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虐殺器官
虐殺器官
伊藤計劃/早川書房
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総合評価

1125件)
4.2
426
386
162
32
9
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    自作「ハーモニー」を読み、作者の世界観に興味を持って読んだ本。 近未来SFの要素はそれなりに楽しめたが、「ハーモニー」同様、ところどころで描かれる作者の独特な価値観や世界観が興味深かった。 夭逝したことが惜しまれる。 もっと多くの作品を読みたかった。

    0
    投稿日: 2012.03.06
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    すごい、すごすぎる。 文章も、内容も、この人の世界観、すごい。 もっと読みたかった。とてもとても、残念です。

    0
    投稿日: 2012.03.01
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    圧倒的な文章の力。 こんなにすばらしく生々しい物語を書き上げる人の早世、本当に悔やまれる。 生きることと死ぬこと、とりわけ先進国で『平和に生きる』ことへのエゴイズムについてとても考えさせられた。 わたしたちの豊かさは、犠牲の上にしか成り立たないのか、とこんな風に考えてしまうこと自体先進国のエゴイズムなのではないか。

    0
    投稿日: 2012.02.27
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    最初はとっつきにくい文体かと思って読み始めたが、進む内止まらなくなった。 戦争による犠牲者の生々しい描写と反対に、静かに内面を分析していく描写のギャップ。 どっぷり読める。

    0
    投稿日: 2012.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    寒気しました。面白かった。なにこの最後。最後本当やばい。 いろいろ気持ち悪いし、ちょっと雑なとこもあるんだけど、それでもすごいと思いました。タイトルおさまり悪いなって思ってたのも、ことばなのか・・とわかると少し感心したりして。 そして、後半わりと思ってた通りに進んでいったので、まーこんなもんか・・まぁまぁかな・・と思ってたところへ、最後のあれですよ・・。やられました。 それにしても、久々に初めて読んで面白い作家に出逢ったと思ったのに、この人もう亡くなってるんですね。惜しい。次は「ハーモニー」読もうと思います。

    0
    投稿日: 2012.02.21
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    ゼロ年代最高のフィクションと謳われている作品。 大規模虐殺がおこなわれる国に必ず現れる男“ジョン・ポール” その男を追う“クラヴィス・シェパード” 大量虐殺を引き起こす“虐殺器官”とは? 細かく丁寧な設定のため、SFだが凄くリアルに感じられる。 言葉について深く描かれている部分も多く、考えさせられた楽しめた。

    0
    投稿日: 2012.02.20
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    「戦争遂行業務をアウトソーシングする」とか「ビジネスとしての戦争をプレゼンする」、このあたりだけなら、森博嗣の「スカイ・クロラ」を彷彿とさせます。ただそこに、痛みを感じる脳内モジュールをマスキングするとか、人工筋肉で作った乗り物とか、ナノコーティングで環境追従迷彩を施して潜入工作をするとか、そんな具体的な手段が盛り込まれています。「スカイ・クロラ」が戦争ビジネスから精神的な方向に枝を伸ばしていったのに対し、「虐殺器官」はより伝統的な近未来SFとして世界そのものを描こうとしているといった印象。 「スカイ・クロラ」にしても「虐殺器官」にしても、主人公はちょっと少年っぽさを残している感じです。でも確かに、感情のフラットさを求めると、逆にナイーブさとか青臭さが表面に浮かび上がってくるってのはなんとなく納得できるような気がする。なんとなく。ニュートラルな感じなのかな。

    1
    投稿日: 2012.02.19
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    知らないことが沢山。 勉強になったといえばなった。 難しくは考えられないけど、 人の差を埋める一冊。 変わらない。 たとえ、 虐殺器官を持つ人間がいても、 私達はそこに自分を描かない。 けれど、 なにも変わらない。 そこにいるのはまた、 自分自身。 卵が先か、鶏が先か。 まさにそのまま。 繰り返される事柄は相反し、 交錯し、同一である。 救われないなぁ、と

    0
    投稿日: 2012.02.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ことばに圧倒される。すごい、すごい、こわい。 脳をフォークでえぐるような、腹に鈍器を押し付けるような、切迫・圧迫感。 うまく息ができなくて、うまく読み込めなくて、彼の世界から逃げるように何度も本を閉じた。 触れると痛い、腫れ物のような物語。凄惨ながら繊細。要、再読。 しかしできればしばらくそっとしておきたい。 しばらくしたら、この痛みはマシになるだろうか。 余談だが、解説の著者のことば、ご母堂のことばに号泣した。

    0
    投稿日: 2012.02.15
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    殺すことと仕事と若干のユーモアについての本。面白かった。問題は周りから今何を読んでいるか聞かれたときに題名を言いづらい点。

    1
    投稿日: 2012.02.15
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    「人々は見たいものしか見ない。世界がどういう悲惨に覆われているか、気にもしない。見れば自分が無気力に襲われるだけだし、あるいは本当に無力な人間が、自分は無力だと居直って怠惰の言い訳をするだけだ。だが、それでもそこはわたしが育った世界だ。スターバックスに行き、アマゾンで買い物をし、見たいものだけを見て暮らす。わたしはそんな堕落した世界を愛しているし、そこに生きる人々を大切に思う。文明は・・・・・・良心は、もろく、壊れやすいものだ。文明は概してより他者の幸せを願う方向に進んでいるが、まだじゅうぶんじゃない。本気で、世界中の悲惨をなくそうと決意するほどには」 「みんな、知る必要がある。知る責任がある。本当の意味で自由でいたいのなら、本当の意味で自由の国でありたいのなら。自由の責任を背負う必要がある。選んだ結果としての自由を背負う必要がある」 死を身近に感じることが強いられていたためにこそ、今一瞬を全力で取り組むことができたのだろうか。人がしてしまう無意識な無関心、表面的な平和がそれが起こりやすくしている。ではどうすればいいのか。 その時々で考える、そして考え続けることが必要なのではないだろうか。

    0
    投稿日: 2012.02.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごくおもしろかった。ソーシャライズが進んで人類全員がIDをつけられる話と、大量虐殺の話がリンクしていていてめちゃめちゃひきこまれた。 人が人をあまり管理しすぎると、社会主義国家みたいになるんだなぁとその本を読んで感じた。最後の追記に作者の早世した様子が描かれているのだが、正直、そっちのほうが切なかった。話自体は面白いし、たぶん続編を作るつもりでかいたんだなぁってわかるぶん、惜しい。

