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総合評価

1035件)
4.1
373
366
198
25
7
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    本当に好きな小説、数年ぶりに読み直してみた。やっぱ最高やった。でも最後のさ、死ぬ理由を刻々と心情と共に、つらねるとこはいらんのでは!?て思った。

    1
    投稿日: 2023.10.05
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    悲しき愛すべき殺人者。 母と妹を守るため、少年は法を犯します。 一度超えると二度目も…。悲しい。ただ守りたかっただけなのに。

    2
    投稿日: 2023.09.28
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    著者、貴志祐介さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 貴志 祐介(きし ゆうすけ、男性、1959年1月3日 -)は、日本の小説家。日本推理作家協会、日本SF作家クラブ会員。過去には岸 祐介(きし ゆうすけ)名義で作品を投稿していた。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。その平和な家庭の一家団欒を踏みにじる闖入者が現れた。母が十年前、再婚しすぐに別れた男、曾根だった。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとしていた。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意する。自らの手で曾根を葬り去ることを…。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。 ---引用終了 本作は、「倒叙推理小説」に分類されるそうです。 倒叙推理小説とは、本作の解説に、次のように書かれています。 ---引用開始 倒叙ものミステリーでは、まず、前半で犯人が完全犯罪を計画する形であらかじめ手の内を明らかにする。その後、計画を実行し、それが成功したかに見えた時点で、今度は逆に警察や探偵の側が捜査を開始して、犯行を暴き、事件を解決する。つまり、ストーリーの展開の仕方が普通のミステリーとまったく逆なので、倒叙とか、倒叙推理小説というわけである。 ---引用終了

    41
    投稿日: 2023.09.24
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    家族を守るため,完全犯罪を試みるも結果若さゆえの無謀な行動だったかなぁ。秀才なんだけどケアレスミスをしたり…。『オキサイト・オブ・クロミウム』紀子の手で本当に秀一の罪を償ってあげて欲しい…そう思った。

    1
    投稿日: 2023.09.18
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    ハッピーエンドにしてあげたいって思ってしまう。 切ない。若者の思考。現実世界ではないけど、若い人に輝いてほしいって最近思うから。今より若い時に読んだ時はこんな風に感じなかったんだけど笑 確か映画にもなりましたよね。名作には違いないと思います。青い炎、静かに、だけど高い温度を感じるタイトル最高です。

    9
    投稿日: 2023.09.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

     本作品は倒叙ミステリーで、犯人の視点、内面に焦点を当てる。本作は、かつて母親と結婚した血のつながらない父親が、突然、主人公の家に居候することとなった。それが原因で、徐々に家庭環境が壊れ始めた。それに耐え切れなかった主人公は、家庭崩壊する前に殺人を決意する。緻密な計画と幾たびのシミュレーションの末、ついに義父の殺人に成功した。しかし、殺人を実行した当時、主人公のあとを追った腐れ縁の友人に怪しまれた。そのうえ、金銭面でいざこざな関係を持ったこともあり、証拠隠滅として、その友人の殺害も計画した。こちらも殺害に成功したが、2人を殺害したことで、主人公は悪夢を見たかのように、うなされる日々が続く。その後、警察が、義父の死因が心臓麻痺ではなく、他殺だということを掴んだ。それにより、主人公が容疑者として逮捕されることになるが、最終的に、自殺を選び物語は終了する。  本作の解説にあるように、ドストエフスキー『罪と罰』と似た展開だと指摘されるが、物語の結末は対照的である。主人公の最期について、明確な描写はなかったが、一人で葛藤した末、自死を選択した。誰にも救いを求めず、殺人という罪を抱えながら生涯を終える。

    0
    投稿日: 2023.09.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ただただ悲しい誰も救われないストーリー。主人公に感情移入してるはずなのに、後半彼が追い詰められていくところはワクワクしてしまった、、。紀子や大門など、彼を信じて刑事に嘘までついてくれた友達がいたことが唯一の救い。

    1
    投稿日: 2023.09.13
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    面白かった。 あとがきにもあったが、倒叙推理小説と最高峰だと思う。 主人公の心理描写を細かく描くことで、主人公に感情移入し、深く共感していく。 このままバレずに、殺人を完了できるのではないかというワクワクと、バレてしまうのではないかというドキドキがある。 もしあのまま誰にもバレずに生きていても何かをするたびに、自分が殺人者であることに思い出し、殺した光景がフラッシュバックする。 それを抱えたまま生きることは難しい。 どんなにクズを殺しても、殺人は殺人。 殺した事実からは逃れられない。

    0
    投稿日: 2023.09.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    湘南の高校に通っている17歳の秀一は、母と妹と幸せな暮らしをしていた。が、そこに現れた母親が再婚し、すぐに別れた元夫の曾根が居座り始めた。法律も、警察も、この居座りを防ぐ手段にはならない。どうやったら、この状態を打破できるのか、高校生の知恵と度胸を全開に葬り去る方策を考え始める。作戦は、自分が綺麗にした家のガレージの中。王菲(フェイオン)の音楽がなる。 しかし、筆者はなんで、フェイオンを選択したんだろう。昔、自分自身が学生だったころに聞いたこの曲が、まさか自分が中国に住むことになってもう一回聞くことになるとは、そんな運命の曲として認識した曲が登場した。ちょっと驚きでもある。 舞台は、七里ヶ浜高校だなと最初思ったが、いや実は鎌高だよというのもやるなと思った。七里ヶ浜が後から出てくるからだ。この134を走っていく感覚、藤沢から、鎌倉、逗子へ、そんな何度も何度も自転車、バイク、そして車で走った昔の記憶を思い出すのもなかなかおつだ。134号線の海ぞいの道を自転車で走る爽快さもまた懐かしさに拍車をかけてくれる。江ノ島マックも今はなき、ただいつまでも目の中に残っている。そんなちょっとだけ哀愁のある事実、をなぜこれだけ挟みながら進んでいくんだろう。そういう不思議さを持っている。 貴志祐介さんの小説に共通するのは、静と動の差を思いっきり文章だけで表現するところだ、読者を静かな日常、平野、そして静寂から、一気に疾走させる。それを本作は何度も高校に通うときに使うロードレーサーを、殺害した後フワフワとした感覚でこいている気がしない、そんな高揚感のために使っている。そして、一抹の不安が湧き上がってくる。紀子と秀一の会話の中で、彼の絵が語り始めた。あれ、書いてきたと言っていた絵の絵の具が乾いてる。と。 少しずつ綻び始める完全犯罪、そして後をつけゆすってきた親友。そして、紀子との深まる関係。そして、警察の迫る執念の捜査。ドラマとしてはかなりディープに入っていく展開で、半分まで読んだところで曾根の完全犯罪が終わったところという非常に読み応えのある内容。さらに、湘南の爽やかな潮風と、高校生らしい匂い立つような青春の一コマ一コマ。本当に楽しかった湘南の日々を思い出す。熱くなったこと、恋したこと、そういう一つ一つに感謝する、そんな素敵なサスペンスだった。

