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総合評価

682件)
3.9
154
293
162
28
6
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    このレビューはネタバレを含みます。

    嘱託殺人事件を起こした警察官が自首するまでの「空白の2日間」を追うミステリーかと思いきや、 それに触れる人たちの心情を丁寧に描いた良質なヒューマンドラマだった 組織の中の立場と自身のプライドの狭間で揺れ動く彼らが 梶聡一郎という人物に触れる事で、どのような選択をするのか その姿がどれもとても読み応えがあったし、なんだか愛おしかった ラストはそれらが梶さんに帰ってくるような形で綺麗だし、救いがあってとても良かった

    4
    投稿日: 2021.06.17
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    地味に横山秀夫さん祭り開催中で再読。 歳をとったせいか、なんだかいろいろ胸に迫ってきて、切な過ぎて、思わず落涙。

    3
    投稿日: 2021.06.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んだと思ってたけど実は読んでなかった横山秀夫作品。それぞれの立場から見たこの事件についての気持ちの変化がどれも良くて、やっぱり好きだなーと思えた。 何故かオチは知っていたので、映画化されたのを観てたのかも。

    2
    投稿日: 2021.06.08
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    読み始めたときはダンディなおじさんたちが出てくる難しそうな、だけどなんだか仕事人的な熱さを感じる小説だなと思った。 読み進めていくうちに、空白の2日間に隠された主人公の守りたかったものが見えてくる。とても感動した。 最後の1ページで泣かされた。

    3
    投稿日: 2021.06.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後まで謎が解けず、早く結末が知りたくて物凄い速さで読了。いいお話だけど、ちょっと綺麗にまとまり過ぎかも。

    2
    投稿日: 2021.05.21
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    映像化した小説と紹介してされてたので買って一冊。 いろんな人の視線でリレー形式に物語が進んで行くちょっと変わった進行の本だった。 事件をいろんな人の立場で語るみたいなのは今まであったが、リレー形式で進むのは初めて読んだかも なぞの2日間が「そんな事を黙ってたの」と正直思った。 でもよく考えたら、頑なに黙秘するのが正解だとわかった。 殺人はダメな事だが、この犯人のやったことは良い事だったのか、ダメだったのかわからない なにか考えさせられた小説でした。

    11
    投稿日: 2021.05.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かったです! 横山さんの作品はどれも ホント面白いですね しっかりとした作品が多く 読み応えがありました さて、この作品は 警察官が妻を殺害し自首。 全てを自白しているが 殺害してから自首するまでの二日間 何をしていたかについては黙秘を続けている それをあらゆる立場の人たちが追っていく話 まず事件自体が謎を含んだまま 空白の二時間に何があったのかと思いながら 読む手が止まりませんでした そして事件を追っていく あらゆる立場の人たちも それぞれに問題を抱え、 またそれぞれの立場の関係が絶妙に歪んで なかなか真実を掴めないところも面白い 最後までまっすぐだった梶の行動が 真実を語らないだけで こうも湾曲していくのかと そういうところも面白かったです

    9
    投稿日: 2021.05.04
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    妻を殺した警察官、梶聡一郎に関わる人々が次々と登場。組織の一員とは、個人の生き様とは、そして梶はいつまで半落ちなのか。色々と考えさせられる中で、緻密な設計の物語はクライマックスを迎え… 個人的には、自分らしく生きたいと思えた一冊。

    2
    投稿日: 2021.04.26
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    今更ながら読了。ここまでハードルをあげて、愛人?隠し子?だったらただじゃおかない!と思いながら読んだが、最後の最後までわからず、そうだったのかぁ… ギリギリまで諦めてなかったんだ。すごいねという感じ。 澄み切った目だとか、まだ死ねないだとか、死ぬつもりだとか、他人が想像して奔走し、その人の為に尽力出来ることが私的には信じがたい。真実を追求したいと言うことなら納得。

    15
    投稿日: 2021.04.23
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    自分は生きていてはいけない人間だ。 心はとっくに死線を超えていた。 だが、体はどうだ。心とは無関係に生き続けている。 P353 14項引用 ✼感想✼ 友人に勧められて読み始めた作品。 警察や検察、裁判官などの裏の部分が全面に 出てくるので読んでて、実際の司法もこのような 現場なのだと思うと凄く辛く生きづらいような 正義なんてものはないように思えました。 最後まで読み終わった後はなるほどと 思えるような終わり方でした。 誰かを思う気持ちって時に人を強くすることがあると 改めて感じさせられる作品でした。

    23
    投稿日: 2021.04.20
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    十数年ぶりの再読。 警察官の嘱託殺人事件。犯行については争う点がないが、事件後の2日間は供述を拒む。その完落ちしない半落ち状態の2日間に何があったか。 警察、検察、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官のそれぞれの担当者の立場から見た連作のような構成。 各組織間の対立や組織内での葛藤がリアルでおもしろかった。最後に謎が明らかになるが、その展開がスリリングであった。

    2
    投稿日: 2021.04.06
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    長らく本棚に積んでいたが やっと引っ張り出してきた 横山作品なので面白いのは解っていた でも軽く超えてきた   自分はこのコロナ禍 誰かの為に どんな形であろうとも役に立つ事が出来るのか?  

    2
    投稿日: 2021.04.02
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    最後の最後でわかる人生50年の意味。 何のために生きるのか、死ぬというのがマイナス的な意味しか持たないのか。 生と死、倫理観を問いかける小説だった。

    3
    投稿日: 2021.03.17
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    様々なミステリーランキングで軒並み上位にランクされ、絶賛されながら直木賞からは落選した作品。 いや、直木賞が全てじゃないので別にそれはいいとして。 現職警察官・梶がアルツハイマーで苦しむ妻を絞殺し、自首してきた。 殺人の動機については自供し、罪を認めているが 殺害から自首までの2日間については口を閉ざす。 マスコミへの対応として警察は「死に場所を求めて彷徨っていた」と発表するが、 取調べを行った警察官・志木は納得がいかず、その「空白の2日間」を調べようとする。。。 各章ごとに主人公が変わり、それに伴い梶事件に対する接し方も変化する。 警察官・検事・新聞記者・弁護士・判事・刑務官と、様々な視点で「空白の2日間」に切り込む。 その各章の主人公が大きな流れに対抗しながら戦う姿は、こちらも応援したくなるほどの描写である。 また、この事件は「警察上層部と検察上層部の裏取引」という姿も見せ、 そこに立ち向かう新聞記者・中尾の最後の選択には色んな意味で心が震えた。 空白の2日間。特に2日目の謎が明かされるのは最後の最後となる。 梶は死に場所を求めて彷徨っていた訳ではなかった。 その理由はぜひこの本を読んで確かめて頂きたいのだが、 息子と妻を亡くしてしまった男にとって、最後の“絆”は意外な形で存在していたのである。 この結末については、完全に理解出来ないかもしれない。 しかし、このような形で自らの在り方を頑なに貫き通している姿は、間違いなく感動的である。 (ネタバレ防止の為、抽象的な言い回しになっています) 評判が高かったのも頷ける。5点。

