
総合評価
(782件)| 240 | ||
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powered by ブクログ泣きながら読み終わりました。特に「傷」と「しあわせは子猫のかたち」が好きで、どちらの作品もずっと心に残ると思います。 しあわせは子猫のかたち、幸せの形が失うことで気がつくのは切なすぎました。それでも前を向く主人公の意思を尊重したいです。
0投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いくつかは電車で泣きながらも読んだ シンプルで軽いけどちゃんと中身があって心に残る作品だった 乙一は表現がくどくなく、描写も丁寧で話がスッと頭に入ってきやすいので好き 短編集で読みやすいので幅広い年齢層や読者に勧められる点も魅力
0投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログ学生の頃に買った作品。 CallingYouが特に良かった。 どの話も最後は前向きになれる終わり方になっていました。著者ならではの切なさも存分に詰まっていた。いい思い出になった。
0投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログどの話もSFっぽいけど深層心理の描写があったり勇気づけられる言葉があったりと すごく気に入った一冊になった 25.09.18-22
0投稿日: 2025.09.22
powered by ブクログお気に入りの一冊。 せつな系ホラーと評されるけど、よくわかるなと思う。 私の中では以下のような割合。 切なさ=80% ホラー=20% 特にこの中でも、『傷』は、電車の中でも泣いてしまうくらい好き。 残酷さの中にもしっかり希望を見出せる。 ここからは本の内容ではない↓ 五線譜の装丁の方が好きで探したけど、新品では入手困難のようで断念。
0投稿日: 2025.09.12
powered by ブクログ女の子に勧められ読んだがまあまあの評価。 短編集なの短く読みやすい反面カタルシスも小さくなり、全体的に記憶にはあまり残らない。 SF要素やホラー・サスペンス的な描写も多く見受けられ楽しむことは出来たが深く刺さるモノはなかった。
0投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログ「夏と花火と私の死体」以来、久しぶりに乙一さんの作品を読んでファンになりました。この本は短編集で、どのお話もストーリーがガラッと変わっていて、どの作品も引き込まれるし、読んだ後の余韻が心地よいものばかりでした。乙一さん「zoo」を次は読んでみます。
40投稿日: 2025.08.09
powered by ブクログ変わった感覚の短編集。 頭の中でイメージした携帯電話で実際に会話ができる女子高生とか、他人の身体の傷を別の人へ移せる男子児童など、不思議な設定を核に、やや悲しい空気の漂う物語を綴っています。 その不思議設定ゆえに、童話とか昔話を読んでいるような感覚で、子供の頃であれば、もっと面白く読めた気がします。深く想像しながら読むと、ファンタジックな要素による論理矛盾が気になってしまいました。サラッと浅く読むのが本作には合っているかと。 最近は、じっくり味わう読み方が好きなのですが、好みが変わってきた別の機会に再読するかもしれません。
0投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログ星6くらいつけたい。いろんな短編があったけど一番好きなのは、しあわせは子猫のかたちだった。悲しい終わり方だったけど、主人公が以前より少しだけ前を向いて生きていくのがいい。短編なのが勿体無いくらいだった。もっと読みたかった。
1投稿日: 2025.07.14
powered by ブクログひとつひとつしっかりしていたけど内容の深さが違いすぎて情緒不安定 バッドエンドは心にくるものが多かった 描写がグロい [マリアの指]は伏線回収もしっかりしていて特に面白かった ほかとテイストが違いすぎて一篇ずつ切り取っていかないとついていけない 全部不完全で終わる感覚があって これが乙一さんの書き方なんだなと思った 物語は非現実的なのに終わり方や行動の仕方、内容の細かい部分が現実的だから余計に魅了された
0投稿日: 2025.07.05
powered by ブクログこの人の綴り方は重くも読みやすい。 この短編集は如実にその系統が滲み出ている。 感動も痛みもその生々しさも一冊で楽しめるのだから、堪らない。
0投稿日: 2025.06.16
powered by ブクログお久しぶりの乙一短編集 8編それぞれ世界観を全く変えて 乙一さんの小説だから、多少不思議設定があって 懐かし哀しい系なのだけど、文章の落ち着きなのか、特殊設定にならないで日常のあわいに落とし込む タイトルになった「失はれる物語」が 印象強く悲しみ深く その設定の厳しさ以上に夫婦の愛情の深さ 相互を思いやる優しさに圧倒される おそらく珍しく忘れないストーリー ほかのも良かったです♪ ⚪︎Calling You 時間のズレは30分 ⚪︎傷 傷を請け負う少年 ⚪︎手を握る泥棒の物語 どこで握ってるのかい ⚪︎しあわせは子猫のかたち 土瓶さんイチオシ ⚪︎ボクの賢いパンツ パンツの賢さよ! ⚪︎マリアの指 乙一らしいミステリ ⚪︎ウソカノ あとがきに変えての書き下ろし
109投稿日: 2025.06.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった!! 失われる物語は素敵だと思うところもあったけど、悲しさが大きかった。 傷は結構痛々しさが強かった。 マリアの指は結構鬱な展開でなかなか読み進められなかった。 僕の賢いパンツくんは不思議だった。 Calling You、しあわせは子猫のかたちの2つは、時が経つに連れて前向きに元気になって、悲しいところもあったけど最後に ありがとう、頑張る みたいになってて好きだなあ。 手を握る泥棒の物語も、この終わり方好きだなあと思った。 ウソカノも良かった。
2投稿日: 2025.06.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昔読んだ電話の作品が忘れられなくて、いろいろ探した末に見つけることのできた短編集。 それなので、Calling youが目当だった。懐かしい気持ちとともに、改めて筋書きの面白さと完成度の高さに感動した。 それ以外で、好きだったのは「しあわせは子猫のかたち」だった。 全8つの短編はどれも暗さや寂しさが潜む作品が多い印象だったが、この作品は、寂しさもありつつ、温かさや前を向けるようなラストで、しんどい作品が多い中、ほっこりすることができた。 この作者は、比較的切ないストーリーの場合は「白乙一」と呼ばれているらしく、今回の作品のような白乙一の方をもっと読みたいと思った。
0投稿日: 2025.05.12
powered by ブクログ重い話のはずなのに余りにも読み心地が軽い。 どの結末も幸か不幸か判別がつかなくてもやもやする。 でも判別がついてしまったら魅力が半減してしまうのかもしれない。
0投稿日: 2025.05.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