    1
    投稿日: 2023.09.01
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    悲しい殺人。 殺人は自分(犯人)の為ではなく、全てが家族の為であり、 その家族の幸せを脅かそうとするものを排除するために自分(犯人)が実行役となることを決意するという所から始まる。 (犯人=本作の主人公) 本作は倒叙推理小説という形を取っており、 一般的な推理小説は、 「事件発生→警察(探偵)側の視点で推理が進む→犯人に行き着き犯人から真相が語られる」 というような流れだが、 倒叙推理小説は逆で、 「犯人側の視点でスタートし犯行を行う前、最中、行った後などの心情を深く掘り下げる→その後に警察(探偵)側の視点となり事件解決に向けて動く様とその際の犯人側の視点とを描く」 というものとなっており、 本作は犯人側の心情が非常に細部まで描かれており、読者側も感情移入しやすいものとなっている。 主人公は高校生。 鎌倉の海沿いが舞台で自転車で通学するシーンなどで非常に爽やかな光景が目に浮かぶ。 家族と平凡な幸せの中で暮らし、学校でも友達と過ごすという普通の学生であったが、 突如としてその幸せを脅かす存在が現れ、 平穏を取り戻す為に心の中に青い炎を灯して変貌していく様が何とも言葉にし難く、歯痒く、悲しい。 本作は短い期間の中で起こる事を描いているので、 いわゆる「濃く狭く」という描写になっていて、 最初から最後まで充分すぎるほどの主人公の葛藤があり、読者を引き込み一気に最後まで読ませる内容となっている。

    15
    投稿日: 2023.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    家族のことを思っての犯行。完全犯罪に挑む姿が、辛かった。こんなことになる前にわかっていれば、、、 少年の心の葛藤や、試行錯誤する様子、は描写が細かく手に汗を握って読んだ。最後は悲しい。

    2
    投稿日: 2023.08.27
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    家族を守るための犯罪だったけれど、それを隠すために身勝手な行動になっていくところや、若さ故の視野が狭すぎる主人公に、もっと違う形でやれることがあったのではとやるせない気持ちになりました。

    19
    投稿日: 2023.08.19
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    犯人が前半で完全犯罪を成し遂げるという犯人視点から始まる倒叙推理小説の完成度もさることながら、主人公が高校生で青春小説としても儚い物語であるということ。読み終えて色々考えさせられた。

    0
    投稿日: 2023.08.17
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    いつも結末を思い出してはぎゅーってなってしまう。光る海は綺麗だけど取り返しがつかなくて残酷だな。そんな読後感。

    1
    投稿日: 2023.08.08
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    有名作品ですが、今更読みました。 なんでもっと早く読まなかったのかと 悔やむほど面白かった。 無駄がなく、総合的に私好みの小説。

    5
    投稿日: 2023.08.07
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    高校生が母と妹を守るため、母と別れた元旦那を殺そうと完全犯罪を目論む話。基本小説は主人公に感情移入して読んでしまうため、全く落ち着けなく緊張感たっぷりで最後まで読んでしんどさしかない。めちゃくちゃ引き込まれた上心臓掴まれた感がすごい。

    2
    投稿日: 2023.08.06
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    17歳の少年がたった一人で完全犯罪に挑む…。母と妹のために。 同じ年頃の子を持つ母としては、辛い話だった。 本当にそれしかなかったのか…。相談しても、解決には至らない状況がもどかしく、少年が孤独に闘う様は苦しくなった。

    10
    投稿日: 2023.07.31
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     初めて貴志祐介さんの作品を読みました。イメージ的には「ホラー系作家」と思い込んでいたためか今まで敬遠していた部分があるかもしれませんが、「青の炎」は上質なミステリー作品でした。  もう20年も前に蜷川幸雄の監督・脚本、主演二宮和也で映画化もされてたのですね。  もし自分が秀一の立場だったら、実行に移すかどうかは別にして、やはり同じことを考えたかもしれません。この作品に似た家庭環境にいて犠牲を強いられている方々が現実社会にも少なからずいると思うとやりきれませんね。  ただ、どんなに完璧な殺人計画であっても計画通りに実行するのは難しく、ちょっとした綻びから破綻してしまうのだなということは良くわかりました。また、実行した後も良心の呵責に耐えながら生きるということが想像以上に難しいということも理解できたように思います。どんな理由であれ犯罪に手を染めた側に精神的な負担も生まれるということは、この世に「完全犯罪」というものは存在しないかもしれませんね。  今の世の中では法律で守れないケースも多々あると思いますが、それが改善されて、より人間らしく生きれる社会になることを望みます。

    7
    投稿日: 2023.07.24
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    完全犯罪に挑む高校生を主人公にした倒叙推理小説。 主人公の心理が作中を通して常に描かれており、よくある推理小説とは一風変わった作品だと感じました。 また、著者の他作品同様、描写がとにかく細かく(登場する器具や値段など)、リアリティが増すため、自然と物語の世界に引き込まれす。読んでよかったと思える作品でした。

    1
    投稿日: 2023.06.22
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    普通の生活をしていた普通の高校生が家族を守るために下した決断とはいえ悲しい結末。泣いた。大事な人を守るために嘘をついても結局は誰かを悲しませてしまったり、自分のために嘘をつかせたりしてしまうんだって思った。頼れる人がいることは幸せなこと。

    1
    投稿日: 2023.06.22
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     主人公・秀一は高校生。10年前に母と再婚・即離婚するも、突然現れ居座る曾根。この男は、酒と競輪に溺れ、母と妹にまで食指を伸ばそうとする屑男でした。秀一は静かに激怒し、早い段階で殺ってしまおうと『強制終了』を決意します。  表題の『青の炎』の〝青〟が印象的です。実際の燃焼温度差は 「赤」<「青」、しかし色相の印象温度差は 「赤」>「青」と真逆です。  秀一の心に燃え広がった憎悪の炎は、刹那的・爆発的な真っ赤な炎ではなく、熟慮に裏付けられた、静かでより高熱を発して燃える青い炎でした。さらに、青春の〝青〟と湘南の海の〝青〟のイメージが鮮やかに重なります。  倒叙ミステリーっていうんですか、秀一の計画から実行、その後に至る内面・心情が、切ない程詳細にかつ濃密に描かれ、痛いくらいに読み手に伝わってきます。構成も素晴らしいですね。  17歳という無邪気さ、無謀さと危うさ、そして未熟さと愚かさと相反する巧緻性と実行力が秀一の中に混在しています。  家族を守るための完全犯罪の破綻、簡単に消えない青い炎の支配、これらを通して闇に取込まれていく過程が見事に描かれています。もはや、ミステリーを超越した優れた人間ドラマになっています。  この秀一が最後に選んだ道は‥? 余りにも尾を引く結末に茫然とし、暫し何も手につきませんでした。刊行から20年以上の時を経て、全く古さを感じさせない記憶に残る素晴らしい一冊でした。

    67
    投稿日: 2023.06.15
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    事件が起こってからドキドキハラハラさせられ、先が気になってなかなか読むのをやめられなくなり、一気に読んでしまった!面白かった!

