなかんじなんだろうなあ。 あっけなく終わったような空しさがなんとも言えないです。

    0
    投稿日: 2013.04.09
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    この作品を読んでいる時、私は少々思慮に欠け、何事も腕力で解決してしまいがちだが、悪いと思うことには全力で反発して常に自分に正直に生きていく坊っちゃんを自然と応援してしまいました。赴任した学校では生徒たちからの嫌がらせがあり、坊っちゃんは迷いなく制裁を与えようとするのですが、体裁を保とうとする赤シャツと腰巾着の野だいこは学があり弁もたつため、感情をぶつけるだけでは自分の意見は通らないことを思い知ります。しかし、坊っちゃんと同じく自分の信念に従って行動する山嵐と意気投合できたことから、最後には周囲からの評価や自分の利益ばかり考えて行動する赤シャツらを一発殴ることができ、私はすがすがしい気持ちになりました。 また、この作品は少し寂しいものであるとも感じました。坊っちゃんと山嵐は自分たちの倫理観に基づき勧善懲悪を行いますが、普通に考えればただの腹いせとして殴っただけに過ぎず、結末は坊っちゃん達の方が辞表を出して学校を離れ、おそらく赤シャツ達はこれからも学校を牛耳っていくというものになっています。気持ちの上では勝者でも、実際には敗者に他ならないという結果に、直情径行だけでは社会で生きていけないことを学びました。 無鉄砲な行動が目立つ坊っちゃんでしたが、最後まで読むと、こだわらない性格の彼が常に清のことを気にかけている姿も印象強く、家族との幸せには恵まれなくとも、彼と清との間には肉親以上の深い愛があり、それだけで幸せを感じていたのではないかと読み取ることができました。これからはこういった登場人物の心情や著者の伝えたいことを感じ取れるように読んでいきたいです。

    0
    投稿日: 2013.04.03
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    息子が夏目漱石の「坊ちゃん」の冒頭の『親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。・・・しかし創痕は死ぬまで消えぬ。』までを暗誦しているのを聞いていたら懐かしくなって思わず「坊ちゃん」を読み返してしまった。何十年振りだろうか。

    0
    投稿日: 2013.03.30
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    久々に読んだけど、気持ち良い小説だったなー!勧善懲悪でも刃先が優しくてユーモラスでちょうど良い! 暴力は大反対なんだけど、赤シャツとか野だとか、ぶん殴ってやりたくなった!そんで清とか山嵐とかキャラクターもすごく良い!

    0
    投稿日: 2013.03.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どの登場人物もキャラがたっている。 江戸っ子のイメージ。 宿直室での当直の話とか喧嘩の仲裁の下りは今の話としても面白い。 こんなテンポのいい作品だったかと改めて感心した。

    0
    投稿日: 2013.03.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何度も読んで、毎回最後まで見きれず挫折していた「坊ちゃん」。 どうしても坊ちゃんのイライラについていけず…。 田舎をバカにする態度も、いろんな人に対する 傲慢な態度にも辟易してしまって、どうしても最後まで 読み切ることができなく、パタリと本を閉じる…。 その繰り返しだったけど、今度こそ! と絶対に読むと決めて挑んだ何度目かの坊ちゃん。 やっと最後まで読むことができた。 やっぱり今回も何度も閉じたくなりつつ[´ー`;] でもでも最後まで読んでほんとによかった。 私にとっては、よく「坊ちゃん」について聞く批評とは 感じることがまるで違うというか、勧善懲悪でも 胸のすく話でもなく、不条理で憤懣やるかたない 切ない話という全体の印象だった。 山嵐とうらなりさん以外はいい人に感じられない。 清は現実度外視で坊ちゃんだけを溺愛し、 坊ちゃんと同じく「田舎の人」への偏見にも 満ちていたりもするので、褒められた人とは感じないけど その愛情は揺らぐことなくあたたかく愛おしい。 坊ちゃんは気性は真っ直ぐだけど、とにかく怒りっぽく 1つの角度でしか物事を考えたり捉えたりすることしかできない 欠点はあるけど、間違ったことにはちゃんとすぐ詫びることもできる ただ頑固な人ではなく、まだ日本が今の日本とはまったく別の国 とも言えるほどの倫理観だったので、いろいろな道理の祖語は 仕方ないこともあるんだと思うので、最後まで読み通すと 坊ちゃんの勝手さに振り回されることだけでなく とても魅力的な小説であることに気づくことができた。 明治39年に書かれた作品なので、その当時の日本の背景や 暮らしぶりもとても興味深く、なによりいい人は少ないけど[笑] 1人1人の人物が生きた人として心にくっきりと残る。 道後温泉や坊ちゃんの愛した団子、天麩羅蕎麦。 今度旅行する時はゆっくりと坊ちゃんの足跡も感じながら 楽しい文学散歩ができるかなぁと思うとわくわくした。 中盤からは特に一気に物語を読ませる熱量を感じて 村上春樹さんを読んだ時と同じく、これが天才なのか…と 難しいことや仔細について考えていくまでもなく いかに魅力的な文筆家であるかを感じて感動した。 他の作品はもちろん、夏目漱石という人にとても魅力を感じて いろんな資料を読みたいなと思った。 あたたかい古き日本を愛し、近代に絶望を見た夏目漱石の 人となりを知りたいと思えた素晴らしい作品でした。