    0
    投稿日: 2012.02.12
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    著者がブレイクしたのは私が日本を離れた後のこと故、名前は知っていたが夭折したゲーム世代の神ぐらいに思っていた。一読驚嘆!これは単なるエンターテイメントとは一線を画した今そこにある地獄を綴った散文詩でありミリタリーSFの衣を被った21世紀の『罪と罰』。国家公認の暗殺者シェパードがラスコーリニコフなら虐殺の魔王ジョン・ポールは『大審問官』のイワンか?そしてソーニャはいない。虐殺の文法の種明かしがなされる前に唐突に終わっていれば世紀の傑作になったと思う。何故ならば語られなかった言葉には無限の可能性があるからだ。

    0
    投稿日: 2012.02.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今までにないほどの満足感。 話の展開もさることながら、内容が非常に面白く、引き込まれる。 言葉をテーマにしたこの作品は、これまで読んできた小説の中でも類を見なく、表現力の豊かさに圧倒してしまう。 グロテスクなシーンでさえ神聖に受け取ってしまうほどの文才。この小説は彼にしか書けない。

    0
    投稿日: 2012.02.11
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    「ナイーブな一人称」の語り口がズキズキきた。読んでいる人に向かって話しかけてくるわけだから。。。「現実味をテクノロジーによって薄められることで成熟できない人間」の一人称。 タイトル通りの残虐なシーンも描かれるけれど、その場に遭遇しながら、それを無感動に受け取らなければいけないという哀しさのほうがより強く伝わってくる感じがした。 人間としての成熟ってなにかな?恐れを知ること?他者の痛みを感じられること?何なんだろう。作者は同い年。生きてたらもっとすごい本も書iいた人なんだろうなあ。

    0
    投稿日: 2012.02.10
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    どことなく翻訳本のような文体だが、 全く読みにくいことはなく、一気に読めてしまうストーリーテリング。 ゼロ年代最高のSF作家さんだと思います。 本当に残念。

    0
    投稿日: 2012.02.10
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    惜しまれつつなくなった若き才能といわれているだけあって、ストーリー文章表現が巧みで引き込まれるものがあった。反面、臨場感のようなものを伝えるためか若干のくどさがあるような気がする。しかし、風邪引いている時に読むもんではないなぁと・・・

    0
    投稿日: 2012.02.05
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    テロ行為の首謀者を追うシェパードの活躍と心理描写を描き、全ての結末へ導きます。近未来の戦闘や監視される生活など緻密に表現されます。海外の作品かと思う様な読み応えありました。素晴らしい。ドン・ウィンズロウの様な爽やかな感じもするエンディングも感じる。 MGS4のソース?

    0
    投稿日: 2012.02.05
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    これは私には難しすぎますね、普段SFとか読みなれていないもので。 しかし圧倒的な面白さ、特にジョン・ポールと主人公たちはどうなるんだ?って引きが凄くて一気に読んじゃいました。 未来っていう時代設定も細かく描写されていて目の前に浮かんでくるようにまだ私たちが知らないはずのアレやコレやの未来における設備なども魅力的ですね。 オチというか最後まで目が離せない作品になってますよ。

    0
    投稿日: 2012.02.02
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    まったく知らない著者だったが、読んでみてすごい方だと感じた。デビュー作とは思えない。 +理系な自分にとっては細かいSF的な描写が興味深いものだった。

    0
    投稿日: 2012.01.30
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    購入してから随分と放置してきて、一日で一気に読み終えた。 本書の前にメタルギアを読んでいた影響もあるのだろうが、読み始めた当初はこの類似感に「ああ、伊藤計劃という人は心底メタルギアが好きなんだな」と思った。しかし、物語が進むと「サスペンスか、いやミステリーなのか」と考えながらも一気に最後まで読んでしまった。 短絡的ではあるが読了後に「この人、天才だった」と感じた。

    0
    投稿日: 2012.01.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「だが、まだ充分にぼくらは道徳的ではない。まだ完全に倫理的ではない。ぼくらはまだまだ、いろいろなものに目をつむることができる。」 生と死と言語の物語。

    0
    投稿日: 2012.01.28
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    リアリティを出しつつSFにしたかったかもだけど、結果的にどっちつかず。 近未来システムも面白そうなのに、想像力がなかったのか深くは描かれてない。 戦闘シーンも期待はずれ。 だらだらと愚痴みたいなのが続いて、スピード感がないし、主人公の魅力がなくて、ただの中2病っぽい。 後味悪い話は好きだけど、薄っぺらさが残念だった。

    1
    投稿日: 2012.01.28
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    率直に言うと、僕には話が少し難しかったです。どうでも良いことですが、日本語の文書の横にカタカナ英語が表記されていることが少し気になりました。最後に虐殺の言語について具体的な説明!?が入るのかなと思いました。あったらすみません・・・・

    0
    投稿日: 2012.01.24
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    装丁とタイトルが印象的で以前から気になっていた本。作者の伊藤計劃さんは、この作品が発表されたわずか二年後に、若くして亡くなられているそうですね。 舞台は911以降の世界。主人公は暗殺専門の特殊部隊に所属する米軍兵です。後進国で内戦や虐殺が増え続ける中、それらに関わっているとされる謎の男を追うというストーリー。「虐殺」はなぜ引き起こされるのか、また、どうして彼が「虐殺」を引き起こそうとするのか、その謎が徐々に明らかになっていく、ミステリーの要素を含んだSFになっています。 テロの多発とそれを防ぐための監視社会化といった現代的なテーマを扱いつつ、独自の世界観を創り出す作者のオリジナリティはすばらしいです。外国の小説の翻訳を読んでいるような、不思議な感覚もありました。 ただ、政治や哲学、科学などに関する記述が盛りだくさんすぎて、全体的に話が浅くなってしまっている印象がありました。自分自身がSF慣れしていないせいもあるのかもしれませんが・・・。

    0
    投稿日: 2012.01.22
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    近未来のアメリカの暗殺専門の軍人が主人公。その人物が介入すると必ずその国に内戦が勃発し荒廃するというジョン・ポールなる人物の暗殺を命じられるが、実はその人物は元々政府の肝いりでとある言語学の研究をしており・・・てなストーリー。残虐な描写が苦手なわたしにはどうにもいけなかった。特に前半、ドン引き。。

    0
    投稿日: 2012.01.19
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    メタルギアソリッド4のノベライズ版を書いた人。主人公こそ違うものの世界観はメタル4に酷似。虐殺器官とは何なのか?という謎に近づいていく感じはやはり別物。残念なのは、タイトルで避けてしまう人がいることか。

