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肩ごしの恋人
肩ごしの恋人
唯川恵/集英社
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総合評価

403件)
3.7
84
145
123
19
7
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    直木賞作と聞いて読了。 正直最初はあまり期待していなかった。変化の激しい今の時代、20年以上前の恋愛小説を楽しめるか疑問だったからだ。読み始めた時も主人公2人のことを中々好きになれなかった。恋に入り込めず、自分の彼氏が取られても心が動かない萌。自分の事しか考えず女であることばかり武器にするるり子。正反対ではあるが、どこか大事な部分が欠けている2人に感情移入も共感もできなかった。 しかし不思議なことに読み進める内に彼女達に目が離せなくなってしまった。萌の常に一歩引いた冷ややかな姿勢は、客観的すぎるが故に人に期待できない、無欲で不器用な姿の現れでもある。るり子の破滅的で貪欲な性格は、わがままを通してでも幸せを掴み取ろうとする強さがあった。2人の表面的な印象の裏にある複雑に重なった価値観に惹かれていった。 自分は当初、萌とるり子のことを短絡的にカテゴライズしていたのだと思う。しかし2人の人生観を知れば知るほど、矛盾した人格が幾つも同居していることに気付く。例えば萌の客観的姿勢は成熟した立派な大人に見えたが、何かにのめり込む勇気をもてない弱さの裏返しでもある。逆にるり子の自己中心的態度は未熟な子供のように見えたが、人の目を気にしない芯の強さの証でもある。カテゴライズすることは悪いことではない。我々人間はそれをしなければ溢れかえる情報の中で何も判断ができなくなってしまう。しかしそれに頼りすぎると2人のようなわかりづらく、隠れた魅力を見逃してしまう。人格とは多面的で多角的であり、無限の要素を持つものだ。それを理解すれば長年連れ添った人の中にも、自分の知らない一面やまだ見ぬ魅力があることに気づけるようになる。 ありふれた恋愛小説だと思って読み始めたが、人間の矛盾と奥深さを描いた作品だった。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    唯川恵さんの、余計な装飾がなくさらりとして、それでいて心に記憶に沁みる文章が好きで、何年かおきに彼女の作品を読み返している。 あの魅力をなんて表現すればいいのだろうと考えていたところ、江國香織さんが解説で「唯川恵の筆は梨でできている」と。梨のような上品さ。みずみずしく、さくさくした歯ざわりのよさ。肌に響くような表現も、どこまでもさらさらと、さらさらと小説を進ませると。

    0
    投稿日: 2025.10.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    肩ごしの恋人、なるほど萌とるり子はずっと抱き合っていたのか、または時には背中合わせだったり その肩ごしに通りすぎゆく2人の恋人たち、彼らは彼女たちの脇役にすぎない、彼女たちを形作るパーツでしかないのだ 2人でひとつ、月と太陽、春と冬(夏と冬ではなく) 太陰大極図 萌とるり子は私たち女性の中にいる感情だ 1人で生き、孤高であることが美しいと思う自分と、男に幸せにされて然るべきだと思う自分 つまり萌とるり子は私たちなのだ だいぶ恐れ入るわね そして、ああこの本がどれだけ私の救いになったか そうなのだ、男に酷いことをされてもセックスも男も嫌いにはならない、だけど一生セックスも男も信用をしないのだと思う 彼女と違うのは、私は自分のことは信用していることだ、と思ったけどちょっと違うかもしれない、信じているんだと思う

    0
    投稿日: 2025.09.18
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    サクッと読みやすかった。 萌とるり子5歳からの友達 恋や仕事に悩む27歳辺りの女性目線の小説 登場人物のキッパリした性格が多いからなのか、終わり方なのか 物足らない感じがしたが、 なるほど!!、言葉にするのが上手い! と思う名言が幾つかあった。 先が気になる。続編があったら読みたい。

    5
    投稿日: 2025.09.14
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    友人である女性二人が主人公。 全く性格の違う二人の会話も面白いし、二人が決断したラストシーンには、ほっこり感動しました。 結婚や離婚について考えらせられました。

    0
    投稿日: 2025.09.12
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    5歳のときから親友のるり子と萌のお話。 同じ女性でもここまで生き方が違う2人が親友なのが不思議。だけどお互いないものがあるからこそ、ずっと仲良くいられるところに女の友情を感じました。

    0
    投稿日: 2025.08.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私だったら、るり子みたいな子とは絶対に友達になれない。ただここまで自分の幸せを追求し、周りの眼を気にせず生きていく行動力には脱帽 るり子のセリフで 私は自分が幸せになれないなんてどうしても思えないの。だって私、いつだって幸せになるために一緒懸命だもの。人生を投げたりしないもの。 頑張ってるもの。そんな私が、幸せになれないわけがないじゃない。 がめちゃくちゃ刺さった。私も幸せになる未来を想像してるり子みたいに前だけしかみない強い心を持ちたいと思った。 萌は10年後ぐらいに宗と再開して、家族になれたらいいのになあと思ってしまった。

    0
    投稿日: 2025.08.21
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    「本当はみんな知っているはずだ。わがままを通す方が、我慢するよりずっと難しいということを」 好きな感じの本。答えを出さずふわっと終わるのもいいけど、これは綺麗に終わってた 貪欲に奔放に生きることって難しい。るり子も萌も好き

    0
    投稿日: 2025.07.22
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    直木賞受賞作 初版が発行されたのは、2004年ですね。 2025年の現在では、ちょっとそれは‥と言いたくなる箇所がチラホラ出てきて、時代の変化は著しいと改めて実感。 それでも過去にドラマ化されただけあり、起承転結がしっかりしていて楽しく読めますよ。

    0
    投稿日: 2025.07.05
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    やっと読めた!! 他の本を先に読んでしまって何回返却期間に間に合わなかったか... 唯川恵さんの本は女性特有の共感するところがたくさんあっていつもスラスラ読める るり子の『ねえ、不幸になることを考えることは現実で、幸せになることを考えることは幻想なの?』がすごく印象的だった 私自身、将来のことをネガティブに考えていて現実的だと勘違いをしていたと気が付かされた 未来のことを考えること自体が幻想だよなぁ これからはこの言葉を思い出してできる限り幸せな考え方をして、自分を幸せにしていきたい

    1
    投稿日: 2025.05.23
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    再読⭐️ 誰かと比べることなく自分の好きなことをして思い通りに生きようとする女性とそれと正反対の女性の友情が良いなぁと思います。 どちらも悲しくてどちらも最高です。

    0
    投稿日: 2025.05.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    気持ち良い! 解説にもあるようにさらさらと流れる文章とその中の時間、正反対のふたりの腐れ縁からなる最強感。 自身が女であることを誇れと、おしりを叩かれたような清々しさ。 高く高く伸び軽やかに揺れるるり子と、深く根を張りどっしりと構え、我々に頼もしさを見せてくれた萌。どちらも最初から最後まで一貫してカッコよく、強くて魅力的だった。初めに正反対と言ったが、2人がずっと一緒にいる理由は何となくわかるような気がする。2人は似ている。 旦那の浮気相手へのるり子の態度、気持ち良すぎて痺れた。 腹立たしいほど真っ青な空を見上げて胸を張れる彼女たちに憧れる。自分もいつだってそのような女で居たいと思う。

    0
    投稿日: 2025.04.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    萌のより関係性を深めたいとは思わないという考えを言語化してくれていて、腑に落ちた。私の中にあった考えはそれだ、と気づいた。

    0
    投稿日: 2025.04.13
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    読み進めていくと、どんどん主人公たち二人を取り巻く環境が変わってきて、ラストは想像もしていなかった最後だった。後半は面白くて一気読み。 不幸な想像は現実で、幸せは幻想の言葉がすごくスタンディングオベーションだった。笑

    0
    投稿日: 2025.03.13
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    萌とるり子、どちらに似ていると聞かれるとるり子。 るり子は性根がどうかと思うが、我慢するより我儘を通す方がずっと難しいことも分かっていて、それでも「絶対に妥協しない」るり子はある意味強かな女だと思う。良く言えば一貫していて格好いいまである。 所々るり子の暴言に納得してしまう私はルッキズムに染まっているのだと思う。

    0
    投稿日: 2025.03.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025.01.20読了。 るり子引っ叩きたくなるくらい腹立たしい。親友の萌の彼氏を略奪して結婚なんて信じられない。と当初思っていたけれど読めば読むほど憎めず、最後には好きになってた。女性らしくあり続けよう、好きなことしかしない、私は絶対に幸せになるというスタンスは心底羨ましい。結婚を3回するのも、ただひたすらに貪欲に幸せになろうとしている結果で、その行動力は本当にすごい。 最後まさか16歳の崇との子供を妊娠するとは思わなかったけれど、萌とるり子と3人で仲良く楽しく暮らしていって欲しい。 「ねえ、不幸になることを考えるのは現実で、幸せになることを考えるのは幻想なの?」「文ちゃん、私、知ってるわ。ものすごく頭がよくて仕事がばりばりにできた子が、仕事に没頭しすぎて精神障害起こしたの。今も仕事に復帰できないままよ。大企業に就職して一生安泰って思ってたら、会社が倒産したとかリストラにあったってことも。玉のこしをと言われてた子が、ダンナに事故で先立たれちゃってパートで必死に子育てしてることも。先のことなんか誰にもわからない。幻想っていうなら、両方とも幻想でしょう。だったら幸福な方を考えていたいじゃない。その方がずっと楽しく生きられるじゃない」 本当はみんな放っているはずだ。わがままを通す方が、我慢するよりずっと難しいということを。だからみんな我慢の方を選ぶ。それは、楽して相手に好かれようと思っているからだ。聞き分けのよい女なんていちばんの曲者だ。心の中を我慢でいっぱいにして、そのことに不満を持ちながらも「我慢と引き換えに手に入れられるもの」のことばかり考えている。るり子は常々心に誓っている。どんなに落ちぶれても、我慢強い女にだけは絶対にならないでおこうと。