    7
    投稿日: 2013.03.09
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    切ない。 結局坊っちゃん、負けるとわかっていて負ける人です。 負けなければいけない人です。 時代遅れで筋が通れば勝てるはずがない。 うらなり先生は消え、ばあやも死ぬ、山嵐とも別れる。 坊っちゃんはそこで終わる。 その後があっちゃいけない。 漱石は坊っちゃん的な作品を以降書きません。 ぼくらは坊っちゃんになってはいけない、 しかし坊っちゃんには憧れ続ける。 漱石もまた一気呵成にその憧れを描いた。 孤独だとか、他人だとか、 そういう難しいもの以前の、 江戸っ子漱石の想いの丈。

    0
    投稿日: 2013.03.08
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    名前は知っているけれど中身は知らない、と古本屋で購入しました。 昔の書き方の読みにくさはありましたが、面白かったです。 「読もう」としないと夏目漱石を読むことはないので、読んでよかったです。

    0
    投稿日: 2013.03.04
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    中だか高校だかで少し習ったが、今更初めて全部読んだ。 作中の「議論のいい人が善人とはきまらない。遣り込められる方が悪人とは限らない。表向きは赤シャツの方が重々もっともだが、表向きがいくら立派だって、腹の中まで惚れさせるわけにはいかない。…」が印象に残った。 井上通泰の「口さへ達者なら相手を凹ます事が出来る。然しそれは多くは辞屈であつて心服では無い。」てのを思い出した。

    0
    投稿日: 2013.02.25
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    あまり期待せずによんでみたけど意外に面白かった。 赤シャツとか山嵐みたいなあだ名のつけ方が気に入った いなごと団子の下りが好きぞなもし

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    投稿日: 2013.02.23
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    小説で声を出して笑っちゃうことって、僕にとって至極珍しいのだが笑っちゃったね。でも、話のテーマは至ってシリアス。少年少女よ、心して読むべし。

    2
    投稿日: 2013.01.28
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     『坊っちゃん』は、たしか、小6か中1くらいに一度、読みました。母親に読みなさいって言われて読みました。あまり感想は覚えていないけれど、その後何作品か漱石の作品は読んでいますので、おもしろいと思ったのでしょう。  今回読んでみて、とてもおもしろかったです。  私が思ったのは、サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』とスタンスが似ているなあ、ということです。(村上春樹訳の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』しか読んだことがありませんけれど)  『ライ麦畑でつかまえて』(キャッチャー・イン・ザ・ライ)の感想は、外国文学のところにありますので、参考にしていただきたいのですが、この作品でも、主人公は周囲の人間とまったくうまくいきません。接する人間、接する人間、すべて齟齬をきたします。  『坊っちゃん』もそうです。坊っちゃんは四国に赴きます。四国が舞台です。でも、四国の人間を田舎者だと言って馬鹿にしているので、現地でまったくうまくいきません。そうして、坊っちゃんには、東京に残した清という老婆がいます。両親にはかわいがられなかったけれど、下女の清にだけは、坊っちゃんは大物になる、みたいなことを言われ続けて育てられます。だから、大人になっても、坊っちゃんは、彼女や奥さんの存在はなくても、「清と一所になる、清と一所になる」と事あるごとに思います。それは清がアイデンティティの拠り所だからです。大の大人が、普通なら若い女の子の尻を追い回すところなのに、こんな老婆と一所になる、と言っているのは、ちょっと奇妙で異常な感じがしないでもありません。でも、アイデンティティの拠り所ですから、清はとても大事な存在なのです。  『ライ麦畑でつかまえて』でも、主人公には、妹という存在がいます。 妹に愛情を注ぎ、いろんな場所へ連れて行きます。  日本文学で広く読まれているのは、夏目漱石と太宰治だそうです。漱石が長く読まれている理由は何処にあるのでしょう?  太宰治も、『津軽』は、育ててくれた乳母のタケに会いに行く話だったと思います。ここからは私の仮説というか、間違っているかもしれませんが、両親に愛されなかった子供が、乳母とか、下女とか、そういう人には、かわいがられて、胸の奥底に「いつか大物になってやる」みたいなプライドを持ち続けて、それで成長して、周囲の人間とうまくいかない。そういう物語の類型が、長く読まれ続ける要素かもしれないな、ということです。読者も感情移入しやすいですしね。つい味方したくなります。

    0
    投稿日: 2013.01.12
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    久しぶりに読んでみた。昔は坊ちゃんの行動に清々しい気持ちになったものだが改めて読むと、果たして彼の言動は正しいのかどうか。赤シャツや生徒達のやり方は確かに卑怯で汚いことなんだが、坊ちゃんの考え方も極端で短絡的な気がする。そんな風に考えるようになったのは良くも悪くも自分が大人になったということだろうか。。。

