
総合評価
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powered by ブクログ多かれ少なかれ、みんな家族ごっこをしてるのかも。隠し事なんて何もないよなんて顔して、素敵な家族でいるために、その一員をうまく演じてる。それが良いとか悪いとかではなく、そういうものなのかも。 そして、母と娘の間にある得体の知れないモヤモヤ。親子だって、というか親子だからこそ、相手のことがわかった気になって、でも全然わかってなくて、すれ違うんだろうな。
0投稿日: 2025.11.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前に読んだけど…と読み返したらどうも途中でギブアップしてたようで、後半全く覚えてませんでした。 隠し事のない4人家族の京橋家。でもそれぞれ秘密があって…そこにおばあちゃんと父親の不倫相手も加わりワチャワチャします。 登場人物のキャラクターにもクセがあるし、内容もうっすらとグロテスクな感じがして…少ししんどかったなぁ。
2投稿日: 2025.08.21
powered by ブクログどこにでもあるような家族、関係者それぞれの視点の脆く儚い秘密が明かされていく過程が楽しめる。人間特有の弱さからかその秘密に対する妙なすれ違いがたまらない。この不安定さを面白おかしく表現してくれる角田さんの物語にはいつも惹き込まれる。
1投稿日: 2025.08.12
powered by ブクログ6人の視点でひとつの家族が描かれる連作短篇集。角田光代さんの頭の中はどうなっているんだろうってただただ感心しながら読ませていただきました。
28投稿日: 2025.06.16
powered by ブクログ空中庭園/角田光代 読了 2025.01.09 『私だけの図書館』と称しているマイ本棚、未読本コーナーで次は何を読もうかと背表紙を眺めているとき、びっくりした。同じ本が2冊ある…。 言い訳をさせて欲しい。表紙がぜんぜん違うのだ。本屋で買ったものは最近増版されたばかりで、クソデカ帯とでも言おうか。表紙が二重になっていて、外側は新装版表紙兼帯になっているのだ(高帯と言うらしい)。 前から気になっていた有名作家で、だから本屋で見つけて新装版を買ったし、古本屋で見つけて買ったのだ。表紙が違うから気づかなかった。 読み終えて、新装版の表紙はてんで内容に合っていないのでむかつく。中身読んでからデザインしろよな。 さて角田光代である。半月ほど前に紙の月を読んで、たいへん面白く、期待して本書を取った。ぜんぜん面白くなかった。気持ち悪さが常にどろどろとへばりついてくるような内容だった。清々しさや希望がぜんぜんない。私は作品を読んで何かを得たいと思っているが、共感や世界が美しく見えるような変化はなかった。 家族の話である。隠し事がない家族、だけど誰もが秘密を抱えている…というのが謳い文句。家族それぞれの、6視点から成る。 はじめが良くなかった。まず、高校生の娘。バカっぽい口調が不快(いや、それを書き表している作者はすごいぞ)。次に、空っぽ人間のくせに何股もしている父親。ここまでが1/3。辛かった。 3つ目は母親、ここからは面白かった。私はたぶん、壮年中年高年、そのあたりの語りが好きらしい。歳に見合った言動と過去の悩みが刺さるのだ。母親は実母に不満があり、でも断ち切れず、幼少期からずっと耐えている。そういう語り。 4つ目はおばあちゃん。ここで、母親と祖母とでぜんぜん違う印象がある。同じ場にいても、親子でも、視点が違うとこんなにも違う。うん、ここは面白かった。 5つ目は好きだが部外者なので取り敢えず省こう。6つ目は息子。中学生なのに落ち着きがあって、淡々としていて、空っぽ人間の父親とぜんぜん違う。その年で好きなものを見つけ、のめり込み、その姿はかっこいいが、中学生設定は若すぎないか?と感じた。 どんでん返しもなく、救いもなく、地獄もない。誰もがつい遠ざけている不快感ばかりがある小説であった。最初から最後までそんな感じだったので、もっと刺激とか意外性とか欲しかったな。まぁ、これが等身大の家族ってことなんだろうか。 紙の月同様、色んな視点で描くことは鮮やかであった。ただ紙の月と違って誰視点ですよと始めに記載がないので、毎度数行モヤモヤしながら読むことになった。これをワクワクと感じるテンションになれなかったのは残念。 読んだ時期と相性が悪かっただけかもしれないので、また日を空けて読んでみたい。 本作は直木賞候補作だったらしい。へ〜〜。 第3回婦人公論文学賞受賞作
1投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログ角田光代初期の純文学作品の雰囲気を残した、カタルシスを排したオムニバス群像劇。悪い意味で人間臭く、かといって昼ドラ的な露悪趣味は挟まれない、なんとも形容しがたい宙ぶらりん具合が、わたしには心地よく感じられた。 個人的な好みに近い、というかそれ以前にわたしは角田光代信者なので、彼女のあの文体が実家みたいなもんです。おもしろかった。
0投稿日: 2025.05.17
powered by ブクログ自分も、自分の家族にもこういうところあったかもなぁと思いながら読み進めた。全部を打ち明けなくても別にいいよね。とはいえこの家のお父さんだけには共感できず。笑
0投稿日: 2025.05.16
powered by ブクログ家族っていいよね。と言いたいところだが、家族であっても他人は他人、1番小さい核である家族でさえ、実際やってる事や考えている事は全く未知なのだから、わかり合おうとか慣れ合おうなんてしなくて、良いんだな。と思ってとても気が楽になった。 協調性や同調意識が全く無駄で下らないと思っている私にとっても、しかし家族となると、祖父祖母や父母の思考に合わせることが正しいと思っていたし、それが孝行と言うものだと思ってきたけど、別にそんなもの尊いものでも何でも無くて、他人は他人。ただ、家族ってだけで、楽しい時も辛い時も、目があったら微笑み合える。そんだけで、十分良いんだな。と。そんな感じ。 表層は綺麗に整って見える家族でも、深いところでは壊れてしまっている。みたいな表現をされるのはよく分かるけど、これが何かおかしなことの様に捉えるのは、違うと思うな。壊れてるんじゃない、人って誰だってこんなもんでしょ。家族として、うまく表層取り繕ってるだけ全然マシだと思う。 1つの塊を色んな視点から見れること、景色の鮮やかな表現とは裏腹の、その景色を見ている登場人物の彩度が低くて濃度の高い感情の対比が、面白くってなんだか一気呵成に読んでしまった。
0投稿日: 2025.05.16
powered by ブクログ積読から2冊目 あっという間だった。映画化されたの見たなあ。でもこんなんだっけ。記憶が曖昧。 団地(マンション)のベランダを花で飾る。 ソコに理想の家を作るのが到着点の母親の話がぐっとくる。「空中庭園」がうんうんと一番共感した。絵里子の実母の話なんて、一人暮らしの母親の話はこんな感じって笑えさえした。 まあこのお話には双方に根深い過去があるから笑えないが。 他の家族がどんなところに住んでようと、幸せそうに見えてもわからない。 それは根本であろうと、家族の秘密なんて一緒にいても、解らないことだらけ。他人のことは不可解なんだもん。 秘密が「健康」に関すること以外はあってしかり。健康に関することさえ隠されなければなんとかなるのかなと基本思うから、この物語はそれがない分軽く読めた。 やっぱりちょい先が知りたいから星2つ
16投稿日: 2025.05.06
powered by ブクログ東京近郊に住む京橋一家のとその周りの人々とのお話。 読みはじめは「秘密は一切ない」という京橋家のこと仲良しでほのぼのした家族だと思ったけど読み進んでいくとその歪みがはっきりしてきて怖かった。特に絵里子とその母親の歪みがひどくて怖かった。
1投稿日: 2025.03.29
powered by ブクログ私は家族って関係がこの世で1番嫌いで最悪で、だけど大好きで、そういうことが丁寧に書かれているところが、角田光代さんの小説!という感じがして最高だった。良好な家族関係のようにも見えるけど、それは表面上だけで。でも家族ってそういうものだよねって。その最悪さを認識するたびに家族とかいう概念この世からなくなってしまえと思うけれど、それは叶わないし、本当に消滅しろと願っているわけでもない。 身内であるというだけで善人だと思ってしまうとか、家族は電車に乗り合わせただけとか、あと、私も家族は作らないと決意してるので、ニーナの章が1番心に残った
2投稿日: 2025.03.03
powered by ブクログ家族同士隠していることはひとつはあるであろう。窓越しに映る母親の描写が印象的だった。どんな家庭にでもお互いへの隠し事、そして母娘はとことんズレが生じやすい関係性なのかなと思った。テーマはすきだけど、なんとなく読みにくい、ずっと明るいのにくらい印象の本
