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総合評価

682件)
3.9
154
293
162
28
6
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    警察・検察・弁護士を始めとした、各々の正義のもと日々奮闘する堅物たちが、妻を扼殺するという罪を犯した梶聡一郎に心を寄せてそっと見守る姿にグッときた。 最後の描写は涙を禁じえず、新たに生まれた絆がずっと続いていくよう願わずにはいられない、とても読後感の良い作品だった。

    1
    投稿日: 2025.11.01
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    2002年第15回「このミステリーがすごい!」                  第1位。 2005年には寺尾聰主演で映画化。 第28回日本アカデミー賞優秀作品賞を受賞。 読んでいなかったかもしれません。 2003年の直木賞最終候補にも残りましたが、「リアリティの問題」が指摘されたと聞きます。 警察組織を扱ったからこそ、小説であっても現実とのすり合わせが求められたのでしょうか。 当時そういう議論があったことも覚えておらず、どうやら“読んだつもり”だった一冊です。 警察官が妻を殺した。 そう聞けば、どうしても動機を求めたくなる。 けれどこの物語では、その動機は最初から明かされている。 刑事、検事、記者、弁護士、裁判官、刑務官と それぞれの立場から、寺尾聰…おっと間違い、梶聡一郎という男の真意を追う。 この事件に関わった誰もが、職務の中で彼を見つめ、同時に自分自身の信念を問う。 もう、どう読んでも寺尾聰しか浮かばない“敵役”なんですよ。 そして、どこが問題だったのか、私には結局わからない。 充分に楽しめました。

    119
    投稿日: 2025.10.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    •空白の2日間の意味がわかった時、読んで良かったと思った。 •警察、検察、記者、弁護士、刑務官とそれぞれの職業での心理描写がすごかった。

    1
    投稿日: 2025.10.15
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    各登場人物それぞれの立場と心理描写がとても良く書かれており、それが最後に繋がっていくことと、半落ちの結末が素晴らしい

    0
    投稿日: 2025.10.13
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    2025.10.5 読了 妻を殺害した警察官の梶は動機も経過も素直に明かすのに殺害から自首してくるまでの空白の2日間の行動だけは頑として語らない。 最後に真相に辿り着くところは少し強引な気もするけれど、空白の2日間を刑事や検事、記者、弁護士等、事件に関わる様々な立場の人たちの視点を通して追っていく過程は読み応え抜群だった。

    0
    投稿日: 2025.10.05
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    あらすじで、すでに面白い。 そして、読んでも面白い。 視点が移り変わりながら、一つの事件の、人間の心の中身が明らかにされる。 結末も、感動した。

    0
    投稿日: 2025.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アルツハイマーに苦しむ妻に頼まれて殺人を犯した元県警の警察官。自首するまでの空白の2日間をめぐり、県警、地検、マスコミ、弁護士、裁判官の視点で物語は展開する。刑が確定し服役中の男に、刑事はある人を会わせ、男の覚悟が明らかになった。 「クライマーズ・ハイ」のように、苦悩を背負う登場人物の描写をするためにギスギスした人間関係による職場が多く、読んでいると途中で心苦しくなる。

    0
    投稿日: 2025.09.23
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    認知症が悪化する妻。亡き息子の命日さえも忘れてしまうことに恐れを抱き、せめて母親として死なせてほしいと懇願する妻を絞殺する。2日後に自首するが、その2日間に何をしていたのか謎の空白。その空白の2日間をめぐる色々な人たちの視点からのオムニバス形式の小説。明らかにされたその2日間の話やその心情には心が熱くなり、何度も読み返した。

    0
    投稿日: 2025.09.17
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    アルツハイマーを患う妻を殺害し、自首してきた警察官。ただ殺害から自首までの2日間は黙秘をしており、その真相を探るために警察官、検察官、新聞記者といった立場から話が進む。どの章でものめり込んで読めた。最後の数ページでは心に響いた。

    35
    投稿日: 2025.08.30
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    読み終わったらツーっと涙が流れていました。 歌舞伎町=黒い世界というイメージなだけに、何も知らない人からすると結局そういう男かよ、と思いがちなのに、関係者全員が梶に対する敬意を持ち、誰1人そうではないと思わせる瞳を持った梶は真の人徳者だったんだと思う。

    2
    投稿日: 2025.08.24
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    再読。横山秀夫の作品では「64」「クライマーズ・ハイ」と並ぶ三大傑作だと改めて実感した。 登場人物それぞれが組織の理論や自己保身、損得勘定などで動くが、その最たるものが警察と検察の関係だろう。担当検事の佐瀬は検察内の駆け引きに敗れ酒に溺れる辺りは情けないが、捜査一課指導官の志木は最後まで「空白の2日間」を負い続け真実に辿り着く。 初めて読んだ時も今回再読した時も最後の「空白の2日間」の理由については非常に感動したが、その点が2003年に直木賞候補に本作がなった際に北方謙三が指摘した「現実とは異なる」ために受賞を逃したのは皮肉としか言いようがない。そういう経緯はあれど、本作が傑作であることは間違いない。

    22
    投稿日: 2025.08.12
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     生きる意味を与えられることは、救いなのかな。意味があるから生き続けてという呪いと紙一重な気がする。どちらにせよ、救いだろうと呪いだろうと信念であろうと、縋れるものがないと動けない。

    0
    投稿日: 2025.08.06
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    一つの事件を、1人の人間を、たくさんの役職の違う人間が追っていく構成。 「言えません」しか毎回ないんだが、追う人間にも苦しみや矜持があり、見え方が少しずつ違う。変に毎章事実が小出しされるということでもなく、渦の中にいるよう。 最終、ページの少なさが目立ってきたのでモヤモヤ終わりするかと思ったけど、大変よい終わりだった。全部納得できるし理解できるし感動的。誰かの解説も読みたかった。 今年のベスト3に入り得る、

    0
    投稿日: 2025.08.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    それぞれの章ごとに登場する人物の視点で物語が進むのは斬新な構成。 彼らは自身の信念に従って行動するが、自己の保身しか考えないような上司や、人のことより組織を守ることを優先する上層部に、ことごとく阻まれてしまう。「組織のために身を粉(こ)にして働いているのに、何かあった時には助けてくれない。そんな組織で働けますか。」ドキッとするセリフですね。本書のタイトルにもなった「半落ち」状態のなぞが最後の最後に明かされるが、このオチよりも、彼らの孤軍奮闘ぶりのほうが印象に残った。

