
総合評価
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powered by ブクログ外国人捕虜を生体解剖する話。 生きたままの人間を解剖するという非人道的な行為を描き、人のもつ罪意識を問う。 どのように生きてきたらこんな小説が書けるのだろうか?
0投稿日: 2012.05.29
powered by ブクログもともと読むのが遅い僕ですが、この多くない分量をじっくり時間をかけて読みました。 生きた人間を殺すのは良くないこと。 だが、それは一体何を根拠に…と考えるとき、確かに、私たち日本人には拠り所はあるのでしょうか。 倫理、良心、道徳… 宗教のような絶対的な寄辺がない私たちは、こうした抽象的な回答にならざるを得ません。 それがどれだけ不気味で危険なことか。 読み終わったときは何だかいつもより喉が乾いていました。
0投稿日: 2012.05.26
powered by ブクログ日常風景を少しめくれば見えてくる、不気味な現実。 戦時中、人体実験という方法で外国人捕虜を殺した九州の大学附属病院の面々の、実験当日に到るまでの心の揺れ動きを描いた作品。 「病院で死なん奴は、毎晩、空襲で死ぬ」「みんな死んでいく時代」に、 たまたま医学生だったから、彼らは人を殺したのか。 それとも、時代に関わらず、彼らは人を殺しかねない人間だったのか。 登場人物たちの罪はわかったから、罰のその後をもっと読みたかった。 望まれつつも続編は出されたなかったそうな。残念。 主要人物の勝呂が再登場する『悲しみの歌』を、次は読もうと思います。
0投稿日: 2012.05.22
powered by ブクログ中学もしくは高校受験のときの国語の問題で一節が出てたことから急に読みたくなって読んだ本。 仕方ないとはいえ、禁断の一歩を踏み出してしまった主人公の当時の話が中心。 何を信じればいいのかわからない、という言葉がやけに心に残った。
0投稿日: 2012.04.12
powered by ブクログ「神などいない」というテーマを沈黙から引き続き描いている作品。 この本を読むまで、九州で実際に起きた事件のことは知らなかったのだが、「日本人とは何か」を考えるきっかけとしてこの本は私にとって大いに意味のあるものとなった。 特に、死の意味について全体を通して読者に問いかけをおこなっているように感じられた。戦死や、胎児の死、病死、そして解剖実験における死など、その種類は様々であるが、その死をどう考えどう捉えるかにより、感じるものは全く正反対になることもあるだろう。 読む人によって、登場人物と誰に共感できるかが変わってくるのではないだろうか。
0投稿日: 2012.04.11
powered by ブクログ十数年前に読んだ作品だが、この映画を深夜にTV放映していたのを見かけ、再読。 東京西部に妻と越してきた「私」は、気胸の療法で勝呂という医者に会う。無愛想で殆ど口数がないが腕は確かなこの医者がある事件に関わっていたことを、「私」はひょんなことから知ることになる……。 太平洋戦争末期、九州のある大学付属病院で行われた米軍捕虜の生体解剖事件。この解剖に関わっていた人間の姿を通じ、作者は「神なき」日本人の倫理観、そして罪の意識について考察を試みている。 「病院で死ななくとも空襲で死ぬご時世」でも学内の派閥、教授間のポスト争いは相も変わらず、助教授たちは点数稼ぎのために貧しい施療患者を危険な新式手術の実験台にする。助手は教授のご機嫌が悩みのタネ……と、ケチくさい日常を描き出しながら、次第にあの忌まわしい一件へと続いていく。 しかし……導入部で、「ガソリンスタンドの主人」や「近所の洋服屋」といった市井の人々が、その数年前に出征先の中国で兵卒として、あるいは憲兵として残虐な暴力を振るっていたことを、銭湯で思い出話として語っているくだり。そういう時代、もしくは戦後間もない時代を全く知らない自分にとっては印象的だった。 日本とは「恥の文化」であるとは言い得て妙である。しかし「恥」すら失った現代の日本人はどこへ行くのだろう……。
1投稿日: 2012.03.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
言わずと知れた名作ですが通しで読んだのは初めて。戦時下の病院で繰り広げられる派閥争いと、その中で捕虜の人体実験に加わることになった医学生。ともかく暗くてエグくて読後感も最悪で、露悪的すぎるんじゃないかと思うほど。しかしこの気持ちわるさも、間接的な問題提起としては力のある文学と言えるのかもしれません。
0投稿日: 2012.03.13
powered by ブクログ思ったよりは淡々としていた、というか短いような そこがいいのかもしれないけど私には物足りなかった ただ読んでおく本だと思うし何度も読みたい
0投稿日: 2012.03.11
powered by ブクログちょっとだけ読むつもりだったのに気付いたらのめり込んでた。気が急いて一気に読んでしまったからまた読むつもり
0投稿日: 2012.03.08
powered by ブクログ自分が初めて読んだ遠藤周作の作品。 彼の一生のテーマであるキリスト教と日本人のあり方、或いは葛藤。 この海と毒薬もそのテーマが法っている。 人を救うために人を殺す。 それがどういうことか、罪に対する日本人のあり方を幾つかの視点で描く。 内容から常に淀んでいる重たい空気を発す文体は終始そのままで甘えなどは一切無く、ただ切実に時間は流れ物語は進む。
0投稿日: 2012.03.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
遠藤周作のテーマ「日本人とは」を考えさせられる。日本人の宗教観に興味ある人にはいいね。 日本人は神の教えを持たない。それがこの国の中だったら普通である。 神が預けてくれる倫理観・人生観というものを日本人はどうやって獲得しているのか。日本人は神に頼らず自律していけるスゴイ民族だということを考えさせられる。 けどまぁそれゆえの弊害もあるんだろうけど。それにしてもすごいよね。インターナショナルな目で見れば。 ・・・ 作中で人体解剖に携わった人たちが、なぜその行為を倫理に反することとして止められなかったのか。 教授が軍部とのパイプを獲得できるという利害のために実施しようとしたこの人体実験。戦時中で生命の価値に対する考え方が麻痺していたにせよ、助手として参加してしまった勝呂はその誘いを断る決定打を欠いていた。 クリスチャンだったら神の教えに即して、断じて拒否したかもしれない。 しかし、神の教えを持たない勝呂は結局流されてしまったのだ。 この物語の教訓として、日本人は神の教えを自分達は持っていないことを自覚すべきだと思った。 人生で選択の必要に迫られた時、その決定打になる神の教えを持っていないということを。 つまり、日本人は自分の行動に重い責任が付きまとうことになるのだ。だってその行動は全部自分で決めたことになるから。 神がいないから拠所が無い。自分で決めなきゃいけない。とても大変。 とはいえ、現実にそんなハイレベルなことが日本人全員ができてるわけもなく。自分の意志でもなく、神でも無く、、、、他人に流されるままに行動してしまう人が多いよね。 作中の勝呂もそうかな。結局断る決定打が無いせいで流されてるし。 橋本部長の奥さんヒルダさんは露骨な対比だよね。彼女は神の教えに下って流されない。苦しむ患者を解放するためとはいえ、患者を殺すことは神教えに反するから完全否定。 人間って生きていれば選択がある。その拠所があるか無いかってとても大きい。人間そういう選択にかかる熟考は機会費用のロスと認識するから避けたがるものだ。 神はそのロスをなくす画期的なよりどころだよね。 その点、日本人は・・・ こういう民族性を自覚いていくことが大事なぁと思いました。