    1
    投稿日: 2021.03.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アルツハイマーの妻を扼殺し自首した梶警部。梶を取調べる志木は県警トップの供述捏造に抗い取調官を解任される。検察官の佐瀬は警察の供述書捏造を警務部長に抗議するが検察の不祥事と県警の裏取引きにより挫折する。県警と警察の裏取引きを見抜いた東洋新聞の中尾も刑事部長と裏取引きをしてしまうが、本社の意向で特ダネを出さざるを得なくなる。弁護士の植村は梶被告の弁護人になるチャンスを得たが空白の二日間の真相は聞き出せなかった。判事の藤林も裏取引きがあった事を確証していたが立場上から究明出来ない。刑務官の古賀は自殺すると思われる梶受刑者に接しながら残り一年で退官する自身の半生を省みる。様々な登場人物がこの事件に関わりどれもこれもうまく行かないのが、横山さんらしい重厚で深い作品でした。最後は志木の私的捜査で解明されたのが救いか。

    15
    投稿日: 2021.03.03
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    良かった。正直最後まで謎をひた隠しにする系の作品かと思ったけど、最終盤で回収してった。若干駆け足感は否めなかったけど、そこに至るまでの章の丁寧さは見事。ストーリーも一本筋で正直自分は読み切れなかったし、良かったと思う。 ここに物語の整合性はフィクションの範囲内で十分に取れていると思うけど、某文藝春秋の選考委員の作家の方々はご納得されなかったようで…… 林〇理子さんと北方〇三さんのセンスのなさを感じました() 64が「前半長すぎ!」って話はよく聞くけど、こういった人間模様自分嫌いじゃないので、たぶんスッと読めるはず。

    4
    投稿日: 2021.03.02
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    警察官が引き起こした殺人事件を中心にそれを取り巻く刑事、検事、記者、弁護士、裁判官、刑務官にリレー式に展開していく流れは非常に視覚的に感じた。介助疲れがもたらす事件は時勢を物語っている。ただし最後の結末は呆気ないという気がしたので辛口の評価としました。

    2
    投稿日: 2021.02.14
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    アルツハイマーの妻を殺し自首した警察官をめぐるお話 殺害から自首するまでの二日間のことは一切語らない そこに何があるのか 章ごとに視点が変わりそのそれぞれに物語が展開されて楽しめました この著者の作品はどれも読みやすくてスラスラ読めてしまいますね それでいて内容は濃いように感じます

    5
    投稿日: 2021.02.07
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    皆が正しい思いを掲げ、それでも「正解」に辿りつけず。組織に揉まれ。それぞれの人生観が非常に慈悲的で興味深い。 そして、仕事を抜きにして諦めなかった者が、正解を導き出す。 「一つくらいは自慢話を持っていたい」 余りある実績を持っている人が言うには痺れる言葉だ。頑固者でありたい。 また、伴侶の大切さも心に沁みた。 落ちは意外にも大した事がなかったと思うが、それまでのそれぞれの人生が好きである。 私にとっては良い本だ。

    3
    投稿日: 2021.02.06
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    再読。 オチを覚えてなかったので、最後までワクワクしながら読めた。 横山秀夫さんの記者を描く技量はやはりズバ抜けている。

    2
    投稿日: 2021.01.28
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    「まるでベルトコンベアーのようなもの」それっぽい理由が有れば本質に関わらず、事が進んでいく。世の中、この様な事は多い気がする。各段階で調整出来れば、解決できるが、それが難しい。少なくとも自分が関わる所では、本質を見極め対処していきたいものである。

    2
    投稿日: 2021.01.17
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    人望ある警察官が、アルツハイマーに苦しむ妻の殺害を自首してきた。 事件は嘱託殺人だとはっきりしている。 ただし、殺害から自首までの2日間は語ろうとはせず、その謎を追うことになる。 職業の異なる6人の視点でひとつの事件を辿っていき、最後に行き着いた真相にうるっときた。 それぞれの話は自身の事情や権力者からの圧力などで重苦しいが、心理描写もくどくなくて読みやすい。 読み進めていくと何となく真相も分かってきたけど、自首した警察官が何故自殺を思いとどまったのかの理由はとても感動できた。 後味の良い素敵な作品だった。

    24
    投稿日: 2021.01.03
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    「半落ち」の映画を観たときに、原作の本を読んだ方がよく分かるって口コミに書いてあったので、こちらを読んでみた。 本も本で、登場人物が多くて大変だったけど、それぞれの心情の描写が丁寧で理解しやすかった。ただ、どんどんフォーカスされる人物が変わっていくので、一人一人に感情移入をしっかり出来るかと言われると、そうでもなかった。映画の役者さんの表情とかを脳内を補完していくことで、面白く読み進められたのだと思う。 もし映画観てなかったらこの本読むの結構つらかっただろうなぁ。横山秀夫さんの本読むのクライマーズ・ハイに続き二作目だけど、今のところあんまり好きになれない。 映画で最も心に残ったセリフが、梶の義妹役の樹木希林が法廷で放った言葉である。小説にはその言葉が登場しなくて、映画オリジナルなのか!って驚いた。ここだけでも見る価値があると思うので、この本が心に残った人はぜひ映画も観てほしい。

    7
    投稿日: 2020.11.04
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    物語は静かに進んで行きます。 潮が満ちるように、関係する人達の思いも静かに満ちていくようでした。 命を繋ぐということを考えさせられました。

    6
    投稿日: 2020.10.24
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    昔から買っていて積読し続けていた本作。 友人より勧められて今さらながら読了。 ふんふん、「半落ち」ってそういう意味ね(笑) 言い得て妙、なかなかタイトルが良いですね。 本作、なかなかの良作でした。 やっぱり話題になるだけのことはありますね。 物語の主軸なるのは「空白の二日間」ですね。 正直、最初から最後までずーーーっとそれ一本で引っ張られるんですが… そこを飽きさせずに読めるストーリー展開になっていると思います。 警察、弁護士等々、それぞれの登場人物たちがて梶を助けようとしますが…なかなか間一髪のところで上手くいきません。 そこらへんの痒い感じのストーリー展開が絶妙かと。 そして、引っ張り倒した上でも納得ができるオチに持って行けているのもさすがです。 ここまでやっちゃうとちょっとオチ弱にもなりそうなもんですが… そういう意味ではある種「完落ち」ですね(やかましい) 梶さんの51歳まで生きようとする理由、純粋にとても感動的でした。 物語上はあくまでも「他人のため」という形では描かれていましたけど、本質的なところで行くとそこって半々なんじゃないかなぁと。 「他人のため」他の子供に命を繋ぎたいが半分、そしてそれによって自分が生きている価値を感じられる、つまり「自分のため」が半分。 やっぱり人間って、他者の為になっているという事象を通して、初めて自分の生きている意味を感じることができるっていうふしがあると思うんですけどね…個人的には。 奥さんも子供も亡くなり、家族も親族も居なくなってしまった世界…本作を読んで少し想像させられました。 それって、本当にスゴく孤独な世界だよなぁと。 家族以外の趣味とか楽しめるものはあるけど、でもやっぱりそれは家族というベースあるからこそなのかなと。 その上だからこそ楽しめているのかなぁとも思いました。 あと、コレは映画めちゃハマりそうですね。 小説だからこそ良さが出るっていう作品でも無い気がしますし。 見てみるかなぁ、映画も…(´∀`) <印象に残った言葉> ・取り調べは一冊の本だ。被害者はその本の主人公なのだ。彼らは実に様々なストーリーを持っている。しかし、本の中の主人公は本の中きら出ることはできない。こちらが本を開くことによって、初めて何かを語れるのだ。彼らは、こちらに向かって涙を求めてくることがある。怒りを焚きつけてくることもある。彼らは語りたがっている。自分の物語を読んでほしいと願っている。(P30) ・黙秘するつもりなどありません。しかし、その件についてはどうか、そっとしておいていただけないでしょうか(P390) ・検事さん、あなたは誰のために生きているんですか-?(P118) ・梶さんはそれがよくわかっていたんだと思います。だから奥さんを殺したんです。自分の手を汚して(P304) ・家ではいつもそう言っているんです。僕にはお父さんが二人いる、って(P356) <内容(「Amazon」より)> 「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの2日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは――。日本中が震えた、ベストセラー作家の代表作。2003年このミステリーがすごい! 2002年週刊文春ミステリーベスト10 第1位。(講談社文庫) 日本中が震えたベストセラー待望の文庫化 妻を殺し、それでも生きる。心の奥に想いを秘めて―― 「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの2日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは――。日本中が震えた、ベストセラー作家の代表作。