    0
    投稿日: 2025.06.21
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    ■サマリー ・殺人を犯しても、清い心でいられるのか ・半落ちの真実を知ると主人公のやさしさがわかる ・語りは、主人公に関係する人の目線で進められる ■所感  現職警察官が、アルツハイマーの妻から頼まれ、嘱託殺人を犯すも、その後自首するまでの空白の2日間が、最後の最後まで分からないまま物語はどんどん進んでいく。 こういう結末か、もしくはああいう結末かと何パターンも想像しながら読んだが全部外れた。 外れた方向が、いい方に傾いた。 終わりが、自分的には非常に良かった作品である。 主人公の梶聡一郎は、非常に心の優しい人である。 物語の真実が見えると、そのことがよくわかる。 自分に置き換えたとき、同じことができるかと問われたら、100%無理である。 殺人を犯して、生き恥をさらしても自殺せず、それでも生きようと考えた本当の理由がわかったとき、心がとても洗われます。 ただ、本作品の欠点としては、ところどころ急に登場人物が出てくるところである。 よくよく読解をしないと、こいつ誰やねんとツッコミみたくなるところがある。 登場人物は必要最小限にすることが、読者を悩ませないことにつながる。 ■心に残った個所 その手に妻の冷たさを感じた時、梶は何を思ったろう。慟哭。絶望。死の決意。そんな時だったからこそ、梶は心の奥に仕舞い込んであった「絆」を見つめた。 すべての近親者を失った梶にとって、それは至上の宝に思えたに違いない。自死する前に触れたかった。感じたかった。ほんの一瞬でいい、自分はまだ誰かと繋がっているのだと確認したかった。だから、梶は歌舞伎町へ向かった。

    25
    投稿日: 2025.06.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ミステリなのか警察小説に含まれるのか何とも言えない感じですが、とりあえずミステリのカテゴリで。 さすが映画化されただけあり、面白かったです。 次々と視点が替わり、それと共に時間が経過していくという書き方も読みやすい。 登場人物が多いけども、どの人物も内面がかなり丁寧に描かれており、感情移入しやすかったので、 そういった意味では、それぞれの行動に疑問を感じることも少なかったです。 ----------ここからネタバレ---------- 一番気になったのは、 果たして立件に関係ない犯罪後の行動について、何人もの人がこんなにこだわることが本当にあり得るのか?という点です。 そこはやはりドラマ性が強調されていると感じます。 しかもみんな梶寄りになるし。 梶の人物像はちゃんと分かるけども、それでも、ちょっと会っただけの人間が目を見ただけで味方になるというのは、どんだけ聖人なんだ?という疑問は禁じ得ない。 警察と検察が取引して真相に触らなくしたように、 深掘りする必要ないことは深掘りしないというのがリアルなところではないかと感じますが、 みんなやたら「真実」を知りたがるし、謎の正義感?を出してくるなあ…という違和感がありました。 まだ純粋な好奇心とかの方が理解できたかもしれない。 あと、ラストの種明かしがあっさりしすぎて、消化不良です。 各人のその後を知りたかったし、突然登場した池上や、梶についても、もう少しページを割いて欲しかった。 特に梶は、最後に梶の章を設けてくれても良かったのに…と思います。 結局ほとんど語らないので。 警察と検察の関係性はあまりピンとこないですが、 両者の対立や取引、また警察と記者の取引なんかは、ハラハラしながら読みました。 硬直した組織の中で生きるというのは大変なことですね。

    1
    投稿日: 2025.05.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    所轄叩き上げの県警警視、エリート検事、社会面スクープを追う中堅記者、落ちこぼれ弁護士、地方裁の判事、定年間近の刑務官という面々が、アルツハイマーの妻を殺して自首した警部と接し、その事件後2日の空白をめぐって奔走する話。彼が自殺しなかった理由、黙秘する理由を、泥臭い権力衝突を交えながら解き明かしていく。 1つの純粋な意志に基づいて黙秘し続ける高潔な警部と、出世や保身に汚れた周囲の生々しい争いを対比して描いているように思える。結末はそう意外というほどではないが、描写がとても綺麗で素直に感動する。

    0
    投稿日: 2025.05.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うーん、そっか。 別の犯人が出てくるかと思ったけど、そうじゃない。検事や弁護士が中途半端なところで諦めたかのように討論を辞めるのは、梶がなぜ歌舞伎町に行ったか分かったから?なの? 登場人物も多くて、名前が覚えられない!警察と検察と裁判官や刑務所の違いが分かって勉強になった。 最後のオチがー。うーん、そっかw AMLって悲しい結末になりがちだけど、この話では生きる希望になっていて良かった。そういえば51歳までだったよねって思い出した。

    0
    投稿日: 2025.05.24
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    各章こどとに視点が変わる登場人物。 刑事、検事、裁判官、弁護士、犯人の視点で 空白の2日間を追う。 めちゃくちゃ面白かった!

    1
    投稿日: 2025.05.16
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    刑事ものは映像で見るのは好きだが、文字で登場人物が増えると誰がどの立場か追うのに少し疲れてしまうことが多い。 今作もそれも陥りそうな部分は正直あったが、章毎に語り手が変わることで、自分の目線を変えるタイミングが分かりやすかった。 さらに語り手それぞれの仕事に対する考えや、生き様の描写が見事で心が熱くなった。 その上、語り手は変わっても時系列はそのまま進んでいくので読みやすい。

    0
    投稿日: 2025.05.14
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    警察官の男がアルツハイマーの妻を殺害。動機も経過も素直に自白するも、自首までの2日間の行動だけは明かさない。何もかも失っているはずの男が何を守ろうとしているのか。 これは予想できない真相。致命的欠陥が指摘され話題になったが、それでも胸を打つ作品には違いない。

    0
    投稿日: 2025.05.13
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    アルツハイマーを患う妻を殺したことは認めるが、自白までの2日間は語りたがらない。 その裏には切実な想いがあった。 数年前に買って積本になっていたので、読んでみたら案外面白かった。話題になっただけはあるなと感じた。完落ちいたしました。

    0
    投稿日: 2025.05.03
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    イマドキの展開ガンガンの系譜に比べるとオチは多少弱い気もしたけど嘱託殺人や介護問題ってこの時代から議題にあがってるんだな。日本は少子高齢化の一途を辿る一方ですな

    2
    投稿日: 2025.04.08
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    それぞれの職業の男達が、それぞれの立場で同じ事件に関わる。 色々な視点から一つの事件の真相を暴こうとする。 面白い。どの話にも真実味があり、嘘っぽくない。 グイグイ読ませる。グイグイきてる。 限りなく星4つに近いといったところか。

    3
    投稿日: 2025.04.06
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    読んでいて好みが分かれそうなだというのが第一印象。容疑者の行動が善行となるかどうか、難しい作品だなと感じた。

    0
    投稿日: 2025.04.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    梶総一郎の善性に心動かされるお話でした。(善性という一言で表せるものでは無いですが…) 立場もバックグラウンドも違う登場人物が悩みや苦悩と葛藤している中で、梶の優しさを信じた人たちが見えない絆で繋がっている感じも痺れました。 優しさは、周りに回って自分に返ってくるものですね。

