
総合評価
(1034件)| 372 | ||
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powered by ブクログ小説で描かれる地域を想像して読むのが好きなのですが、江ノ島や湘南の情景が感じられました。高校生らしく青春を盛り込みながら、家族のため完全犯罪を緻密に計画する主人公をつい応援したくなった。この本で倒叙小説という言葉を知りました。
0投稿日: 2025.11.12
powered by ブクログ読んだのは高校生の時。読後のなんとも言い表せない気持ちが心地よかった。自分がフィクションに求めているのはそれ。
1投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログあらゆるものの描写が丁寧でリアリティがあった。読者を納得させる動機と仕掛けで殺し、それがあっけなく暴かれるという展開は虚しさが残る。情状酌量付いたかもしれないのに……
1投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
巻末の解説にもある様に本作は倒叙推理小説である。ブクロブの過去評価を一瞥しても自分は倒叙推理が好きなのだと思う。確かに刑事コロンボや古畑任三郎を好んで良く見てました。 主人公の秀一ほど物事が明快に分析、理解出来ないがその才覚など拓也は羨ましかったと思います。プリッツやスティンガー凄い作戦名! しかしこんな天才もプリッツ後の血圧計を見逃すなど伏線沢山あり、山本警部補との心理戦もハラハラしながら読みました。 紀子みたいな恋人も羨ましい。鍵を託しても半年経ったら貸私書箱開いちゃうんじゃ?などと考えながら右にハンドル切った後どうなったのか。考えさせられます。
1投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログ青い炎に焼かれてしまう高校生のお話(?)。 家族のためにとある殺人計画を実行し、そこから負の連鎖へと繋がっていく。高校生ながら酒を飲んだりしていて、なかなかにダーク感あった。詳細な殺害方法も、ちゃんと失敗するのでマネしないようにとのあとがきあり。 舞台が江ノ島周辺ということもあり、親近感が湧いたが、殺害を計画するという点で流石に共感性はまったくなかった。 基本、殺害計画とその実行が主題となり、その傍で家族友情恋愛などが絡まってくる青春作品であった。 殺人という青春、というのもなかなか素晴らしい(?)ことかもね。
1投稿日: 2025.10.04
powered by ブクログ心理描写やシーンの描写が細かくて、読んでいるこちらが冷や汗をかきそうになった。 全体的に面白くてサクサク読み進められたが、いわゆるイヤミスと言われる、後味のあまり良くないミステリーは好みでないかもしれない。
1投稿日: 2025.10.03
powered by ブクログ頭の良い高校2年生の秀一が、家を巣食う母親の元夫を殺す計画を立てていくことから始まるお話 殺人は1回で治まらず⋯というところは想定内だったけど、心理描写が丁寧で思わず秀一に感情移入してしまう 恐らく時代背景は平成前半かな? 現代だと、秀一のようにたくさんの書籍を買い集めて殺人方法を模索することはないんだろうなぁ⋯
0投稿日: 2025.09.29
powered by ブクログ家族3人で暮らす平穏な日々が元親の父が家に戻ってきたことによって陰鬱な日々に変わってしまう。 そこで高校生で息子の秀一は完全犯罪の殺人計画を練っていくのだが、その作戦の立て方や葛藤など緻密に書かれていて読んでいくほど、主人公の気持ちに入っていって面白かった。 殺人後の葛藤、家族や友達への愛情など、どんどん引き込まれて、すぐに読み終わりました。 最後は辛すぎる結末だけど、それだけに印象に残る小説でした。
0投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
終始スリルが伝わる描写で寝る前に読んだら、寝れなくなるほどだった。 昔映画を見た時とはまた違う感想を持った。本当にこの方法しかなかったのか。この結末しか無かったのか。心を引き裂かれるような思いだった。 主人公は母と娘を父親から守りたかった。なのに最後に選ぶ結末は、誹謗中傷よりも辛いのでは、と家族の気持ちを思うと辛い。紀子の気持ちも思うと辛い。 頭が良いように見えるけど、所詮は高校生らしい未熟さ。若いからこその選択。 一回目の殺人は家族を守るためが始まりだったけど、2回目は自分を守るため。だけど、2回目もしないと計画が崩れてしまう。こうやって人は罪を重ねるのか。 追い詰められるとはこういうことかと、読みながらも苦しくなって引き込まれた。 2日であっという間に読み終わった
1投稿日: 2025.09.16
powered by ブクログ初めて貴志祐介さんの本を読みました。 主人公の気持ちが伝わり、ハラハラしまくりました。山月記や夏目漱石のこころの引用は、 普段だと飛ばすような箇所でしたが 主人公の心情とマッチしているため、珍しく読むことができました。。 著者の他作品も読みたくなるそんな1冊でした。
0投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログ一言一句全てに目が離せないほどの巧みな描写表現で最後の30ページくらいは鳥肌が立ちっぱなしだった 最高の作品
1投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公は17歳の男子高校生。倒叙推理小説。 自分のためにではなく、自分の愛する人のために殺人を思い立ち、行動する。その上での彼の考えが面白い。それと同時に自分自身が殺人を実際にしているようなドキドキ感。物語に入り込みすぎて、読むのに体力を持っていかれた。物語の途中で主人公の秀一はミスもありながらも、自分の行動は正しかったと言い聞かせる場面がある。自分はそんなこと言えないだろうなと思った。最後もそんな終わり方をするんだ?!とついつい残りのページをめくってしまった。
0投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログコントラストが抜群。 海面に太陽が反射しきらめく由比ヶ浜、快晴の夏、甘酸っぱい恋…青春の全要素を詰め込んだ生活の中に、殺人の影が色濃く映える。 その罪さえ犯さなければ、そのすべてがこの手の中にあったのに。 人を殺した事実が人生のすべてを闇へと引きずり込んでしまう。 とろ火に焼かれながら一歩ずつ、しかし確実に破滅へと進んでいくさまは息が詰まる。 臨場感のある、リアルで素晴らしい読書体験だった。
1投稿日: 2025.08.29
powered by ブクログ●家族を守るため父殺しに手を染める少年。綿密な計画による犯行。警察の捜査に追い詰められる中、少年の出した結論は……。
0投稿日: 2025.08.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最後が切ない、ようやく手に入れた幸せも束の間、無え失せる。自分が犯罪を犯した罪悪感から周りの人を遠ざけてしまうやるせなさ、犯罪がバレたとしてもバレなかったとしても救いのない展開。