0投稿日: 2025.02.24
powered by ブクログ一見、ごく普通の家庭を営んでいる京橋家。 ただ一つ、特異なのは家族間で隠し事をしないルールがある。 この作品は登場人物6名の視点を各章で描かれている。各視点から読み進みていくと現実的な真実が浮き彫りとなって現れてくるのが面白かった。 物事は表裏一体であって、隠し事を一切無くすことは難しいと感じた。 性的要素が多く少し疲れてしまった。 作中でも紹介されている『対岸の彼女』が光であるならこれは影の作品。 私は光の方が好きかも。
6投稿日: 2025.02.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
Audibleにて。 『対岸の彼女』が良かったので読んだけど、この作品は自分には合わなかった。 【郊外の団地で暮らす4人家族のモットーは「何ごともつつみかくさず」。家族全員が秘密を持ちながら仲の良い「家族」を演じている…】 登場人物の誰にも共感できないし、誰にも好感が持てない。 1人くらい応援したくなる人がいても良さそうなのに全員好きになれなかった。 不倫や売春、同級生との初体験など性にまつわることばかりで、ラブホテルが何回出てきたことか…。 性描写が気持ち悪く感じて途中で何度もやめたくなった。 一見幸せそうに見える家族が秘密を持っていたというテーマに興味を持ったけど、もう少し意外性のある秘密を読みたかった。 残念ながら自分が読みたいものとは違った。
73投稿日: 2025.01.09
powered by ブクログ『愛がなんだ』を先に知ってからこれ読んだから思ってたイメージと違った。恋愛ものやと思ってたからマナの話が掘り下げられていくんかな〜と思ってたら家族の話やった。マナとラブホ行ったけど出来んくてその後から自然消滅にしてきたもっきーくんのことだけがずっと引っ掛かってる。なんで無視すんの??後おばあちゃんの章が1番うわあってなった。自分と似てるからかな。
0投稿日: 2024.07.06
powered by ブクログ“家庭内に隠し事は一切しない”と言うルールが敷かれた家族と、そこに関わる人たち6人の視点で描かれている光と影の物語。 家族の闇を覗き見している様な不気味な感じ。そしてとてもリアルだった。 側から見て幸せそうな家族だが、実は人には言えない秘密や嘘がある。それでも各々仲良し家族における自分の役割を理解し、秘密を隠しその役を演じる。その姿は痛々しく感じたが、程度の差こそあれどどの家族でもあるよねとも思う。 幸福の家庭と、幸福を装っている家庭は案外紙一重なのかもしれない。
18投稿日: 2024.06.30
powered by ブクログ家族内での隠し事の在り方ついて考えさせられる作品であった。隠しておいた方がよい秘密ってある。秘密を打ち明けることで確かに家族の絆が深まる場合もあるが一方で、正直に打ち明けたことにより自分はすっきりするが相手に責任を転嫁させることになったり、傷つけることもある。だからといってどうしたらよいか答えはわからないが、、、
6投稿日: 2024.03.22
powered by ブクログある家族とそこに関係する人を含めた6人によるそれぞれの視点で描かれた物語。家族の中には何事も包み隠さず、隠し事をしないというルールがあり、一見明るく平凡な家族だが、読んでいくとそれぞれに秘密があり、作り出している平穏な空間はあぬまで表層的なものにすぎず、実際はカオスに崩壊していることに気づく。 まるで嘘なんてない普通に幸せそうな家庭なのに、一つの家族をこんなに嘘で虚像で作られてしまうものかと本当に怖かった。と同時に、秘密なんてあるのが当たり前で、人はみんな二面性をあるいはそれ以上を持っているものなんだろうと。だからこそ、「嘘のない家庭にしよう」とありえない不可能なことだと思った。そんな不可能なことを掲げるからその空間に縛りを、違和感を感じて息苦しくなるのだと思う。 ただ、誰しも秘密を持っていると、それは当たり前だと前提として改めて認識したけれど、それと向き合うべきなのか、できるだけ干渉しないのがよいのか、どちらがいいのかはわからなかった。干渉しない方が、程よく距離が保たれて表面的には良い関係が構築されるが、深さはない。一方で、干渉した方が複雑にはなり面倒だしリスクは高いが、解決されればそれは深い絆になる。 自分が家庭を持つときに何を大事にしたいのか、考えさせられた。そして、自分の育ってきた家族とは違う行動を取ろうとしても、反面教師を試みても、結局寄ってしまうから、もし本当に自分の親のようになりたくないなら時折立ち止まって振り返らないと気づけないと思う。そして気づくためには冷静に客観的にみないと、恐ろしいと思った。
1投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログ家族と言えど所詮他人で、ちょっとしたボタンの掛け違いや言いたくないことがあって当然だと思う。 登場人物それぞれの視点で描かれてるから、みんなにちょっとずつ共感できて、ちょっとずつ共感できない。だからこそ絵理子が雨の中壊れきった庭園を守ろうとする姿が痛々しくて切なくなった。 ただし馬鹿夫、お前だけは納得できねぇ。消えろ。 読後、D.A.N.のSSWBのMVを思い出した。本書の家族という枠組みがそのまま友達に置き換わったような感じなのでぜひ見てほしい。
2投稿日: 2024.01.07
powered by ブクログ連作短編。 ある家族をそれぞれの視点から描く。 最初は退屈な小説かと思ったが、第二章からギアが上がった感じ。おそらく短編として切り取るとそれほど面白くないのだが、視点が切り替わることで各人物の欺瞞や嘘が客観的に表現される点がゾクゾクする。何て言いうか玉ねぎの皮を剝いていく感覚。 自分の信じている世界は自分だけのインナーワールドでしかなく、現実は全く別の世界として存在しているのだ。 そんな崇高な感覚を都下の平凡な家族を通して描き切った作者は凄いと思う。
1投稿日: 2023.11.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
希望の無い物語。築17年のダンチという、どこかに希望があってもおかしくそうな場所で、さらに気力を奪うような日常が降り積もっていく。 角田さんの作品は、名作『八日目の蝉』しか拝読していなかったため、この無気力な現実だけが淡々としつこく書かれる作品には驚いた。読んでも何の感慨も得られ無い。 裏の紹介文を読んだら何がしか賞を取られていたので、失礼ながら、賞を取るために書かれたのでは?と感じた。それくらい、何というか構図ばかりが浮き立って、6人の物語それぞれにそれなりの、しかし空虚な不幸が転がっているのを見せつけられる感じが強かった。多作の作家さんなので次に当たる作品に期待。
1投稿日: 2023.08.23
powered by ブクログ出だしの何でも話せる家族から読み続けるうちにだいぶズレがあるんだがと思いました。なるほど本音が全員がまるで違う真逆なのか。6人それぞれの心の闇はそれぞれ違うし、どうにもならないし、ギリギリ踏み止まる感じ出てる。角田さんはこんな現に表現したんだかなあと、自分ではまあまあ読んでるつもりだけど、まだまだだよ。この流れで対岸の彼女読もうと思う みんなそれぞれ隠し事があるが、ぶっちゃけたら崩壊するのかな、能天気だと思ったミイも日和見だし、おばあちゃんの所が1番語ってたよ、読み込んだね。父が透明なコップの表現がいい
3投稿日: 2023.08.21
powered by ブクログ小説を読んだ。 愛称が主の呼び名だが、人のつながりが今一よく理解できず物語がなんかぼやけてしまった。 ネットで同名のビデオを観てから、再び小説を読み返した。 やっと理解できた。 今どきのものがたりだった。 小説よりビデオの方が飛んでる、と思ったが、 さて、どうかな
0投稿日: 2023.08.07
powered by ブクログ隠し事はしないがモットーの一家の物語。 それは建前で、実際はそれぞれが秘密を抱えて生活していたという内容。 ひとつの家族を遠くから観察しているような気分になる作品。 映画化されているのでそちらもすぐに見てみたいと思った。
1投稿日: 2023.08.05
powered by ブクログ歪だなあ、、。 一見幸せに見える家族がそれぞれ家族に見せない(つもりの)秘密を持ってぐるぐるしてる話。 解説で夫がこき下ろされていたが、情けなくても結局愛されてるじゃないかと思ってしまったのは私だけだろうか。 そこはかとない愛があることはやっぱり感じるから、絶望というよりは暗いなあっていうのが感想です。
0投稿日: 2023.07.01
powered by ブクログなんだか いつもの著者じゃない きもちわるいと思いながら ついつい先が読みたくなった。秘密のないにんけなんていないってよく 言われるけど、この本のように 普通な家族と思われる家族が こんなにも隠し事で生きているんだと。世の中はそんなものなのかな?