    1
    投稿日: 2012.01.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    伊藤計劃の書籍。本来は本書が彼のデビュー作のようだが、 私は先に「ハーモニー」を読了している。 「ハーモニー」での圧倒的な近未来の世界観に圧倒された記憶が 今も鮮明なので、前作も購入したというわけ。 さて、本著の舞台は近未来の世界で、9.11以降、世界がテロ・戦争が 勃発している世界である。クラヴィスという主人公は米情報軍の大尉で 暗殺をメインの仕事としている。常に"死"がつきまとう存在だ。 そんな彼も母親の死を決断した過去があり、それについては ずっと頭の片隅に残っているという一面がある。 これは"Euthanasia"(安楽死)のコンテキストで語られる葛藤でも あると思うが、本書では日常との対比での1つの死として扱われる。 また、サイエンステクノロジーが進歩しており、脳のモジュール構成が わかっているし、そのような話にはSF好きの血が騒ぐ内容だ。 別の著書でもそうだが、凄惨なシーンも繊細な描写で表現されているので、 若干抵抗を感じる点もあるが、それを補ってあまりある世界観は必見。 また、バイオメトリクス認証の記述があるのだが、そこにはなかなか示唆に富む内容。体内に埋め込まれたタグで、認証を行うのだが、認証が行われればその後は無警戒。これはどこでもそうであり、機械化による人間の判断基準の陳腐化ともとれる。 Web認証系も今はなかなかセンシティブだけど、こういう観点も知っておくのはよかった。 とにかく、面白いし、いろいろと考えられるので、ぜひ読んでみてください。

    0
    投稿日: 2012.01.13
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    素晴らしい。正義とは何かについて某教授の授業より考えさせられた。圧巻のストーリー展開。伊藤さんの作品が読めなくなって本当に辛い。

    0
    投稿日: 2012.01.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    話題になっていた時から気にはなっていたけれど、タイトルのインパクトがあまりに強烈で手に取っていなかった。 でもそんなときに友人が興味を読んで読んでいると聞き、買ってみた。 それが半年前。そして今日初めて読む。 しょうじきなところSFというジャンルに今まで全く興味がなく、 なんとなく期待せずに頁をめくりはじめたけれど、予想に反してどんどん読んでしまった。 この苦しい苦しい文章は、ページの隅ぎりぎりまで埋め尽くされた文字にも象徴されているようで、読んでいるだけで息がつまりそう。 実際に起こった9・11から世界が変わったことをきっかけに書きあげられたもので、近未来のSFとはいえまるでこれから起こることをつぶさに読んでいるようで怖い。 誰も真実をしらない、しらせない、ということ、 自分が何も知らないということを実感していた矢先に読んだのでそういう面からも興味深かった。

    0
    投稿日: 2012.01.09
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    めずらしく、「出会った!」作品。 マスターピースだぜーと思った。 この人の新しい作品はもう読めないと知ったあとは、なおさら。

    0
    投稿日: 2012.01.07
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    天才的 凄い、としかいいようがない。 読むべし。 「仕事だから。、、、、 ナチはユダヤ人をガス室に送れた。仕事だから、東ドイツの国境警察隊は西への脱走者を射殺することができた。仕事だから。仕事だから。兵士や親衛隊である必要はない。すべての仕事は、人間の良心を麻痺させるために存在するんだよ。」

    1
    投稿日: 2012.01.07
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    文体がとてもきれいで内容も良かった。フィクションなのに近未来に起こりそうなくらいのリアルさがある。情報化社会の未来はこうなるのだろうか。いろいろ考えさせられる本だった。

    0
    投稿日: 2012.01.06
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    ■モンティ・パイソン ◇まさかのときのスペイン宗教裁判 ◇殺人ジョーク ※第四部 ◇バカ歩き省 ◇『モンティ・パイソンのホーリー・グレイル』 ※第五部

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    投稿日: 2012.01.02
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    ううむ。少し上の世代の人が書いたなら分かるけど、これを今の若い日本人が書いたということがちょっと驚き。こういう文学の流れを継いでいる人がいたのねー、と感動した。 とにかく「日本っぽくないSF」という印象。 アメリカの風景が微に入り細を穿つ感じで描かれてて妙にリアル。実際に住んでたことがあるのかな?って思った。ある時期の米国SFが持つ悪夢的な閉塞感があるし、文章の感じからも、「翻訳されたアメリカのSF」って言われたら納得してたかも。 カフカやらバラードやらコンラッドやら文学的な引用が多いのがちょっと中二病っぽいかなー。デウス・エクス・マキナ久しぶりに聞いた(笑)いや、でもこういうの好きです。一昔前のディレッタントな感じが良かった。そういう意味でも最近の作家さんでこういう書き方をする方っていないなーって思った。 近未来SFの背景を借りて、人間の在り方を問うた一冊。 読者を楽しませるというより、紡ぎたい物語がまず最初にあったんだろうなと思った。エンタメ系の作家も好きだけど、こういうエゴイスティック(良い意味で)な作家は昨今少ない気がするので読めて良かった。

    0
    投稿日: 2012.01.02
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    いつもなら、ものがたりは、自分とは別の世界の事だと割り切って読むことができますが、 この作品についてはそうじゃなかった。 ほんとうのことが書いてあるような錯覚に陥ってしまう作品でした。

    0
    投稿日: 2011.12.30
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    オススメです。やたら読み終わるのに時間がかかりましたが。 SFが普段よまないのですが、今の世の中のかくされている真実があらわされているようで、文章も知的で面白かったです。 屍の上にしかなりたたない豊かな生活ならば、自由の中から選択し、意識して命を奪い、罪を背負い生きていくべき。しかし、それはあまりにも「みたいものしかみない」という生き方をしてしまう人間にとっては酷なもので、今までのその国の世界をかえてしまうのではないか という考え?(勝手な解釈)がすごく印象にのこりました。

    0
    投稿日: 2011.12.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    けんたん推薦で読みました。 世界観が好き。文体が好き。 他人にあまりオススメできないところも好き。 そうきたか!ってラストでした。アメリカから世界が崩壊していくという後味が悪すぎる。 この作家に出会えてよかったです。ちょっと気合入れないと読めないけど。

    0
    投稿日: 2011.12.25
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    今更読んですみません。無茶苦茶面白かった!あー、才能溢れる若者がもう既にこの世にいないとは。残念です。

    0
    投稿日: 2011.12.21
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    伊藤計劃のデビュー作。 書き出しを読んだとき生々しさが頭の中にこびりつき、そのまま最後まできてしまい、妙な達成感といい意味で気持ち悪さがあった。 2006年に書かれた作品だが、いま騒がれているようなライフログやソーシャルネット的なものが既に予見されていてこのタイミングで読めたのは面白かった。

