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金田一耕助ファイル1 八つ墓村
金田一耕助ファイル1 八つ墓村
横溝正史/KADOKAWA
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総合評価

258件)
4.1
76
104
52
2
1
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    めちゃくちゃ面白い。なにこれ。ミステリー、スリル、サスペンス、ロマンス、ラブ…全部入りでこのクオリティ?犬神家より断然コッチ。映画も見たいけど、後悔しそうでやだ。

    3
    投稿日: 2020.01.15
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    ストーリー展開や、トリックなどは古臭さが否めない。 だが、それを差し引いても傑作であることは間違いない。 おどろおどろしい事件の結末が、爽やかなハッピーエンドだというのも印象的。

    3
    投稿日: 2019.08.02
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    ドラマ冒頭(?)で見た例のあの姿のインパクトが強すぎて、当時怖がりだった私は結局映像も見れず小説も手に取れず、で今回実は初読みだったりします。時代を感じる部分はありますが、リーダビリティの高さには驚くほどで、台風の真っ只中での読書でしたがそれすら気にならないほど引きずり込まれ、一気に読んでしまいました。金田一氏の登場は思ったより少ないのですがもちろんちゃんと本格で洞窟探検や宝探しまでしっかり楽しめました。シリーズのこの先も是非読んでみようと思います。

    0
    投稿日: 2019.06.14
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    まず、推理小説ではありません。金田一も出てくるシーンはわずかだし、謎解きもほとんどありません。金田一自身が語るように、彼がいなくても自然に快活している話です。じゃあ、何かというとサスペンスですね。出生の謎、過去のおどろおどろしい情念、過去現在に渡る男女のもつれ、そしてダンジョンの冒険譚。 肝が冷える展開が夏にぴったり。推理小説ではないけど、名作です。 ちなみに映画で有名になった「祟りじゃぁ」は登場しません。 尋ね人 疑惑の人 八つ墓明神 四番目の犠牲者 鎧の中 春代の激情 木霊の辻の恐怖 絶体絶命 大団円 著者:横溝正史(1902-1981、神戸市、小説家)

    0
    投稿日: 2019.04.24
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    映像作品の影響が大きすぎて、様々なメディアで目にしたパロディやオマージュや悪ノリ映像ばかり浮かんで読むのに邪魔だった(特に仲間由紀恵と阿部寛の……これはこれで好きなんだけど)。遅れて読む世代は発表時代に読めた人々と同じスリルを楽しめない。残念。 文章は昭和感全開だけど、そこまで読み辛くはない。人権的見地に立つと不当・不適切な語句がどうとか断り書きがあるものの、そんな意識がある方が差別的だと思う。 日本でミステリー界を開拓していった人物の代表作品ということと名探偵の代名詞の金田一耕助に星をつけたい。ミステリーとしては今の時代では楽しめない。

    0
    投稿日: 2018.12.16
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    2016年最後の読了。期待に違わぬ面白さだったが、やはりストーリーは重くて暗い。昭和46年に初版発行の小説だが、今読んでも面白い。読んでいて何人かの容疑者が頭に浮かぶ展開は、ミステリーの王道であり醍醐味。携帯やメールやら、電話すら出てこないのだが、現代でも成立しそうなストーリーとなっているのは、推理小説として素晴らしいと感じた。 「BOOK」データベースより) ーーーーーーーーーーーー 戦国の頃、三千両の黄金を携えた若武者が、七人の近習を従えてこの村に落ちのびた。だが、欲に目の眩んだ村人たちは八人を襲撃、若武者は「七生までこの村を祟ってみせる」と叫び続けながら、七人とともに惨殺された。その後不祥の怪異があい次ぎ、半年後、落人殺害の首謀者、田治見庄左衛門が家族・村人を切り殺し、自らの首をはねて死ぬという事件が起こった。この事件の死者が八人出たことで、村人は恐怖のどん底にたたき込まれた。村人は落武者の怨念を恐れ、犬猫同然に埋めておいた八人の死骸をとりだすと、八つの墓をたて、明神として祟めることにした。以来、この村は“八つ墓村”と呼ばれるようになったという―。大正×年、田治見庄左衛門の子孫、田治見要蔵が突然発狂、三十二人の村人を虐殺し、行方不明となる。それから二十数年、謎の連続殺人事件が再びこの村を襲った…。 ーーーーーーーーーーーー

    4
    投稿日: 2018.12.02
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    再読 なのだが読み始めるまでそうであることに気付かなかったし犯人も作中で明かされるまでわからなかった つまり読んだことしか思い出せなかった 明治から昭和前期の日本だからこそ成立する冒険ミステリの最高峰であり 後進の様々な娯楽作品への影響絶大な古典 探偵が必要ないのでミステリとしてはどうなんだという欠点はあっても 有り余る長所を持つ傑作

    1
    投稿日: 2018.10.20
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    我々の世代ならほとんどの人が必ず覚えているであろう「八つ墓村のたーたーりじゃー!」という角川映画のCM。インパクトがあったなあ。最近文庫の装丁が新しくなったのか書店に並んでいて、ホラーの原点、横溝を読まないでどうする、みたいな帯がついていたので気になっていた。いざ、読んでみると…。 うーん、なんというかほのぼの…。レトロな味わいがなんともいえん。会話のひとつひとつをとっても古きよき時代がよみがえるよう。 ラストでそれまで病に臥せっていた寺の和尚と金田一耕介によってすべての謎が明らかになるのもお約束といえばそうだが、とってつけたようという気もしないでもない。ま、現代ホラーとは違う楽しみ方ができたというのがよかったかな。

    1
    投稿日: 2018.10.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前回読んだ犬神家とはまた違ったアプローチで進んでいく物語で、こちらは地下洞窟の迷路や犯人のわからない連続殺人などなんとなくジメジメとした雰囲気。 途中の金田一の推理もあまりなく何が起こるのかわからない不安感もありドキドキしながら読んだ。 村の言い伝えや宝の地図など、楽しそうな題材なのに主人公の煩悶の記述が多くてあまり楽しめなかった。最後は主人公もそれなりに幸せに終わって良かったけど。

    0
    投稿日: 2018.06.11
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    本作のモデルとなった津山三十人殺し事件に興味があり購入。横溝正史の作品は初めてだったが、語りのテンポの良さでグイグイと読ませる。そういう意味では楽しかった。しかし、もっとおどろおどろしいホラーなものを想像していた。1番怖かったのは八つ墓村という村名の由来になった、村人による落武者惨殺事件と庄左衛門&要蔵の発狂(序章)である。本章はといえば「名推理によって解決される」事のために展開されるかのような筋運びが、なんだか御都合主義的に感じてしまいイマイチ乗り切れなかった。これがミステリーの最高峰に位置するものなのだとするならば、作品のせいというより自分とミステリー全般との相性の問題なのかもしれない( 早合点かな?)