乙一さんの短編集。 個人的にはZooにも引けを取らないくらい面白かった! •自分の頭の中の携帯で他人と電話をする摩訶不思議な話「calling you」 •事故により右手指しか動かせなくなり、感覚は右腕の触角のみとなった主人公の物話「失はれる物語」 まるで乙一さんが経験したかのような繊細な描写が凄すぎた…個人的ベスト! •他人の傷を吸い取るアサトと”オレ”の物語「傷」 痛みをはんぶんこする2人の友情にジンときた。 •叔母のカバンから宝石を奪おうと、旅館の壁に穴を開けて外から盗もうとする主人公。 しかし、その手で掴んだのはなんと人の手で?!「手を握る泥棒の物語」 •家主が亡くなった家に住むことになった大学生が、子猫と”家主”の霊と同居するお話「しあわせは子猫のかたち」 •白いブリーフパンツの”パンツくん”に、励まされながらも成長する少年を描いた短い短いお話「僕の賢いパンツくん」 •突然飛び降り電車に轢かれバラバラとなった鳴海マリア。生前彼女に魅了された内の1人である主人公のもとに、ある日野良猫がマリアの指を持って現れる…「マリアの指」 マリアの死に驚いた。 「かつてある男子生徒を自殺に追いやったこともあるマリアが、男を愛せるような女に変わったことを許せなかった」という理由に驚愕。 •一度嘘をついたことで、存在しない彼女の話を続けることになってしまった男子生徒2人の話「ウソカノ」 なんともユーモアのある作者さんです。 ここまでいろんな分野の話が入った短編集もなかなかありません。
8投稿日: 2025.05.02
powered by ブクログ本書のレビューで白乙一だと言うことで、読んでみる。 短編集。 どれもそれなりに面白いが、なにか物足りない。 どの短編も人が死に過ぎ。 人はそんなに人を簡単に殺さない、と思う。
0投稿日: 2025.04.07
powered by ブクログ短編集ですが、どの物語も良かったです。少しミステリー要素もありつつかつ、なんか知らず涙が溢れるようで感動しました。子猫の話は特に良かったです。
0投稿日: 2025.02.17
powered by ブクログうーん好きだなぁ乙一さん。 乙一さんの頭の中どうなってるんだろう。 面白い話ばかりだった。 ボクの賢いパンツくんはこのまま絵本にできそうだ。 マリアの指は読み応えあったし、あとがきに変えてのウソカノがあまりに最高だった。
11投稿日: 2024.12.28
powered by ブクログ乙一さんは、ミステリーというよりホラーに近いような印象があったので 読みながら毎回、いい話・美しい話…っぽいけど いや、でも乙一だからなぁ…とか、変に勘繰って常に最悪の結末を想定しながら読みましたが、取り越し苦労でした(笑) 読んでいくうちに 乙一さんってホラーっぽい展開や描写もあるのに"すごく美しい…"って感じる文章を書く方だったなぁと思い出しました。 それは全部に言えることだけど 特に5つめの『しあわせは子猫のかたち』は めちゃくちゃ鳥肌たったなぁ、なんか… あ、怖い方じゃなくてです♪
3投稿日: 2024.10.21
powered by ブクログ独特の世界観で描かれた短編集です、ホラー要素は特になくむしろ透明感のある比較的爽やかな印象でした。 なんとなくの印象ですが男性より女性向けかも知れません。
2投稿日: 2024.10.03
powered by ブクログ初めて読んだのは確か大二病をこじらせていた頃。サブカル・グロ系かっこいいと思いGOTHを愛読し、乙一作品を遡っていく中で出会いました。20年前は各話で切ない・やりきれない思いを抱くばかりでしたが、特に表題作は伴侶を得て子どもがいる今だとどの立場であってもどうするのが私にとって正解なのだろう、と、ふとした時に考えてしまいます。 大人になってもじんわり沁みる作品です。
1投稿日: 2024.09.17
powered by ブクログ短編集なので、どのお話もテンポよく進みます。 表題作の「失はれる物語」は、夫婦のお互いを思いやる気持ちに感動しました。 右腕の感覚しかない音も光もない世界は、恐怖以外の何者でもなく、そんな状況でも奥さんの気持ちを慮る主人公は立派だと思いました。
5投稿日: 2024.09.02
powered by ブクログ短編集のため読みやすかったが、1話ごとの重みが強く読了後は何とも言えない気持ちが残った。 特に印象に残ったのは、calling you、傷、しあわせは子猫のかたちの3作品。この方の作品は感動する話のほうが個人的には好きだった。
1投稿日: 2024.08.15
powered by ブクログ1番好きなcontentsはタイトルにもある失われる物語!! 全身不随で触覚以外の感覚を失い寝たきりの夫とピアニスト妻の切ない物語。 妻とのやり取りは腕の鍵盤。 申し訳なさから謝罪に来る奥さん。だんだんと来る頻度が減っていくとこも現実味があった。 強さやスピードから妻の感情を読み取って、これからの妻のことを考え自ら死の選択をしようとする場面が心苦しくてお互いを思い会う気持ちが切なすぎた。。 傷も好きだった◎ 特別学級で出会うアサトたち。 自分の不思議な力を誰かの傷を背負うために使う。 ずっと黙って自分に傷を移し、自分は必要ない人間だから…と。 裏切られつつ、主人公が穏やかにたくましく成長していく姿に嬉しくなった
0投稿日: 2024.08.11
powered by ブクログどれもテンポよく進み、面白かった。特に印象に残ったのは「マリアの指」だ。意外な結末に驚いた。自分が乗っている車を運転する姉が犯人で、自分が腰掛けているシートにはマリアの血がしみているとわかった時の恭介のショックは計り知れない。芳和さんがマリアの指に指輪を通す場面は感動した。
0投稿日: 2024.08.04
powered by ブクログ再読。何歳の頃にこの本と出会ったのだろうか。 とあるインフルエンサーの紹介で懐かしくなり買い直して読んでみた。 読み返すと一編猛烈に記憶に残っているものがあった。「しあわせは子猫のかたち」である。 読みながら、小さい頃過ごした家を、部屋を、椅子を、空気を思い出した。読書には当時の環境まで思い起こさせる力があるなんて今まで知らなかった。夏の匂いを覚えている。不思議なことに、今もまた夏だった。
27投稿日: 2024.07.06
powered by ブクログ「さみしさの周波数」を読んだことがあり、それに収録されている作品が何個か入っていた。 世間とうまく馴染むことができない主人公の短編が多かった。 ちょいちょいファンタジーも混じっている不思議なお話も。 私は「さみしさの周波数」にも入っている「手を握る泥棒の話」がこの中だと好きかなぁ。 主人公と少女。お互いが影響し合って良い方向に運命を変えた特殊な関係性が良かった。少女は語り合ったことをきっかけにその後の生き方が変わるが、主人公のことは覚えていないかもなと思っていた。なので最後会いにきた主人公に即気付き、他人には見せない素の顔を曝け出した少女を嬉しく感じた。
2投稿日: 2024.07.06
powered by ブクログショートショートや短編小説は膨らますのにとても想像力を要すると思います。 私にはむずかしかったです。
0投稿日: 2024.06.09
powered by ブクログ久々に読みましたが、心の底に重い石を積み上げられていったような作品でした。 しばらくは心に何か引っかかったような感覚になりそうです(良い意味で) また10年後あたりに読みたいです。
0投稿日: 2024.06.07
powered by ブクログタイトル通り、、大切なものが失われる話の短編集。 2つお話を読んでつらすぎて読めなくなった。 怖くて悲しい。 短編集が苦手なのも改めて思った(._.`)
1投稿日: 2024.06.02
powered by ブクログ表題作の「失はれる物語」では、事故によって右肘から手先以外の感覚が全て失ってしまった男性の物語。毎日夫を献身的に支え、必死で会話をしようとする妻。その行く末に心を打たれました。全8篇の短編集。
1投稿日: 2024.05.29
powered by ブクログ初読み、乙一さんの作品。 短編集なのに思いの外、進まなかったなぁ… なんだろ…うまく言えないけど…引き込まれるものがなかったなぁ…ふわふわした感じ。 「しあわせは子猫のかたち」は好きだな。 霊との生活で人との関わりの大切さに気がつく。 失ったものもあるけど、得たものが大きくてすてきな終わり方。 「ウソカノ」はおもしろかった。 誰にでもあるような黒歴史(笑) さわやかに終われた。 ただなぁ…「マリアの指」がちょっと疲れてしまった…重たくてなかなか進まないし…結果もうーーーん…って。。。
4投稿日: 2024.05.05
powered by ブクログ切ないお話の短編集です。 切ないですが、心が温まるお話もありました。 「失はれる物語」は心が痛くなって忘れられないです、、、