    2
    投稿日: 2025.01.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    女でいるのが武器と思うか、女でいることが弱点と考えるか 女でいることが弱点だなんて思わないし、自立していたいと思うけど、所謂、女性としての幸せ=結婚を求めなきゃなのかと少し焦る最近。 気づけば一緒に同じ時間を過ごしていた人たちが、婚約して結婚して子供ができて、遠くに行っている感覚がすごい、女としての幸せを幸せだと思って追い求められるのも羨ましく思う でもるり子と萌だったらわたしは確実に萌側の人間だなぁと 頼るだけで生きていくなんてまっぴらだし、沈黙を破っちゃうタイプだし、自分を守りたいからこの人と付き合わなくても良いってなっちゃうし、相手がいるからこそ気を遣わないっていうのもわかる、不倫も高校生に手出しもしないけど 年も近くて自分を投影した、直木賞取った理由がわかる

    0
    投稿日: 2024.12.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本当に20代後半の女性を主人公にしたお話なのか?というくらい、話の軸が 性 と一緒に進んでいく。 若い世代ならまだしも、一般的には、そろそろ落ち着くであろう年齢であるはずなのに、、、 個人的に再読はなさそう。 萌から見る視点では、自分らしい選択をしたと、清々しく、おもっているのかもしれないが、 客観視すれば、新婚の男性と不倫するわ、一回りも年下の子と関係は持つわ、最終的にシングルマザーを自分だけの意思で決めるわで、まったく共感できるところがない… ただ、女性にとっては、立場や考えが変わってくる難しい年代なのに、思い合える友人がいることは、幸せだし、 その友人とどうして続くのかは、二人のなかに何だかんだ言いつつも『尊重』があるからなんだろうな、とおもいながら読みました。 人間関係、友人関係、尊重があってこそ続くはずなのに、男女になると難しい。 そのアンバランスさが書かれてるのかな?ともおもいながら読んだ本でした。

    1
    投稿日: 2024.11.30
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    再読。萌が作中で言っていたように、本当はみんなるり子のように生きたいと思っているけどできないだけで、だからるり子はある意味たくましい女なのだと思う。自分は萌に近いタイプだけれど、改めてるり子の自分の欲に忠実なところや世間知らずなところが羨ましくなった。唯川恵さんにハマるきっかけとなった作品で、思い入れが特に強い作品。言葉がとてもさっぱりしているところが好き。

    0
    投稿日: 2024.10.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読みやすかったが、現実的にあり得ない話なんじゃないかと思ってあまり感情移入出来なかった。 都会の人はそんなに簡単に○○するものなのか。 るり子を受け入れる萌も人が良すぎるというかなんというか…。

    1
    投稿日: 2024.09.20
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    成立から20年は経っていても、これは一昔前の感覚だな、もあれば、全く今に通ずる感覚もある。好きだな、この本。 隣の芝生は青いが、自分とこの芝生が嫌いなわけではない。それが生きる上で大事なんだろう。