2投稿日: 2025.08.08
powered by ブクログ自分の正義としての行為が取り返しのない行為となり、自分の正義を守るために、嘘を重ね、取り返しのつかない事態へと最愛なる人達を導く! 悲しい物語でした。
3投稿日: 2025.08.07
powered by ブクログ表紙の青の綺麗さにすら泣けてきます。 綺麗な景色、町並みの中で一人の少年が心に抱えるものの重さが切ない…… 私の中でかなり上位に入る好きな本になりました。 映画も観たくなりました。
1投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログAmazonで「ミステリーとしては凡庸だが青春小説としては良い」との趣旨のレビューを見たが、言いえて妙である。「完全犯罪」を目指すストーリーでありながら、トリックは穴だらけ。しかしその事自体が、結局のところ主人公はいくらか賢くても無力で未熟で、本当は守られるべき子どもに過ぎないという重要なテーマの裏返しになっている。あえてエピローグなどを置かない結末も鮮烈で切ない。
0投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
血のつながりのない母娘はこの後も義理の父(祖父)の家で暮らしていくのかなと読み終わった後最初に考えました。どうしてこんなことになるんだ、完全犯罪のまま勝ち逃げして欲しかったー。 嵐の二宮くんが実写をしていることを今初めて知りました!イメージに合いすぎててめちゃくちゃ悲しい
0投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
倒叙作品として高校生の家族を思う気持ちが詰まっいて良かった。 その分、2回目の殺人は単に第三者にバレてしまったから衝動的に犯してしまったものであり、だからこそラスト自殺という形で終わらせるのは違うんじゃないかと思ってしまった。
1投稿日: 2025.07.29
powered by ブクログこの本は私が小学生のときに買った本で、当時はわからないなりに読んでいました。 大人になってから読み返して、こんなシーンがあったのかとか、あれはこういう意味だったのかとかを再認識しました。 実は結末を覚えているけどそれに対する動機は忘れた状態で読み進めていて、最後の主人公の決断が切なくて、主人公はただ大切なものを守りたいだけだったのにな…とやるせない気持ちになりました。 倒叙形式で書かれているので、普通のミステリー小説とは異なり、常に主人公目線で話が進んでいきます。
1投稿日: 2025.07.22
powered by ブクログ心に響くものは、、 あまりなかったです。、 まず、主人公の高校生が頭脳明晰の理系の学生で、計画をたてる際にいちいち数式がでてくるが、文系の私にはなんのことやらさっぱりです。 その割に、成績も上位とは言えそこまでというツッコミどころが、、。 高校生でそんな思考ができる時点で、あなたコナンくんですかという感じなのに。 設定に一貫性がなくよくわかりませんでした。 それから、ナイフの件にしろ、どうでも良いマニアックな内容にページを割いていて、正直読み飛ばしました。要らないと思います。 ボリュームある本ですが、核となる部分はあまりなく、上述したようなどうでもよさそうな所が多いです。 ストーリー的にも、忌むべき相手が心理的に怖いものではなく、ただのモンスターのような感じで子供っぽいストーリーをみているように思えてしまいだんだんと萎えてしまったためこの評価です。
0投稿日: 2025.07.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本作は、倒叙形式で描かれる青春ミステリーでありながら、その枠には収まりきらない深い魅力を持った作品。高校生・櫛森秀一が、家族を守るために“元父親”を殺すという一線を越え、完全犯罪に挑む姿を描いた本作は、犯罪と青春、理知と未熟、正義と破滅といった対立するテーマが鮮やかに交差する、傑作ミステリー。 本作の最大の特徴は、犯罪と学生生活が密接に絡み合っている構造にあります。殺人計画を練る主人公が、授業で学んだ物理や化学の知識を実際の殺害方法に応用し、証拠の処理やアリバイ工作もまた、学校という“日常”の場を巧妙に利用して実行される。その一方で、クラスメートとの軋轢や恋愛感情が、犯罪に思わぬ支障をきたす場面も多く、日常と非日常が境目なく混ざり合っている。 秀一の行動は、どこまでも冷静で理知的でありながら、どこか未熟で脆い。そのバランスを象徴するのが、彼が用いるトリックの数々。 例えば最初の殺害「ブリッツ」では、寝ている標的に電流を流して心室細動を起こさせるという科学的な殺害方法を用いつつ、そのアリバイ工作は、授業の合間に全力で自転車を漕いで往復するという力技。このギャップは、秀一という人物の“聡明だが未熟な高校生”という側面を見事に描き出しています。 2件目の「スティンガー」もまた同様です。コンビニ強盗に見せかけた殺人であり、親友を巻き込み、監視カメラの死角で本物のナイフを使って殺害する。という計算された冷酷さと突発的な力技で行われる殺人は、秀一の追い詰められた精神状態を表しているようでした。 しかし、『青の炎』は単なるトリックの巧さに留まりません。根底にあるのは、どうしても守りたいものの為に、道を踏み外していく少年の物語です。家族への愛情、拠り所となる学生生活。日常を守る為に重ねてきたはずの殺人が、かえって彼の日常を燃やし尽くしていく姿は、あまりにも切ないものでした。 青春の光と闇を同時に抱え込んだ本作は、単なるミステリーに収まらない。一人の少年の内面的な成長と破滅を描いた成長小説であり、避けられない運命へと突き進む悲劇でもある。緻密に練られたトリックの面白さと、切なくも鮮烈な青春の輝きを同時に楽しめるという、稀有な読書体験を得られました。
0投稿日: 2025.07.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
母子家庭で育った聡明な高校生が、DVを行う父親が自宅に居座り込んだのを機に完全犯罪を企てる物語。 元も子もないことを言うが、ミステリー故に完全犯罪は成立しない。悪は必ず暴かれて報いを受けるのはこの小説も例外なく。 ただ、その中でもこの小説の面白さは常に殺人犯側の視点から全てを語っているところだと思う。計画や人間的な不完全さがありつつ、実行し、追い詰められ…という流れに何故か感情移入してしまう仕組みが素晴らしい。 自分自身が現場にいるわけではないので「なんで、そんな憎んでるんだっけ?」となることもあるがラスト含めて、物語として面白い。
