
総合評価
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powered by ブクログ平成29年4月 なんとなく手に取り、読んでみる。 超、面白かった。映画になってたんだね。 一気読みです。 主人公と母と妹の楽しい生活に母の元夫が住み付き働きもせず、酒ばかり煽って、主人公たちの生活を一変させた。 いろいろとあって、その元夫を主人公が殺すことを計画する。罪と罰で、殺す側、殺さない側の人がいて、殺す側の人間になる。そして、殺した後は、殺したことを生きている間葛藤する。それを分かっている中で、罪を犯す。 そして、その後二度目の罪を…。 そして、その後、それしかないよねって感じで完。 しかし、二度目の罪は、ちょっと手抜きだね。 でも、二度目ってそんなもんなのかな。一線を越えた後ってね。 無敵の大門さんの言葉 一度火をつけてしまうと、怒りの炎は際限なく燃え広がり、やがては、自分自身をも焼き尽くすることになる。怒りだけはどんなことがあっても抱いちゃいけない。 悪い人にいいように扱われても、自分の怒りで自滅するよりは、ずっとましな人生だと。 日本人は、罪と罰のような強迫観念とは無縁だから、完全犯罪の殺人を行うには適しているのではないか。そんなことを考えていたが、殺人者の心を抉るのは、神へのおそれでも、良心でもない、心を締め付けるのは、単なる事実だ。自分が人を殺したという記憶。その記憶からは、一生逃れる事ができない。 だから人を殺してはいけないとは言えないけど、人を殺すってことは、それだけ自分に返ってくるんだよね。人を殺す事によって、自分をも殺してしまうってこと。
8投稿日: 2017.04.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
きっかけは、やはり重松清「疾走」が好きならこの小説もおすすめです。って感じでググったら出てきました。評価も高いし、私の求める条件である、少年が主人公、閉塞感がある、やりきれない、切ない、哀しい、後味が悪い、が満たされていそうだったので読んでみました。 結果、読書感想は人それぞれ。 主人公が少年ってところだけで、それ以外は外れていました。 殺されるのはどうしようもないオヤジ、読者の誰もがコイツを殺したくなるようなろくでなしです。設定上は実母の再婚相手で同居しています。コイツさえいなければ母親と妹と三人で幸せに暮らせます。 主人公でこのオヤジを殺害する男子高校生は、割とどこにでもいそうで、推定かっこよくて、少し影があるのですが、そこがまた魅力的でヒロイン役の女子高生も出てきて、エエ感じになります、青春です。羨ましくて同情出来ません。 この絵に描いた様な悪人のオヤジさえいなければ、絵に描いた様な幸せな家庭で、絵に描いた様な青春学園生活なのに。綱渡りな完全犯罪、読んでいて心配になります。やはりボロが出てしまい第二の殺人。悪人オヤジを殺す切実さに較べると第二の殺人は少し安易ではないだろうか? 案の定、足が付きそうになり、八方塞がり。ロードレーサーでトラックに突っ込む自殺行為でバッドエンド。 そこにやりきれない閉塞感はなかった。 なんとなく展開も予想できて、サクサク読み進む。表現が難しいのですが、グイグイ押されて読み進めるのではなくて、ストーリーに引っ張られ読み進める感じなにですよね。 第二の殺人の時には行間から血が滲んできました、この筆力は評価できます。 が、私は行間から焦りが欲しいのですよ、行間に挟まれる閉塞感とかね。この小説にはそれがなかった。 「疾走」とか吉田修一の「悪人」が好きな読者さんにはお勧めできない小説です。 この著者の作品はあと「悪の教典」が直木賞候補になったのでそのうち、読んでみてもいいかなと思います。今度は「良い意味で期待を裏切って」ほしいものです。
1投稿日: 2017.04.14
powered by ブクログ今年読んだ本で一番!!ゆれ動く主人公の心の描写に引き込まれる。タイトルの青い炎って、本人をも燃えつくす怒りの炎だったんだ!蜷川監督×二宮君主演の映画も小説の世界感を全く裏切ってなく心に残る映画だったが、原作は、登場する文学作品の引用文も物語とリンクして心に染みて、断然いい。全編暗く、切なく、途中息苦しくなるが、一気読み。貴志祐介さん、おどろおどろしいホラーのイメージが強かったけど、ほかにも読んでみようと思った。
3投稿日: 2017.03.22
powered by ブクログ個人的点数:85点 17歳高校生の櫛森秀一は母と妹の三人で暮らしていた。 そんな中、母が再婚してすぐに別れた元夫、曽根が突然現れて平和が崩れていった。 傍若無人にふるまう曽根に対し秀一は自らの手で曽根を葬り去ることを決意したのだった。 読み終わった後、久しぶりに喪失感みたいなものを感じることができました。 それだけ物語の中に入り込んでいたということだと思います 秀一が緊張してるときには読んでるこっちも緊張してきて、どうなってしまうんだろうとドキドキしていました。 何か一つタイミングだったり、考えが変わっていたら秀一の人生は全く違ったものになっていたのではないかと思います。 2017.3.15 読了
1投稿日: 2017.03.15
powered by ブクログ「青の炎」。このタイトルは本当に象徴的だ。 主人公・秀一の心象風景が描かれている場面では、不気味で無機質な熱さが伝わってくる。 家族のために殺人を計画する秀一。 もちろん逮捕されることなど前提にはなく、いかに罪を免れるかを考えながら準備は進められていく。 特別変わったところなどない、友だち付き合いのいい普通の高校生だった秀一。 犯罪にはたいていどこかに穴があるものだ。 綿密に練ったはずの殺害計画にも、思いもかけない落とし穴が待っていた。 憎むべき相手を殺したために、憎しみも怨みもない人間を殺さなければならなかった秀一の哀しみが切ない。 たった一人の人間が現れたために壊れていく幸せな空間。 必死にそれを守ろうとした秀一が哀れでたまらない。 若さゆえの暴走と言ってしまえばそれまでだが、もしも・・・と何度も考えてしまった。 母親がもっと早くに真実を秀一に告げていたら。 二度目の犯罪に手を染める前に思いなおしてくれていたら。 秀一がした最後の決断が哀しすぎて、たまらない気持ちになった。 純粋な思いだけが彼を支え、彼を動かし、そして彼を追いつめた。 年齢を問わず一度は読んでほしいなぁと思った物語だった。 文庫本の表紙にも写っているロードレイサー。 物語で最も重要な役割を果たしているアイテムだ。
3投稿日: 2017.03.01