2投稿日: 2012.02.29
powered by ブクログセンターの過去問だかで一部分だけ読んで、以降ずっと気になってたので読みました。 読み終わって、自分の中に勝呂と戸田の両面があることに気付かされました。 なにより日本人の「罰を恐れて罪を恐れない」という、罪の意識の根源の所在を探るという題材は非常に面白いものであると思います。
0投稿日: 2012.02.21
powered by ブクログ人を助けたい、という気持ちを持った医師が、徐々に疲れ、流されて生体解剖に参加するまでを描いた作品です。私も同じ境遇だったら・・・と思うと背筋が寒くなります 分かりやすい言葉で、なおかつ情景が目に浮かぶ文体で、物語に引き込まれました。ラスト1文が特に好きです
0投稿日: 2012.02.10
powered by ブクログ第二次世界大戦末期、九州の医大で実際に行われた被験者を米兵捕虜とする人体実験をモデルとした話。 人の心とは裏腹に現実は目の前で容赦なく淡々と進んでいく。 また現実とは裏腹に医者の心は感情の色をなくしていく。 短編なのであっという間に読めてしまう。遠藤周作ならではの情景描写の効果、話の展開が重い話の筋道に反して軽快で、次の展開に期待をしてしまう。
0投稿日: 2012.02.07
powered by ブクログ鉛を飲むような疲れを感じる。 何度も本を閉じては、そのたびに気になり読み続けた。戦時下に行われた生体解剖。その生々しさを正視する苦しさから、人は意識下に押しやり忘れようと努める。しかしあえて直視することで、私たちに「日本人とは」という壮大な問いを投げかけ、それを追求するあまり、深遠な部分に到達する。だから逃れられない。相反する気持ちもある、だから好き。
0投稿日: 2012.01.29
powered by ブクログ倫理観の苦悩。この小説の題材となる事件のドキュメンタリーを、なぜか見ていたので、特にリアルに思えた。
0投稿日: 2012.01.28
powered by ブクログ暗い海と空の中で主人公がどうなっていくのかとても気になった。読み進めていくうちに感覚がマヒしていく気分だった。
0投稿日: 2012.01.19
powered by ブクログかなり重いテーマじゃ。倫理観、人の命ってなんだろう。 どんな理由があれば、人は人の命を奪うことができるのだろう。それが、医学のためなら?自国のためなら? ・・無理です。甘ちゃんの私には耐えられませんでした。
0投稿日: 2012.01.02
powered by ブクログ戦時下における人体実験に加担する若手医師の話し。 ストーリーの中で、人命が軽く扱われることとそれに全く同様をしない医師たち、人ひとり殺した後でも自分の出世のことが頭から離れない人達にぞっとした。なんでだ、って思ったけどよく分からない。目指すべきものが戦争の勝利であった時代に、手段は問わずという法則が活きていたのかな。 異なった宗教下で、同様のことが行われることはあるのか。 日本の神不在の宗教が、許すことになってしまった事件なのかな。って思った。
0投稿日: 2011.12.28
powered by ブクログ絶対神に対する信仰の薄い日本人はいったい何によって罪悪感を感じるのか? そしてその罪悪感は神でなければ何によってもたらされるのか? 考えれば考えるほど分からない 手術中の緊迫感はヤバイ、読んでて手に汗かいた
0投稿日: 2011.12.11
powered by ブクログ今、戸田のほしいものは苛責だった。胸の烈しい痛みだった。心を引き裂くような後悔の念だった。 (P.181)
0投稿日: 2011.12.11
powered by ブクログ人間という存在の得体のしれない不気味さ。 敵という他者に対してはどこまでも残酷になる。それは、戦争という極限状況で際立つ。 しかし、戦地で許される行為も、前線を離れて無抵抗な人間に対してなされるとすれば、それは許されない行為となる。 また、国家による戦争なら許されるが、国家という基盤がなければそれはテロ行為として、ゆるされない犯罪行為となる。 そのダブルスタンダードを正当化しうる根拠はどこにあるのか。 そこに絶対の根拠がないとすれば、最後のよりどころとなるのは、個人の倫理観。 その支えになるのは、宗教か、教育か、資質か、、、
0投稿日: 2011.11.25
powered by ブクログ無宗教の日本における罪の在り所を罪と罰に准え、その判断を読者に投げかけてくる現代小説。倫理的かつ寓話的な試みの作品と捉えるのは些か詭弁じみた感があり、終盤はどうしても意思主張をぼやかした相貌があるため、著者に対して共感の意は取りづらい所だが、結局「神なき日本人の罪意識」はどこまでも付いて回る問題定義であり、日本人である我々一人ひとりがしっかりとした意思観念を構築する必要性というものを強く感じさせられる。
0投稿日: 2011.11.21
powered by ブクログ伏線の張り方が読み進むごとに威力をましてくる。素朴な目と、沈黙の目が共に互いを見つめている。様々な場面と人物が現れるのに均衡が損なわれず、同じ雰囲気が形を変えて、常に作中に漂っている。静かに張りつめ、白々しく鈍く、鋭利に麻痺して、海の黒い音が聞こえてくる。
0投稿日: 2011.11.13
powered by ブクログ初めて読んだ遠藤周作の本。今度、長崎を旅行する際、遠藤周作記念館を訪ねてみようと思い、著作をいくつか読むことにした。『沈黙』は高校のときに、一部だけを少し読んだことがあって、遠藤周作自体には興味は持っていたが、とりあえずタイトルの気になった『海と毒薬』の方を先に読んでみることにした。 「生体解剖事件」に関わる人々を、なんでもない日常のシーンから過去へとさかのぼり、また語り手を入れ替えたりして、徐々に明らかにしていく手法に、すごいと思った。人間のイヤらしい部分を描く点も、読み応えがあって良かった。 「解説」では、日本人の心理を描いたもの、つまり日本人にとっては罪よりは罰の意識が強い、のようなこと書かれてあるが、このような状況は日本人だけでなく、多かれ少なかれどんな宗教を持った人も残酷な行為を淡々と行いうることではないか、とも思った。罪や罰という意識を日常生活の上では、どっちをどれだけ、というのは人によって、宗教によって、違うし、日本人だからこうする、というのはあるかもしれないが、そのような意識は、その時を生きる、その社会を生きるという段になると、あまり機能しなくなるのではないかと思った。 ところで、表紙のせいもあるかもしれないが、海のイメージは黒い感じで、全体的にも暗い小説、という感じ。(11/10/30)