    0
    投稿日: 2025.03.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    確か大学生の頃に一度読んで、ものすごく胸に残って良かった!という記憶だけがずっとあった。 それから十数年経って再読したわけだけれど…あの頃はピュアだったんだなぁと 笑 今の私には、いい話でしょ!の圧が重すぎて。 2000年代初め頃はまだまだ介護に対する考え方等が違っていたとはいえ、そうは言ってももう少し現実的な試行錯誤もできたんじゃないかと思うし、骨髄提供した後に名乗らないにしても会いに行くのも自分勝手すぎる気がする。 きれいな感動作だから表面だけ読んでいるといいのかもしれないけど、いろいろ考えると「うーん」と思ってしまうことがあった。

    0
    投稿日: 2025.03.15
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    4.2/5.0 警察小説であり、ミステリ小説とも言える作品だけど根っこのテーマは別のところにある。 優しさの殺人は存在するのか、生きていることが善で、死は悪、それは本当に正しいのか。命の重みや、価値について考えさせられる作品だった。

    0
    投稿日: 2025.03.01
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    当たり前のことだが、各章ごとに視点が変わることで、登場人物の内情が深掘りされていき、共感(反感)しやすい。また、登場人物の人となりが伝わる描写がとても巧い。 嘱託殺人について非常に考えさせられた。

    0
    投稿日: 2025.02.11
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    刑事、検事、記者、裁判官…。 語り手が次々と変わりながら、「空白の2日間」を追っていく。 読み進めるほどに謎が深まり、最後にスッキリ解決!という形ではなく、1つの結論に向けて話が進む中で、色々な人の視点を通して、じっくりと物語が進んでいくといった形の作品でした。 謎やトリックの面白さというよりは、登場人物一人ひとりの人物像や正義感、葛藤と言ったものに焦点が当てられている感じ。 星3は、私の好みの問題です。

    2
    投稿日: 2024.12.05
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    取り調べ警察官や検事、記者、裁判官などの視点で嘱託殺人で妻を殺した現役警察官の被告を見ていく話。犯行後の足取りは。 どちらかというとその事件を取り巻く人たちの思惑や立場の責任、思いなどの方が強い印象。もちろん最後には明らかにされるが、思っていたのと違ったかも。

    3
    投稿日: 2024.12.01
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    いくつかの人物にスポットを当てた章で構成されたひとつの話。 各主人公たちは全員人を想える良い人ばかり、良い人なだけでは成り立たない複雑な社会に身を投じている登場人物、悔しさや苛立ちを抱えながら犯人のひとりを想う姿に良い意味でやきもきさせられる。

    0
    投稿日: 2024.11.13
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    現職警官の嘱託殺人 事件を担当した 敏腕刑事、敏腕検事、中途採用の成り上がりたい記者、都落ちした居候弁護士、アルツハイマーの父を持つ裁判官、定年間際の波風起こしたくない刑務官目線の6章からなるが、犯人目線の描写はない。 犯人の隠す空白の二日間を追うが、辿り着けない。 最後に種明かしはあるものの、思ってた感じでは無かったかなと。

    1
    投稿日: 2024.11.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後まで空白の2日間は明らかにされずにストーリーが終わると思っていた。 何度も「ベルトコンベア」と言葉が出てくるように、各章が梶に関わった人物の視点で語られている。時間の流れも同様に進む為、こういうストーリーの描き方もあるのかと思った。同じ時に違う人物がどう考えていたとか、途中に過去に戻ったり未来になったりという本ばかり今まで読んできた気がします。 梶の息子が骨髄性白血球で亡くなっている、義姉から語られた何かの会報、梶がドナーになったのかと読んでいて予想がつくのに本人が語らないから誰も解明できない。2日間に行った先が歌舞伎町じゃなくて別の場所だったら踏み込んだ捜査や記事があったのかと思うと、ドラマチックな展開が多くて非現実的。 疎遠になっている梶の祖父が長寿で新聞に載って連絡先を知り得た、今度は梶の臓器移植した青年もラーメン屋開業の記事で梶が訪れるきっかけになった。映画やドラマ向きなストーリーに思えたのと映画の主人公が寺尾聰と知ってぜひ観てみたい所。

    44
    投稿日: 2024.09.21
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    警察官、検事、弁護士、記者、裁判官、刑務官の6人の視点で事件が語られます。 立場や信念が違う人々が、一つの謎に関心を持ち、物語は進みます。 深みのある人間ドラマが良かったです。

    10
    投稿日: 2024.09.16
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    梶を取り巻く関係者の、仕事に向き合う姿勢や信念、人間的な優しさに心打たれた。 複数の関係者目線で徐々に話が進み、ラストに繋げていく描写は新鮮だった。

    3
    投稿日: 2024.09.11
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    目次を見たときからなぜ、関係者の章しかないのか疑問に思っていた。 犯人の章がなく、真相までどういった経過をたどるのか気になった。 犯人である梶自身は依然ほとんど話すことはなかった。 しかし、読んでいく中で関係者それぞれが梶について色々と思案しながらも謎に迫っていく様はリアルに感じた。 また、関係者の考えが梶を死なせてはならないという方向に向いたとき、梶に対する情状を考えずにはいられなかった。 犯人である梶総一郎は終始内心では半落ちのままであったが、関係者それぞれは事件の全容について納得できたのかもしれない。 ここまで、犯人として見ることができないのは不思議な気持ちになり、真相解明された驚きよりも安心が勝ってしまった。

    9
    投稿日: 2024.09.04
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    横山秀夫が得意な短編を繋ぎ合わせた傑作長編という印象。ままならない日常を漫然とやり過ごす中年男性のリアルな描写はさすが。 横山秀夫ファンの母親に、『半落ち』って家にあったっけ?って聞いたら、「ああ〇〇のやつね」って軽いネタバレ喰わされて残念だった。 梶の善性に、皆引き込まれていき、あの優しいラストに向かっていった。

    1
    投稿日: 2024.09.04
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    最後の最後までオチが分からなかった。期待しすぎたのもありオチが微妙...途中までは楽しめました。私は泣けませんでした。

    0
    投稿日: 2024.08.20
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    自分はこのような小説は全く好まない。はっきり言って暗い。安穏に生活を送っている限り関わる機会のない県警捜査一課や検事たちが織りなす終始緊張感に包まれたストーリーを追っている最中ひたすら気が重く、心温まる瞬間は皆無だった。なるほどと救いが見られるのは物語の最後の最後で、だがその時ではもう遅すぎで、疲弊し切った心はそう簡単には癒されなかった。