    1
    投稿日: 2018.05.30
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    久々の横溝作品。(2015年に「獄門島」を読んで以来) 本作は、映画(ショーケンが出ている方)は見た事あるのですが、原作は未読でした。 もう辰弥の受難っぷりが、お気の毒としかいいようがない・・。それだけに、典ちゃんや、春代姉さんの存在に癒されました。 ラストの真相説明部分は少々雑な気がしましたが、幸せな感じで終わったので、良かったです。 やっぱり、金田一シリーズは面白いですね。まだ読んでいない作品がいくつもあるので、今年中に“ファイルシリーズ”を制覇しようと目論んでいます。

    4
    投稿日: 2018.03.02
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    岡山出張に行ったときに、岡山は「横溝正史」の舞台なんだと知り、そう言えばまだ一冊も読んでいないなと思い至り、手に取る。(それを沖縄行きの飛行機の中で読むことになるとは。。) 岡山の田舎村「八つ墓村」地主の跡取りとして急に声がかかった主人公、過去に凄惨な事件があった村に行ってみると、行く先々で殺人事件が起こる話。黄金探しも絡んできて冒険心には心そそられる。 著者独自の風合いを感じる作品。 が金田一氏も自分で言うように金田一氏が活躍する話でもなかった。そんなにこれ系ミステリーはジャンルとして好きではないのだが、もう少し読んでみようかな。 【候補】 獄門島 犬神家の一族 本陣殺人事件 夜歩く 悪魔が来りて笛を吹く 悪魔の手毬唄

    1
    投稿日: 2017.12.11
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    すばらしいの一言。この妖艶にして怪奇な物語が、これほどまでに後味のよい読了感をもたらしてくれるとは。金田一耕介が名探偵ぶりを発揮しないところもよい。遅ばせながら、横溝正史ファンになりました。

    1
    投稿日: 2017.06.10
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    映像では何度も見返した作品。 怪奇的雰囲気、スリル、ミステリ、 そして金田一の活躍。 エンタメ要素満載の超傑作。 その為、なかなか手が出せずにいた。 原作では、事件の凄惨な雰囲気や 洞窟内でのスリルある冒険、 登場人物達の個性的な魅力等、 横溝正史にかかればそれらの 味わい深さは映像作品の数十倍。 更に、映像作品では省略されていたり 改変されていた部分も多く、 やはり原作は良いものだと再認識。 良く知った話だからと読まずにいたのを 強く後悔する羽目になった。 全編を通して良かったが、 ラストの締め方の暖かさが身に染みた。 期待以上に素晴らしかった。

    1
    投稿日: 2017.05.12
  • なんども映像化されていた作品でありますが

    映像では何度も見ていたので、原作を読む機会を逃していました。 原作は推理小説だけではなく、複雑な恋愛あり、ホラーあり、冒険あり、思っていたより厚みのある作品でした。 ラストは、映像化作品でも各作品によって微妙にかえてあるのですが、 (生き残りが財産放棄したり、謎の炎で屋敷が炎上したり)どれも後味が悪い しかし、原作を読み終えて登場人物が明るい未来にむかって歩みだせそうな 終わりかたが実によかった。

    1
    投稿日: 2017.05.10
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    閉鎖的な村で起きた連続殺人。 犯人は逃亡し、いまだに捕まってはいない。 村に突然現れたよそ者・寺田辰弥に村人たちは不信感を隠せない。 そして再び、連続殺人の火蓋は切って落とされた。 戦国時代に落武者をだまし彼らを皆殺しにしてしまった村人たち。 その後、村には奇妙な出来事が続き、祟りを恐れた村人たちの手によって八つ墓明神が作られた。 昔から伝わる落武者伝説とともに語られる惨劇の歴史。 二度にわたって連続殺人が発生した村・・・それだけでどこか不気味で怪しげな雰囲気が伝わってくる。 現在ではほとんど残っていないのだろうけれど、土地に古くから根づいた印象をうまく絡めて物語は進んでいく。 複雑に絡み合った人間関係。 過去の出来事からいまだに抜け出せない村人たち。 そして、奥底に流れる怖ろしいまでの欲望・・・。 金田一耕助の登場場面は、他の作品に比べるとかなり少ないけれど、読み応えは十分だった。 迫りくる目には見えない恐怖、展開の早さ、登場人物のキャラクター立ち、そして日本独特の因習や風土文化。 すべてがかみ合って、壮大なスケールの物語になっている。 映像では伝わりにくい面白さが、この作品には詰まっていた。

    0
    投稿日: 2017.02.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

     映画版も、古谷一行主演の連続TVドラマ版も見た記憶はあるが、「祟りじゃ」のインパクトが強すぎて、物語としては印象に乏しかった。  そういう意味で本書は楽しく読めたが、流石に横溝ミステリー。鍾乳洞を縦横無尽に活用し、また、古き時代の因縁を効果的に背景事情とする点、流れるような読み易い文体は代表作の名に恥じぬそれだろう。  しかし、それにも増して吃驚させられるのは、ミステリー作品なのに、最大の関係者の手記というスタイルを採っている点。  伏線張りにすらならぬ展開描写、逆に隠された部分が多すぎて、先の見えぬ恐怖感は、かえって新鮮である。

    1
    投稿日: 2017.02.05
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    ”お化け屋敷”と揶揄されたり、怖ろしいとやたらと文章上で凄がるから読みにくいと言う人がいるのもうなずけるし、そんな馬鹿な! と読んでいて思わず笑ってしまうような漫画みたいにありえない出来事もたくさん起こるのだけれど、これだけ物語を豊かに膨らませて、独自の世界観を構築できる作家はそうそういないと思う。特に序章のところは秀逸で、読者を物語に引きずりこむにはどう書いたらいいか、見本を示してくれている。横溝作品を何冊も続けて読むファンがいた/いるのもよくわかる。『獄門島』『本陣殺人事件』も楽しみ。

    0
    投稿日: 2016.08.09
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    評価は3としたけど、楽しめたかと言われると正直微妙……。エンタメとして密度の濃い作品ではあるのだけど、作者の他の傑作群をすでに読んでいるだけに既視感が強かった。

    0
    投稿日: 2016.07.16
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    先日NHK BSで紹介の番組をしていたので久しぶりに再読。番組内での綾辻さんや道尾さんの話を参考にしながら読んだらまた違った感じがした。

    0
    投稿日: 2016.05.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日本の犯罪史史上、最多の犠牲者を出した戦前の連続殺人事件・津山事件。 同事件を題材に取った作品と言えば、まず島田荘司先生の龍臥亭事件が記憶に新しいんですが、高校生の頃に読んだ本作もインスパイアされていたとは知らなんだ…。 当時は完全に、横溝先生の作り話怖すぎィ!何その殺人犯の奇天烈な格好!盛りすぎやろ!!っていうスタンスで読んでました、多分。 さて、本作。 八つ墓村です。 犬神家や獄門島等に比べれば、キャラがちょっと、いえ大分物足りない感は拭えません。 薄いキャラ陣の中、ちんまい双子のおばあちゃんが頑張ってはいますが、座布団の上でフガフガしてるちんまいおばあちゃんズなんて、横溝作品の中では珍しくも何ともありません。 冒頭で出てくる、20年以上前の大量殺人鬼の風体が、キャラ的にはクライマックスです← 本作の語り手であり、恐るべき連続殺人の中心人物ともなる主人公・辰也が、物語の舞台となる八つ墓村を訪れる前から、事件は発生します。 そして、村人達から白い目で見られながらも入村を果たし、病弱な兄姉と感動(?)の対面を果たしたその席でも発生する殺人事件! 彼が運んだ膳に手を付けた坊さんが死亡! 彼が会いに行った女性も死亡! 某コナンくん並みに、行く先々で死体を量産する主人公!! 国家権力を味方に付けたコナンくんはもちろん容疑者圏外が当たり前ですが、本作のタツヤくんは、村人からも警察からも怪しまれまくりです!!(当然) 事態は、犯人の捜索、地下迷宮の探索、村人達からの逃走を経て、いつにも増して部外者感の強い金田一探偵の推理披露で大団円へと至るんですが。 推理小説スキー視点から言わせて頂くと、この殺害方法はやっぱり容疑者を狭めちゃうから乱発は好きじゃないなあとかは置いといて。 【想定外の被害者と、その被害者を生むキッカケになったある証拠物にまつわる推理】 これがお見事でした。 ここの部分を読むまで、本作は、 「幾多の困難に立ち向かいながら、村に伝わってきた宝物を探し抜き、愛を勝ち取り、果たして運命に打ち勝った男の物語」 に過ぎませんでした。 (それだけでも十分面白いんだけど) ところが、この【ある証拠物】にまつわる推理を金田一探偵が披露した時に、「やられた!」って思ったんですよね〜。 その証拠物が、何故、いつ、どうやって警察の手に渡ることになったのか。 その真相が明らかになった時、真犯人を正面から指摘する材料を私(=読者)は与えられていたのだと、嬉しく歯嚙みいたしました*\(^o^)/* 金田一探偵の推理の後出しジャンケン感は拭えませんが、この一点はすごく印象に残りましたねー(^^)