    0
    投稿日: 2013.01.07
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    新米中学校数学教師のお話。100年以上前に創られた小説にも関わらず、中学生や同僚相手に奮闘している主人公。現在と変わらない構図に驚きと勇気を貰う。 昔に書かれた小説なので難しいのではないか、という先入観もあったがスラスラ楽しく読めたのは驚き。他の作品もどんどん読みたい。

    0
    投稿日: 2013.01.06
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    一言では言い表せない。 松山で受けた不条理に対して、生来の気質で立ち向かう主人公が痛快に描かれている。 だが、心の中では寂しさを感じている、居心地が悪かったんだろうなぁ。清という女中さんを思う坊ちゃんに切なさを感じる。 世の中の不条理に対して、自分の気持ちに正直に立ち向かう主人公は痛快ながらも、人が持つ弱さも感じる。 結論:読んで良かった、漱石の他の本も読みたくなった。何となくシェークスピアのリア王を思い出した。正義は勝つが、全面的な勝利ではないところが物寂しさを感じさせる。

    0
    投稿日: 2012.12.26
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    転職先であるメーカーの工場が松山にあったので手に取った本。 赤シャツに野だ、そして山嵐と坊っちゃん。分かりやすい敵味方の構図でありながら、結末の見えた勧善懲悪の話でもなく、面白い。 文体や時代背景こそ現代と違うが、これはうちの会社の話では!?と錯覚するほど現代にも通じる話。人間関係(正確には日本人の、だが)やら組織の体質やらっていうのは昔も今も変わりないものなんだな、残念ながら。p.68の「わるくならなければ社会に成功はしないものと信じているらしい」とか、p.125の「議論のいい人が善人とは決まらない」とか、p.128の飲み会の席のくだりとか、そうそう!って思わず頷いてしまった。 漱石の人となりはよく知らないが、漱石自身が超インテリでありながら、第三者的な視点でエリートを批判していたのだろうか。

    0
    投稿日: 2012.12.16
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    夏目漱石の文章は古臭い感じがしなくて、読みやすく、その場面の情景が浮かんできます。この『坊っちゃん』は主人公目線で書かれたものなのでなおさら。 坊っちゃんのさっぱりした性格が、読んでいて面白かったです。 坊っちゃんの清に対する思いに、暖かさを感じました。

    0
    投稿日: 2012.12.12
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     親譲りの無鉄砲で損ばかりしている「おれ」目線の物語。 幼い頃から親に愛されず、兄からも疎んじられた「おれ」。清という下女だけが「おれ」を「坊ちゃん坊ちゃん」とかわいがってくれた。 やがて大人になり教師として愛媛に出向いた「おれ」。そこに待ち受けていた下らない世界。因循姑息が渦巻く世界で頑固に自分を通す「おれ」。周囲の教師にあだ名をつけ、ズバズバ斬ってゆく。痛快。  この物語は明治後期の日本。「おれ」が職場で味わった思いは現代の日本の会社でも経験した人は多いだろう。だからといって、「おれ」のように歯に衣着せぬ物言いはできない。『坊ちゃん』が時代を経ても色あせないのは、そのように今に通じる物があるからだろう。

    0
    投稿日: 2012.12.08
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    小学生のときに読んだ気がするけど、もうすっかり忘れていたのでもう一度読もうかなと思って、買ってきた。 夜寝る前にちまちま読んでたけど、文のリズムが心地良くて心穏やかに読めました。

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    投稿日: 2012.11.19
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    痛快!!坊ちゃんの性格はいわゆる気風のいい江戸っ子といったところか。やんちゃもするが嘘や陰でこそこそやるのが大嫌い。そんな坊ちゃんが悪質な嫌がらせをする、生徒や教師との衝突が描かれるのだが、、、暴力という手段は少し考えものだが、坊ちゃんや山嵐のような教師が現代にいればもう少し学校教育もマシになるかもしれない。しかし現状は赤シャツのだいこのような教師のほうがはびこってる。久しぶりに読んだら、思わずそんな事を考えてしまった。

    0
    投稿日: 2012.11.10
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    思いの外すらすら読めて面白かった。 無鉄砲者の坊ちゃんが右往左往する話。不器用で、傍から見ると変わり者(に見えるであろう)の坊ちゃんを見てるとなんだか常に心配だったけど、結局最後はスッとした。 話に緩急が少なくて、今で言うフラグも途中バキバキに折りまくりだけどリアルな人間味が楽しめた。

    0
    投稿日: 2012.11.06
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    自分の思うところを子供のころから大人になるまでずっと周りに染まることなく持ち続ける主人公。 独身やからこういう行動とれるんやろなー。 それにしても、義理(正義)を重んじるところとかは見習いたい。 あと、田舎っていいかも。

    0
    投稿日: 2012.10.21
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    中学の読書感想文のために読んだ 「ぞなもし」の印象が強く、恥ずかしながら、あまり内容を理解していなかったと思う また年を重ねてから読んでみたいと思っている

    0
    投稿日: 2012.10.13
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    坊ちゃんの乱暴な言い回しが面白過ぎる! 私の頭の中での映像は常に大泉洋ちゃんだった。 口は悪くて乱暴だけど、子供みたい真っ直ぐで、人の心の傷みも解る、凄く素敵な人だと思う。 読みながら笑えるし、心が温かくなる一冊でした。