    6
    投稿日: 2024.09.11
  • さくさく読める

    お互いに正反対な萌とるり子の友情が良かった。 恋愛のことしか考えてないるり子。でもこれだけ自分の欲求に素直だと逆に好ましくなってくる。 ただ、私的に最後が微妙。

    0
    投稿日: 2024.07.25
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    あなたは、『我慢する』ということをどう考えるでしょうか? う〜ん。なんとも漠然とした質問です。『我慢』と言ったってその対象によっては答えが変わってくると思います。 では、こんな風に問われたらどう答えるでしょうか?  『何を食べたい?』 何か奢ってあげようか?と言われたシーンにおいて、そんな答えに『吉兆のウニと鮑のゼリー寄せ』と相手が答えたとしたら流石にギョッとするかもしれませんが、一方で間違いなく『我慢している』ということではないでしょう。しかし、『吉野家の牛丼』と答えた場合には、『我慢しなくていいんだよ』と言い返す方もいるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか?  『我慢なんかするはずがない。「牛丼」と言った時は、本当に「牛丼」が食べたいのであって、それ以外のなにものでもない』。 そんな風に思う感情はおかしいことでしょうか? さてここに、『どんなに落ちぶれても、我慢強い女にだけは絶対にならない』と誓う女性が主人公の一人を務める物語があります。『みんなが持ってるものは、当然、欲しい。みんなが持ってないものはもっと欲しい』と思う女性には二十二年にもわたる友人の存在があります。この作品は、そんな二人の女性の生き様を描く物語。奔放という言葉はこの二人のためにあると呆れるくらいの奔放さを見せるこの作品。そしてそれは、『私は、自分の気持ちに正直なの…』という思いの先に『略奪結婚』を繰り返すキョーレツな女性の生き様を見る物語です。 『地中海料理が有名な青山のこのレストランで、流行りのレストラン・ウェディングを絶対したいと言ったのは、もちろんるり子だ』と『純白のウェディングドレス姿で満足そうな微笑みを浮かべ』る花嫁を見るのは早坂萌(はやさか もえ)。『結婚も三回目ともなれば慣れたものだ』と るり子を見る萌は『三回目にもかかわらずこんな大げさなことができるのは新郎の室野信之が初婚だからだ』と思います。『幼稚園で初めて一緒になった時から、不本意ながら、萌はいつも るり子の騎士役だった』と二十二年の付き合いを振り返る萌は『るり子は誰よりも自分が大好きな女だ。自分が大好きな女ほど、始末に悪いものはない』という中に、『大喧嘩をしても、結局、また元に戻ってしまう』二人の間柄を思います。そんな時、海老だけを器用に取り除く隣の男性に『海老、お嫌いなんですか?』と声をかける萌は、『この男か。さすがの るり子も落とせなかった相手というのは』と散々聞かされた話を思い出します。そんな時スピーチが始まります。『おふたりは明日ハワイに発ち…どうぞ腰など痛めないよう…』という『一〇〇年前からあるようなスピーチ』を聞いて『最後にセックスをしたのはいつだったろう』と『るり子の隣でとろけた笑顔を見せている』新郎の信之を見る萌。そんな萌は、『この披露宴の後の予定は何かあるの?』と隣の男性に訊きます。『もしかして誘ってくれてるの?…せっかちだね。もちろんイエスさ』と返す男性と披露宴終了後にホテルへと向かう萌は、『セックスは習慣のようなもの』という考えの中にいます。そして、『感覚だけに集中』する時間を終え、着替えていると電話が鳴ります。『柿崎さんともうやっちゃった?』と『るり子の声が飛び込んで』くる中に『誰、それ』ととぼけるも『どうだった彼?』と一方的に訊く るり子に『思わず肩をすくめ』る萌は『るり子が新婚旅行から帰って来たら、ゆっくり話すから』と言うと電話を終えました。 場面は変わり、『どうして結婚したとたん、こんなにセックスがつまらなくなってしまうのだろう』と新婚旅行先のホテルでバルコニーから海を見下ろすのは 室野るり子。『信之とは結婚前からセックスしまくった』ものの『ハワイに来て一緒にベッドに入った昨夜、今からすることが急につまらないことのように思え』てしまった るり子は過去を振り返ります。『不倫の末の掠奪結婚だった』最初の結婚、『かつてのボーイフレンドの付き合っている女を見た時から始まった』二回目の結婚を思い出す るり子は『今度こそは、と思ったのに』と信之のことを思います。『かつて萌が付き合っていた男』という信之。そんな中に、『みんな萌のせいだ。せっかくの新婚旅行が楽しくないのは、萌があまりに淡々としているからだ』と思う るり子。そんな時、『信之に抱き寄せられ、髪を撫でられているうちに、何だか少しエロチックな気分になってき』た るり子は『一生、僕が守ってあげる』と信之に言われ、『嬉しい』とその『首に抱きつ』きました。るり子と萌という二十二年の付き合いを続ける二人の女性の奔放な日常生活が描かれていきます。 “欲しいものは欲しい、結婚3回目、自称鮫科の女「るり子」。仕事も恋にものめりこめないクールな理屈屋「萌」。性格も考え方も正反対だけど二人は親友同士、幼なじみの27歳。この対照的な二人が恋と友情を通してそれぞれに模索する’幸せ’のかたちとは”と内容紹介にうたわれるこの作品。2001年に第126回直木賞を受賞し、2007年には米倉涼子さん、高岡早紀さん主演でテレビドラマとしても放送されています。 そんなこの作品を読み終えた直後の素直な感想としては、兎にも角にもここまで読みやすい直木賞受賞作があるのか!と驚くある意味での”軽さ”が特徴の作品だということです。私のレビューは一つの様式に則って書くようにしており、まずは作品冒頭部分をダイジェスト的にまとめるようにしています。今回も上記の通りまとめていますが、書いていて主人公二人のあまりの奔放さに呆れ返る他ないまとめが出来上がってしまいました。この作品はそんな二人の強烈な個性に尽きると思います。では、二人の主人公を一人づつ見ていきましょう。  ・早坂萌(ドラマでは米倉涼子さん):    - 27歳、独身    - 四谷にある輸入代行会社に勤務、半年前から主任      → エッチな下着やバイブレーターなどセックス関連の商品の取り扱いが増えてきたことに不満を抱いている    - 男性遍歴(一部): 信之 → 柿崎  ・室野るり子(ドラマでは高岡早紀さん):    - 27歳、”バツ2”の後、信之と結婚    - 自由が丘のマンション住まい    - 『結婚相手を探すには、前と同じように短い期間で会社を転々とする派遣会社がいちばん効率がいい』という考え。作品内では専業主婦    - 自称『鮫科の女』: 『常に愛に翻弄されてないと生きてゆけない』ため    - 男性遍歴(一部): 柿崎 → 信之 物語は、萌と るり子に順番に視点を切り替えながら20の章にわたって展開していきます。これは主人公が二人の場合によく見られるパターンだと思いますが一部変則切り替えが発生します。まとめておきましょう。  ・早坂萌視点: 1、3、6、7、9、11、13、15、17、19  ・室野るり子視点: 2、4、5、8、10、12、14、16、18、20 いかがでしょうか。前半に一部切り替えのリズムが崩れる箇所があることがわかります。単調さを防いだという側面もあるとは思いますが、視点が固定されればされるほどに当該人物への感情移入は強まります。このあたりの効果もあるように感じました。 そんな萌と るり子ですが、まさしくキョーレツな存在感を発揮してくれます。特に”バツ2”の先に物語冒頭の場面で新婦としての姿を見せる るり子の婚姻歴は一度聞いたら忘れられなさそうです。まとめておきましょう(笑)  ・最初の結婚(二年間):    - 相手は『短大を卒業して一年後に一回りも年上の上司』    -『不倫の末の略奪結婚』     →『奥さんが包丁を持ち出した時なんか、これで私もワイドショーに顔が出るのね、と思わず画面に映る写真のことを考えた』     →『禁断の愛の王道をいっていて、肩で息をするような毎日』        ↓     『そこまでして結婚したのに…新婚旅行にこのハワイに来た時、彼が知らない誰かに見えた…すぐに別れたのでは格好がつかないと、二年続けた…二年もよく頑張ったものだ』  ・二回目の結婚(半年間):    - 相手は『学生時代からのボーイフレンド』    -『電撃的に結婚』     →『西麻布のクラブで偶然に再会』した時、彼女が『脇の下のムダ毛の処理は完璧で、顔は拳ぐらいの大きさしかないような女』だったこと、『エルメスの黒のバーキンを持っていた』ことで『絶対、彼をモノにしてやると誓った』。        ↓     →『彼を手に入れるより』『エルメスの黒のバーキン』の入手が難しいとわかり『何だか急に彼が安っぽく見えて、別れることにした』。 いやー、なんなんでしょう。この女性は。あまりのキョーレツぶりに、どう考えてもギャグとしか言いようがない様を見せてくれますが、ポイントはあくまで るり子は大真面目だということです。このようなライトな感覚の生き方こそが るり子だ!ということを一ミリも譲ることのない強さで見せてくれます。こんな女性に引っ掛かったら男性もイチコロ!と恐ろしくなりますが、おそらく るり子はそんなことを考える私など相手にもしてくれないでしょう。ホッと一安心(苦笑)。 そして、物語は上記したはちゃめちゃな展開を経て”バツ2”になった るり子が三回目の結婚式、披露宴に臨む姿から始まります。  『三回目にもかかわらずこんな大げさなことができるのは新郎の室野信之が初婚だからだ』。 そんな理由の先に『それにしても るり子は綺麗だ』と花嫁の るり子を見る萌。  『シフォンをふんだんに使ったドレスがよく似合っている。白く透き通るような頬はばら色に染まり、スピーチにはにかむ様子や、上目遣いにちらりと新郎を見る姿などは、まるで処女のようだ』。 素直にそんな感想を漏らす萌ですが、一方で二十二年という長い付き合いを続けてきた萌は るり子に隠された真実を当然ながら認識しています。  『あの顔に何人の男が騙されたことか。いいや、男だけじゃなく、女だって騙される』。 『いつも るり子の騎士役』という立場で るり子と関わってきた萌ですが、それは目の前にいる るり子の三回目の結婚相手にもありました。上記の続きを書きましょう。  ・三回目の結婚(始まったばかり):    - 相手は『かつて萌が付き合っていた男』    - 親友の彼氏を略奪     →『親友の恋人、というのはそれだけで十分に盛り上がる恋愛の要素を含んでいたし、何より信用できた』     →『萌の付き合っている男なら安心だ、間違いはない。だからこそ必死になって信之の気をひいた』 いかがでしょう。女性なみなさんは一斉にドン引きされたのではないでしょうか?空いた口が塞がらないというような表現では説明できる範囲を超えているように思います。しかし、それがこの作品の るり子なのです。そんな強烈至極な発想は、るり子のこんな考え方から導き出されるものです。  『るり子は我慢が大嫌いだ。我慢なんて、少しも自分を幸せにしてくれない。自分を幸せにできないことをどうしてしなくてはならないのだろう』。 もうありえないですよね。『我慢が大嫌い』と言ったって、自らの幸せのためには他人の幸せをどんどん奪っても構わない…そのような考え方の先に るり子の今までの結婚遍歴があるとも言えます。そして、萌は『大喧嘩をしても、結局、また元に戻ってしまう』という繰り返しの中に二十二年間、親友としての関係性を維持してきました。それは、こんな思いからです。  『るり子はいつだって、自分が幸せになるための努力を惜しまない。他人に嫌われたって笑われたって意に介さない。愚かで、そこが、愛しい』。 とは言え、物語では、意趣返しとも言える『さすがの るり子も落とせなかった相手』と付き合い始める萌の姿も描かれていきます。しかし、そんな行動はすぐに るり子が察知することになります。その一方で、結婚したばかり、しかも新婚旅行先にも関わらず早々にこんな思いに囚われ、すでに怪しい気配を見せる るり子。  『どうして結婚したとたん、こんなにセックスがつまらなくなってしまうのだろう』。 もう誰もが呆れる他ありません。おそらくこの作品を読まれる女性の方であっても、当初、あまりの奔放さを見せる るり子に強い嫌悪の感情を抱かれると思いますが、それが呆れの感情に切り替わってくると思います。それこそが作者の唯川恵さんがこの作品を描くことにした思いに繋がるものです。唯川さんは〈あとがき〉でこんなことをおっしゃいます。それまで、”どちらかというと重く、陰鬱なものを書いていました”とおっしゃる唯川さん。  “その反動もあってか、まったく対照的な、あっけらかんと、軽やかに、したたかに、それでいて真っ直ぐに生きようとする女性たちを書いてみたくなりました”。 ここに答えがありました。この信じられないくらい読みやすい物語の中に、自由に、奔放に生きたいように生きる主人公たちが自在に闊歩する物語の雰囲気感は、この唯川さんの狙い通りに作り出されていたことに気づきます。どこか憎めない二人の存在の大きさを感じる物語。そんな物語には、『女性』というものに対する唯川さんのお考えも顔を覗かせます。  『女にはふたつの種類がある。自分が女であることを武器にする女か、自分が女であることを弱点に思う女か。このふたつの女はまったく違う生きものだ』。 主人公の るり子はもちろん前者の思いの中に強く、どこまでも強く生きています。しかし、物語を読み進めるに従ってこの作品の真の主人公は萌であることに気づきます。あまりに奔放すぎる るり子を『騎士役』として支え続けてきた萌。そんな萌が最後に下す決断。結末に向かって選び取っていく力強い決断の先に、これだけキョーレツな物語が信じられないほどに清々しい物語に昇華する、そんな物語の姿がここにはありました。  『るり子にしたらどっちも同じだ。みんなが持ってるものは、当然、欲しい。みんなが持ってないものはもっと欲しい』。 キョーレツな考え方を一才の躊躇なしに表出していく主人公の るり子。そして、そんなキョーレツな存在を二十二年にもわたって『騎士役』として支え続けてもきた主人公の萌。この作品にはそんな二人が肩ごしに恋人が見える生き方に幸せを見る物語が描かれていました。るり子のあまりのはちゃめちゃぶりに呆れを通り越す感情が支配するこの作品。そんな るり子から付かず離れず二十二年という萌のある意味でのクールさに本物の強い女性を感じるこの作品。 唯川さんの狙い通りのあまりに読みやすい物語の中に、肩肘張らない直木賞!を感じたインパクト最大級の作品でした。

    234
    投稿日: 2024.07.06
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    直木賞受賞作品は、期待して読むからか、いつもちょっと肩透かしな感じがあり、この作品も同様だった。玄人好みな作品の良さを理解しきれないからだろうか。。本屋大賞の方が好み。 主人公3人の恋愛や仕事、生活についてサラつとした文章で書いている。設定やあらすじに「それってどうなの??」とツッコミ所が少なくないが、あくまでサラッと書いているので、サラッと読める。一番深いのは題名だと思った。 最後に江國香織さんのあとがきを読んで、この小説の良さがわかった。