    28
    投稿日: 2020.09.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    息子を白血病で失ったというのがすべてのカギだったとは。病魔に冒される妻を手にかけた梶さんをめぐって様々な立場のひとが己の仕事の最善を尽くそうとする鬩ぎ合いがもどかしく、どうして最後の詰めをこんなにもひきのばしにするのかと悶々とすることしきり。ページが残り少なくなってきてこのままなあなあになってしまうのかと危惧するも感動的な結末が待っていた。家族を失ったからこそ見えてくるものがあって、生きていく意義の強さを感じた。さすがだなぁ。やっぱり横山さんはすごい。ほんとそう思う。

    3
    投稿日: 2020.09.21
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    半落ち 横山秀夫さん 1.購読動機 クライマーズハイ。真相。第三の時効。そして64と歩んできました。 記者さんがゆえ、被疑者、マスコミ、そして所轄の描写の臨場感にただ心動かされ、ファンになりました。 2.本書あらすじ 現職警部が妻を殺害します。 理由は、妻からの嘱託殺人です。 きっかけは妻のアルツハイマーによる心身の衰退です。 事件発生から自首までに空白の2日間があります。 この二日間に対して、被疑者警部は口を割りません。そう、タイトルの「半落ち」です。 完落ち、完全自白に向けて、物語が展開するも、、、 3.本書の見どころ ひとつの事件を、刑事、検察、マスコミ、弁護士、裁判官、そして拘置場の立場で描写していることです。 細やかな描写です。 それぞれの立場だからこそ事件との葛藤は似て非なるものなのですから。 その表現が一人の作者横山さんから生みだされていることがこの作品の深さなのでは、、、と考えるのです。 ミステリー好き。でも、どろどろは嫌。少しだけホロリとしたい。そんな人に手にとって欲しい一冊です。 フィクションの世界にノンフィクションの空気を作り、人間としての尊厳とは何か?を突きつける横山ワールドへ是非。 #読書好きな人と繋がりたい

    23
    投稿日: 2020.09.21
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    認知症の奥さんを殺したと、警察官が自首してきたところから話は始まります。 取り調べする場所が変わっていくのでますが、最初は、取り調べる人が、その警察官が隠していることを暴きたいと必死になるのですが、色々と妨害もあり、暴かれないまま次の取り調べ場所へ。 その繰り返しなのですが、次の場所に行く頃には、取れ調べていた方も、彼を助けたいと言う思いになり見送ります。 自首してきているのですが、不可解な行動があり、それがなんなのか?分からないまま物語は進んでいきます。

    2
    投稿日: 2020.09.20
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    ずーっと前に映画を見た。原作は買ったものの、読まなかった。ふと読みたくなった。刑事、検事、新聞記者、弁護士、裁判官、看守。それぞれの立場からの梶への思いが綴られていく。深い、深いなあ。裏も表もあからさまに、アルツハイマーの妻殺しの事件がひもとかれていく。互いに、はじめの思いとは裏腹に梶を守っていく心情が痛い。

    7
    投稿日: 2020.09.15
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    梶という男に関係者全員が負けていく みたいなこの感じなんなんだ!と思ったら 最後の10ページで泣けた。

    1
    投稿日: 2020.09.13
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    (2020.9.6記) この本に関する直木賞選考でのK氏とH氏の言動はいただけない。 それ以来、K氏とH氏の著作は読む気がしない。

    18
    投稿日: 2020.09.06
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    映画を観たため、再読。 寺尾聡さんの演技もさながら。 怒涛の展開ではなく、静かな波が打ち寄せるように物語は進み、真実が露わになる。 もし、自分が妻の立場だったら。 自分でも、主人に同じことを頼む。

    1
    投稿日: 2020.08.29
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    昔ドラマを見た覚えがあった。 確か、寺尾聡だったか、しかし、肝心のストーリーは覚えていなかったため、最後まで楽しく読み終えることができました。

    2
    投稿日: 2020.07.16
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    生きてほしいと思わせる主人公の人間性が、周りの人を変えていった。これから生きていく中で色々苦しくなることもあると思うけど、自分の気持ちを信じていてほしい。信念を持って生きていく無口な男性ってかっこいい。

    7
    投稿日: 2020.07.05
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    アルツハイマーの妻を殺し、2日後に自首した警察官。2日間に何があったのか。 紐解こうとする様々な立場の人間の目線で書かれた本。 「感動!」の感想をよく目にしたけど、それとは違う感情になった。 私は、 生きる理由は様々でいいんだ。 生きていればそれでいい。 と感じた。

    6
    投稿日: 2020.06.30
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    直木賞候補で物議を醸した一作。 一人の問題人物について6つの視点でほぼ時系列順に語られている「鳥の物語方式」を採用。 その問題人物が、客観であるがゆえにむしろ鮮明に描かれているのが秀逸。 視点人物もそれぞれキャラが立っていて、これは横山にしか描けないな、と納得してしまう。 メイントリックはどうあれ楽しめます。長編小説のお手本。 ①魅力的な謎……5/6 ②精緻なサスペンス……5/6 ③鮮明な結末……5/6 ④印象的な文章表現……6/6 ⑤先鋭的なテーマ性……4/6 計25/30 星4(ほぼ5です)

    4
    投稿日: 2020.06.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これも大学時代に読んだものの読み直し。 人を救いたいと思う気持ちは、一種の欲望だよなと考えさせられた。 それぞれ尖ったところのある男たちが梶さんと向き合う過程に、少しだけ、グリーンマイルと同じテーマを感じました。

    3
    投稿日: 2020.06.02
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    横山秀夫第二弾 警察と検察の対立や利害関係がめんどくさくて仕方ないと感じてしまった。そして、怒号が飛び交う描写も読んでて気持ちいいものではない。警察や銀行が舞台の小説はおれには合わないかな笑 ドラマとかで見る分には爽快なんやろうけど 最後の方で、刑務官が受刑者に 「官と面と向かったら呼称番号と名前を言え。発言したいときにはまず、交談願います、だ。」 というシーンがあった。 現実はどうかわからないが(おそらく忠実に再現されているはずだが)、このように受刑者の人権を奪い、踏みにじるような環境で更生などあり得ないと思う。