1投稿日: 2025.06.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公が完全犯罪を目指すサスペンス物語。 罪を犯しているにも関わらず主人公に思わず肩入れしてしまい、バレないでくれ!というハラハラが止まらなかった。 主人公が完全犯罪を目指す理由が興味深かった。当たり前だが警察に捕まれば今後の人生に多大な影響を与える。犯罪が露見すればまともに生きていくのは難しくなる。周囲の視線は変化し、不自由な生活、社会的名誉の喪失など様々な社会的制裁を恐れるのは多くの人にとって自然な利己的反応だろう。 しかし本作の主人公はずっと母と妹に迷惑が及ばないことばかり考えていた。完全犯罪でなければ家族は白日の元に晒され、個人情報が世に出回る。複雑な家庭事情も影響していたが、それ以上に主人公が一貫して利他的に動いていたことが読者を物語に引き込む大きな要因だと思った。利他的な行動は物語の最後まで貫き通し、予想外の結末を迎える。しかし、主人公の最後の行動はもしかしたら罪の意識から芽生えた利己的な判断だったのかもしれない。罪が自分の精神を蝕むのは相手への同情でも良心への呵責でもない。記憶なのである。罪を犯した時の一瞬一瞬の記憶が主人公を苦しめたのであろう。
0投稿日: 2025.06.25
powered by ブクログ最初、家に何者がいるのかわからなくて、ずっとドキドキしてた。 続きが気になって、一度読み始めたらどんどん読み進めてしまった! 完全犯罪になるかも、バレちゃうかものハラハラ感が止まらなかった。 伏線回収も見事。
0投稿日: 2025.06.18
powered by ブクログどうしようも無かった。 で済ませてくれ!って思いました。 途中、我慢できず映画をみちゃいました。 話の主人公と映画の主人公、しっくりきてるよな。 誰か秀一を救って欲しかったな。 悲しいけど、読む手は止められませんでした 。凄い物語でした。
0投稿日: 2025.06.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公ら学生で、家族を守るために殺害計画を立てて実行する これを読んだ当時は私も学生で、すごく切なさの残る話だったように思う。 記憶が既に曖昧ですが、やりきれなさが心に残っていて貴志さんの小説はこの時に初めて読んだけど 怖さよりも犯人の心情を考えてしまう話だった。 映画化もされていて、小説を映像にするのは賛否両論分かれると思うが映画も良かったので観てほしいと思った作品です。
1投稿日: 2025.06.03
powered by ブクログこれすごく面白いと言うか切ないというか重たいんです。キャピキャピした青春じゃなく、私が求めていた友情人情深い青春ストーリー。 とても泣けます。。
13投稿日: 2025.05.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
もう戻れない道を選んでしまったことを後悔していくシーンはかなり辛かった。ラストも中々救えない終わり方だったけど、身を疾駆していったのは謎の爽快感だった。いつもの貴志祐介さんの、ゾワゾワ恐怖が湧き上がってくる感じではなかった。まあ、主題がホラーやミステリーではないからそうなんだけど。この上なく気持ちいい終わり方とか、そういったことではないんだけれど、最後まで家族を守るために行動した主人公の姿はとてもかっこよかったし、美しかった。
0投稿日: 2025.05.24
powered by ブクログ工作部分のレトリックと流麗で読み易い文章が良かった。追いつめられていく心理描写の流れや、癇癪的な行動も納得できて、上手かった
0投稿日: 2025.05.10
powered by ブクログ高校生が父親を殺害しなければならなかった話。 主人公の心の描写がとても良くて。この作品で貴志祐介を知った。
0投稿日: 2025.05.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
家族のために殺人を犯す高校生。 生々しい殺人計画と冷静な行動が怖かったけど、家族思いな部分もあって切なくもある話だった。 こんなに頭がいいならぜひ違う方向に関心を向けてほしかった…
7投稿日: 2025.05.03
powered by ブクログ今まで他のミステリーでは、犯人と、探偵または刑事が次々とトリックが暴かれていく過程が、とても快感でそれが目的で読んでいた。 しかし、今回ばかりは、殺人犯の秀才高校生・秀一の完全犯罪がどうか暴かれませんように・・・・と 犯人が完全犯罪を成し遂げられますように。と本気で思った作品。 以下ネタバレです ↓ 物語の過程では、授業の内容含め、自分でも研究し、一見「完全犯罪」が成立しそうな展開ではあったが、そこは警察のプロ。わずかな疑問点から、秀一を問い詰める。 曽根殺害後、母親に連絡する前に警察に連絡したのが、疑惑を持たせる原因だったのではないかと思う。 読み終わってみると、やはりスキのある犯罪であったが、17歳という若さでここまで、自分の力だけで、犯行をやり遂げた秀一を応援したい気持ちになる。 母と妹を守りたい。その一心で決行した殺人。 そして17歳の少年をここまで追い詰めた責任は母・友子にあると言いたい。 遥香の実父だったとはいえ、幼い秀一に暴力を振るった時点でアウトだろう。 即・警察だろう。 そこを出来なかった友子は一生反省してほしい。 山本警部補のするどい尋問に恐怖を感じた。 結末は、自分が殺人犯だと公に発表されるのを防ぐため、交通事故を装った自殺を決行するような結末で終わるが、 大怪我で済んで、生還し、逮捕され数年の服役生活を経て、 大門や紀子と再開し、人生をやり直してほしいと思った。 生きてたらどうとでもなるから。
0投稿日: 2025.04.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
倒叙小説としても青春小説としても味わい深い話でした 曽根が本当に嫌なやつすぎて後半真相が明かされても全く同情する気はおきませんでした。 でも殺人はダメだ、やっぱり そういう意味では私は秀一くんとは真逆の感性かもしれません。
2投稿日: 2025.04.28
powered by ブクログ主人公の櫛森秀一は、湘南の高校に通う17歳の高校2年生だ。 実の父親は、幼い頃に交通事故で亡くなっていて、母親と妹の遥香と3人で穏やかに暮らしていた。 そんな平和な家庭に、母親が再婚して直ぐに離婚した曾根という男が突如家庭に加わった。 曾根は昼間から酒を飲み、金をせびり、家族に暴力を振るう日々だった。 極めて傍若無人な性格で、母と強制的に関係を持ち、妹にまで危機を感じさせる行動をしていた。 なぜ母は甘んじて曾根の同居を認めるのか、秀一は納得することはできなかった。 不満を母に伝えると、もう少しの間だから我慢してくれと繰り返すばかりだった。 その内に秀一は、何とか曾根から母親と妹を守らなければならないと強く思うようになる。 そして最終解決方法として、秀一は曾根を「強制終了」させる完全犯罪を実行することを決意する。 そのために秀一は優秀な成績を収めている学業に加え、完全犯罪を遂行するために綿密な計画を立て、法医学書や科学書などを買い揃え、化学式を基に実験などを繰り返して警察に不審死と認められない方法を徹底的に模索・追求する。 ⧱ ⧰ ⧱ ⧰ ⧱ ⧰ ⧱ ⧰ 読書中、高校2年生の能力でここまで調べ上げることが可能なのかどうか、疑問を抱きながら読み進むことになるのだが、現代の児童たちの大人擬きのような受け答えをする場面を思い出し、可能かも知れないなと強制的に納得しながら読み進んだ。 読み進む途中、何で母親は秀一の「何で曾根の同居を許しているの?」との疑問に応えなかったのか、何で妹の遥香は曾根から伝えられた秘密を兄の秀一に相談しなかったのか、そこがちょっと物語として引っ掛かるところだった。 その秘密は終盤になって理解できるところとなるのだが⋯