0投稿日: 2011.11.01
powered by ブクログ読んでいてしんどかった すごく細かく人物の気持ちが書かれていた 勝呂 戸田 上田の描写がすごかった わたしは 勝呂のように考えてしまうだろうとおもった 戸田はすごく大人で冷たい 人の痛みを感じない こんな人が普通にいることに少し驚いた 読んでよかったとおもう
0投稿日: 2011.10.26
powered by ブクログあまりくわしくないけど、遠藤周作のかなり初期の作品(のはず)。 余計な気負いがないのか、メッセージがかなりストレートに伝わってきます。 まだまだキリスト教小説って印象はないけど、文学の普遍的なテーマである生きる価値とかそういったものを、キリスト教臭さを出さずにキリスト教的に伝えている、そんな印象。
0投稿日: 2011.10.26
powered by ブクログ怖かった。異常事態での異常事件、それが行われる描写が冷静に描かれるのがまた怖い。手術されずに人生終えたいとすら思ってしまった…
0投稿日: 2011.10.11
powered by ブクログ1945年5月から6月にかけて終戦間近に起こった「九州大学生体解剖事件」をモデルにした、アメリカ兵捕虜の生体実験に携わった人々の物語。多くの人の命を救うために、一人の命を犠牲にしてよいのか? 執刀医の婦人ヒルダは、看護死が患者を安楽死させようとしたところ「死ぬことがきまっても、殺す権利はだれもありませんよ。神様が怖くないのですか。あなたは神様の罰を信じないのですか」と責める。医学部研究生の戸田は「あの捕虜のおかげで何千人の結核患者の治療法がわかるとすれば、あれは殺したんやないぜ。生かしたんや。人間の良心なんて、考えよう一つで、どうにでも変わるもんやわ。」と説明する。医学部研究生の勝呂は自ら実験への参加を決め、この決断により「黒い海の破片のように押し流される自分の姿」を夢を見て苦しむ。 それぞれの信条、価値観、哲学が交差し、人間が人の命の時間を決めてよいのかについての問題を投げかける。 -------------------------------------------------------------------------------------------- 初めに出てくるサラリーマンや上田看護師、勝呂医師の心情が「海」を通して描かれているところが説明的でなく美しい。何が善悪や良心について個々人が悩んでおり押しつけがましくない。初めに出てくるサラリーマンの部分は冗長に思えたが、ショーウィンドーの中の肉色の白人男子人形が印象的であり、日本人のアメリカ人に対する見方を象徴しているようであった。
0投稿日: 2011.10.08
powered by ブクログ戦争末期の恐るべき出来事...九州の大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説家しています。 著者の念頭から絶えて離れない問い「日本人とはいかなる人間か」を追求する作品になっている。 解剖に参加した者は単なる異常者だったのか? いかなる精神的論理的な真空がこのような残虐行為に駆りたてたのか? 神なき日本人の罪の意識の不在の不気味さを描く新潮社文学賞受賞作品です。 実話をもとにして人間の内面的葛藤を掘り下げていて単なる暴露だけではなく、派閥争いに倫理的問題、そして登場人物の生育歴を絡めて複雑な心理描写が鮮明に表現されています。
0投稿日: 2011.10.06
powered by ブクログ別に異常な人間でも極悪な人間でもなく、ただ状況に流された弱い人間であっただけであり、そこに作者のキリスト教精神による眼差しが向けられている。 そんな小説でしょ? でもそれを伝えるだけの小説としての機能性がないよ。プロローグが長過ぎる。残り1/3でようやくオペになるが、 肝心のオペのシーンから残虐性が真に迫ってこない。 小説的欠陥が目について仕方ない。解説にもあったけど、続編を書くべきだったんだよな。 戦後の当事者の苦悩が大きいであろうことは想像に難くないし。 とにかく「描ききれていない」小説だ。
0投稿日: 2011.10.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
解剖実験を行ったのはどのような人間だったのか、様々な視点から書かれていた。罪の意識というものがなんなのかが常に問われており、考えさせられた。もしも自分がこの実験に携わるよう誘われていたら、断れていただろうか。
0投稿日: 2011.10.02
powered by ブクログこれも本当に久しぶりにひもとく。 他のレビューを見ていて、グロを期待していたという声が多いのにびっくり。 最近はアメリカの人体実験なども明るみに出ている。米兵捕虜の人体実験にヒントを得て「日本人」を探ろうとしている本作ではあるが、もっと普遍的な「業」が人にはあるのではなかろうかと思わされた。
0投稿日: 2011.09.21
powered by ブクログ内容は アメリカ人捕虜を生体解剖した事件を 小説にしたもの。 日本人とは何ぞやとか、罪の意識とはなど そういう部分を考えるように書いてある。 文字も大きく読みやすいが、 内容が内容なだけに、眉間にシワが寄りまする。
0投稿日: 2011.09.17
powered by ブクログもっとグロテスクな描写があると思ってた。 自分の周りに人を殺したことがいるかも知れない。日常の中に潜む猟奇性はある意味グロテスクかもしれない。
0投稿日: 2011.08.22
powered by ブクログ此の話では、戦争という一般人が一般人を殺す、或る種事務的で冷淡な殺人が起こっている最中で、敢えて人の生死に携わる医学の中での惨事を描いている。これは倫理観を語る上で貴重な題材にもなり得る様にも思った。 人は道徳や法の下に置かれてこそ、殺人を非道とし、罪悪を感じ得るものだが、それ等が無ければ果して此の『良心の呵責』というものが有り得るのだろうか。 人が息絶える寸刻の儚さに憂い、苦痛に喘ぐ姿を憐れむ事を知ってこそ、…そして其れが法の下で裁かれる“罪業”と識っているからこそ、人が人を殺す事を異常と見倣す。併し此の話の舞台は人の死が揺蕩っている自然なものとされる戦時中であり、併し人々が倫理観を習得している時代でもある。 此の複雑な舞台の中で、人体解剖の実験と云う“未来に活きる殺人”は、果して如何程の罪に成るのだろうか。 然し、戦争での多くの殺人は、相手を何も知らずに、視界をすり抜ける相手を生きる為に殺す事である。 この話では逆で、視界にはその生身の人間のみが映り、意思を以て“実験的”に殺す という、特殊な非道さがある。 自身の犯した罪を、他者という形のあるものや世間から咎められる事に対する恐怖のみが自身の罪を抑止するのだと識った時、誰もが自身に恐れ戦く様な気もする。 人を殺める事への恐怖は、誰しもが自身に纏わる恐怖に脅える事だろう。だとしたら、神という存在に裁かれる事、死者の霊に呪われる事、親族からの怨念、世間の法に裁かれる事、そして自身の持つ非情に苛まれる事。これ等全てに然程の違いがあるのだろうか。 人々が智恵を持った、というのは、或る意味ではこうした強迫観念や慴れを見出だしたという丈の様な気もした。