    4
    投稿日: 2023.06.04
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    倒叙推理小説が嫌いだとは思わないけれど、この作品のその 部分が私の好みより細かくて長くて、読むのが苦痛に感じる 事がありました。 単に私には合わなかったという事です。 秀一に対しては色んな感情を抱きますが、完全犯罪を求めて 実行した結末がこれではやるせない。 この小説自体を否定してしまうようですが、殺人以外の方法 があったのではないかと親としては思ってしまいます。 子供が不幸になるのは小説とはいえ嫌なんです。

    5
    投稿日: 2023.05.29
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    初めての作家さんでした。 読後感ハンパない.... 家族を守る為に完全犯罪を企てる主人公、うまく行くわけないのはわかっていたけど、後半どんどん辛くなる。彼が悪いわけじゃないんだ。 主人公に寄り添ってくれた紀子が救い、でも最後の選択が重い....。

    7
    投稿日: 2023.05.21
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    犯行に至る経過が詳細過ぎて読みづらかった。 秀一の行動は結局報われたものがあったのだろうかと思うと虚しさだけが残った。

    3
    投稿日: 2023.05.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    母親が弁護士にお願いすれば こんなことにならなかったのにな。 なんで子供のために動かなかったのだろう。 父親はほんとにクソだった。 あんな人は死んでも仕方ないと 思う人もいると思う。 家族間のことだからって理由で 警察が掛け合ってくれないのも悪いよね。 家族間でも殺人は起こってしまったわけだし。 紀子が可哀想。 健気すぎるよ。ほんとに好きだったんだね。

    1
    投稿日: 2023.05.19
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    高校生が家族のために完全犯罪を目論む倒叙小説 また青春小説的要素も強い 貴志祐介さんの作品は初めて読んだが、とても面白く惹き込まれた 主人公秀一の様々な感情の変動 そして犯罪とバレないように行動する聡明さ 家族のためを思って行動した結果、自分を虐め続ける矛盾さ 物語の押し引きが上手くそういった点に惹き込まれたんだろうなと思った 物語ラストも切なく、読後の余韻も引きずらせるプラス要素となった

    6
    投稿日: 2023.05.12
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    このほんの解説で初めて「倒叙ミステリー」というジャンルを知った。犯人が最初からわかっているところから始まるミステリ。この本は謎解きというより、犯人の心境が語られていて、それが謎解きより震える。殺人にどうしても共感してしまう。完全犯罪を応援している自分に驚く。それが怖い。そして、不思議と青春の清々しさもある。不思議な空気感。殺人方法も詳細に描かれていて、後書には「けっして真似しないように」、と注意書きがあるほど。この作家さん、初めて読んだけど、他の本も読みたくなった。

    5
    投稿日: 2023.05.06
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    17歳、男子高校生が主人公。 良き母と明るい妹との平和な3人暮らしを 邪魔する男を殺害する計画を立てる。 大切なものを守ることがいつも正しいとは限らないし、不幸な要素を取り除いて残るのが前より不幸でないとも限らない。そんなお話。 この主人公、大変に頭がキレる。 ちょっと斜に構える感はあるけれど格好いい。 そして同じくらいダサい。人間らしさがきちんと出ていて、その辺りの描写がやけにリアルで面白い。

    3
    投稿日: 2023.04.27
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    殺人が一人称の視点で描かれるとここまで物語が面白くなるとは。医学、法学、化学、物理学など学問の知識を横断的に駆使して完全殺人の計画を立てる様子に引き込まれる。書店から専門書を大量に買い漁り知識を習得していくストイックさは学生、社会人問わず参考になる勉強法。 文学の名作こころを引用した犯罪に手を染めた主人公の心理が描かれる様子は個人的に印象に残ったシーンであった。 長編小説ではあるが、はじめから最後までずっと緊張感が途切れることなく楽しませてもらえたのは、上記に挙げたような作者の幅広い膨大な知識をもとに構成された作品だからだと思う。

    3
    投稿日: 2023.04.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公の心情がわかりやすく、殺人方法も具体的で面白かった。頭はいいのに感情的なところがあって言わなくていいことを口走ってしまうところが現実感があった。主人公には若干いらいらしながらとても楽しみながら読んだ。

    3
    投稿日: 2023.04.18
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    初めて倒叙推理小説を読んだ。 手に取った時はただの青春小説だと思ったが、ただの高校生が緻密に殺人計画を立てそれを実行していくストーリーが読みやすかった。 淡々と進んでいくストーリーに初めは退屈さを感じていたが、殺人をきっかけに主人公の中で変わる心情の変化を追っていくのが面白かった。

    5
    投稿日: 2023.04.17
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    非常に面白かったです。倒叙推理小説というのを初めて読みましたが、ハマりそうです。そう感じさせるぐらいこの本は、強烈な印象を残しました。 私は本来、ミステリー小説というのは、犯人がどのように殺人を犯したのかを探るというのに、面白さ、そして魅力があるように感じていました。しかし、この本は別の正解を私に与えた気がします。 犯行の手口は読者に明かされた状態というのはすごく新鮮で、また違った緊張感を与えていて、後半は読むのが止まらなかったです。 秀一のまだ、高校生という青、母親、妹のことを思い、燃やした青い炎。非常におすすめできる一冊です。

    5
    投稿日: 2023.04.16
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    こんな中学生いる?っと思うほど高い知能の主人公は母と妹を守るために犯罪を犯す。周到な計画と準備で完全犯罪を成し遂げる。主人公を追い詰める警察とのやりとりがはらはらする。 主人公は犯罪者ではあるのだが彼の肩を持たずにはいられない。

    3
    投稿日: 2023.03.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    家族のための殺人を犯す主人公の気持ちを思うと責められないなぁとは思った。 2つ目の殺人は犯さなくてもなんとでもなったとは思うし、旧友が計画に乗ってくるのも変な感じもしたけど… こう言っていいのか分からないけど、終わり方が爽やかなのが良い。バッドエンドではあるけど…

    3
    投稿日: 2023.03.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    はすみんが好き過ぎて、この主人公にも最後まで完璧であることを求めてしまった。精神的に脆い部分があるところで高校生の未熟さ、青春小説感?を出してるのかなあ。 倒叙推理は必ず最後には崩されなければならない暗黙のルールがあるって解説で書いてあって、初めて知ったけどそんなルール知らんがな、完璧であってくれと思ってしまったから、この類はむいていないのかもしれない。でも次のページが気になる感じ。面白かった。

    3
    投稿日: 2023.02.25
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    久しぶりに、好みの推理小説でした。このような構成の小説を倒叙推理小説と分類されることを、後書で初めて知りました。(未熟者です。) まず、犯人となる青年の人となりを日常生活から、そして、殺人動機となる家庭状況を丁重に書かれていきます。 次に、冷静で優秀な青年の思考、完全犯罪への詳細な計画への道筋を追います。 そして、計画のほころびから、やむを得ず、次の犯罪への計画・実行となります。ほころびが亀裂となり、遂に彼は自分の犯罪を認めていく事になります。 事件は、犯人となる青年の視点で描かれていきます。彼は、家族を守るという優しさからその殺人を決意しています。常時、冷静さを保つ努力をして、彼の憎悪は、青い炎として彼の内にあります。 彼は、母親と妹のこれからを思いながら、最期の決意をして、悲しい最後のトリックに臨むます。 貴志さんは、角川ホラーの十三番目のペルソナで印象的な記憶があり、もしかして相性が良いかも。