    4
    投稿日: 2012.10.10
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    先日、松山に行く機会があり、道後温泉を訪ねたのを機にまだ未読だったことを思い出し、図書館で借りてきました。そもそも前期漱石作品に触れるのが初めて。 人間の個性がよく出てると感心する一方、主人公が単純明快という性格付けのため、物語自体もサラっとしていて、さくさく読めたものの少し物足りなさも感じました。

    0
    投稿日: 2012.10.02
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    面白かったです。 「坊ちゃん」の江戸っ子魂に思わず笑ってしまいつつ、 現代においてもあるあるな人間模様に頷きつつ、 そしてラストの清に。。。 期待以上の満足感。 流石でした。

    0
    投稿日: 2012.10.01
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    漱石の文章は読みやすい。面白かった。 主人公の正直さ。 坊っちゃんっていうタイトル。 うまいなー。 温泉の町に行きたい。

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    投稿日: 2012.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中学生のとき読んで、赤シャツ・野だいこは嫌なやつだと思ったが、今読むと一概にそうとは言い切れない。 文庫の裏に勧善懲悪とあったが、うらなり君が転任し、主人公と山嵐が学校を去ったという結末からすると、勧善懲悪とは言い難い。 文調は洒脱ながら、後の作品で深化される主題を多く含んでいる。 漱石の小説の中では、一番好きな作品。

    0
    投稿日: 2012.09.28
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    漱石の代表作の一つである、坊っちゃん 文体が昔のものであるので、少し読みづらい 無鉄砲でがむしゃらの坊っちゃんは四国の田舎へ数学教師として赴任して、 村社会と一悶着を起こす 元使用人の清のことを坊っちゃんが想いを改めていく変遷に心が動かさせられる

    0
    投稿日: 2012.09.27
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    久しぶりに読んだけど、前回と全く違う印象だった。 「真っ直ぐで正直な、情に厚い人がいなくなってきている、そしてそういう人は社会的には敗北する」という話だと思う。そういう意味で、グレート・ギャツビーに似たものを感じた。 解説にも書いてあったけど、夏目漱石は文明開化で西洋化の真っただ中にイギリスへ留学し、そこでの近代化された都市・人々の中を生きたことが関係しているよう。そこでの近代化された人々(おそらく赤シャツや野だ、そして現代の僕ら)を目のあたりにすることで、日本人本来の気質(主人公と山嵐)が失われてしまうことを予感し、絶望したんだと思う。なんとなく。 あと、リズミカルな文体が他の漱石の本とまた違う感じですごく好き。

    0
    投稿日: 2012.09.26
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    一番大好きな本。ただ正直に生きたいだけなのになんて難しい。坊ちゃんのことをおもうと胸がえぐられる気がします。

    0
    投稿日: 2012.09.13
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    題名から、中学生くらいの少年が主人公なのだと、 しばらく勘違いをしていました。学校の先生だったのですね。 小気味のよい文章と、勧善懲悪の物語で、爽快でした。 主人公の真っ直ぐで面白くて不器用な感じに好感を持ちました。 夏目漱石の他の小説も読んでみようと思います。

    0
    投稿日: 2012.09.12
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    【イマイチ、良さが感じられなかった漱石の小説】 夏目漱石といえば、昔の千円札や『吾輩は猫である』の作者で有名であったので、有名な『坊ちゃん』もさぞ面白いのであろうと思って臨んだのだが、イマイチ良さが実感できなかった。 主人公をとても可愛がっていた、清というおばあさんと坊ちゃんの関係性を描いていくのかと思うと、実はそうでもない。最後の方は、さらっと流して完結に向かってしまう所が非常に残念で、他の方のレビューのように、この小説を通して何が伝えたかったのかが、よく分からなかった。 村上春樹のように、アリ地獄にハマるような感覚を覚えることはなく、さらって読み流せてしまう程度の作品であった。 んー、なんとも残念。。

    0
    投稿日: 2012.09.11
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    読んでいるとクスクス笑ってしまったり、憤ってしまったり、主人公のそばにいるように作品の世界に入り込める わたしのいちばん好きな本 作品全体がいきいきとしていて、スピード感があり、何回読んでも面白い 漱石が、読者を四国の学校に連れて行って面白おかしい日常をみせてくれます

    1
    投稿日: 2012.09.08
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    読んだことなかったので。 坊っちゃんてゆうから子供かと思ったら大人やん! けどおもしろかったです。 いろいろと思うこと今も同じやなーと。