0投稿日: 2011.08.22
powered by ブクログどんな名作かと思いきや、ちょっとがっかり。 ただのホラーか。 罰は意識しても罪には無頓着、そう言いたいの? キリスト教とか信仰してても悪いことするでしょ。
0投稿日: 2011.08.20
powered by ブクログ遠藤周作の小説は「深い河」以来2冊目。 本作「海と毒薬」は、九州帝国大学の事件を題材にした、著者の代表作。 「海」とは抗えない大きな流れを指し、「毒薬」とは理性を麻痺させるものを指すと言う。 一滴で人を死に至らしめる毒薬も、海に落としたら飲み込まれてしまう。 戦争という海の中では、人を殺した毒薬も、なかったことにされてしまう。一人の人間の人生が狂わされたことも無視されてしまう。本作はその狂気を描いたのだと、私には思えた。 しかし、全体的に読みづらかったのはなぜだろう。著者のキリスト教的な思想の故か、象徴的な表現の故か。
0投稿日: 2011.08.19
powered by ブクログ最後がスっと終わった 今まで読んできた小説と違った感じの終わり方だった。 何とも言えない余韻が身体を巡った。
0投稿日: 2011.08.17
powered by ブクログ生と死をテーマにした作品は多いけど、戦争の中生体実験を書いたものは少ないのかもしれない。命を操る職業である医師の心情をかき、読むものに考えさせる。だけど、いまいちインパクトに欠けたのはなぜかな
0投稿日: 2011.08.16
powered by ブクログ戦時中に起きた捕虜の人体実験の実話がオリジナル。 怖いと感じるのは、何げない日常を生きる人物がグロテスクな殺人に関わるという距離感だ。 日常の中に潜む恐怖感、人間とは何だろうか。戦争とは倫理観さえ働かないほど人を狂気に駆り立てる恐ろしいものだ。
0投稿日: 2011.08.14
powered by ブクログ遠藤周作は、狐狸庵先生シリーズのエッセイはおもしろいのに、こういう小説は僕は嫌いです、というか、理解できません。信仰する神なき日本は人体実験をして、信仰する神ある欧米では人体実験はしないのか?果たしてそうでしょうか?僕は宗教を信仰したこともないし、別に興味もありませんが、宗教に触れたら人間を尊く見られるのか、といったら、何か違う気がします。現に宗教間で殺し合いをしていますからね。この作品はベストセラーらしいですが、日本人には信仰の経験が少ない民衆がほとんど。だから作品を通して作者が投げかける「言いたいこと」が分かったとしても、キリスト教がどうのこうのなんて、理解できるはずが無いと思います。
0投稿日: 2011.08.14
powered by ブクログ淡々と人体実験に取り組んでしまった人たちの心情を追っており、人が倫理的に悪いと思っていることに対してどのように手を染めてしまうのかに焦点を合わせた本。読みながら鬱になるが、先を気にさせる構成になっていて、読ませてしまう技術はさすが。医学用語が出てきて難しいけど、一読してほしい一冊。
0投稿日: 2011.08.14
powered by ブクログ初遠藤周作 生体解剖メインの話かと思って読んだら 全然違って そこじゃなくてもっと大きな罪の意識と その所在について書かれた 救いのない重い話でした 肉体的にグロいのかと思ったら 精神的にエグかった… 古い作品だけど そのメッセージ性は 今読んでも充分に通じると思います 悲惨さとか悲しみとかいうよりは 一歩引いて暗く冷たいところから 戦争の時代に生きる人を見つめた作品 難しいなー… ただ満州帰りの看護婦の クズっぷりはガチ笑
0投稿日: 2011.08.08
powered by ブクログ薄暗くて、湿っぽい空気に満ちている作品。 登場人物たちの疲労感、気だるさとは対極の、海や日差しに目が眩みそう…。 医療に限らず文化の発展の裏には必ず罪と犠牲が存在していたはずで、その上に私たちの生活が成り立っている…のであれば、無責任な“罰”の力の増強には多少思うところがある気がします。 文章としてはとても読みやすく、各章の構成も素敵です。
0投稿日: 2011.08.07
powered by ブクログこの本を初めて読んだのは、高2の夏。 特別に何かに感動したわけではない。 目の覚めるような発見があったわけではない。 しかし、 読了後の何とも言えない、後味の悪さ。 得体の知れない、気持ち悪さ。 医療とは、一体何か。 死ぬ運命を、人が抗い、延命する。 どうせ死ぬ命なら、医療は失敗しても良い? 誰の命であれば、人が奪えるか。 生きるために、肉を喰らう。 それと同じことなら、赦されるか? 動物のような瞳の敵国の兵士は、人間ではないから、殺しても、良い? 本当の鬼畜は、 米国の兵士ではなく、 無常に実験をした医師達。 指示をした者。 そればかりではなく、 クーリーを奴隷のようにあつかう、一般人女性の心にも潜んでいる。 気持が悪い。
0投稿日: 2011.08.04
powered by ブクログこれは読まれるべき作品。テーマ性があり考えさせられるものになっております。重いテーマを扱っていますが読んで損はないと思います。
0投稿日: 2011.07.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
日本人の罪と罰の意識に迫る 世間的な罪と、モラルと、神への意識 良心の呵責を覚えないことへの、恐怖。 筆者の問題意識を浮き彫りにした作品
0投稿日: 2011.07.10
powered by ブクログ同僚の先生で、ちょっと怖いな、って思ってる女の先生がいる。 その先生も、私と同じで絵を描く人で、 飲み会の席で 「絵を描くことに、後ろめたい気持ちがあることがある。」と、ふっと漏らしたら、 「後ろめたいんだったら、描くのなんてすぐにやめたほうがいいですよ。」と言われたり、 「美大を出ていない自分は、やはりどこか劣等感があったりします。」という内容を言ったら、 「美大でてりゃいいってことですか?」といわれたりと、 間違っていないんですが、 自分の意図することとはちょっと違うところで解釈をされ、 それに対する自分の意見を述べることで、 一刀両断に私の発言を斬ってくれる人なのです。 頭の回転が早いのだと思う。 私のような愚鈍な思考回路の持ち主ではなく、 私とは違う考え方で生きてきた方なのだと思われる。 普段会話をしていても、 そのばっさり切る一言で、いつも会話が進まない。 なんだかとても悲しくて、 本がお好きだと聞いたので、 「好きな作家さんはいらっしゃいますか?」と聞いたら、 ひとこと、 「遠藤周作。」 と答えた。 遠藤周作を読んだことがなかった。 わたしなどともう会話をしたくないのかもと思わせるような沈黙が流れ、 それがなんだかたまらなく悲しかった。 だから、図書館行って、遠藤周作の作品を探した。 どれが代表作なのかも分からなかったから、 一番初めに見つけたこの「海と毒薬」を読んでみた。 この時代を語るなら、 わたしは坂口安吾の話が好きだと思ったのがまずはじめの感想。 正直、はじめに出てくる人たちと、主人公の医師の回想のつながりがつかみきれず消化不良を起こしたのも事実。 でも(おそらく)私のことが嫌いであろう人が好きな作品。 私はそこまで歩み寄る必要などないのだろうけれど、 その人がどんなことを考えているのか、 ちょっと知りたい。 だから、ほかの作品も呼んでみたいと思う。