    2
    投稿日: 2016.02.09
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    急にふと読みたくなった横溝正史。 我が家には横溝正史とアガサ・クリスティは、全部ではないが一部二冊づつある。 一冊は学生時代に買ったものが実家に、一冊は働きだしてから買ったもの。 結婚して実家からも運んできたので二冊づつになった。 こういうところが無頓着なのか、実家にあるから持ってきて読もうと思わず、読みたくなると都度買ってしまう。どうせ買うなら読んでいない横溝正史にすればいいのに、そういうときは記憶に残るオドロオドロシイ場面が読みたくて仕方ない。 他は几帳面なのに、こういうところは持ってるのに気にせず買っちゃうんだね、本が好きなひとってみんなそうなの?と夫にも訊かれたけれど、多分みんなこんな勿体無いことしないんじゃないと答えた。 きっとこれはもう癖みたいなもので、もし何か長期間家を離れることがあってまたふと思ったら本屋さんで同じ本を買うのだろう。バカですよね。 有名すぎる本作は、実際に起きた悲惨な惨殺事件である『津山三十人殺し』をベースにしている。事実は小説より奇なり、きっと横溝正史はそう思ったのじゃないかなと想像したりする。 映画化やドラマ化も多くされているし、有名なセリフ、「八つ墓村の祟りじゃ〜」だったり、あんな格好のひとが深夜に走り回っているのを見たらそれだけで心臓が止まりかねない奇怪な殺人鬼だったりで、物語自体をきちんと知らなくても、ああ、あれでしょと誰もが知っているだろう作品。 こちらも金田一耕助シリーズではあるが、読むと金田一耕助って出てた?くらいに存在感がない。主人公は田治見辰弥。この作品は彼の回想のような形で語られるため、金田一耕助の存在が薄いのも仕方ない。 わたしが観た映画では金田一耕助役は渥美清さんが演じておられ、渥美清さんには申し訳ないけれど、どうしてもフウテンの寅さんにしか見えない。渥美清さんが出てくるたびに、オドロオドロシイ感じから笑いとペーソス溢れる感じになってしまう。ちょっと残念だった。 わたしは金田一耕助役といったら古谷一行さんがいいかな。石坂浩二さんだと知的で品がありすぎて原作のややオドオドした感じや身なりに構わない感じが足りない。やはり古谷一行さんに豪快に頭をボリボリかいてフケを撒き散らしてもらうのが一番いい。もう少し吃音気味だと更にいいけれど。 こちらと「犬神家の一族」は数ある横溝正史作品の中でも特に映像化されて生きた作品と言えるのではないだろうか。 読み返してみると落武者を村人が惨殺する場面も、田治見要蔵の村人惨殺場面もそれ程の衝撃はない。むしろ史実のひとつといった感じで淡々と描かれている。 これは子供が観ちゃ駄目じゃないか、今だったら間違いなくR-18指定されていそう。そんな作品を昔はお茶の間で気軽に観られたのだから、現代よりも随分ピリピリしていなかったなと思う。 戦後の混乱した時代、閉鎖された村にありがちな排他的な思想、絶対的な財力を持つ者と持たないものとの差、虐げられるままでしかいられない女性、ひとの心に残る怨みや妬み、いかにもな横溝正史の世界観が味わえる一冊。 そして読み終えるとやはり映像としても楽しみたくなる。確か最後に崖の上で尼子義久ら八名の落武者が血塗れの顔で笑っている姿が映るところが、とても恐ろしかったと記憶している。 この記憶を確認するためにビデオレンタル屋さんへ駆け込め。

    5
    投稿日: 2016.02.04
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    1000人の金田一耕助イベントを見ていて 久しぶりに読みたくなり。 一連の金田一耕助ものの中では異色。 探偵なのにほとんど登場しない、いったい何が すごいのかよく分からない。 ただ、他のキャラクターが凄い。 主役の寺田辰弥もいい。森美也子、典子も春代も 小竹様小梅様もみんないい。 多治見要蔵が何より濃い。 そこに洞窟冒険譚も加わり、ああ傑作っていうのは こういう小説を言うんだなあと酔えたりもできる。 読書から得られる幸せを実感できる稀有な一冊。

    0
    投稿日: 2015.12.30
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    横溝正史と金田一耕助の代表作と言って良い作品。ン十年ぶりの再読。「津山30人殺し」がベースにあることで有名だが、淡ーい記憶で「そういう話だっけ?」と読み始めたら、やっぱり違いました。「津山"32人"殺し」の村で起こる、古来の財宝をめぐる一族の乗っ取り騒動。 この作品、横溝作品には珍しく「見立て」の殺人が存在しない。更にほとんどが毒殺という形を取るため、殺人事件は地味である。それに対して、後半では洞窟の探検がメインとなって、殺人事件自体を忘れてしまう。全体を眺めても、殺人事件は導入の話で、冒険小説という印象が残る。 洞窟のシーンは「岩窟王」や江戸川乱歩ものを意識しているのであろう。文章からはどういう洞窟か完璧にイメージはできないものの、要所要所に記憶に残るように名前をつけて、子供でも読めるように配慮されている。 最終的に、殺人事件は尻すぼみで動機も薄いときているので、何がなんだかわからなくなってしまうのだが、横溝作品だからこそ許される落とし方とも言える。 なんというか、散漫だけれども、その散漫が名作たる所以とも言える作品である。

    2
    投稿日: 2015.12.12
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    津山三十人殺しを扱っていると聞いたので読みました。 読後にあいまいにしか知らなかった実際の事件の概要を読んだら小説よりさらに酷い話だったので事実は小説より奇なり。を体現していると思いました。

    0
    投稿日: 2015.11.28
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    金田一さんが驚くほど何もしない。次から次へひとが死に、なんで?どうして?ワクワク!とページを繰っていたら終わってしまい、動機についての考察(京極堂)を思い出したり。

    1
    投稿日: 2015.11.08
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    もっとおどろおどろしいミステリー作品だと思っていましたが、それほどではありませんでしたね。さすがに物語の骨格がしっかりしており、展開的に無理のある内容は全く無く、さすがのミステリーの名作ですね!しかし意外と、この作品では金田一耕助が目立っていないことが少し驚きでしたね!最後もハッピーエンド的な結末で、スッキリしてしまい、少し拍子抜けでしたかね?でも、完全に金田一耕助ミステリーに、どっぷりとはまっております!

    2
    投稿日: 2015.10.22
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    落武者の祟りのせいで、ただの毒殺なのにかなりうすら怖い。正統派のミステリーとしては当然のことながら、ハラハラドキドキする感じは極上のサスペンスとしても楽しめる。後で知ったのだが、読みながら要蔵の凶行が津山事件っぽいなと思っていたら、やはりモデルになっているとのこと。獄門島より好き。渥美清主演の映画版も良かった。原作より落武者の怨念に比重を置いた作り。

    2
    投稿日: 2015.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    旧版(緑304)で読了。複雑なトリックやアリバイはなく、アドベンチャー、サスペンス、ラブストーリー、ホラーなどの要素がつまった作品。金田一耕介シリーズでありながら、登場シーンも少なく、そもそも推理する要素がほぼない。それほどおどろおどろしくもなくサクサク読める。

    0
    投稿日: 2015.09.04
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    金田一ファイル1となっているのに、時系列だと最初の事件じゃなかった。面白かったけど金田一はイマイチ活躍もしてないし、主役でもなく、語り手でもないので登場が少なくで以外。

    0
    投稿日: 2015.08.15
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    映画で有名な冒頭の大虐殺事件の印象からは、思ってたほどおどろおどろしくなかった。頑迷妄信な村人たちの因習に巻き込まれる不条理な恐怖みたいのものもあまりなく、想像していたことに比べれば全然物分かりのいい村人たちで、あれ…?っていう感じ。文体ももっとねちっこいのかと思いきや、明瞭でテンポがよく読みやすい…。う~んこんなにライトなんだと思わなかった。ふつうに探偵小説として面白い。