    33
    投稿日: 2023.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昔読んだけど、内容をあまり覚えていなかったので、再読。 殺人はいけないことである、という当たり前のことを横に置いておくことが許されるなら、どうかバレないで、と思ってしまった。 頭が良くて、責任感が強くて、一人で抱え込んで。 だからこうなってしまったんだよね。 母親が、彼のことを子供だと思って接していたところが、何も見えていないように感じて、もどかしかった。母と子で心を開いて話すことができていたなら、こうはならなかったと思う。 子を守ろうとしているのに、全然守れていなかった。 彼の孤独と、恐怖と、本当はここにいたかった、という寂しさと。何もかもが切なくて、苦しかった。 ラストも、彼ならばそうするだろうな、と納得した。 最初から最後まで、美しくまとまったストーリーだった。

    6
    投稿日: 2023.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    事件を通じて、少しずつ変わっていく主人公の胸中の表現が良かったように思いました。 終わり方も賛否はあるかとおもいますが、好きな終わり方で満足でした! 犯人目線でのミステリーはあまり読んだことがなかったため、新鮮な気持ちで読めました。 犯行が露見する過程は割とあっさりとしていて、これはこれでリアリティがあるといえるのかな、と思いました。 山月記やこころなど、他の小説の描写が描かれています。 どちらもまだしっかり読んでいないので、読んでみたいと思います。 櫛森君の家族と、紀子さんに幸あれ。(ゲイツ君も)

    2
    投稿日: 2023.01.25
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    主人公って結構上から目線な人で偉そうな感じ? 読んでいてあまり友達にはなりたくないタイプだと思った。 友達にニックネームつけるのはいいけど、なんかその理由付けがな…とか、クラスメートとの会話の描写にモヤモヤ。 殺人にいたるまでの計画力や思考力、実行力はすごい。頭良すぎ。学校の勉強を実生活に活かす(この場合は殺人で絶対だめな事だけど)ことができるって本当に賢いと思う。 最後は悲しい結末。どんどん追い詰められていく様子が読んでいて本当に苦しくなる。 でも感動はあまりしなかったなぁ。 主人公の人となりを好きになれなかったからかな。

    2
    投稿日: 2023.01.21
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    先が読める重い展開、最後まで秀一の心情に寄り添うのはキツイなぁ、と。元同級生が現れてからは、ドラマ仕立てのようで、ハラハラしながら読了。 どうやったら怒りを感じないで世の中渡って行けるのか、そう思います。それが出来たら… 愛する者を救うため、その優しさ故に自分自身に犠牲を招いて。判断がつきかねる17歳、考えることが短絡的、もう少し未来を予測する力があれば。大人びてはいるが、未熟さ不完全さ、思いつめてひとりで抱え込んでいる、次々と暴かれ壊れていく様は心が痛かった。緻密な作戦を練るところは不気味、没頭しやすい人の怖さというか。人に心を開くことが大切だという気がしました。 動機と犯行のアンバランス、まだ17歳、守ってもらえる環境だったなら、と。ひとりで戦うラストまで切ない。母親の影が薄い、しっかりして、と言いたい。 倒叙推理小説というのを初めて知りました。動機に触れるところが辛かった。 青い相模湾沿いを走るロードレーサー、紀子との絡みが爽やかでアオハル、せめてもの救いの時間だった。

    43
    投稿日: 2023.01.10
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    ブグログのあなたへのおすすめに、出てて、タイトル知ってるし、映画観た気もするけど、倒叙ミステリーとして、有名やから、更に古本屋で安く売ってるし、読んでみるか!で読むことに。(積まれてる本さん、ごめんなさい…一文長過ぎ、ごめんなさい…) 炎は温度の高さによって色が変化する。 思い浮かべる赤い炎というのは炎の中ではかなり低い温度で、炎は温度が低ければ赤く、高くなればなるほど青くなる。 青って、内面は、凄く熱くなっているんやけど、見た目は冷たい感じ(冷静)がして、何か赤より怖い。 本気で怒ってる時って、怒鳴るとかせず、逆に無口になるもんな。 まぁ、本作も怒りMAXなんや… …完全犯罪なんてないもんな… なんぼ、優秀だといっても高校生だし… しかし、動機が、ツラい(T . T) 母と妹を守ること。これは最後まで、一貫してる。自分の事は二の次にして… 「犯人を助けてあげたい度」はダントツ一位らしいけど、分かる!でも、この感じだと、また、青い炎に…って気もしてくる。やはり、一線を超えるとあかんのかな…「山月記」を例にしてたけど… 一度火をつけてしまうと、瞋りの炎は際限なく燃え広がり、やがては、自分自身をも焼き尽くすことになる… 警察も弁護士さんも何もできないのなら、自分で!って思わせる世の中を変えたいと切に思う。

    70
    投稿日: 2023.01.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    完全犯罪を企てる主人公、櫛森秀一の視点で物語が進む。犯行が徐々に明るみになっていく様は、我が事の様にスリリングでした。ただ警察にも、弁護士にも頼れない秀一の境遇を思うとやり切れなさを感じる。あと、数ヶ月耐えていたら別の未来があったはず…。 また、犯行のための治具製作など、緻密に描写されていて、貴志祐介さんらしさを感じました。笑

    3
    投稿日: 2023.01.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読後、寂しさを感じた。秀一の気持ちは良く分かるが、責任感が強すぎたのかな。 残された人の事を考えると秀一の最後は、選択肢の中で最良の一つだと思うが‥‥。 人間の脆さを痛感し、普通の日常の有難さを再認識させてくれる作品でした。

    2
    投稿日: 2023.01.07
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    読後感は悪めっちゃ悪め。それはこういった主人公が敗北する形の小説をあまりよんでこなかったことが理由の一つにあると思う。 ただこの形式だとめちゃくちゃキャラに感情移入できるから読んでいて興奮する。全体的に一昔前の雰囲気。キャラの考え方とか行動とか。 強請られる展開は案の定という感じで面白みはなかった。 主人公が高校生なのに頑張って準備してて偉い。ただ酒飲んだりPC自作したり一丁前すぎる面があるキャラ造形は作者がオヤジって感じがしてそこはかとなくダサい。 トリックが面白い。結果的には捕まる直接の原因になる訳ではあるが、特に二つ目の殺人のトリックが大胆ですごい。 そもそもの設定として、よく分からん母親の元結婚相手が家に来て無茶苦茶にする、みたいなのは正直違和感がすごいと思ったし、動機の根本となるところだから読んでてずっと頭には残った。あと家に来てから数日で殺人を決意してたけど早すぎる。4月の頭くらいにきて、二週間足らずで決意していた気がする。母親は母親でしっかりしてくれ。 プロットを考える教材という面では、時系列が丁寧に描写されるから確かに適してると感じた。ただ後半の生々しい描写があるのを考えると教員が生徒に読むのを促すのは気持ちわるい。あとあの辺の描写を見ても作者のダサいオヤジ感が鼻についた。 結末は、究極的には読者の想像に委ねる形で終わっていて良い終わり方だと感じた。 思い出しながらメモ 2023/01/06

    2
    投稿日: 2023.01.06
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    主人公は母子家庭の家で育ってきたが、そこへ母の別れた元夫が現れる。主人公は自らの手で元夫を葬り去ろうとするが。 もともと20年以上前の小説なのに、今読んでも色褪せない。 倒叙ミステリとしても面白く、青春小説としても胸を打たれるような内容の小説だった。

    5
    投稿日: 2022.12.14
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    ずっしりと重い作品。自動車のローを入れたまま、ずっと走り続けているような感じ。 ほろ苦い青春小説とは違う何ともやりきれない思いで支配される。 できれば、少しくらいの明るい未来で締めくくって欲しかった。