0投稿日: 2024.04.23
powered by ブクログ切なさや痛みを伴う短編集。 好きなのは幽霊との不思議で温かな交流「しあわせは子猫のかたち」想像の携帯が実際につながってしまう「Calling You」彼女がいると嘘をついた冴えない男子の友情「ウソカノ」も良かった。 「マリアの指」は物語の構成が受け付けなくて読み飛ばしてしまった。
0投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
goth後に読むと暗黒感は少なく感じる。 calling you この最初の物語で、あれ?乙一作品で心温まるケース?と不思議な気持ちに。 好きなフレーズはマリアの指にでてくる "人になつかないことで有名な白猫は、僕の知る限り、彼女と僕にだけ親しい顔を見せてくれた。" の部分。猫を通じて秘密を共有しているのがむず痒くてあたたかかった。
0投稿日: 2024.03.15
powered by ブクログインスタでよく紹介されていたので拝読 表題タイトルの短編がよく紹介されていたがこちらは読んでみて正直あんまり良さがわからず(読んでる途中で展開が予測できる上、オチが微妙なので) 時計職人の話が1番面白かった
2投稿日: 2024.02.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
Calling You リョウ。高校で唯一の携帯電話を持ってない女子高生。十六歳。 野崎シンヤ リョウの頭の中の人。頭の中の携帯電話でリョウに電話をかけた。十七歳。 原田 リョウの頭の中の人。大学生。 失はれる物語 妻 結婚するまで音楽の教師をしていた。 自分 交通事故に遭い、右手の人差し指しか動かない。 傷 オレ 背中には数年前に親父からつけられた痣がある。酔っ払った勢いで、アイロンを投げつけられた。 アサト 他の小学校から転校してきた。父親は数年前に死んでおり、母親は刑務所にいる。 シホ アイスクリーム屋の店員。 手を握る泥棒の物語 伯母 伯母の娘 十八歳。 俺 二十三歳。 伯母の旦那 とある会社の社長で、財産を相当ためこんでいるという。 内山 俺の専門学校時代の友人。卒業と同時に二人でデザイン会社をはじめた。 しあわせは子猫のかたち ぼく 一人暮らしをしたいと思い、大学をわざわざ実家から遠い場所に決めた。 伯父 所有している古い家を貸す。 木野 隣に住んでいる。 雪村サキ 古い家に以前の住人。玄関先で何者かに刃物で刺され、命をなくした。 村井 大学の一年上の先輩。 ボクの賢いパンツくん ボク マリアの指 鈴木恭介 高校生。 鳴海マリア 等々力陸橋で死んだ。 佐藤 恭介の一歳年下の後輩で、同じ中学の出身。 鈴木響 恭介の姉。 芳和 マリアと同じ研究室。 三石 マリアと同じ研究室。 土屋 マリアと同じ研究室。響とは高校時代の同級生。 ウソカノ 安藤夏 僕の作り話の彼女。 池田 ひそかにナメクジというあだ名がつけららている男子生徒。
0投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログ始めの作品であるCallingYouがいちばん良かった。 胸を打たれる作品が多かった。 悲しくて救いようのない話でも、私達読者が記憶にとどめることが救いになるのではないかと感じた。 どうしようもなく感傷に浸りたいときに読んで見てほしい。
1投稿日: 2024.02.08
powered by ブクログ『幸せは子猫のかたち』が素晴らしかった。2人と1匹の生活が微笑ましい。そして幽霊チャーミング過ぎ(笑)暖かいとか柔らかいとか、そういった空気は目に見えないものなのに、文字で伝えるってスゴイ。またひとつ好きな本が増えた。
5投稿日: 2024.01.21
powered by ブクログ表題作の「失はれる物語」は儚くて、現実的な残酷さ優しさがあるように思えて、とても良かった。 他の作品はまあまあ、指の話は長い割に内容がありきたりで駄目
1投稿日: 2024.01.12
powered by ブクログ飲み込まれるように続きが気になるお話が多くて一気に読んじゃいました。少し怖かったり、ほっこりしたり、にやにやしたり、いろんな乙一さんが楽しめました。これは良い一冊。 特に印象に残ったのは表題にもなっている失はれる物語、右手以外の全ての感覚を失った人のお話でした。あと、手を握る泥棒の物語、コントを見てるみたいでおもしろかった。すごく質のいい世にも奇妙な物語を見終わったような気持ちです。
3投稿日: 2023.12.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「Calling You」「傷」「しあわせは子猫のかたち」が良かった!! ・Calling You ★★★★★ むっちゃ良かった!!! 読み始めは、微妙そーと思ったけど、良かった!! 原田さん=リョウってのはすぐ分かったけど、良かった!! 私も頭の中の携帯で友達が欲しい!! ・失はれる物語 ★★★ 事故で右腕の皮膚の感覚のみしか感じられず、人差し指だけしか動かせない人の話。 自分がそうなったらと思うと絶望やし、自分の夫がそうなるとどーしたものかと思った。 ・傷 ★★★★ 家庭環境が良くない少年2人の友情の話。 怪我した痛みや傷を入れ替えできる特殊能力を持ったアサトと主人公の男の子。 よくあるようなフレーズだが、「傷の深さも、痛みも、半分ずつ。二で割って、はんぶんこ」ってのが2人の友情の深さを言い表してて良かった!! ・手を握る泥棒の物語 ★★★ 読後感は良かった! けど、それ以外はまあまあだった。 ・しあわせは子猫のかたち ★★★★★ むーちゃ良かった!! 怖くない幽霊と子猫との3人暮らしが素敵。 自分が今現在、恋愛の真っ只中やからそばにいるだけで幸せってのがよーく分かる。 ・ボクの賢いパンツくん ★★★ 超!短い話。パンツが喋る話。 面白い内容だったので、もっと読みたかった。 ・マリアの指 ★★★ 犯人は芳和さんやと思ってたらまさかの姉だった。 ・ウソカノ ★★★★ 短編やったけどちょうど良い長さで良かった。
3投稿日: 2023.12.09
powered by ブクログ短編集の中の失はれる物語だけを読んだ。自分がもし五感を失った時のことを想像して読んだ。すごく短いので一気に読んだけど、なんか悲しくなったし、辛くなった。最後の終わり方はちょっと予想していたけど、読者の想像次第かなとも思った。面白かった。
1投稿日: 2023.11.22
powered by ブクログ★★★ 今月8冊目。 乙一は友達とかいなくて隠キャだろうな、この文章は。 短編だけど割と面白かったけど最後のマリアの指は面白くなかったな
0投稿日: 2023.10.25
powered by ブクログ乙一さんの作品は初めてだ。一つ一つに丁寧さを感じる短編集。 叙情的で、実際に起こりそうで起こり得ないことなのだが、スッと入ってくる語り口だ。 特に、頭の中を通じての携帯電話。場所や時を超えて、でも実際いる人と頭の中で繋がれるというのが、なんとも不思議で面白い。 また他の作品も読んでみたいと思った。
0投稿日: 2023.10.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