10投稿日: 2025.04.14
powered by ブクログ主人公のしたことは褒められることではないけれど、きっかけは家族を守るためにしたこと。 主人公サイドで進んでいくから心情もわかっているし、どんどん追い詰められていく展開に胸が苦しくなる。 最後ののりことの会話なんて切なくてやるせなくなる。個人的にはかなり胸に残った作品。
7投稿日: 2025.03.30
powered by ブクログ秀一は家族を想って殺人を犯した。曽根の存在に苦しまされていたのは事実だけど、弁護士1人だけでなく他に頼れるものがあればと思わずにいられない。そうすれば秀一は人を殺してしまったという念に苛まれずに済んだかもしれないのに。本当に殺すしか方法がなかったのだろうか。秀一はラストで苦しみから解放されたかもしれないけど、残されたお母さんと遥香は、曽根から解放されたのも束の間、今度は秀一を失った悲しみに苛まれてしまうのでは。もっと他に方法があればと悔やむばかり。やるせない作品だった。
1投稿日: 2025.03.29
powered by ブクログ良かれと思って、ってある事だけど、重く切なかったな。自分は賢いから絶対にバレないと思うタイプでは無いはずだけど、どこかにそんなところがあったのだろう。
0投稿日: 2025.03.22
powered by ブクログ倒叙推理小説と意識して読んだのは初めて。この言葉も初めてこの本が教えてくれた。最初の感想は凄い今の日本の現実を突きつけられたと思った。法や警察。動ける、動けないに対して悪いとか良いとかそういう話じゃない。様々な視点の色々な思いが複雑に絡み合って起きてしまった事件。 やっぱり主人公秀一はとても人間らしいなと感じた。賢いからこその頭の中の計算と現実のギャップに慌てふためく姿。その時々に生まれる葛藤。決断。そして最後まで支える紀子の真の強さ。以前救われたからこそ救いたい思い。私自身も紀子の励ましで、最後の秀一と共に苦しみから解放された。この選択が私を本当に楽にさせてくれたと思う。最終的に良かったと感じさせてくれた。 景色の描写が事細かく書かれていて、これに2ページも費やしているのかと驚いた。(もちろん主人公の心情も込みでだけど長い!)それでもわりと続きが気になり過ぎて、早く読めたかな。 初めて貴志祐介さんの作品を読んだ。もっと色んな作品を読もうと思わせてくれた1冊。
1投稿日: 2025.03.16
powered by ブクログ倒叙ミステリーの緊張感がしっかりと表現されてて、常に追いかけられている不安感を味わえる作品。 家族を守りたかった彼の優しい心を知っているだけに、じわじわと追い詰められる恐怖感が非常に辛い内容。 彼の優秀な工業技術が失われるのは非常にもったいない。
0投稿日: 2025.03.13
powered by ブクログ(備忘)とにかくやりきれない。。もしニュースで本作の事件が報じられてて、それを見た私は犯人の高校生に対して、犯人の高校生を色眼鏡で見るだろうし、ましてや同情なんてする事ないんだけど、どうしようもなく追い詰められてやってしまった人も沢山いるよな。。そんな人に寄り添いたいと思ったし、そういう人が救われる世の中になればいいなあと思う。けど、何でもかんでも情状酌量って訳にもいかないよなあ。。みんなハッピーになれたらいいのに。と、色々考える作品でした。
4投稿日: 2025.03.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
やっていることは許してはならない事なのにどうしても捕まるな、と犯罪者側を支援してしまう倒叙ミステリー。秀一を奮い立たせる動機が彼の中の優しさや家族愛から来るもの故に倫理と法を天秤にかけているようだった。しかし、年相応の思考が時折感じ取れることから全部が全部彼が正義とはならないその読者と秀一との隔たりがおもしろかった。まるで秀一に乗り移ったかのようにハラハラするが、ふとそれを俯瞰してみる自分もいる、そんな感覚に陥った。
0投稿日: 2025.03.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
周囲の友人を少し見下したような、自分は他人より賢いと思ってそうな主人公が、じわじわと首を絞められていく様子がすごくリアルに書かれてて面白かった。完全犯罪を目指した2つ殺人計画が、結局は穴があり警察に突き止められてしまうというところも、すごく子どもらしいというか、青さを感じた。 でもこの主人公の凄いところは、徹頭徹尾「家族を守る」を貫いたところだと思う。ラストは泣いてしまった。 友人たちが警察に嘘の証言をした場面では、主人公同様驚かされた。そこまで大切に思ってくれてる友人がいることにもっと早く気がついていたら何か変わってただろうか…。家族や級友たちとごく普通の幸せな人生を送って欲しかったなあ。
0投稿日: 2025.02.19
powered by ブクログ青の炎が、またたく間に青春を焼き尽くす、、、普通に生きられなかった少年の悲しみ・後悔が、痛いほど感じられる。終わりは、とってもさっぱり。
0投稿日: 2025.02.07
powered by ブクログとても面白かった 主人公の葛藤と心情を分かりやすく書かれている 主人公が高校生ということもあり、学校の勉強の中からヒントを得たりする部分や思考回路が好き
1投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
真面目で優等生な男の子が、家族を守るために殺人を犯してから狂っていく話 ちょっと物語が読めるというか単調なところがあったかも
0投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログ青い炎。それは、赤い炎より温度が高く、強い思いがある。こんな倒叙ミステリーは、初めて読んだ。倒叙だからこその主人公の感情が生き生きと描かれ、こちらまでひやひやする感じ、暴かれていくときのドキドキが恐ろしい。優しい思いゆえの行動に憎めない主人公。こんな本が書ける貴志さんが恐ろしい。
1投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めて小説で泣いた。久しぶりに長い小説読んだけど長いなんて感じなかった。家族を守ると正義感の溢れる秀一と秀一を一途に思う紀子との描写は何故かいつも切なさを感じた。自分でトラックに突っ込んでいくのは勇気のいることだったと思う。けれど最後まで家族を守り抜くことを考える秀一をかっこいいと思った。
1投稿日: 2024.12.30
powered by ブクログ17歳の高校生が家族の幸せな生活を守るために、母親の元再婚相手の殺害計画を企てる。完全犯罪を狙い緻密に計画立てられていくその過程からも目を離せずに一気読みだった。普通の高校生活を送っていた1人の青年が、どんどんと深みにハマっていきそこから抜け出せなくなっていく。感情を揺さぶられる作品で読む手が止まらない。文句なしの作品。