0投稿日: 2023.06.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一見するとどこにでもいそうな普通の家族なのに、その内情はみんなそれぞれが裏の秘密を抱えているという事実に、ぞくっとするような怖さを感じました。物語はあくまでフィクションですが、現実にもこういった、一見普通そうで実は闇を抱えた家族なんていっぱいいるのだろうなと思うと、ちょっと疑心暗鬼になりそうです笑 特に母親目線で書かれた、タイトルにもなっている「空中庭園」が印象的でした。みんなを繋ぎとめてなんとか普通の家庭を回そうとしているのに、誕生日を1人で迎えることになる母の姿が哀れでチクっと刺さりました。
0投稿日: 2023.05.11
powered by ブクログ'23年4月27日、Amazon audibleで、聴き終えました。前回聴き終えた「坂の途中の家」に続いて、角田光代さんの作品。 うーん…僕にとっては、なんとも、気持ち悪い小説でした。凄くグロテスクな、家族ゲームを見せられているような…•́ ‿ ,•̀ そういう意味では、「鍵つきドア」の、愛人さんの語りの章が、一番共感できたかも。彼女からは、狂った家族の茶番劇に、みえるんだろうな、と…。 僕は、「家族の在り方」というよりは、「人の在り方」を聽かされているようだな、と思って聴いていました。人間って、気持ち悪いなぁ、と。 優れた小説だと、思います。お見事でした。 なんだか訳の分からない感想になってしまったかな(ᗒᗩᗕ)
12投稿日: 2023.04.27
powered by ブクログ秘密のない家族なんて中々成立しなさそうに感じました。 家族に対する裏切りの秘密でなかったらあってもいいし、裏切りの秘密であってもバレなきゃいいのでしょうか。 「さっき聞いたコウの言葉を思い出す。外部の人間には閉ざされたオートロック式のドアが、自由に出入りできる家のなかに存在している。」
9投稿日: 2023.02.05
powered by ブクログ郊外の団地に住む夫婦、娘、息子の4人家族。この一家のモットーは、「何事も包み隠さず、タブーを作らず、できるだけ全ての事を分かち合おう」というもの。いくら家族でも、言いたくない事の一つや二つあるが、このモットー故に、それぞれが隠し持っている事と理想の差に、ザワザワするものを感じずにはいられない。家族で、喜怒哀楽を共有し、何か悩みがあれば一緒に解決していくというのが理想的だとは思うけど、これって難しいのかも。この家族は、何かひとつボロが出れば、一気に均衡が崩れる危うさがあり、読んでてこちらが不安になった。
4投稿日: 2023.01.03
powered by ブクログ「何ごともつつみかくさず」をモットーとしている家族という感じで始まる、家族それぞれの視点をもとに描かれた短編集。 異なる視点で描かれていく一つの家族という面白い設定なのですが、個人的にキャラクターにあまり魅力を感じることができず、ダラダラと読み終えてしまいました。
5投稿日: 2022.12.04
powered by ブクログ隠し事のない家庭にしよう!と娘の生を授かった場所を聞かれたらあっさり近所にあるホテル野猿っていうことまで包み隠さず答えるような家族とその周りの人たちそれぞれ6人の視点が書かれた短編集 父は二人の愛人がいて、 母は自分の母を嫌悪していて早く逃げ出すために計画的に父と妊娠して理想の家族を作ろうと必死になっていて、 高校生の娘はショッピングセンターで会ったキモい親父とラブホで行ったりしてて(このエピソードが一番よくわからなかった。) 他は中学生の息子、母方の祖母、愛人視点
0投稿日: 2022.11.28
powered by ブクログこの話は極端だけれど、家族というのは、そういうもの。家族、学校のクラス、部活、会社の部署、プロジェクトメンバー、バイト仲間。いろいろある社会の集合体で、無理やり内を向いて成り立たせなければならない。 それぞれの章を読むと、この登場人物たちの誰も悪く思えない。ただ、私は女性なので男側にはやっぱり少し腹立たしさを感じる。 後味はよくはないけど、進研ゼミの無料電子書籍にあったので、角田さん好きだし、読んでみた。
0投稿日: 2022.11.20
powered by ブクログ家族それぞれに抱えている苦しみがあり、章ごとに語り手が代わりながら秘密が明かされていく。 個人的には毒親に育てられて今も尚その呪縛から逃れられない母親が気の毒で胸がもやもやした。 父親のダメ男っぷりも気持ち悪い。 内容はおもしろいけど読んでいて全体的に口の悪い表現が多く、読みやすいけど品がなくて気になってしまった。 心地よく活字を楽しむ作品ではない。
1投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログ角田光代さんの作品。 家族みんな隠し事なしとしていても、一人一人みんなが隠し事を持っていて、少しずつ時系列が進みながらそれぞれの目線で描かれる。 なかなかどの人にも感情移入しにくかった。。
0投稿日: 2022.07.24
powered by ブクログ読み終わった後のザワザワ感、蒲公英草子と似てる。 みんなが心に鍵付きドアを持ってるって話。 家族の話。 リアリティもあり、胸くそ悪くなるシーンも多い。 最後の石田衣良の解説も良い。 対岸の彼女も読まなきゃ!
0投稿日: 2022.07.21
powered by ブクログ面白かった。 一つの家の秘密が6人の視点で描かれる、 めっちゃ面白かった。やっぱ人は3Dなんだよな、私の前で見せてない顔も他の誰かの前では見せてるんだもんな〜、逆も然りですが。 秘密は他の誰かがいて初めて秘密となりうるって確かに、と思った。
1投稿日: 2022.07.18
powered by ブクログ家族6人の視点で紡ぐ短編連作。出だしから笑わしてもらい、標題作以降は黒々とした息が詰まる展開。最終編の落としどころは...。 家族というものと今一度、向き合うことのできる良作でした。
7投稿日: 2022.06.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
(シモ方面で)オープンで、ありふれた幸せな家族が実はそうでなかったら?むしろ家族になる前から崩壊していたら? そう思うと、なんとも言えない気味の悪さが残ります。あと、登場人物みな喋り方が馬鹿っぽすぎる。 諸悪の根元はお母さん。 被害者はお父さんと子供達。
0投稿日: 2022.05.29
powered by ブクログ角田光代さんの代表的な作品だと思うけど、よんだのむかしすぎてもう忘れていた。なかなかセンセーショナルな内容だよね。そしてひとりひとりの物語がまた面白くて引き込まれる。家族であっても一人ひとり分かち合っていないところがあるけど、それでもおうちでの
0投稿日: 2022.05.23
powered by ブクログ巨大なショッピングモールに依存する地方のベッドタウン。そのダンチに住む4人家族と、その妻の母、夫の浮気相手の6人の視点で描く、崩れ落ちそうで壊れない日常。 好き嫌いの激しく出る感じの小説。「ラブホテルを見てみたい」ととりあえず男子友達とラブホテルに入ってしまう少女、高校からの腐れ縁どころか、あっちでもこっちでも浮気する旦那など、平和な日常から安易に踏み出してしまう人たちというのが、一つのテーマなのであろう。 角田光代の作品にありがちな、「世の中何もかも大嫌い。いじめられるし友達はいないし」という人たちではないのが、ある意味救われる。ただ、どうも裏があるように思えてしまうんだよな。 全体に文章は荒削りと言うか散漫で、短い装飾をゴテゴテと配して読みにくい。2章あたりで、ひょっとして芥川賞狙いなの?という部分が透けて見えてきてしまって、そこからは斜に構えて読んでしまった。 わざとなのだろうが、読みにくさは祖母の章で炸裂する。祖母の章はテーマは一番面白いんだけど、アクタガワショウ的な夢の話、それいりますかね? また、俯瞰して眺めたときに、他の作品でも見られたように、男性が描けない(女性もだいたい掘り下げられてないが)という部分が目につく。つまりは、嫌な男性像しか描けないのがこの作家の弱いところだ。一方で女性の方には思い入れがあるのか、つい弱くて被害者という形にしてしまうんだよなあ。そこはもうちょっと振り切るくらいのことができないのだろうか。作者の投影なのだろうが。 角田光代作品では、いつも同じようなネガティブなレビューを描いてしまうのだが、本作はそこまでは行かない。ただ、そういうレビューできるほど人物が描けていないというのが、本作の弱みでもある。 嫌いではないけど、好きとも言えない作品。
1投稿日: 2022.04.26
powered by ブクログ短編集だったので集中して読めなかったけど、 角田さんの文学は虚無感をテーマに何げない日常の中に悲しくも、あったかくもある物語が散りばめられている、という感じ。 主人公はいつも幸せの基準から少し欠けてる様。 それでも人間臭い所を描いています。