    0
    投稿日: 2024.07.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私の正解は、最後の章を電車で読まなかったことだった。 警察官が起こした妻殺しの事件。 自首したはずなのに、全てが明かされていないー。 彼は何を隠しているのか。 色んな章でこの事件に関わる様々な人の視点からの話が進む。 それぞれいい年齢、歳を重ね、仕事にも立場があり家庭にもそれぞれに事情を抱えている人々。 なのに、やはり人間の信念の部分で梶さんへの共感に引き寄せられていく。 ただただ、同僚と呼べる志木の時点からだけでなく様々な人の視点を通すことでこの話の重みが増した。 最後まで私は理由がわからなかった。 それぞれが重ねた歳の分だけ、抱える物の大きさがあるにも関わらず、梶に手を貸したいと思わせる人となりが滲み出ていた。 人が希望を無くすのも、また希望を持つのも、人の力が大きいことに感動しました。 良い本に出会えました。ありがとうございました。

    2
    投稿日: 2024.06.02
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    ▼さすが横山秀夫さん。いつもながらの、とある県。県警管理職だった中年警察官が、「難病に苦しむ妻に頼まれて、殺した」というセンセーショナルな事件を起こします。自首します。ただ、殺害から自首までの三日間の行動が謎で・・・というお話。 ▼自首した犯人は「梶」という人なんですが、この本はこの人の謎が解けるまでを一本の線で追うのですが、同時に連作短編にもなっている。 ・取り調べた刑事 ・取り調べた判事 ・担当した新聞記者 みたいな感じで、最後は看守になるんですが、事件のフェーズを追いながらも、一章ごとに「主人公」が変わっていく。それぞれの人から見た「この事件」ということのなかで、それぞれの人の人生を味あわせていく。上手い。パチパチ。 ▼あとまあ、もろもろ最後は「親子の関係」に収斂するあたりは作家性だなあと改めて。まあつまり個性っていうか。いい悪いではなく。 ▼個人の好みですが、最後のもっていきかたと、ちょっと「梶」さんが聖人チック過ぎるところが玉に瑕。好みとしては「クライマーズ・ハイ」「64」「陰の季節」あたりが好きです。でも、ぐいぐい徹夜本でした。さすが。 以下備忘ネタバレ ▼「梶」さんと妻は、数年前に一人息子を急病(白血病)で失って。今度は妻がアルツハイマーで、懇願されて殺害。その後の三日間はなにをしていたか?  回答は、 ・実は梶さんは、息子と同じ業病に苦しむ人のために、ドナー登録していた。一度献血?献体?した。(これは、「大量の血液を提供」みたいなことなんでしょうかね。実はぱっきりした事はわかりません) ・つまり、「梶さんがドナーしたおかげで命を永らえた」という人が、どこかにひとりいる。(そういう人が現れなかったから、息子は非業に亡くなった) ・本当は「たれがドナーなのか、提供相手なのか」は双方わからない仕組みになっているのだけれど ・ひょんなことで梶さんはそれを知った。「相手は若い男子。今は歌舞伎町のラーメン店で働いている。梶さんのことは何もしらない」 ・梶さんは、「空白の三日間」でその人に会いに、いや、その人を「見に」行った。それだけ。 ・そしてドナー登録している梶さんは残された生きがいとして「できればもう一度、貢献したい」と思っている。ドナー資格は50歳までで、梶さんは49。 「あと1年、人を救う可能性がある」だからあと1年は自殺せずに生きようと思っていた。 ・・・・ということが、最終話で怒濤にわかります。 それも、なぜわかったかというと、 ・ラーメン店の青年が、 ・ただ単に店に来て食べて、青年をしみじみと見つめていっただけのおっさんなんだけど ・あ、きっとこの人が俺のドナーに違いあるまい、と確信を持った というお話になっていて、ちょっとだけ 「そんなに良い話にしなくってもいいのでは」 と思ってしまいました(笑)。

    14
    投稿日: 2024.05.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    働く大人たちがアツくて格好良かった。 ラストシーンには泣いてしまった。 梶さん大変だったけど、生きる理由が繋がって良かったね☺️

    1
    投稿日: 2024.04.25
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     悲しく切なすぎる物語だった。意外なラストに号泣。  事件に関わる様々な人の視点から構成された作品で、色々な想いに心打たれた。  人はどんなに苦しい状況でも、誰かの為にできること。その希望があれば、生きていける。そう深く学べた。

    16
    投稿日: 2024.04.18
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    空白の二日間のことを決して語ろうとしなかった理由…。感動やら何やら色々な感情で読後は放心状態になりました。面白かったです。

    1
    投稿日: 2024.02.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった。 現状の日本の裁判制度では調書に書かれている被疑者の発言は多少疑いがあったとしても尊重されてしまうから、このようなことは本当に現実にあり得ると思う。

    1
    投稿日: 2024.02.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    妻を殺害した警察官の半落ちから完落ちに向かうストーリー。 上記を軸に各組織や登場人物の立ち位置から、どう完落ちさせるか、事実を隠蔽するかの人間模様が面白い。 また、構成として刑事から刑務官までの視点で逮捕から収監、真相の解明のプロセスに沿って章立てして描かれているのも面白い。まさに、志木の言うベルトコンベアに乗せられた梶を表現するのに最適な構成だと思う。

    1
    投稿日: 2024.01.25
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    アタシには珍しく警察、検察モノを手にしました よくある設定ですが、中々手に取って読むことが無かったのですが、読んでみました、ストーリーは俗っぽい野心満々の登場人物が勢揃いですが、そんな猛者連中も主人公を応援する、応援したくなる…そんな展開が中々良いです、最後の5ページが核心かなぁと思う

    13
    投稿日: 2024.01.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    妻を嘱託殺人した警察官が自首するまでの、空白の2日間。 取調官、検事、記者、弁護士、裁判官、刑務官、6人の異なる立場の人間が、それぞれの職責や正義感や野心といった思いを胸に、事件の真相を明らかにしようと梶警部に問いかける。一度は後追いを考えた実直な男が翻意した理由、そして縁者もいない筈の男の影に見える”誰か”の存在とは。 保身を図る組織の圧力、牽制、抜け駆け…諸要素が絡まり、梶の瞳に何かを感じつつも偽りの調書を黙認し見送るしかできない者達の無念。最後の最後で梶が救われて、そして皆の思いが報われて良かった。

    2
    投稿日: 2024.01.02
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    一気読みの面白さ。 多分、再読?既読感半端ない。 あの頑なな2日間……のオチが少し弱いかな……。 それぞれの章も少し短くて感情移入しきれなかったような……。ただ記者がネタに奔走する章は短いながらも展開が良く面白かった。 オチがね……ただ一気読みさせてくれたので、☆5です。 2023.12 この作家さん元記者の方だったのですね。どうりで、この記者の章がよりリアルで面白かったわけです。 2024.4

    2
    投稿日: 2023.12.07
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    パソコンのモニター見ながら、キーボードをタイピング♩何か瞼が閉じていく〜 何かピッピッピッで鳴ってる。 ちゃうわ!これは半落ちやなくて、寝落ちやな(^◇^;) (キーボード押さえ続けると鳴ります〜) 半落ち… 警察官が妻を殺して自首。 でも、殺してからの謎の二日間を黙秘。 (全部解明したら、完落ち) 実際には、罪認めてるし、ええような気もするけど。 何か、マスコミに叩かれてから、急にその二日間究明みたいになって、何だかなぁって感じ。 妻殺しも、アルツハイマーになって、まだ、人間のうちに殺してくれって懇願されてだし、苦しんだやろな殺すこと。 ラスト近くに、空白の二日間の真実が分かるけど、生き恥をさらしても、命を救うに舵を切ったのは、先に逝った家族の為でもあるんかな?