乙一さんの短編集。 小学生の頃に角川つばさ文庫で読んだ作品が3作品くらい入っていて懐かしくなった。そのときと今では感じるものや感動する部分が違うのが不思議。 小学生夏休みの宿題であった読書感想文を収録作である‘’傷”で書いた記憶があり思い出して胸がきゅっと切なくなった。 “Calling You” 想像の中携帯が使えるようになったストーリー。 前に読んだ時は不思議なお話だなと思っていたけど今読むと悲しく、よく作られた作品だなと。ラジカセの伏線や原田という謎の人物。最後のまとまりが良い。 偶然『バグダッド・カフェ』を鑑賞後に今作を読み直したので、私の脳内にも‘’Calling You”の着信が流れた。 ‘’失はれる物語” 交通事故によって五感のすべてを失い右腕の皮膚感覚のみ残った男性の物語。 皮膚感覚のみでの妻との意思疎通。妻が主人公の右腕を鍵盤に弾くことで主人公は彼女の感情を汲み取っていくのが切ない。 本を読むと頭の中に風景が思い浮かぶのに今作は暗画面にただ右腕しか見えないかった。 妻の悲しみや怒り、疲弊、絶望。それを悟った主人公が選んだ選択が余りにも切ない。その後の妻や娘はどうなったのかは語られず、もはや主人公も生きているかどうかさえ怪しいほど。 ‘’手を握る泥棒の物語” 穴から盗みを働こうとしたら手を掴んでしまった男の物語。 時計、手、握手会までの流れが美しい。 ラストの彼女が主人公へ向けた表情が私には想像もつかなかったのできになる。 ‘’しあわせは子猫のかたち” 孤独に死ぬことを切望した青年が訳ありな古い家で一人暮らしをする物語。 古い家では雪村サキという女性が刺殺されたという経緯があり、おかしなことがその家で怒るのだがホラーにはならない。雪村サキという女性が明るく優しく温かい人物であることが伝わってくるような現象を起こすだからだ。主人公の青年もそれによって少しづつ変わっていくのがまた面白い。 村井の突然の登場は何となく雪村サキを殺した犯人臭が強く案の定な結果ではあるが、子猫の死、池での死が上手く絡み合っていて面白かった。 ‘’僕の賢いパンツくん” しゃべる白いブリーフパンツの物語。 ‘’マリアの指” 鳴海マリアが自殺か他殺か突き止める物語。 鳴海マリアが実写化されるなら誰かなと想像してしまった。私なら生見愛瑠さんかな。 斬られた指が不気味でもありつつ、青白く光っているイメージも抱く。 最終的な結末が主人公の姉がマリアを殺していて、姉は自首せず逃亡、裏切った母は何故か主人公と元に戻ったようになっているのがざわざわ。 ‘’ウソカノ” 想像上の恋人がいる2人の男の子の物語。 安藤夏(あんどうなつ)と忍羽舞(しゅうまい)というあきらかに胡散臭い彼女が良かった。 ある意味彼らの心を支えるための恋人というか心の中に生きている存在だったのではと解釈。 ここまで来たらウソカノだった彼女らが実際に登場して彼女になるっていう物語の方がスッキリするよね。 今作がたまたまなのか乙一さんの作風なのか分からないが、自分の思っていなかった悲しい方向へ進む物語がやや多かった。また、その後の展開が気になるものが多く余韻が残る。
0投稿日: 2023.09.01
powered by ブクログ箸休めとしては、さらっと読め 良いのでは しかし、厳しく批評させてもらうと 加筆(校閲等)されていないゲラ原稿 そのものを出版されたように思える。 作品を失われる物語 一点に絞り、その他 作品は、割愛したほうが 部数は伸びたのかも?
1投稿日: 2023.08.31
powered by ブクログ★3.8 たとえば、恋人が植物状態。唯一残された感覚は、皮膚だけ。そんな、儚くて残酷な設定が貫かれる乙一の短編集。 本書にはゴシックホラーのような、どこか神秘的な、切ないストーリーが溢れている。 幻想や死、孤独や嘘。どの短編も、何かが“失われて”いく。しかし読後に残るのは痛みではない。喪失を通してしか見えなかった、誰かの輪郭や想いがある柔らかな余韻だった。 静かで残酷で、そして優しい物語が詰まっていた。 「見えない」ものや「なくなった」ものが、 こんなにも物語を語れるのかと、少し驚いてしまった。 失われたものたちが、確かにそこに在るような気がした。 ページを閉じたあとも、なお。
4投稿日: 2023.08.15
powered by ブクログ感動が詰まった短編集 もし自分だったら我慢できるかなとか色々と考えてしまった一冊 この一冊で家族思いの自分に酔った漢を見ました
2投稿日: 2023.08.01
powered by ブクログ最初の3作品、「Calling You」「失はれる物語」「傷」が好きだった。切ないけれど、読後感は良い。
0投稿日: 2023.07.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めて読んだ乙一さんの作品だった。 ファンタジーも含まれていて、どの作品も途中で読むのを止めることができなかった! 失はれる物語は辛かった。 幸せは猫のかたち はほっこりしたし、最後は切ない気持ちになったけどとても好き!
0投稿日: 2023.07.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「マリアの指」が一番刺さった。鳴海マリアがチェンソーマンに出てきそうな女性でゾクゾクしたし物語の流れが綺麗すぎて息を呑んだ… "人は変わることはない"と言い聞かせてきたのにマリアによって覆されて悲劇が起きる構成最高…ラストもしっかりそれを回収してて震えたね、史実のオマージュみたいでそこも好き
0投稿日: 2023.07.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
評判の「しあわせは子猫のかたち」 最初、ファンタジーなのかと思ってたら、最後にやっぱりあった。 「失はれる物語」は辛い。主人公と同じ状態は想像できない。 作品の半分は人が死ぬけど、これって白乙一?黒までいかないから灰乙一?
1投稿日: 2023.06.21
powered by ブクログ珠玉の短編集 各場面の情景が浮かんできて、あっという間に物語の世界観へと引き込まれた。たった数十ページでも読み応えのある作品ばかりだった。切なくも爽やかな読後感を味わいたい方におすすめしたい。
1投稿日: 2023.05.28
powered by ブクログ単行本は読みレビューを書いていますが、文庫のみ収録の『ウソカノ』を読みたくて購入しました。 たった13ページの物語、めっちゃ良かった… 買って良かった、『ウソカノ』これから何度も読みたい。 甘酸っぱい青春時代、背伸びした恋愛… 他人から見たらくだらないと思われることに、本気になって夢中になってしまう真っ直ぐな彼らが素敵でした。 儚く海風に舞う、死んでしまった彼女。 僕はありきたりの切実な歌詞を歌いギターを掻き鳴らす、そして僕の彼女も消えてしまう。 くだらなさと切なさと希望、絶妙… 乙一さんの「あとがき」が読みたいのですが、いったい何を読めば「あとがき」が付いているのだろう。 本書は、「あとがき」にかえて『ウソカノ』収録とのことでした。
61投稿日: 2023.05.16
powered by ブクログ短編集。 全体的にヘビーなものが多いかな。 タイトルになった失はれる物語 妻にとっても夫にとっても、救いのない絶望感がある。愛があったとしてもきつい展開だし、ハッピーな終わり方ではない。 よかったのは「しあわせは子猫のかたち」 若干のミステリーにファンタジーの恋愛要素が入ったような感じ。 読者としても生きていると感じさせる場面がいくつもあった。
2投稿日: 2023.04.12
powered by ブクログはぁ〜〜♡やっぱり乙一さんが大好きだ〜〜\♡︎/ なんだかみなさま乙一さんで賑わってるので、これは!と私も乗っかっちゃいました〜✌︎(๑˃̶͈̀◡︎˂̶͈́๑)✌︎ "失はれる"をテーマに書かれた傑作短編6作とさらに2作を加えた文庫版✩︎⡱ これ、、めちゃくちゃ良かった〜!! 8編どれもとても良かった(≧∀≦) やっぱり乙一さんの描く短編は間違いないな♡ 乙一さんといえば、ちょっとホラーっぽかったり、グロかったりする作品もあったりするけど、こちらはそういう話はなく、せつな〜い話が多かった。 あ、でも、中にはパンツが喋るみたいな、可愛い話もあったけど〜笑 特にお気に入りだったのは、『Calling You』、『傷』、『しあわせは子猫のかたち』 その3つをざっくり、、 『Calling You』 携帯電話を持たないコミュ障気味な女子高生が、頭の中の携帯電話で見知らぬ誰かと繋がる。 『傷』 特殊学級で出会ったアサトは、ある不思議な力を持っていて、その力を他人を助けるために使い、ボロボロになっていく。 『しあわせは猫のかたち』 ひとり暮らしを始めた家には、以前住んでいて亡くなった女性の気配が残っていた。 せつない話が多いけどそれだけじゃなく、どれもなんだか心があたたかくなる様な読後感でした✩︎⡱ う〜ん、良かった♡ もっと乙一さん読んでいこう〜♪