0投稿日: 2022.04.10
powered by ブクログ各章の主人公の喋り口調の文章がダラダラしていてちょっと読みづらいけど、中盤からまあまあ面白くなってきた。
3投稿日: 2022.03.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「隠し事をしない」ということがモットーの京橋家を描いた物語。 一見、普通のありふれたどこにでもいそうな家族の京橋家。 だけど、実はそれぞれがそれぞれに秘密を抱えていて「家族の中の自分」とは違うもう一人の自分が描かれています。 前読んだ「庭の桜、隣の犬」のような、ちょっと毒のある内容かな。 家族の在り方を考えさせられる、そんな作品でした。 それにしても、角田さんの小説に出てくる男の人って、ほんと、ろくでもない男が多いなー。
0投稿日: 2022.02.16
powered by ブクログ家族それぞれが秘密を抱えながらも、互いに思う気持ちあり。その中でお婆さんの仕事に対する考えや、家族を思う気持が1番ささる。何が正解で良かったのか分からない。思う気持ちがあるのに伝わらない。相手を思うから肝心な事は秘密にしていて誤解されてしまう。なんともやるせなくなる。
7投稿日: 2021.12.03
powered by ブクログ家族って、確かに最後に頼る存在でありながら、頼りたくないときもあるし、それぞれ秘密や、絶対に話したくないこともある。 それが6人の目線から書かれて立体的になってる。人間って怖いなぁとナチュラルに思ってしまった。
0投稿日: 2021.11.24
powered by ブクログ複数の視点を収斂していくという点で『銀河で一番静かな革命』と構成は似ているが、小説としての完成度は流石に一日の長がある。人はみな別の世界を生きていて決して分かりあうことはないという現実=絶望を描き出すのもまた小説というものなのだろう。そこに救いは一切ない。人は小説(というか文学)に何を求めるのだろうか。僕にしては珍しくこのところ何冊か続けて読んでみたのだが、ますますよく分からなくなった。
0投稿日: 2021.11.18
powered by ブクログひみつはバレなければひみつのままだ、でも、ひみつをもつなら絶対ばれないようにしないといけない。 思い込んでいると本当のものはみえない。 愛人に対してミーナが「深くものを考えない若いふわふわしたおんな」で居られることは、ミーナにオヤジをバカにする心があるからできることなんだと思ったし、余裕が感じられてたいへん羨ましい。 人間、余裕がないとなにかしでかす。特に対人関係。余裕大事。だから愛人とか作るんですね。 平凡な家庭の退屈さとか、ありきたりだけど壮絶な過去とか、いろいろみてて嫌になった。
0投稿日: 2021.09.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
みんなそれぞれ秘密(ほぼ性の話でしかも開けっ広げ)を抱えつつも、表面は普段通り振る舞う。振る舞えば振る舞うほど、秘密が心の中に色濃く影を落としていく。ディスカバリーセンターやホテル野猿で、秘密が交錯しあったり新しく生まれたりしていくのは、なんだかみんな似たり寄ったり、結局収まるところに収まるんだなあみたいな感じがした。うーん、読了したけど、今回の物語はあまり入り込めなかったなあ。家族がいたりいけない恋をしていたりしたら分かるんだろうか?淡々と書かれてるけど、情報量が多くて、ちょっと分からなかった。
1投稿日: 2021.08.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初こそぼちぼち明るい雰囲気だったけど、徐々に薄ら寒い雰囲気に。 何年か前に、なぜか親の知らない部分がぶくぶくと増えていく子供の存在は怖いんじゃないか、とえらい深く考えている時期があって、母親に聞いたりもしたけど、正にそんな状況というか、家族のそう言う部分が書かれている話だった。 5つのオートロックの扉が食卓を囲んでる、みたいな描写がなんというか、一番怖かった。 でも事実そうだよな、家族。 ミーナが途中で、あの時母親がああだったのはああいうことか、みたいな振り返りをしているシーンもゾッとした。答え合わせしなくて済む方がいい。 知らなくていいことは知りたくないし、知りたくておかしくなったり、知らなくていいことを知っておかしくなるならこれ以上家族いらないな。
1投稿日: 2021.07.14
powered by ブクログ家族で隠し事を作らないなんて…それは無理だぁ。 家族だから平穏に過ごしたいし、安心出来る関係でもありたいと思ったら やはり嘘も方便でないと。 全部思ってる事ぶちまけたらきっと崩壊してしまうのではないかな。隠し事が想定外だけど京橋家はこれでいいのだと思う。…多分。
10投稿日: 2021.07.11
powered by ブクログ対岸の彼女を見て、こちらの作品も読了。 最後の解説にもあるように、光と闇の対比として、こちらはずーんと沈む闇のような雰囲気があった。 家族ひとりひとりが家族というカタチをどう捉えているか。同じ家族という共同体を持っていながらそれぞれのキャラクターの違いや他人への接し方の違いで見方もガラッと変わってしまう。 オートロックの例えはわかりやすかった。 けど、それぞれのキャラクターが性的なストーリーが多くてちょっと落ち着かなかった。けどそんな性のリアリティも含めて角田さんの魅力なのかな?
0投稿日: 2021.06.22
powered by ブクログ大学生のときに読んで内容を忘れていたので10年ぶりに再読。やっぱり円滑に生活するために、ある程度の秘密を持つのは仕方ないと思った
0投稿日: 2021.06.02
powered by ブクログ好きな作家だけど、本作は読んでいて辛かった。読み手の精神状態によって評価は分かれるんではないだろうか。この作品。 全体的に乾いている。人間の嫌な部分だけが次々と語られている。 良かったのは最後の1ページだけだった。
2投稿日: 2021.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
全員が全員ちょっとずつイカれてるせいで、それぞれ自分の役割をやってるけど実は機能不全な家族の話。 登場人物それぞれの視点で順番に語られるけど、オチはハッキリと明示されないスタイル。 JK娘の陽気さだけが救いに感じられた。 親父がとにかくアホ。 オカンの話らへんがめちゃくちゃゾワっとして面白かった。
1投稿日: 2021.04.17
powered by ブクログとあるダンチに住む家族のお話。オープンにしているのは隠すことがあるからという事実。確かに、安心して欲しいから何かしら言っておこうとすることは自分もあるし、何もかもオープンになんてできるものじゃない。思いのすれ違いは避けたいけど、お互いにとっての適切な距離を見つけるのも難しい。それでも憎からず愛情で結ばれているのは我が家が平和なだけなのだろうか。
1投稿日: 2021.03.08
powered by ブクログ再読。家族を持った今読むからこその面白さがありました。 とにかくこのうちの母親と家族には嫌悪感しかない。気持ち悪い。 でもこういう家庭、あるある。うちの夫の実家みたい。仲良しこよしアピールするわりにはお互いに肝心なとこ何も言わない辺りとかね。
0投稿日: 2021.02.21
powered by ブクログ家族って他には例えようもないくらい面倒くさいし複雑なものだと思った。 普通に家族と過ごすのが気持ち悪くなるくらい。 身内の侵入を防ぐ逆オートロックの話が印象的だった。
0投稿日: 2021.02.18
powered by ブクログニュータウンの団地に住む家族が、家族内での隠し事はご法度がルールとなっている中で、家族やその周りがそれぞれ隠し事をしながら過ごしていく、6つの視点から描かれた短編の長編小説。 それぞれのバレそうでバレない隠し事や、隠し事がある故のすれ違い、勘違い、思い違いがあり、思わずハラハラとする興奮や、言葉にしないと伝わらないむず痒さを文章全体から感じ取れた。 嘘には自分を守るための嘘、傷つけるための嘘、誰かを守るための嘘、事を穏便にすませるための嘘、そういった思い思いの嘘があり、何が正しいのかどうか決めつけようとすることや真実だけが正しいと考えたりすることは真意でないのかもしれない。 家族に言えないような秘密というものは実際皆それぞれあると思う。そんな中でも、秘密や嘘を抱えていながら共に過ごし続けていくことのできる家族という繋がりは、やはり何か不思議な力がある。最後の描写からそういった考えがふわふわと浮かんできた。 この本はいろいろ捉え方があるだろうし、内容も面白いから、お勧めしたりして周りの人と感想とかを話し合ったりするのもありかもしれない。
0投稿日: 2021.02.15