0投稿日: 2011.07.10
powered by ブクログテーマは重いです。 でも語り口はさほど重たくはないです。 読む時に、読むぞっていう決意と事前知識とがあったほうがよさそうな気がする。
0投稿日: 2011.07.07
powered by ブクログ初めて遠藤に触れた作品がこれというわけではないけれど 彼の(人格はさておき)作品にときどき漂う遁世感の根本が 少し理解できたような気がした。海と毒薬→悲しみの歌と続けて読むと良い。 作品を読んだ後に表紙を閉じて、改めてこのタイトルを思い知ると あまりの深さに唇を噛みしめたくなりますよ。 そういや気胸て言葉も勝呂さん関係でしったな。
2投稿日: 2011.07.07
powered by ブクログどんより重い。戦時中って何もかもめちゃくちゃで、みんな死んでいく世の中で・・・そういう時って、人間の心も荒んでいくんだなって思った。罪を犯した医師が、「不気味なのは、何も感じない自分の心」と言っていたのが印象的。
0投稿日: 2011.07.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
重い。とにかく重い。 戦争中に九州の大学病院で起こされた事件です。 捕虜の米兵を生きたまま解剖して殺すというもの。 実話が題材ということもあり、救いはありません。 病人や敵兵は実験材料として人ならざる扱いをしても問題ない。 話の主軸となる青年医師は葛藤するものの、 周囲はまるでそれが当たり前、何の問題もないように動いていく。 いや、葛藤する青年さえも実験の参加を強要されたわけでもないのに流れに呑まれてそれを承諾してしまう。 参加したのは狂人なのか―という裏表紙の文章に対しては 「むしろ正常である」という印象を持った。 戦争が作り上げる集団狂気に呑まれてなお、人であり続けることができる人はどれくらいいるのだろう。 自己防衛のためにも「狂うこと」こそが「正常」である気がする。 だからこの事件は仕方がない、とは言わない。 しかし「こうするべきだったのだ」と声高に主張する自信もない。 50年も前の作品ではあるが、 戦争の現実味が想像できない今こそ読まれるべき作品であるように思う。
0投稿日: 2011.06.26
powered by ブクログ有名な作品ですよね。遠藤周作は何作か読んだことあったのですがこの作品は読んだこと無いなあ、と借りて読んでみました。重い話でした。 命の重さが人によって違うと言うこと。医療現場と言う人の生死にかかわる場所で勤める人間がその軽さを一番よく知っている、と言うのは皮肉な話だな、と思いながら読みました。戦時中は人を殺しても今は普通にガソリンスタンドの経営者であり、腰の低い洋品店のおじさんである、と言う冒頭の件にハッとしました。 この作者は女性語りが上手だなあ、なんて思いながら読みました。
0投稿日: 2011.06.23
powered by ブクログ1945年終戦直前に九州大学で起きた米軍捕虜を生体実験した実話が元になっている。 人が社会状況や職業や環境によってどのように罪悪感を感じるものか。我々の日常の中に潜む精神性喪失の瞬間。 自分の今の日常とか環境と全く異なった倫理観の中で、本当に正しい判断が可能なのか。あるいは何が正しいのか。非常に考えさせられる。
0投稿日: 2011.06.18
powered by ブクログアメリカ出張中に読了。テーマの選定にはさすが遠藤周作と唸るところがあるが、人物心理の描写はすこし物足りないものを感じた。初期の作品だからかも。
0投稿日: 2011.06.11
powered by ブクログ戦争末期の恐るべき出来事――九州の大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説化、著者の念頭から絶えて離れることのない問い「日本人とはいかなる人間か」を追究する。解剖に参加した者は単なる異常者だったのか? どんな倫理的真空がこのような残虐行為に駆りたてたのか? 神なき日本人の“罪の意識”の不在の無気味さを描き、今なお背筋を凍らせる問題作。
0投稿日: 2011.06.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
時代の影響で、人の命の尊さが考え方次第で重くも軽くもなってしまうことが恐ろしかった。この時代の人の命や良心は一体何なのだろうと思った。
0投稿日: 2011.06.03
powered by ブクログ以前にレビューを書いた『悲しみの歌』こそ『海と毒薬』の続編に当たる作品であるいわれている。私は双方の本を並べ見て『悲しみの歌』を先に読むことにした。『海と毒薬』を読了して、この決断が私の為に良かったことを体感した。 私にとって『海と毒薬』は『悲しみの歌』の本があってこそ成り立つ存在意義であった。何故ならば、『悲しみの歌』の勝呂医師の内面に、私自身が強く心惹かれいるからだ。事件当時の勝呂医師の心情及び環境を読み解くことを通して深める勝呂医師の後生に対する想いは、この上なく悦ばしい。 『海の毒薬』の勝呂医師を知ってから『悲しみの歌』での勝呂医師を読み解く順序で得られる衝撃も、果てしなく凄まじいものであるように推測出来る。が、私がその順序で読み解いたとしたら、『悲しみの歌』での勝呂医師を、今よりもっと同情や憐れみの感情を投げかけながら読んでしまっていただろうと思う。 『海の毒薬』を通して、私自身が気づかなかった『悲しみの歌』への想いを考えるキッカケに出来たことが、どんなにも大切なことであり、とても嬉しく思っている。 『悲しみの歌』は全体的にとても暗いイメージの強いストーリー展開ではあった。が、暗いだけでは収めることのできない人情の深みが沢山秘められていたことを再実感した。特に『悲しみの歌』にて触れていた偏見に満ちた正義感を振りかざすことの罪深さについて、より一層考えを深めるきっかけになっている。 ところで、両作品において、勝呂医師の心情の違いと、著者との類似性の強い登場人物(小説家及び引っ越してきた者)の心情の違いを、読み比べる面白さもまた、興味深かった。
2投稿日: 2011.06.01
powered by ブクログ戦争末期に起こった米軍捕虜の生体解剖事件を小説化し、神をもたない日本人の罪の意識のなさを描いた問題作。暗い夜の海のイメージが浮かぶ陰鬱でスリリングな展開に、おそろしくも興味深く引き込まれた。
0投稿日: 2011.05.27
powered by ブクログ凄い、の一言。 物語はある男が引っ越してくるところから始まる。 それは小さな町のあまりに平凡な日々 人生何もおこらないのが、人間一番の幸せだ、というフレーズは二度も出てくるが、それは過去に起きた惨劇を強調するためのものだろうと思う。 ところが、その町に潜む、薄れた罪を背負う人々。 神(自由)の不在、日本人の罪の意識、黒い海(運命) これこそ本当の罪と罰 罪の意識は、本当に、あいにく日本人は誰も持ち合わせていないのかも……