    0
    投稿日: 2011.12.21
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    面白かった! オーウェルの1984年みたいな雰囲気。 最初はスプラッターな描写がきついけど。 社会的な問題に対するメッセージがたくさんかかれてる。人間は身勝手だな

    0
    投稿日: 2011.12.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ●内容 ・近未来を舞台にしたSF小説。 ・主人公は軍の特殊部隊で暗殺を専門とする。 ・ある敵を追いかけていく中で、主人公や周辺人物の口からさまざまな角度で「自由」が語られる。 (引用) ・(作品の部隊となる、何をするにも認証のいる社会を指して)ある自由を犠牲にして、別の自由を得る。ぼくらは自分のプライベートをある程度売り渡すことで、核攻撃されたり、旅客機でビルに突っ込まれたり、地下鉄で化学兵器を撒かれたりすることなく生きていける。 ・(「自由」を議論する場面で)労働はその個人の自由を奪うけれど、見返りにもたらされる給料で、さまざまな商品を買うことができる。かつては自分で畑を耕し、収穫し、狩りに出かけて獲物を捕まえなければならなかったその時間を、農家に代行してもらって、収穫済みの野菜や、解体済みの肉、あるいは調理まで済んだ食べ物を手に入れることができる。ある自由を放棄して、ある自由を得る。 ●感想 ・さまざまなデバイスを駆使して「敵」を追いかけていくSFとして面白い一方で、登場人物の口を借りて語られる「自由」の思想が興味深い。 ・ある登場人物は、「自由は通貨だ」といい、その交換価値を力説している。明言はされないが、この場合、自由≒カネとなる。 ・一方で、舞台の大詰めで明かされる敵の真意は、もっと大きな「自由」の問題を突きつける。何も知らずに幸せな日常を過ごすか、あるいは全てを知った上で決断し、「自由」の責任を追うのか。青臭いけど、強く興味をそそる書きっぷり。

    0
    投稿日: 2011.12.18
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    軍人である主人公の語り口が文学青年みたいで違和感があり、独白がかなり多めなので自分には合わないなー、と思ったけど読み進めていくうちに慣れ、あとはひたすら引き込まれた。ナイーブな文学青年なのに特殊部隊員、という設定の違和感にもしっかり理由があって感動した。 主人公が物語の最後に、何であの行動を取ったのかが自分にはいまいち 理解できなかったので、もう一度くらいは読み直したい

    0
    投稿日: 2011.12.18
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    お亡くなりになったことで下手に有名になったけど本当にお亡くなりになったのが惜しい。日本のSF好きで早くから読んだ?読んだ?と勧め合った近年の日本のSFの傑作。続きにあたる遺作、ハーモニーも一緒にどうぞ。

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    投稿日: 2011.12.17
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    意表をつかれたとも感じたし、やっぱりそうかとも感じた。 それでもやっぱりどこか狂った話。どこか狂った人たちが織りなす話。

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    投稿日: 2011.12.13
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    ゼロ年代最高のSF小説と言われるだけあって、現代社会の諸問題(テロ、自由経済、グローバリズム、環境、貧困etc)や人類学、社会学、言語学等を内包した重厚な作品で読み応えあった。何より、いろいろ考えさせられた。今までの日本SFにはなかった重さ、クールさ、ナイーブさだな。凄い。

    0
    投稿日: 2011.12.13
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    近未来が設定のSF小説。 暗殺部隊のメンバー目線で書かれている。 なんとなく読みにくい文章だったかなぁ。 話の内容は結構好きな感じ。 女性に惹かれていくところが若干感情移入しづらいと言うか、 なぜそうなるのかがわからん感じだった。

    0
    投稿日: 2011.12.08
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    H23.12.6 ディテールが圧倒的 実社会の延長線上にあるのではないかと、リアルに迫ってくる。作者の意図したように、主人公の語り口がその内面のナイーブさを描くことに奏功している。幅広い媒体が背景に厚く深く見える。偏りが他の作家に比べ、小さいか?インド編とジョン・ポールの独白がなければ(小松左京賞の応募作のままだと)分からなかったかも。そこに着地するのか〜という感じ。

    0
    投稿日: 2011.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでいて不思議な浮遊感に襲われる本、その一。 遠いのか、遠くないのか分からない未来の話。 全ての人々が管理されている世界。 読後感が凄い。 ただちょっと世界観に入り込むまでが大変でした。

    0
    投稿日: 2011.12.05
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    SFとしてのディーテイルにおいてはさすが。 ストーリーテラーとしては、もう少し面白く出来たかもしれないが、ご本人が亡くなられているので残念。 アニメ化には凄い思うと思う。 文章のみで絵が浮かぶ。

    0
    投稿日: 2011.12.04
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    今年のぶっちぎりお気に入り。虐殺を起こす動機と手法が期待通りでした♪未来世界の細部も計劃ワールドで満足です。

    0
    投稿日: 2011.12.04
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    これ書いた人が既にお亡くなりになっているというのが本当に惜しまれる。もっと年食ったら凄くいいもの書いてくれそうな感じするのに。という訳で端々に若さが感じられはするものの割と興味深いお話。言語を一器官として捉える考え方とか。 あとこれ読んでる時に「屍体で作った山をお前達は笑い歩いてる」って歌を思い出した。

    0
    投稿日: 2011.12.04
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    舞台は近未来の世界、核戦争後という設定。戦争がビジネスとなり、戦闘に参加する兵士の「命の価格」の差がアメリカ軍の正規兵とテロ国家の少年兵では天文学的数字ほどに異なる世界において、アメリカ軍の特殊部隊はテクノロジーの進化によって対テロとの戦争を遂行していく。 そんな特殊部隊に所属する兵士が主人公であり、ジョン・ポールという指名手配犯を世界各国のテロ組織に追っていくというストーリー。彼がいる場所ではなぜか虐殺が起こり、当事者たちも理解できないまま混沌の世界へと暴走する。虐殺器官が発生するには一定の法則性があるのではないか、徐々にその謎が解き明かされていく。。

    0
    投稿日: 2011.12.03
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    莫大な予算のハリウッドSF超大作を観たような衝撃。マイノリティリポート、マトリックス、インセプション。「誰がこんなこと思いつくの⁈」な世界。これを夭逝した日本人作家が10時間で書き上げたとは。 テロ抑制のため先進国全ての人間の行動がIDでトレースされる未来の世界。戦争は全てアウトソーシング。各地で起こる紛争にはある仕掛人がいた…。 テロ、環境問題、アメリカの傲慢、南北問題、「仕事」という名の下で犯す良心の欠如、書ききれないほどあらゆる問題を内包したアメリカ暗殺部隊大尉のお話!とにかくスゴい!!