    4
    投稿日: 2015.07.30
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    これは…面白い‼︎ 半分くらいから一気に読んでしまった。 サスペンスなのだが、頭を使う必要はない。複雑なトリックとかアリバイ工作などは一切ないからだ。 今作は連続殺人の動機探しがメインとなる。加えて洞窟の財宝を探す大冒険も。 サンペンスあり、ホラーあり、ラブストーリーあり、アドベンチャーありと、とにかく面白い要素をすべて詰め込んだ作品。 昔の小説だからと馬鹿にしてはいけない。こんな面白い小説は初めて。

    1
    投稿日: 2015.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ついにこの作品で日本の探偵小説も「動機のない殺人を装った即物的な動機による大量殺人」に行き着くんだなあ。因果のないことを装う物語。異世界としての村、異世界としての鍾乳洞。殺人は起きただろう、しかし物語が生まれたのは、あの人の書付があったからこそ。上質な探偵小説はこうしてマギカロギア的禁書の性格を帯びる。

    0
    投稿日: 2015.06.06
  • 同じく最高傑作と思います

    横溝小説の良い処は、おどろおどろしていながらも、登場人物たちが生き生きとしているところ。 その分、感情移入があるので、事件を共に考え、逃走の場面では恐怖を共感します。 映画で結末は知っていても、逃げ回るシーンでは、ドキドキしました。 ちなみに、冒頭の連続殺人事件は実際の事件をモチーフにしています。 こわっ!

    1
    投稿日: 2015.04.03
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    言わずと知れた名作ですが、映像化されているし、観ていたため特にドキドキハラハラしながら読む事はなく淡々と読みました笑

    0
    投稿日: 2014.12.01
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    初めて金田一耕助シリーズの文書を読んだ。 事件は戦国時代からの伝説を持つ田舎の八つ墓村。 古い時代の文章だけど、逆にこの書き方が現代では無くなっているせいなのか、横溝正史の独特なものなのか、新鮮。 文章力が高くて、おどろおどろしい記述、人間の恐怖心が見事。 また、事件の展開の妙も凄くて楽しく一気読みできた。

    1
    投稿日: 2014.11.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    言わずと知れた金田一耕助シリーズの傑作。「祟りじゃ~。八つ墓村の祟りじゃ~」というセリフは映画用。原作には出て来ない。 舞台は岡山の山中にある村。26年前に村の分限者(資産家)田治見家の主人要蔵が、妾の鶴子が出て行ったことに腹を立て、狂人となって村人32人を惨殺した。戦国時代に尼子の大将が村に落ち延びてきたものの、彼らの持ち込んだ財宝に目がくらんだ村人たちが大将以下8人を殺した祟りだと伝えられていた。 そのきっかけとなった鶴子の息子、辰弥に田治見家の財産相続の話が持ちかけられるところから物語は始まる。 村の祟り伝説と連続殺人事件という、後世のこういう物語のお手本のような作品。 冒頭の要蔵の32人殺しは、津山事件という実際に岡山の山中で30人を一晩で殺した事件をベースにしている。要蔵の恰好は津山事件の犯人都井睦雄の事件当時の様相なのである。横溝の創作だと思っていたが、事実は小説より奇なりである。

    2
    投稿日: 2014.11.09
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    めっちゃめちゃ恐いと思い込んでたが、久しぶりに読んだらなんか怖いというより推理小説としての面白さを感じられて良かった。

    1
    投稿日: 2014.10.22
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    映画もやったが、本だけ読んだ。テレビもやったな。主人公は、金田一耕助探偵。国語辞書を著していた金田一京助から付けたらしい。頭ぼさぼさの不潔系であるが、頭脳明晰。次々と難解な事件を解決する。過去の一族の血筋とかの恨みなど、結構、暗いのが多いこのシリーズ。金田一探偵のおとぼけさに救われる。

    16
    投稿日: 2014.10.13
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    最後の方は面白かったです。 金田一さんあまり登場しないんですね。 この小説の主人公はとても頑張ったと思います。好感がもてました。 犯人のたどった結末が少し哀れで、読後感をより深いものにします。 機会があったら、このシリーズに挑戦しようかなと思います。

    2
    投稿日: 2014.09.16
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    文中でも金田一さんに忠告されていたのに、辰弥さん突っ走り過ぎ(笑)。 村での孤立した立場が、そうさせたのかもしれないけど。 次々に被害者がでる恐ろしい状況と、被害者の側に置かれた謎のメモの存在は、とてもスリリングでした!! ただ、辰弥さん視点で書かれているので、金田一さんの活躍があまり描かれていないのが、個人的にガッカリ。 『獄門島』『犬神家』『八つ墓村』と、金田一シリーズの有名どころは読み終えたわけですが 『犬神家』が一番好きだなー。 インパクトと、金田一さんの活躍ぶり、手に汗握る展開、どれも素晴らしい。 (2014.9.4 読了)

    0
    投稿日: 2014.09.05
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    金田一耕介が主人公でない・・・まずそこが意外。 かつて村を襲った猟奇殺人事件の伝説を背景に次々と起こる連続殺人事件。 先が気になってページを捲る手が止まらない、ミステリーズハイ状態に陥ってしまった。 迷信や言い伝えに翻弄され、理屈が通用せず暴走する人間ほど恐ろしいものはない。そこにゾクリとした。

    0
    投稿日: 2014.08.25
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    横溝正史の『八つ墓村』を読了。この作品の冒頭に描かれている事件は、1938年5月21日に岡山で実際に起きた「津山30人殺し」をモデルにしている。オレは読む前まで『八つ墓村』自体がその事件をモデルにしているのかと勘違いしていた。 それにしても、さすがは横溝正史。面白い。主人公である青年は、あらすじにある要蔵の息子として八つ墓村に来ることになるのだが、その要蔵は三十二人もの人間を殺した殺人鬼。当然ながら村人には好かれていない。 本作では冒頭以外は全て主人公の手記という形式をとっているので、読者には無実の主人公がの心情が伝わりやすい。 上手いと思ったのは、犯人が動機をカムフラージュしていたという事。これを見抜くのは至難の業だろうと思った。 また本作は、推理小説であると同時に、ちょっとした恋愛小説とも受け取れる。誰かとは言えないが、村で味方をしてくれるある女性の存在は主人公にとって心の支えになっていたのは間違いない。 そして鍾乳洞の存在や落ち武者の財宝伝説。これらの要素があることで冒険小説としても楽しむことが出来るはず。 主人公視点という構造上、金田一耕助はあまり出てこないものの、面白さは抜群の作品だと言える。かなりオススメ。

    1
    投稿日: 2014.08.10
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    「八つ墓村」横溝正史◆26年前に村で起きた凄惨な事件。関わりの深い辰弥は村に戻ることになるが、それが歴史を繰り返すきっかけにー?冒頭の事件が実話に基づいているというのが恐ろしいですが、地下の鍾乳洞や宝探しなど個人的に好きな要素が入っていたので、不穏な空気に負けずに(?)読めました

    0
    投稿日: 2014.06.24
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    やっぱり原作は面白い! 映画もドラマも大好きだけど、 本筋がその都度変わっているので、 久しぶりにそうだった~っと、 省かれていた重要人物やエピソードの1つ1つに 懐かしくなったり、金田一耕助の原点に帰る ハラハラドキドキの楽しい陰惨の旅[笑] おどろおどろしい事件が進行しつつ、 鍾乳洞の宝の地図や、 崖一面から発せられる夜光苔の幻想的な景色、 天真爛漫な典子ちゃんの恋にわくわく。 八つ墓村の原作ではほとんど金田一さんの 活躍がないところもまた面白い。 モジャモジャ頭で風采の上がらない 愛すべき人物・金田一さん。 新しい物語が読めないのがすごく残念だけど 何度も大切に読んでいこう。