    1
    投稿日: 2022.11.30
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    倒叙推理小説の金字塔だと思います。 貴志祐介先生は『新世界より』が一番好きですが、『青の炎』は何通りもの捉え方ができる作品なだけに、作者もご苦労されたと思う。 第一の殺人『ブリッツ』辺りまでは、秀一とその家族に対する明確な同情が、読んでいて自分の中にあった。 でも第二の殺人『スティンガー』の時点で、「櫛森秀一はただの殺人快楽者なのではないか」と少し怖くなった。 バレたら消す。口封じに、消す。 この思考回路を持つ秀一に、少しの畏怖を感じながら読み進めた。 だが、スティンガー実行後の紀子とのアレコレに始まる、秀一の心の機微の描き方が本当に流石と言うしかなかった。 「Q=IVt」からの氷解っぷりがもう切なくて、最終章「海を渡る風」の美術室のシーンは一ページ、一ページをめくっていくのが辛かった。 短いセリフで単調に進められる妹・遥との会話。 ロードレーサーに乗るのは、これで最後だという思い。 美術室で交わされた、紀子との会話。 紀子が使わないとたかを括った絵の具「オキサイド・オブ・クロミウム」に隠した、私書箱の鍵。 鍵の在処が明るみになるきっかけを作ったのは、紛れもない自分だという事実。 好きな一節。p.481 「もう、たくさんだと思う。これ以上、嘘をつくのは。嘘を重ねるたびに、誰かを傷つけていくのは。 だが、最後に本当のことを言いたいと思ったときに、それが許されないというのは、何という皮肉だろうか。」 好きなセリフ。p.481 「『俺は、2人も、人を殺したんだよ。だからさ、その酬いは、受けなくちゃならないだろう?』 後ろを向いたまま、慎重に言葉を選んで言った。」 私が読み過ごしているだけかもしれないが、櫛森秀一は最初から最後まで、「自分がやった」と声に出していない。 言えば、家族が嘆く。 家族にそうさせるのは、本末転倒なのだ。 愛する家族を守るため、ただそれだけだったのに。 あまりに切なく、東野圭吾を凌ぐ機微の描写でした。 海を渡る風になって、色んなとこを巡ることが出来ればいいね。

    3
    投稿日: 2022.11.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    計画が成功するかめちゃくちゃドキドキした 成功しても不安や罪悪感は消えないし完璧に見えた計画は思わぬところから見破られてしまうし… そして最後は自死 家族のために他人も自分も殺して、でも多分家族は喜んではくれないと思う 悲しいね 殺人は許されることでは無いけど、家族のために一生懸命だったのは認める でも本人が嫌がるあだ名をつけるところは無性に腹が立った

    3
    投稿日: 2022.11.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    普段推理小説はあまり読まないが、面白かった。読んでいて主人公が完全に若い頃の二宮和也で再生された。山月記やこころと同じように主人公が破滅の道を辿っていくまでの流れが良い

    1
    投稿日: 2022.11.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全体的に暗い話ではある。 細かいことかもしれないが、 『罪と罰』と『菊と刀』を比較し、 キリスト教的な強迫観念は日本人で実感できる人が少ないとするのはわかるのだが 『恥の文化』なら露見しない犯罪は犯罪ではなく 日本民族は完全犯罪に向いているかもというのは暴論が過ぎる。 『お天道様が見ている』というのは要は己の誇りに恥じることがないということである。 簡単に言うなら良心だ。 ラスト近くで「違った」と拾われるかと思いきや 確かに再度この話は出てくるものの、 「殺人者の心を抉るのは良心でも世間体でもなく単なる事実、殺した記憶」。 自分はそれを恥とか良心と言うのではなかろうかと思う。 まず殺人の動機なのだが、離婚した父が転がり込んできて どれだけ辛い目に遭っているのかと思ったら まだたったの10日しか経っていないでそこまでの怒り というのは自分は動機としては弱いと思った。 確かに不愉快だしいなくなって欲しい存在だが 殺すしか無いと思い詰めるまでにはもっと酷いことが起きているかと思った。 それに父を追い出さない母親が謎でしかない。 お金を渡し欲求に応じ、どれだけ弱みを握られているのかと思ったら 娘の父が曾根であることを隠したいからというのも弱いと感じる。 妹が襲われでもしたかと思ったが、ガンで娘に会いたくてという本当なのか微妙なエピソードが出てきて 更に曾根が何をしたくてここへやってきたのか 秀一に殺意を抱かれて然るべき人物だったのかはぼやけてしまったと思う。 血がつながっていないという話は娘にはいつかは言うべきことだし、これが機会として伝えても良かったくらいではなかろうか。 血が繋がっていようがいまいが、私達三人は家族 という気持ちが大事なのだし、曾根という外的がいてこそうまくまとまることもできただろう。 母親がさっさと弁護士でも誰かの力を借りて追い出すか そもそも家にいれなければよかった としか思えない。 大人でまともそうなのが弁護士と警察くらいしか出てこないのだ。 母と妹の為に完全犯罪をするしかない、と一生懸命考ええた割には 計画が結構ざるで、意外性もなく目撃者がおり その目撃者に強請られて二人目の殺人を企てる というのも安直で、そんな短期間に自分の周りで 二人の死人が出たら警察がどれだけバカでも疑うだろうと思う。 同じ事故にしても拓也の方は自分が表面上関わっていないように見せる必要があったと思うのだが。 計画が稚拙であったということを、高校生だから本人は完璧だと思っていた、という表現ならばわからなくもないものの ミステリーにおいてこの当たりのからくりは重要な部分だと思う。 証拠品を埋めて取り出されるというのはかなりのやらかしだ。 たとえ見つかってもガラクタにしか見えないと思っていたはずなのに 何故拓也や警察に見つかって簡単に論破されてしまうのだろう。 秀一が優等生で頭の良い人という描写はあるが あまり説得力を感じられなかった。 凄みのようなものがないというか、結局子供っぽいし 普段から酒を飲んだり仲間を馬鹿にしていたりの描写の方が印象が強い。 唯一この中ではまだしも好きかなと思えたのは紀子だったし 彼女が気がついていても結局秀一を守ろうとしたところは良かったと思う。 他の方のレビューにもあったが、 女性だけ初めてで、なのに絶頂を迎えるというご都合主義ぶりはありえなさすぎて覚めるし 紀子が可哀想過ぎる。 無視をしていた癖に急展開過ぎたし、結局証拠品をもたせたままいなくなるくらいなら 手を出すべきではなかった。 事故が起きただけでも迷惑なのに、 未成年に夜勤をさせていた側が悪いとは言え 閉店に追い込まれるコンビニも気の毒。 母と妹の為の殺人だった割に動機が弱く、 結局バレてしまってどう責任を取るのかと思ったら 自白はせず死を選ぶというのはぎりぎりのラインで 母と妹の為という言い訳は通るとは思ったので それは秀一の選択肢としてありかなと思った。 だが死に方として、事故か自殺かもわからない というのが必須条件なのはわかるが 自転車で大型トラックに突っ込むのは絶対に死ねるかわからないし 何よりトラックの運転手が気の毒である。 だったら転落死なんかの方が良かったのではないだろうか。 色々と疑問の残る内容だった。