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    投稿日: 2011.11.29
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    私は合わなかった。 アメリカ人の人物設定なのに、それがどうしても日本人ぽく見えて、いまいちピンとこなかった。外国が設定のマンガを読んでいるような感じだった。そういうものだと思えば楽しめるのだろうけど、合わなかった。

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    投稿日: 2011.11.28
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    ゼロ年代SFの最高傑作と名高い作品。 戦争、テロ、貧困、環境、差別、情報監視社会といった現代社会が抱える問題が未解決のまま、現代から数十年が過ぎた近未来が舞台。 あまり先入観を持たずに、物語に没頭するのが良い。

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    投稿日: 2011.11.27
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    作者のエネルギーが凄くこめられた作品だと感じました。私たち平和な先進国に住む者にとっては目を背けたくなるような事実を真正面から扱っており、読むのにもエネルギーが必要でしたが、読んで良かったです。 徹底的な管理システムによって先進国でのテロは起きなくなったが、途上国では激しい内戦が絶えない近未来の世界が舞台。アメリカ情報軍のクラヴィス・シェパード大尉は、途上国で起こる大規模な虐殺に関わる謎の男、ジョン・ポールを追う・・・という話。 いかにも近未来!って感じのハイテク技術がたくさん登場しますが、普段あまりSFとか読まないせいか、想像力不足でちょっとついていけない部分もありました。 戦闘シーンも多い話なのに意外なことに、主人公クラヴィスによる淡々とした一人称で描かれています。無機質な感じのする彼の思考ですが、とても思索的でありナイーブ。彼は作戦行動中にも色々なことに思考を巡らします。虐殺された人のこと、死んだ母親のこと、自分が暗殺した人のこと、自分が暮らす監視社会のこと、罪と罰のこと・・・答えのない哲学のような彼の思考ですが、そういうことに頭を悩ませつつ戦場に赴く姿は人間臭い感じがして好感が持てました。 この小説はジャンル分けするとしたらSFだと思いますが、この小説から映し出されるのはまさに現実の世界に生きる人間、とりわけ先進国に生きる人たちの姿なのだと思いました。 発展途上国で起こる悲惨な出来事をニュースで見て心を痛めたりはするけれど、正直それが自分の世界でなくて良かったと思う程度に世界の悲惨さに対して無関心な自分。読み終わった後、そんな自分の姿をまざまざと突きつけられた気がします。

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    投稿日: 2011.11.27
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    ジャンル的にはSFで、近未来の特殊部隊の隊員の話。 主人公は紛争が絶えない先進国に送り込まれ、要人を暗殺し、最小の犠牲で平和を守っていく。 人を殺す事を仕事と割り切り、着実に作戦をこなしていくが、 物語が進むにつれ、これまで殺して来た罪を考えるようになっていく。

    0
    投稿日: 2011.11.25
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    とくに設定自体に物珍しいところはないのに、ずいぶんとフィーチャーされているけれど、どんなところが注目に値したのであろうか。エンターティメントなのにいやに叙情的だ、ってのが新しいとされているのだろうか?そんなのもあったのでは。もちろん、面白かったよ、SFだもの。登場人物が外国人なのが、どうしても不自然。どきどきキャンプがジャック・バウアーの物まねをしているような感じなのである。

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    投稿日: 2011.11.23
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    善意も殺意も生きていくためには必要だった。 そしてその機能は、どんな人間にも備わっている。 理解していたつもりで、目を背けていた様々なことを直視させられた。

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    投稿日: 2011.11.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

     10年振りにまたSF的な興奮が恋しくなり、いい本をと探していると「ゼロ年代ベストSF」第1位という本書にたどり着き、ここから紐解くことにした。  冒頭のシーンを除くと前半はもうひとつ。物語の進行が(僕には)ゆるやかすぎ、登場人物の思想的なものについての会話や主人公の母を死なせたことへの後悔などにページが割かれ、個人的には退屈だった。  が、標的ジョン・ポールとの会話をきっかけにどんどん盛り上がってくる。捕獲劇や襲撃されるシーンなど圧倒的な迫力。戦闘シーンの描写や軍の仲間同士の会話が素晴らしい。  そしてなによりテーマが良かった。<虐殺器官>そのものは、なかなか面白い。10年振りの(SFならではの)興奮だった。単純な逆転の発想ではあるが、考えてもみなかったことを提示されたときの驚きと喜びがあった。素晴らしいテーマと発想の飛躍とを同時に揃えるのは非常に難しい。それを作者は見事にやり遂げている。それに加えて、最後に主人公が取る行動が、不謹慎ながら(個人的には)痛快だった。  欲を言えば、<虐殺器官>が具体的に実行される経緯そのものを読んでみたかった。が、それは神のみぞ知る(神も知らない?)領域なのか、著者の頭の中にのみあったことなのか、今となっては永遠に分からない。しかし、もしそこが書かれていたら(説得力があればあるほど)禁断の書になっていた。考えただけでぞくぞくする。もはや、個人で想像するしかなさそうだが。  この小説は日本のSFの流れを変えたといわれている。影響を受けた作品群を読んでみたい。 僕のようにしばらくSF離れをしていたような読者にもおすすめ。

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    投稿日: 2011.11.18
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    犯人の動機に説得力はいまいちか、と思ったが、ブレードランナーやマイノリティレポート、911やビクトリア湖のパーチなど事件などさまざまなネタを盛り込んで一つの世界をつくりあげています。兵士の戦闘能力を上げるため、恐怖や痛覚を麻痺させる工夫や、様々な認証機能が周囲にあふれる未来の世界は、何か絵空事ではなく、リアリティがあります。こんな世の中になってしまったら?