    80
    投稿日: 2023.12.05
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    警察、検察、弁護士、裁判官、刑務官、記者 それぞれの視点から殺人を犯した男の「空白の二日間」を探っていく またそれとは別に各組織内での色々な葛藤、ジレンマも並行して描かれている 割とこういう系のラストが多いので特に結末に驚きはしなかったが、それでもキレイに締めくくられていて読後感良し また上記の通り組織というものに属している関係上の思い通りにいかないことへの悩みなども読んでいて面白かった

    1
    投稿日: 2023.11.16
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    オチ(空白の二日間の理由)については、個人的には弱いと感じた。ただ、登場人物一人一人に存在感があって、ストーリーとしては面白い。 『妻を殺した殺人犯の生きる意味が、人を生かすこと。』皮肉だけど美しい、そう感じた作品。

    1
    投稿日: 2023.09.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    次回の読書会、課題本。 横山秀夫さんの本は臨場と第三の時効を読んでいる(らしい)のだが、硬派な警察小説だったなぐらいしか覚えていない。 そしてこちらは、映画化もされていた有名な作品だけど、読んだことはなかった。横山秀夫作品の警察物(と括っていいものか…)なら面白いだろうし、どうやら泣けるらしい、という前評判のみで読み始めた。 もっぱら仕事のお昼休憩の合間にちょこっとずつ読んでいたんだけど、いやぁ、さすが…引き込まれる。 アルツハイマーを患う妻を殺害し、自首してきた現職警察官の事件。 動機も経過も明確でありながら、殺害から自首までの空白の2日間については頑なに口を閉ざす。 大筋は、半落ち状態であるこの状況の中、犯人である梶聡一郎空白の2日間の謎を追うといった感じ。 取調べから起訴、裁判、公判、懲役までの状況経過がリレー形式で、取調べの警察官、検察官、記者、弁護士、裁判官、刑務官がそれぞれの立場からそれぞれの背景を元に述懐される。 引き込まれる文章ではあるが、述懐する登場人物の置かれた状況とか、取り巻く人間関係とか、とにかくピリピリザワザワさせられて、泣けるとの前評判は一体何だったんだ…と思いながらページを捲った。 わりと最後の方までこの嫌な緊張感は続くんだがラスト数行で、 …やっぱり泣いた!笑 ここからは少しネタバレが入るけど、 ちょうどコテンラジオのシンドラー回を聴いた直後ということもあり、 読み終わってひとしきり泣いた今、 人間の善性について考えさせられた。 個人の倫理観と状況によっては衝突するようなルールや、それとは逆に、個人の倫理観に衝突するが組織の利のため全体の調和のためのルール違反について、 さて、自分ならどうするか、 どう考えるか。 そもそもの、梶さんが殺害に至った経緯にもここの問いは関わってくる。 そして、組織に迷惑をかけ、生き恥を晒してでも貫きたい強い思い。 どこからどう見ても善性であろうが、それは立場の違う人から見ればただの自己満足であり、一つぐらいの自慢話とも取れるのかもしれない。 それでも結局、ラスト数行の破壊力の前には、そんな問いも無粋に感じる。 やはり命は尊いのだ。 何にせよいざという時には、論理でこねくり回して出てくるようなものではなく、直感でちゃんと駆動してくれる人間の善性の存在を信じたいと思った。

    1
    投稿日: 2023.08.25
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    横山さんの作品は初めてでした。 人物描写は感情移入するほど深くは描かれないのですが、物語が目に浮かび、どんどん没入していきます。淡々と、深く。 セクションごとの目線から見た主人公は、それぞれの立場が違うほどに罪の重さや考え方か異なり、果たして主人公にとって最も良い結末は何になるんだろうと思いながら読み進めていました。 他の作品ま読んでみたくなりました。

    0
    投稿日: 2023.06.12
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    嘱託殺人を犯した警部の自首までの空白の2日間を関わった様々な立場から追う物語。 余談ではあるが、この作品を巡る直木賞選考委員の酷いこと。林真理子と北方謙三のイメージが悪くなった。

    0
    投稿日: 2023.05.16
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     アルツハイマー病の妻を嘱託殺人で殺めた警察官が頑なに黙秘する、事件後空白の2日間をどうにか解明しようとする関係者たちの章によって物語が進む。記者、裁判官、刑務官の章が印象的だった。章が進むにつれ、既出の登場人物たちが真相が解明されていないにも関わらず、梶の意志を尊重しようと動き出す様子に梶の人柄がわかる。再読でもラストにはこみ上げてくるものがある。直木賞受賞して欲しかったな。

    1
    投稿日: 2023.05.06
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    『妻を殺しました』 自首して来たのは、何と現職の警察官であった。 殺害動機もその経過も、素直に明かす梶警部であったが、殺害後、自首までの2日間の行動は、決して語ろうとしなかった。 いったい、その間何があったのか。 事件を追う刑事や検事、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官など、それぞれの主体からこの事件を語る。ユニークな流れですね。 最後に、梶警部が決して語らなかった真相が明らかになりますが、ウルウルです。 そうなんですね。 本作品の題名『半落ち』に納得です。

    29
    投稿日: 2023.04.08
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    ◎サブタイトルは、「絆」最後まで分からない犯罪ごの2日間の足取りと行動を隠した理由、息子のドナーの提供者に会いに行ったことだった、犯人自ら二人目のドナー提供者の期限が51歳迄なので、51歳まで生き延びようとして、自殺しなかった。

    6
    投稿日: 2023.02.15
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    現職警察官・梶が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。しかし、殺害から自首までの2日間の行動だけは語ろうとしない。空白の2日間が気になり読み進めたが、途中でだいたいのオチはわかった。でも、そこからは、梶を取り巻く人々の心の動きや葛藤などに引き込まれました。

    1
    投稿日: 2023.02.13
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    「面白かった」と言っていい内容なのか迷うところだが、とても面白かった。 登場人物の心情の動きがあまりに大きく、読者側であるわたしも大変心を揺さぶられた。 「正しいこと」「正しくないこと」「やるべきこと」「やるべきでないこと」の線引きが曖昧で、そうすることで出てくる人間味に押しつぶされそうな一作だった。