0投稿日: 2011.04.30
powered by ブクログ大学の倫理の授業でこれを原作とした映画を見るということで、「どうせならこの機会に原作も読んでおこう」と思い購入。 生協になかったので書店にて定価で買ったものの、数日後の教科書販売にて渡されるという悲劇があったのは秘密。 授業内では医学の進歩と生体実験の関係などを強調して紹介していたが、原作の内容としてはその倫理観よりも、人の持つ醜さや弱さが、生体実験に関わった人間それぞれの視点から浮き彫りになっていくという印象が強かった。 それでも考えさせられる作品であることは確か。 戦時下の、人の命を人が奪うということが当然の状況を、紛争などもない、長寿大国である現在の日本に暮らす私たちが理解することはとても困難である。 最善を尽くしても助けられなかった命も、実験のために犠牲にされる命も、手術台の上でメスを入れられたという点では両者に差はない。
0投稿日: 2011.04.23
powered by ブクログ@yonda4 太平洋戦争末期、九州の大学付属病院で起こった米軍捕虜の生体解剖事件を題材にした小説。 戦時中とはいえ、病院内での非人道的行い。解説にも書かれているけど、行った人達はみんな異常者だったのだろうか。 人が人の道を踏み外してしまうことは、想像するより身近と思う。 自分もその可能性があるかもしれないと頭の片隅に入れておかないと。
0投稿日: 2011.04.23
powered by ブクログなかなか考えさせられた。 当時の自分には衝撃的で 時間を忘れるほどに没頭した。 再読する必要がある本。
0投稿日: 2011.04.02
powered by ブクログ大昔に読んで感動したメモ。読書完了日はてきとー;衝撃的な読後感だった。印象に残った一節…「俺もお前もこんな時代のこんな医学部にいたから捕虜を解剖しただけや。俺たちを罰する連中かて同じ立場におかれたら、どうなったかわからんぜ。世間の罰など、まずまず、そんなもんや」
0投稿日: 2011.04.02
powered by ブクログ第5回新潮社文学賞。第12回毎日出版文化賞。キーワードは、戦後、福岡、米軍捕虜、生体実験。2作目の遠藤周作sanでした。個人的には「海と毒薬」の方が好きです。
0投稿日: 2011.03.20
powered by ブクログ罰を恐れて罪を恐れない。 図星です。 自分の宗教がある人はそうでないようにふるまえるのだろうか。 無宗教の自分に判断はできないけど、これって人間の普遍的性質ではないかと僕は考える。 罪ってなんなんだろ
0投稿日: 2011.03.17
powered by ブクログ高校2年生の読書感想文の指定図書だった。 タイトルだけで購入。 当時読んで衝撃を受けた。怖かった。
0投稿日: 2011.03.09
powered by ブクログ海は、時に青く、時に白く、そして時に黒い。美しいと感じるか、恐ろしいと感じるか、どのように感じるかはまさにその人自身によるもの。 本書は、まさに問いの書なのだと感じる。 強制されることはなかったのに、人体実験に参加した医学生。自己の中に呵責の念を見い出したいと思うもうひとりの医学生。冷たい表情で人体実験に向かう看護婦たち。そして教授の座を奪おうと権力獲得に躍起になる医師たち。 実際に人体実験を行ったあとの人物の人生はほとんどと言っていいほど描かれていない。 (暗い人生を歩んだであろうということは、冒頭の部分でそれとなく予想することはできるが) それぞれの罪の意識はさまざまであった。おそらくいちばん同情が容易いのは主人公の罪の意識、いちばんマトモに思える彼の意識だ。しかし、私はおそらく、登場した人物のそれぞれの感情を、感じるか、感じないかの罪の意識を、その要素を含んでいる。 戦時中という非現実な世界で、敵で得る外国人捕虜。彼らを殺して日本人の多くを救えるのなら。それとも、命はどれも尊ぶものなのだと感じるのなら。生き残るための権力を手に入れたいのなら。 またもし仮に、私が無神論者の日本人ではなく、神をもつ米国人であったのなら。 私はそのとき、夜の海を眺めながら、どのような判断を下すのだろうーー。 読後にはそのような思考をせずにはいられない、そんな問題提起を起こす小説だった。
0投稿日: 2011.02.26
powered by ブクログ一気に読んでしまいました。内容は重く、じとっとする感じ…。人体実験にかかわった人たちのさまざまな心情がとてもリアル。 もう一度読みたい。
0投稿日: 2011.02.22
powered by ブクログ事件云々よりも、「空気」が怖かった。 日常から異常へといかに転がっていったのか。 いつからこうなったのか 何でこうなったのか 「空気」って便利だけど、内包してるものは怖い
0投稿日: 2011.02.21
powered by ブクログもっと軽い話を想像していたのですが、重い、重すぎました。 何の予備知識も無いまま読み始めたのですが、 「海」も「毒薬」も出てきません(海は出てきたと言えば出てきた。が、話の本筋とは関係無い。) 戦時中の話がメインですが、そんな古さを感じさせない表現。
0投稿日: 2011.02.13
powered by ブクログ我ながら意外なことだが、遠藤周作は初めて読んだのである。巧い。重い。そして昭和32年の作品とは思えないくらい新しい。いやあ、小説って本当にいいもんですね。
0投稿日: 2011.02.07
powered by ブクログ重くて考えさせられる話を読みたくて手を取った。 戦争・結核・・・生と死について考えさせられる点、手術のグロテスクなリアルさ、勝呂の気持ちは読みごたえがあった。 けど、戸田や、あの看護婦さんの描写はどうかな・・・ とってつけたような感じがぬぐえなかった。 勝呂と戸田の絡みや、主人公「私」との絡みをもっと読みたかったなぁ。 よかっただけに、少しもったいない気がした。
0投稿日: 2011.02.05
powered by ブクログ家にあったので読んで見ました。手術のシーン、胸がキュウと苦しくなります。手術中眼を開けることのできない主人公。良心が死んでしまった助教授、また戸田。子供を産む体をなくし、人の死に動じない看護師。全部が全部いりくんであっというまに吸い込まれ最後のページへ。気づいたら、心がどこかに行ってしまった、無感情な感覚になって、しばらくボーとしてました。
0投稿日: 2011.01.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
冒頭、何事も無い日常を平易な情景描写で綴り、主人公が市街地に引っ越してきた事が語られる。 そのまま近隣の住民とのちょっとした交流も描かれ、病を患っている為医者の元へと足を運ぶ。 その医者は何処か不気味で、物語の重用人物である事を感じさせながらも、その口から何も語られることは無い。 歯切れが悪いな、と思いながらも読み進めていたら、不意打ちを喰らう事になった。 突如、住民は戦時中の残虐行為をあっけらかんと語りだす。多少の罪の意識も臭わせながら、精算された過去の様に扱っていた。 そして、医者の過去を知る。戦時中、米軍捕虜の生体実験に加わっていた事実を。 そこから、カメラはその医者へと渡され、この主人公と思われていた人物はこの後一切物語に関わらない。 人は、罰を恐れるのであり、良心の呵責を恐れるのではない。逆に言えば、罪悪感は刑罰への恐怖から来る。 宗教無き国、現代日本。社会規範、倫理の根拠を何処に求めるべきか。 あまり心地好い作品では無いが、凄まじい衝撃を受けた一冊。