    3
    投稿日: 2020.05.26
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    横山秀夫の真骨頂とも言える警察物。 妻を殺害し死に場所を探す容疑者。彼が戻ってきたわけは?映画化もされており感動的なラストは必読に値する。

    8
    投稿日: 2020.05.19
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    所々で人物が交錯して、次の章へ繋がっていく。 それぞれの登場人物がそれぞれの立場で、儚さや虚無感を抱き、本人たちの気付かない所でそれが心安らぐひと時を演出する。 言葉にするのが難しい部分の繋がりのようなものをうまく表現されていると思った。 人が集まればそれぞれの想いや利害関係が交錯する。 それら全てを手中に収めるのは困難だし、無意味。 やはり人間関係で悩むことは、無駄だと思う。 いろいろな状況や置かれた立場でどうにでも変化し得る。 それでも悩んでしまい、同じようなことを繰り返してしまうのもまた人間か。

    2
    投稿日: 2020.05.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ★3.5 クライマーズハイが良かったのと、映像化されている作品が複数あるのに、何となく読まずに来ていた作者さんなので、続けて読んでみた。 映画は観ていないのだけど、予告で流れていた寺尾聰さんが、なぜかとても心に残っていて、梶の印象は寺尾聰さん、ピッタリだな、と思った。 アルツハイマーで壊れていく妻に「死なせてくれ」と頼まれて殺してしまった、警察官の梶。直後には、後追いも考え、実際に自殺未遂も起こしているのに、その後、二日間の空白があってから、自首している。そして、動機や経緯は全て素直に話しているのに、その二日間については、どうしても話そうとしない。そして、警察も検察も真実をつきとめられないまま裁判も終わり、刑が確定してしまう。 この1つの謎が解けないまま、物語は最後を迎える。 内容としては引き込まれるものがあり、入り込めないとか退屈、と言うこともなく読み進めることが出来、一気に読みきった。が、評価をあまり高くしなかったのは、この引き込まれて最後まで、一体何を隠しているのか、と思わせてくれた割に、結論があっけなかったので。 皆さんのレビューを拝見していても、賛否ある感じで、とても腑に落ち納得したと言う方もいる。私自身も、腑に落ちないとまでは思わないし、 身内もなく、たった一人の身内であり、おそらくとてもとても大切に思い、思われてきた妻を自らの手で死なせてしまった梶にとって、その時、自分の子供は救うことが出来なかったものの、自分の骨髄移植で救えた、同じ病の少年の存在がどんなものだったのか。そう考えると、梶の行動や決して話そうとしなかったことも、そうなのか、とは思うのだが・・・ あまりに最後あっさりと終わってしまった感じに、気持ちが取り残された感じになってしまったのと、あと1年、と言う梶の願いが、分かるような分からないような、、、で少し消化不良感。 子供を病気で亡くすとか、それ故に、骨髄バンクに登録することで、誰かの命を救えることを、経験として知らない私には、理解しきれないのかもしれない。

    1
    投稿日: 2020.05.07
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    1日ですぐ読み切った。情景が容易に想像でき、闇を抱えながらも真実のために奔走するところにすかっとした。

    0
    投稿日: 2020.04.27
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    あなたは誰のために生きているのですか? 鬼畜のごとき犯罪に手を染めておきながら、その罪を償えと迫られるや、もう生きていけないなどとヒステリックにわめき散らし、肥大しきった自己愛を抱きしめて「死」という安全地帯へ逃避する。 主人公の梶聡一郎にとって、警察官でありながら殺人犯として自首することは死を選ぶことよりも遥かに苦しいことだっただろう。 だが天涯孤独になったはずの梶が守りたかったものは自己愛ではなく、別のものだった。 梶は誰のために生きようとしているのか、何を守っているのか、何故完全に「落ちない」のか。 頑なに黙秘を続ける梶の空白の二日間にどんな物語があったのか。 立場の違う六人の人物がそれぞれの思いで梶に関わり解き明かしていく。 どんなに絶望の淵に立たされても、人との絆が誰かを救う一縷の望みになると考えされられた。

    0
    投稿日: 2020.04.26
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    出版されたときからキャッチコピーがずっと気になっていたけれど、読む機会がなかった本です。 出版は2002年のことなので、御存知ない方も多いかと思います。 「妻を殺しました。自首したのは現職の警察官だった。しかし、殺害から自首までの2日間につき男は黙秘した」 一体どんな真相が隠されているのか、前からすごく気になっていました。 W県警本部捜査官の志木は、警察官でありながら、嘱託殺人で、アルツハイマー病の妻を殺害した梶の自殺を思いとどまらせている人物を探そうとします。 「空白の二日間」東洋新聞のスクープ記事を、W県警とw地裁が結託し実際は歌舞伎町に行っていた梶の行動を死に場所を求めて県内を彷徨い歩いていたということにすり替えてしまいました。 梶は1通の封書を待っています。 梶は、歌舞伎町で一体誰に会ったのか。 誰のために生きて罪を償うつもりなのか。 それとも、51歳の誕生日がきたら死ぬつもりなのか。 最後の最後まで、謎は全くわかりませんでしたが、非常に納得できるラストでした。

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    投稿日: 2020.04.24
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    横山秀夫の作品は、前回 「クライマーズ・ハイ」を読んでいて、なかなか読み応えがあった。 この「半落ち」は、ちょっと前(といっても2~3年前か)、映画化され寺尾聰の裁判風景が有名だった。 寺尾聰は、かなり好きな俳優で、彼が演技するんだったら面白い作品だろうと思っていたわけだが、やはり予め原作を読んでおきたいと思ったわけだ。 で、原作。 あら~、寺尾聰(犯人)が出てくるシーンなんて、ほぼプロローグとエピローグだけじゃん。 内容は、検事、検察、裁判官・・・それぞれの立場のお話しで、彼の演技力を発揮させる場なんてない。 そういう小説だったのか。 ちょっとガッカリ。 それと、読み終えて、「ん~?設定に無理がないか?」と思った部分もあり。 寺尾聰が50歳までは死ねない(自殺しない)という設定があるんだけど、その理由がちょっと納得いかなかったりする。 さらに、別の部分で問題視されている小説なんですね。 ネタバレしますけど問題になってる解説は > ここ まあ、私はあまり面白い小説だとは思わなかったです。なもんだから映画(といってもレンタル)も見ないでしょう。

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    投稿日: 2020.04.16
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    惜しい。 自然な文体。特徴はない。ドラマの脚本のよう。流れはわかりやすい。20ページくらいで入り込める。 一個一個が荒い。魅力出す前に次に進む。 オムニバスで視点が全くしらない人にきりかわるのは嫌な気分。 面白いし感動するしうるっときたし、おすすめだしオチもわかりやすいけど、制度に頼るってのはなぁ。自分でくんだロジックで勝負しろよ。

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    投稿日: 2020.04.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とても面白かった。 近年集中力をもって本を読む事がだんだん難しくなったなぁと思ってたけど、これは久しぶりに一気に読む事ができた。 多くの人の思いが交差していて、最後までどこに落ちるのか分からずページを捲るのか楽しかった。映画も見てみようと思う。

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    投稿日: 2020.03.23
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    ちょっと都合が良すぎて、現実の司法はこんな風には進まないと思うけれど、オッサンとしては感動するよね。