    0
    投稿日: 2024.06.18
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    さらさら読めるが、格言的なセリフがたくさん。 なんだか峰不二子を思い出した。 自分とはかなり遠い世界を覗き見たみたいで面白かったが、自分の教訓にもなるようなセリフ達。 信念を曲げないこともいいよね、と。 曲げるのもそれはそれで良いと思うけど。 みんな自分の思う大事なことを貫いていて、 目標に向かって努力していて、 最後まで曲げない。 不倫がナチュラルすぎたのは最初はビビったけど慣れてしまう不思議… 夫婦や親友で価値観が合うならそれでも上手くできるんだろうなとは思う。自分は厳しいが… 我慢は絶対しない。でもそのための努力はする。 そう言う考え方に強さを感じて好ましいなと感じた。友達になりたい。というかそう言う友達はいるかも。

    102
    投稿日: 2024.06.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恋をして女を楽しむ女。仕事をする中で女であることを負担に思う女。主人公の女性2人はどちらも私の中にいるようにもいるように思えた。 私も女であるから、男性から愛される喜びがあることは理解している。その一方で女だからこそ、男性から俺でもイケる女だと思われる鬱陶しさ、舐めんなと思う悔しさも理解している。 主人公両方に共感出来る部分が多々あったが、2人の関係性の結末には、2人の未来に期待し過ぎなのでは??と思えた。

    2
    投稿日: 2024.06.05
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    とても読みやすくて気付いたらあっという間に終わってしまった!!淡々としていてそれでいてリアルで、女性の生きづらさや生きやすさ、辛さや楽しさを2人の登場人物を通じて私たちに痛感させてくれる物語でした。久々に1日で本を読み切った!!!

    1
    投稿日: 2024.05.30
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    るり子のキャラクターがたまらない。 解説で江國香織さんが言及しているように、女のダンディズムを貫いている。 女の子に人気があって、男の子に全然モテない女の子が、世の中でいちばん不幸なの 女が得に決まってるじゃない。生まれ変わっても、私は絶対女だわ。女でなきゃ、生きてる意味がない 絶対になれないものに、無欲の人間がある。そんなのになったら、自分は死んだも同然だ。 こんなぶっ飛んだ女に嫌われる女、るり子に彼氏を横取りされても親友で居続ける、萌の女っぷりもまた見どころだ。 最後の展開はこの2人だからこそ描ける未来かもしれない。 I love these strong women. I hope they get their happiness in the future even though it will not be an ordinary shape.

    17
    投稿日: 2024.05.18
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    2004年(発出2001年) 331ページ 第126回直木賞受賞作です。 著者の唯川恵さんは、若い頃にコバルト文庫で作家買いしていた小説家です。やさしい雰囲気の恋愛小説が大好きで新刊が出ると買っていた記憶があります。小説をめったに読まなくなっていた時期に直木賞受賞のニュースを見て、ジュニア向けから大人の小説へシフトしてたんだなあ、と思いました。久々の唯川恵さんでしたが、読みやすさは変わらず、軽快なテンポで物語が進んでいきました。 対照的な2人の女性、るり子と萌は5歳の頃からの腐れ縁。るり子はまさに『女の敵』という表現がピッタリの女性。わがままで強欲。自分の欲しいものは手に入れないと気が済まない。『女』という自分の武器を最大限に駆使して他の女から奪った男は数知れず。対する萌は、普通に常識的な女性。 しかし、るり子の3回目となる結婚相手の男性はなんと萌の元カレ。その3回目のるり子の結婚式のシーンから物語はスタートします。 私は萌タイプなので、るり子には最初反感を抱きました。萌の視点に立ち、るり子を腹立たしく思いました。しかし、あまりにもるり子が一貫性のある突き抜けた性格だったので、最後の方はるり子に好感を抱いてしまったほどです。るり子にも共感できる部分はあります。こと恋愛に関しては、好きな相手に可愛く思われたい、家庭的なふりしたり、一生懸命おしゃれして相手に気に入られようと努力するのは一緒だな、と過去の自分を振り返りました。痛い。一方の萌の方は、なんかわかりにくいと思ってしまいました。他人も自分も信頼できない萌に思うところは、いくら幼なじみでも、彼氏を盗られたら絶縁するでしょ! で、最後の萌の決断がぶっ飛んでいるが、おいおい、ちゃんと高校生に避妊を教えてあげなさい、とツッコミたくなったのでした。 対比されている2人の生きざまと読後感のよい結び方。2人とも強い女性でしたね。おもしろいお話でした。

    17
    投稿日: 2024.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞の作品らしい。 おぉこんな内容だったか! JKが好きな唯川さん×直木賞ということで、読んでみる。 しかもドラマやってた気がして、期待して読む。 すごい女がいた! るり子、私の周りににはいなかったなぁ。でも、萌のような子もいなかったなぁ。 それぞれが、すごく魅力的。 自分の行動に自信を持っていること、27歳にして後悔のないような生き方をしていること。言い切るって難しい。でもこの2人は行動も選択も迷いがないことに、すがすがしい感じがする。あとがきに、江國さんが唯川さんの作品を“梨”の筆と言っていた。“あるのまみずみずしさと、さくさくとした歯ざわりの良さ”と書いている。まさに!!! 読み応え(噛み応え?)抜群だった。 P206 「後悔するかどうかは私が決めることよ。」 P304 「それにね、私は自分が幸せになれないなんてどうしても思えないの。だって私、いつだって幸せになるために一生懸命だもの。人生を投げたりしないもの。頑張ってるもの。そんな私が、幸せになれないわけないじゃない。」 3回結婚して、3回離婚して、結婚で私が幸せになることしか考えていない、女の武器を誇らしくかざするり子を、かっこいいと思うなんて!!! でも、生き方に筋が通ってて好きだなぁと思った。

    4
    投稿日: 2024.03.05
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    間反対の2人の女性を描いていたら、結局のところ2人とも同じ感じに収まっていて面白かった。 ルートは違えど自由に生きる女性の形を表していて面白いかった。

    2
    投稿日: 2024.03.01
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    「女はいつだって女であるということですでに共犯者だ」 「男が結婚しているという事実は、どこか安心感をつれてくる。」 唯川恵さんの小説で出てくるこのようなアフォリズムは、小説を手にするたびにどのようなことがあるのだろうとワクワクしてみます。ただ私が未熟者なので、納得!とまではなりません。ただそんなことを考えれるレディーになりたいって思います笑。

    2
    投稿日: 2024.02.28
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    私の身の回りには起こり得ない刺激的なお話だったけど、こうも自分を持ってるるり子がかっこよかった。でも実際にるり子が居たら嫌いなタイプ、って部類に入れてたなきっと。笑 世の中にはいろんな人がいて、いろんな生き方があって、歳を重ねる度にそれを重々と感じる。そう思うと世界が大きく大きく見える。自分なんてちっぽけなんだって思う。でもそんなちっぽけな人生、自分が愛さなくっちゃ、とも思う。

    2
    投稿日: 2024.02.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『恋は単に人生の+aなのかそれ以上の価値をもたらすのか』るり子も萌も自分と似ている部分だったり、ぜんぜん違う部分があったりして、共感しながらもこんな生き方もあるんだなあと当たり前ながら一人ひとりに人生があることを実感した。 最後、るり子と萌が一緒に暮らすことになったとき、とても幸せな気持ちになった。途中先の見えない不安な場面もあったがよく考えたら大切な人はずっとそばにいてそれってすごく貴重なことだったんだなと思った。きっと二人ならどんな困難も乗り越えていける素敵な家族になるんだろうなあと思った。

    2
    投稿日: 2024.02.20
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    終わりが綺麗。未来へ希望が持てた。 最近読んだ中で1番。最初はゴールが見えなくて読み続けるか迷ったが読んでいるうちに物語に惹き込まれて人生の中で大事なものって?などいろんなことを考えさせられた。

    2
    投稿日: 2024.02.16
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    恋愛小説だけどそれだけじゃない!! 性格が真反対な萌とるり子の生き様がすごい好き!女だからなんだって強く生きたい気持ちと女ということを武器に生きてやろうって気持ち、どちらにも傾くことがあるから、この2人をみているとどっちだって間違いじゃないんだって思える! 女であるという時点で既に共犯者。みんな仲間でみんな敵。みんな欲望に忠実でそれはつまり何も欲してない。生きるっておもろいやんっ!って思える作品だった。一気読み間違いなし!