powered by ブクログ貴志作品では一番と思ってる。罪を犯した後の苦しみがリアルに感じられる。「ようやく実感を持って理解することができた。人を殺すというのはこういうことなのか」眠っている間だけ忘れる事ができるが、目覚めた瞬間から悪夢が始まる。人を殺めてしまった事が夢ではなく現実だと悟ってから。 切ない。
5投稿日: 2017.02.07
powered by ブクログ高校生が家族を守る為、完全犯罪の殺人を企てる倒叙推理小説。 主人公のストレスを濃密なまま体感できる、稀有な作品。 湘南の海岸線をロードレーサーで通学する爽やかな面とは裏腹に、その心には青い炎が燃えたぎる。 私も同じ年齢の頃、家族や級友に憎悪を覚えたことはあっただろう。だが、さすがに殺意は芽生えなかった。ではなぜ、17歳少年は実行に移そうとしたのだろうか。その経緯で明らかになる事実に、彼は困惑せざるを得ない。 主人公の心理が、読者の心理に置き換わる錯覚に囚われる一冊。映像化された作品ですが、キャストを知らずに読めたのが想像力の妨げにならず幸いした。
3投稿日: 2017.02.02
powered by ブクログ綿密に練られて、上手くいくように思われた櫛森の計画が最終的に破綻してしまう。最初に犯人の手の内を明かして、そこからどんどん暴かれていく様は、見ていて痛快。しかし、櫛森に対する同情も同時に湧いてくるという、いろんな心情にさせられた小説だった。
2投稿日: 2017.01.27
powered by ブクログ普段はのほほんとしたお話ばかりだけどたまにはミステリーも読んでみようかしら、という軽い気持ちで読むのは間違い。名探偵コナンのトリック解説を飛ばして読む人間には向かない本だった。そもそもミステリー・サスペンスを好まないので良し悪しなんてわからない。とにかく合わない。
0投稿日: 2017.01.13
powered by ブクログ殺人を犯した後の罪の重さに苛まれていく様が、何とも恐怖心を煽る。警察や世間を欺いても、自分の良心まで騙しきることはできなかったのだろう。青の炎にその身を焼かれた、少年の哀しい物語。
1投稿日: 2016.12.12少しだけ主人公に共感できる罪と罰
有名な倒叙小説に「罪と罰」がありますが、意図的なのかかなり近いものを感じました。 ただ、納得できる動機もあり、少しは主人公に共感できました。 主人公の葛藤など心理描写がメインの話だと思いますが、犯行の手口もかなり詳しく描写されており、リアルで面白いです。
0投稿日: 2016.12.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
すごく切ない… 最後の章で、すべてを知っても秀一の味方でいた紀子にうるっときた。 秀一は、母と妹を守りたい思いから人を殺してしまう。けど、背景に色々な思いがあっても、殺人は殺人で、殺してしまったらもう取り返しがつかないし、人を殺したら、その事実・人を殺した記憶からは一生逃れられない。 曾根が病気であったことを知っていれば、秀一も曾根を殺す計画なんてたてなかっただろう。けど実際にはそのことを知らないまま、知恵を絞って完全犯罪の計画をたてる。 最後に秀一が選んだことは、悲しいけれど秀一らしいとも思う…。この選択も、母と妹を守るためのもの。それと、秀一自身が自分が人を殺したという事実に大分まいっていたと思う。 秀一は、一部不気味で殺人者っぽいと感じる描写もあったけれど、殺人以外の部分で、普通の高校生にみえた。頭が良くて、家族思いの。
1投稿日: 2016.12.11
powered by ブクログ青の炎は、儚く淡い青春の葛藤が度を超えた環境に侵食された上での漂い。 秀一は果てなく純真で優しいやつ。
0投稿日: 2016.12.01
powered by ブクログどうして?と悲しい。 秀一は悪くないと思ってしまう。 環境違えばすごい大人になっていけるのに本当に残念でなりません。
0投稿日: 2016.11.25
powered by ブクログ10年以上前に映画を見てたから結末を知ってたけど、本当に悲しい救いようのないお話。そして映画の影響で秀一は完全に二宮和也で再生された。 二宮和也ぴったりでしょう!!! まだ高校生の秀一が母と妹を義父の曽根から守るために完全犯罪をするお話。トリックとかよく思いついたなあ!と感心するし本当に秀才な高校生だし完璧な犯罪だと思いきや、やっぱりまだまだ高校生で詰めも甘く、あっけなく証拠を残してしまうところとか、学校では友人や彼女と無邪気に話してるとことか、でも一歩引いてものごとをかんがえたりとかその葛藤がなんとも切ない。 最後の結末も、被疑者死亡しかないか、、、と思い詰めたり本当になんという人生なの!可哀想すぎる。 しかも何より実は曽根が末期がんで何もしなくても死亡してたとか、、、そんなのって辛い、、、もっと早くその事実を教えてやってよ! 秀一はいいやつだから、そんな結末じゃなく真っ当で明るい人生を歩んで欲しかった。
2投稿日: 2016.10.11
powered by ブクログ人生初・倒叙推理小説。 序盤は話がどこへ向かっているのかよくわからなかった。 が、読み進めるうちに義理の父だった曽根への憎悪、恐怖、殺意。そして殺人に至る経緯や計画が緻密に語られていく……。 そうか、倒叙推理小説とはこういうものなんだと初めて知った。 スピード感はないものの、主人公の心理状態などが痛いほど感じられて、読み進めるうちに疲労感が溜まって行く小説だった。 まるで自分も罪を犯してしまったかのような倒錯感も同時に味わった。 おもろかった。ただ、本当に心が疲弊した。 本の内容全体的に、題名のとおり青いイメージの落ち着いた物悲しさが残る本でした。
1投稿日: 2016.09.29
powered by ブクログ湘南の高校に通う17歳の主人公、櫛森秀一が、母と娘を守るために殺人を犯し、完全犯罪を目論むミステリー小説。 高校時代に仲間内で流行った小説。懐かしくなり十数年振りに本書を手に取ってみたのだが、驚くほどにその鮮烈さは色褪せていなかった。 本書は「倒叙推理小説」と呼ばれるジャンルらしい。物語前半部分で犯人が完全犯罪を計画する形で手の内を明らかにし、実行。それが成功したと思われた時点で後半部分、警察や探偵が真相に近づき犯行を暴く、というものだ。 おそらく私は本書以上に胸に迫る「倒叙推理小説」をまだ知らない。何度読んでも抗えない程の力で心を揺さぶってくる。それは特に、「真相が暴かれてしまうのではないかという胸を焼くような焦燥感」と、「読後に思わず呆然としてしまう程のやるせなさ」である。著者に心を焙られていると言っても過言ではない程、この二つは読者の胸に刻まれる。 この二つの感情の起因となるものはおそらく一つのこと。それは秀一が完全犯罪を、殺人を犯そうとする「理由・動機」である。秀一は決して猟奇的、快楽的な殺人者ではない。秀才で論理的思考に優れているが、それは殺人者の要素とは言えない。彼が「人殺し」を実行したのは愛する家族を守るため、そして彼が「人殺し」に「ならない」ために完全犯罪を計画したのも、その家族のためなのである。愛する者たちを守るための自己犠牲、駄目なことだとわかっていながらも主人公の幸せを願わずにはいられなくなる。それが焦燥感とやるせなさを生むのだ。 主人公の心に宿った瞋りは、ゆっくりと、静かに、際限なく彼の心を燃やし尽くしていく。その「青の炎」はいつしか読む者にも燃え移り、その胸を焦がすのだ。