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    投稿日: 2011.11.14
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    人の想像力と表現力は凄いと感嘆する一冊。マトリックスに通じる、考え方・立場によって違う「必要悪の存在」を表現する力は凄まじいの一言。 難しい言葉や考え方がでてくるが、スピード感を持って読むことが出来る。こんな日本語を大事にしたいし、表現できる人を大切にしたいと思うが、作者は癌のため既にこの世を去ってしまっている。 物語の濃さと著者の情熱と小説に注いだ時間の濃密さが凝縮された一冊。

    1
    投稿日: 2011.11.12
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    『ぼくの母親を殺したのはぼくのことばだ。』 『倫理の崖っぷちに立たされたら、疑問符などかなぐり捨てろ。内なる無神経を啓発しろ。世界一鈍感な男になれ。』 『完璧に思い出されずにいられるような忘却を、ぼくらの脳は持ち合わせていない。ひとは完璧に憶えていることも、完璧に忘れることもできない。』 『フロアでは多くの若者たちが、体を寄せ合ったり、キスし合ったりして、ホルモン分泌を楽しんでいる。』 『俺が今、お前のことがどんなに愛しくなってきたか教えてやりたいよ』 『長いこと、ほんとうに長いこと空を見つめ続けていた。もう一生空なんて見なくてもいいというくらい。』 『わたしのしていることが正義だとは、絶対に言わない。わたしはただ、自分が守りたいものを守るために、やれることをしているだけだ』 『自分にできることを知ってしまったら、そこから逃れることはできないよ』

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    投稿日: 2011.11.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    若くして亡くなった作者。 多くの人に惜しまれたその才能を、まざまざと見せつけられた感じの作品でした。 知的センスの高さが伺える文章力。類稀な発想。 見方によっては"尻すぼみ"と思えるような唐突な終わり方も、 凝縮された文中の展開で、充分にカバーできています。 苦言を呈しようとすればどれだけでも出来そうですが、 それをさせないパワーが、この作品にはあります。 改めて、早逝を惜しんでしまいますね。

    1
    投稿日: 2011.11.12
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    9.11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?ゼロ年代最高のフィクション、ついに文庫化!(裏表紙より) 目次 〇第一部 〇第二部 〇第三部 〇第四部 〇第五部 〇エピローグ 「ベストSF2007」国内篇第一位 、「ゼロ年代SFベスト」国内篇第一位の作品。

    0
    投稿日: 2011.11.10
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    脳機能の研究の進んだ未来、思考を科学的に操作をできる時代において、良心を抑制され戦う主人公の語りは当事者であるのに、画面越しに物語を見ているような印象を与えられた。勿論、それは計算の上なのだけれど、その時代を見ているものの不気味な無機質のリアルが感じ取れたし、感覚に対して疑問を抱く主人公の気持ちー今感じているものは自分だけの自分から生まれたものかというーにも共感が持てた。しかし個人的には、その時代の延長上の話である「ハーモニー」の方が、同じ目線で物語を読める感じがして好きだ。

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    投稿日: 2011.11.06
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    初SF。SFってトンデモ設定+脳みそまで近代化されたキャラクターたちの茶番劇っていう印象で敬遠してたけど、これは綿密に設計された虚構の世界の中に、登場人物たちの骨太な思索が混ざり合ってて、ずっしりとした感触のある話だった。「24」ばりのスリルもあってすごく面白かった。 でも一番印象的だったのは、あとがきにあった、故人となった著者の代わりに授賞式に出席した母の壇上でのスピーチだったりする。

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    投稿日: 2011.11.04
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    虐殺器官とは何か? 肝心なところがあやふやだったけど、 主人公の無機質な視点からの描写がとてもすき。 作者の伊藤さんが 早くにお亡くなりになってしまったのがとても悔やまれる。

    0
    投稿日: 2011.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    伊藤計劃さんの作品。 評判良いのは知っていただけに、とても期待して読んだ。 淡々と語られていくストーリー。 難しい内容だった。何度も読み返したら、その度に評価は変わるじゃないかな。そう思った作品。 「ぼく」ことクラヴィス・シェパードの苦悩が痛々しかった。もちろん、悪い意味ではなく。 後半は本当に読むのが辛かった。シェパードの精神状態がボロボロで、読んでいて涙ぐんでしまった箇所が数か所あった。 自信の頭を指して 「地獄はここにあります」 と言ったシェパードの同僚、アレックスの言葉がとても印象深い。 病んでる時に読んだらシェパードに感化されて号泣しちゃいそう。また読みたい。

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    投稿日: 2011.11.03
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    「SFと言われて思い浮かぶのはスターウォーズ」みたいな人だった僕にとってこの小説は「こういうのもSFか」と気付かせてくれた。 人工筋肉、オルタナ、ID管理、痛覚云々そして虐殺の文法。これを書くまでに考えてきた全てが詰まってるんじゃないかってぐらいアイディア満載。「デビュー作でこんなすごいのを書けるなんて!」ってよりデビュー作だからこそここまで濃密なものを書けたんだろうな、と思う。「痛みはないが痛いことはわかる」とか思わず「なるほど!」って感じ。人工筋肉も良い。クローンのイルカや鯨から作られてるとか最高や。虐殺の文法とかもゾクゾクする。 文章表現も「撃たれた反対側の頭からラフレシアを咲かせていた」とか「内臓が溢れた」とか生々しいけど想像に難く無い。特に「内臓が溢れた」ってすごく上手いよね。 現代の罪と罰、みたいに帯には書いてあったけど僕的にはSF成分が好み。 「ハーモニー」も是非読んでみたい。

    0
    投稿日: 2011.11.01
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    高野和明「ジェノサイド」の読後に知人の紹介を受け購入。本作が好きな人はジェノサイドもきっと好みだろうが、逆は真ならずという感覚。 現代と近未来の景色を織り交ぜて描いている点は理科系の私にとって新鮮で面白かったが、キーワードである「文法」が何か浮いたような存在で、詳しく語られなかったことが気がかりである。終章からエピローグへの話の転がり方も、呆気なさすぎて拍子抜けした。 それでも重厚な読後感と意識に張り付いてくる「罪と罰」のメッセージはそれらを補うには十分。

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    投稿日: 2011.11.01
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    SFものを読みたくて取ってみた本。ネタは面白いのが散りばめられていたが、全体のストーリーの流れがしっくり来ず、終わりもちょっとぽかーんとしてしまった。評判が良いみたいだったので期待値が高かっただけに残念。

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    投稿日: 2011.10.31
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    ありがとうございました。 SFへの扉を開くきっかけを与えてくれた本 その魅力と、SFは凄い分野なんだと分かった。 こんな才能がこんなにも早く連れていかれてしまうなんて

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    投稿日: 2011.10.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あんまりSFは読まないけど、これは凄い作品。 世界観はメタルギアソリッド4のありとあらゆるものが管理されている情報社会に近い。 個体の「認証」が無ければ何もできないし、個人情報をさらけ出すことを引き換えに安全を貰い受ける。 メタルギア4が部分的に入ってきたりするからあの世界観や、今から地続きにな近未来に興味のある好きな人にはオススメ。 近未来っていうとドラえもんの様な世界を僕は思い浮かべるけど、そんなステレオタイプの近未来じゃなくて現代から考えたの近未来という感じ。 9.11後の世界というのをきちんと扱ってる作品に初めて出会ったので驚いた。 考えさせられるテーマがいくつもある。 あと、主人公にちょっと感情移入ができなかった。 凄くて面白い小説だけど、著者が亡くなっているということがとても悲しい。 巻末の解説が悲しい。 普段は読んだ本を読み返すなんてことはしないけど、この本に限ってはそうならなさそう。