    10
    投稿日: 2014.05.29
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    カバーに「現代ホラーの原点ともいうべき、シリーズ最高傑作!!」とあるが、どうかな?ミステリではなくホラー。映画版の探偵が寅さんだったのも分かるよ。誰だってよかったから。

    0
    投稿日: 2014.05.25
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    津山事件(津山三十人殺し)にインスパイアされて書かれた小説。 「八つ墓村」というフレーズの恐ろしさだけが先行していますね。 内容自体は津山事件のような殺し方(同時殺人)をした名家当主は過去に村人が殺した落ち武者の祟りだったというところから始まり、消息不明だったその息子が村に連れ戻されてから連続殺人(同時殺人ではない)がはじまる、というもの。 鍾乳洞の洞窟がクライマックスの舞台になるが、特に恐怖を覚えるものではない。 子供の頃は「八つ墓村のたたりじゃぁ~」というフレーズがものすごく怖ろしく、購入してからこの本を読むのを躊躇していたが、何のことはない、陳腐な推理?探偵?小説でした。 期待していただけに残念。

    0
    投稿日: 2014.05.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シリーズ1作目ということで読んでみた。 ミステリ要素はほとんど無く、不思議さと人間ドラマを楽しむ話。結構前の小説にもかかわらず、読みやすかった。

    0
    投稿日: 2014.02.15
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    横溝正史が生んだ日本の名探偵「金田一耕助」。本作は、彼が登場する作品の中で1、2を争う作品ではないでしょうか。映像化回数は金田一の中でも1番多いのだとか。 遅ればせながら、初「金田一耕助」なのですが、今から50年以上も前に書かれた作品とは思えないくらい読みやすくて面白いですね。読む前に頁数(500頁弱)を見て、「お、時間かかるな・・」と思ってましたが、意外とサクサク読めてしまい驚きました。 金田一耕助の推理スタイルは、論理的に犯人を追いつめるというよりは、人(人間関係)を観察から犯人を特定していく感じなんですかね。本作では、本格的なトリックはなく誰が犯人なのかという基本路線。 ただ、鍾乳洞での宝探しといった冒険要素や、春子、典子ら登場する女性たちとの恋愛まで幅広いし、読者を楽しませるエッセンスがたくさん詰まってますね。 まだまだミステリー初心者ですが、やっぱり謎解き、ハラハラドキドキ感は純粋に楽しいですね。どんどん読んでいこうと思います。

    0
    投稿日: 2014.01.11
  • 推理あり、活劇あり、恋愛ありの極上エンターテイメントだった!

    タイトルや世間一般的イメージ(そしてまたこの角川版の表紙も!)から、おどろおどろしい和風ホラー仕立ての探偵小説を想像していた。ところがところが、後半に行けばいくほど秘宝をめぐる冒険活劇の要素が強く、甘酸っぱい恋愛物語の要素もあり、むしろこれはとてもよくできたハリウッド映画ばりのエンターテイメント小説なのだと気付かされた。語り手でもある主人公のキャラクターが、屈折したところや病的なところのない普通の好青年だったこともあって、読後感はむしろさわやかと言ってもよいほど。 美也子、春代、典子という三人の若い女性キャラがいずれもとても印象的だった。古い小説にありがちなご都合主義の女性像ではなく、とても丁寧に描かれており、三人ともがそれぞれ意味あいは違えど「ヒロイン」の名にふさわしい個性を持っていた。

    5
    投稿日: 2014.01.07
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    血塗られた村。悲劇。大量殺人。 主人公は金田一さんではなかった。 ちょっと切なくなるシーンもあった。

    0
    投稿日: 2013.12.07
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    角川文庫の横溝正史作品といえば、1970年代に積極的な「メディア・ミックス」を展開して大ベスト・セラーとなったことで知られているが、本作を読めばその理由がよくわかる。一癖も二癖もある登場人物といい、複雑怪奇にしておどろおどろしい都市伝説の流れる舞台といい、次から次へと事件が巻き起こる展開といい、エンターテインメントとして劣っている部分はひとつもない。これが大ブームになることも当然であり、じっさい読んでいて非常に面白かった。なかでも凄いと思ったのが舞台設定だ。坂口安吾の『不連続殺人事件』を読んでも思ったことだが、どうしてこの時代の一流作家は、こんなわけのわからない複雑な舞台を思いつくのか。いい意味でクレイジイというほかない。人物造形も凄い。どうしてこうも、全員が全員怪しく見えるのだろうか。並の筆力ではとうていかなうまい。単純におもしろいので、あんまり説明すると野暮になってしまうが、とにかく凄いの一言に尽きる。私自身は『本陣殺人事件』に続き2作目のシリーズだが、これでまた一生のうちに読み尽くしたいシリーズ作品が増えてしまったと思った。

    1
    投稿日: 2013.11.10
  • どきどき、わくわく。

    最初はこの作品のページ数で「最後まで読めるかな」と思いましたが、最後までドキドキ・ワクワクでした。 shirotokuroさんの”冒険小説だ”というレビューにも納得できます。 多数のレビューを読んでみて、新たに読み返してみたいと思いました。 また新たな発見があるかもしれません。

    1
    投稿日: 2013.10.30
  • 横溝正史最高傑作!

    金田一最高傑作ではありません(^^) この作品はあくまで語り手が主人公で金田一はほぼ脇役です それに私はホラー作品とは決して思いませんし純粋推理小説とも思っていません 私はこの作品をあえて冒険小説と呼ばせて貰います なぜなら伝説あり呪いあり洞窟あり恐怖あり危険あり恋愛あり 特にテレビ版や映画版では必ず端折られている恋愛パートは凄く好きです 特にお姉さんとのせつないお話は泣けます 勿論推理小説としても素晴らしいです 初っ端から謎の怪文書、そして実は御曹司、そして村に伝わる黄金伝説と呪いの連続殺人、怪しげな占い師に双子の婆、次々に起こる謎の死とトリック それでも私は冒険と恋愛要素を推しますね 原作を読めばいかに映像作品がこの作品の魅力を出し切れていないかが分かります

    6
    投稿日: 2013.09.28
  • たたりじゃ~

    子供の頃、「八墓村のたたりじゃ~」というフレーズが流行っていて恐いイメージを持っていました。 今年、何故か横溝作品にはまり、この作品は外せないだろうと読んでみました。 ミステリーというより冒険譚というか、読んでいてドキドキ、ワクワクさせてくれます。 これを読んだ後は鍾乳洞に行きたくなるかも(笑) 金田一大活躍という感じではないですが、非常に面白い作品になっていますし、横溝作品で何が良いかと問われたらまずはここからとオススメしたくなる一冊。

    2
    投稿日: 2013.09.27
  • 色褪せない怖さ

    昔に書かれたものだと時代背景などが異なるため、なんとなく感情移入ができずに楽しめない作品が多くあります。しかし、この作品は別。やはり作家の腕なのか、十分物語に入り込めました。設定としてはあり得ないだろうなと思いつつも、表現描写の上手さから、ドキドキ、ハラハラさせられました。金田一耕助の作品は初めてでしたが、十分楽しめました。

    1
    投稿日: 2013.09.27
  • 金田一耕助はまずこれから読むべし

    傑作です。もう何回読んだことか。犯人はわかってるのに楽しめます。推理小説で2回以上読んだのは、ホントこの本だけです。

    1
    投稿日: 2013.09.25
  • 最初から犯人を知っていた

    手記の体裁を取っているうえに、これから起こることを予告しながら書いている(この時私が眠ってしまわなければ、とか、あのような恐ろしいことが起こるとは、とか)ので読みやすい。推理小説としては、コンスタントに人が死んでいくので飽きることがない。 犯人の動機はなかなか意外性があって良い。 昔、本の雑誌の特集で最も防御率の低い探偵に選ばれていた金田一耕助の役に立たなさに驚愕。 そして、さんざん人が死んだ後の「最初から、犯人を知っていたのですよ」発言。読めて私は満足です。 角川書店は電子書籍にちゃんと大きい表紙をつけていて偉い。