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    投稿日: 2020.01.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    辛い 読み終わってもしばらく辛い 息子さんの臓器をもらった人がいるのかなと最後の数ページで思うも予想外れ 頑なに言わない、みんなが理由もわからず そっとしておいてあげたいと思う人柄 優しさ故の過ち 奥さまは喜んでいると思いたい 記憶が戻るのは嫌だろうなぁ 周りで介護する人もつらいだろうなぁ… そっとしておいてくださいの理由がわかった瞬間 池上さんと対面したときの梶さんの様子 つらい 志木さんの優しさはつらい この先身寄りもなく生きていくのはつらすぎる。 東京まで通うのも大変 とてもつらい

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    投稿日: 2019.12.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読みやすい!というか話が気になりすぎて、久々にグングンよみすすめられました。梶警部の空白の2日間、一体歌舞伎町でなにがあったのか。 裁判官や検察、新聞記者などのさまざまな人物視点で話が進み、最後には警察官の志木の手で明かされる、その理由。 なるほどねー、、 梶さんのいい人感がより内容にグっとこさせるというか、周りの人たちの上からの圧力にどうしようもなく屈しながらも屈しきりたくない、その正義感というか意志の強さに楽しませてもらいました。 読みやすいしまぁ結末にも納得できたので、満足です。読んでよかった!

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    投稿日: 2019.11.13
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    あらすじ 「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの二日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に"落ち"ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは-。

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    投稿日: 2019.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    妻を殺したと自主してきた梶警部、しかし殺害してから自主するまでの空白の二日間については口を閉ざし「完落ち」はせず。 ドナーが見つからず13歳の若さで病死した息子、アルツハイマー病にかかり息子を忘れない内に母親のままで死にたいと夫に殺してと懇願する妻、妻を殺害した後に後追い自殺を図ったが妻の日記を見つけて読み思い留まる。 日記の内容は息子が病死した後に夫婦でドナー登録をした翌年に梶の骨髄を移植した青年の新聞への投稿の切り抜きであった、その中に新宿の小さなラーメン屋で働いているとあり妻は自らが壊れてしまった後に残る梶への命の絆(生き甲斐)を見つけようと単身新宿まで探しに行ったが見つからなかった。 梶は妻を殺害した後に新宿に行き青年を見つけた、そして自首、頑なにに二日間の事を語らなかったのはマスコミが青年を嗅ぎつけない為であり、自殺を思い留まったのはドナー登録は50歳まで有効で49歳の梶はあと1年だけは生きようと決意した為であった。 何処まで愛する人の為に行動が出来るのか、どう行動するのが正解なのかは判断しかねるが、動機が愛なのであれば

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    投稿日: 2019.07.18
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    妻殺害後二日経ってから出頭した警部。頑なにその二日間を語ろうとしない彼に、その後彼にかかわってくる人々がそれぞれの視点で謎の二日を追います。視点となる彼らの立場上の葛藤が何とも悲しく、もどかしい思いで読み進めました。実際にそれが可能かどうかは別としてもそのために思いとどまった彼の決意を知った時はなんとも言えない重さをズシンと感じました。彼をそっとしておいてあげてほしかったという気さえしてきました。章ごとに違う視点にすることで読者を引っ張る筆力はさすがだと思います。

    0
    投稿日: 2019.06.14
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    大人としての誠意を見た。 梶は空白の2日間を決して言わない。 周囲で関わり、目を見て感じた人達は決して触れない。 興味本位で聞かない。大切にしていることに踏み込まない。 そしてそれほどの決意をしている人間だからこそ死なせないようにしているのだろう。 大人の繋がりを感じた。

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    投稿日: 2019.05.29
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    49歳の警部・梶聡一郎が、アルツハイマーの妻を殺害するという事件が起きます。取り調べを受けた彼は、犯行後二日間のゆくえについては、いっさい口をつぐんで語ろうとしません。 彼の取り調べにあたった志木和正、2日間の空白について警察が調書を捏造したことに腹を立てるケンジの佐瀬銛男、警察と検察の衝突を偶然知ってしまった東洋新聞の記者・中尾洋平、梶の弁護を引き受けた植村学、裁判官の藤林圭吾、そして梶が収監されることになったM刑務所の古賀誠司の、6人の視点を順にたどりながら、梶の謎と彼の思いを守ろうとする人びとをえがいています。 白血病で子どもを亡くし、アルツハイマーの妻を手にかけた梶を、この世に結びつける唯一の絆が、彼が骨髄ドナーとなることで生きながらえ、ラーメン店を営むにまで成長した若者だったことが、物語の結末で明かされます。 ストーリーそのものよりも、立場の違う六人の視点をたどりながら、梶の思いが生かされていく構成が特色です。それなりに感心はしたものの、個人的にはやっぱりストーリーそのもので楽しませてくれる、わかりやすい物語のほうが好きです。

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    投稿日: 2019.04.14
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    『空白の1日』といえば江川だが、『空白の2日』といえば『半落ち』。警察官による妻殺害事件。犯人・動機も明確なのに、事件後から犯人自首までの、犯人の行動2日間がスコンと不明。取調官・検事・警察記者・弁護士・裁判官、ありとあらゆる強者たちが尽力しても阻まれる真相。取調官志木と、裁判官藤林の章が好き。正直、真相判明までが長すぎてちょっと疲れたが、ラストシーンは美しい。

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    投稿日: 2019.03.29
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    横山秀夫さんの今から約16年前に書かれた曰くつきの長編ミステリー代表作です。ああ、やはり全ての経緯を知る為に読後に直木賞選考にまつわるごたごたの記事をネットで読みましたが正直言って誠に不運で悲しむべき出来事だと思いますね。私は素直に本書の物語を受け入れて著者を天晴れと讃えたいです。6つの章のそれぞれの語り手の熱い思いは伝わりましたし梶聡一郎の行動及び人間性を矛盾とは感じませんでした。息子の死が動機にあるのですし妻の場合は嘱託殺人で時期も異なるのですから。私は関係者全員に真実を知らせてあげたいと望みますね。 本当を言うと冗談は書かない方が良いのですが、横山さんの独特なユーモア感覚に大いに感心したのが、そうねそうねの曽根さんに続く、ああしたらこうしたらの設楽さんでしたね。という事で下手ですが私も考えました。あっそうあっそうと麻生さん、学べ学べと真鍋さん、そうしいなこうしいなと椎名さん。お粗末でした。さて、それにしても煮えたぎって沸騰した語り手達が最後には横槍を入れられて一転して気を静めてしまうのは確かに不完全燃焼で気分が良くないですよね。本音を言えば私は志木さんに高慢な伊予警務部長をぶん殴って欲しかったですね。

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    投稿日: 2019.01.29
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    『クライマーズハイ』をさらにきっちり削って ミステリ仕立ての面白さを狙った作品 普通に楽しむなら『第三の時効』とかのほうが面白いのだが この作品はこの作者でしか書けないだろう このとってもけちをつけたくなる聖者に石を投げたくなる 主人公の描写が絶妙だ

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    投稿日: 2019.01.07
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    大人の事情が複雑に絡み合う、最後まで真実が見えない、スリリングな小説。 ラストは、久しぶりに泣いた。。