33投稿日: 2023.04.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
綺麗な物語だった 表紙が綺麗というだけではなく、話の一つ一つが綺麗で読んでて不思議な気持ちになった 私は特に、『Calling You』と『傷』と『ウソカノ』が個人的に好きだった Calling Youと傷は、切なくとも綺麗な話だった。 ウソカノは、会話のテンポがリズムよくて読みやすいのに、内容がとても良い! 乙一さんが書く友情物語本当に好き
3投稿日: 2023.03.27
powered by ブクログ安定の乙一さん作品です。 本作は短編小説8作品でできています。 〇Calling You 〇失はれる物語 〇傷 〇手を握る泥棒の物語 〇しあせは子猫のかたち 〇ボクの賢いパンツ君 〇マリアの指 〇ウソカノ 読み始めると「あれ?」「なんか昔読んだぞ?」と変な感覚に苛まれたのですがそれもそのはずCalling Youと傷は君にしか聞こえないという短編集で読んだ作品でした。 なのでここでは省きます。 〇失はれる物語 本作の題名にもなってい作品。 交通事故で腕と指の一部の感覚いがい失ってしまった主人公とその妻と子。 妻は婚前音楽教師として働いており来る日も来る日も主人公の腕をピアノに見立てて曲を弾き続けますが、主人公は何もできない自分から彼女を解放させるために・・・ 外で読んでいたのですが、少し目頭がやばくなりまし笑 〇手を握る泥棒の物語 個人的にはこの作品か幸せは子猫のかたちが良かったかなと思います。 推理しながら読んでいましたがいい意味で裏切られる結末だったし、後味もいい感じでした。 〇幸せは子猫のかたち 殺人事件のあった借家を居抜きで借りることになった主人公の物語。 まるで先ほどまで住人がいたと勘違いしてしまうほど塵も埃もない借家。 前住人のにもつはそのままの部屋。 誰もいないはずの家に得体のしれないモノと同居することから始まります。 同棲生活はなにかほっこりするような優しい気持ちにさせられ、このままこの生活だけの作品でも面白いのにとも思いました。 最期は悲しく切なくなるようなラストでした。 〇ボクの賢いパンツ君 乙一さんがその場の勢いだけでやりきったような作品。 特に感想はないですw 〇マリアの指 この作品の頁数が大半で長編並みです。 少し設定や詰めが甘い気はしますが・・・ 死者の指だけでここまで話を膨らまして表現できるのはすごいと思いました。 また最後の最期での伏線の回収はお見事です。 〇ウソカノ 冴えない主人公が見栄を張るために空想の彼女を作り出し、嘘や矛盾が露見しないよう努力していくという物語です。 その努力により冴えない登場人物達が皆を見返すとい物語でした。
1投稿日: 2023.03.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
もともとcalling youは他の短編小説を通して読んだことがあり、再読でした。 全ての話が面白くて、人間の本質を表しているような誰にでもある感情の中に、ストーリーがあるのが新鮮でよかったです。
0投稿日: 2023.02.27
powered by ブクログ世にも奇妙な物語 あれを読んでいるような感じであった。設定も状況もあり得ないと感じながらも、物語の中に引きづり込まれる感覚があった。とても面白かった。
0投稿日: 2023.02.26
powered by ブクログ初めて乙一さんの作品をKindleで読みました。図書館で最初に見たときは表紙のデザインに惹かれました。ブクログに登録されている表紙デザインと全然違って、とても作品のコンセプトを表現できているな~って思いました。怖い雰囲気ではなくて、切ない雰囲気で読んでみたいなって思って読んでみたらやっぱり切ないし、心苦しくなる場面や状況がある。でも、最後読み終わったら満足できる。 暗くて切ないお話を集めた短編集なのかと思いきや、心温まるお話で全体的に満足しました! 1.Calling You テレパシーができちゃう青春恋愛物語 。主人公の女子高生が携帯を持っていないのにある日頭の中で電話がなって、住んでいる場所も時間も違う男の子と繋がっちゃった。"Calling You"の曲は、私はJeff Buckley版が好きだな(笑)ってどうでもいいこと思いながら読みました。切ない曲です。 2.失はれる物語 事故で体動かせない、聞こえない、見えない主人公。許されるのは考えることだけ、というなんとも悲しくて切ないお話。奥さんがとった会話の手段が素敵。奥さんを苦しみから解放するためにとった主人公の行動も泣ける。 3.傷 他人の傷や病気をとるために触れて自分の体にうつすことができる子。 あなたは菩薩ですか?って思うくらいの、いい子に出会えます。 4.手を握る泥棒の物語 コントを読んでいるのかと思った。 5.幸せは子猫のかたち 幽霊らしくない幽霊と人間みがない人間とのやりとりがユーモラス。素敵なメッセージもあってほっこり気分で読み終わる。 6.ボクの賢いパンツ くすっと笑えるかわいらしいお話。 7.マリアの指 ミスドでフレンチクルーラー食べながら「マリアの指」のお話読んでいったら、けっこう描写がグロテスクだったのでおえっぷってなりました。 ここまで読んできた短編集は描写がそんなにグロテスクじゃなかったから油断していましたが「マリアの指」は注意です(笑)ミステリ要素強めで若干ホラーも感じました。 8.ウソカノ ウソカノによって救われる冴えない男子高生2人の恋と友情のお話。
7投稿日: 2023.02.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人との関係を大切にしたくなるような話が収められた短編集。話一つ一つの人物描写がとても丁寧で、その積み重ねがオチに繋がることにとても納得感があった。伏線も会話や描写の中にさりげなく含まれており、鮮やかだった。また、積み重ねの中で、「Calling you」や「しあわせは子猫のかたち」のように最後に近くなると、それまでと雰囲気が変わる話もあった。 「Calling you」「失はれる物語」「傷」「しあわせは子猫のかたち」は個人的にはテーマが同じだと感じていて、世の中のどうしようもない理不尽や大きな絶望の中にあっても、手元に残った温かさの尊さやそばにいるだけだったとしても寄り添い合いの大切さを言いたいのではないかと思った。残りの「手を握る泥棒の話」と「マリアの指」では、期待と実際がテーマになっていると感じた。 「失はれる物語」は内容やタイトルに解釈の余地があると思っていて、私は主人公の産まれた意味が娘の成長にあるのではないかと感じた。毎日来ていた妻が主人公の死んだフリ以降期間が空きがちになり、しばらくしてピアノを弾けるようになった娘を連れて来たことを考えると、それまで主人公のために使っていた才能や時間を娘に与え始めたためではないかと思ったため、そう感じた。また、「失われる」が「失はれる」になっているのは過去を示しており、失われるのは、主人公自身の将来や人生だけでなく、罪悪感故に主人公のために労力を割いた妻の使った時間を差して言っているのではないかと考えた。この物語が表題になっているのも丁寧な積み重ねとその結果、期待と実際の両方の要素がある話だったからだと思う。 「マリアの指」は他の作品と毛色が違うように感じていて、マリアという理不尽に対し期待することがそれぞれ違うが故に起こった悲劇だと感じた。理不尽が変わることに耐えられなかった姉がその変化を拒否することで、姉も変わってしまい、主人公にとっての母としての姉ではなくなったことで主人公は実の母を受け入れられるようになったという構図が少し悲しかった。 まぁここまで長々と書いてきたが、作者があとがきで「小説を通して主張したいことなどひとつもない。気軽に読んで楽しんでいただければ幸いである。」と書いていたので、全ては的外れな妄想に過ぎないのかもしれない。 個人的には「手を握る泥棒の話」と「しあわせは子猫のかたち」が一番好きだった。4.4。
6投稿日: 2023.02.20