1投稿日: 2016.09.23
powered by ブクログ緻密なトリックよりは主人公の心情に重点を置いたお話。 そのわりにはトリックのうんちくが長い・・・ちょっと疲れる。そこ以外はとても読みやすいです。 読んでいるときは、高校生だからこそ悩む心情に切なくなるかな?結局自分勝手とも思えるけど。そこらへんは高校生だから仕方ないのか? 邪魔な奴は「強制終了」という極端な考え方は 恐ろしいですが・・・そこを突っ込んでると話が進まないので。 学校の教材がトリックに使われたり、物語の引用に出てきたりして、そういや習ったなと思いだしました。 山月記ってちょっと印象的な話だったな。
1投稿日: 2016.09.13
powered by ブクログ完全犯罪を目論む高校生のお話。 読んでいくうちにある程度予測できる結末へと向かうが、 心理の変化や描写が巧みで引き込まれる。 そして衝撃のラスト。ここも描き方、終わり方が絶妙。 映画化は知っていたので、途中から主人公を二宮に当てはめながら読んでいたが、イメージがぴったり。 映画も見ねば。 ★4.5
1投稿日: 2016.08.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画は観たような気もするけど、録画じゃなくて、たまたまやっていたのを流し見程度に、だったかもしれないw そんな訳で。 話は何となく知っているようで、ほとんど覚えていない状態だったので、どうなるんだろう? と引き込まれるように読みました。 秀一のやった事は、勿論、許される事ではないけれど、同情はする。 曾根に対しては嫌悪感しかない。さんざん好き勝手にしていたろくでなしのくせに、自分の事情だけで、櫛森家に居座り、更に迷惑をかけるとか、本当に屑すぎる。 もう少しだけ我慢できたら、秀一は手を汚さずに済んだのにね、というお話。
1投稿日: 2016.06.06
powered by ブクログざっくりあらすじは知ってたので、 結末だけが気になってなんか慌てて読んでしまいました。 読んでて思ったのは、主人公がほんと頭のいい子なんだなってこと。 家族思いでやさしく真面目な男の子。 ただその年齢ですごく勉強が出来ても、やはり子供なんだなと・・・。 完璧なのに、 でも大人の犯罪とは違う純粋さの残る甘い子供だってところが印象に残ります。 大人のようで大人でない微妙な年齢の思考を、 大人から見てそうと思える書き方が上手いなぁと思いました。 エンディングも子供だから、理性的な頭のいい子供だからこそ、 という終り方で納得でした。 そういえば、文中で青い炎は主人公のうちなる怒りの強さを表現していたけど、、 その青は、青春、思春期の青。 主人公の若さの青でもあったのでしょうかね? 考えたら上手いタイトルだなぁ(笑) 初めての貴志さんでしたが、 読みやすいし、ぐいぐい引き込まれました。 しっかりした文章で上手な作家さんだなぁと言う印象。 また機会があったら他も読んでみようかな。
0投稿日: 2016.05.18
powered by ブクログミステリーとしては、追い詰められていく様があまり描かれていないので、どうなのかな…とか思っていたけれど。 あとがきに、読者が好きになる犯人を書く、という目的があったと書いてあって、なるほどと思いました。 ヒューマンドラマなのですね。 映画から入ったけど、これも貴志さんだったんだ。 いろんなジャンルが書ける人なんだなぁ。
0投稿日: 2016.04.19
powered by ブクログ家族3人で平和に暮らしていたところに、母の元結婚相手が住み着きはじめ、家族を守るために殺人を犯す高校生の話。 完全犯罪を企てるミステリー小説という観点で読んでいたのだが、犯行現場に重大な証拠を残しまくり、2人目の殺人でも同じ所轄であろうエリアで2人も死に関わっていたら疑われない方がおかしい。2人目がもってた重要なブツの回収のことも考えてないし、事故死に見せかけるとか他のやり方があるだろ、とツッコミたくなった。一人目はあれだけ用意周到だったのに、2人目は詰めが甘すぎる。。。 が、アマゾンのレビューは青春小説として読んでいる人が多くて、そう言われればもどかしさもないかもしれない。いずれにせよミステリーとしてはちょっと不完全燃焼だと感じた。
0投稿日: 2016.04.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
謎解きではなく、犯人目線でのただひたすら終末へ向かう物語。タイトルにふさわしい虚しさ、高校生らしい青春すら香る展開になっている。
0投稿日: 2016.03.12
powered by ブクログ結局は家族のために、色々と行動した秀一。 貴志祐介さんの小説としては、 完璧な犯人ではないが、 人間らしい主人公だった。 最後は、切ない…
0投稿日: 2016.03.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
犯罪する側に寄り添いながらどんどん感情移入していき、どうか捕まらないでほしいと願わずにはいられなくなってしまう。第三者の視点ではただの心が曲がった少年の犯罪だし、被害者の家族の視点ではにっくき犯罪者なわけだけど、この2つの視点や感情が入り込む余地のない文体とスピード感がたまらなく良い。切なさとは少し違うが、終盤はもうどうにもならないやるせなさを感じ、自ら光を閉ざす選択をする主人公に泣けた。
0投稿日: 2016.02.29
powered by ブクログ母と妹を守るために、殺人に手を染める高校生の話。 どうしよもないだめ男だった母の再婚相手が、離婚後随分経ってからまた家に転がり込んでくる。 子供たちには詳しい事情を話さないが、母はその男に強い態度で出られない事情があるようだった。 それを見かねた長男が、家族がバラバラになるのを食い止めるために、男性の殺意外計画を立てる。 しかし、一度怒りの炎に身をゆだねてしまった者は、際限なく心をその炎に焼き尽くされてしまう。 成績優秀な主人公が立てる綿密な殺人計画、そしてその実行後に陥る苦悩。 純粋な心の葛藤を描くその様は、漱石や太宰の純文学にも似たところがあり、最後まで読み応えがあった。