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    投稿日: 2018.12.10
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    もう散々言い尽くされている事だとは思うけど、同じ感想しか出ない。 すっげえ。 なんてすげえ作品だ。 圧倒的なまでのリーダビリティ。 読者を引きつけて放さない求心力。 頁を繰る手を止めさせない筆力。 堅牢で揺るぎない筋立て。 どこを取っても、間違いのない一級品。 いやはや、凄い作品を読んでしまった。 内容は、あえて語るまい。 とりあえず、未読の人は黙って読むべき。

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    投稿日: 2018.11.13
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    骨髄移植をベースとした梶警部の壮絶な決意。介護の問題の重さをひしひしと感じた。警察と検察庁など、各関連機関の権威をキャリアと言われる人たちとは別に血の通った人たちがいろんな思いをしながら仕事に向き合っている様子が丁寧に描かれていて、好感が持てた。

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    投稿日: 2018.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    刑事モノかなと思いながら読んでいきましたが、人情モノでした。 これは、文字ではなく映像で見てこそ、梶の黙して語らない姿が良く映えるのではなかろうか。 罪と不運に加えて、何のために生き、そして償うか。そういう物語であるのだけど、ちょっとネタばらしが遅すぎるのと、ちょっとプロットが弱いなと感じました。 泣いたけど。

    0
    投稿日: 2018.08.06
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    現職警察官、梶がアルツハイマーを患う妻を殺し自首。殺害から2日間の行動だけは語らない。 警部、検察官、記者、弁護士、裁判官、刑務官。 それぞれの目線で語られるストーリー。 面白くて一気読み! さすが横山さん。

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    投稿日: 2018.07.14
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    軽いタッチの小説を読んだ後に、もっと重厚感のある小説を読みたいと思った時に手に取った作品。 ずっと以前に映像化されていたようで、タイトルには見覚えがありました。 裏表紙の内容紹介を読むと、 警察官が妻を嘱託殺人 妻がアルツハイマー 空白の2日間の行動の謎 など 重い言葉が並んでいましたが、 ライトな小説を読んだ後だったので しっかりしたものを読んでみたいと思いました。 読んでみると、 6つの短編で構成されていて、 同じ事件を 6人それぞれの主人公の視点から書かれていて、 どんどん引き込まれていきました。 警察官→検察官→新聞記者→弁護士→裁判官→刑務官 それぞれのお仕事のご苦労や誇りを感じられました。 それぞれの立場同士のせめぎ合いもあるのですが、 なぜか空白の2日間の真相は分からないのに、 立場を超えて心が一つになるところは、ほっこりとしました。 最後は「何のために生きるのか?」 ということを考えさせられました。 読みやすく、内容に引き込まれて、ハッとさせられるところもあり、夢中になって読めました。

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    投稿日: 2018.06.25
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    若年性アルツハイマー病の妻の嘱託殺人で逮捕された、県警警部で警察学校指導教官の梶。妻殺害後2日後に自首したが、空白の2日間の足取りを答えようとしない。「歌舞伎町に行った」という疑惑が起こるが、それに対しても梶は黙して語らない。県警は、「死に場所を求めて彷徨っていた」ということにして、真相を隠蔽する。「半落ち」のまま、警察、検察、刑務所へと送られることになる梶。 物語は、事件の担当刑事の志木から、担当検事の佐瀬、事件記者の中尾、弁護士の植村、裁判官の藤林、刑務所刑務官の古賀へと、視点を変えながら、事件の経過が語られて、梶の内面へと迫っていく。 梶が隠そうとしたものが何であったのか、それが最大の関心事となって、物語を読み進めていくことになる。 最後の章でその謎が明かされるが、これが出色の内容で、梶が隠そうとした気持ちも十分に納得のできるものであり、この真相の素晴らしさがこの作品の評価を高くしている理由だと感じた。また、ラストの場面がとても感動的であり、深い余韻を持って、本を閉じることができた。

    1
    投稿日: 2018.05.27
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    2018年59冊目。本当に久しぶりの再読。梶の半落ちの謎を、異なる視点人物がそれぞれの立場で追いかける。様々な思惑が働き、柵に捕らわれて、懊悩する彼らの姿が物語をより深いものにしていく。これだけのドラマを経て明らかになる真相はとても感動的で素晴らしいです。

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    投稿日: 2018.05.26
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    2017年2月12日読了。 357ページ。 なぜ横山秀夫の小説は魂を揺さぶられるのだろうか。 クライマーズ・ハイもそうだが、本作も冒頭の章で揺さぶられ、引き込まれて、そして最後にまた揺さぶられる。 64や第3の時効も名作だが、本作負けてはいない。 映画を観ないで、小説を読んで正解。 これから映画を観ます。

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    投稿日: 2018.02.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    横山秀夫さんの作品は読んだことがなかった。少し前に64が映画化され、この半落ちもいくぶん前に映画化されているので気になって手に取りました。 ミステリーが好きでクリスティなどを読んでいた私にとっては、この本をミステリーとして読んではいけないなということを読み終わって第一に思いました。 フィクションだかリアルに起こりそうな事件とその事件に携わる人間模様が描かれた話だと思います。 犯人からの自供や刑事が追求していく形ではなく、警察、検察、弁護人、刑務官といった様々な人間の主観で犯行に至った経緯があぶり出される…映像にしたくなる内容で構成も上手いなと思いました。 ただ、犯行動機は良しとしても、人間50年というものの意味は50年で人生を終えるという意味ではないのではと思い違和感でした。人間の寿命とされる50年というのは、神々が住む天上界ではほんの一瞬の儚いことに過ぎないという無常観を表現するものだと思うので使い方があっているのか…と思いました。 また、歌舞伎町に行った動機付けをそこまで隠すようなことなのか?とも思いました。もちろん骨髄ドナーを受けた側には隠すべきかと思いますが、話の中で最後に分かることがその話なんだ…と思うとイマイチです。 嘱託殺人や老老介護のような現実に起きていることを題材にされたことは良かったと思います。

    1
    投稿日: 2018.01.07
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    一つの事件に対して、刑事・検察官・弁護士・裁判官・看守とくるくる視点が変わっていく構成。ただ展開は時系列に沿って描かれているので、読みにくいということはない。文章の書き方、心理描写がとても秀逸。ミステリーでありながらヒューマン色が強い。ただオチが少し肩透かしだったのが惜しい。

    0
    投稿日: 2017.12.25
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    6人の男たちと梶総一郎というひとりの男の生きざまを通して描かれる人としての在り方に掛け値なしで感動。 本当にすばらしい作品だった! 「クライマーズ・ハイ」同様、もう一度映画を観返そう・・・。

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    投稿日: 2017.10.31
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    著者が横山さんということで、一応ミステリーに入れましたが、むしろヒューマンドラマですね。 周りを取り巻く人物を主人公にして、それぞれの章を形成するという、ちょっと変わった手法をとっています。その中に、警察と検察のせめぎ合いなどが含まれ、この当りは横山さんの真骨頂でしょうか。まずまずの出来です。 犯人・梶が自殺しなかった理由というのが主題なのですが、やや弱いですね。でも、最後のシーンはなかなかに読ませてくれます。

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    投稿日: 2017.10.30
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    ひとつの事件をそれを扱う様々な立場の視点から描く構成が良かった。ただ結末についてはそんなことかという程度かなと。

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    投稿日: 2017.10.06
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    20171004 読了までに1週間も掛かってしまった。 短編でも良いような内容を長編にしたような感じ。