3投稿日: 2024.12.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
貴志祐介氏の作品は『悪の教典』、『黒い家』などホラーやバイオレンスのイメージが強いが、そのどちらとも毛色の違う作品。 皮肉なことにこの作品は、作中で秀一が好きだと語る倒叙ミステリーの形を取っている。捜査一課の山本刑事に徐々に追い詰められていく様はまさに古畑任三郎のよう。そして、完璧に思えた犯行にもそこかしこに綻びがあり、同級生の拓也にも弱みを握られてしまう。だが、そうやって追い詰められていく秀一を、特に二つ目の殺人以降読者は心のどこかで自業自得だと思う部分もあるのではないだろうか。確かに秀一は母と妹を心の底から守りたいと思い、それが行動原理の全てとなっている。ただしそれ以外の部分に目を向けると、常に人を見下し利用できるものは何でも利用する、基本的な倫理観もどこか欠如している。思春期だから、と言える枠組みを超えてしまっている人物なのは間違いないだろう。だがだからこそ、家族のこととなると取り乱してしまい、いつもは斜に構えているのに曾根と対峙すると手も足も出せず歯噛みする様にこちらの感情も揺さぶられるのかもしれない。賢くて冷静で、大人顔負けに頭が回るにもかかわらず、それでもやはり子ども故に取れる策が限られているからこそ「殺す」という道しか選べなかったのだろう(もちろん、法律的な部分に曾根が精通していたこともあるが) 踏みとどまれる局面、後戻りできる局面はあったはず。だがその一歩を踏み出せば、後は地獄に転がり落ちていくだけ。「本当に殺すしかなかったのか?」否定することは決して許されない自問自答を死ぬまで繰り返すことになる。どれだけ背伸びをしてみても、どれだけ達観しているつもりでも結局は過ちを犯してしまった一人の人間。 作中で秀一が「死んだ方がいい人間は、確実に、この世に存在する」と述べる。巷で起こる凶悪な犯罪を見るにつけ、程度の差こそあれこのような考えを持つ人間は私も含め少なからずいると思う。だが秀一が「屑」と呼ぶそんな人間であっても、殺してしまえばもう元の自分には戻れない。 ようやく自分自身と紀子に向き合えたラストがあまりにも切ない。
0投稿日: 2024.12.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ページ半分で、最も憎む人を殺害し、残りページ半分で何が起こるのかとハラハラした。 主人公の犯罪が徐々に周囲に気づかれて後に引けなくなり、進み続けるしかなくなったところに覚悟を感じた。 しかし、殺害準備の描写が長かったり、最後の自殺に関しては、自分には合わなかった。
0投稿日: 2024.12.16
powered by ブクログ怒りに燃え盛り、自らの肉体をも焼き尽くす青い炎── 読む側の心にまで延焼してくるような、安全圏のない小説だった
1投稿日: 2024.12.08
powered by ブクログ高校生が完全犯罪を企て、実行する。 かなり秀才で冷静な彼だけど、どうしようもない問題に阻まれ「殺人」という手段を選ぶ無念。 一歩そちら側へ踏み出してしまうと戻れないような感じが『山月記』と重ねて描写されている。 徐々に犯罪が暴かれる様子に苦しさを覚えた。 被疑者側に感情移入をしてしまう物語です。
2投稿日: 2024.11.24
powered by ブクログ貴志祐介さんの本は初だと思う。 面白くて487ページもあったけど、あっという間に読んでしまった。 ただただ平穏な暮らしを取り戻すための犯罪であり、家族を愛すればこそというのがわかりすぎるから読んでいて、主人公に肩入れしてしまう。 最後は悲しかったな。
1投稿日: 2024.11.02
powered by ブクログジャンルは推理小説のはずだけど、心に残るのは主人公の秀一の家族を幸せにするための色々な思考や葛藤や感情。 自分のことより他の人のことを考えた行動が中心にあるから、ミステリーのハラハラだけでなく、ヒューマンストーリーを読んだ後の余韻も感じられる。 心に残る大好きな1冊になった。
3投稿日: 2024.10.27
powered by ブクログ切なかった、ラストは涙が出そうだった 一貫して主人公目線だったので状況が混乱することなく終始分かりやすかった
1投稿日: 2024.10.26
powered by ブクログ正直読んでいてすごく辛かったです。 主人公の置かれている状況や人を殺すに至った経緯など、気持ちもとてもわかるのがすごく辛くて目を覆いたくなるような気持ちになりました。 最後のラストも辛く。ただ、ひたすらどうしたらこうならないラストにできたのだろうかと自問するばかりです。 本当に名作です。ただ、再読はするのが辛いです。
1投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログ家族との平凡で幸せな生活を取り戻したいだけだったのに…どんどん悪い方へとはまっていってしまう…どうすれば、回避できたのか。 とても切なくなりました。 もしもあの時、と顧みる主人公に泣けます。 赤い炎よりも高い温度で燃える激しい怒りの炎。 「青の炎」
1投稿日: 2024.10.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
Kindle評価が高く人気だったから読んだけど、私にはあまり合わなかった。途中から主人公を嫌いになってしまったからかも。殺された側の人生ももう少し知りたかったと感じた。(特に石岡くんが家族を殺したくなるくらい憎んだ理由) 最後は平凡に終わらずハッピーエンドでもなく後味残って良かったけど、実際あれでいいのだろうか。紀子にも家族にも迷惑かかるんじゃないかな。てかトラック運転手も不運すぎる迷惑かけすぎてかわいそう(笑)
0投稿日: 2024.10.16
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倒叙ミステリーは初めて読んだかも。 (もしかしたら読んでいるかもしれないけれど。) 最後まで読んで、 これほどまでに切ない殺人者がいただろうかといういろんなところでみた紹介文が染みる。 秀一のような優秀で行動力のある人間が、 こうした未来を選択せざるを得なかったことが辛い。 あまりにも辛い。 少し違えば何もなかっただろうに、歯車が噛み合ってしまったことが悲しい。 物語としてはとても引き込まれて 毎日隙間時間を探しては読むような一冊だった。
2投稿日: 2024.10.07
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3人の友人たちが尋問で嘘の証言をしたことがわかった辺りから最後の最後まで号泣でした。一番最後のシーンも、まさかそこで終わるとは思わなかったので驚きました。何とも惨い結末で言葉にならない⋯非常に面白かったです。
1投稿日: 2024.09.30
powered by ブクログ主人公の通っている高校が、自分の通っていた高校の近くの地域で、学校と家をロードバイクで往復する場面など、ハラハラしながらも懐かしさや湘南の海の景色を思い出しながら読みました。また、私は大学でロードバイクにも乗っていたので、焦る気持ちなどを抑えつつ淡々とペダルを踏み込む感覚もありありと感じることが出来、没入出来ました。