powered by ブクログダークな雰囲気やブラックユーモアを織り込んだ作品もありつつも、全体を通してみると、切なさと静謐な雰囲気が印象に残るとともに、各作品の雰囲気がどこか懐かしくも感じられました。 最初に収録されている「Calling You」は、まさに切なさと静謐さと懐かしさの混ざった短編だと思います。孤独な女子高生が、頭の中だけでつながる携帯電話を通して出会った男の子との淡いつながりを描きます。 他にいろんな小説なり映画に触れていると、この作品のストーリーの流れとか仕掛けとかは大体想像はつきそう。でもその想像や仕掛けに真っ向から挑んだからこその、切なさであり、そしてどこか懐かしさも伴った読後感でした。読書を始めた初期に読みたかった作品かもしれない。 表題作の「失はれる物語」は交通事故によって、右腕の感覚以外は視覚や聴覚を含め失われた夫とピアニストの妻の物語。 妻は夫の右腕を鍵盤に見立てピアノを演奏するのですが、その場面の美しさや、夫が感じる詩的なイメージが心に残ります。 そして夫の選択と静かに閉じられていく物語が、また感傷を誘う、切なく味わい深い良い物語でした。 人が苦手な青年と猫。そして殺された女性の幽霊の奇妙な日常を描いた「しあわせは子猫のかたち」は王道のゴーストストーリーといった感じ。徐々に暗かった青年の心情が変わっていく姿と、ラストのある意味予想通りの雰囲気や展開が奇をてらっておらず、切なくも心地よかった。 この短編集の中で一番長い作品は、最後に収録されている「マリアの指」 自殺したとされる美しい女子大生の謎をめぐるミステリ。でも一方でその謎を探る高校生の恭助と回りの人物の鬱屈とした感情の描き方のダークで、どことなく中二感もあるのが良かったと思います。 それでいて恭介が最後にたどりついた真相のやるせない雰囲気も心に残る。なんとなく米澤穂信さんっぽさも感じました。 作品全体を通してみると、完成度が低いということでは決してないのだけど、発想や感性から生まれる叙情的な雰囲気が強く漂っていたように思います。 まだ満足に物語に触れていない頃や、あるいは色々こじらせている頃に読んだら、もっと心に残る作品集だっただろうな、と思いました。
2投稿日: 2023.02.13
powered by ブクログ短編集。乙一さんてもっとダークな作品を書く印象があったけど、どの作品も少し希望があるような終わり方をしていた。調べてみると、この作品は黒乙一と白乙一という振り分けのうち白乙一に分類されるそう。某歌姫みたい。 「しあわせは子猫のかたち」が一番好みかなぁ。死者との別れ方もこんな風だったらいいのかな。もっと辛くなるのかな。
2投稿日: 2023.02.07
powered by ブクログ十数年前に「SEVEN ROOMS」とかでかなり暗い気持ちにさせられた乙一さん。 久しぶりに読んで思ったのは 凄く真っ直ぐでピュアな人物を描く方だなぁということ。 「SEVEN ROOMS」のとにかくグロかったという印象とは全く異なりました。 どの短編も、ミステリーやプチSF要素で楽しませつつ、グロさもまぁたまに顔を覗かせますが、そこに思いやりのある人とその温かい優しさがでてきて、そのコントラストが丁度いい。特に表題の「失はれる物語」が良かった。 背景設定の描写の稚拙さによるリアリティの乏しさはあるものの、ストーリーと人間の優しさの描写でそれはあまり気にならない。 乙一さん、こういうの、良いです。 *本書を読んだ後「SEVEN ROOMS」を読み直しました。同作品にも人の優しさがあると認識を改めました。ただやはりグロさ、そして後味の悪さがとにかく強い…
0投稿日: 2023.02.05
powered by ブクログ暗く切なく、夢の中のような不思議な世界観での話が綴られた短編集。 文章は読みやすいのだが、正直わたしには合わなかった。主人公が卑屈で冷めていて感情移入ができなかったのと、現実味のない突飛な設定に没入できなかった。
1投稿日: 2023.01.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
p.245 『しあわせは子猫のかたち』 "わたしは殺されたけど、この世界が好きだよ。どうしようもないくらい、愛している。だからきみに、この世界を嫌いになってほしくない。今ここで、きみに言いたい。同封した写真を見て。きみはいい顔している。際限なく広がるこの美しい世界の、きみだってその一部なんだ。わたしが心から好きになったものの一つじゃないか。" 『マリアの指』が1番好き
2投稿日: 2023.01.09
powered by ブクログ『失はれる物語』読了。 10年ぶりぐらいの再読でした。短編集でとても暗くて読んでるこちらの気分までもがどんよりしてくるくらいに切なく、儚い内容でした。乙一らしい、ダークミステリーな世界観ですよ… 「マリアの指」が印象的でした!面白かったです。 コロナに感染してからの隔離期間中に読んだので、一日一編ずつの頻度で読んでました。丁度良い。 スマホではない携帯電話の時代に出版された本だから、なんか懐かしかったわ…。ツイッターやらインスタグラムやらLINEが登場する前の時代。私も携帯電話を学校に持っていってイヤホンを手首の裾から通して頬杖をつくフリをして隠れて音楽を聴いていたわ〜と思い出したわ… 2022.12.30(3回目)
10投稿日: 2022.12.30
powered by ブクログ□Calling You 頭の中で電話ができる話。 自分が死ぬことがわかっていても、リョウを助けたシンヤに泣けた。 □失はれる物語 健常者の自分が主人公と同じようになったら、もしくは家族がそうなってしまったら、と考えたら苦しかった。自分がその立場だったら、多分死にたいって思うと思う。でも家族側の立場だったら生きているだけで支えになることもあると思う。最後の決断は辛かった。 □傷 他人の傷を自分の身体に移すことができる少年と主人公のお話。最後大怪我を2人で半分こにしたのは感動した。子どもの頃に心についた傷ってなかなか消えない。 □手を握る泥棒の物語 自分で設計した時計を販売するために、金持ちのおばさんからお金を取ろうと泥棒を試みるも、部屋を間違え別の部屋の女性の手首を掴んでしまい、しかも腕につけていた時計をうっかり落としてしまう話。 □しあわせは子猫のかたち 死んでもなお、幽霊となって生活し続ける女性とそこに移り住んできた男性の話。幽霊って怖いけど、こういう幽霊ならいいなって思った。 □ボクの賢いパンツくん ボクを助けてくれる白ブリーフの話 なんかちょっと泣けた。 □マリアの指 自殺したとされる鳴海マリアの指を、鳴海マリアが生前可愛がっていた白猫が主人公に持ってきたことから始まる、サスペンス(?)ストーリー。鳴海マリアの人物像があんまりよくわからなかった。 □ウソカノ 空想で彼女を作ってしまった男子2名のお話。
1投稿日: 2022.10.28
powered by ブクログ決定的な何かを失ってしまった人たちが主人公の短編集。 失ってしまったことで辛い状況におかれる主人公が多いですが、ちょっと救いがある。 日常の中に非日常が境目なく忍び込んでいる世界観。 表題作が一番印象に残りました。あの状況におかれたらどうするかな。
0投稿日: 2022.10.23
powered by ブクログ事故で全身麻痺になった上、聴覚や視覚まで失ってしまった話は救いようがなくて、考えさせられた。前腕のみ感覚がわかり、一本の指先しか動かせなくなったら。ほんと絶望。その中で選んだ選択。つらい。
0投稿日: 2022.10.09
powered by ブクログいざ読み始めると読み終えるのに時間はかからない。 「傷」や「仔猫」の話は個人的にお気に入りだが、指の話についてはなんとも言えない。
0投稿日: 2022.09.13
powered by ブクログ不思議な話、悲しい話、続きが気になる話、やるせない話などが詰まった短編集。 特にお気に入りは「しあわせは子猫のかたち」。悲しいストーリーのはずなのに読後どうしてか爽やかな気持ちになりました。
1投稿日: 2022.09.10