0投稿日: 2016.02.28
powered by ブクログ切なく儚い青春小説。 母親と妹を守るため完全犯罪を企てる高校生の主人公。 この主人公の行動、考えがとても脆く感じました。 それゆえにとてもリアルな感じ。 サイコパス的な要素をもち、一方で家族を守りたい弱者的な要素も持つ主人公。後先を考えているような感じがありながらも考え方が一方的で自己的。まさに思春期の高校生そのものです。 ストーリーとしては、母親と妹の3人暮らしのところへ突如現れた義理の父親。傍若無人の父親により、3人の生活はめちゃくちゃに。警察も弁護士も頼れず、主人公は家族を守るためにこの父親を完全犯罪で殺害することを計画します。 そして、見事事故に見せかけて殺害成功と思いきや、旧友に現場を目撃され、脅されることに..追い詰められた主人公は、その旧友も同じように事故に見せかけて殺害におよぶ。 警察からの事情聴取、そして、参考人聴取とさらに追い詰められた主人公はどうなる?ってな感じのストーリ展開です。 おおよそ、この手のストーリは破滅に向かって一直線なわけですが、それに至る主人公の葛藤や思い、家族に対する愛情、恋人?に対する思いがひしひしと伝わってきます。 結局は身勝手な主人公なのですが、それが十代の思考回路なんだろうなぁって変に納得するところもあります。 青の炎とありますが、ある意味、高校生の青さ、未熟さ、若さ、それゆえの切なさ、儚さを感じる物語でした。
2投稿日: 2016.02.27
powered by ブクログ主人公の行き詰まり感が、随所で胸に迫る。思わず手を差し伸べたくなるような感覚。彼が背負い、立ち向かっているものはなんなのか、ラストへ向かう中で考えさせられる。
0投稿日: 2016.01.31
powered by ブクログ佐野洋氏が倒叙推理小説の名作リストの上位に挙げるほど評価している小説。倒叙推理とは、後から刑事が事件を暴くのではなく、犯人が犯行に至るプロセスを描き、その上で事件として究明していく手法で、犯人の心理をうまく引き出すことができると言われている。内容的には、青春ドラマっぽく描かれているが、推理小説を得意とする作家だけあって、深みのある作品になっているし、テンポの良さにもつながっている。
0投稿日: 2016.01.19
powered by ブクログ非常に頭の良い秀一が犯行を企て、実行し、その後苦悩する心理描写が丁寧に書かれていました。読んでいる最中はいたたまれない思いでしたが、最後はやっと苦しみから逃げられるようになった秀一にほっとしました。松本警部補が言っていましたが、秀一は良い友達に恵まれて羨ましいです。それにしても、警察なんかより妹や彼女の方が普段を知っている分、侮れないですね。
0投稿日: 2016.01.13
powered by ブクログ最近、貴志祐介さんの作品がよく映像化されてるので読んでみました。この本もかなり昔に映画化されていたような気がします。殺人の動機や方法は特に目新しいところはありませんでしたが、殺人を犯した後の心理描写に重点を置いているように感じました。この本を読んだら殺人を犯すより、犯した後の方が大変だということがよくわかります。事件を起こそうと考えている方に読んでいただきたいです。
0投稿日: 2016.01.11
powered by ブクログ倒叙推理小説=犯人側からの小説で、心理描写が非常に共感できる良作。 「やさしさ」から湧く殺意に同調してしまい、自分が入り込んでしまった。
0投稿日: 2015.12.13
powered by ブクログ中学の時に映画を観て即購入した本。映画での主人公は嵐の二宮くんで、ヒロインは松浦亜弥。 10年以上ぶりに再読。 推理小説の中でも犯人側からストーリーを描く倒叙推理という形式。 大切な家族を守るために、罪を犯す主人公。主人公が犯人なのに感情移入してしまうのは、心理描写を丁寧に書いていること、犯罪にリアリティがあるからだろう。 犯罪を犯した後に大切なもの(家族、恋人、友人)を失ったことに気づく主人公が切ない。主人公と恋人のシーンはまさに青春なので、余計に切なさを感じる作品。
0投稿日: 2015.10.31
powered by ブクログ2015年、51冊目は、甘口に過ぎるが、信用できる筋からの貴志祐介、お薦め3冊目(読む順まで指定あり)。 あらすじ:湘南の進学校に通う、櫛森秀一は高校2年生の17歳。女手一つで家計を支える母、友子、中学生の妹、遥香三人で、祖父母が残してくれた藤沢の家で暮らしている。平穏な暮らしに暗い影を落としたのは、かつての母の再婚相手、曾根であった。曾根は櫛森家で傍若無人の振る舞いをする。平穏な暮らしを取り戻したい秀一。しかし、何者もその助けにならないことを知った彼は、自らの手で曾根を葬る計画をたてるのだった。 「青い炎」は燃焼効率の高い、高温の炎。そして、「青」は、冷静、クール、冷たい……。また、若い、拙い……。そんなイメージカラーである。「顔が青くなる」などとなれば、怖れる、焦る、弱るをあらわす。この一冊はまさにイメージカラー「青」。 解説にもあるように、コレは倒叙推理モノであり、秀一がそれらの「青」を表してゆく。彼の曾根に対する感情はまさに「青い炎」。彼の性格、計画性は冷静でクール。一方で恋人に心許して、余計なコトを語ったり等、ツメの甘さが出てしまう、若さ、拙さ。後悔と今後への、怖れや焦り。といった具合に……。そして、オチ。このオチの、主人公の思考も「青い」。 既読の『黒い家』や『天使の囀り』とはずいぶんと趣の異なる作品。まあ、テーマも、ジャンルも異なるのだから、当然と言えば、当然。(読む順まで指定して)コレを薦めてくれた氏はホラー好きの自分に、ホラー系を2冊読ませておいて、コレで間口を広げさせたかったのかな?そぅでもなければ、倒叙推理モノは自分から手を出さないだろうから……。さて、氏の真意は如何に?まぁ、尋ねないのが、正解だろう。
0投稿日: 2015.10.29
powered by ブクログ母の元再婚相手を殺害しようとする高校生が描かれる。解説を読むと確かに倒叙ミステリーではある。ただ、家族を思う気持ちや、学校での生活などがミステリーというよりも青春小説に近い。 殺し方や隠蔽方法よりも心の動きを楽しむ小説だ。
0投稿日: 2015.10.27
powered by ブクログ貴志祐介作品が好きなのでストーリーとしては楽しく読めました。 でも主人公の少年にあまり魅力を感じない。 「青の炎」というのも、孤独の中に高温で燃える清閑の怒りではなく、まだまだ青い少年の義憤って印象。 家族のためだという行動の全てが、その実、相手の想いをまったく慮れてないというか。 そしてツメが甘すぎる。小難しいことを色々と謀略したわりに浅いところで緩すぎる。 なので、最後のオチも(これまた家族のためと言いつつ、全く見当違いに感じる)ツメの甘さゆえに、彼の思い通りにはいかなかったんじゃないかな。と都合よく考えています。