    1
    投稿日: 2023.02.11
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    映画で見た気がする?とうっすら思ってたら、映画になってた。たぶん見たんだろう。感動した気がうっすらしている。前世の記憶かのようにおぼろげだけど、今世の記憶に間違いない。 この本は真相がわかるまで、感動的な秘密があるものと期待させられたけど、そんな感動的な真相でもなかった。ちょっと拍子抜けした。 では、なぜ映画で感動したのだろう?とうっすら思った。

    0
    投稿日: 2023.02.10
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    妻殺しの元警察を巡る警察内部の登場人物がそれぞれの立場で立ち回る。警察の実態をノンフィクションで見ているような気になりながら読んだ。なんだかリアルで面白かった。元警察官がなぜ妻を殺した後の2日間をどんなふうに過ごしたのか、の理由は私が期待しすぎてちょっとがっかりした。

    0
    投稿日: 2023.01.23
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    妻を殺害し自首した元警察官。 殺害時の状況や動機については克明に語るも殺害から自首するまでの二日間については一転して黙秘を貫く。 温厚で真面目な警察官だった彼の秘密を、刑事、検事、弁護士、裁判官、刑務官それぞれの視点から追う。 警察組織に泥を塗っても、汚名を晒して世間から罵声を浴びても、貫きたかった事とは。 様々な職務や動機から謎を追う中で、熱い責任感に満ちた現場の人間と、汚職や責任逃れに奔走する上層部、の対比目立つが 部下からの評価を捨てても、自分の良心や責任感に背いても、汚職に手を出してでも、守りたいものが彼らにもあるのかもしれない。 と感じた。

    3
    投稿日: 2023.01.18
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    アルツハイマーの妻を殺して自首した警察官を巡るドラマ。 もう最初から横山秀夫って感じ、出てくる登場人物が相変わらずギラギラしてる、でも今回はみんなその中に優しがあって好き。 謎というかオチは分かりやすい伏線があったからなんとなく想像はついたし、64ほど凄くはないけど綺麗な終わり方。

    1
    投稿日: 2022.12.28
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    「第三の時効」に続く横山秀夫さん作品2冊目。 真相が明らかになったラストには、切ないけれど温かい何とも言えない複雑な気持ちになった。 妻を殺した元警察官:梶が頑なに語らない「空白の2日間」。そこに何があるのか気になってしょうがない。 警察官や検事、記者など職業の異なる6人それぞれの目線から語られる各章の構成も新鮮で面白かった。 事件を起こす前の梶は誰が見ても温厚で真面目、悪く言う人が全くいない。それってすごいことだと思う。 最初は誰もが各職業に従事する者として真相を解明する(悪を裁く)ことに躍起になるも、次第にみんな梶の人格や佇まいから「梶という人物」に惹かれて行動が変化していくのがまた良かった。 妻を殺してしまった理由や「空白の2日間」の行動を語らない理由からも梶の優しさが窺える。最後の対面場面は温かくてただただ感動した。 どんな理由であれ殺人はダメなんだけれど、起きた事件の背景を知ると色々考えさせられる。

    42
    投稿日: 2022.12.20
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    【2022年91冊目】 章によって変わっていく語り部。どうして梶は語ろうとしないのか?残りのページが少なくなってもなかなかその理由がわからず、どうなるのかと思っていたらまさかの結末に涙腺が緩みました。 最後まで読者を惹きつけ、綺麗な幕引きが見事でした。

    2
    投稿日: 2022.12.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    素敵なお話だと思います。 ただ、理由づけが強引なのではと思ってしまいました。 最後の10ページくらいで急展開を迎えるのでそこまでは面白く読めました。

    0
    投稿日: 2022.11.11
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    横山秀夫「半落ち」読了。元警官梶が、事件発生から自首に至るまでにかかった不可解な数日。その原因が明かされた時、梶の秘められた本当の思いに心打たれた。骨髄ドナーなど人を救う・貢献する事の意義を考えさせられた。

    1
    投稿日: 2022.11.05
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    5年ぶりに再読。なかなか想像しづらい動機だったが、夜討ち朝駆けする記者の世界に臨場感があって面白かった!

    3
    投稿日: 2022.09.30
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    横山さんのずいずい迫ってくる感じが、好き。 語り手が代わっていく描き方も、好き。 語り手が代わってしまうために、その後のことがあまり語られないからこそ、 語り手たちの幸せを祈ってしまう… 最後は涙。

    1
    投稿日: 2022.09.06
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    誰のためにいきるのか。 重いテーマを扱っているが文章自体はテンポ良く進んでいくので読みやすい作品。 ラストはもう少し書いても良かったかなと思う。

    1
    投稿日: 2022.08.28
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    やっぱり面白い。 人の情の深さが浮き彫りになってるし、とにかく文体が綺麗で読みやすく、表現力も厚くて読む手が止まらない。 そして最後は心を震わされる。 骨髄バンク、苦みながらドナーを待ってる人、命の大切さ、様々なことを考えさせてくれる。 今こうしてる時に、知らないところで苦しんでる人がいるなら、ドナー登録することも前向きに検討したい。 色々あって直木賞受賞できてないけど、この作品こそ獲るべき作品だと思う。

    3
    投稿日: 2022.08.19
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    若年性アルツハイマーを患った妻を殺害した警察官は自首したものの、頑なに真実を供述しなかった。刑事、記者、弁護士、裁判官、刑務官が真相を追っていく。 その真相を最後の最後まで引っ張ったが、白血病が話に絡んできた辺りである程度の想像は付いてしまう。 梶がなんでこんなにモテるのかが、ちょっと解らない。

    0
    投稿日: 2022.08.13
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    1人の男の内面をそれぞれがそれぞれの立場で思い知らされていく。 各章ごとに視点が変わって物語は進んでいく。 それぞれが相手の瞳の中に何を見ていくのだろう。

    2
    投稿日: 2022.07.23
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    それぞれの立場に背景があって、どうしようもない事情に心では抗いつつも、従わざるを得ない。とても人間っぽい小説でした。

    8
    投稿日: 2022.06.19
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    最後まで梶警部が隠してた事が予想の範疇を越えてた。人間は大体が自分のことでいっぱいいっぱいで、他人のことを思いやる気持ちは少ない。特に仕事に置いては。って最近すごく思ってて、ああその通りだなって登場人物に感じてた。でも最後は梶警部の何かを慮った行動をみんながみんなしてる。 生きて欲しい。 すごく心にどしんってぶつかって来る本だった。

    2
    投稿日: 2022.06.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった! アルツハイマーにかかった妻を殺した警察官の梶。 妻を手にかけてからの空白の2日間、彼は何をしていたのか? という疑問を持った人々の群像劇。 ドナーや絆、介護の辛さとやさしさとは……という作品だった。 登場人物が多いがそれを抜きにしても面白かった。