powered by ブクログこちらも約10年ぶりに読み返してみたシリーズ。 郊外のダンチで暮らす4人家族、京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。 何でも話し合える家族のあり方は美しいけれど、でもそれって本当だろうか?本当に何も隠していない?というちょっと意地悪だけどあたたかい小説。 連作短編になっていて、父親、母親、娘、息子、お婆ちゃんと父親の不倫相手まで、6編にわたってしっかり丁寧に全員の秘密を読ませてくれる。 家族って面倒だよね。家族だからどんなことでも理解し合えるなんて絶対に無い。 逆オートロック、という表現が的確だった。外部に対して閉ざされているのではなくて、身内の侵入を防いで閉ざされている。5人いれば頑丈な鍵のかかった5人分のお揃いのドアがあり、それぞれの向こう側にはグロテスクでみっともない、しかしはたから見たらずいぶんみみっちい秘密がわんさとひしめいている。 私もそうだった。家族には隠しごとだらけで、むしろ本当のことを話したことなんて一度もなかったかもしれない。 けどそれでも。それでも。そこが今にも分裂してしまいそうな空中の庭園だとしても。 それでも、の後がどうしても続かないのに、「それでも、」と信じ続けてみたい自分がいるのもまた嘘ではない。 娘・マナ あたしはことさら無邪気な声を出して笑い、息が白くあたりに広がるのをぼんやりと目で追って、ママが超能力者じゃないことなんか知っている、あたしはあの家の蛍光灯にさらされない何ごとかを、このようにしてわざわざつくりたかったのかもしれないと考える。 母・絵里子 近ごろマナはよく、私の過去を知ろうとする。ママがあたしくらいのとき、だの、ママが妊娠したとき、だのといった話題をよくもちかけてくる。そのたび私は嘘をつく。私の抱えていた空洞や絶望を、あの子たちに教えることはできない。この世の中にそんなものが在ること自体、伝えてはいけない。 息子・コウ このダンチなんかいい例だと思うよ、ここは思いこみで建設されて、思いこみで成り立ってる場所だよ。ねえママ、ママはここに最初に越してきたとき、なんて思ったか覚えてる? すごい、全部うまくいく! って、思ったんじゃない? これってへんなものだよな。ひとりだったら秘密にならないものが、みんなでいるから隠す必要がでてくる。 同じ意味を持つ光と闇って、家族ってものとどこか似てなくないかと言ったら、北野先生は上の空のまま、お子さまは単純だね、とつぶやくだろうか。 パパの不倫相手・北野先生 家族というのはまさにこういうものだとあたしはずっと思っていた。電車に乗り合わせるようなもの。こちらには選択権のない偶然でいっしょになって、よどんだ空気のなか、いらいらして、うんざりして、何が起きているのかまったくわからないまま、それでもある期間そこに居続けなければならないもの。信じるとか、疑うとか、善人とか、そんなこと、だからまったく関係ない。この車両に居合わせた人全員を信用することなんてできないのとおんなじだ。あと数分後に、あたしの正面に立つスケーター風の男がきれてナイフをふりまわす可能性と、中学三年のまじめな男子生徒が、パパの恋人とも知らず家庭教師をラブホテルに誘う可能性は、かぎりなくひとしい。
10投稿日: 2021.02.11
powered by ブクログ家族のことが、好きですか?郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。でも、ひとりひとりが閉ざす透明なドアから見える風景は…。連作家族小説の傑作。
0投稿日: 2021.01.27
powered by ブクログ浮気するお父さん、ラブホに行く娘、母親が嫌いな母親の話。 昔住んでた板橋の団地を思い出した。おばあちゃんがラブホに乗り込むシーン、シュールで笑った。
0投稿日: 2021.01.15
powered by ブクログ浮気をバレたくなかったら、携帯に暗証番号かけないことだ、と、どこかの浮気男が言っていました。みんな、心にあえて暗証番号はかけない、そんな家族のお話でした。
0投稿日: 2021.01.01
powered by ブクログ短編集かと思ったら違った。6人の視点から描かれている。めっちゃ交錯する。一つ一つの話しだけでも十分物語になっているのに、それぞれが交錯して、光のプリズムみたいに振幅し合って、ずしんとくる。無くなりつつある感性を少し刺激してもらえた気がします。他の作品も読んでみようっと。
0投稿日: 2020.09.01
powered by ブクログ一見どこにでもいそうな幸せな家庭にだって、目に見えない壁や隠したい秘密を抱えている…読んでいるうちに自分の家族はどうなんだろうと思わず考えてしまう作品だった。 この物語では一章ごと順番に家族のメンバーそれぞれ話し手となり進んでいく構成となっており、同じ出来事の話をしていても人が違えば受け取り方も変わってくるのが面白かった。みんな本当は気持ちはバラバラなのに、家族の前では何事もないように”幸せな家庭”を演じている、それははたからみるととても滑稽であり歪な関係としか思えなかった。 読んでいてあまりいい気分にはならなかったが、人間ってそうだよなと思わされる部分も多かった。たとえ家族とは言えどもみんなそれぞれ1人の人間であり、抱えている思いを完全に分かち合うなんていうことは限りなく不可能に近い。それでもなお家族という集団に属している限り“家族の一員”としての自分でいなくてはならないし、家族の輪を乱さないよう均衡を保とうとする。そうした感情は矛盾はしているが、理解できる部分もあった。 角田光代の小説は何冊も読んできたが毎回心に訴えかけるものがあり、深く考えさせられてしまう。今回の「空中庭園」も同様で、家族というものの捉え方を改めて考えさせられる作品だと思った。
0投稿日: 2020.08.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編連作は苦手だが、一つの方向性を持っていたので読みやすかった。 テーマは家族の光と闇で、角田さんの良さが出てる作品であった。 家族とは、について良く表してると思う一節がある。それは、 「ばらばらの座席に座り、窓の外に思い思いの視線を向けた僕らを乗せ、ヘッドライトで闇を分け入るようにしてバスはすすむ。」 それぞれは別のことを考えて、別の方向に進んでいく。だけど、家に帰り、食事を共にする。そして、同じ方向に進まざるをえないこともあるし、進んでいく。 後継という社会がすくない現在、家族とは一体何なのか。どうして家族を作るのか。私自身、家族のことを全然知らない。誰よりも長くいるのに。不思議である。 誕生日パーティーを「学芸会」と評されていることも、なんとなくわかる。そして、最後のほうになって初めて「キョーバシ」という名字が明かされるのも秀逸である。 最後に、 「子どもを愛すること。肯定すること。たいせつに育て、無用な苦しみや悪意から守り、善なるものに目を向けさせ、絶望や恐怖などよせつけないこと。」 この文章、そしてラブホテルの登場は「対岸の彼女」を想起させるようなところがあった。
0投稿日: 2020.08.16
powered by ブクログ『あたしはいったいどこで仕込まれたのか』 自分の出生について知りたい、そんな感情に囚われたことがあると思います。両親はどうして結婚し、自分はどこで生まれ、どうしてこの名がついたのか。でもこれらの情報にはある意味で肝心な一点が抜け落ちています。人が生物である限り、この世のどこかに『自分が在ることを決定づけた場所』が存在するはずです。そして、その場所がどこか、その時の二人の行動。自らの子どもに繋がる起点となった以上、両親が覚えていないはずがありません。そして、物心ついた子どもは自らの誕生に繋がるそんな起点があるという知識を持つ時が必ずやってきます。でも、だからといって、そのことを知りたい、教えてほしいと自分の親に聞く子どもはいないでしょう。この世にはどんなに親しい間柄であっても聞けないことがある。それを当たり前に感じる私は『隠しごとをする』家庭で育ったのでしょうか。そんなこと含め『隠しごとはしない』。なんでも、あらゆることを包み隠さず話せる家族、そんな家族は本当に存在するのでしょうか。 『あたしはラブホテルで仕込まれた子どもであるらしい』という京橋マナ。『十五歳という、非常に多感な年齢であるところのあたしがなぜ、自分の仕込まれた場所を知ったかといえば、理由はふたつある』という理由の一つは友人の木村ハナが『自分の両親は新婚旅行でアムステルダムに赴き、そのとき自分を妊娠した』と語ったから。それをきっかけに母に自分のことを聞くマナ。『インター近くにホテル野猿ってあるでしょ、あそこよ』と答える母・絵里子。『何ごともつつみかくさず、タブーをつくらず、できるだけすべてのことを分かち合おう』というのがモットーの京橋家。『ひどいネーミングのラブホで仕込まれて生を受けた』と嘆くマナ。