    1
    投稿日: 2022.10.30
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    やり切れなさが残る小説。 最後は秀一の思惑通り傍から見れば被疑者死亡だが、母と妹、そして秀一の大切な友人たちは全てを察したのではないかと思う。 友子は恐らく曾根がもう長くないことを知ってたのだろう 。それを子供たちに話していれば、一人で抱え込まなければ、秀一が罪を犯すのを、果ては自分の命を絶つのを防げただろうと、彼女の悔恨を思うと切ない。 曾根さえいなければ普通の高校生でいられたのに。 理科的な説明箇所はさっぱりわからなかったので実は流し読みした。 完全犯罪にはそれなりの知識と頭の良さが必要である。

    0
    投稿日: 2022.10.26
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    とてもおもしろい、現実に起こりそうなリアリティがあった、あらすじは序章に過ぎない更なる展開にページが止まらへん。

    0
    投稿日: 2022.10.20
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    愛する家族の為に完全犯罪を企てた高校生・秀一。 しかし完璧であったはずの犯行は思わぬところから崩れていくー。 面白かったです。 犯行を決意するまで、決意後の計画を立てている間、実行直前、直後、さらにその後… 犯人である秀一の切なくも恐ろしく、脆い心理を巧みに描いています。 中盤から、やや短絡的に感じる展開なのは残念でしたが、全体的には満足です。

    3
    投稿日: 2022.09.30
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    高校生の頃を思い出し、物の捉え方、考え方、心情が当時の自分とシンクロした。また、舞台の街並みもイメージ出来るものだから、読むほどに没頭した。新世界よりに続き、引き込まれました。

    1
    投稿日: 2022.09.15
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    離婚した元父親が、突然現れ家に住み着き、平穏な生活を脅かすところから始まり、 その男をどのように排除するのか、高校生の主人公が考える話。 最初から最後まで引き込まれたし、 主人公が何を考えどう動くのか、学校生活から、帰宅後何をして、休みには何をするのか、丁寧に描写されているのにも関わらず、本筋とは関係ないことは一つもなく、グッと感情移入させられた。 何か一つ違っていれば、とやるせない気持ちになるとても悲しいストーリーだったが、 物語の最後、梅雨明けの快晴の下ロードバイクを走らせる彼の心もきっと晴れていたのだろうと思う。

    1
    投稿日: 2022.08.29
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    悲しい、とにかく悲しい物語であった。高校生にして家族を守るためにあらゆる犠牲を払って殺人者となり、口止めのためにさらにもう一つの殺人を犯した秀一。警察に犯人とバレかけてまで、家族を守るために死を選んだ秀一。これほど可哀想な高校生はいるだろうか。青の炎を宿す少年の魂を肌で感じた。

    1
    投稿日: 2022.08.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ★2.5 普通と言えば普通の内容だったかな 母親と妹を守るために、父親と親友を殺す 殺人はしてはいけないけど、仕方ないよなと思うし、ここまで追い詰められた主人公がかわいそうだった。

    0
    投稿日: 2022.08.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    貴志祐介さんはなぜか夏に読みたくなる。 聡明な主人公が家族を守るために完全犯罪を計画、実行する。殺人なんて当たり前にやってはいけないことだし、恐ろしいこと極まりないのに、どうしても主人公を嫌いになれない。可哀想ともまた違う。仕方なかったと残念な気持ちになる。どうか何もかもが起こる前に時間が戻ればと読み進めるが、きっと彼は何度戻っても家族のために繰り返しそうなほど優しい。鬱々と重い気持ちにさせる。

    1
    投稿日: 2022.07.23
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    過去に読んだことがあったけど内容忘れたので再読。 めくるページが止まらず結構なスピードで読めた(^^) 『青の炎』ってそういう意味か。 読み進めるたんび、だんだん辛くなっていった。秀一があまりにもかわいそすぎる気が、、ただただ家族を守ろうと思ったことがこんなことになるとは。 母と妹、刑事に嘘を貫き通した友達や彼女を持ったところは誇りに持つべきだよ。 心にぽっかり穴が空いた様な虚しい気分になりました( ; ; )

    5
    投稿日: 2022.07.05
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    貴志祐介さんが書くヒロインで紀子が1番好きです。 何故か神戸連続児童殺傷事件を連想してしまいました、心が熱くなるとてもいい作品です。

    1
    投稿日: 2022.07.03
  • 青春ミステリー

    著者の作品は初めて。 高校生が企てた完全犯罪(殺人)。 主人公の高校生が殺人を犯すまでの心理に説得力があって、感情移入できた。 切ない青春ミステリーになっている。

    0
    投稿日: 2022.06.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初の犯行の日を祈るように読んだ。この緊迫感でグイグイ読める。 どれだけ賢く大人びていてもまだ子どもであり、親の保護下にいる年齢だ。その頭の良さと行動力と粘り強さを、家族を守るために捨て身で使わなければならなかったのが心底悲しかった。普通の青春の高校生活を楽しめる人生が続いてほしかった。 家族間での情報共有や意思疎通って意外とうまくいっていないことが多いだろうなと想像できた。そのすれ違いの感じがリアルだ。 1人で全部背負うことになってしまった少年が哀れだが、ラストは不思議と爽やかだった。潮風を切ってロードレーサーを走らせる姿からなのか、その決断の潔さからか…救いはないけれど印象的だった。

    3
    投稿日: 2022.06.12
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    大好きな本で今回再読。 梅雨時〜夏にかけて毎年読みたくなる本です。 高校生が殺人の完全犯罪を企てる内容なのですが、 不思議と作風が暗くなく全体的に爽やかなイメージが強いです。 解説にもありましたが、 倒叙推理小説に該当する作品ですが、私は主人公の櫛森秀一の青春物語だと捉えています。 頭をフル回転させて練った殺人計画、作戦実行時の湘南の海をバックにロードレーサーで疾走する描写、実行後の心理描写、家族や友達・恋人との関わり全てが彼にとっての青春の1ページだったと思います。 未熟さゆえの過信や行動力が どことなく櫛森秀一の幼稚さを垣間見ることができますが、 やはり全ては、 家族を守りたいと思ってこその行動なので、 彼の正義を認めたいと思いました。 あとは、女性陣の勘の良さと鋭さには脱帽。 やはり身近な人のちょっとした変化は、現実と同じで女性の方が気付きますね(笑) 友人の言葉の通り、一度火をつけてしまった瞋り(いかり)の炎は際限なく燃え広がり、やがては、自分自身をも焼き尽くすことになってしまった、 最後の結末は胸が締めつけられるほど切なくなります。 青の炎 ・・・炎の色の変化は温度に起因する。 炎の温度が低温であれば赤、少し温度が上がると黄色、さらに白、青へと変わる。

    5
    投稿日: 2022.06.07
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    ミステリであり青春小説でもある、不思議な作品。 秀一の心境が克明に伝わってきて、一緒にドキドキしながら読み進めた。あとがきの殺人方法に関する記載が少し怖くて鳥肌が立つ。 家族を思った殺人はどう裁けばいいのだろうか。