    0
    投稿日: 2012.09.02
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    夏休みといへば読書感想文。かういふものを強制するのは、読書嫌ひを増加させるものとして有害と申せませう。 自分の中高生時代を思ひ起せば、クラスの友人たちは読書嫌ひが多く、感想文を書くために課題図書を自ら選ぶ訳ですが、その際に「なるたけ楽にちやちやつと読めるやつを」と考へるのであります。 そして出来るだけ薄つぺらい本が良いといふことで、「新潮文庫の100冊」からカフカの『変身』なぞをチョイスする浅墓な奴が続出するのであります。ほかには『天平の甍』『悲しみよこんにちは』『ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン』なども。読み始めて一頁目から激しく後悔するのでした。 その点、この『坊っちゃん』は間違ひがない。親譲りの無鉄砲に始まり清のその後に至る最後まで、年少の読者も一気に読めるのであります。 わたくしが最初に購買した『坊っちゃん』は、新潮文庫版で120円でした。ちなみに更に薄い『変身』は、なぜか140円。 当時の担任教師・W先生は、その120円の『坊っちゃん』を見て「文庫も高くなつたのう」とつぶやいてゐました。 ま、今さらわたくしが古典中の古典である『坊っちゃん』を喋喋しても、いたづらに諸兄の目を汚すのみと思はれます。(ならば書くなと、ごもつともな意見が聞えてきます。) ただ、今回読み直して気がついたのは、舞台である四国の地名はどこにも書かれてゐない、といふことでした。 今でこそ松山市が舞台であることは有名ですが、当時の読者は一読してすぐに分かつたのか? 多分さうではないのでは。だからこそ漱石氏はあれだけの悪口雑言を並べ立てたのではないでせうかね。 もつともわたくしには、愛惜の情がこもつた悪口にも見えます。 『私の個人主義』を読んだ人ならきつと頷くことでせう。 http://ameblo.jp/genjigawa/

    1
    投稿日: 2012.08.31
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    人間関係から生まれるもやもやは現代にも通じるものがあるなぁ…と思いました。面白かったです。主人公がカッコいい。

    0
    投稿日: 2012.08.10
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    文豪ナビで挙げられている順に読むことにした。 ストーリーは単純なもので、主人公の性格にとても好感が持てた。 最後は一気に近況が語られる。さらっとしていて好き。 「だから清の墓は小日向の養源寺にある」 ただ文豪の文章はちょっと読みにくいところがある。 現代の文字に慣れているからな。

    0
    投稿日: 2012.08.07
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    夏休みの課題図書にした漱石の『坊ちゃん』。久々に読み直しても面白かった。平岡敏夫が指摘した通り、佐幕派文学として読み解くと、坊ちゃんの武士としての矜恃や拘泥が、所々に垣間見られる。 坊ちゃんだけでなく、清とうらなりの母親との共通性等々、漱石の意匠が随所に見られる。そうして勘案すると、うらなりと言う命名も、清から教えられた語彙を援用したものであり、清がうらなりの間接的な名付け親として機能しているとも言えよう。

    0
    投稿日: 2012.08.04
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    名作を今更読了。新任教師の反骨精神を描いている。どこか青春教師モノのドラマにありそうな内容だなーと感じた。自分の履歴よりも義理を重んじる主人公がかっこ良いと思った。

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    投稿日: 2012.08.03
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    坊っちゃんのような真っ直ぐな心が羨ましい。 相手と正面から向き合い、自分の信念を通そうとする姿はとても勇ましく、これは現代から後世にまで読み継がれるべきものだと感じた。

    0
    投稿日: 2012.07.31
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    おもしろかった。 昔の作家さんの本を読んで、おもしろいと思うことってあんまりなかったけど、『坊ちゃん』はおもしろかった。

    0
    投稿日: 2012.07.28
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    さらっとした最後がすき。坊ちゃんはこれからも自分の信念に恥じない生き方をしていくんだろうなあ。 清をまっすぐに想うきもちに癒された〜 坊ちゃんの生き方は 真似できないけどすきだな名言が続出だった。 「人間は好き嫌で働くものだ。論法で働くものじゃない。」が特にぐっときた。またいつか読み返したい

    0
    投稿日: 2012.07.18
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    ものすご~く昔に、読書感想文にしようとして読んだことがあったものの、若さゆえの我慢の利かなさで途中放棄していた名作。 なんだ、面白いじゃないか! 今まで読んだことのある漱石の作品の中でも一番読みやすかった。 いやはや、年取るって悪くないな。 ただ、主人公を好きになれなかった。なんだったら赤シャツの次くらいに嫌いかもしれない。 それほど遠くない昔、松山に住んでいて、思いのほか素敵なところだったので、田舎呼ばわりで見下した感想にカチンときた。 そういえば、松山時代の知り合いの誰かがおなじようなこと言ってたな。 今更ながらわかる。

    0
    投稿日: 2012.07.16
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    坊ちゃん 有名だけど読んだことがなかったので今更ながらに読んでみた 面白かった 途中思わず笑ってしまうところも度々あるほど面白かった 主人公の一直線さが醸し出すトンチンカンな発想とその言い回しがなかなか絶妙で、今読んでも十分に楽しめる作品だと思えた 最後は若干尻切れトンボ感は否めないが、逆にあの主人公の物語としてはああいったサッパリとしたラストの方がむしろ合っているように思えた