翌日の朝『いつもの二人掛け座席に森崎くんを見つけ』、『出生決定現場』の話をするマナに『なんか、すげーな。あんたんち』と自分の家でそんなことは絶対聞けないという森崎。そんな森崎に『いきたい場所がある』と言うマナ。来月の誕生日に『インター付近にあるラブホテルにいきたいの、あのー、そーゆーことがしたいんじゃなくてなかがどんなか見てみたい』と言うマナ。『みるみるうちに赤面』した森崎。でも『なんなら今日でも明日でもいい、と森崎くんが言うのであたしたちは制服姿のままホテル野猿にきた』という急展開。『まず驚いたのが、その空間が、ひどくまっとうな部屋だったこと』と驚くマナ。『おー、カラオケ!おー、エロビデ!おー、ポテチまである!』と一通り騒いだ後、『小学生の学芸会のようにおたおたとたがいの距離を縮め、それから、キュー、という音をたてて唇を吸いあう』二人。『あたしは自分で上着を脱ぎ、ブラウスを脱ぎ捨て』た後、『もしさ、今日、もしだよ?なかで出してそれが卵子に届いたとしたら、あたしたちはすぐ家族になるんだね』と言うマナ。『制服を脱ぎ捨てる』森崎。しかし『彼の股間に手を伸ばし、森崎くんが勃起していないことを知る』マナ。『あー、だめだ あひー逃げてえー』と言う森崎。二人は仰向けに横たわります。『気にしないで』と天井を見つめるマナ。『それでぜんぜんかまわなかった。あたしは処女を捨てたかったのではなく、自分が在ることを決定づけた場所が見たかっただけだから』と言うマナ。そして、ホテルを出ての帰り道『まっすぐ家に帰りたくなかった』マナは、ふたつほど手前の停留所でバスを降ります。そして、偶然コンビニに母親の姿を見かけ、そして…。 6つの短編から構成される連作短編という形式をとるこの作品。長女・マナ、父・貴史、母・絵里子、祖母・さと子、家庭教師・北野三奈、長男・コウの6人に各短編ごとに視点が切り替わりながら、物語は前に進んでいきます。家族ではない北野三奈視点が入っているのが物語に印象的なワンポイントを与えているだけでなく外部者視点で物語の核になるような記述が多々出てきます。しかし、あくまで京橋家の人々が主役である点は変わりません。京橋家は『何ごともつつみかくさない』ということを何よりも大切にしています。その象徴とも言えるのが『あたしはいったいどこで仕込まれたのか』と聞くマナに気軽にその時の話をする絵里子という母子の関係。そして、『ねえねえパパ、今日ね、マナったらね、自分はどこで生を授かったかなんて訊くのよー』というような話を『ホットプレート』で餃子を焼いて食べながら語れる団欒の風景が象徴しています。『あたしたちの生活のなかに、恥ずかしいことも悪いこともみっともないこともあり得るはずがない』だから隠すことなどない、というのがその考え方です。しかし、視点の切り替えで6人が語る京橋家から見えてくるのは、崩壊寸前、もしくは崩壊しているかのような家族像です。中でも絵里子は自らの母・さと子との長い確執の日々を『私の抱える殺意』と表現し、自らが築く家庭はそんな風にはしないと誓います。そして、マナやコウが『それぞれの鍵で無人の家に足を踏み入れるような家庭には、それが日常と化すような家庭には絶対にしたくない』と意地でも彼らが帰宅するより前に家にいることにこだわる姿勢をとります。でも子供はそんな親もよく見ています。彼らが暮らす築十七年の『ダンチ』。絵里子が幸せの象徴と考えているそんな『ダンチ』の暮らしに、息子・コウは斬りこみます。『ママはここに最初に越してきたとき、なんて思ったか覚えてる?すごい、全部うまくいく!って、思ったんじゃない?』と問います。『子どもは無邪気、夫婦は円満、コミュニケーションはばっちし』と絵里子の記憶が蘇ります。そして『それが思いこみだってこと。思いこんでると、本当のものが見えないって話』と畳み掛けるように辛辣に語るコウに何も言い返すことのできない絵里子。『たしかに私は、光かがやくあたらしい未来にやってきたと思った』と自問する絵里子。そして『いや、過去形じゃない。私は今でも、光かがやくあかるい未来だと、あのとき感じた同じ場所に居続けている』と家族に変化が起こっている現実をあくまで否定し、過去の幸せな日々にすがりつきます。 そして、唯一の外部者視点となるコウの家庭教師・北野三奈の視点では、コウとの会話の中で虚飾にまみれた家族の内側を絶妙な表現で説明します。〈鍵つきドア〉の中に登場するその表現。それが『逆オートロック』です。『外部の人間には閉ざされたオートロック式のドアが、自由に出入りできる家のなかに存在している』というコウ。普段、京橋家の内側にいる者だから感じることのできる子どもならではの素直な感情。『その鍵は、外部に対して閉ざされているのではない。身内の侵入を防いで閉ざされているのだ』とその説明は淡々としていながらも、とても辛辣です。『五つのドアそれぞれの向こう側に、きっとグロテスクでみっともない、しかしはたから見たらずいぶんみみっちい秘密がわんさとひしめいて ー これから先ずっと繁殖しつつひしめき続けるのだろう』と家族のそれぞれが『隠しごとはない』と言いながら隠しごとにまみれた生活を送っていること、そしてそれは今後も続いていくだろうことを実に冷めた調子で指摘します。そんな京橋家の秘密の一端を知りうる立場の北野三奈は『閉ざされたドアの鍵をぶち壊すことなんかたやすいじゃないか』と感じています。必死でそれぞれの秘密を守り続ける家族、でも冷静に外から見ると、そんな彼らの努力が如何に空虚でたやすく壊れてしまうものであるかがよくわかります。そんな空中分解寸前の家族の情景を思い、それが描かれるこの作品のタイトルを「空中庭園」と名づけた角田さん。あまりに絶妙なタイトルの説得力に驚きました。 一見幸せそうに見える家族、どこにでもありそうな家族の幸せな生活をベースに描かれたこの作品。何が進むわけでもなく、何が解決されるわけでもなく、ひとつの家族のある一時点を切り取ったこの作品。京橋家は、この先も決定的に壊れないように、家族のそれぞれが絶妙なバランスを保ちながら、生活していくのだと思います。そして、事の大小はあるとは言え、基本的にはこの同じ空の下に暮らすあなたの家族も私の家族も実際には似たようなものなのかもしれません。みんなそれぞれに何かしらの秘密を抱えながら、それでいてこの世で一番親しい存在としてひとつ屋根の下に仲良く暮らす家族。一見平和そうに見えても、蓋を開ければ、あれやこれや、どんなものが飛び出してくるかはわからない。それも分かった上で、誰も開けようとはしない。それが家族という人間の集団なのかもしれません。 普段の日常の中で、家族というものをこんな風に冷めて考えたことはありませんでした。そんな考え方をすること自体、家族に対する裏切りではないか、そんな思いも当然にあります。こんなことは、小説の中の世界だと思いたい感情は読者全員に共通することだと思います。 でもそんなあなたに伺います。あなたは、家族に対して一切隠しごとはしていないと言い切る自信がありますか? とても読み応えを感じた読書。非常に興味深い視点を与えてくれた、そんな作品でした。
53投稿日: 2020.07.21
powered by ブクログ苦しくて大好きな作品「秘密を作らない」をモットーとする京橋家の父母娘息子祖母のそれぞれの秘密。ミーナがいちばんマシに見える。学生のころ読んで自分の家族観が変わった。うちの実家も秘密はないと思っていたけど普通にあったし、あるし、知らなくて良いこともあるのだ。性格悪いけどうちは京橋家よりマシでないかと自分を励ましていたのかもしれない。
0投稿日: 2020.07.12
powered by ブクログ京橋家のモットー「何事も包み隠さず」しかし、タブーがないはずの家にとんでもない秘密が隠されているのが6人の視点から見事に描かれていて、立体的にというか6人のストーリーを通して、京橋家の全体像が捉えられた感じがして面白かった。また、この小説の舞台である郊外のニュータウン、団地、大型ショッピングモールのディスカバー、高速道路沿いのラブホテル街などのこの街の風景、又は空間が印象に残った。その他に印象に残ったところは、第三者である家庭教師の視点から見る一家の異様さである。そして、一人一人が抱えた秘密が、コウの言葉「逆オートロック」に象徴されていて、「なるほど‼︎」と思った。
0投稿日: 2020.06.12
powered by ブクログ家族の闇を描いたのだろうけど、どの人も嫌なものを胸に抱えていて読んでいてとても暗くなる。誰にも共感できず嫌悪感すら覚え、これなら途中でやめるべきだったとひたすら後悔。かなり最悪だった。
2投稿日: 2020.06.06
powered by ブクログ短編集のようだが、一つ一つの話がつながっており、家族がテーマのお話。 ちょっと闇があり、色々と親子関係について考えさせられてしまう内容。 文章は読みやすく、またぼかしてはあるが、実在する箇所が出てきて、知ってる人はちょっと面白いかも。(私は先にその場所がこの作品に出てくることを他の本で知ったのだが) 学生時代に読んだ時はサーっと小説として読めたが、子供を育てている今読み返してみると、この家族のようになりたくないなあと思いつつ、たぶんこれに似たような状態になる可能性もあるのかなぁと少し憂鬱に。