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失はれる物語、全部の話で、何かが失われて、でもその代わりに何かを得る、そんな話だった。失われるものは登場人物にとって自分の中の何かを損なうほどに大切なものだけど、それの代わりに得るものもまたその人の価値観や人生を変えるものだった。切ないのに、心の中の泥みたいなものを拭われるような、そんな話だった。
1投稿日: 2022.08.24
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6つの短編からなる作品で、「Calling you」、「幸せは子猫のかたち」と一つ前に読んだ『暗いところで待ち合わせ』が三部作だと知った。「失はれる物語」は視力も聴力も失い、右腕の先しか感覚が残っていない主人公か妻を介護生活から解放するために、死んだふりをして暗闇に身を委ねる話であり、とても可哀想であった。「しあわせは子猫のかたち」は茉柚も好きらしく、生前住んでいた女子が魂として住み着いており、女子の死因に隠された秘密が明らかとなる物語で、温かくもミステリー要素があり面白かった。1番好きだったのは「手を握る泥棒の物語」で、自分が立ち上げたデザイン会社で試作した腕時計を量産するために必要な資金を得るため、泥棒を働くことを決めた男が主人公である。ターゲットが泊まってる旅館の部屋の外にある岩を目印に壁に穴を開けて、お金を盗もうとしたら、不運にも世界で一つだけの試作品の腕時計を部屋に落としてしまった。さらにそこには女性がいて、気づかれてしまった。その後なんとか腕時計を回収し逃げたが、それは自分の腕時計ではなかった。一年後、その腕時計は売り上げが伸びており、それはあのとき部屋にいた女性は女優であり、その女優が試作の腕時計をずっとつけていたおかげであった。最後の握手会での場面が好きだった。
0投稿日: 2022.08.22
powered by ブクログ短編集。 ちょっとコミカルなものから重ためのミステリまでさまざま 表題作、失はれる物語は…良い話なのかもだけど怖かった。 手を握る泥棒の物語、が話のオチ的には好き
2投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログこの本に出会っていなければ小説を読むことに嵌らなかったと思う。それくらいタイトルにもなっている「失はれる物語」には度肝を抜かれた。
1投稿日: 2022.07.21
powered by ブクログ乙一さんの短編集。 コミュ障の少女が頭の中に作り上げた携帯がある日突然鳴り出し物語が始まる『Calling You』 突然の事故で右腕から先の感覚と人差し指をわずかに動かす以外の感覚を奪われた男性の物語『失われる物語』など… 「白」というけれどそこはやっぱり乙一さんの表現です。ハッピーエンドは人それぞれ形が違うのだという事を考えてしまう作品です。
0投稿日: 2022.06.18
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小学生の時、図書室にZOOが蔵書されており、 友達に勧められて読んだが、とにかく怖かった記憶がある。 黒乙一と呼ばれるZOOに対し、白乙一と呼ばれる本書。 本当に同じ著者が書いたのかと信じられない程、別物だった。 どの短編も素晴らしいものだったが、特に痺れたのは、本短編集のタイトルにもなっている、「失はれる物語」です。 以下備忘兼あらすじ 五感は全て失われ、右腕の一部以外感覚すら無くなってしまった主人公に、奥さんが腕をピアノに見立てて演奏を始めた。 ピアノなんて全くわからなかった主人公が、段々と音楽が聴こえ始め、奥さんの感情までも感じ取れるようになった。 しかし、自分ために付きっきりで看病してくれるも、何年も何年も続くと段々と奥さんが疲弊してきたことすら感じ取れるようになってしまった。 指先しか動かすことが出来ない主人公が決断したことは…
4投稿日: 2022.06.01
powered by ブクログ単行本を持っているので、今回初めて文庫版を読了。『ウソカノ』と『ぼくの賢いパンツくん』は初めまして。 白乙一さん作品の短編集。表題作がたまらなく辛い。『Calling You』『傷』で感じた胸を掻きむしりたくなるような切なさを、『手を握る泥棒の物語』と『しあわせは子猫のかたち』で癒してくれる並びが最高なので、個人的には単行本がおすすめ。悪くはないが、他の作品に収録できなかったんだろうか。 特に『傷』のアサトの心の傷と、主人公との友情には泣かされる。乙一さんはやはり短編集の名手。
2投稿日: 2022.04.14
powered by ブクログなんか、不思議な話がいくつかあって私の読解力ではすべての描写を頭の中に取り込むことができなかったかもしれない。「マリアの指」が1番謎めいた感じで読後も奇妙な気持ちになった。そういう物語もある反面、「しあわせは猫のかたち」のラストシーンは感動して少し泣いてしまった。読書経験が乏しい私が言うのもおこがましいが、短編集だと星新一のようにSFといったある1つのテーマに絞られてしまう感じがする。そういった意味ではこの短編集は幅広いジャンルの物語を楽しめる、ビュッフェみたいな作品だと思った。
1投稿日: 2022.04.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『失はれる物語』 乙一 (角川文庫) この人は、ものすごい潔さで救いようのない“絶望”を描く。 こちらは心の準備もないままに受け取ってしまう。 殊更飾りをつけて悲惨さを強調することのない、そのまんまの“絶望”。 でも、それと同じくらいの濃度で“希望”を描く。 陽だまりのような優しく暖かい“希望”。 乙一小説の主人公たちはみな、心のどこかに欠損があり、けれどもだからといって“可哀想”な描き方をしていないところがとてもいいと思う。 8つの物語からなる短編集である。 一つ目は「Calling You」。 人の輪に馴染めずいつも一人ぼっちの少女「リョウ」。 彼女は、頭の中で、実際には存在しない想像の携帯電話を作り出す。 そこで、同じ境遇の少年「シンヤ」と、年上の女性「原田さん」と出会うのだ。 現実の世界の時間で一時間のずれがあるリョウとシンヤが会おうとするところは、読んでいてドキドキする。 病院の片隅でうずくまるリョウに、心が凍えるような気持になる。 原田さんの正体が分かったときには、温かい気持ちになった。 感情の振り幅の大きい物語だ。 シンヤの行動に泣いた。 ロッカーの場面はすごかったな。 表題作「失はれる物語」は、“絶望”の最たるものではないだろうか。 交通事故のため植物状態になってしまった男性が主人公である。 五感を奪われ、目も見えず音も聞こえず声も出せず、体を動かすこともできない。 なのに意識はある。 何もない闇の中で、右手の肘から先の皮膚感覚だけが、唯一外の世界との繋がりであり、妻の献身的な看病を“腕”で感じることのみが、生きる希望だった。 この物語は、驚くべきことに植物人間の側の一人称で語られている。 当然のことだが、内へ内へと向かっていく語りは非常に重く暗い。 こんなことよく考えつくなと思う。 “考え続ける脳”、“生き続ける心”を持ったまま、最後、あまりにも悲しい選択をする主人公の気持ちが重く胸に迫る。 もし自分がそうだったら…。 考えただけでゾッとします。 「傷」は、“子供”と呼んでもいい年齢の少年二人が主人公である。 そのひとり「アサト」は、他人の“傷”を自分に移動させることができるという不思議な能力を持っていた。 まだ始まったばかりの幼い人生を親に傷つけられた彼らは、敷かれた運命のレールの上を走るしかないかのように、破滅へと向かっていく。 物語の最後、傷だらけの二人が入院する病院のシーンはとても穏やかだ。 二人は“傷”を半分ずつ分け合って、新しい人生を歩き出す。 この子たちにいいことがいっぱいあるといいな、と心から思った。 「しあわせは子猫のかたち」は、タイトルがいいなぁ。 人と関わらず、一人きりで孤独に暮らしたいと思っている主人公の「ぼく」が、幽霊の「雪村サキ」と暮らすことで変わっていく、という話。 一応ミステリーなのだが、毒々しい感じはない。 