    13
    投稿日: 2024.02.10
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    女として弱さを抱えてもなお、冷ややかに、強かに生きていく方法が するっと入ってくる用に書かれている るり子を見ても、萌えを見てもどちらも凄くかっこいい それでしか得られない安心感を肩足立じゃなくて、両足でたって、自分の人生を仁王立ちで決めたい 27まであと4年、、少ししかない 一気読み面白かった〜

    3
    投稿日: 2024.01.15
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    ドキドキして刺激的で一気読みしました。 るり子だけじゃなくて、私にとっては萌も刺激的な人で十分、女性って感じがしました ひとりの食事は、食べ方を下品にする この言葉なヒヤッとして、 グッと刺さりました

    3
    投稿日: 2023.12.26
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    軽快に書かれているけれど、何か真理をついてくるような恋愛小説、かな。 27歳の二人の女性は、5歳からの付き合い。美人で強欲なるり子、自由に生きる為の3回目の結婚。きちんと自分で生きたい、自分さえ信じられない萌。とうてい合わないそうな二人だけれど、どこか依存し合う。 対象的な二人の恋愛。 るり子に語らせる、女として生きる人生観が、激しい。わがままを通す方が、我慢するより難しい。聞き分けの良い女は、癖者。なるほど。耳が痛いところ。 そこに、新宿2丁目界隈の男性陣が、彼らの性別関係ない恋愛観を語ってくる。真理をついてくる。 るり子は、最後まで自分を貫き、彼女の美学を認めさせてしまう。 直木賞としては、カジュアルな感じはするけれど、 自分の幸せを追う痛快さがありました。

    71
    投稿日: 2023.11.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    るり子の性格が物語の終わりと始まりでまったく変わっていなくてよかった。こういう小説は大体主人公の性格や考え方が変わり、「新しい自分」で未来へ歩む が多い気がするが、るり子は、「自分は美しいしモテるし幸せになる未来しか見えない」という考えを改めなかった。 めちゃくちゃな考えだとは思わなかった。るり子がそんな考え方ができるのは、両親の影響もあるからだと思うがやはり萌がいるからだと思う。 るり子が暴走するとそれを止めてくれるのは萌。常識的なのも萌。るりこの歯止めをするのは萌であって、るり子も萌がいるからこそ好き勝手振る舞えるのではと思った。 るり子と萌の関係はすごくいいと思った。女の友情は、時には嫉妬や友情以外の感情が芽生えることもあるが、やはりいいなと思った。

    6
    投稿日: 2023.10.09
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    「幸せってなんだろう…」この本を読む中で何度も考えました。 性格も価値観も違う、るり子と萌。だけど、どっちの考えも納得出来ました。 この本はジェンダーや偏見を見直すきっかけにもなるなと思いました。

    4
    投稿日: 2023.08.19
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    久しぶりに読んでいてスカッとして、でも同時に心がほっこりする本でした。 るり子は自分が一番大事で、周りからは嫌われるタイプだけど、それをものともせず、自分の人生の一本道を迷うことなく進む信念をもっている。 ここで登場する人たちは何かしら譲れない信念をもっていて、私もしっかりと自分で責任をもてる人生を自分で選んで、つくっていきたい、いかなきゃな、と思いました。

    5
    投稿日: 2023.08.06
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    対照的な2人、るり子と萌。性格も考え方も正反対、幼なじみの27歳、親友同士。結婚3回目のるり子は、結婚をするともう相手に対する興味が薄れていくし、親友の萌の相手が欲しくなり、実際、3回目の旦那さんは、萌の恋人だった男。かたや、萌は、好きになったとしても、いざ結婚となるとそこまでの想像ができないというか、縛られたくない恋愛が心地よいタイプ。萌は、輸入代行の会社で働いているが残業して帰ろうとした時にアルバイトで来ていた秋山崇と知り合う。大学1年生と言っていたが、実は、高校一年年で家出中。萌が付き合っている妻帯者、柿崎、柿崎の同級生で新宿二丁目のゲイバーのマスター、文ちゃん、ゲイ誌専門の本屋オーナーのリョウ。色々なメンツが萌とるり子のまわりに。自分は綺麗だと、人生は何度もリセットできて、特に男なんて簡単に、と思っていたるり子。3度目の離婚後に結婚前に登録していた人材派遣会社に出向いたら受付や秘書は、若い女性が望まれていて資格もないるり子には巣鴨の青果市場しか紹介できないと自分より三歳は若い係員の女性に言われる。腹立たしさが収まらず、昔の男に電話をかけまくるがたったひとりの男も呼び出すことができないという現実。わがままで傲慢で自惚れの固まりみたいな女だけど萌は不愉快だと思ったことは一度もない、あからさまな欲求を少しも照れたりせず、堂々と主張するところがむしろ形ばかりの謙虚なセリフを口走る殉勝な女よりもいいと。一方、萌もある決断を誰にも相談することもなく、くだす。 女のダンディズムを描いたというが、女、女してるかと思ったるり子も、男なんて、別にっていう萌もどちらも気持ちがいいくらい、さばさばっとしてて前を向いている生き方が、まさしくダンディズムなんだろうなぁー。2人の人生に乾杯したくなる。

    3
    投稿日: 2023.06.14
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    読み友さんの絶賛高評価がなかったら、序盤で本を放り出してしたかもしれない。 女を「ウリ」にして生きている、るり子。女の風上にもおけないo(`ω´ )o 一方の萌は、るり子と正反対の女性として設定されているけど同類では⁈ 「寝た男」を共有するなんて、下品極まりない。それでも親友というのか⁈ と、ムカつき、本当に直木賞受賞作品⁈と、疑った。 が、読み進めていくと、女性の人生観、価値観を見直す展開が待ち受けていた。女は自分の年表を持っている、と聞いたことがある。どんどん前に進む勇気に乾杯!

    15
    投稿日: 2023.06.09
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    最初読み進める気が起きなくて、無理かもなって感じていたけど、会話のテンポ感とか、終わり方がすごい好きだった。清々しい気持ちになった。 るり子が発する言葉がところどころ的を得ていて、確かになぁ〜って思うこともあったり。

    1
    投稿日: 2023.05.17
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    幼馴染で腐れ縁の対照的な2人の話 男と金とブランド大好きなるり子と男を信用しない現実主義な萌。全く考え方が違うけど、特に萌の本当はみんな心の奥底ではるり子の用に生きたいけど それを恐れてるっていうのが凄く共感できる。自分も萌側の人間だな〜 "結局萌って自分が1番大事なんだね"と言うセリフに当たり前やん?!って思ってしまうあたりが私も萌え側の人間。どうしても自分が第一になってしまうから自分本位な恋愛しかできない。 るり子はぶっ飛んでるし本当に女から嫌われるタイプだと思うけどどこまでも自分の幸せのためなら強欲になれるのがかっこいい。さもそれが当然かのように 恋愛小説のような友情や家族小説のようなものだった!女性に凄く勧めたいし恋愛とか女子でいることに疲れたら思い返して読みたい。 るり子が理想を話してる時に現実見なさいよって言われた後の返答が凄く印象に残った。 気付いたらいろんなことを我慢して、それが大人になるということで社会で生きていくということで、だんだんつまらない大人になっていく。私も昔より臆病になったな〜って。最初はなんて嫌な女だと思ったのに、るり子のセリフが刺さる 他の人からすれば頑張ってない、いい加減だと思われるようなるり子だけど、彼女は自分に素直で自分の気持ちを1番大事にしてて、だから憎めない。 世間体や周りの意見を気にしないで生きていく2人がとにかくかっこいい。側から見たら結局2人ともよく思われない結末だけどそれでいいんだと。 他の登場キャラも結局恋人にならない結末だったのが"肩越しの恋人"の生き方に繋がってるのかな、、、?? "女を武器だと思う女"と"女を弱味だと思う女" 今の時代でもどっちの意見も共感できるし、まだまだこういう話はたくさんある。

    1
    投稿日: 2023.04.23
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    るり子が変わっていく様が良かった。特に人を愛することに喜びを得たこと。一見、非現実的な考え方を持っていたり、その楽観さから周りを呆れさせる彼女。しかし、何が起こるかわからない人生を悲観せずに明るい未来を信じて今を生きるるり子はカッコいいと思う。

    0
    投稿日: 2023.03.31
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    るり子、萌、二人とも強くてかっこいい。 るり子ははじめ好きになれなかったけど、自分を貫き通す様が素敵だった。

    0
    投稿日: 2023.02.15
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    欲しいものは欲しい、結婚3回目の女「るり子」。仕事も恋にものめりこめないクールな理屈屋「萌」。性格も考え方も正反対だけど二人は親友同士、幼なじみの27歳。この対照的な二人が恋と友情を通してそれぞれに模索する“幸せ”のかたちとは―。女の本音と日常をリアルに写して痛快、貪欲にひたむきに生きる姿が爽快。圧倒的な共感を集めた第126回(2001年下半期)直木賞受賞作。 米倉涼子と高岡早紀の出演によるドラマも放送された。 この作品のタイトル「肩ごしの恋人」とは、「『恋愛』を正面に見据えた生き方より、自分が目指す目標に向かって突き進んで生きていく中で、気が付くと肩ごしに恋人が見える生き方の方が幸せになれる」という意味がこめられている。 アフォリズムが適度にちりばめられている。 アフォリズムが心地いい。講釈垂れず、女がどうだの結婚やらセックスがどうだのとさらっとした言い切り文句は、聞き入れても聞き入れなくてもどちらでも気が楽だ。自分くらい自分の人生のために行動しなければ、と改めて心に言い聞かせる。

    3
    投稿日: 2023.02.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    るり子と萌、正反対な2人だけど2人とも素敵な女性だった。 2人とも方向性は違うけどとても強い女性でかっこいい。 登場人物もみんな魅力的だった。強いて言うなら信之がしょうもない人間だと思っちゃったけど、多分こんな人の方が圧倒的多数なんだろうな。 スッキリする本でした。

    0
    投稿日: 2023.02.04
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    結婚、そしてその先にあるっぽい子供、そして仕事、友情。いろんなことに悩む私に、今のあなたにオススメだよと友達がオススメしてくれた本。 腐れ縁の友情と、仕事に振り回されながら、いびつな関係からのシングルマザーを心からの満足で選ぶ女性の話。 これくらい、日常的に、ライトに、あまり深刻に人生を深読みしすぎず受けとめていけるのが、良いのかもです。 日常から少し離れたハワイ旅行中に読んだことも、きっととても良かったです。