0投稿日: 2011.01.15
powered by ブクログ海と毒薬、これは一部が国語のテキストに出ていて本を買った。好み。少年時代の描写がすき。何度も冷たい針を想像した。
0投稿日: 2011.01.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何という暗く、重たい読後感。 海の音が終始耳の奥にこだまし、張り付き、闇の中へ気がつけば落ちている。 戦争、なんてことではなく、誰でもはまりうる落とし穴で、おそらく私もその場にいたら加担するであろう。 戸田と自分が共鳴した。自身の良心の呵責や罪悪感が怖いのではなく、世間の目が怖い戸田。 だから、捕虜の「白い腹」と皿に入れられた肉の塊が合致しないのだ。 彼は私自身に近い。私があの場にいれば、きっと勝呂に同じことを言っただろうし、実験に参加しながらも皮肉に笑っているだろう。 生きているときに、友の看病をしなかったから、今お前は一人苦しむのだと、神は言う。 次に神は彼らに何と言うだろう。 罪の意識と、罰の間の断絶が、神すらも拒む闇の中へ落ち込んでいるようであった
0投稿日: 2010.12.25
powered by ブクログ人体実験をする人っていったいどういう神経しているんだ?自分だったら絶対ありえない!って言える人はどのくらいいるのでしょう。もしその時代、その病院、その立場、その友達、その上司…全てがそろっていたらとひょっとすると、です。戦争は異常が普通になりやすくなるようで、恐ろしいです。 主人公の医師の迷い、違和感が丁寧に描かれている。屈折した同僚も良い。薄気味悪いが、読みやすかった。
2投稿日: 2010.12.20
powered by ブクログ遠藤周作の代表作。 戦時中に起こった事件を元に書かれています。 その忌わしい事件を糾弾するものではなく 日本人とは何なのか? 日本人の本質を抉る作品です。 自己正当化という人間の弱さも 極限の状態では仕方のないことなのかもしれない。
0投稿日: 2010.12.13
powered by ブクログ生と死。正義と悪。罪、過ち。世の中のこうしたカテゴリーの基準は?何が正しいことなのだろうか。そういったことを今一度問いたくなる作品。内容は確かに暗いもので、楽しく読むことはできない。しかし、この作品を読み終えたときには何か新しい考えを得ることができるように思う。
0投稿日: 2010.12.08
powered by ブクログ捕虜の人体実験にかかわった人物たちの物語や手記。罪の意識というのは、罰せられることがなくても、それがどんなに人道的と言われようと、無意識に深く刻みこまれ、時がたっても薄れることはない。
0投稿日: 2010.11.23
powered by ブクログ戦時中。 とある九州の大学病院で、秘密裏に手術が行われた。 それは、人はどの時点まで生きていられるかを実験する、米人捕虜の生体解剖だった――。 姉の本棚にあった作品。再読。 まず第一の感想:暗い。 戦中、暗過ぎ! 暗すぎて気分が凹みます。 毎日、どこかで人が死ぬ。空襲であったり、病院であったり。そして人は、そうであることに慣れてしまって、誰も騒ぎやしない。 そもそも空襲で死ぬことと病院で死ぬこととでは、一体何の違いがあるというのだろう。 戦後に発覚、世間を騒がせ裁判となった米人捕虜生体解剖事件ですが、こういう心理下では、それが通常業務のように行われても異常ではないのかな、と思います。 罪悪感を抱くか抱かないか、それすらも微妙なライン。 生体解剖に関わった複数の人間の視点から当日の様子が伝えられますが、それぞれの人間のそれぞれの事情の下、それは淡々と「日常」として進められてしまいます。 異常性を感じない異常。 物語は戦後の描写から始まりますが、そこの文体では、まだ暗い、黄土色のような空気が流れていましたが、まだ光がありました。 それでも戦中の事件前後の描写、グレーがかっていて、零れおちてくる光も非常に少ない。 その対比がまた戦中の暗さを醸し出していて、怖くなりました。 うん、とりあえず暗い話です。 感情の起伏の少なさが、そうさせてしまう戦争が、とても怖い話です。
0投稿日: 2010.11.20
powered by ブクログ黒くよどんだ色が漂うこの作品になじめず、読了できず何年もかかってしまった。 勝呂のどうしようもないほど苦しい気持ちと弱い心。弱いのではなく、きっと優しいのだと信じたい。それと対照的な戸田の心。良心の呵責もなくさまざまな小さな罪を犯して生きている。 最後まで読んでもこの二人がどうなったかは分からない。勝呂は平凡だけれど、片田舎で医者として暮らしている。けれど、幸せなのかどうかは分からない。 きっと答えは出ないけれど、ずっと考え続けるのだろうな。
0投稿日: 2010.11.15
powered by ブクログ最後にもう一押しあるだろうと思って読んでいたのですが、いきなり終わってしまっいちょっと拍子抜けという感じ。ですが、非常に興味深い内容で一息に読み終えてしまいました。宗教全般にまったく興味のない自分にとって「沈黙」は正直読んでて色々つらかったのですが、この作品はとても読みやすかったです。
0投稿日: 2010.11.06
powered by ブクログ思ってたほどピンとこなかったかなー。テーマはすごく深いのだけれど。いきなり終わったからちょっとびっくりした(笑)
0投稿日: 2010.10.31
powered by ブクログ小説ってよりは、文学作品というような印象を受けた。 キリスト教、特に筆者である遠藤周作同様カトリックに割と馴染みがあったので、若干の解釈はできたが解説読んでみてもよくある小説みたいに「うんうんそうだそうだ。」ってなるよりは大学入試の現代文みたいに感じた 。 なにより一番伝わってきたのは戦争への筆者の否定てき感情。平和な世の中にしかすごしていない世代にも伝えていかないといけない作品です。
0投稿日: 2010.10.26
powered by ブクログ*ブログ感想あり* http://blog.livedoor.jp/marine0312/archives/51780670.html
0投稿日: 2010.10.26
powered by ブクログ書店で新潮文庫の100冊なんてのを眺めていて、そういえば私はこの時代、戦後から高度成長期に至る時代の文学ってのをあまり読んでないことに気づき、中学時代にエッセイ(狐狸庵シリーズ)は読んでいたこともあり遠藤周作を選択。 DSで読んだ夏目漱石よりもすいすい読めて、内容も深い。遠藤周作がキリシタンだという基礎知識くらいはあるので、言わんとすることが心に響いてくる。 ちょっとこの時代の文学ってのにはまりそうな気がしてきた。 中学時代にさっぱり理解できなかった安部公房に再挑戦しようかな?