1投稿日: 2015.10.20
powered by ブクログ次頁への期待と不安から、どんどん読み進められる。 登場人物への感情移入がしやすく、それだけに、後日談を想像するといたたまれなくなる。
0投稿日: 2015.09.15
powered by ブクログこれもタイトルに惹かれて読んだ本。 映画化されていたんですね。どうりでレビューがおおいわけだ。 読後感は切なさかな。 主人公の秀一。母と妹を守るためにいろいろ格闘します。 母親の態度が疑問でしたが、後で一応の理由付けがありまあ納得かな。 一人苦しむ秀一の様子はハラハラ・ドキドキします。でもやっぱり高校生の飲酒は良くないな。まともな思考ができなくなる。だからこのストーリーが成り立つのかもしれないが。
1投稿日: 2015.09.15完全犯罪
完全犯罪なんてするもんじゃありませんが、読んでいると秀一を応援してしまってる。貴志祐介の今まで読んだ作品とはまた違った雰囲気でした。
2投稿日: 2015.09.03
powered by ブクログよどみなく引き込まれながら読んでいるけれど、同時にあまりにも具体的すぎる恐怖があって一気には読み通せない。 --- 主人公の、家族の、友人の苦しみ、優しさ故の言動があまりに切なすぎる。
0投稿日: 2015.08.31
powered by ブクログ2015/07/23 - 2015/07/28 櫛森秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との3人暮らし。その平和な家庭に、母が10年前に別れた男、曾根が現れた。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとする。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意した。自らの手で曾根を葬り去ることを……。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い
0投稿日: 2015.08.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
高校生が家族のために完全犯罪の殺人をする話。とても読みやすく、久しぶりに次から次に読んでいけた作品。主人公の気持ちが分かりやすく書かれていて引き込まれる。最後に主人公が自ら命を絶つという決断は高校生には重くとても悲しい。 家族のための決断にもかかわらず、主人公が後半は追い詰められていくことがこれまた悲しい。
0投稿日: 2015.08.07
powered by ブクログ二宮が映画に出てなかったら読めてなかったな。 能書きがおおすぎんよ〜〜。 エロいシーンが見たいです。
0投稿日: 2015.07.31
powered by ブクログ高校生の主人公が、2つの殺人を犯す過程が克明に描写されています。母親が、実父の死んだあととんでもない男と再婚した。暫くして離婚して音沙汰なかったのに、突然家に上がり込んでしまう。生活は一変する。暗く陰鬱な生活が続くのに耐えられなくなって、高校生とは思えない構想力で、完全犯罪を実行していく。
4投稿日: 2015.07.26
powered by ブクログすごく面白かったです。 結局、自分はどうすればよかったのか? という、主人公の葛藤がはっきりと伝わってきます。
0投稿日: 2015.07.02完全犯罪なるか・・・
家族を守るため,ある意味正義のための殺人を計画するところから始まります。 すこし冷めた学生生活を送っていたのに,この計画を進めることによって返って普通の青春を実感することとなります。 完全犯罪は達成されたのか・・・。
1投稿日: 2015.06.14
powered by ブクログ倒叙物のミステリーなので、最初から犯人は主人公である櫛森秀一とわかる。 ごく普通の高校生が、なぜ殺人を犯さねばならないのか。 ここが重要であるために、倒叙物のミステリーとしては比較的犯行に及ぶまでが長い。 母の元夫、つまり自分の元義理の父親をなんとかして排除しなければならないと思う理由はわかる。 酔って、暴力を振るって、家から金を持ち出して…。 家族全員が恐怖におびえながら生活しているのだ。 秀一自身は曾根から殴られることがあったが、それだけなら我慢できたはずだ。 曾根が母や妹に暴力、それも性的な暴力をふるうのではないかという脅えが、秀一を犯行に走らせた。 『切ない』 この作品が映画化されたときのコピーに、この言葉が使われていた。 『切ない』 確かに。 秀一はあくまで家族を守るために犯罪を犯した。 曾根さえいなければ、こんな犯罪を犯す必要はなかった。 確かに。 でも、私はちょっといらっとしちゃったんだよね。 母親の、何もしなさぶりに。 秀一がわざわざ弁護士に相談して、家に来てもらうことまでしているのに、それでも何もしなかった。 なぜこういうことになったのか。 いつまで我慢することになるのか。 今後の見通し。 このどれか一つでも、母が秀一に打ち明けていたら、この殺人は起こらなかった。 秀一は家族の中のたった一人の男性だったかもしれないけど、家族の安心を守るのは、母親である友子の義務だ。 曾根の事情を知っていて、秀一の思い詰めた様子を知っていて、そのうえで何もしなかった友子の罪は重いと思う。 あと、金銭感覚がちょっと違和感。 曾根と離婚するにあたって、秀一の祖父は老後の蓄えのほとんどを差し出したという。 だから家族旅行などしたことがない、と。 その割に、秀一のお金の使いっぷりが高校生離れしていると思うのだ。 車が3台入るような広さのガレージを、自分の部屋とは別に持っていて、そこでパソコンをしたり、絵を描いたり、金属加工したり…。 粗大ゴミから拾ってきて、自分で手直しして使っているということだが、それにしても貧乏臭さはない。 隠れて飲んでいる酒は、バーボンだし。 コーヒーもインスタントじゃないし。 通学に使っている自転車だって、フレームとフォークだけとはいえ、高級品だし。 殺人を犯すための先行投資だってなかなかの金額だ。 私書箱を借りたり、大人のふりをするためにスーツやらワイシャツやらネクタイやらムースやら…。 法医学の本を買い集めること、数万円分。 週1~2回のコンビニの深夜バイトで、どれだけ稼いでいるのよ。 そんな感じで、ちょっと引き気味に読んでいたのだけど、曾根を殺してからが俄然面白く読めた。 誰にも知られていなくても、まず自分が事実を知っている。 自分は犯罪を犯したかもしれないけれど、ほかにどうしようもなかったのだ。 何度自分を説得しても、見る夢は悪夢。 一度転がしてしまった玉が、どこまでも落ちていくように、秀一の運命も止めようもなく転がってしまう。 秀一は曾根に対して恐怖だけを感じていたわけではないと思う。 曾根のような(自分の欲望だけで生きている)人間に対する、生理的な嫌悪があったのではないか。 そして、衝動的な犯罪に対する忌避の感情。 それらのことから秀一は、理性的な人間として犯罪を犯し、隠ぺいしようとしたのだ。 本当は衝動的な犯罪の方が、計画的な犯罪より罪は軽いのだけど。 理性でそれを無いことにできると思ってしまった。 その幼さが切ないと言えば、言える。 理性だけではどうにもできない、どんどん追い詰められていく秀一の感情描写が秀逸。
