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冲方丁 / 角川文庫 (71件のレビュー)
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総合評価:
うっでー
1
枕草子を読みたくなった
小説としてあまりとりあげられない題材だと思うのだが、よくぞ書いたと思った。 光圀伝にも似て、前半じわじわ~っと作品全体の基礎が描かれ、後半に一気に盛り上がってくるような作品構造。 前半の基礎を描く…部分に耐えて読み切ればそれなりに楽しめるはず。 盛り上がりは、もっとドラマチックでもよかったのでないかと思う。 本作品を読んで改めて枕草子を読んでみたくなりました。 初段の春はあけぼの、しか読んでいないし。。。続きを読む
投稿日:2017.08.06
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ココすけのままりん
11
『解説』で知った、紫式部の「清少納言評」が実におもしろい!
『春は、あけぼの・・・』学生時代、課題により暗唱した覚えがあります。 思ったままを記した四季は、今いちど読んでみると、とても瑞々し情景が伝わってきます。 惚れぬいた華は、いつまでも咲き誇ったままでいて…欲しい、辛きことも悲しきことも置き去りにして。 これもまた一興かと。これが清少納言の思う「枕」なのでしょうから。 ウィットに富んだ宮びとたちのやり取りは、引用、返歌など洗練されていて、奥ゆかしく、 日常としてこういう事をできることが、とても羨ましく思います。 そして平安の時代へといざなってくれるのです。続きを読む
投稿日:2017.03.21
ゆりねこ
3
女として生きる
表紙が素敵だったので購入しました。さらっとした文体が清少納言の潔さのイメージに合っていてさすがだと思いました。清少納言は古典で学んだ時は生意気な女性のイメージ、かわいくない女のイメージが強く、どちらか…と言えば文体も含め紫式部の方が好きでした。 しかし、「はなとゆめ」を読んで清少納言のシャイな魅力に触れ大好きになりました。 コンプレックスに悩みながらも社会の中で女として生きていく人に共感できる内容だと思います。なんと、3回も読み直しました。女としてアイデンティティをもち、かっこよく生きていくかの参考になると思います。続きを読む
投稿日:2014.05.24
らくだ
5
清少納言ってブサイクだったの??
おもしろかったです。 受験期の古文を思い出しました。 清少納言は、宮仕えがとても好きだったんですね。 お仕えしている定子のことが好きで好きで、 定子が亡くなるまでどんな状況に置かれても真剣に仕え、定子…からもらった高価な紙に枕草子を書きはじめる・・・ といった内容です。 清少納言は、ブサイクで、他のみんなよりも年を取っているのだけど、文才だけで定子に気に入られて・・・ そんなストーリーがいいですね、現代でも通ずるところがあって。 歴史のお話としてもおもしろいので、スイスイ読めました。 続きを読む
投稿日:2014.04.29
さぬきうどん店
6
枕草子は清少納言と定子の共作だった
清少納言の文才を見出したのは、彼女が仕えた中宮、藤原定子。定子のプロデュース能力が清少納言を日本女性初のエッセイストに育て上げた。 本小説の主人公は間違いなく、中宮定子だ。
投稿日:2014.02.03
細胞東京
8
清少納言の悩み多き人生と枕
清少納言を主人公とする歴史小説です。天地明察、光圀伝と続く 冲方丁のシリーズ第3弾という位置づけにあるのですが、その 二作とはかなり雰囲気を変えてきたなという印象です。 女性が主人公で、しかも平安時代…ということで雅な感じと アンニュイな浮遊感ある優しい文体で書かれています。 歴史小説としては、かなり読みやすいと感じました。 お話は、清少納言というあだ名の由来、一条帝の中宮定子の 女房として宮中へあがることになった経緯。宮仕えでの気苦労 やいろいろな殿上人との付き合い。などなどです。それぞれの 場面ごとに和歌があり、これがこの小説の雅さを飾って います。この平安の時代は封建的で、藤原摂関家による宮廷の 支配がうかえます。 不躾な表現をすれば、この時代は、まだまだ食料や生活必需品 など生産性が低く庶民や農民は貧しい暮らしだったはずです。 したがって宮家や貴族たちが優雅であるためには、その貴族ど うしですら様々な策謀によって自分たちの地位を競い合ってい たということでしょう。そういう血みどろの悍ましい事件が後 半は主な話になり、暗く切ない展開になっていきます。 清少納言さん自身も生産的な仕事とはかけ離れた貴族的な生活を おくれたからこそ枕草子が生まれたわけで、そう考えるとなんと も複雑な心境となります。鋭く繊細な観察力、ゆとりと世のはか なさ、そして若くしてこの世を去った中宮定子との約束と別れか らの開き直りのような性格が生んだ最古の女性エッセイというべ きものが枕草子なのでしょうね。 ちょっと切なく心にしみるけど、きらりと光る感じの、よい小説 でした。 デザイン画が綺麗です。続きを読む
投稿日:2014.01.17
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さりー*
このレビューはネタバレを含みます
中宮と清小納言の関係と枕草子誕生までの話。清少納言は気が強そうな才女というイメージだったけど、最初の頃緊張してたなんて意外。添い遂げるような純粋さで仕えたいと思う人がいるなんてすごいなあ。
投稿日:2024.01.21
万年筆好きムギムギ
平安時代に生きた清少納言の物語です。 なぜ、「枕草子」を書こうと思ったのかが描かれています。 永井路子さんの「この世をば」で、藤原道長の物語を読んでおり、人間関係やしきたりなどの予備知識があったためす…んなり読めました。 歴史小説ですが、文体は読みやすかったです。続きを読む
投稿日:2024.01.03
mochioka
枕草子の裏方本のような作品。清少納言がどんな気持ち、どんな経緯で枕を書いていたかがリアルに描かれている。 時代が違いすぎることもあって共感しにくいところも多々あるが、主君の定子をひたすら褒めて愛する感…じは現代の「推し」活さながら。批判もあったようだが、逆境に負けず真っ直ぐに推しを信じ抜く人生は楽しそうで眩しく思えた。続きを読む
投稿日:2023.12.09
hemulen
枕草子の内容と、それを書くに至った背景が小説としてわかりやすく描かれている。 『枕草子のたくらみ』『平安人の心で源氏物語を読む』や御堂関白記の訳などとあわせて読むと楽しい。 伊周、隆家兄弟が、花山…院の袖を射る事件(長徳の変)とそのすぐ後の清少納言の動きとその理由や、その後の則光や斉信との関係。 また、その後の清少納言の孤立の具体的な理由。 定子の「言はで思ふぞ」の手紙の決意。 権力掌握のため必死な道長の策謀と、時勢をみる貴族たちの動き、定子の覚悟とその女房たちの自負と誇り、決意。 特に後半、政治色が強くなるほど哀しくて激しい。 …………伊周と、その弟の隆家、雅な教養はあったんだろうけど…ぼんぼんすぎるっていうか、ちょっとアホ 続きを読む
投稿日:2023.11.04
えみりん
「千年の黙 異本源氏物語」という紫式部視点での物語を読んだことがあるが、これは清少納言(中宮定子)視点なので、読み比べをしている感じが面白かった。
投稿日:2023.08.22
あみ
この本の読後、枕草子を読むと、清少納言の中宮定子への敬意と深い愛情が伝わってくる。学生時代に読んだ感じとは全く別物だった。
投稿日:2023.07.09
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