    2
    投稿日: 2022.05.29
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     なぜ梶は自首するまでの2日間何をしていたのか口にしないのか、という謎を追って、最後まで進んでいく。  刑事、検察、新聞記者など色々な立場の人からの視点で梶を見ることとなる。謎を解こうとしても、自分の仕事での立場や、組織としての方針との食い違いなどが葛藤を生むことになったりと、そこら辺を切り取る巧みさが本作でも十分に発揮されている。  結末としては個人的に物足りなさを感じたけど、とても面白い作品だったと思う。

    0
    投稿日: 2022.05.18
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    最後の最後まで展開が展開が読めず飽きさせない小説だった。 場面が進むにつれ立場の異なる人物で物語が進むのが面白かった。 結局最後には梶の人柄を心配しているというのは共通項としてあったのは良かった。

    1
    投稿日: 2022.04.21
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    アルツハイマーの妻を殺害した現職警察官が自首をした。 だが、事件発生から出頭するまでの二日間の行動だけは語らない。 この空白の期間を巡って、様々な立場の人間が翻弄される。 何のために生きているのか。 誰のために生きるのか。 生きる目的は一つじゃないことに気づかされる。 ラストで思わず涙が出た。

    1
    投稿日: 2022.04.17
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    2002年の直木賞候補作として当時、話題になった一冊であり、ずっと読もうと思っていたのだがようやく読了。しかし、もっと早くに読めばよかった、と思うほど滅法面白い。小説として極めて完成度が高く、読み手を一瞬たりともだれさせない緊張感が素晴らしい。 現役警察官が認知症の妻の将来を悲嘆し殺害した嘱託殺人事件。自首してきた本人は極めて誠実に事件のあらましを自供するが、殺人を犯してから自首するまでの2日間の謎については黙秘を続ける。その謎を巡り6人の登場人物が語り継ぐ連作短編形式の作品が本作である。 徐々に取り調べや裁判、そして刑務所への収監が進む中で、登場人物たちはこの2日間の謎に巻き込まれ、最後の章ではあっと驚くような結末を味わわせてくれる。その過程に、叙述のムダは一切なく、非常に構築された小説世界が楽しめる。

    2
    投稿日: 2022.04.03
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    現職警察官の梶が、アルツハイマーを患う妻を殺害。自首するまでの空白の二日間、彼は頑なに語ろうとしない。 ⁡ この事件に関わる、警察官、検察官、東洋の記者、弁護官、刑務官の順に各章、真相に迫ります。 ⁡ 男たちは、色々な思いをむねに抱いて生きている、、単純にカッコいいとかではなくてて、仕事をするって、抗えない組織、やすせなさ、伝わってきます、、この本、好きだな ⁡ 横山秀夫さん、いいなぁ その世界観に自分も浸ってしまう ⁡ ⁡ ⁡

    1
    投稿日: 2022.03.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    さまざまな人の視点の章を順に少しずつ謎を解いていくのが面白かった。 問題の空白の2日間がかなり気になり、 先を読みたくなる話だった。 が、真実は思っていたほどの爆弾ではなかった。

    1
    投稿日: 2022.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ケアマネさんからのおすすめ本。普段読みつけないジャンルなので、組織の対立関係とかついていくのに苦労した。各章がどれも苦しい終わり方をしてしまってもどかしかったけど、最後の最後、本当に、読めてよかった。ぼろっぼろに、呻くほど泣きました。

    2
    投稿日: 2022.03.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アルツハイマーで壊れゆく妻から、息子を覚えているうちに死にたいと切望され、嘱託殺人を選んでしまう警察官の梶聡一郎。 妻を殺害し犯行を認め完落ちかと思われたが、自首するまでの二日間の行動について頑なに口を割らない、いわゆる半落ち。 捜査一課刑事頭の志木が取り調べを行うところから物語は始まる。地検検察官の佐瀬、東洋新聞社の中尾、弁護士の植村、裁判官の藤林、刑務官の古賀らの視点で空白の二日間の全容解明に迫る。 所属組織での立ち位置故の葛藤、心情描写が上手く非常に面白い作品。

    3
    投稿日: 2022.03.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった!文章も読みやすく、スラスラ読と読めた。 章毎に主人公が変わり、それぞれの立場や想いを絡めてひとつの物語が進んでいく。 妻を殺め、自首するでの空白の2日間。そこには切なく優しい想いが秘められていた。 ストーリー的になんか東野圭吾さんみたいだなと思った。 個人的には好きな作品。

    2
    投稿日: 2022.02.09
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    避けていたわけではないけど、初めて読む横山秀夫さん。有名なところからと思って半落ちを手に取った。気軽な気持ちで読み始めだけど、特に後半から一気に引き込まれ、最後まで読んだ後は「すごいものを読んでしまった」と、心が揺さぶられた。警察やジャーナリストものにありがちなドロドロした部分もありつつ、端的な文体で一人ひとりの個性を充分に表現している。結末は最後まで分からず、最後は親心に共感して涙。久しぶりに良いものを読んだと思った。お見事。

    4
    投稿日: 2022.02.01
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    2022(R4)1.3-2.1 令和4年最初の一冊。なかなか読み進められなかったが、後半は一気読みでした。 嘱託殺人として妻を殺した元警察官が自首し、逮捕〜送検〜起訴〜判決〜刑務所に収監された。 罪状も明らかで本人も全て認めている。手続きとしては何の問題もない事件なのだが、元警察官は殺害後の行動については、話すのを頑なに拒む。 元警察官への取り調べの物語かと思ったら、あっという間に送検。今度は検事の視点で物語が進む。その後も裁判官や刑務官など、主に6人の視点から物語が進んでいく。 何かオムニバスドラマを見ているような、連作短編を読んでいるような感じがした。 元警察官との関わりを軸にしながら、「警察vs検察」や「警察vsマスコミ」といった構図の物語、弁護士や裁判官、刑務官の人生の物語が、それぞれ独立したかたちで語られる。 これを良しとするかどうかで、この作品の受け止め方が変わってくる気がした。 個人的には、前半の「〇〇vs●●」か、後半の「それぞれの人生物語」かどちらかを深く掘り下げた方がよかった気がした。 終末は感動的だが、ちょっと無理矢理感が否めないかな?この終末の割には、元警察官の掘り下げ方が浅いような…。

    10
    投稿日: 2022.02.01
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    いつになったら真相は明かされるのかと、随分焦らされたけど、ちょっと肩透かし食らった気がする。この事件に翻弄される警察官、検察官、裁判官、色んな人物のエピソードが語られるけど、この結末とのつながりが今ひとつ分からなかった。もっと梶総一郎の秘めた謎そのものをじっくり描いて欲しかった気がする。読後の余韻がよかったからこそなおさらに。