1投稿日: 2015.05.30おやじの犯罪
最初は正義の心で始めたことが、坂道を転がるように思わぬ方向へ・・・。やがて引き返せないところまで追いつめられてしまう。その起承転結が、貴志氏の作品らしく、非常に綿密に説得力をもって描かれている。 主人公は非常に早熟で聡明な高校生である。この高校生を描く際に、貴志氏はまったく手加減をしていない。彼を子供として描くのではなく、一人の大人として、一人の完成された人格として描いている。 夜中にバーボン101をあおり、カラスミの味を知っており、古典を愛し、何についてもウンチクを語る。そして同級生の心理を熟考し操る。深夜のコンビニバイトしかしてないのに、バンバンに金を使う。 読み進めていくと、やはりどうしても親父臭が激烈に漂ってくるのが残念である。 主人公が早熟な高校生を通り越して子供っぽい親父になってしまっている。それで、なんとなく滑稽な感じがしてしまった。
1投稿日: 2015.04.20
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昔映画で見て、なかなかよかったのを思い出して 原作を読んでみました。 たとえ「そうするしかなかった」場合でも やっていけないことなんだよね・・・ 頭のいい子だけど、心が子供過ぎたのか。 頭が良いがゆえに起きた事件だけど・・・・。 所詮は子供でしたね。 そこまで追い詰められて、転がっていく様が 切なくて苦しくて悲しかった。 極論過ぎる考え方は、いまどきの子供なのかな。 追い詰められていく心情がリアルで 読んでいて苦しくなる・・・そんな意味で怖い本でした。
0投稿日: 2015.04.13
powered by ブクログ兎角切なく悲しい小説。 悪の教典と同著だったとは!驚き! 櫛森くんが考えていたようなパラレルワールドだったらどんなによかったか。 本編がそのような雰囲気だった為、あとがきを読んで少しほっとしました。
1投稿日: 2015.03.28
powered by ブクログクラスメイトに貸してもらいました。 もちろん嵐ファンの私としては、映画を見る前に…という思いで読んだ作品でした。 でも、これは嵐が出てるから~とかじゃなく、店頭でたまたま見つけて、読みたかった作品です。 完全犯罪の裏は、憎しみだけではない、愛情の物語。 秀一の紀子の淡い恋も、犯罪によって消えてしまう… 本当に、面白かったです!
0投稿日: 2015.03.28
powered by ブクログ普通の推理小説とは異なり、犯人が犯行を決意し、完璧と思えた完全犯罪が崩れていくという初めから犯人が分かっている倒叙ミステリー。犯罪に手を染める人間の心情が巧みに描かれ、非常にスリリングでした。
0投稿日: 2015.03.23
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後半につれ、秀一がだんだん追い詰められていくシーンではなんだか自分までもが胸が苦しくなり、いたたまれませんでした。読了した瞬間も言いようもない虚無感と寂寥感におそわれ、しばらく苦しかったです。小説を読んでいて、何度も思ったのが「殺人は決してしてはいけない」ということでした。 はじめはすこし変わった高校生だった秀一が、人を殺すことでいとも容易く残忍な人間になっていくことが恐ろしくもありました。いまの少年犯罪のありかたをどこかで示唆しているようでもありました。 読了した今でも、終盤にかけて出てきた大門の言葉は忘れられません。
0投稿日: 2015.03.23
powered by ブクログあぁなんだか救いがない。一人で背負ってしまったんだなぁ。大人目線では、母と元夫の関係も違う見方ができるのになぁ。知識面では賢すぎる秀一、精神面では一人の足掻く子供だったのに、受け止める大人に母親すらなれていないようだった。
0投稿日: 2015.02.13
powered by ブクログ取り返しのつかない道へと、底なし沼のように沈んでいって、苦しくなった。すばらしい文才、さすが貴志祐介さん。
0投稿日: 2015.02.11
powered by ブクログどんどん泥沼にハマっていく様子がリアルで怖かった。ただ内容うんぬんではなく、主人公のラストが好きではない展開だったので★3で。
0投稿日: 2015.02.01
powered by ブクログ追い詰められていく感じの本は苦手…… 貴志さんの本は、善人と悪人がはっきりしているのがいいというか、客観的な描写がほの暗さを誘うというか。
1投稿日: 2015.01.16高校生(未成年)の犯罪過程にぐいくい引き込まれるストーリー仕立て。最後はこれで良いと思うが、もう一工夫があっても。
才気煥発な高校生・秀一の完全犯罪を狙った2つの殺害方法が、かなり現実的で面白かったが、それにもまして秀一の心の葛藤を描く場面が良かった。少なくとも第一の殺人は究極の選択として、私自身でもこのような選択がありかなと思う。第二の殺人については自己防衛の我儘以外の何物でもないが、人は一度悪事を働くと、後は際限なく繰り返すものなのだろうか。最終的に、秀一に宿った青い炎は、彼自身に向けられた。同級生・紀子、妹・遥香の健気さが切なく、今後の彼女らの人生に幸多かれと祈る!
1投稿日: 2014.12.02
powered by ブクログ殺人を犯せるかどうかは技術的なものと考えていた高校生の主人公が、二つの殺人を通じて精神的に徐々に追い詰められていきボロが出始める姿が切なかった。 最後の選択は家族を守るというより自分を黒い感情から解放したいがために行ったかのように思えた。
0投稿日: 2014.11.09
powered by ブクログ何が善いのか、何が悪いのか。 ただね、同じ母の立場で言うと、こんなラストは悲しすぎる。 お母さん、もっと他に道はなかったの?