    0
    投稿日: 2012.07.16
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    夏目漱石著。 四国の中学に数学教師として赴任した“坊っちゃん”が、持ち前の正義感の元、様々な自由奔放な行動を巻き起こす。 坊っちゃん、山嵐、赤シャツ、野だ、うらなり君、清など、人間的で魅力的なキャラクターが多々登場し、また本文も歯切れのよい、リズミカルな文章で書かれており、大変読みやすい。 ラストに関して、赤シャツ、野だを山嵐と懲らしめた後、颯爽と仕事を辞め、江戸に戻ったのがいかにも江戸っ子の坊っちゃんらしい行動だと感じました。しかし、坊っちゃん、山嵐とも学校をやめ、うらなり君も宮崎の僻地へ転勤させられるなど、主人公側の人間があまり報われず、また中学校自体もこれまで通り赤シャツと野だが牛耳り続けることを想像すると、複雑な気持ちになります。

    0
    投稿日: 2012.07.12
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    悩みがあり、毎日不安でした。だから、負けたくない時に読みました。すごく勇気を貰えました。正義って、かっこいい。

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    投稿日: 2012.07.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    松山に行く用事があったので、現地購入した。 久しぶりに漱石を読めて面白かった。 正しいことが通るとは限らない。とかくこの世は・・・を繰り返す漱石さんですね。 小さな復讐が成功しているのは、漱石の願望なのだろうね。 文学的には、やはりここは清でしょう。 清とは。母、帰る場所であり、理想の女性像。と、昔教わった。 触れるべきものでないので、聖女性すらあるような。 坊ちゃんと清の関係は擬似的な母子関係だと思うけれど、そこには血縁関係は(法的な母子関係も)無い。まさに処女懐胎。清さん子供いるけどね。

    0
    投稿日: 2012.06.30
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    実は、今回初めて読了しました。 (昔、ほんとに初めてこの本を手にしたときは、1ページで挫折しました。(無鉄砲がこうじて2階から飛び降りたところで終了・・・)) うん十年の時を経て、今回読了した感想は、意外に面白い、ということでした。 文体が100年以上の時を感じさせないので、読んでて、物語がすんなり入ってきました。 別の小説もまた読んでみようと思います。 ※つながりは薄いかもしれませんが、「鹿あおによし」は坊ちゃんを読んでからだったら、より楽しめたかも!?、と思いました。

    0
    投稿日: 2012.06.30
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    坊っちゃんって作品自体は、道後温泉とかかわりなくね?(夏目漱石が道後温泉あたりにいた時の生活とリンクさせとるのは分かるけど) 高知がかわいそう・・・ってか、高知のカツオのたたき(塩味?)が食べたくなってきた! 本自体は、おもしろい。本嫌いがなくなってきた。青春というか、青臭い人生の教本的な本だと思った。

    3
    投稿日: 2012.06.03
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     時代背景がそれだけに、それぞれのキャラがアナログ的で微笑ましい。  もし“現代版坊ちゃん”が書かれるとしたら、どんなストーリーになるだろう・・・

    0
    投稿日: 2012.05.22
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    漱石の小説の中でもかなりお気に入りの作品。最初はあまりにも有名なため、詠む気が起きなかったが、読み始めたらあっという間に読んでしまいました。うーん、面白い。なんといっても、坊っちゃんの性格がいい。世に残る作品はやはり、面白いのだと改めて実感させられました。

    0
    投稿日: 2012.05.22
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    直情径行、無鉄砲でやたら喧嘩早い坊っちゃん。彼が赤シャツ・狸たちの一党をむこうにまわしてくり展げる痛快な物語!・・・が、痛快だ、面白いとばかりも言っていられない。坊っちゃんは、要するに敗退するのである・・・。 恐らく「坊ちゃん」を初めて読んだ時、私は小学生か中学生だったはずです。初めて「坊ちゃん」という題名を見た時は貴族というかお金持ちのお坊ちゃんの物語と思いました。そして当時読んだ時もあまり強烈な印象を受けなかったと思います。 しかし、今「坊ちゃん」を読んだり、「坊ちゃんって何だ?」と考えてみると、なかなか回答が出てきません。それだけ深い作品と言うことなんでしょうか。題名はシンプルこの上ないのに、中身は深い。これが夏目漱石でしょうか。 物語の舞台は学校、登場人物は教師。坊ちゃんと呼ばれる人物は色々と戦います。しかし、結論からいくとその戦いに勝ったと言えるのか、負けたと言えるのか、そこが肝なのかもしれません。 非常に読みやすい物語展開と文章、夏目漱石の作品はそんな印象が強いです。ふとすると子供向けでも十分いけるのではないかと思えるくらいシンプルで何か優しい。