    1
    投稿日: 2022.06.06
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    初めての貴志祐介さん作品。 〔倒叙推理小説〕という種類を初めて知り、犯人側からの視点で物語を読み進めていくのも新鮮で面白かった。  主人公は母子家庭で妹を含めた3人で仲良く暮らす普通の男子高校生:櫛森秀一。その平和な日常に突如、母親の元夫:曽根が介入してきて状況は一変する。  母と妹を守るために、秀一は曽根の抹殺を計画する。完全犯罪を成功させるために準備に駆け回る姿からは、頭がいいのはもちろんだが、母妹思いの優しさと責任感の強さが感じ取れる。    完全犯罪を成し遂げたかと思いきや少しずつボロが出て、警察も真相に近づいてくる。読み進めながら秀一の心境がそのまま伝わってきてハラハラドキドキした。 秀一の身に沸き上がる繊細な感情の起伏が、読んでいて切なくもあり苦しくもなった。  犯罪は絶対にいけないし裁かれるべきなんだけれど、同級生の秀一への関わり方を見ても、秀一が周りに好かれていた人物であったことが伝わってくる。  秀一のような優しい青年が究極の選択をしなければならなかったことが悲しいし、最後も切ない。 正論だけでは片づけられない考えさせられる物語だったけれど、手に取ってよかった。

    48
    投稿日: 2022.05.06
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    本が好きになったきっかけの1冊です。 中学生の頃に読みましたが、胸がぎゅっとして切なくて本も映画も何度も見直したのを今でも覚えてます。

    1
    投稿日: 2022.04.29
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    ずっと前の多感な時期に1度読んでいて、機会があり、最近読み直しました。 驚く程印象が変わっていました。 学生時代に読み終わった時には、切なくて、やりきれなくて、主人公のことを思って暫く落ち込んだ記憶がありましたが、2度目である今回は、全体を通して主人公に対して、まだ幼稚で子供であるという印象を受けました。 だからこそやりきれない気持ちもあるのですが、1度目の時の気持ちとは明らかに違う種類でした。 そして、より、「僕は、独りで世界と戦っている。」というキャッチコピーがずっしりと響き、『本当にそのとおりだよ・・・』という気持ちになりました。 冷たい人間になってしまったのだろうか、いや、自分なりに歳を重ねて、世界はもっと広いんだということが分かったのだと思います。

    1
    投稿日: 2022.04.21
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    「一度火をつけてしまうと、瞋恚(怒り)の炎は際限なく燃え広がり、やがては、自分自身をも焼き尽くすことになる」 怒りの炎はなんらかの結果を見るまで自分で消すことはできないんだ。怒りではない心の置きようを心がけて生きたい。

    2
    投稿日: 2022.04.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    貴井先生は、取材の鬼!細かいところまで描写してくれるのでリアルに思える。マークⅡとか ラストも余韻が残る

    1
    投稿日: 2022.04.07
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    私にとっての初貴志祐介作品ですが、どんどん物語に引き込まれて、ページをめくる手が止まらなくなりました。 家族を守るために完全犯罪を計画する高校生の少年。時間と共に追い詰められる心理状態や淡く切ない恋のお話など様々な感情が巡ります。 オススメ!

    13
    投稿日: 2022.04.03
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    20年近く前に読んで、あまりの面白さにさまざまな場面が忘れられなかった作品。 久しぶりに読んだら、自転車を漕ぐ空気感。男の気持ち悪さ。全て懐かしかったし、今読んでも面白い。 歯車ひとつ違えば、、と思わずにはいられない、切なすぎる話。

    3
    投稿日: 2022.04.02
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    主人公の賢さには驚きっぱなしでした。殺人に手を染め、自分を失い、精神が崩壊していく様子がなんとも言えない感じで居た堪れませんでした。また、殺人も次第に暴かれていく様子がわりと穏やかではあるものの、逼迫感があり読む手が止まりませんでした!

    1
    投稿日: 2022.03.17
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    暗い。 主人公の頭がいいのは分かるけど、なんか鼻につく。 人を殺すことに理由をつけてるけど、人を殺しても幸せになれない。 てか母親がなぜ受け入れてたかよくわからんし、二つ目の殺人への繋がりも短絡的に感じた。 文が長い。読み応えあるけど、ちょっと暗い気持ちが続いてしんどくなった。

    2
    投稿日: 2022.02.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白いけど、悲しい話です。 もう少し救いが欲しかった。 友人たちが庇って嘘をついたところが感動しました。

    1
    投稿日: 2022.02.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うーん。絶対、何かあるって思ったんだけどな…最後に。 ただただ、哀しかった。 殺してほしくなかったし、ばれてほしくなかったし。 救いがなくて、哀しかった。

    1
    投稿日: 2022.02.16
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    何年も前に一度読んだのですが、ストーリーをまったく覚えておらず、再読。 色としては暗いのですが、主人公の心情を考えるとたまらなくなるところがありました。友達の素晴らしさに思わず涙しました。

    1
    投稿日: 2022.02.16
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    辛すぎる! 家族を守るために計画殺人を企てる高校生の心情が切ないっ 心痛いミステリー★5 母と妹との幸せな家庭に入込んできた母の別れた再婚相手。正義感と責任感が強い主人公がダメ男に鉄槌を下すべく完全犯罪の殺人を計画する。 夢も希望もあまり溢れるはずの青春時代が、どうしてこうなった… 頭脳明晰で責任感がつよく、思う存分甘えられる人が周りにいなかったのが原因でしょうか。荒れたり、すさんだ生活になったりするのがよくある成り行きなんでしょうが、重要な決断をするまえに、諭してくれる大人がいなかったのが悔やまれる。 こんな家庭環境は、ほんのすぐ近くにありそうで、どうすれば大人たちはこういった青年たちを救えるのでしょうかね。未来のない選択だけは、させたくないのですが。 本作は主人公の心情描写がホントにお上手。思い悩みや決意が深々と伝わってきて胸が苦しいです。家族、ヒロイン、友達のキャラクターの描き方も素晴らしく、主人公に対する愛がひしひしと感じられます。 ストーリーは倒叙ものですが構成の組み立てが巧み。そして少しずつ解き明かされてしまう感じが超怖いぃぃ 純粋な正義を貫く様を刮目してほしい、ミステリー好きには超オススメな作品です!

    33
    投稿日: 2022.01.24
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    1月に読了 罪を隠すために罪をしてしまう。しかし本を読んでいると主人公は悪くないと感じてしまう。すごい。 登場人物をフル活用していたな。

    1
    投稿日: 2022.01.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ただ、ただ読んでいて辛かった。 それでも、読む手を止められなかった。 殺人は悪だ。しかし、曽根に対する殺人計画を模索する過程は主人公を応援してしまった。 しかし、2番目の殺人。かつての親友を殺害するに至る過程は犯罪者心理というものなのか、呆気なかった。その呆気なさも、曽根の時はただ、家族を守りたいという思いだったのに、2度目は自己防衛にもうつり、もう辞めてくれ!と、心の中で叫んだ。 そして、ラストはやはり、家族への愛。 「君は悪くないよ」そうも言いきれない。 殺人事件は悪だから。 警察、弁護士。社会の仕組みを呪った。 助けてあげることは出来なかったのだろうか。

    7
    投稿日: 2022.01.08
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    昔、お母さんが再婚してすぐ別れた人が突然家に転がり込んで傍若無人に振る舞い、お母さんと妹を護る為に櫛森くんがそれを排除するお話。 櫛森くん、ちと中二っぽいとこもあるけど頭が良く計画を進めていく。 僅かなことで計画が思い通りにならず...こんな展開になるとは⁉︎ 面白かったです。