0投稿日: 2014.11.09
powered by ブクログ映画を視て、小説を読んで、再び映画を視て、という繰り返しに耐え得る、或いはその過程に意味を持たせることのできる小説。残酷なくらい爽やかな17歳という響きに、海辺の風が凪いで、せつなさにどうしようもなくなる。片方だけでも成り立つけれど、両方あるともっといいっていう
0投稿日: 2014.11.09
powered by ブクログ孤独とか悲しみとか完全犯罪とか、胸が熱くなるキーワードが散りばめられていますが、キーワード自体にそれほどの深みはありませんでした。 ヒリヒリの精神状態とか、胸が張り裂けそうな悲しみとか、絶望のどん底というようなものではなく、一般的な高校生の悩みの延長という感じです。高校生の稚拙さを表現するためにわざとそうしているのかもしれませんが、高校生がバーボンを常飲してるとか、アングラサイトで薬物購入とか、中二病表現が多すぎのような気もします。 黒い家や悪の教典、天使の囀りに比べると胸くそ悪い感が足りませんでしたが、一気読みできる青春サスペンスとして楽しめました。
1投稿日: 2014.11.07
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新世界よりで貴志祐介さんを知り、2作目に読んだのがこの青の炎。新世界よりとはだいぶ毛色が違いますが、新世界より同様、とても楽しませてもらいました。あのゴミ以下の人間が存在しなければよかったのに、、、とどうしても思ってしまいます。でもそうすると、遥香が生まれてこないんですよね、、、難しいところですね、、、。
0投稿日: 2014.11.04
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一気読みでした。 「一度火をつけてしまうと、瞋りの炎は際限なく燃え広がり、やがては、自分自身をも焼き尽くすことになる」 という言葉で、ラストの予想はつきましたが・・・
1投稿日: 2014.10.22
powered by ブクログ計画緻密な殺人計画が小さな所から壊れて行ってしまう。そんな所がスピード感良く描写されていて短時間で読めた。
1投稿日: 2014.10.22
powered by ブクログ秀一の家庭、友人、そして大切なあのこに対する熱い思いが文面からひしひしと伝わってきます。 もし自分が秀一の様な家庭環境だったらと考えると、決して彼のとった行動を否定できません。 最期は愛する者の為に。。。
2投稿日: 2014.10.21
powered by ブクログ倒叙小説。 一般的な推理小説と違い、はじめから犯人がわかっているため犯人の心理描写が細かく描かれていて面白い。 殺人方法もかなり考えられていて完全犯罪を成し遂げようとする主人公の真剣さが伝わってくる。
0投稿日: 2014.10.19
powered by ブクログ櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。その平和な家庭の一家団欒を踏み躙る闖入者が現れた。母が十年前、再婚しすぐに別れた男、曾根だった。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとしていた。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意する。自らの手で曾根を葬り去ることを……。 徹底した倒叙推理小説。ひたすら秀一が哀れで。結果は明らかにされないけど、無事に終わっているといいと思ってしまう。しかし頭良いな。ザ・厨二!って感じの自意識、知識が余計に秀一の青さと幼さをうまいこと表現していると思う。 映画を見よう。
0投稿日: 2014.10.14
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普通の高校生が殺人を犯し、倫理が崩壊し、ずぶずぶはまっていく様を描いた作品。作者は犯人の視点から事件を描くのが好きなようだけど、この作品は「悪の教典」と比べると地味かなと思う。
0投稿日: 2014.10.01
powered by ブクログどこかの見知らぬ誰かの身に起きたこと、と高みの見物が出来ない。馬鹿だなあ、とか、こうすればよかったのに、と気軽に思えない。怖い。
0投稿日: 2014.09.15
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主人公の心理描写が巧み。 殺人を犯した以降はバッドエンド一直線の雰囲気満載で暗い気分になるけど最後まで一気に読まされる。
0投稿日: 2014.09.12
powered by ブクログ何が正しくて何が悪いかなど相対的なもの。 ただ、どんな理由であれ人を殺していいことなど何もないんだろうね。いろいろ考えさせられた。
0投稿日: 2014.08.14
powered by ブクログ読み進めるのが辛かった。いい友達に恵まれてるのにもっと違うやり方があったんじゃないか。残された妹と母の事を思うと結末が辛い。
0投稿日: 2014.08.07正義とは何か
高校生が家族を守るためにと犯罪に手を染めてしまう。 ラストには言葉に詰まってしまった。
5投稿日: 2014.07.08
powered by ブクログ瞋りの炎は際限なく燃え広がり、やがては、自分自身をも焼き尽くすことになる。 優秀な高校生、秀一が家族を守るために犯した罪。そうするしかなかったと同情し、暴露ませんようにと応援してしまうが、やはり天網恢々である。
0投稿日: 2014.06.29
powered by ブクログ家族の為に罪を犯してしまう、少年の目線で物語が進んで行きます。 その罪を犯したのを知りながらも知らないふりをする彼女や家族もきちんと描かれていました。 最後にとった、少年の行動は以外と思わせると共に、私が中学生の時に読んだのでショックがとても大きい作品でした。
0投稿日: 2014.06.17
powered by ブクログ頭脳は大人、だけど精神は子供のままの高校生。 すごく頭がよくて、やさしくて、行動力がある。途中までは、櫛森がやっていたことは正しいと思っていた。一人目までは。 でも、もちろん人を殺した主人公に待っていたのはバッドエンド。さいごの決断が正しいかは分からない。けど、全体的にかれは自分の精神状態と、周りの人の本当の気持ちというのが分かっていなかったのだとおもう。 大切な人を傷つけないために自分がどう行動すべきか、改めて考えさせられる。自分に頼るのか、あるいは人に頼るのか。
1投稿日: 2014.06.13
powered by ブクログ家族を守るために、人殺しをしてしまった主人公。読者も途中まで主人公の行いを正当化してしまう者もいるだろう。しかし、どんな理由にしろ、人を故意に殺した人間の末路は暗く精神的に耐えがたい状態に陥るのだと、作者は語る。
0投稿日: 2014.06.12
powered by ブクログ母と妹との幸せな生活を取り戻すため、殺人を決意した主人公。 二人のためには絶対に捕まってはいけない。 高校生の完全犯罪。 映画化もされて話題になった作品。 殺人を考える主人公の苦悩に胸打たれます。 これほどまでに切なく哀しい犯罪者はいません。
0投稿日: 2014.06.08高校生が挑む完全犯罪…なんだが…
完全犯罪の立案、準備、実行…と、 次はどうなるのかと、ぐいぐい読ませる内容は さすが、貴志祐介氏の作品である。 けれども、主人公には共感できなかった。 アル中?の高校生 10年ぶりの再会なのに、10日で犯行計画? 自分は相手を殴ることもできないのに、同級生には 家庭内暴力をけしかけたり、柔道技をかけたりする。 ラストにしても、 相手にも家族や大切な人がいるだろうに… と、憤りを感じてしまう。 若さ故の過ちなのか、他人を見下す賢い高校生が、 自己中心的な考え方で破滅への道を突き進む。 10代、20代のまだ若い自分が読んでいたのなら、 感情移入できたのかもしれない。 歳を取り過ぎたのかな? でもこの作品、作者が40歳の時に書かれている。 犯罪の正当性を感じさせて読者に同情させるのか、 疑問視させるのか、作者の意図に混乱してしまった。