    0
    投稿日: 2012.05.18
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    物理学校を卒業後、ただちに四国の中学校に 数学教師として赴任した直情径行の青年“坊っちゃん”。 江戸っ子気質で、真っ直ぐな性格の彼は 教頭の“赤シャツ”や画学教師の“野だいこ”らの 陰険さや裏表のある性格に強く反発し、 ついには同じ数学教師の“山嵐”とともに、彼らをこらしめ 職をなげうって東京へと帰ってしまう。 言わずとしれた漱石の代表作。 いっぱしの読書家を気取っていながら 今までもっぱらミステリばかり読んでいたため、 明治や大正時代の文豪の作品に対して 「堅苦しいもの」という先入観を抱いていたのだが、 この作品は見事にそのような考えを打ち砕いてくれた。 タイトルだけは一般常識として当然知っていたが どういうあらすじなのかはほぼ知らないまま読んだが、 ここまで愉快な作品だったとは思わなかった。 主人公は非現実的なほど真っ直ぐな人間で、 自分の気持ちに正直で無理を一切していないため、 無理を強いられてばかりの現実に生きる我々読者は 「これだけ自由奔放にいられたらどんなにかいいだろう」 という一種の憧れと痛快さを存分に味わうことができる。 それにしても文章がとてつもなく面白い。 戯画的に描かれるキャラクターたちといい、 主人公の考えていることといい、 表現がユーモラスでたまらなく滑稽な味わいがある。 主人公の考え方がやや乱暴すぎやしないかとか、 いわれのない田舎差別がちょっと鼻につくとか、 現代の感覚に照らすと気になるところもあるが、 それもそれで、古い作品を味わううえでの楽しみであろう。 ああだこうだと言うのが恥ずかしいくらいの有名作品。 恥ずかしいので、このくらいで切り上げておく。

    0
    投稿日: 2012.05.07
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    主人公の真っ直ぐさに何回か涙。 こういう人は生きにくいけど、小説の中でそういう価値観を良いものとして輝かせているのが素晴らしい。 ロマンスの要素が無いところが好き。

    0
    投稿日: 2012.05.03
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    中学生の頃読んで以来、久々に読んだ。まさに竹を割ったようなまっすぐなわかりやすい単細胞の主人公。明瞭で気分がいい。なんだかんだのはなしがどんどん進み、どんどん終わったという感じだ。なにも滞らず、さっさと進んで終わった、という感じ。あっけないくらい。でも、こういうのを座右に置いて、どろどろした話を読んだ後の口直しみたいに読んだらいいかもしれない。明治の人の文章なのに、ユーモアがあって(江戸っ子らしい)けっこう笑える。純文学なんだけど、噺家の噺のようでもあり、やっぱり夏目漱石はいいなとあらためて思った。

    1
    投稿日: 2012.05.02
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    内容もとてもわかりやすく、文体もどこかリズミカルで気持ちよく、随所に散りばめられたユーモアもあって、長く人々に愛されている作品だということがよくわかります。 ありますよね。真面目だから、正直だから、純粋だから、小馬鹿にされたりあしらわれて、バカを見ることって。 正義は勝つ。善こそが正義。 また、そんな世の中でないといけないし、じゃないと嫌だ! そんな人としての原点に帰ることのできるいいお話だと思います。

    0
    投稿日: 2012.04.27
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    すばらしい。とにかくすばらしい。 明治時代に書かれた小説なのに、平成の現代に読んでみても、まったく錆びておらず、ただただ痛快な面白さがあります。 終わり方もすばらしく、徹頭徹尾さわやか。

    0
    投稿日: 2012.04.23
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    (談話室からの転載) 子供の頃は,やはり痛快で,おもしろおかしい小説と読んでいたのだと思うけれど,無鉄砲ができない大人になって読み返すとけっこう切ないものがいろいろ詰まっているのに気づいてしまう.清のような自分を完全に肯定してくれる存在とか. 子供にオヤジ臭い感想だといわれました.

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    投稿日: 2012.04.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    正直、退屈なイメージが強い漱石だったが、読みやすく面白かった。 江戸弁の語り口調がさらに爽快さを引き立てる。いやー痛快爽快、結局坊ちゃんたちは最後っ屁のようなことをしただけなのにね。

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    投稿日: 2012.04.21
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    今更ながら読み終わった。読みやすい文体で内容も非常に分かりやすい。テンポがよく(実際にいたら煙たがれそうだが)坊ちゃんの性格がすっきりしていて性格がしっかりとえがかれていると感じた。

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    投稿日: 2012.04.19
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    松山一人旅時に携帯。 言葉遣いの今昔の違いはあれど、今読んでもストーリーのテンポの良さ、痛快さは少しも色褪せていない。 漱石の偉大さは、そういう所にあると思います。 松山には、この『坊ちゃん』と、 司馬遼太郎氏の『坂の上の雲』、 そして正岡子規の本を読んでから行くと 何倍も楽しめるのではないでしょうか。

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    投稿日: 2012.04.17
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    ほんとは筑摩の全集で読んだけど、見当たらなかったので一番読者数の多かった新潮文庫にしときました…。 小学生の頃、途中まで読んだものの、日本文学を専攻していたにも関わらず、恥ずかしながら四年間まったく夏目漱石に手を出さずに文学部生を修了。 そこで、今更ながら読んでみたところ……夏目漱石は難しいイメージ(小学生から更新されてない)を払拭! さくさくっと、数時間で読破しました^^ 感想は「さすがオモシロイ」 なんてことないストーリー、ちょっとしたユーモアや人物設定の面白さ、「愉しい読み物」でした。 時代背景やら漱石の思想やらを深く考えるのは授業のときにとっておいて、ただただ夢中になって読むことが出来ました、とさ。 よく中学生あたりにすすめられてるのに、納得~

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    投稿日: 2012.04.15
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    リズムがあり、軽妙な文章。 文豪と呼ばれる著者の超有名作ですが、非常に読みやすいし、大変心に残るものでした