1投稿日: 2024.09.29
powered by ブクログ17歳の夏、法の下では得られることのできない、 母と妹との生活の平穏を求め、たった1人で 完全犯罪に挑んだ高校生の倒叙推理×青春小説。 少年が掛け間違えたボタンをどこかで直してくれる大人が近くにいれば…と思わずにはいられず、最後のシーンは哀しみが残りました。 主題が暗い作品ですが、山本警部補や紀子など、脇を彩る面々も魅力的で、理系の知識が盛り込まれた内容も面白かったです。 (それだけに、映画版を鑑賞した際は少し残念にも思ってしまいました。。)
11投稿日: 2024.09.25
powered by ブクログ未成年の犯罪というのはやはり未熟さが出るなぁと言う感じがする。 歳を取ると1年がとても早い。いろんな不条理にも我慢をしたりなんとなくかわす方法を知っている。 あと少しの我慢ができていれば殺人は起こらなかったのに… ただ、母親しだいでどうにでもなるのに!とも思えた。
11投稿日: 2024.09.20
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こんなに優しくて優秀な少年を守ってあげて欲しい。家族のために殺害することを決意し実行した彼は優秀なため、完璧な犯行だった。そして、2回目の犯行も大丈夫なはずだった。だが、感情が邪魔だった。少しの綻びから崩れていく場面はただただ苦しかった。そして、彼はまだ少年だ。こんなことを背負えるわけがない。だから、最期を選んだのかな。
5投稿日: 2024.09.02
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母親と妹を守るために一人孤独に悶々と曽根を強制終了させる事に悩む秀一に同情したし、終わり方が辛かった。作者の曽根を強制終了させるシーンの緊迫した空気感の表現は素晴らしいものがある。
2投稿日: 2024.08.26
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犯罪に手を染める時、罪を犯す時、ダメだとわかっている、引き返せないとわかっている。しかし罪を犯してしまうのが人間の性。 しかし世の中には同情せざるを得ない事件を時々目にする。この物語もそのうちの一つ。 ただ自分と家族の平和のために自分の全てを懸けた秀一。しかし自分の身を滅ぼしてしまっては何にもならない、本末転倒になってしまう。 恨む、復讐する、人が1番やってはいけないこと。人が人を裁くことは禁止されている。なぜなら青い炎が自分を焼き付きしてしまうからだ。 頭の良い青年の思考が非常に興味深い。青年はこんなことを考えているのか、女性を、友人をこのように見ているのかと、自分との思考の違いに驚いた。しかし青年でなくても、大人の男性もこのように思考しているのだろう。それもまた面白く興味深く愛おしい。
3投稿日: 2024.08.23
powered by ブクログ初めからボタンをかけ違えてしまい、途中間違いに気付いて挽回するポイントはいくつもあったのにあえて見過ごして生きてきてしまったことは誰しも経験があるでしょう。最期は最悪のシナリオとなることは初めからわかっていましたよね?でも途中もしかしたらと淡い期待を抱いてしまうのが人の定めなのでしょう。自分もそうです。
1投稿日: 2024.08.13
powered by ブクログ高校生の主人公がやむを得ない理由で殺人を計画し実行する。その過程と事件後を描いた倒叙ミステリー。 どうしようもない状況でとてつもなく悲しくなるお話でした。主人公が高校生とは思えない思考と行動でちょっと現実味が薄かったです。
11投稿日: 2024.07.20
powered by ブクログ大変好きな作品でした。 倒叙ミステリーになりますが、救いのない状況で1人問題を解決しようとする姿に儚い気持ちになります。 物語冒頭からすでに極限の状態で、危険な考え方を持ってしまっています。しかし、主人公はただ「元の生活に戻りたい」「家族と昔のように幸せに過ごしたい」という思いの一点です。 読まれていない方は是非、お読みください。
2投稿日: 2024.07.04
powered by ブクログ母と妹を守る為に、家に転がり込み居座り続ける母の元夫に完全犯罪を企てる高校生の物語。 犯人視点のみで描かれてる倒叙ミステリー。犯罪者側の心理描写が詳細に描かれているので、警察に徐々に追い詰められるシーンは読んでいて自分も苦しく辛くなった。 普通の高校生が殺人を犯してしまうほどの激しい怒りの心理描写は秀逸で感情が揺さぶられた。そして選択を間違えどんどん悪い方向へ転落してしまった少年の運命に喪失感を感じた。 少年がした事は決して許される事ではないが、愛する者を守ろうとする故の結果だけに、ラストは切なくてやるせない気持ちになった。 印象的だったのは“山月記”の引用。少年の心理や状況が見事にリンクしていて1番心に響いた。
33投稿日: 2024.06.23
powered by ブクログ倒叙ミステリーだが、コロンボみたいに警察あるいは探偵が頭の良い犯人を追い詰める、といった痛快さを楽しむものではなかった。 やむにやまれぬ理由で殺人を計画し実行する主人公の心理描写がリアルにこちらの心に突き刺さってくる。単なる虚構とは思えない切実感がある。 もし、自分だったらどうするだろう?と。 完全犯罪を達成するための準備段階では、高校生ではあるがインターネットに精通した主人公が医学、電気などの知識を詳細にリサーチしながら殺人計画を完成する。 作戦は成功かと思われたが、結局、いいところまでは行くが、突如現れた目撃者や、想像以上に有能な刑事の捜査により、計画は破綻していく。 最後は、母、妹、同じクラスの紀子たちへ注ぐ主人公の深い愛情がたまらなく切ない。 結局、こういう結末しかなかったのだろうな。 胸が締め付けられる物語で、読み終わってもしばらく考え込んでしまう。そんな余韻のあるミステリーであった。 貴志祐介は、「硝子のハンマー」が良いと聞いたので、次回はそれを読んでみようと思う。
40投稿日: 2024.06.16
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オーディブルにて。 倒叙推理小説はあまり読んだことないけど、確かに犯人の心情も同時進行で示されるのはこの手段でなければ難しいだろう。 その分どんでん返しとかはないけども。 正体、幻夏、容疑者Xの献身にあげるような切ないミステリーが好きなので選んだけど、やはり倒叙推理小説は私には合わないかも。 主人公やその友人の爽やかさが強く、逆に曽根がどんなに嫌なやつかという描写が少ないので、全体的に青春小説のような爽やかな小説。でも切ない。 願わくば完全犯罪により悪人が消え、幸せな未来が見たい、けども話としては勿論、ね。 ハッピーエンドか、もっと心を抉るぐらい(犯人に感情移入するぐらい)切ないバッドエンドにしてくれ。
0投稿日: 2024.05.31
powered by ブクログ母と妹を守るため17歳の少年は殺人に手を染める。犯したことへの罪悪感と恐怖で少年の日常は徐々に崩れ始める。心を病んでいく少年のもがきが伝わってきて苦しくなる。高校生の少年が殺人を犯すまでの過程が苦しく結末も想定内だけれど、ただただ遣るせなく切ない。幸せだったあの頃のまま時を止めてあげたい。