    1
    投稿日: 2013.09.25
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    「なぜそんな事で人を殺すのか」。 陰惨な殺人事件にそぐわない、ささいな動機。それは到底理解出来るものではなく、明らかになった後にはただ、やり切れなさが残る。 この作品のラストにも、そんなやり切れなさが漂う。 ミステリーの要素は極めて薄い。主人公の一人称で語られるため、肝心の謎解き場面もあっさりと終わる。 推理小説よりも、サスペンスに近いかもしれない。主人公にまつわる出生の秘密。血塗られた村の忌まわしい過去。松明や竹槍を手に追って来る村人から逃げる場面には緊迫感があるし、深い鍾乳洞で秘められた秘宝を探す場面は、まるで少年冒険譚である。 面白さという点では掛け値なし。ただ、肝心の金田一の活躍は少なめである。

    0
    投稿日: 2013.09.16
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    横溝の定番有名作品ですが探偵物ではなく怪奇物でもなく冒険譚。自分でも言っているけど金田一は特に何もしていない…

    1
    投稿日: 2013.09.03
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    推理小説というより、サスペンスや冒険小説に近い作品だと思います。「被害者のミッシング・リンクを軸にした犯行の目的」が最大の謎なのですが、やや伏線が不十分で説得力が弱い気がしました。 ミステリーとして読むと不満が残りますが、雰囲気の異様さとスケールの大きさはシリーズ随一だと思います。

    0
    投稿日: 2013.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初の横溝正史作品。 稲垣吾郎主演のドラマを見た後に読了。 ドラマをを見た後だったからか、凄く読みやすかった。 登場人物は多いが、気にならずに読めた。 ただドラマの様に怪しい感じが少なく、淡々とミステリー作品だった。

    0
    投稿日: 2013.08.11
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    今まで数多く映画やドラマなどで映像化された作品。 日本で指折りの私立探偵、金田一耕助が活躍する横溝正史の代表作。 ドラマなどでは金田一の推理を入れ込まなければいけないためか、視点も自然と金田一に中心が置かれることが多い。しかし小説の叙述は主要登場人物の寺田辰弥によるため、彼の視点で話が進む。 この作品が取り上げられる際によくいわれるのは、実際に起こった大量殺傷事件(いわゆる津山事件)との関係。確かにインパクトが強すぎるため、イメージしやすい。しかし、それは本編のほんのわずかを占めるに過ぎない。 八つ墓村の歴史的背景(毛利と尼子の戦、落武者と村人との関係)や犯人による殺害対象の選択方法、辰弥とヒロインとのロマンス、鍾乳洞内の冒険と隠し金など、見どころが多く、ページをめくる手が止まらなくなる。 サスペンスやミステリーの枠にはとどまらない素晴らしい作品だと考える。 『八つ墓村』に限らず、金田一耕助が活躍する作品は、島や辺境の村など、周辺から隔離された地域が舞台であることが多く、その地域の分限者が2人~3人いるという設定が多い。これが作品を読み進める上でわかりやすくもあり、興味を刺激するように思う。 映像化されると、このような村の背景にはあまり触れられない。また、ヒロインもないがしろされることが多い。 この作品のヒロイン、最初の登場時こそ辰弥の評価は高くなかったが、その後徐々に素敵な女性へと変化していき、辰弥の気持ちも変化する。 また、話が進むにつれ、辰弥の身の上には多くの驚くべきことが判明する。以上のことが最終的に大団円を迎える際に重要になってくると思うのだが、映像化の際には登場しないことが多いため、事件が解決した後、辰弥がどうなるのかよくわからない場合が多い。どうみても幸せにならんだろう、と感じるわけで…。 やはり原作が素晴らしいと感じる所以である。

    1
    投稿日: 2013.08.08
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    トリックや犯人が誰か、というだけでなく物語として深く楽しむことができました。 金田一耕助よりも、主人公が、また典子が魅力的でとても良かったです。事件の中にもドラマがあり、生きた物語として読むことができました。 本書で強く思ったのは、祟りとか呪いとかよりも、人間の憎悪とか嫉妬とか欲とか、そんなものが一番怖いなと思いました。人間の思い込みは本当に怖い。 人間が一番怖い。

    0
    投稿日: 2013.07.06
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    堅苦しい文章でおどろおどろしい感じを醸し出しているのかと思いきや、想像以上に読みやすかった。舞台設定、連続殺人が謎が謎を呼ぶあたりまでの盛り上げ方は良かったが、最後はドタバタ解決と言った感じなのがちょっと残念。推理モノという割には、(名探偵のはずの)金田一耕助あまり活躍しないし...。

    0
    投稿日: 2013.06.16
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    戦国時代、大正時代と凄惨な事件が起こった『八つ墓村』 大正時代の事件から20数年後、この村と深いかかわりを持つ青年の帰還から起こる連続殺人の顛末を描いた小説。 古典呼ばれる作品はどことなく読みにくい、文章が固い、と思う作品もあるのですが、この作品はあまりそういう感じは受けず、読みやすかったです。 タイトルから陰惨な殺人のイメージや閉鎖的な村の陰鬱な雰囲気のイメージを持ちながら読んだのですが、そういう場面もあるものの、後半からは村に伝わる宝の捜索や、鍾乳洞の冒険、逃避行もあって結構躍動感も感じられる小説でした。冒険小説としても通用しそう。 村の雰囲気がよくない中で、主人公の姉である春子の優しさや、同じ村の住人である典子の無邪気さや勇敢さ、かわいらしさは読んでいて救いになりました。いつの世も女性の力は偉大だなあ、と柄にもないことを思ったり(笑) 物足りなかったのは探偵である金田一耕介が完全にわき役だったこと。スリラー、冒険ものとしては十二分に面白かったもののミステリーを期待して読んだので、やはり彼の推理で犯人を指摘してほしかったなあ、という思いは残りました。

    1
    投稿日: 2013.05.01
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    面白かった。 ★4でもいいんだけど。 一時期の角川映画、横溝正史ー市川崑は大好きだったので、 と思ったけど、市川崑バージョンは東宝だったか。 何しろ観たのは昔の話なのでストーリーもすっかり抜け落ちていたが、 読むに従って鍾乳洞のシーンを思い出し、 後半は頭の中で映像を再現しながら読むことに。 大変面白いんだけど、 なんとなく犯人の動機や手段に説得力が欠ける気がするのは厳しい見方だろうか。 加えて栄泉の行動への理由付けがちょっと強引なような。 あと、作品の出来不出来には関係ないけど、 私的には金田一の活躍が少し物足りなかったかな。 でも、基本楽しく読みました。 横溝正史もいろいろ読み漁りたい作家の一人だ。

    1
    投稿日: 2013.04.14
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    疑いの目を向けられた主人公の心理描写に注目。あと噂の懐中電灯を頭に縛りつけた人は冒頭で出てきた。 一族の跡継ぎになるという名目で、主人公辰弥が村へ戻ってきた。 26年前、村で起きた連続殺人事件を知る者たちは、犯人息子が帰ってきたと反感を示す。 そしてまた始まる連続殺人。犯人の意図は。 金田一耕助視点じゃないと思ったら容疑者視点とは。 犯人と疑われ、辛い思いをし、時には危険にさらされ、そんな主人公してんだとまた別の臨場感がある。 そして解説が面白い。 横溝さんがこの作品を書くまでの経緯を、ミステリーの歴史や時代背景も含めて書いている。 海外作家の影響や、耽美浪漫派のこだわり、本作の元ネタとなった津山事件や、坂口安吾の不連続殺人事件に対する意地など。 さて、次は犬神家の一族。いってみよう。

    0
    投稿日: 2013.04.11
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    金田一耕助シリーズのイメージを固めた一作だとおもわれる。 ただ読みやすいのでスルスル入るのよね。 因習って言葉がピッタリ。