    13
    投稿日: 2022.01.05
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    どこでどうなればこんなことにならなかったのか、そんなことばかり考えながら、読むのが辛いけど読む手を止められなかった。 家族を守らなければという正義感、冷静で頭脳明晰。 だけど…君が大人になる必要はなかったよ。 大人を頼って欲しかったよ。

    3
    投稿日: 2022.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    切なかった、、、。中盤辺りから読み終わった後までただただ切なくなった。普通のミステリーでは殺人者のことを応援したくなる気持ちになることはないけど、曾根の事件に関しては、秀一には完全犯罪を成立させてほしかったと思ってしまった。 自分のためじゃなく、家族のことを思って2人も殺め、最後は自分の命まで終わらせてしまおうとしてたのが辛かった。 普段殺人事件のニュースを見ても、他人事に感じていて、なんとなく全部同じ括りで考えていた。どんなことがあっても、人の命を奪うことは決して許されないことだと思うけど、1人1人にこういう背景があるのかもしれないと思うと、犯人やその周りの人達のことを決めつけた発言をするのは良くないと思った。 他の倒叙ミステリーも読んでみたくなった。

    2
    投稿日: 2021.12.07
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    見てないけどだいぶ前に映画化されていて、抗えない不運の連鎖にもがき苦しむ主人公を、嵐の二宮君が演じています。雰囲気合ってそう。

    2
    投稿日: 2021.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    たった独りで戦い続け、完全犯罪のことで頭がいっぱいになっていく主人公の様子が悲しかったです。 今すぐじゃなくてもいい…報われてほしい…と思いながら読み進めていたので、家族を守ることを選んだラストには衝撃を受けました。

    1
    投稿日: 2021.11.15
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    美しい背景描写に殺人計画の試行錯誤、そして最後にトリックが一つ一つ暴かれていくドキドキハラハラな展開。 やっぱり貴志祐介は最高だと思った。

    5
    投稿日: 2021.11.10
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    貴志氏の本は9年前に読んだ「悪の教典」以来…。 9年も経つのか…。 頭はいいけど、どこか抜けてるところがあるのは 秀一とハスミンの共通点かな。

    6
    投稿日: 2021.11.10
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    主人公の立場になるとすごく悲しい。 心境が痛いくらいにわかってしまう。 彼に何か他に道がなかったのか、やりきれない想いになる。 家族を守りたいがゆえの完全犯罪としても、最後の最後にかけたものが大きすぎて切ない。

    2
    投稿日: 2021.10.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かったと思う。 ミステリー小説の犯人って基本不幸になる小説ばかりなので、幸せになる結末も期待したのですが、、、 そういう倫理観から外れた小説探してみたいです。 ありきたりかな、とも思いました。

    2
    投稿日: 2021.10.20
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    家族を守るために罪を犯す高校生… なまじ頭が良いから変に自分を過大評価して完全犯罪を計画し、 殺人を犯してしまうけれど もっと違う方向に考えられなかったのだろうかと 何ともやりきれない結末に切なくなった

    2
    投稿日: 2021.10.19
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    オーディオブックにて読了。オーディオブックに向いている。心情の描写が細やかで、その細やかさを読み飛ばすことなく聴くことができたから。 もちろん作品としても秀逸。倒叙ミステリーの傑作と佐野洋さんが言っているのにも同感。

    2
    投稿日: 2021.10.18
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    ストーリー内では、文面通りの意味ではないが、、 「やるかやらないかの決断は、とうに下した。 だったら、今は、最後までやり抜くしかない。」 決意を固めた主人公のセリフには、重みがあった

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    投稿日: 2021.10.15
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    作品名:青の炎 (角川文庫) 著者: 貴志 祐介 家族を守る為に完全犯罪を計画実行する頭の良い高校生の秀一。 私には読んでいて色々歯痒いストーリーでした。

    1
    投稿日: 2021.10.11
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    中学生の頃に読んでいたら、秀一って賢いんやなぁすごい、ときっと思っていたなぁ でも大人になってから読むと、賢いのは認めるけれどやっぱり幼稚ででも純粋で… もう少し、曽根のことを待っていればこんな悲しいことは起こらなかったのにね。 やるせないなぁ

    1
    投稿日: 2021.10.04
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     10年以上前に知人に勧められた本を今さら読了。存在自体は映画が公開された時から知っていたのに、あややが出てる映画は恋愛ものだろうと勝手に決めつけ、ずっと忘れ去っていた。なぜもっと早く読まなかったのか悔やまれる。映画も観たい。  家族の安全を脅かす元父親を殺害し、完全犯罪を目論む高校2年生の秀才・秀一。とても入念に準備をする割には、杜撰な殺害計画を立ててしまうところが、少年の青さが表れてて良い。頭が良いはずなのに、経験を得て殺人のハードルが下がったことにより、さらに杜撰な計画を立てて昔の親友を殺してしまうのがなんともやりきれない。普通の心優しき青年が堕ちていく様や、彼の心情がリアルでとても切ない。

    2
    投稿日: 2021.09.26
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    怒りは燃え広がりやがて自分を焼き尽くす。 タイトルの青い炎とはそう言う意味だったのか。 それにしても主人公の器用さ。ある意味羨ましい。 主人公目線で描かれているのでわからないが、元々友人はすくないのじゃないか。

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    投稿日: 2021.09.19
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    一気に読んだ。後半から一気に読み込ませる。最期は、予想できるものの、とても悲しい気分になった。主人公に同期した。倒叙推理小説という分野名を初めて知った。この分野は前から好きな分野。

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    投稿日: 2021.08.28
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    愛する家族を守るために完全犯罪を実行する男子高校生の話。 犯人側から書かれるミステリーを倒叙ミステリーというらしいけど、私には合わないことを痛感。 あまりにもハラハラしすぎるし、読んでいて物凄く不安になる。ただ好きな人にはこのハラハラ感が堪らないんだろうな、と。 主人公の秀一は家族を愛する優しい青年なんだけど、友人を少し小馬鹿にしたような物言いや、自信家?なところがあって少しイラッとしてしまった。 友達にはなりたくない。 頭の回転も早いし賢いから、この才能を別のところに発揮できれば未来は全く違ったんだろう。 発揮できなかったからこの物語は切ないのだけど。 半分程度読んだところで「このまま物語が終わってくれたらいいのに」と思ってしまった。 最後まで秀一を好きにはなれなかったけど、 彼を助けて、許してって願いながら読んでいた。 ラストがまた衝撃的で、ここを読む価値みたいなのをすごく感じた。切なさをぎゅっと詰め込んだ、 忘れられない一文。 久しぶりに後味の悪い小説を読んだ。 こういう読後感も大切。

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    投稿日: 2021.08.26
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    高校生の男の子の話。家族を救うために完全犯罪を計画、実行。精神状態、葛藤、考え方の移り変わりなどがわかりやすく描写されていました。

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    投稿日: 2021.08.23
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    主人公が感じていた、奥底から滲むような静かな怒り。どうしてこうなってしまったのか考える程こちらも苦しい。 展開や読後感も、とにかく苦しい物語でした。

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    投稿日: 2021.08.13