0投稿日: 2024.05.20
powered by ブクログ貴志祐介さんの作品はこれが初めてになります。 完全犯罪を企てる際のひらめきの数々や、その計画を実行する描写は見ものですが、同時に恋愛模様や家族愛も描かれており、これ一冊で何度も〝おいしい〟小説です。 特にこの作品の魅力として、読みやすさと親しみやすさがあると思います。 難しい言葉は使われておらず、だからこそ分かりやすくて想像しやすい。 そして舞台となる地方、主人公のおかれている環境ともに、多くの人々が親しみやすい物語。 物語は淡々と進んでいくのですが、気づけば自分が主人公となり、殺人計画を企て、手にかけているような錯覚に陥ってしまい、息が詰まるような、スリリングな読書タイムを余儀なくされます。 なんとも遣る瀬無い後味の悪さもまた、この手の作品が好きな人には堪らないのではないでしょうか。
0投稿日: 2024.05.16
powered by ブクログ愛する者たちを守ろうとする想いが見境を失わせ 迷いながらも戻れない道を進んでしまう 一度火がついた瞋恚の炎は自分をも焼き尽くす 若さゆえの浅はかさや妙な自信がとてもせつない
21投稿日: 2024.05.12
powered by ブクログ重い。かなり浅はかですが、同情もできるし、不運でもあるがあまりに悲しい。かなり聡明で賢いからこそ、最悪の所までいってしまった。読後感のどこにもっていっていいか分からない気持ちが最悪です。
3投稿日: 2024.04.09
powered by ブクログ面白かった。 貴志祐介さんの作品は初めてだった。 いわゆる倒叙形式で完全犯罪のシナリオが描かれていく。 前半はなかなかのっていけなかったが、だんだん次がどうなるのか気になって引き込まれた。 でも、ラストがなにかもっとひねりがあるのかと期待していたけど、わりとすんなりと終わったので拍子抜け感があった。
2投稿日: 2024.04.06
powered by ブクログ計画がどうなるか、めちゃくちゃハラハラした ミステリーというよりかは、だけど 人間関係とか心情がりあるで切なかった
0投稿日: 2024.04.05
powered by ブクログ家族を守るため完全犯罪を計画する高校生 無事に成し遂げたかとおもったか、ささいなことから綻び始める その決意する心理から、その後の心理描写まで一気に読んだ 余談だがホラー系かと思ったが、サスペンス系の作品だった 貴志祐介の作品は読後感は重めになるが、また読みたくなる不思議な魅力がある
1投稿日: 2024.03.25
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1人目の殺人を決意する瞬間の心理描写が迫力あって好き。 殺す以外の解決策が無いのが貴志祐介の作品らしい。。 結末は全く納得できない。 家族の幸せを思って、2人殺して自殺することで、かえって不幸に突き落としてる。
1投稿日: 2024.03.24
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犯人の視点のみで描かれる倒叙ミステリー。母と妹と三人で平和に暮らしていた高校生の櫛守秀一は、ある日突然別れた母の元夫が無理矢理居候し、傍若無人の限りを尽くす様子を見て、このままでは家族が滅茶苦茶になってしまうと悟った彼は、完璧な完全犯罪を計画していくことになる。完璧だったはずの殺害計画が予期せぬミスや思い違いで綻びが生じ、徐々に追い詰められていく様子は読んでいて胸が痛くなった。ラストの主人公の決着の付け方は賛否両論あると思うが、彼の家族や恋人への想いを考えたら妥当な終わりかただと思った。(だとすると警察が迂闊すぎるというかやらかした、とも捉えられるが…)
2投稿日: 2024.03.20
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なんてことだ! めっちゃくちゃ面白かった! なんで今まで読んでこなかったんだ!! 貴志さん好きの 1Q84O1さんとyukimisakeさん 二人のおすすめ本 ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 湘南の高校に通う17歳の櫛森秀一。 シングルマザーの母と妹と暮らす幸せな家庭。 家族の平和を壊す男が 櫛森家に居座るようになったのは十日前……。母にお金をせびり、酒乱でギャンブル中毒。その男は母の別れた夫。なぜ母は男を追い出そうとしないのか…。 自分たちはいつまで男の存在に怯えながら暮らさなくてはいけないのか。 秀一はある決断を下す。 「俺は、どうしても、この男を『強制終了』させなければならない」 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 貴志さん本人も大好きだという倒叙ミステリー。 この作品の主人公の秀一は 同級生たちより少し大人びていて頭脳明晰。殺るなら完全犯罪をと綿密な計画を立てる。 けど普段の彼は 友達に変な渾名を付け 妹に宿題を教え 母を助け 好きな子とデートとも言えないデートをし…。普通の男子高校生。 この設定が本当に秀逸! 始めはきっと妄想でしかなかった殺人。 いざ相手の心臓を止めるスイッチを手にして恐怖で怖気付きそうになる場面や、警察の捜査にどこまで自分の精神が持ちこたえられるか不安になる場面。 本当に完全犯罪は成功するのかというドキドキと共に、秀一の苦しみも伝わってきてなんと言いえない気持ちになる。 特に 石岡を殺してしまった第二の殺人の後からの展開がすごい。てか、石岡の家族の悩みとあのナイフを ここで持ってくるってさ! 「自分は、これから、どこへ行くのだろうか。そう思うと猛烈な悲しみが襲ってきた」 「強烈に胸に迫っているのは、底知れぬ喪失感と虚無感だった」 用意周到に行われた殺人。 一方で殺人を犯した事実に耐えきれなくて パラレルワールドではなにごともなく幸せに暮らしているんだと現実逃避する日々。このギャップが切ない!秀一も普通の高校生で普通に一生を終えるはずだったんだよなぁって。 家族想いで 友達想いの秀一。このまま闇に堕ちてしまうのか…。 辛い結末しか見えてこない状況で、訪れる紀子と結ばれる時間とか…。笈川と大門との友情とかっ…! ( ߹ㅁ߹) それであのラスト二行ーーーー!! もうダメだ。やられた。 もっと他の選択肢があったんじゃないかなんて、 このどうしようもない気持ちを どこに持っていけばいいのかわからない。 読了後 暫くたってからも このラストシーンを思い出しては悲しくなってる。ってことは やっぱりユキが言ってたように「これ以上のラストはない」んだろうなぁと思った ゥゥ。・(つд`。)・。 最高の倒叙ミステリーで 最高の青春小説⟡.·*. 【一度火をつけてしまうと、瞋(いか)りの炎は際限なく燃え広がり、やがては、自分自身をも焼き尽くす】
35投稿日: 2024.03.11
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凄く面白かった。ドキドキ感もあり素晴らしい。練りに練って考えた手段で、完全犯罪を目論む主人公。熱い家族愛から殺人を引き起こす負連鎖。 高校生らしい濡れ場なんかもあって、本当に良い作品。実写化していて、嵐のニノが主人公だそうだ。