    8
    投稿日: 2022.01.19
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    ううん、、、正直期待はずれだった。 のちに事件にかかわるいろんな人の視点を通して少しずつ謎が解けていくスタイル。 最後まで、本人からのストーリーはなかった。 認知症を患う妻を殺した苦悩は、結局本人から語られることはなかったし、 そもそも、殺害後の疑惑の二日間の行動をひた隠しにする意味?理由があんまりわからなかった。 最終的に理由が明らかにされるんだけど、 どうしてそこまでひた隠しにしたのか、 あんまり納得いかず。 それにその理由も、なんとなくうっすらと想像でき、ひっくり返るような驚きでもなんでもなかった。 サラリと読めるけど、 期待が高かっただけにあんまりだったかな。

    2
    投稿日: 2021.12.23
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    尊厳死と安楽死、国家権力と正義、臓器提供。 【尊厳死】人間が人間としての尊厳を保って死に臨むこと。 【安楽死】患者が病気や治療による苦痛から解放されることを一番の目的とする。 日本では多くがタブーとされ、認められていない。 自分が自分でなくなってしまう。 壊れていく恐怖。 せめて意識がはっきりしている内に、自分の意思で最期を決めたい。 人として生まれたからには、人として死にたいと願うのは至極当然の事。 それが罪だと分かっていても、大切な人の最期の願いを叶えてあげたいと思うのは、哀しい事だけれど、それでも最上級の愛情ではないだろうか。 組織の中で正義を貫き、真実に辿り着きたいという熱い想い。 そのすぐ傍にある圧倒的な権力。 最後の最後に明かされる空白の時間。 何度読んでも面白くて感動する。 無駄な冗長がなく、重厚で傑作。 やっぱり好きです横山秀夫。

    11
    投稿日: 2021.12.08
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    アルツハイマー型認知症の妻を殺害して自首をしてきた犯人の「半落ち」な供述をめぐって、警察、検察、裁判官、刑務官らが、真相をめぐって様々な思惑に巻き込まれる社会派ミステリー。 人は生きていく中で多くの不幸を背負うことになります。世の中は冷たく、合理的な社会ですが、それでもなお前に進まなければいけません。自分自身も近い年齢なので、主人公の気持ちが良く理解できます。 この手の社会派ミステリーはいつも警察や検察にはイライラするのですが、こういった描写は、中らずと雖も遠からずでしょうね。できれば本作内ですっきりさせてくれればうれしかった。 文章も丁寧で読みやすく、構成もわかりやすい、社会派ミステリーの傑作。 ラストは間違いなく感動すること請け合いです、未読の方はぜひどうぞ。

    33
    投稿日: 2021.11.27
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    生きるって大変で、誰かのためにが原動力になると感じた。梶もそうだったけど、周りの人も応えたいと感じたから動かされていた。 守りたいものが自分にはあるのかな。

    4
    投稿日: 2021.11.07
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    2021.10.23読了 3.8 最後まで読んで良かった。 途中までは正直、男同士のプライドや意地のぶつかりあいが面倒だなぁと思いながら読んでいた。 が、最後の章で真実が明らかになり、心打たれた。 発行当初の時代背景を考えると仕方ないんだろうけど、一章位女性目線の章もあったら良かったのにな、と思いました。

    2
    投稿日: 2021.10.23
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    力強い仕事の話という印象のクライマーズハイと比べると、人間の内面的な部分を強く感じたような覚えがある。 これももう一度読みたい。

    3
    投稿日: 2021.10.20
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    とある嘱託殺人にそれぞれの立場で関わる人間たちの群像劇。 この作品の真の主人公は梶なのか、関わった6人なのか。 事件に関わった彼らは皆、所属する組織の柵に苦悩しながら事件の真相に迫るべく苦悩する。 保身に走る上層部と現場の彼らとの衝突。よくある話かもしれないが、グイグイ引き込まれる。 謎が明らかになるのは終盤。少しアッサリした感じはあるが光明が見えるラストシーンは良かった。

    6
    投稿日: 2021.10.12
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    読後一番に思ったのは良くも悪くも「これは男の小説だなー」と。 事件が起きて犯人が自首してきた。しかし自首の内容が「完落ち」でなく「半落ち」。空白の二日間の謎が最後まで読者を引っ張っていく。作者の筆はおそろしく整合性があり破綻がない。うますぎて気持ちが悪いくらい。これは誉め言葉である。 人はみなわけありの人生を過ごしている。平坦な生活なんかありゃしない。けれど作者がこの小説「半落ち」で「犯人とめぐる6人の男たち」の切り取って見せた人生はリアル過ぎる。 ぐんぐん引っ張って読ませ、ミステリーを満足させたかったのか、それぞれの人生に涙させたかったのか。 登場する警察官の志木、検察官の佐瀬、新聞記者の中尾、弁護士の植村、裁判官の藤林、刑務官の古賀そして犯罪者の元警察官の梶。それぞれの人生の内実は壊れそうなのを、やっと保っているような具合であった。偶然かかわることになった梶の罪(尊厳殺人)によってさざなみを立てられる。人間、生きてみればわかる。厭なことも変なこともひっくるめて不条理の航路である。 面白くて夢中で読んで感情移入したが、身につまされながらも美し過ぎる!なんて思ってしまったのが本音。なぜだろうと考えるに、それぞれの男の妻の影が薄いのだ。梶もふくめてあっさりしている妻とのかかわりが気になった。そんなものかしら?しかし、それが密になったらこの小説は書かれないだろうかもね。

    2
    投稿日: 2021.09.12
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    登場人物の表情、感情、場面が頭の中でドラマのように思い浮かべながら読みやすい物語でした。スピード感がありつつ、各章で主軸となる人物が異なることで終始同じ「空白の2日間」について突き詰めていく物語になっているものの、飽きることなく一気に読み切りました。 真相が明かされる最後の場面まで、妻を殺した梶自身が語る場面が非常に少なく、なのに梶の心情の変化、心の重さ、秘めたるものの重さが、真相を突き止めようと動く登場人物の目線を通し伝わってきました。最後の2〜3ページで一気に全てがわかるものの、梶自身が語る部分が少ない分、佐瀬の「本人のことは本人にしかわからない」の言葉通り、もしかしたらまだ梶の語っていない何かがあるのではないかと、思ってしまいました。まるでこの事件が現実であったかのような、そんな気持ちにさせられました。 最後の場面はうるっとしました。どうして今まで読んでこなかったのか…!満足の一冊です。

    0
    投稿日: 2021.07.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    秀作。 警察、検事、マスコミの関係。多少、このような裏取引、自己保身、忖度があるのだろう。 ラスト、神様のような人。殺人はだめだが、人間としてこうありたい。

    2
    投稿日: 2021.07.23