    0
    投稿日: 2013.01.25
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    金田一耕介シリーズの有名作品ですね。 名前だけは知っていましたが、この機会にがっつり読もうと思い立ち、手に取りました。 戦国の頃より血生臭い怪奇を繰り返してきた小さな村、八つ墓村。 大正幾年、ことの発端となる落ち武者襲撃の首謀者の息子が、哀れな妾の離反に発狂し、32人もの村人を惨殺し行方不明になってしまう。 さらに幾許の年が流れ、それまで自身の生い立ちも知らずに生きてきた青年、辰弥は、八つ墓村で無差別殺人を行った男の息子として跡取りのために招聘されることになる。 そして、彼の周囲で凄惨な殺人事件が再び起こり始めるのであった。 横溝さんの本を読んでいて思うのは、ムラ社会の陰湿さ描写が巧みであるということです。 昨今、都会では人と人との距離感が開き過ぎる弊害が指摘されがちですが、近すぎてもいいことばかりではないと身にしみますね。 ストーリーはあくまで不幸な青年辰弥の視点で進み、彼と共に事件の全容を解明していくことになります。 最終的に金田一青年が解決に一役買うわけですが、かなり引っ張ってからの登場になるので、じっくりと推理を進めていくことができます(というよりある程度話が進まないと、動機中心の考え方も必要になるため犯人特定が難しいです)。 ヒントは随所にちりばめられており、読み終わってから伏線に気付くことも多い気がします。 緻密に練られたプロットこそが、この作品が昔から人の心を掴んでやまない理由なのだと実感しました。

    0
    投稿日: 2013.01.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大量殺人事件の実話がモチーフになっているとのことだが、ラストが後口爽やかに締めくくられていたのが意外だった。 そして最大の功労者にして勇者は典子(゚∀゚)

    4
    投稿日: 2013.01.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めての横溝作品。次々と目の前で起こる殺人,意図の読めない言動,閉鎖的な村ならではの偏執。スリリングでなかなか読む手が止まらなかった。 しかし後半になってくると犯人と動機や,ある人物の出生の秘密が予想できてしまい,真相究明が半ば答え合わせになってしまった。 ただそれでも隠されていた驚きの事実もいくつか登場。プロットの細かさに舌を巻くことに。 もしかしたらわざと犯人などを分かりやすくして,読者が慢心した隙を突けるようにしたのかも。 謎が解けたと思った?莫迦め,そんなのは表面だけだ! みたいな

    0
    投稿日: 2012.12.17
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    戦国時代に起こった八人の武者惨殺。それ以降、その村は『八つ墓村』と言われるようになった。 大正時代、落人首謀者の孫が発狂し、村人32人を虐殺して行方不明となった。 そして、二十数年後、ふたたび殺人事件が村を襲った。。。。 というストーリーです。 うーん。結論から言うと~ そんなに恐ろしくなかったな~。 横溝さんの本は、ホラーっぽいところが好きで読んでてゾクゾクしてくるんだけど これはそれほどでもなかったなぁ~。 それに、金田一耕助、あまり登場しないし~。 最後の方まで読まないと犯人わからなかったけど、 彼らしい感じがしない本だったので、ま、こんなもんかな~。って感じ。

    0
    投稿日: 2012.11.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

     再読。  横溝正史といったらコレ、という作品ではないか。  「恐ろしき籤」の殺人かと思いきや、「木の葉を隠すなら森の中」の殺人であった……というのは、国内では斬新であったに違いない。  海外では一例にクリスティの「ABC殺人事件」(1936、本書は1949‐1950)があるように、影響を多分に受けているのだろう。  やっぱりこういうおどろおどろしさ、というか、形容しがたい村社会の雰囲気を書きだせるのは、流石、横溝正史だと思う。  しかし、金田一の本書での影の薄さは随一。  文脈上の意味は全く違うが、「ああ、金田一耕助は、なんのためにやってきたのだろうか」という辰弥の科白は、一種の皮肉に読めてしまった。  「ああ、金田一耕助は、なんのためにやってきたのだろうか」  

    0
    投稿日: 2012.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    再読。 金田一シリーズ定番の田舎の村で、迷信じみた、おどろおどろしい事件! 殺害リストや地下への隠れた入口などの小道具をはじめ冒険あり、色恋沙汰あり、お宝ありで、もー面白い要素がこれでもかと入っていてどんどん読み進めてしまいます。 金田一の出番は少なめですが、やはり外せない名作。 2012/10/20-21

    0
    投稿日: 2012.10.22
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    無性にホラー小説が読みたくなって、本屋さんで一番目に付いたので手に取りました。 八つ墓村は映像でも見た事がなくて、ほぼ知識無しで読んだのですが、面白い!! 自分としてはもっと、おどろおどろしいイメージを持っていたのですが、意外とそうでもなかったです。 トリックなどは特別手のこんだモノではないのですが、何だかぐんぐん惹きつけられてしまいました。 これから横溝正史にハマりそうな予感!! 典子ちゃんが最高に可愛い!

    1
    投稿日: 2012.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    京極作品で、横溝正史が登場人物として出てきてから気になり購入。 この年代の人の小説は、三島由紀夫しか読んだ事がなかったので、難しい文章なのかと覚悟していたら非常に読みやすく、しかも面白かった。 主人公辰弥は平凡な暮らしをしていたのだが、実は八つ墓村にある名家の次男だったことが判明し、村へ行く。 その村で殺人事件が起き、次々と人が死んでいくストーリー。 双子のおばあさんが薄気味悪くてよかった。おばあさんにお茶を飲まされるシーンはぞくぞくしたし、長持のくだりはスリリングではらはらした。 ホラーテイストがあり、とても私好みだった。 只、ちょっと人が死にすぎなのには無理があるかなとも思った。 そして典子が可愛い。 辰弥をずっと信じて味方をする姿や無邪気な姿、前向きに辰弥を慰める姿…全て可愛くて魅力的だった。これで惚れなければおかしい。 典子の明るさ、頼もしさに救われたなと思った。 あと金田一氏は只の変人に見えて仕方がない。だがそこがいい。

    0
    投稿日: 2012.07.25
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    また横溝先生。ドツボにはまってしまいましたね(^_^;) それにしてもどうして次々と日本人好みのおどろおどろしさが・・・映像はやっぱり無理。 中高生のころコレにはまっていたら今日の私はちょっと違う方向へ行ってしまっていたのかも。

    0
    投稿日: 2012.07.22
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    一人称で話を進められるってのはすごいなぁ。女って強い。典子と辰弥が洞窟に一緒にいる場面を春代はどんな気持ちで眺めていたのだろう。

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    投稿日: 2012.07.07
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    過去に映画化、ドラマ化された金田一ものの作品。 私の感想を言うと、作品全体がホラーの要素に包まれている。 もちろん、謎解きの要素もあるが、それでもこの作品の大部分を ホラーが占めている。怖い話が好きな方は、一度読んでみてください。

    0
    投稿日: 2012.06.22
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    何度も映画化・ドラマ化されている横溝正史の有名な作品です。一般的なミステリーとは趣が異なり,冒険小説・恋愛小説としても楽しめます。なお,主人公・辰弥の語り口で描かれているため,名探偵・金田一耕助の出番は少な目です。

    0
    投稿日: 2012.05.31
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    名探偵・金田一耕介シリーズ第一作の本作品は、落ち武者の祟り伝説のある八つ墓村で繰り広げられる事件の謎に迫るというもの。 身寄りのない主人公・辰弥が八つ墓村一の名家・多治見家の跡取りだと知らされ村を訪れた途端、彼の周りで起きる恐ろしい出来事の数々…それらを回想するという形式で物語は展開する。 本書の冒頭に岡山県で起きた多数殺人事件の記載があるが、同事件を題材とした松本清張の『闇を駆ける猟銃』を読んだことがあったため、それほどおどろおどろしさを感じずに読むことができた気がする。(この2作品にこのような共通点があるとは全く知らなかった。)