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    投稿日: 2017.10.04
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    同じ場面を違う人の視点で繰り返し描いていて…退屈してしまった。題材がそれなだけに、書き方が調書っぽくて深みがなく…と、思ったら、筆者さん、新聞記者出身なんですね。 他の作品もこんな感じなのかなぁ。読みたい作品いっぱいあるんだけど、書き方によっちゃ堪能できないかも。(あくまで個人的に)

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    投稿日: 2017.09.23
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    ずっと空白の2日間の事が全く分からなかったけど、最後にスッキリ。ええ話や。 しかし、警察モノの組織のしがらみは嫌になるね。熱い警官がいるだけで何だか嬉しくなる。 それにアルツハイマーって他人事じゃないもんな。それが一番怖い。

    1
    投稿日: 2017.09.22
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    現職の警察官が、アルツハイマーを患った妻を扼殺したと自首してきた。自首の内容も矛盾がない。しかし、殺害後2日間の行動がはっきりしない。こいつは「半落ち」だー。 映画を観たことはなかったけど、梶さんが寺尾聰というのはピッタリだと思う。ストーリー的には確かに予想もつかないラストではあったけど、もう少し盛り上がりたかったかな。あと警察内部とか検察の関係が複雑すぎて、名前がごちゃごちゃになってしまった。

    0
    投稿日: 2017.08.17
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    弁護士、警察、検察、看守、裁判官などいろいろな立場の人間がその様々な視点で、被告、梶聡一郎を探っていく。それぞれの組織の中や、それぞれの組織との関わり合い、いい意味でも悪い意味でもを知れる。 最後の5Pは、目頭が熱くなった。

    1
    投稿日: 2017.05.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アルツハイマー病の新興に苦しむ妻を見かねて殺害していしまう梶。 しかし、自首してくるまでの二日間をどこで過ごし何をしていたのかを明かそうとはしない。 いったい梶はどこにいて、何故それを話そうとはしないのか・・・? 警察官として何ら恥じない人生を送ってきた梶。 彼にとって一番大切なことは何だったのか。犯罪者となってまで生き延びなければならなかった理由が切ない。 制度そのものをよく知らなかったので、梶の決意の重さが終盤までピンとこなかった。 しかし、これはミステリーなのだろうか? どちらかというと人間の内面を深く描く小説であって、ミステリーとは言えないような・・・。 横山さんが直木賞決別のきっかけとなった作品としても有名だ。 重厚なテーマであるからこそ、どうにも後味の悪い騒動だったような気がする。 ▼直木賞での「半落ち」をめぐる騒動 直木賞選考会後の講評で、選考委員のひとりが「半落ち」について、「作品の骨子となる題材が現実には成立しない。作者の事実誤認による欠陥作品であり、ミステリーとしても成立しない」と酷評した。 問題となった部分はどこか。 前例によると受刑者は骨髄移植のドナーになることはできないらしい。 しかし、「半落ち」のように受刑者となる以前にドナー登録を済ませており、なおかつ適合者がたったひとりだった場合は、「諸事情を勘案して検討する」そうだ。 つまり、酷評した選考委員は詳しい取材もせずに一方的に批難し、他の作家(横山さん)の作品を「欠陥小説」と言いきったわけである。 さて、非常識なのはどちらだろう? 直木賞を運営する文藝春秋は横山さんに正式な謝罪をしている。 しかし、暴言ともいえる発言をした選考委員は謝罪をしていない。 この騒動後、横山さんは直木賞決別宣言をしている。

    1
    投稿日: 2017.02.28
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    警察が抱くであろう、マスコミからの攻撃への対処と嘱託殺人に加わる警察官へのさらなる疑い部分を小説として昇華させつつ、真面目な「加害者」である警官への関係者の目線の変遷の描き方が警察へのリスペクトをしめしているのではないか、そこが本小説が評価されるポイントなんではないだろうか。第二の息子の登場は、妻を殺めたのことの贖罪としては本人は考えてはいない、という風に記されているようにも思えた。

    1
    投稿日: 2017.02.26
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    この作品は2002年に刊行されたとのことなので、著者が45歳位のときに書かれた作品である。 ベストセラーミステリーとして評判の高い作品だが、展開がまどろっこしく、良い作品とは思えず。 ただ、映画化されており、そちらは楽しめそうである。

    7
    投稿日: 2017.02.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画化?ドラマ化?したの知ってたけど、見てない。 でも、寺尾聰さんが主要キャストだったのは知ってたので、読み始めてすぐ「なんとなく雰囲気あってるなぁ」と思った。 最初は時系列に沿って、関わった人物の視点で描かれていくので理解しやすかった。 途中まですごいおもしろかった。 でも、結末がなぁ、というか、理由がなぁ・・・。 ちょっとありえないというか、現実味が薄すぎたので、内容おもしろかったけど評価としては3を付けました。

    2
    投稿日: 2017.02.15
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    途中でオチがわかってしまったけれど、最後の2ページで泣いてしまった〜。 横山秀夫さんの作品、クライマーズ・ハイ、64、ルパンの消息と読んでるけれどミステリーのネタとかそういうのじゃなくてドラマにいつも感動してしまう。

    1
    投稿日: 2017.02.15
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    現職警官の梶はアルツハイマー病の妻を自ら殺めてしまい、 警察に自首する。 しかし、殺害から自首まで空白の2日間が存在し、 その梶の行動により警察は隠ぺい工作を行う。 梶に纏わり刑事、検察、報道、弁護士、裁判官、刑務官と様々な人が関わり梶の行く末を見守る。 のだが、なんか盛り上げた割に最後の結末はそれだけ?って感じがしました。物語の流れとしては非常にいい話で結末も納得できますが、最後まで空白の2日間を特別なものと引っ張ってきた割に、結末が物足りない印象でした。

    2
    投稿日: 2017.01.28
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    横山秀夫の代表作。アルツハイマーの妻を殺してしまった元警官梶聡一郎。空白の2日間に秘められた謎を主題にストーリーが進んでいく。警察官、検察官、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官。それぞれ異なる立場の人間からの視点で物語が進んでいく。辛く生きにくい世の中を暮らしている者達が梶と向かい合うことで少しだけ変わっていく。そして少しずつ空白の2日間の謎が明らかになっていく。最後はすっきり。 良作。

    1
    投稿日: 2017.01.27
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    ロクヨンに続いて横山秀夫2冊目。こちらの方が好き。 刑事と検察と裁判官と、それぞれの組織の思惑に流されながらも( 正義側と悪側がはっきりしててドロドロした感じがなくて良かった )、一つの「謎」をそれぞれの立場から探っていくところがドキドキする。

    1
    投稿日: 2017.01.15
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    イマイチだった。ちょっと文体も堅苦しく感じて、あんまり合わなかったなぁ。 梶警部による妻殺しの空白の二日間の謎を巡る物語。序盤から終盤までずっと謎が引っ張られて…、その謎はラストになってようやく判明するのだけれど、個人的にはう〜んという感じで腑に落ちないというか…、えっ!?ここまで引っ張っておいてそれだけ?って感じもしたな。 作中も伏線が張られているわけでもないし、空白の二日間以外にミステリーがあるわけでもなし。謎の解明まで、事件に関わる人たちの人間ドラマが展開されるんだけど、組織間の対立とか、社会的地位、名誉、世間体、出世…、みたいな軽薄なドラマの数々にシラケてしまった。これらのドラマを通じて、梶警部の人物描写をしてるんだろうけど、浅すぎて梶警部に全く感情移入できなかった…。