0投稿日: 2010.10.19
powered by ブクログ再読。「悲しみの歌」に勝呂医師が出てくるようなので読み返し。 何を罪とするか、悪とするか、過ちとするか。価値観は人それぞれなのかと考えさせられる。
0投稿日: 2010.10.11
powered by ブクログママの学生時代の本棚から。 ストーリーの舞台から、こういう時代があったことを知り勉強になった。 結局、悪いことやっちゃう人ってのは病んでたりする人なのね。「もうなにもかもどうでもいい」ってなるんだろうな。 罪と罰や、日本人とはいかなる人間か、といった主題を掴めておらずにすみません…。
0投稿日: 2010.09.22
powered by ブクログ日本人とはいかなる人間か、を追求する。主人公の「私」が途中からいなくなったり、昔から病院内で勢力争いがあったり、全体的に暗く平べったい感じがする。タイトルの海と毒薬の意味もわからない。ややストレスが残る内容だった。
0投稿日: 2010.09.13
powered by ブクログ好きでも嫌いでもないし、くだらないとも思わない、が、これを読むと読まないとでは違うかといわれると難しい。遠藤周作全く読んだことありませんと胸を張る勇気もないので読んでおいたというのが正直なところ。
0投稿日: 2010.09.13
powered by ブクログ私が作家をあきらめることになった1冊。 この本の構成は、神の領域に達してしまっており、 私には、同じクオリティーを創造することは不可能。 作家をあきらめるには十分過ぎるクオリティーな1冊です。 一つの点。 その点と点がが結ばれて線を作り出す。 再び点。 再び点と点。 そしてその点と点が線へ。 複数の点と点が結ばれて線と線を構成する。 その線と線とが交わり、重なりゆくことで、面を構成し、 その面が折り重なり、一つの立方体を作り出す。 そうしてこの本の物語は、完結します。 ミステリーにありがちな、あっと驚くオチではないのです。 作品については最初っから最後まで、全てが計算に計算を重ねて構成される、文学というなの芸術の最高作品だと私は評価しています。 複数の人間が、生きてきたそれまでの時間が、 本作品で問題とされるその一瞬に凝縮されるまでのプロセス。 その構成に、遠藤周作先生ここにあり!!と、感じずにはおれません。 国語の教科書やセンター試験なんかで使われることが多い本作なので、 堅苦しいイメージがあるかもしれません。 題材は、戦争と人体実験。確かに堅苦しいです。 でも、読み手のココロを捕まえて離さない面白さが絶対にあります。 だまされたと思って、まだ、本作を手に取られて無い方は、 読んで見てください。後悔は絶対にありません。 あるのは、遠藤周作はやっぱり天才だった。と、思う自分のココロだけですから!! ※宣伝になりますが・・。 私のこのレビューからアマゾンで本を購入いただくと、 わずかですが私の生活費が増えます。(笑) 私、貧乏で病んでおりますので・・・。 コレを読んで、買ってもいいかな?って迷われた方は、 是非、このページに表示されるリンクから購入下さい。 同じお金を払うなら、貧乏人の生活を支えたと思うと、 あなたのそのお金がより、有効に使われます(笑)
0投稿日: 2010.09.01
powered by ブクログ生体実験に携わった人々の葛藤と動機。 目を引く残酷なテーマだが、書かれているのは生体実験そのものではなく、それに関わった人の心の動きだと感じた。 ずしりと肺の中が麻痺していくような重い話である。 他者からの回想という形から導入されるのに、作者の筆力を感じる。
0投稿日: 2010.08.21
powered by ブクログ色々な性質の人が居るように見えるけれど、人は皆似ているかもしれない。 と、この小説に出てくる戸田を見て?思った。 沢山の命の犠牲の上に生きていることは、 心のどこかで自分の罪を正当化しているのかもしれない。 彼らの罪が特別なのではなくて、 きっと多くの人は同じなんじゃないかな、と思う。 もし私が勝呂なら、きっと私も同じだっただろうな。 この事件の話だけを今聞けば、とんでもない話だと思える。 でも、実際、目の前で無差別爆撃をされて多くの人が死に、 皆、死んでいくのが当たり前の毎日なら、どうなのだろう。 B-29に乗っていたこの捕虜たちが、生きていたとしても、 多くの日本国民を殺したのではなかったか。 それでも、捕虜となった米軍兵士と、登場人物たちに、本当はどんな違いもなかっただろう。 罰は実際に手を汚さなければならなかった多くの人の心へ残り、 でも、本当の罪は彼らではなく戦争にあったのだと思う…。 小説の冒頭に出てくる本来の主人公?の、 「平凡こそ幸せ」という言葉とのコントラストが染みる。
0投稿日: 2010.08.11
powered by ブクログ第5回新潮社文学賞、第12回毎日出版文化賞受賞作です。 一言で言うと、すばらしい本だった! 遠藤周作の本は、今までに、「わたしが・棄てた・女」、「沈黙」と「女の一生<第一部・キクの場合>」の3冊を読みました。この中では「沈黙」が好きでしたが、海と毒薬の方が良かったです。 感動する内容ではなく、他の本と共通するのは、救いがないというところでしょうか。よく知られているとおり、遠藤周作はキリスト教と縁が深い人で、「沈黙」はその神の存在に疑問を投げかける内容でした。海と毒薬には、あまり神は出てきません。 テーマは、若い医師たちの葛藤です。自分の仕事に信念を見いだせないという部分や、情熱を失って、感情が麻痺し、冷めてしまった自分に対し、「これでいいのだろうか」と悩む部分は、大いに共感しました。夏目漱石の「こころ」を思い出しました。 文章全体を通してとても読みやすく、舞台が九州の小説にありがちな、方言がきつくて読み進められないことがなかったので、楽しめました。文章のうまさには脱帽です。それにしても、彼の本には、幸せそうな人は滅多に出てきませんね。
0投稿日: 2010.08.11
powered by ブクログ戦時中のアメリカ兵捕虜生体解剖事件の小説。 戦後の街に住む普通の人々。戦争中の残虐行為。元憲兵。 事件にかかわった医師勝呂、戸田、浅井。病院内の権力争い。日本軍の将校たち。捕虜の肝臓。
0投稿日: 2010.08.10
powered by ブクログ実際に起こった事件を題材に描かれたお話。作者の問いが非常に解りやすく小説に仕立てられていると思う。 状況次第では、人は簡単に人を殺せてしまう。このことが、冒頭に登場するガソリンスタンドのマスターが語るエピソードで、まずは軽く示される。そして本題、「事件」に関わった人物をシンプルでありながらも丹念に描いていく。軍の命令、出世欲、学術的な興味など、様々な要因で生体解剖に関わる医師たち。自分たちがこれからやろうとしていることが、明らかに「殺人」だと理解していながら、実行できてしまう。これは一体どういうことなのか。良心というものが欠如しているのだと悩む者もいるし、結局罪悪感に怖気づき、土壇場で逃げ出す者もいる。しかし、この逃げた彼でさえ、一時はたいして深く考えもせず、人殺しに加担することを了解してしまうのである。 この小説に答えは示されていない。なぜならここで問われていることは、別に遠藤周作だけが疑問に思うことではなく、ある程度年齢を重ねた人間ならだれでも一度は考えたことがあるものであり、かつ、明確な答えを出せた者など誰もいないからだ。 しかし、答えがないからといって、この問いについて考えることをやめるのは絶対にいけない。遠藤周作が言いたかったのは結局ここらへんに落ち着くのではなかろうか。
0投稿日: 2010.08.04
powered by ブクログ遠藤周作の本を読むのはこれが初めてだったが、引き込まれて、一気に読んでしまった。 気持ちの悪い場面の書き方が本当に気持ち悪い。気胸針を打たれる描写では、まるで、自分の胸の側面に勝呂の芋虫のような指が針を打とうとしているかのように錯覚した。 小説のなかで起きていることなのに、自分のことのように寒気がし、嫌悪感を抱いた。 また、自分が普段目にしている人々が何をしているのか、何を考えているのかわからない恐怖を感じた。
0投稿日: 2010.07.30