    1
    投稿日: 2023.01.28
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    今っぽい!今って,こういう人たくさんいるんだろうって思いました。20年くらい前の初版とは思えない。当時読んでたら、今ほどおもしろく読めなかったかも。

    3
    投稿日: 2023.01.12
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    言ってることはかなり踏み込んだ話だったりするのに、サバサバしているからか、スッと入ってくる。登場人物に感情移入しがちな私でもあんまり感情移入せずに、良い意味で客観的に読めた。どう生きるのが正しいのかなんてわかんないよねっていうある種の諦めと、それでも自分のやりたいようにやろうっていう強さが印象的だった。

    0
    投稿日: 2023.01.03
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    あっけからんと、サバサバと、淡々と物語が進んでいき、小気味いい。 周りにるり子みたいな人がいたら自分はどう関わっていくのだろうか

    0
    投稿日: 2022.10.28
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    共感出来るようで、やっぱり出来ないなー 周囲を気にせず、自分の好きな生き方をする。 るり子の生き様は、ちょっと昔の男性像そのもの。 好きな人との間にできた子供を、相手に知られずに産み育てるというのも、どうしても貧しかった日本の女性像に重なってしまうな。 媚びない強かな女性には憧れるけど。意固地になるより、今はもう少し柔軟な生き方というか、選択肢があるような。

    0
    投稿日: 2022.10.19
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    個人的にすごく面白くてサクサク読めた。 共感できる言葉も沢山あった。 るり子と萌で言えば自分は萌よりなんだろうけどるり子でも共感するところがあった。 まず、るり子のわがままを通す方が我慢するよりずっと難しいことであるって話。その通りだなーと思ってしまう。わがままを通すって難しい、、、自分的にはわがままは通す側なんだけど昔は、わがままを言うことであいてがどう思うかなと考えていた。例えば、どこ行きたい?とか何食べたい?とか。私は、それに対して毎回分からないと答えていたそれは相手が私が食べたいものを食べなくなかったら相手のやりたい事が出来なくて可哀想じゃないかな?と思ってしまう。でもそれは自分が我慢すればいいって考え方から来ていて相手がめちゃ自己中じゃない限り相手はその質問してきてる時点で私が食べたいものを一緒に食べたいって意図なんだろう。というかそういう関係でありたい。正直でありたい気を使う関係がすごくやだ。お互いがそれで認知してたい。 あと萌の食べ方が綺麗だと惹かれるという話。それはベットの上と食べ方は比例しているらしい。でもそれは確かにそうなのかな?その考え方がすごく好きだった。人が食べてる姿をそういう目線でみれるって素敵。 あと、るり子が萌に対して萌って1番大事なの自分だよねっていってて、恋をしてる時男の前で頭をクルクルパーにできないってはなし。これもすごく共感した。絶対自分もそうだから。萌と同じだった。私は、恋をしていても自分を大切にしないとって気持ちが多くなってしまって相手にのめりこめない。どうしても自分本位になってしまう。それは自分を大切にしているのかもだけど人を本気で好きになれない。 この話を読んで、全然違うふたりの生き方を見れてすごく面白かった。そして、実際出てくる男の人の中では柿崎?さんがすごく魅力的だった。 でも結末は納得できなかった。私は心のどこかで真っ当な結婚を求めているから、結婚せずに不思議な形で終わる結末いわゆる当たり前のハッピーエンドじゃない結末に納得できないのかもしれない。ただ終わり方はやるせなかった。

    1
    投稿日: 2022.10.06
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    この物語を通して、特にるり子の考え方に凄く惹きつけられました。 いつでも真っ直ぐ、自分に正直で、批判も気にせず揺るぎない信念を持つ… 正直ここまで我が強いと、人付き合いは相当難しいと思います。ただ、それでも実際に関係を持つと案外面白いかもしれないと思う自分もいます。 自分が幸せになることを信じて疑わないことは決して傲慢ではないと私は思います。幸せになるためにすぐ行動し、ダイレクトにぶつかっていく… この姿勢こそが、るり子の魅力にも繋がっているのだと感じました。 作品中では、登場人物それぞれが求める生き方が互いの関係性の中で見えてきました。 私も変化を恐れず、向き合っていこうと思えたし、起こった出来事をどう捉え、次の行動に繋げていくかは自分次第だなと改めて認識できた気がしています。 自分の人生を生きる中で、肩越しに恋人が見える… 凄くいい表現だし、胸の中にしまってこれからの人生を生きていこうと思います。

    3
    投稿日: 2022.08.18
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    こんな結末には納得いかへんけど、この人の恋愛における語彙力とか描写がめちゃくちゃ好き 価値観が斜め上すぎて、会話にもはやユーモアすら感じて、笑っちゃうシーンもあったな〜

    0
    投稿日: 2022.07.05
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    年齢とともに体力や見た目が老いていくことに対する不安のような感情を最近抱いていたため、るり子のストーリーにすごく感情移入した。 全体的には読みづらさがなくユーモラスで、唯川恵さんの他の作品も読んでみたいと思えた。

    0
    投稿日: 2022.06.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分には絶対にできない選択だけど、萌の気持ちも分からなくはない。萌にとって、少年は本当に素敵な人だったんだろうな

    0
    投稿日: 2022.06.17
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    なんとも言えない気持ち。 登場人物の心理描写がない(共感性がない)ので、こんな感想しか抱けず。 るり子みたいな女の子いるけど、なぜ萌が友達を続けてるのか?合わなすぎてモヤモヤ。萌がなよなよしてて断れない性格だとか、るり子が女の目を気にせず生きる様がおもしろい、とかであれば納得するんだけど。

    0
    投稿日: 2022.06.09
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    るり子に全く同情できなかった 自信満々で謙虚って言葉知らないんだなって感じだけど、その分自分に磨きをかけてるところは純粋にすごい

    1
    投稿日: 2022.05.25
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    登場人物のクセの強さも最後の展開も衝撃的。 私には共感できるような内容では無かったけど、印象に残ってる。

    0
    投稿日: 2022.05.25
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    早く読み終えればイイってもんじゃない。けどこの本はそんなこと考える暇を与えなかった。男と女。女と男。男と男。女と女。

    0
    投稿日: 2022.05.17
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    男に幸せにされたい女、るり子と 自立して生きていきたい女、萌の 友情とたくましい人生の話。 外から見ると強い女は萌なんだろうけど、 自分にとっての幸せってなにか、とか、 何が欲しくてそのために何を捨てられるか、 とかってことを知っていて、 確固たる信念というか、哲学を持っている るり子こそ真に最強という感じだった。 男に幸せにされたいというより、 自分の幸せには男という要素が必要で、 必要条件を満たしてくれる男を選んで 利用している感じにも見えたりした。 最後の恋をのぞいて。 2人とも逆ベクトルで我が強いから、 あんまり世渡りは上手じゃなくて、 彼女らの人生はなかなかハードモードだ。 でもへこまず、くさらず、 ひたむきに前を向いて歩みを進めていく姿は まぶしい。 正反対の2人のあっけらかんとした間柄も素敵だ。 形が違うからこそぴったりはまるパズルみたいに、 自然に補完しあっている。 ラスト、2人は相当イバラの道を歩く 決心をするけど、 そういうこわい道を選び取れるのも、 「こいつだけはきっと何があっても」 って思える人がいるからなんじゃないだろうか。 世間に迎合してまるくなっちまった 無害な我々に刺さるかも。まぶしいなあ。

    0
    投稿日: 2022.05.15
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    友達なのに同じ男と寝る、ことに何とも思わない感性が自分にはなかったのでなるほど。自分はどちらかといえば萌の性格に似てるかな、るり子のような友達がいたら楽しそう。私にとっては彼女たちは大人だなあ。

    0
    投稿日: 2022.04.15
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    性に積極的で女を100%楽しむ勝負師がお送りする恋愛小説って初めて読んだかも。 全体的に時代を感じた…2000年代ってたしかにこんな感じだったかも。 エネルギッシュですごい。私はスキンケアとかファッションとか楽しんでる方だと思ってたけどまだまだだなと思った。 主人公は男に愛されるためとか色々信念があったけどそれはそうだね。と思うことばかりでうるさくてめんどくさいけど嫌いにはならなかった。 近くにいたら逃げるけど。とんでもないメンヘラです。

    0
    投稿日: 2022.04.09
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    雑誌連載時のタイトルは「シュガーコート」。幼稚園の頃から幼なじみの2人の女たちの、シュガーコーティングされた、甘い甘い、そしてひたすらダンディでハードボイルドな恋の物語。 欲望に誠実で、欲しいものはなんでも手に入れるるり子。何事にもクールで理屈屋な萌。 るり子の、一見するとただのお馬鹿な女の子のようでいて、実はしっかり芯の通った所が好きだ。美しくて、ちょっとお馬鹿で、ちゃっかりした女の子。男性からただただ愛され庇護されるべき女の子。そんな女の子であるためならばどんな努力も欠かさない。 ハードボイルドすぎる。可愛い女の子のダンディズム。 欲しいものは全部手に入れる。そして自分の持ち物は誰もが羨む。そうでなければならない。 それなのに。 そんなプライドを傷付けられて自棄になるるり子を居候の高校生の崇が慰めるシーンがよかった。はっとした。 “るり子さんは今、抱かれたいんじゃないと思うな。きっと、抱きしめられたいんだ。” “そこを間違えると、とんでもないことになる。僕はるり子さんを抱けないけど、抱きしめることはできるよ。ほらね。”(p207) * 物語は淡々とした語り口で進んでいく。結婚も、退職も、浮気現場の発見も、離婚も、妊娠も。 重い話題も、楽しいことも、大変なことも、悲しい話題も、嬉しい出来事も。 そうやって2人は幼い頃から沢山の恋と愛を経験してきたのだろうと思う。 ゲイの男性という、一筋縄では手に入らなさそうなものを追い求めるるり子の頑固さが愛しい。 後悔などするはずがないという萌の清々しさが愛しい。