    2
    投稿日: 2017.01.15
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    アルツハイマーを患った妻を殺した、当時現職の警察官の男の殺害後の空白の2日間の行動を警察官、検察官、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官視点で語られ、男は、なぜ殺意に至ったのか、なぜそこへ出向いたのかという理由と、完落ちしない理由は何かがそれぞれの心情と、男の状況などを踏まえ、点と線が纏まり、6人の視点が一つとなる様は面白かった。介護で、息子の命日を思い出せない妻を見ている辛さ、妻が絶望感に打ちひしがれる中、夫に対し、これ以上迷惑をかけたくない気持ちから殺めたと思うと辛く悲しくなってしまう。

    1
    投稿日: 2017.01.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

     センセーショナルで社会的な耳目(下世話な部分も含め)を引く嘱託殺人事件。  この事件に関わることを予定されている組織に所属する人々それぞれの眼からは、この事件をどのように眺めるか。そこにはどういう風景が目の前に迫ってくるか?。  一般には警察捜査と裁判の一部にしか関心を寄せない事件にも、実は多くの人々の思惑が絡み、また組織内の圧力、組織間の対抗関係が措定されることを本書は教えてくれる。  この中で他書に余り見ないのは、検察と警察の相克。また裁判所内での総括判事と左陪席判事補との相克である。  そして、そのそれぞれにドラマ(劇的とは程遠いが)が隠れているのだ。  一見すると被告人梶聡一郎の空白の二日を暴く謎解き物語のようだが、実は違う。  警察→検察→新聞→弁護人→裁判官→矯正担当官というオブニバスで描かれる本作の登場人物は、おのおの組織内での軋轢と戦い、あるいは別の組織と対抗関係を持ち、しかも、個人的事情として人間的な弱さや過去をかみ締めながら生きている。  彼らに対して、この嘱託殺人事件が、何かを気づかせた場合もあれば、諦念の胸中に至らせた場合もある。その人の姿が哀れでもあり、神々しくもある。  そんな小説である。

    1
    投稿日: 2016.12.17
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    初めに映画を観てから読んだのだけど、映画だけでは分からなかった隙間を埋めるようでとても面白かったし、とても泣いた。

    1
    投稿日: 2016.11.03
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    とても面白かった。映画は見たことがなかったので想像していた話とは全然違うなぁと思った。 刑事や検察官、新聞記者、裁判官、色々な立場の人間が真実を知ろうと躍起になっているが大きな流れ、組織のなかでどうすることもできずに結局梶の刑は確定してしまう。 物語の進め方も素晴らしくグイグイと引き込まれた。一体梶は空白の二日間何をしていたのか? しかしその真実を知って本当にがっかりした。 そんなことのために自分の手で殺めてしまった愛する奥さんを二日間もほったらかしにしてほっつき歩いてたの! ただの自己満足じゃん。 自分自身も骨髄移植したことあるからわからないこともないけどそれが殺してしまった奥さんほったらかしてやることなの? せっかく面白い話だったのにラストでがっかり。映画のラストは違うらしいので少し期待してます。

    1
    投稿日: 2016.10.28
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    事件に関わり合いのある人々に スポットを当てて1つの事件の 真相に迫る! というストーリー 長編では無いので それぞれの予想が 見事にドンピシャリである。 これはこれでスッキリして良い。 最後・・・こういう最後だったね。 予想外だった。

    1
    投稿日: 2016.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    優しいからこそ人を殺す、ということ。 すごく昔に太田光が似たようなことを言っていて 感動したことがあるが、読んでいてそれを思い出した。 (というか太田自身がこれを読んでいたという可能性もあるけど) ----- ストーリーとしては、一点の偽りもないほど綺麗だった。 これはすごく大衆受けしそうな感じだなぁという印象。 横山秀夫作品を読むは初めて。 文体はあんまり好みではないけれど、 とても読みやすいので楽しめました。

    0
    投稿日: 2016.08.10
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    「殺人者」と雖もこの理由で殺人を犯してしまった主人公は責められないし、むしろすごく好きになってしまった。出頭してきた彼の黙秘する2日間について、彼に関わる様々な人々の視点で話が進んでゆく。最後には大きな感動が待っている。優しい殺人者が報われる最後の瞬間は忘れられそうにない。

    1
    投稿日: 2016.07.30
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    終盤のシーンの謎が解けたあたりで少しホロっとしてしまった。 色々穴はあるけど、読みやすくて終わり方もよく面白い作品でした。

    2
    投稿日: 2016.07.29
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    一章ごとに異なる登場人物の視点から話が進むのが良かった。一つの事件について、記者や警察官、裁判官などそれぞれの立場や考えが描かれていて興味深く読めた。ただ、横山秀一と言えば「半落ち」みたいなイメージが(勝手に)あったので、読み終わっての感動はそれほどなかったのが残念です。

    1
    投稿日: 2016.07.10
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    警察のしがらみと、それとは反対に 1人の犯罪者のバックグランドに踏み込んで 筋を通したと感じられる所は読後感に 清々しく感じた。

    0
    投稿日: 2016.06.19
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    初めての横山秀夫作品。読み進めるたび、どんどん引き込まれていった。 主人公を取り囲む登場人物も個性があって面白い。 最後の最後まで何故?が分からなった。 人との繋がり、絆について考えさせられた。 何度でも読みたい作品。

    0
    投稿日: 2016.06.02
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    犯人探しではなく 犯行後に自首するまで何をしていたか 最後まで理由はわからない 何のために生きるのか? ちょっと考えさせられる 美談であり お涙頂戴

    1
    投稿日: 2016.05.26
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    映画は観るきしなかったのだけど、横山秀夫なら面白いんだろうと思って読んでみました。ある”半落ち”事件に関わる、警察、検察、裁判官、新聞記者、弁護士、刑務官、それぞれの人々がそれぞれの人生と事情を抱えた物語が繋がっていく、半ば群像劇的な物語。一つの事件に関わる当事者、法曹界、マスコミなどの人々がそれぞれの組織や家族との関わりと葛藤している様子が緻密にリアルに描かれているところが非常に面白かった。横山秀夫はこういうのが実に上手い。ただ、最後に明らかになる肝心の”半落ち”状態の秘密が、何でそこまで秘密にしなくてはならないのかどうにも腑に落ちなかった。そこまで引っ張っておいて、こんなもんか?という感じ。みんなに迷惑掛けてまで秘密にするような内容でもないんじゃないかと思ってしまった。最後のオチ以外は非常に面白かったんだけどなぁ。

    0
    投稿日: 2016.05.20
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    アルツハイマーの妻を殺し、自首をしてた梶。ですが殺してから自首するまでに 2日間の空白の時間があるのと、50歳で自殺をしようと考えている様子の梶。警察の上の人たちは空白の2日を調べようとせずに、自殺場所を探すために彷徨っていたと決めつけます。梶は2日間に何をしていたのか。自殺する気なのに、自首をした本当の目的とは。逮捕されてから裁判まで関わった人たち6人の目線で描かれています。結末が気になって、一気に読めました!初横山さんでしたが、とても読みやすく惹き込まれました。他の作品も読みたいです。

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    投稿日: 2016.04.29