    2
    投稿日: 2011.10.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルとは裏腹に、ハードボイルドとも言えるSFアクションという印象も受けた。 著者独特の近未来の世界は「ハーモニー」同様に面白いんだけど、今作ではその世界観を描く以上に、主人公の死生観をどんどん深く突き詰めていくのがメインである物語だ。ちょうど先日リビアのカダフィ大佐が民兵に捕まってる映像がTVで放送されたが、それを見てたらこの小説の生々しさがますます増した気がした。 読んででデジャブ感を感じたのは、映画ミッションインポッシブルにシチュエーションが似てるシーンがある所だろうか。けれども話の核は徐々にストーリーよりも、主人公にとっての「罪と罰」に触れられていく。帯にもあった通りだ。 道路や戦闘機などに人工筋肉が埋め込まれているというアイデアはエヴァンゲリオンぽいけど、それもまた「生死」というテーマと絡んでて面白い。一言、渋くてクールなSF。 内容(「BOOK」データベースより) 9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?ゼロ年代最高のフィクション、ついに文庫化。

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    投稿日: 2011.10.26
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    再読だけど、やっぱりかっこよくて面白かった。 読みやすさを保ちながら専門的なところは適度に詳しく、最初から最後まで 惹きつけられた。 バランスのとれた書きっぷりとは対照的に、話の内容は「アンバランス」が 肝なのかなと。ある者は罪と罰のアンバランスに苦しみ、ある者は微視的世界の アンバランスを利用して、巨視的世界のアンバランスの定着を図ろうとする。 初読のとき、読後直後にアラブの一連の反政府運動が起きて恐ろしくなった 記憶が。今回読み返してみたら「リビア自由化委員会」の一節が出てきて、 またびっくり。 あと「嘘っぱちだろうがなんだろうが、すでに走っちまってる紛れもない 経済は本物だぜ」というセリフから3.11後の原発問題を思い出して、ドキリ とさせられた。

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    投稿日: 2011.10.26
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    これは最高におもしろい タイトルから人を引きつけるけれど、読み始めたらさらにひきこまれる。 もっと沢山の作品を残してほしかった。

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    投稿日: 2011.10.22
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    ずっと本屋で気になっていただけに、ちょっと驚いた。 虚構のような虐殺を促す「言葉」の文法に対して、現実世界での「ピザと無料の映画の始まり15分の幸せ」を守るための闘い。 早すぎる著者の死が惜しまれる。

    0
    投稿日: 2011.10.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    虐殺器官とは何なのかということに気がついた瞬間がこの小説の最大瞬間風速記録地点だ. 攻殻機動隊の「だったら記憶だって換えるだけよ」ではないけれど,言葉だって意識だってそれは生物の獲得した種として繁栄するための器官なんだってことなのかもしれない.

    1
    投稿日: 2011.10.19
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    ゴリゴリSF。 専門用語が多くて、SF初心者な自分には 初めのほうは苦戦・・・ 読んでくうちに専門用語にもなれました(たぶん) 内容を色で表わすなら、 黒と白。 すごいくっきりと色分けしてる黒と白。 ・・・とおもったら、黒と白って 作者さんのカラーなんですかね?

    0
    投稿日: 2011.10.19
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    期待以上に面白かった。ストーリーに対して語りとか説明が冗長で迂遠な気もしたけど、なるほど、楽しめた。純文学にもラノベにもない面白さ。

    0
    投稿日: 2011.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    project itohの処女作。言語、脳科学、軍事、哲学といった多様な範囲に及ぶ知識が光る。 何を信念とするかで人の行動は変化する。アメリカを守ろうとしたジョンとその他の国を守ろうとしたシェパード。思考の過程は一緒なのだが・・・

    0
    投稿日: 2011.10.19
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    読み終わった後、こんな小説が読みたかったと実感。満足です。 武器やハイテクに関して専門的なことが多く書かれててそこは読み飛ばしたけど、そこがわかるとさらに面白いのかな?書評では世界観について起動警察パトレイバーを出してたけど、パトレイバーなら自分にも読める。 個人的にラストは最高です。

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    投稿日: 2011.10.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    題名がアレすぎて話題になった当時は読まなかった本。 でも読んでみたら意外に真面目なお話でした。 食わず嫌いしなければ良かった! 生死の境、人間の本質、宗教について考える主人公には好感が持てるし、共感出来る。あんまりSFしてないから読みやすい。 主人公がシンプルな言葉で思考している分、えぐられる部分が大きい。 個人的には好きな部類なので、ハーモニーも読んでみたい♪

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    投稿日: 2011.10.17
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    一気に読んでみて、これだけの方々に高い評価を得ているのも納得できた。SF小説ということだが、様々な設定が現在の諸問題の延長線上にあるので、違和感なく現実のものと感じられる。そして、少し短く感じられた作品だった。個人的にはナイルパーチの話を知っていたので、「ここで来るかぁ」とテンションが上がった。 作者の知識量には圧倒させられたし、戦闘シーンの臨場感やスピード感などは、多くの方々の評価のとおり、「もう終わり?」と思わせるだけのものがあった。しかし、大量殺戮を生み出す「仕組み」が「理屈は分かったけど、そこまで拡大するのかな?」と物足りなさを感じたし、「仕組み」そのものの説明が不十分だと感じた。(ただし、ラストの「仕組み」の使われ方は上手いと思った。)比較対象として適切かどうかは分からないが、同じ分量ならジェフリー・ディーバーの長編のように、作品中に散らばる大小の問題をきちんと解決して欲しかったように思う。もちろん、それでもおつりが来るだけの作品なのだが。 とはいうものの、英語科と地歴・公民科、そして理科(生物・物理)の同僚に専門的な知識について講義を受けながら読書をするという経験は、とても勉強になったし貴重だった。某高校の図書館が高校2年生の課題図書に選んでいるのも頷ける。 「作者の意図は何か」という問いを国語の教科書で見かけなくなって随分とたつが、作者は単にそれほど遠くない僕らの将来へ警鐘を鳴らしたかったのだろうか?……たぶんそんなところに作者の意図はなさそうなので、『ハーモニー』も読んで想像してみようと思う。