19投稿日: 2024.03.01
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主人公が殺人という沼に嵌っていく。 今まで犯人は誰だ?系の小説を読んでいたからか、犯人視点の繰り広げられ方は初めてでした。 人を呪わば穴二つなんだなと。 家族思いな主人公が歓喜したり落胆したり 一人目ができたから二人目も…とエスカレートしていく様は炎が燃え広がっていくことを表現しているようでした。そして最後は自分も燃え尽きてしまった。 報われてほしい気持ちもあったけど、やはり自分を騙すことはできない。一番傷ついているのは自分自身でその状況に置かれて苦しそうで自分の首を自分で閉めてしまった切なく青い物語りでした。
2投稿日: 2024.03.01
powered by ブクログ主人公がいろいろ考えて進めていく計画、そしてその後の展開からラスト全ておもしろい。 もし自分が同じような立場になればどうするんだろう。どのような選択をするんだろう。考えてしまう作品でした。
4投稿日: 2024.02.27
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貴志さんの作品で一番好きな作品。 主人公が家族を守るために完全殺人を犯す。 完全犯罪に見えたが、徐々に追い詰められていく主人公の描写にドキドキした。 言葉を選んで話す主人公にこちらも固唾を飲む。 最後に湘南の青い空が思い浮かんだ。
0投稿日: 2024.02.13
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最初は主人公のかっこつけ感が気になったが、家族を大切に思う様子などで次第に好感が持てた。 最初はなかなか読み進められなかったが、石岡の件の辺りからは勢いがあってスピーディーに読めた。 最後の終わり方のやるせなさが少し辛かった。この後に残された人たちのことが気になる。
1投稿日: 2024.01.25
powered by ブクログ完璧だと思った犯行。嘘を突き通すために崩れだす日常。この先でいい展開になることはないと思いながら読む手がとまらない推理小説。 破滅が待ってるというのに鎌倉×高校生ってシチュエーションがまたやるせない。出てくる登場人物の気持ちが伝わってくるから余計に切ない。そして終わり方もせつない。読み終わった後にこんな終わり方ってと思わされる。もう20年以上前の作品だけど今読んでも色褪せない名作だと思う。 記憶消してもう一回読みたい。
14投稿日: 2023.12.27
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秀一は愚かだ。 周りのことが全然見えていない。 それに全く完全犯罪ではないし、特に2件目の殺人なんかは設定がガバガバすぎる。 妹や紀子のことを信用せず振り回しまくってこの結末。最後逃げた。残されたものの気持ち考えていない。 結局独りよがりな頭でっかち高校生の物語。
2投稿日: 2023.12.16
powered by ブクログ家族を守るため、罪を犯してしまう少年のお話。 優しく勇気があり頭もいい、でもある意味愚かゆえの犯行に悲しさを感じてしまった。
2投稿日: 2023.12.15
powered by ブクログ終始辛い真相も結末も辛い。家族と自分のためにやるべきことを達成したはずなのに犯した罪に狂わされる主人公。ハラハラ感は味わえた。けど私は犯人目線より、推理しながら読む方がすき。あと電気の説明が難しすぎて飛ばし読みしてしまった。
1投稿日: 2023.11.23
powered by ブクログ湘南の高校に通う高校生、櫛森秀一、17歳。女手一つで家計を担う母と明るい性格の妹との幸せな3人暮らしのはすが、母親の再婚相手が家に居座り、母親と妹に手を出そうとしていた。家族を攪乱する居候に対して、警察と法律が対応できない事を知った秀一は、自らの手で葬る事を決意する。 「青の炎」は爆発的なイメージの「赤」ではなく、秀一の静かに高温で燃える憎悪の感情を表現する素晴らしいタイトルだと感じました。 倒叙ミステリー(物語の出だしから犯人が分かっている物語)の代表作と言われているのが納得できる感動の作品でした。
5投稿日: 2023.11.18
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瞋恚の炎に囚われた青年の哀しくもあり切なくもある悲哀のお話。犯人側の視点で描かれており、幼さがあるものの大人びた主人公の危うさが妙であった。1度目を超えるとああも簡単に2度目に踏み出してしまうのだろうか。家族という動機が失われた瞬間、すべてが破綻してしまっていたように思う。何かが違えばこんなことにならなかったろうに...ラストはとても悲しい締め括りで胸が締め付けられる思いだった。
3投稿日: 2023.10.27
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だんだん読んでいて辛くなってきた。主人公は最後まで家族のためを想って行動してたんだよなあ。 個人的には2人目を殺さず、うまい具合に説得してたら完全犯罪なったのではないかと思った。 でも一生その記憶から逃れられないと思う。
4投稿日: 2023.10.19
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すごく悲しい話ではあるけど、もし主人公の犯行がバレなかったとしても、幸せには過ごせなかったんじゃないかと思います。 同級生の紀子とのやりとりとか相模湾沿いを自転車で疾走するシーンが、忌まわしい犯罪と対照的でとても素敵でした。 主人公の心の描写がとてもリアルで、読みながら自分がやったことのようにドキドキしました。
5投稿日: 2023.10.15
powered by ブクログ「一度火をつけてしまうと、瞋りの炎は際限なく燃え広がり、やがては、自分自身をも焼き尽くすことになる・・・・」 人殺しは悪なのか、一概にしてそう言えるのか考えさせられた。 今、この時代、日本に生きているからこその人殺しという悪が滅ぼされたようにもかんじる。 紀子に対して好きだと言えない、いう資格を失ってしまった秀一の背負っているものにどうしても同情してしまう。 作品の中でも出てきたが、パラレルワールドの中で生きている秀一と紀子を見てみたかった。 心がギュッと苦しくなる作品。
1投稿日: 2023.10.08
powered by ブクログ17歳の高校生が家族を守るために殺人を計画する。倒叙ミステリーだからこそ伝わる主人公の焦りや不安が読んでいて苦しいほどでした。1人で全部抱えてつらかっただろうな、こうなる前に相談に乗ってあげたかったと思いながら読みました。
1投稿日: 2023.10.07
powered by ブクログ本当に好きな小説、数年ぶりに読み直してみた。やっぱ最高やった。でも最後のさ、死ぬ理由を刻々と心情と共に、つらねるとこはいらんのでは!?て思った。
1投稿日: 2023.10.05