    0
    投稿日: 2022.03.21
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    恋愛がテーマのものなのにとても読みやすい本だった。作者の価値観がにじむ言葉も嫌味にならず、成人をとうに過ぎたのに自分が男か女かも分からず、人を愛する気持ちも分からない今の私の心に沁みた。 「女であることを武器にする女」と「女であることを弱みと思う女」。二分される正反対の女の周りを取り巻く様々な男たち。皆が物語の中で生きていて、絶えず変化していく様子がよく描かれている。恋愛ものの作品は避けていたが、作者の他の作品も積極的に読んでみたいと思った。

    0
    投稿日: 2022.03.09
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    直木賞受賞作ということで読んでみた。初っ端から男女のあれこれの話題ばかり、万人には勧められないなぁと思いつつも、自分とは全く違う奔放な「るり子」に次第に惹かれていき、もう一人の主人公「萌」にも魅力を感じ始めて、最後まで一気に読んでしまった。読後感も悪くない。

    0
    投稿日: 2022.03.04
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    考え方も生き方も正反対の親友、るり子と萌の話。 困惑したり罵倒したりしながらでも、自分で自分の人生切り開こうとしてる2人がたくましい。 幸せになることに一生懸命になるって、簡単そうで難しい。自分の人生に前向きに生きるための活力を貰える本だと思う。

    3
    投稿日: 2022.02.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    るり子のキャラクターが良くて、読み始め面白くなりそうだったのに、萌も同じくらい変な人でなんか似たもの同士というか…るり子が霞む… 最終的にもるり子は自分の芯は変わらずに持ちつつ成長していて良かったけれど、萌はなんか考え方もしてることも一貫して気持ち悪くて何じゃそりゃという印象でした。 何故これが賞をとったのか本気でわかりかねます。

    0
    投稿日: 2022.01.20
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    著者、唯川恵さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 唯川 恵(ゆいかわ けい、1955年2月1日 - )は、日本の小説家である。本名は宮武泰子。 で、今回手にした作品、『肩ごしの恋人』の内容は、次のとおり。(コピペです) 欲しいものは欲しい、結婚3回目、自称鮫科の女「るり子」。仕事も恋にものめりこめないクールな理屈屋「萌」。性格も考え方も正反対だけど二人は親友同士、幼なじみの27歳。この対照的な二人が恋と友情を通してそれぞれに模索する"幸せ"のかたちとは-。女の本音と日常をリアルに写して痛快、貪欲にひたむきに生きる姿が爽快。圧倒的な共感を集めた直木賞受賞作。 この作品は、恋愛小説になると思います。 恋愛小説はあまり読んだことがありませんが、時には読むのも良いかなと思い始めました。 最近は、複雑な展開のミステリーにはついていけず、ミステリー読者を引退しようかと思っているところ。 そのかわりと言っては何ですが、恋愛小説は良いかもしれません。 ●2022年12月15日、追記。 著者は、山本文緒さんと親交があったようだ。 ともに、軽井沢町に居住していた、とのこと。 また、ともに、直木賞を受賞をされているとのこと。

    10
    投稿日: 2022.01.08
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    淡々とあっけらかんとした小説。 萌もるり子も自分とは全然タイプが違うのでなかなか共感はしづらかったものの、るり子の「幸せになるために一生懸命だもの」というセリフは素敵でした。女性というのは社会で活躍するのに障壁が多かったり、美しさや若さという価値で見られることが多かったり、正直生きづらいと感じることが多いですが… 自分が自分として幸せでいられるよう一生懸命になることからまずは始めてみようと思います。

    0
    投稿日: 2021.12.28
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    るり子や萌のようなドラマちっく?な女っているのかなぁ?私の周りにいないように思うけど。 だけど微妙な年頃のるり子と萌が悩んだり怒ったり不安になったり…そんな気持ちは理解できる。なまじ経験を積んでから生きる道を決めるのは難しいのかもしれない。 人生には勢いって事も必要なのかも。

    9
    投稿日: 2021.11.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「おすすめの恋愛小説」として、いろいろなランキングで紹介されている作品です。 「男に愛される、美しい自分」を誇りに思い、同性からどのように見られようとも自分自身の「幸せ」を追求することをいとわないるり子と、幼少期からるり子に振り回されながら、自分自身の感情でさえも客観的に見つめようとする萌。 二人の女性の視点で描かれる「恋愛」についての物語は、実際の日常生活でもありそうなものばかりで、一息によみきってしまいました。 社会人となって、自分の思うとおりに行かないことも多かったり、思いを寄せた人が既婚者だったり、逆に夫に浮気されていたり。 それでも、自分なりの生活の中で、幸せを探して生きてゆくしかない、そんな今を生きる読者に勇気を与えてくれる、よい読後感の物語です。 特に、ゲイバーのマスター「文ちゃん」と、常連客の「リョウ」と対話する中で見えてきた、るり子の「哲学」はとてもすがすがしく、自分にとって幸せなことは何かを自分なりに考えてその達成のために努力し続ける姿には尊敬の念を抱きます。

    1
    投稿日: 2021.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    貪欲で幸せになるためなら手段を選ばない「るり子」の言動や生き方には心を揺さぶられました。 すごく痛いところを突いていて、読みながら項垂れてしまうこともしばしば・・・笑 「本当はみんな知っているはずだ。わがままを通す方が、我慢するよりずっと難しいということを。だからみんな我慢の方を選ぶ。それは、楽して相手に好かれようと思っているからだ。」 という文章は、自分のために書かれた文章なんじゃないかと錯覚すらしてしまいました。

    1
    投稿日: 2021.09.16
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    『いいこと教えてあげる。女の子に人気があって、男の子に全然モテない女の子が、世の中で一番不幸なの。』

    0
    投稿日: 2021.09.16
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    直木賞受賞作。 幼なじみの早坂萌と青木るり子。二人はなんだかんだいいながら、『二年に一回ぐらいは大喧嘩をするのだが、結局、また元に戻ってしまう。』仲だ。 るり子は美人なのだが、きまぐれで、うぬぼれ家で、浅はかで、おまけに欲が深くて、自分が一番大好きな女。ほんとうに正直で馬鹿な女性。 一方、萌はその人となりを知っていながら、小さい時からるり子の騎士役を演じてきた。 萌は気に入ってしまいそうなものを見つけた時、必ずいちゃもん着けたくなるちょっとひねくれたところもあるが、しっかりもので、ものを考える得る女性である。読み進んでいくとヒロインとわかるが。 プロローグはるり子の三回目の結婚披露宴。 花婿が萌の元恋人で、その披露宴がお開きの後、萌は招待されていたるり子の元恋人とホテルへ行くなどという展開。 なんだ、なんだ、これは!と初めは思った。 向き合って恋をしていないという点では似たものの仲良しが、どういう仕儀になっていくか思わず固唾をのんで、怒濤のように読んでしまった物語というのが本音。 ピリッとしたものがある唯川さん作品だと思う。 私はいままで唯川さんの作品がどうしても若い女性の傲慢なところを擁護し過ぎているなーというか、やさしく包んでいるなーという気がしていたから。もちろん、女性の感性、姿態を捉えているという点でだが。

    0
    投稿日: 2021.09.14
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    るり子は芯があって潔くて見てて気持ちいいから好きだし、萌も冷たさの中に優しさがあって惚れ惚れしちゃうし、崇なんてもう私の家にも居候してほしい!とにかく登場人物も物語のテンポも全部が好き

    0
    投稿日: 2021.08.14
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    主人公のるり子は最初はとにかく腹が立つ嫌な女というのが印象。笑 ストーリーを読み進めていくうちにスカッとする程自信に満ち溢れて、少し羨ましいくらい。 よくあんな主人公と友達でいられるなぁと思っていたがそんな主人公だからこそ気を使わないでいられる気がする。 話自体はとてもスラスラ読める本でしたが、序盤のイライラ感があったので星4つ。笑 これも作者の策略なのか。。。

    0
    投稿日: 2021.07.16
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    イマイチ共感出来ず…でした。 多分彼女達の様な方々はたくさん居ますし知ってますが好きな様にやったらいいんじゃない…と思う。 シングルマザーを選ぶのには嫌悪感しかなかったし、何か自分の生き様に酔ってるのかな、と思えてしまう。

    0
    投稿日: 2021.06.06
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    最初は主人公たちに共感できず、?の連続だったけれど、読みすすめるうち、いつの間にか彼女たちのキャラクターや言葉がするする入ってきた。読了後主人公たちにエールを送りたいような清々しい気持ちになった

    0
    投稿日: 2021.03.15
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    何がきっかけになったのか全然思い出せないけれどもともかく再読、★2.5です。 さらさらっと読めるという絶対的な強さはありますが、内容はトレンディドラマの行き着く先みたいな感じがしなくもなく。不穏な、不安定な機微はここには無いなと思います、正直に。 直木賞かと言われるとそうなの?でもあり、こういうものかも、とも言え、まぁ要するに可もなく不可もなくということです。

    1
    投稿日: 2021.02.07
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    途中まで登場人物の誰も好きになれなくて、 不愉快というかなんというか なんとも言えない気持ちで読んだ。 読み終わったらみんな嫌いじゃなくなってた。 不思議。

    5
    投稿日: 2021.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    るり子と萌と、生き方はまるで違うけど、同じだけかっこよかった。るり子の、人の男がほしくて絶対略奪しちゃう姿勢には賛同しかねるけど(笑)、幸せになるための努力を怠らないことが他人から見てどんなに輝いて見えるかがよくわかったし、そうなろうと思った。最初は、よくある恋愛小説なのかなーと思ってサクサク読み始めたけど、気持ちの良いラストだった。働き始めてそう長くなく、自分の人生がどっちに振れるのかも想像がついていないけれど、どんな気持ちで生きて行ったらいいのかおしえてもらえた。 月下美人って、一晩しか咲かないんだ、知らなかったー!