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    投稿日: 2011.10.10
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    なかなかに読み応えのあるSFものでした。 ストーリー自体は大きく見ればよくあるタイプのものなのですが(オチも含めて)、その語り口が素晴らしい。 文庫版巻末にも書かれていますが、テーマに関わる文章がとても繊細で、SFであることや、人の生死に関わることとは思えないほどです。 逆にこれは骨太さがないという否定的評価にもなり得るとは思いますが、むしろこの文体に惹きこまれる読者の方が多いだろうと思います。 著者の夭折が悔やまれます。 タイトルの「虐殺」という文字から避けている人にもぜひ読んでほしい作品です。

    0
    投稿日: 2011.10.10
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    やばいな。これ。やばいな。 ただ“ゼロ年代最高のSF”という売り文句はどうなんだろ?言い過ぎとまでは思わないけど。 個人的にはこれの後史にあたる(そして先に読んでしまった)『ハーモニー』の方が衝撃は大きかった。 しかし作者の他作品も読みたかった。早世したのは残念です。

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    投稿日: 2011.10.09
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    凄く面白かった。 以下ネタバレです。 もし僕がルツィアの提案に乗らなければウィリアムズは彼女の顔に空洞を作らなくて済んだ。 僕にとってゴシップ好きで口の軽いウィリアムズはアメリカという世界と自分を繋ぐキーだった。 "「感情」は行動のショートカットだ" ウィリアムズの拳銃によって僕はアメリカからの、普遍的なドミノピザが配達される世界から離脱をはっきりと決めた。 長編のこういう(近未来SF)ものを読むのは初めてだったけれど、凄く文学的だと思った。 「人間は脳細胞だし水だし炭素化合物だ。生きてるときから物質なのよ。」 この文を読んで舞城王太郎の 「人間死んだら煙か土か食い物になるだけだ」という一文を思い出した。 生きてても物質か、死んだら物質か。 そう言えば著者と舞城王太郎は同世代ですね。 癌を抱え、会社勤めの傍10日で書き上げたとは、本当に書く事が好きで知識欲が旺盛だったんだな。

    0
    投稿日: 2011.10.08
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    ときどき難解な表現があり読みづらかったけど、スケールの大きなSF作品です。きっと映像化するのは難しいと思うけど。

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    投稿日: 2011.10.08
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    9.11以降、自由の国アメリカに自由はなくなった。設定が、近い未来のリアル絵図に思えて、現実とフィクションの境目がわからなくなる醍醐味。しかし怖いなー。救いもないなー。とはいえ、世界観に引き込まれて一気に読破。

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    投稿日: 2011.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    SFマガジン7月号で特集されていて興味を持ったので「ハーモニー」とともに購入。 [続き] http://wildhawkfield.blogspot.com/2011/10/blog-post.html

    0
    投稿日: 2011.10.05
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    虐殺器官について、考察というか説明が足りない来はするけど、その弱点をもってしても素晴らしい作品。 内容は複雑だけど、文章がそれをきちんとカバーしている。 舞城王太郎以来の衝撃だったのに、作者がもうなくなっているなんて。 惜しい人を亡くしたと思わざるを得ない。

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    投稿日: 2011.10.05
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    期待されつつも、この本を書いて一年九ヶ月後、がんで亡くなった作家の処女作。9.11以後の世界的なテロの連鎖の中で対テロリスト暗殺チームの血なまぐさい活動をリアルに描いた小説。銃弾で脳髄が吹き飛ばされたり、といった表現が満載で、その手のものに尻込みする方にはとてもおすすめできない。

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    投稿日: 2011.10.05
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    難しすぎた。 社会派SFなんですかね? 武器社会、テロに対する過剰な反応、情報化社会のあり方に警鐘を鳴らすって事でしょうか。 進化し過ぎたテクノロジーは、時に人の罪さえもコントロールしてしまうのか。 攻殻機動隊的な世界観は、SF小説初体験のオレにはなかなか新鮮でした。 解説、切なすぎる。

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    投稿日: 2011.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小説としては、とても面白くて文章も読みやすかったです。 ものすごい情報量で、筆者すごいなぁと思いました。 筆者は若くして亡くなられたのですが、すごく残念です。 読んですごく考えさせられました。 繰り返される虐殺。 前までは親しくしていた人たちの間で起こる虐殺。 その原因は、人類の歴史の中で刻まれたDNAによる…? 途上国での虐殺、先進国でのシステム化された近代社会。 その恐ろしいほどのギャップ。 両方を知っている主人公の葛藤。悩み。 俺を罰してくれとすがる主人公。 私たちが日々の中で知らず知らずに犯している罪への罰はどこにあるのか。 ジョン・ポールは自分たちの世界を混沌から守るために途上国で虐殺の呪文を唱えて行く。 これはこれで彼の正義。 逆に自分たち以外を平和にするためにアメリカを混沌へと導いた主人公の正義。 何が正しくて、何が正しくないのか。 人間は見たいものしか見ない。 何度も読んでいきたい本。 またレビュー更新します。

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    投稿日: 2011.10.02
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    つまらん、とは言わないけど、かなり物足りない作品。 せっかく面白い設定なのだから虐殺の言語についてもう少し説明すべきだと思う。 虐殺を起こす張本人のジョン・ポールの動機にしてもこじつけ臭いし、それを受けての主人公の行動は随分矮小な感じがする。 それから、主人公がアメリカ人なのに、言い回しや思考回路が日本人的に思える。

    2
    投稿日: 2011.09.30
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    投稿日: 2011.09.28
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    「虐殺器官」とは、何か。 それを期待して読んでいるうちに「なるほどー」と思いました。 もうちょっと具体的に示してくれると、恐怖が湧いてくるのですが。 そのへんの説明はいまいち。 ジョン・ポールの目的も結局よくわからなかったなあ。 主人公の最後の選択も。 どちらかというと、ウィリアムズの方が共感できたりする。 それよりも、近未来のグロテスクで肉々しい戦争描写の方がすごい。 これはちょっと映像で見てみたいなー。 いや、見たくないかも。 虐殺の器官については、言いたいことはわかるけどちょっと説得力がたりない。 それでもこの世界観に圧倒される、そんな一冊。

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    投稿日: 2011.09.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごいタイトルに負けず劣らず、内容もすごい。 9.11テロの近未来を描いたSF作品。SF作品は初めてだけど、なかなか。 内容は哲学の臭いもします、考えさせられる。 人とはなんなのか?罪と罰とは? 惜しい作者を亡くしたなぁ・・・

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    投稿日: 2011.09.27
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