    0
    投稿日: 2012.05.30
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    古い読書記録より。 一夜にして大量虐殺が起こった村を舞台にした金田一もの。 初読の際、冒頭の虐殺シーンで、 殺人鬼が頭にナショナル電灯をくくりつけている、という一文がものすごく怖かった。 ナショナル電灯て。 怖いシーンに、そういうちょっと笑いを誘う描写が入ると、 黄粉にまぜた塩のように、怖さが倍増する。 *** ◆読書記録2冊目 ◆No.067 ◆何度目かの再読

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    投稿日: 2012.05.15
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    「祟りじゃぁ」や頭に懐中電灯を巻きつけた男の姿は覚えていたが どのような話でどんな結末だったか覚えておらず、 しかしスケキヨや顔にあざのある女性の話ではないよな、くらいの 記憶で読んでみる。金田一はチョコチョコでてくる脇役のようで、 「分かっていた」なら最後の殺人は止められたんでは!? と思うが、物語自体は連続殺人、迷信深く不気味な田舎の名家、 呪われた血筋といった箇所だけではなく、鍾乳洞の冒険、 無垢無邪気な逢瀬?、姉の「愛」と各章・各シーンで楽しめる。 動機や謎解き(犯人判明)はあっさりしていて少し肩透かし。

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    投稿日: 2012.04.20
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    序盤は登場人物のあまりの多さに戸惑ったが、中盤以降、特に離れの隠し口から鍾乳洞を探検する場面からはハラハラしながら楽しめた。東海道線の電車に揺られながら一気に300頁読んだ。我ながらその集中力に驚いた。

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    投稿日: 2012.03.10
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    通勤と会社の昼休みと客先への移動時間をフル活用して、2日で一気に読みました。それくらいおもしろい。今読んでいる文字がもどかしくて、次へ次へとページを繰っていました。事件の最中、金田一の活躍はあまりなかったけれど、その分主人公の立場でハラハラとスリルを味わえたのは意外な感覚でした。この後、金田一のキャラが立ってくるんだろうな。トリッキーではなかったのが、少々残念。。

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    投稿日: 2012.03.09
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    有名な作品には、やはり有名になるだけのものがあるのだなぁと改めて思いました。 本当におもしろく読ませて頂きました(*^_^*)

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    投稿日: 2012.02.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中学三年の頃、仲間内でちょっとした“金田一ブーム”があって、代表的な作品を読みました。 「八つ墓村」は“金田一ミステリ”の最高傑作と言われてますが・・・ 確かに世界観はぴかイチなのですが、主人公の視点で描かれているので、金田一耕助の出番が異常に少ないのです・・・そこが何んとも・・・

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    投稿日: 2012.02.11
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    かの有名な八つ墓村。映画やドラマなどでチラッと見たことがあったような気がするけど、あまり記憶に残っていなかったので小説読んでみました。 推理小説というよりはアドベンチャーっぽくて非常に面白かったです。今読んでみても古臭さを感じさせないし、むしろその古臭さがまた新鮮だったり… 八つ墓村ではまだ金田一さんがほとんど活躍しないんですね!他のシリーズも読んでみたくなりました。

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    投稿日: 2012.02.07
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    2012年1月6日、読了。 定番の中に真実あり。そう強く実感させてくれた本。 大昔から曰く付きの、不気味な村といういかにもな環境下で、人が殺されるという話はあまりに有りがちで、決して新鮮味は無いけれど、村民の人間関係や秘密、殺人の動機に目的、果てには古くから言い伝えられる財宝伝説など、ページをめくらずにはいられない。 犯人の暴かれ方、結末は、あんまり金田一耕助が活躍した感じがしなかったのが残念だけれど、それでも読み終わった後のこの満足感は、そう味わえるもんじゃない。 素晴らしい作品。金田一シリーズ、もっと読もう。間違いなく星五つ!

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    投稿日: 2012.01.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    多分小学6年の時に読了、もうドキドキしっ放しで活字の世界に取り込まれた初体験だと思う。ジュブナイルじゃないミステリを初めて読んだのもこれだった。 大人になって津山30人殺しとか知って、あらためてよくよくできた物語だと思った。以降金田一シリーズをずいぶん読み漁った。

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    投稿日: 2011.12.04
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    生まれて始めて映画館で見た映画が「八つ墓村」だったような。怖くてほとんど目をつぶってたから、話はさっぱり覚えてない。小学2年生ぐらいのチビにこんな映画を見せるとは、うちの親はよくわからん。というわけで、大人になって、本を読み、ようやくストーリーがわかった次第。

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    投稿日: 2011.11.26
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    名前は知ってるけど読んだことはなかった『八つ墓村』。 話としては文句無しなんだけど、迷路の描写についていけず迷子になっちゃった。 現代にも名前が残る一冊だけあって、やっぱりおもしろい。

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    投稿日: 2011.11.12
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    その昔、黄金を抱えて逃げてきた落ち武者八人を欲に目がくらんだ村人が皆殺しにした。以来そこは、”八つ墓村”と呼ばれていたが、現代になって再び惨劇がおこった! 【志學館大学】ペンネーム:豆しば

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    投稿日: 2011.10.18
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    今さらながらに初めてちゃんと読んでみた。 今のミステリーに慣れてしまっている読者には、これでもいささかシンプルに感じられるかもしれないが、ストーリーはなかなかに込み入っており、なるほど映画化などに当たってはある程度の簡略化もやむなし、と思われる。 ただ、これも目の肥えた2010年代の読み手からすると、という注釈がつくのかもしれないが、各トリックや謎解きはやや強引でご都合主義の嫌いがある。 しかしながら、現在ミステリー作家として名高い人たちの作品にも色濃く影響を残しているであろうことが窺える、まさに古典の王道といった趣で、読み応えはあった。

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    投稿日: 2011.09.21
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     たまたまWOWWOWで、寅さんこと渥美清が金田一役で出演していた『八つ墓村』を見たので、原作も読んでみました。    戦国時代に村に落ちのびてきた落武者の主従8人を、村人たちは報奨金と彼らが持っていた財宝を目当てにだまし討ちにしてしまう。その祟りで村では不可解な死が続出し、村人は祟りを鎮めるため、8人を八つ墓明神として手厚く葬った。  しかし大正時代に村の実力者・多治見家の当主が発狂し、無差別に村人を猟銃で撃ち殺す事件が発生した。八つ墓明神の祟りのせいだと村人たちの記憶に深く刻まれた。  そして時を経て、終戦後まもなく多治見家の相続問題が起きた時に再び惨劇は起きた…  ドラマや映画の方が登場人物が絞られていて、筋がすっきりしていてわかりやすいです。原作は原作で深みはありますが、渥美清出演の映画のほうが面白かったです。    自分は都会育ちなので、田舎の因習とか、人間関係などは実感として湧きませんが、この作品はミステリーの出来と言うよりは、舞台装置としての閉鎖的で因習深い村社会が受けたのだと思います。  それにしても探偵の金田一が何の役に立っていないのはびっくりしました。最後に解釈だけしくれましたが、なんだかとってつけたような役回りでした。  

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    投稿日: 2011.08.04
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    ミステリーにするか、ホラーにするか迷うところ・・・人死にすぎ・・・ いかにも、横溝正史なほの暗さが全面展開してて、素敵。

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    投稿日: 2011.07.04
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    横溝正史の代表作。 映画でもドラマでも見たけど、原作はそれにもまして残酷でオドロオドロしく、本当に怖かった。

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    投稿日: 2011.07.04
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     金田一耕助シリーズのの代表作。八つ墓村で起きた大惨劇。それが再び甦ろうとしている。次々と起こる殺人事件。犯人は?  ただ本作品での金田一耕助の活躍はあまりない。

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    投稿日: 2011.06.26
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    犬神と違い、犯人を素直に憎むことが出来るので 読みやすいです。 ただ、個人的に先が少し読めてしまったのと 迫力が少し弱かったかなっと思います。 でも、面白かったです。

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    投稿日: 2011.06.12