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    投稿日: 2012.04.09
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    「別段おれは笑われる様なことを云った覚えはない。今日只今に至るまでこれでいいと堅く信じている。…たまに正直な純粋な人を見ると、坊ちゃんだの小僧だのと難癖をつけて軽蔑する。…単純や真率が笑われる世の中じゃ仕様がない。清はこんな時に決して笑った事はない。大いに関心して聞いたもんだ。清の方が赤シャツより余っ程上等だ。」これがすべて。他には何もない。

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    投稿日: 2012.04.02
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    今更ながら再読。「坊ちゃん」を初めて読んだのは昭和46年、小学6年生のとき。友人の兄貴から勧められた。当時の新潮文庫で70円。少年サンデーやマガジンよりも安価で買えたのが嬉しかった。初読の時はさわやかな青年教師が悪徳教師を成敗するという勧善懲悪の痛快青春小説として読んだが、やはり50代になると読み方が変わってくる。印象としては、世間が狭く、社会になじめないヤンキーな青年(坊ちゃん)が、これまた正義を最上のものとする独善的な青年(山嵐)と組んで、体制(赤シャツ、野だ)に挑戦し、勝利したと勘違いしたまま失業するという情けない物語という印象。この小説の魅力は、話の展開ではなく、坊ちゃんの江戸弁、松山の生徒たちの素朴さ、赤シャツと野だの台詞回しと思う。読んでいる間、読書の快楽を十分味わえた。日本語を母国語とする人なら、やはり必読の小説と思う。

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    投稿日: 2012.03.26
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    とにかく、「坊ちゃん」と「山嵐」の豪胆さが素晴らしい。 人間ってのが、皆こうだったら、きっと楽しい世の中になるだろう。少なくとも、「生きている」という重い実感のある人生になるだろう。いやはや、素晴らしい。 こころがスカッとするほどに純真だ。しかし、世の中隆盛を極めているのは、「赤シャツ」や「野だいこ」の方なのであるようだ。「汚れつちまつた」”大人”なのだ。 私には一応、両者の気持ちがわかる気がする。どちらもある種の論理の筋は通っていると思う。しかし、やはり、「坊ちゃん」や「山嵐」の方が見ていて頼もしい。尊敬したいのは、やはりこの二人だね!

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    投稿日: 2012.03.20
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    なんとも愉快、痛快な、100年前の物語。 終わり方はあっさりしているが、最後までリズムを崩すことなく、この物語には合っている。 大辞林で言葉を調べながら読んでいたら、この「坊っちゃん」からの文例があまりに多く出てくるもので、 そんなところからも、この小説が日本を代表する最重要文学であることを思い知らされた。 読みやすいし、日本人なら一度は読んでおきたい小説のひとつ。

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    投稿日: 2012.03.11
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    夏目漱石のお話はとても読みやすい。わたしは教師と生徒の話かなと思ってたのだけど、それだけでなく教師同士の内容でもあり、教師の世界にもこんないざこざはあるんだろうかと思った。 主人公はとてもまっすぐだった。不本意な形で給料が増える場面では、わたしがその立場だったとき断れるだろうかと考え、むりだと思った。わたしはあまり事を荒げたくないし、言えたとしてもあんなふうに言い返されたらすぐに引き下がるだろう。みんながこの主人公のように生きられたら、人間関係のめんどくさいいざこざもなくなるんじゃないかな。喧嘩っ早そうだけど。(笑)

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    投稿日: 2012.03.09
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    道後温泉に行くことになり、「それなら!」ということで、小学校の国語以来、手に取っていなかった「坊ちゃん」を、改めて読み直しました♪(笑 歯切れのいい短文と、皮肉に富んだ表現は、何度読んでも引き込まれる!! これを機に、三部作にも手を出してみようかと思案中ですー

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    投稿日: 2012.03.02
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    今になって初読という恥ずかしさはあるものの・・・ 読んでいてところどころ思わず笑ってしまうところあり。 坊ちゃんの純朴な生きざまには、この時代に生きる我々にとって 憧れを覚える。 四国は2度ほど訪れ、舞台の松山もいいとこであるが、道後温泉を懐かしみつつ読みふけっていた。 最後の結末には、もうひと波乱あったのだろうが、物語では表されていないのは、何か夏目漱石の意図するものがあったのだろうか。 普段読まない日本文学を読むのもいいものだ。

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    投稿日: 2012.02.29
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    坊ちゃんみたいにまっすぐな生き方には憧れるけど、実際は難しい。心意気だけでもそうあれたら…て思うけど、それも難しそう(´△`) いや、でも心意気は不可能じゃないかもしれない。坊ちゃんだって差別しそうになる(してはいない)感情も持つ人間。心の中(?)は何も特別じゃない…は私の思い違いだろうか。 それから、うらなりさんが送別会でポツンとなってるところは「わかるわかる」て思わず頷いてしまった。 ところで坊ちゃんの本名は何だっけ。

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    投稿日: 2012.02.28
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    今更初読。 読みやすい、わかりやすい。時代的にわかりにくい語句はあるものの。 とはいえ、結末は胸をすくものではないですよね。

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    投稿日: 2012.02.23