    1
    投稿日: 2021.01.19
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    30代のうちに読んでおきたい本というくくりで紹介されていたので読んでみました。 るり子のようなTheバカ女を、なぜ萌が見捨て切れないのか…と思いながら読み進めた。 けれど、最終的には萌と同じように、るり子の振り切った感じ、ブレない感じが清々しいと思えた。 でも結局 萌も女であること、子供を産むことに幸せを感じたのかと思うとなんとも言えないというか…

    1
    投稿日: 2021.01.10
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    唯川恵 著「肩ごしの恋人」、2001.9発行。結婚3回目、超美人だがぐーたらで、わがままで傲慢で自惚れの固まりみたいな青木るり子27歳、るり子と5歳からの腐れ縁で、お人好しの早坂萌27歳、心臓外科の継父と美人の母親の息子で、15歳高一の秋山崇。るり子は夫の元から逃げ出し、崇は家出をし、萌の1LDKで3人が共同生活を。その間の人間模様を描いた作品。面白いようでもあり、それほどでもない感じも・・・。2001年直木賞受賞作品だそうです。

    0
    投稿日: 2020.09.30
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    萌、るり子。幼なじみの2人の対比が面白かった。そして、2人と関わる人物たちも。どんなラストになるのか、最後の最後まで分からなかった所も魅力的だった。

    0
    投稿日: 2020.09.06
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    テンポがよいので一気に読むことができました。読みはじめは、るり子みたいな女の人苦手だな、と思いましたが、読み終わる頃には、るり子のことが好きになってました。もう一度読み返したくなります。

    1
    投稿日: 2020.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初は、「なんか、チャラい小説だなぁ・・・、ま、たまにはライトノベルもいいか」と思って読んでいたけど、ただのチャラい小説じゃなかった!読んで良かった~! 27歳の、それぞれ独特の恋愛観を持つ二人の独身女性の物語。二人とも奔放に恋愛をしたり、男性とつきあったり、関係を持った男性についてあれこれ二人で言い合ったり、男をとっただの、とられただの、そういうやりとりが続くので、最初の方はただのチャラい恋愛小説のように思える。 るり子のほうは、自分に自信があって、男ウケがよくてモテる。自分でも自覚していてそれを存分に利用して生きてきて、当然女友達はいなくて唯一の友だちが幼なじみの萌。 萌の方は、モテないわけではないが、かなりドライな恋愛観を持っていて、自分のことも、男性のこともあまり信用出来ず、傷つくことを恐れて深入りしない。るり子の男性関係を、あきれながら見ている。しかし誰よりもるり子を理解している。 るり子が3回目の結婚でもうまくいかず、萌がやっと真剣に恋愛ができるかな・・・という男性と出会い、一人の家出少年が萌の家に転がり込んできたとき、物語が大きく動き出す。そしてただ恋愛小説ではなく、すごく社会性のある物語になって終結する。 つまり、私たちは、「男女が出会って結婚して、子どもを産み育て、幸せな家庭を築く」ということを暗黙の了解で理想とし、多くの人がそれを目指したり、なんとなく将来の自分もその枠にはめてイメージしながらあくせくと働き、その枠に当てはまらなければ人生に負けたような気がしてしまうけど、全然、全然そうじゃなくて、まったく違う生き方が、ありのままの自分を受け入れればすぐ目の前にあるかもしれないということ。これからの社会は、どんな形の家族であれ、みんな幸せになる権利があるのではないかということ。 という、実はとっても社会的メッセージのある小説だった。 著者のねらいがそこにあるかどうかは知らないけど、恋愛小説という形をとって社会的メッセージを最後にどかーんと打ち上げているような印象でした。 ホモでもレズでもバイセクシャルでも、レズじゃないけど女性のカップルとか、一人親とか、結婚しないとかするとか、ホモだけど女の人と一緒にいるとか、もう、なんだって全然大丈夫な感じがする。 私はかなりカタブツな方だけど、お母さんが二人いて子どもを育てる家だって、全然OKだと思えた。型どおりな人生じゃないことが少し切なくても希望がもてる、そんな素敵な物語でした。

    2
    投稿日: 2020.08.25
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    女を武器にして、自分の望みに素直なるり子。 恋にのめり込めない萌。 私は後者だけれど、るり子のように、自分の気持ちに素直に生きてみたいな。 家や家族や結婚や、いろんなものに縛られず、極端だけど何度でも離婚したって、自分の好きなように生きてみたい。

    1
    投稿日: 2020.08.10
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    2019 読了 直木賞受賞作みたい。 そこまでの良さは分からなかった。 再読してみよう。 2020.10.5 再読 最初に読んだ時の印象と全然違う。再読して良かった! 環境が違うと、本を読んだ感想も違ってくる気がする。本って、やっぱり面白い!

    0
    投稿日: 2020.08.10
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    かなりあっけらかんとしている、そんな小説だった。私はるり子という人間がかなり苦手だった。でもきっとそれは私がるり子と少し似ているからかもしれない。 個人的に好きだったセリフは 私いつだって、幸せになるために一生懸命だもの、人生を投げ出したりしないもの。頑張ってるもの。そんな私が幸せになれないわけがないじゃないの。というところだ。 きっとこんな分に生きられたら幾分楽だろうと、そんな風に感じた。 アフォリズムが散りばめられていて、すごく楽しい小説だった。「我慢している女はみんな貧乏くさい顔をしている」

    0
    投稿日: 2020.08.03
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    読みおわった後に前向きになれる作品。マイノリティに対しての表現が一部あってその人の視点や価値観を共有できて、擬似的にもその立場の方の気持ちを理解できた。(物語の本質ではないです。笑)

    0
    投稿日: 2020.07.25
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    くどくどした雰囲気もなく、それでいて美しい修辞で27歳の2人の正反対の女性が鮮やかに描かれている。 解説で江國香織さんが、それを「梨の筆」と評されていたのがとても府に落ちた。本編はもちろん、解説も読みごたえがあり、良い読書体験となった。 2人に対して、共感できる心情もあれば、全く共感できない心情もある。ただ、この本は、そんな2人の心情を垣間見ていくのがとても興味深く、ページをめくる手がなかなか止まらなかった。読み進めるうちに、はじめに抱いた2人のイメージがするする変わっていき、その人間らしさに余計引き込まれた。近い年代であるからこそ、自分は?と省みることもまた興味深かった。 静かに心が明るくなるような本。

    1
    投稿日: 2020.07.13
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    燃え尽きるまで、を読んで唯川恵さんに興味を持って読みました。 なんか、人生って色々やなぁと感じさせられる本でした。強欲で、男にモテるために女として生きてるるり子を見て、あーこんな女いるなぁって思った。よく若いうちが華やでって言われるけど、どんだけ綺麗に着飾ってても若いうちにうまくいったことが三十路にもなるとうまくいかなくなるんやろうな。萌は萌で、嫌なことは嫌ってハッキリ言えて理屈で物事を進めることができても、人生上手くいかんかったりするんよね。かっこいいけど自分には出来んな。2人とも友達にしたくないけど、友達になってみたいような気もする。

    0
    投稿日: 2020.06.29
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    「わがままを通す方が、我慢するよりずっと難しい」 なんとなくこのセリフ、最近わかり始めてきた気がする。 わがままを本気で通せる人ってすごいなって思う。 ちゅうちょしないこと。 優しく、人に好かれようとしても、人に好かれるわけではない。仕事も恋愛もそうなんだろうね、知らんけど。 価値観の違う真逆の二人の生き方で、幸せの定義とか人それぞれでいいんだなと感じられるストーリーでした。 わがままに生きてもいいんだよきっと。

    0
    投稿日: 2020.06.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分ってゆうものをしっかり持った、対照的な2人の話。身近に自分のことを理解してくれる人がおるのって素敵。女のあり方、男と女のあり方って、もうちょっと軽く考えてもいいんかな?今の私には難しいけど

    1
    投稿日: 2020.06.06
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    萌、かっこいいなぁ~ダッシュ(走り出す様) 結局、キレイでカワイイだけの女じゃだめらしい。。。 これからの女性は内面を磨かなければ♪ですね!

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    投稿日: 2020.05.13