1投稿日: 2020.05.05
powered by ブクログいくら家族と言えども、誰でも家から出れば個々の人間。オープンにしているつもりでも、何かしらある。そんなものだと改めて思わされた。
1投稿日: 2020.04.17
powered by ブクログほかの作品がとっても面白かっただけに、空中庭園はイマイチかなぁと言う感じ。 好きだったところは、短編か繋がっていて1つの家族の話なんだけど、一話毎に主人公が変わっていくのが良かった。 一見幸せそうな家族なんだけど、そこの中にある闇。 空っぽなお父さんの話がリアルで良かったな。
0投稿日: 2020.03.29
powered by ブクログ軽いタッチでサクサク読めるが、内容は少し重め。家族の「闇」がテーマだが、フィクションにありがちなパターンが多い。もっとリアリティを追求して軽い「闇」にした方がかえって不気味さが際立ったのでは?と思ってしまう。
1投稿日: 2020.03.24
powered by ブクログ家族間の秘密、ない家なんて存在するのだろうか。 理想の家族を作るべく母は何でも話し合える家庭をと言うが、腹の中にたくさんの思いを1番母がため込んでいる。 母も父も子達も、祖母も家庭教師も、それぞれの秘密があります。 家庭教師ミーナの、自分の亡き父親の裏切りに対して感じた気持ち「同じ家にすんでいたひとりの人間が、ある秘密を秘密のまま完璧に消し去れるのだという事実への恐怖感。」 家庭の持つ意味をどの角度で理解したらいいのか。 ドアを開けて中に入ってみればこんな感じです。
6投稿日: 2020.03.04
powered by ブクログ家庭では誰しもが役割を演じている気がする。そのお面を剥がした先に何があるのかは、家族だからこそ知ることが出来ないし、知りたくもないのかもしれない。
1投稿日: 2020.02.01
powered by ブクログ東京郊外のニュータウンで暮らす京橋家のモットーは、「何ごともつつみかくさず」。しかし、愛人を持つ父を初めそれぞれが闇を秘密を抱えている。 父、母、姉、弟、祖母、父の愛人、それぞれの視点から語られる構成。 すでに壊れてしまっているのに、見て見ぬ振りをして、幸せな家庭を演じる京橋家の人たち。 結構ダークな話だった。
1投稿日: 2020.01.12
powered by ブクログ唐突に出てくる前世占いとう設定が、妙に生々しかった。男と女は、恋の病に罹ると、必ずスピリチュアルなものへ依存し、破滅する。いま目の前の人を見ることが出来なくなる。ちなみに、ぼくの前世はクピドらしい。アポロンとダフネに悪戯したり、トロイア戦争でアキレスを弓矢で射たとされるパリスを応援したり、その際、アポロンを誘惑したり、プシュケとの出会い、風をエレメントに持っているのもそのためだ。その次は、アイネイアオス。トロイア戦争の後、ローマ建国の礎を作ったらしい。それから、エジプトで石工をし、数学や天文学を学ぶ。やがて、中国へ行き、陰陽学を学び、憧れていた日本へ転生する。会津若松藩士となり、江戸時代にさまざまなものに出会う。その途中でも、何度か生まれ変わっているらしいが、特別なものはなく、常に一緒に付き添う人がいて、現世でも合う人にしか会わないようになる。 家族がテーマ。6人の視点から世界が重なっていく描写がすごくうまい。誰しも、家族って、こういうものだと思う。絵にかいたような家族、幸せなんてなくて、誰にも言えないヒミツをみんな抱えてる。その苦しみとか悲しみを叫べば、解き放たれるかもって思うし、そんな叫んでる自分を受け入れてくれた人がほんとの友達なのかもしれない。でも、違う。みんな心を殺して、いろんな辛さを乗り越えて、過去には触れないようにして生きてる。冷たい水の中で全身震えなが、懸命にもがいて、足掻いて。その寒さの中で、裸で自分を曝せ出せたら、裸の自分を自分が受け入れられたら、なにかが変わるって知ってるのに。 ヒミツは秘密のままがいい。 愛の喜びはほんの束の間のもの。 愛の苦しみは生涯続くもの。 クラウド・アトラスという映画を観てから、ぼくの死生観は、よりアイヌに近づいた。再び日本に、しかも北海道を選んだのは、そのためなのだろう。たまたま家族として出会い、形だけの生き方をするのか?生きた時間を過ごすのか? 空中庭園を読み終えると、光の、闇の、キルト、鍵つきのドア、ホテル野猿、ひとつひとつが重なって、ところどころで、ぼくの感情をばっさりと切り裂いてくる。その傷の鮮やかで深いことといったら。明るさの、暗闇の、ダークなのに、まったく重くならない。いつもと変わらない黄色い月を、じっと見たくなった。
3投稿日: 2019.12.17
powered by ブクログ「あたしはラブホテルで仕込まれた子どもであるらしい。どのラブホテルかも知った。高速道路のインター近くに林立するなかの一軒で、ホテル野猿(のざる)という」 高1の長女マナの独白から、物語は始まる。 「何事もつつみかくさない」という、郊外の団地に暮らす京橋家のモットー。 だが、本当にそうなのか。 父の貴史は浮気をしている。妻の理恵子がマナを身ごもった時から。 最近では、20代の愛人までいる。 その愛人三奈は、長男コウの家庭教師として京橋家にやってくる。 母の絵里子は、彼女の母への反発からこの家庭をスタートさせた。 「うち、逆オートロックだからなあ」とコウは三奈に呟く。 「外の人、わりと自由に招き入れるんだけど、家のなかにもう一個見えない扉があってさ。こっちの扉は、絶対開けないっていうか。暗証番号も教えないし、表玄関は広く開いているんだって宣伝して、オートロックのほうを隠しているんだよね。そんな感じ」 その三奈にも、逆オートロックのように誰にも明かしたくない家族との歴史がある。 建前とは裏腹に救いようがないような設定の中でも、隠しきれない家族の空間があり、物語がある。 人生100年の時代とはいえ、家族と同じ時間を過ごすことが出来るのはホンのわずか。 何気ない日常こそ。 そして、救いようのない現実こそ、家族が共有して過ごしていく証。 過去を懐かしむのも良し。 未来に投資するのも当然。 でも、何があっても、現在を懸命に生き抜くことこそ素晴らしいのだと。
4投稿日: 2019.11.05
powered by ブクログ2019.6.22 なるほど。 今の今までウチの実家には秘密はないだろな〜 と思い込んでたけど、絶対あるわ。 なにかしら胸に秘めてみんな死んでいくんだろうなぁ。
0投稿日: 2019.06.22
powered by ブクログちっちゃい子どもって、とことん無力なんだ。親がどんなに馬鹿でも駄目でも、それしか頼る人間がいなかったら、全身全霊で愛すんだ、愛することで愛されようとする。
1投稿日: 2019.05.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
-登場人物の中で、誰かが自分の心にしまってある思いや本当の事を露見させたら途端にほろりほろりと崩れてしまうような、絶妙なバランスで保たれている一家。 全体像はごく普通の、当たり前の家族の日常のように見えてそれぞれの視点で中を覗いてみると、その奇妙さやおかしさがあらわれてくる。 そしてあらゆる建築物をキーとして度々登場させることで、読み手のミクロとマクロの視点が入れ替わる。 読み進めるうちに、自分が巨人になってミクロの団地世界を覗いている気分に。 -それぞれの会話の中で、半ば上の空で話を聞いていなかったり、難しいから分からないと理解するのを拒むシーンが登場するが、家族だからこそその小さな歪みが後々の関係性に大きく影響を及ぼしていくのが非常にリアル。 不倫関係にある(浮気?)ミーナとタカの対話関係が一番楽なのではないかと感じた。 以下文章 『ミーナは要らぬ深読みなんかしない。ぼくの言った言葉をぼくの言った通りに聞き、納得し、べつの文脈から矛盾や被害妄想を持ち出してきて騒ぎ立てることはない。』byタカ 『タカぴょんってさあ、ほんと思ったこと何でもそのまま口にするよねぇ』byミーナ
1投稿日: 2019.05.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
秘密のないはずの家族を、それぞれの視点から見て、ひとりひとりの閉ざされた部屋=秘密、各人の家族への思い が明らかになる。根の生えていない、空中に浮かんで漂うような家族。その暗さ。
1投稿日: 2019.03.31
powered by ブクログそれぞれの視点から家族を観ている。すると、色々面倒なことが、自分も含めてわかってくるが、家族という、ひとくくりの絆がまるめてくれている。しかし、何の物語か、ようわからん。
1投稿日: 2019.02.23