8投稿日: 2014.05.25
powered by ブクログ動機は違うのだが、石川達三「青春の蹉跌」の主人公とこの主人公はよく似ている。勉強のできる自意識の高い奴だ。もっともジュブナイル風の友達関係の描写が、むき出しの主人公の個性を薄めて、エピソードや殺人方法にフォーカスがあたるようになっている。
0投稿日: 2014.05.22
powered by ブクログドキドキハラハラするミステリーってことで読んでみたけど、ミステリーというより…高校生の青春小説。 主人公は頭がいいけど、やっぱり高校生らしいとても小さな世界に生きてて、葛藤してる感じがものすごく伝わってくる。殺人という解決策しか見出せない状況も、やけに大人ぶってるところとかも、どこかにこんな高校生が本当にいるんじゃないかなという感じ。 紀子との関係が切なくて、青春小説みたいだった。
0投稿日: 2014.05.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
殺人などを物語の序盤に記す形を倒叙推理小説という。犯人の犯行に至るまでの心理描写が描けるところが利点だ。今回の『青の炎』も倒叙推理小説の一つだ。高校二年生の櫛森秀一が母の友子と妹の遙香を離婚した父親である曾根から守るために殺人を起こす。貴志裕介さんの巧みなところは犯人の殺人への動機や登場人物の心理描写を強い説得力をもって読者に読ませることができるところである。言い換えれば、まるで本当に小説の中の人物が現実にいるようにみせることができるのだ。私が『青の炎』で好きな部分は櫛森秀一が犯人であることを薄々感じつつ、それでも彼を警察から守ろうとした紀子や大門、そして母の友子に妹の遙香、彼らの秀一への感情の機微だ。心理の揺れがとても絶妙に表現されていたこと。また、紀子が雨の中、秀一を家の前で待つシーンは素直に印象深かった。
0投稿日: 2014.05.10
powered by ブクログ秀一( ; ; ) 父親殺しのお話。 中島敦の山月記、夏目漱石のこころが登場。 読了してたのでより楽しめた。 先日行った江ノ島の情景描写に親近感持てて楽しい。エスカーとか。 二宮さんの映画とリンクする部分多い。あややの紀子は原作の方が強気で好き! 映画観ると無性に江ノ島に行きたくなる。 ロードレーサー乗りたくなる。
0投稿日: 2014.05.08
powered by ブクログ倒叙型ミステリ、好き! 私、完全犯罪物というよりも、少年犯罪物というよりも、青春物として好き。。。 切な過ぎて読了後ボーッとしてしまった。
0投稿日: 2014.04.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
青春時代のさわやかさが感じられる推理小説だった。題材は主人公による2件の殺人事件と一見残酷だが、彼の境遇を考えると共感できるような部分もあり、特に後半のほうでは物語の躍動感もあって惹きこまれた。また、心理描写や背景描写が繊細であるため、主人公の視点でこの物語の行く末を辿っていけるところが、本作品の醍醐味でないかと感じられた。
1投稿日: 2014.03.29
powered by ブクログこれほど主人公に肩入れして読んだ本はないかもしれない。 主人公の一挙手一投足にハラハラドキドキし、 どうかそんなことをしないで、逃げ切れ、幸せな将来を得て欲しいと思いながら読んでいた。 読んでから何年経っても、主人公の別の未来についてふと考えるときがある作品です。
0投稿日: 2014.03.28
powered by ブクログ家族を守るために完全犯罪を計画する高校生の話。 葛藤の過程、突発的な混乱、徐々に追い込まれていく焦りなど、 心情が細かに描かれ、読んでいるこっちが苦しかった。 悪のような人間がいたとして、一般人の有効手段は存在するのだろうか? マスコミへの露見は本当に表面では?裏の話の真実は…? いろいろと考えてしまう。 最後の行動に自分の愛する人を守るためにとったもの…難しいな。 しかしながら、小説自体の終了はバッドエンドなのかよくわからない。 私自身は、もやもやが残っている。
1投稿日: 2014.03.10
powered by ブクログ思春期であれば、ハマったであろう小説。緻密なトリックと物語の構成は見事! 年を経た今となっては、主人公の青さがただただ鼻につく。 ゲーム感覚で行われる殺人、中二病満載のコードネーム。最後の行動は自分の犯した罪から逃れたかっただけのように感じた。
0投稿日: 2014.02.20
powered by ブクログ主人公は犯罪者なのに応援したくなる話。結末は予想通りとの声が多いが、あとがきには作者が読者の心情に応えた形とある。
0投稿日: 2014.02.18
powered by ブクログ当事者じゃなかったなら何も殺さなくてもよかったんじゃないのかって簡単に言えてしまう。 自分だったら家族を護れただろうか、自分だけ逃げるんじゃないだろうかって考えると最期まで家族を守ろうとした主人公に私は何も言えなくなる。
0投稿日: 2014.02.10
powered by ブクログ中盤までだらだらと読み進める感じで中弛みもしたけど、ラスト切なくて、でも切なさがこのお話の良さなんかなぁと。バッドエンドは好きじゃないけど、この終わり方以外ありえへんかも
0投稿日: 2014.01.22
powered by ブクログ一番最後の行動にとても驚いたけれど、 自分の愛する人を守るために始めた 計画であったのだから、そうなって しまったのかな。 雨が好きというのは、自分のなかの 青い炎を抑えてくれるからなんだと 思う。 普通の小説でこのような結末だと もやもや感が残るけど、 この小説はとてもすっきりした。
0投稿日: 2014.01.12
powered by ブクログ青の炎に焼き尽くされていく主人公の心理描写がとても繊細に書かれています。読んだ当時私も高校二年生でしたが、まるで自分が体験しているかのようにブルーな気持ちになりました。
0投稿日: 2014.01.11
powered by ブクログ知らなかったとは言え、もう少しが待てなかったが為に自ら悲劇を引き起こしてしまった秀一。 ただ母と妹を守りたかっただけなのに、罪を重ねてしまう羽目に。 死体が人目にふれてしまう場合の完全犯罪は机上の空論に過ぎにない物かも知れないな。 最後は自らの生命を手放すことによってしか母と妹を守れないと覚悟を決めてしまうラストがなんともいえない哀しさをかもしだしている。
0投稿日: 2013.12.11
powered by ブクログ美しいです。舞台が近所なので親近感が湧くというところもありますが…。完全犯罪という美しき芸術がこの一冊に詰まって儚く崩れていきます。映画も大好きです。
0投稿日: 2013.12.06
powered by ブクログ最初の出だしは論理的に進んで良かったが、うっかりと完全犯罪が崩れて、どんどん稚拙になっていくのが悲しい。結末もなぁ…、結局そうなるかぁ、という感じ。 それが人間らしさ、ということで、物語としてはよく出来ているかもしれませんが。
0投稿日: 2013.11.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ラストがなぁ。ハッピーエンドではないとおもってたけど。。。でも、まわりのみんな(警察も紀子も拓也も)感がよすぎるよね。秀一のトリックもせっかくこだわっているのに証拠隠滅がずさんすぎるわなあ。。。これって映画化してるけどこのボリュームでいけたんかな
0投稿日: 2013.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ラストが良かった。 少年は悪人でないからこそ最後の行為は切なく罪深い。 また、作中通して心理描写が秀逸でリアリティーを感じながら読むことができた。
1投稿日: 2013.11.04
