【感想】LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる

ケイト・マーフィ, 篠田 真貴子, 松丸 さとみ / 日経BP
(128件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
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  • 聴くことは、学ぶことであり、努力を必要とする

    つまるところ人生において、私たちが求めているのは、人を理解し自分を理解してもらうことに尽きる。
    これを実現するためには聴くという行為をおいて他にない。
    それなのに我々は急ぎすぎ、意識的にじっくり「聴く」時間をつくるのを面倒だと感じてしまう。
    「今は話せないの」というのは、結局のところ「今は聞いていられないの」と同じこと。

    「聴かずして語るとは、触れられずして触れるようなもの」で、「人の声は、私たちの身体にも感情にも入り込み、私たちをつかみます。誰かに共鳴することなしに、その人を理解し、愛することはできません」

    「よく"聴く"とは、相手の頭と心の中で何が起きているのかをわかろうとすること。そして『あなたを気にかけているよ』と行動で示すことです。自分の考え、感情、意図を持ったひとりの人として理解され、価値あるものとして大切にされる — それこそが、私たち誰もが切望することです」

    「愛情を、議論と説得で勝ちとるなどできません。きずなを築くのにいちばん確実な方法は、相手の話に心から耳を傾けることです」

    「傾聴を身につければ、どれだけの力を手に入れられるか、みんな知らないんですよね」

    自分は親身に聴いているつもりでも、実は相手の話を「受け止め」ているのではなく、「ずらして」自分語りを始めてしまっていることがいかに多いか。
    きちんと相手の話を聞かず、ナルシスト的に会話を自分の方へと引き戻し、「だよね?」で終わる質問を繰り返し、自分はすでに知っていることをにおわせる。

    そもそも優れた聞き上手は「なぜ?」という質問を使わない。
    「なぜ?」という言葉は、人を身構えさせ、自分を正当化しなければいけないと感じさせてしまうからだ。
    自分が投げかける質問でどれだけ会話を不毛にしているか、なかなか気づけない。

    自分の感情はひとまず置いて、まずは素直に相手の話を聞いてみるべきだ。
    相手の繊細さよりも、自分の自我を優先してしまっていては、とても傾聴しているとは言えないだろう。
    相手が困って相談に乗っているときも、まずはひたすら耳を傾け、話し手本人がその感情を自覚し、対話を通じて自力で解決策を見つけられるようにするのが望ましい。
    それと、話さなくても会話は続くことを理解することが大事で、間や沈黙を早く埋め、かぶせ気味に言葉を発することは、せっかく言葉にしようとしているものを押しつぶしてしまうことになりかねない。

    「ジャーナリストとして私は、自分が話さなくても会話は続くと気づくまでずいぶん時間がかかりました。これまでの取材で、質問したからではなくむしろ黙っていたからこそ、興味深く価値ある情報を得られた経験もあります。考えをまとめるための時間と余白を相手のために確保すれば、やりとりからもっと多くを得られるようになります」

    「聴くこととは、次に何を言うか気をもまなくてもいいと自分で決意することです」
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    投稿日:2022.09.07

ブクログレビュー

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  • ダルメシ・アン

    ダルメシ・アン

    人の話を聞くという事はとても難しい。
    できているつもりでもできていない事が多々ある。
    確かに自分もついつい自分の話をしたくなる人というのは自分の話をちゃんと聞いてくれて、適切な返しを程よくしてくれる人であるというのはわかっていた。
    この「話をちゃんと聞いて適切な返し」をするためのメソッドが言語化されてわかりやすく書いてあるのが本書。
    人の話を聞くということをここまで意識したことがなかったので、大変参考になった。少し自分の悪いところを言われているようなところもあり恥ずかしくもなったが、良い学びとなった。
    以下、参考になったところのメモ。

    ・聞くという行為には何よりも好奇心が必要

    ・腕を組む、ペンをカチカチさせるなどはご法度

    ・瞑想と同じように、意識が話し手から別の方向に行ってしまったと感じたら意識を話し手に戻す

    ・人の話を聞かないのは、新しい学びが無いためつまらない人生になる

    ・過去を頼りに人を理解しようとすると失敗する

    ・「この人はなぜこの話をしているのだろう?」と自問しながら話を聞くようにする

    ・気が散る原因は「次に何を答えよう」や「次にどんな破壊力のあることを言ってやろう」と考えるから。自分の話することを先回りして考えずに、今目の前で話している内容に気持ちを集中させる。

    ・嫌な相手でも「きちんと話を聞こう」と思えば怒りは和らぐ

    ・生産性の高いチームはみんなの発言量が大体同じくらい

    ・親密な関係を恐れる人は敵対的で人をこき下ろす意地悪なユーモアを言う傾向がある

    ・たいした実績のない人ほど自慢をしたがる。眼の前にいる人の素晴らしいところを見つけ出すよりも自分を売り込みたい衝動にかられたらこの話を思い出せ。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.07

  • コスケ

    コスケ

    人間関係のトラブルは人の話を聞かないところから始まる。さらにダメ話し方は、自分ことしか話さないなど。

    相手に好奇心を持って質問することも大事。

    投稿日:2024.04.01

  • yakko

    yakko

    この本の内容を一言で言うと、ちゃんと人の話を聴け!に尽きる。
    人の話を能動的に聴くことの重要性が述べられていた。マインドの話がほとんどで実際に何を聞いたら良いのか?といった方法論はあまりなかった。
    は複数人の会話になるほど頭の中で色んなこと考える癖あるため、複数人の会話でもちゃんと話し手の話を好奇心持って聴くように意識しようと思った。続きを読む

    投稿日:2024.03.24

  • アロマだいすき

    アロマだいすき

    分厚い本でしたが、文字の圧迫感がなく、表現も優しく、楽しみながら、読み進めることができました。
    読んで良かった。また、読みたい。

    具体的な事例が多々あり、良い聞き方の価値について納得がいきました。
    良い聞き手になりたい、と思うし、
    良い聞き手に自分の話を聞いてもらいたい、と思う。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.02

  • べーる

    べーる

    コミュニケーションにおける「聞き方」については、これを読めば良いかと思います。小手先のテクニックといった部類ではなく、なぜ聞くべきなのか?聞くことによってどんな効果があるのか?といった我々の日頃のコミュニケーションのスタンスを変えてくれるような一冊です。

    かなり分厚いですが、じっくり読むもよし、要点も掴みやすいので要点だけ読むのもよし、まずは手にとってみてください。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.02

  • あかた

    あかた

    「聞く」ことについてざっと(分厚いけど)まとめたもの。
    すべてに共感できたわけではないけど、ほぼほぼ納得。
    「話を聞く」とは相手のおしゃべりを待つことでななく、うなずいたりおうむ返しすることでもない。
    アドバイスしようと思って聞くと失敗する。
    他人との会話は自分の内なる声に影響し、学ぶことにつながる。
    私たちが人生でもっとも求めているのは、人を理解し自分を理解してもらうことである。
    これを実現できるのは、急がず、じっくり「聴く」時間を意識的にとるときである。
    7冊目読了。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.11

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