powered by ブクログ映画を観る前に読んでみようと、本を手に取りました。日常の少し変わった家族の物語。秘密がない家族、と言ってもやはりそれぞれ家族には言えないことがあるわけで、、、 ミステリーや警察系の小説にどっぷりはまっている今、終わりのないこの家族の物語には物足りなさを感じてしまった。多分、読み時は今じゃない。いつかフィットする時に改めてこの小説を読んでみたいと思った。
0投稿日: 2018.12.29
powered by ブクログ面白かったです。とてもグロテスクなお話でした。誉めてます。 家族にも言えないこと、家族だからこそ言えないこと…あると思います。家族と言えど、自分でなければみんな他人なので、心の内はわかりません。言わないことがあっても良いとわたしは思います。「ひとりだったら秘密にならないものが、みんなでいるから隠す必要が出てくる」にとても頷きました。 お話は、この家族の父親の不倫相手のミーナのところが一番面白かったです。この夫婦のことを、タカぴょんとぴょん妻と呼んでいるところにふふっとなりました。 角田さんの物語はリアリティーがすごくて、読むのが辛いのですが面白いです。 人の内面はきっとグロテスクなものなのだな、と思います。100%清い人なんていない。いかに隠して穏やかに生きていくか…
1投稿日: 2018.12.02
powered by ブクログ全部言ったら楽になる 深読みしない方が幸せ すごくよくわかるなーと思いました。 前半刺激的でよかったけど、 だんだんスローペースになった印象でした。
1投稿日: 2018.11.24
powered by ブクログ母子関係のドロドロした話とか、お父さんの浮気とか、子供2人の親には言えない秘密とか いくら隠し事なしっというモットーがある家でさえ、いろいろある。 1人なら秘密にならないのに、家族とか周りの人がいると秘密になってしまう 誰だってオープンといいつつ、どこか心の2割にはカギがかかっているような気がする 憎いとか寂しいとか、思ったことはないのに、その感情はわかるっていうのは確かに不思議だなぁと思った。 なんかこーゆう表現とか、わかりずらいのにわかりやすい、おもしろいんだよね コップの男 中身がスケスケでわかりやすいとかこんな表現もおもしろい
1投稿日: 2018.10.02
powered by ブクログ団地に住む平凡な家族の話。 (どこからそんなに浮気のためのお金が捻出できるのかとは思うけど) 「普通の家族」 その辺にいそうな家族だからゾワッとモヤっとするというか 読みながら 自分の学生時代を思い出したり 母、祖母の人生を思ってみたり じゃぁどこでどうやって生きていけば 家族で生きて行くのに良いのだろうかとか 考えた 数年後にもう一度読みたい
1投稿日: 2018.07.22
powered by ブクログ家族だからこそ、言えない秘密も嘘もあるのかもしれない。開かれてると思いきや、みんながそれぞれにドアを閉めていて、中で汚い思いがドロドロしている。それにしても角田さんは、母娘のこじれる話が好きだなぁ。
1投稿日: 2018.06.14
powered by ブクログこんな高校生いねぇよ。こんな中学生いねぇよ。こんな女いねぇよ。と思いました。両親と祖母だけは実在しそうでしたが・・・。いかんせん「小説」感が強すぎて私はだめでした。
0投稿日: 2018.05.11
powered by ブクログ郊外のダンチに住む4人家族と、それを取り巻く人々の連作短編。それぞれの視点で語られる話は、人の様々な面を見せてくれて面白い。なんでも話すことを約束した家族、約束のために、あるはずの隠し事が隠される。それでも最後のシーンはどこか希望が感じられ、深い読後感がある。
1投稿日: 2018.01.29
powered by ブクログ家族に隠し事は作らない。そんなポリシーがある一家ですが、それぞれいろいろな事情があります。家族であっても踏み込めない(あるいは踏み込んで欲しくない)領域ってあるんですよね。いろいろな人生が、ある小さな一点でかろうじて繋がっている、それが家族なのかもしれません。
2投稿日: 2018.01.16
powered by ブクログ2015.2/7 何ごともつつみかくさず、タブーをつくらず、できるだけすべてのことを分かち合おうというモットーの家族それぞれの独白章が時系列に並べられて進む。自分がラブホで仕込まれたと嘆く長女、二人の愛人の間で彷徨う父親、実母への憎悪から逃げるために家族を持った母親、後悔ばかりだが案外善人な実母、不倫相手の息子に計画的に近づきまんまと家庭教師に収まった愛人、学校生活から拒絶され家族の薄ら寒い嘘を感じつつ無関心な弟...最後まで苦しい。でも所詮人間は孤独なんだと思うと、いい家庭を作らなきゃと頑張る母親である私の肩の力も抜ける
1投稿日: 2018.01.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
少し前に読んだ「母と娘はなぜこじれるのか」で紹介されていて気になったのでさっそく。あの本に書いてあったことがまんま物語に落とし込まれているような感じ。本当に秀逸だった。 角田さん自身の母娘関係は、特に大きな問題は抱えていないと言っていたけど、想像で書いたとは思えない。卓越した感受性の上に努力を重ねていらっしゃるから、ヒリヒリするし目を背けたくなるほどリアル。すべての登場人物の言動が、良い意味で期待を裏切らない。生き生きとしている。 何ごともつつみかくさず、タブーをつくらず、できるだけすべてのことを分かち合おう、というモットーのもとにいとなむ家族。連作短編なので視点人物が章ごとに変わるが、一枚一枚皮をめくるたび、グロテスクな部分が露見する。 印象的だったのは、母とおばあちゃんのお互いに対する感情の違い。母の「こんなことをされた(殺意)」は、おばあちゃんにとって「こんなことをしてあげた」になり、それぞれの記憶は自分が嫌だったことばかりが強調されている。母から逃れるために半ば無理やり築いた自分の家庭を、「絶対に失敗させない!」とひとり肩に力が入って空回る母のむなしさよ。共感できてしまうからこそ、やっぱり子を持つことが怖くなった。 また、ひとりだけ家族の外の人間の視点を入れたのもよかった。その女の子もまた、自分の経験から家族を嫌悪し恐怖している。彼女の目に映る京橋家の異様さ・珍妙さは、読者である私の目線とぴったり重なった。 だいたい「何でも話せる相手」とか「私(あなた)のことなら何でも知ってる」なんて嘘に決まってる。自分の中に恥ずかしいことや黒い感情を山ほど抱えてるし、そんなものが露見したら誰とも付き合えない。家族という近すぎる存在だからこそ、お互いに踏み込まない領域があったほうがいいのかなと思った。
4投稿日: 2017.12.02
powered by ブクログ風邪を引いてる最中に読み始めたのですが、一旦ダウン。 風邪が治ってから、続きを読み始めました。それくらい辛い話です。 辛いと言っても、その内容の悲惨さではありません。何故、こんな物語を書く必要があったのか、何が言いたかったのか、何故ここまで露悪的なのか、何故ここまで貶めるのか。。。。 皆が皆、情けないのです。そして、何とかしようという意図も無い。同じ辛さでも、たとえ抜け出せなくても、その中で何とかならないか、もがき苦しむのなら許せるのですが。 一般的な評価は高いようです。でも私には合いませんでした。
2投稿日: 2017.10.30
powered by ブクログ映画にもなりましたね。 とてもカジュアルで身近な家族の物語を異なる視点で描いた物語。具体的で感情的な描写がたまりません。
1投稿日: 2017.09.09
powered by ブクログあまり好きじゃなかったけど、時間潰しに読み切った。 ーーー 郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。でも、本当はみんなが秘密を持っており、それぞれが違う方向へ。異質でありながらも家族であるしかない、普通の家族に見える一家の光と影……ひとりひとりが閉ざす透明なドアから見える風景を描いた連作家族小説。第3回婦人公論文芸賞受賞。
0投稿日: 2017.07.25興味深い趣向の本
チャプター毎にそれぞれ違う登場人物の一人称で書かれていて、とても珍しく面白いと思った。登場人物それぞれの主観が入ることで各々の思いが理解でき、それと共に物語がより深くなり相互が絡み合っていく。久々に本を読んだけれど、よい作品だった。
0投稿日: 2017.06.15
powered by ブクログ何事も包み隠さずがモットーの京橋家。しかし、内実は家族のそれぞれが秘密を持ち、違う方向を見据えている。家族の在り方を問う連作小説。 光と闇の考え方が印象に残る。正反対の存在なのに、毎日太陽が照る明るい場所は闇が神聖なものとなり、寒くて暗い所は光が神聖なものとなる。異質な両者が極論的には同じ。不思議なことだけど、この世の全ての物事に当てはまりそう。
2投稿日: 2017.05.29