雪村サキは、「ぼく」にたくさんの「しあわせ」を残して成仏していった。 写真に残された、子猫とツーショットで眠る彼の幸せそうな寝顔。 「ぼくのそばにいてくれてありがとう。」と彼はサキに言う。 人が変わるのに理由なんかいらないのかもしれない。 感動しました。 これ一番好きです。 「マリアの指」はちょっと怖い。 切断系スプラッターがダメな人は要注意かもしれないです。 なんたって電車事故だし。 ビンのなかの“指”に、物語の初めから終わりまで、これほどの存在感を持たせているのはすごいと思う。 しかも、主人公の「僕」の、“マリアの指”に向ける思いがどこかパラノイア的で、また違った怖さがある。 最後はびっくり予想外の結末を迎える。 何だか“指”だけになってしまったマリアの意思が、これらすべてのことに働いているような気がして怖くなる。 最初から死んでいるこの「マリア」という人が、本当は主人公だったのではないか。 幾重にも仕掛けられた恐怖に、寒気がした。 他は、サクサク読めてクスっと笑える「手を握る泥棒の物語」、なんじゃこりゃーな「ボクの賢いパンツくん」、あとがき代わりの書きおろし短編「ウソカノ」が収録されている。 面白かったなぁ。 カラフルなお弁当のような一冊でした。
0投稿日: 2022.03.17
powered by ブクログ表題作を含む8作を収録した短編集。 どこか傷つき、孤独で、人と向き合うことに臆病な人物が登場し、 痛みと悲しみを伴うお話が多いけれど、 残酷さや痛みの中にも、 優しさやあたたかさ、美しさを感じられました。 乙一さんが紡ぐ様々な物語に触れられる一冊です。
2投稿日: 2022.03.10
powered by ブクログ確かに、世の中絶望したくなるようなことはたくさんある。 自分に目や耳がくっついていなければ、 どんなにいいだろつと思ったこともある。 でも、泣きたくなるくらい綺麗なものだってたくさんこの世にはあった。 胸が締め付けられるくらい素晴らしいものを、わたしはみてきた。 ーしあわせは子猫のかたち
2投稿日: 2022.02.27
powered by ブクログ読後感爽やかな短編集でした。 タイトルが旧仮名遣いのため、難解なイメージがあって長いこと食わず嫌いしていましたが、本文は読みやすいです。 最初は良いのですが似たようなエピソードが何回も出てきて、穏やかな空気感も全部一緒で後半飽きてきました。 推理の種明かしは面白いのですが。
1投稿日: 2022.02.27
powered by ブクログお気に入りの乙一を久しぶりに再読。 この本のストーリーはどれもすごく好き。 今回は「しあわせは子猫のかたち」がすごく心にあたたかく残った。 全てを通して感じるのは繋がり。 近くにいなくても繋がっているもの。 近くにいても繋がれないもの。 繋がりは距離や時間を超える。 こんな繋がりがすごく心地がよい。
1投稿日: 2022.02.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あまり読んだことのない感じの短編集だった。 失はれる物語が特に衝撃的だった。男の人の状況を考えると、怖くて絶望を感じた。誰かと内容を話したくなるような印象的な話だった。 しあわせは子猫のかたちは幽霊が出てくるのに怖くなくて、温かい気持ちになった。
1投稿日: 2022.01.17
powered by ブクログ乙一さんワールド全開でした。 いろいろなものが失われながらも、 温かかったり、切ないお話ばかりでした。 個人的には「しあわせは子猫のかたち」が 好きです。泣けました…。
1投稿日: 2022.01.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「calling you」は、強烈なインパクトがあった。多分初めて読んだのは20年位前なのに、未だに「あれはよかったなぁ」と思う。すごくわくわくした。文章がこんなにもわくわくさせてくれるものなのだと初めて感じさせてくれたのはこの物語だったと思う。序盤から、私にはすごく惹かれる設定だったのだろう。そんなことあったらいいなぁ、楽しそうだなぁ、と引き込まれて、真似してみたり。そんなことは起こらないとわかっていつつも(笑)展開的に最初から最後までずっと良かったかというと、やはり辛い部分もある物語で…そこは辛いとしても。最終的には素敵な終わり方に持っていってくれる乙一さんの作るこういう物語がすごく好き。この物語は、私が小説を好きになったきっかけとも言える。
7投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログGOTHも相当面白かったけど、コレもそれに並ぶくらい面白かった。 ミステリ短編集らしくそれぞれにどんでん返しの爽快感があるのは前提として、切ないけど救いのある物語自体の面白さもしっかりとあるので読んで良かったと思う。 作品名の「失はれる」が旧仮名遣いなのは「晴れる」と掛かっているというAmazonのレビューを見て素晴らしい解釈だなあと思った。 オススメは、しあわせは子猫のかたちと、マリアの指という作品。
2投稿日: 2022.01.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編 自分がそうなったら、辛いなぁって。自分から死ぬことも、死にたいと伝えることもできないのは、切ない。 傷を移す能力の話は、昔読んだことがあったような(ほんとにそうだったんだろうけど)奇妙な気持ちで読み終えた。
1投稿日: 2021.12.20
powered by ブクログ何かが失われても、代わりに愛や絆に気づいて、やがて心は晴れる。だから「失『はれる』物語」なのかなと思った。短編集で、どのお話もさくさく読めて、たとえバッドエンドだったとしても爽やかな読後感がある。 「マリアの指」以外はどの作品も読んだ後、あたたかく切ない気持ちになった。「マリアの指」だけは異質で、背筋がぞっとするようなお話だった。 「calling you」「失はれる物語」「傷」の3作品はとにかく切なくて悲しかった。善良な人ばかりが傷ついていくのが辛い。 「手を握る泥棒の物語」「しあわせは子猫のかたち」は微笑ましく、ほっこりした。
6投稿日: 2021.12.19
powered by ブクログ日常の中に非日常な設定を作り、それがさも当たり前かのように違和感なく読めるので読み終わった後に不思議な感覚になりました。 あらすじや設定だけを見るとグロいのかな?怖いのかな?と感じたけど優しい気持ちになれる物語が多くて好きです。 久々の読書なので短編集を選びましたが、次は長編も読んでみます。
1投稿日: 2021.12.09
powered by ブクログ久しぶりにびびっとくる本でした。 おすすめされて読んだのですが、 好きでした。 本格派ミステリー久しぶりによみました
1投稿日: 2021.12.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
珠玉の短編集。 特に「しあわせは子猫のかたち」が大好き。犬派の私でも猫と暮らしたくなる。 俗にいう「事故物件」を題材にしてこんなに優しく温かい話になるとは。陽だまりのような小説だと思う。
4投稿日: 2021.10.31
powered by ブクログすごい前向きでびっくりした。どのお話も酷いことが起きていても悲しい描写は続かない。渦中の人間からすれば、当然のこととして描かれていて、全然お涙頂戴しない。最終的には当たり前に前向きになる。後追い自殺とかしない。 乙一さん怖いんだと思ってた。読んでよかった
1投稿日: 2021.10.13
powered by ブクログ傷 オレとアサトの秘密。 アサトは他人の傷や怪我を自分が接触することで、替わってあげることができる。 傷の深さも痛みも半分ずつ。 二で割って、はんぶんこ。 2人とも限りなく優しい。
2投稿日: 2021.09.06
powered by ブクログ短編が7作、どれも面白かった。どれもちょっとせつないけど最後に心がぽっと暖かくなる感じがした。いろんな形の愛があるんだな〜。
4投稿日: 2021.08.27
