はなとゆめ

冲方丁 / 角川文庫
(53件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
5
19
21
1
0
  • 国語の授業ぶりの清少納言は大変魅力的だった

    清少納言といえば、どうしても国語で習ったイメージがあって、少し取っ付きにくいかな、と心配だったのですが、それは全くの杞憂でした。
    物語は、清少納言が語りかけるようにして展開していくので大変読みやすく、テンポも良いので、さっと読めます。
    世界観も、あまりにも込み入って説明がましくならないように、丁寧に無駄をそぎ落とした印象です。
    冲方丁さんの描く清少納言は、凛としていて、美しく、大変魅力的です。彼女の内に秘めた強い思いは、心打つものがありました。
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    投稿日:2013.11.10

  • 『解説』で知った、紫式部の「清少納言評」が実におもしろい!

    『春は、あけぼの・・・』学生時代、課題により暗唱した覚えがあります。
    思ったままを記した四季は、今いちど読んでみると、とても瑞々し情景が伝わってきます。
    惚れぬいた華は、いつまでも咲き誇ったままでいて欲しい、辛きことも悲しきことも置き去りにして。
    これもまた一興かと。これが清少納言の思う「枕」なのでしょうから。
    ウィットに富んだ宮びとたちのやり取りは、引用、返歌など洗練されていて、奥ゆかしく、
    日常としてこういう事をできることが、とても羨ましく思います。
    そして平安の時代へといざなってくれるのです。
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    投稿日:2017.03.21

  • 清少納言の悩み多き人生と枕

    清少納言を主人公とする歴史小説です。天地明察、光圀伝と続く
    冲方丁のシリーズ第3弾という位置づけにあるのですが、その
    二作とはかなり雰囲気を変えてきたなという印象です。
    女性が主人公で、しかも平安時代ということで雅な感じと
    アンニュイな浮遊感ある優しい文体で書かれています。
    歴史小説としては、かなり読みやすいと感じました。

    お話は、清少納言というあだ名の由来、一条帝の中宮定子の
    女房として宮中へあがることになった経緯。宮仕えでの気苦労
    やいろいろな殿上人との付き合い。などなどです。それぞれの
    場面ごとに和歌があり、これがこの小説の雅さを飾って
    います。この平安の時代は封建的で、藤原摂関家による宮廷の
    支配がうかえます。
    不躾な表現をすれば、この時代は、まだまだ食料や生活必需品
    など生産性が低く庶民や農民は貧しい暮らしだったはずです。
    したがって宮家や貴族たちが優雅であるためには、その貴族ど
    うしですら様々な策謀によって自分たちの地位を競い合ってい
    たということでしょう。そういう血みどろの悍ましい事件が後
    半は主な話になり、暗く切ない展開になっていきます。
    清少納言さん自身も生産的な仕事とはかけ離れた貴族的な生活を
    おくれたからこそ枕草子が生まれたわけで、そう考えるとなんと
    も複雑な心境となります。鋭く繊細な観察力、ゆとりと世のはか
    なさ、そして若くしてこの世を去った中宮定子との約束と別れか
    らの開き直りのような性格が生んだ最古の女性エッセイというべ
    きものが枕草子なのでしょうね。
    ちょっと切なく心にしみるけど、きらりと光る感じの、よい小説
    でした。
    デザイン画が綺麗です。
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    投稿日:2014.01.17

  • 歴史上の人物が動き出す様です。

    清少納言と言えば、歴史上の人物に過ぎなかったのが、この本の中であたかも活き活きと動き出すような
    感じさえします。
    この時代の宮廷生活、価値観が垣間見えるように思えます。綺麗に書かれていて楽しく読めました。

    ただ、冲方丁さんは、おどろおどろしい情念というか、執念を書かせたら日本一だと思います。
    清少納言の強い意志は綺麗に書かれていますが、是非、リバースサイドの道長さんの側から
    情念の奔流の様な世界を描いてくれないかなと思いました。お願いします。
    続きを読む

    投稿日:2013.12.08

  • 時代小説二作とは趣が違う歴史小説

    天地に光圀と、男の心意気とか侘しさを熱く描き出した著者の新作という事で、事前調査もせずに勢いだけで購入。
    タイトルが……うん?白泉社?(それは違う とか思ったりしたけれど、内容的にもかなり違うタイプのボール投げてきたなという感じ。
    「この世をば望月と…」を詠んだ事、安倍晴明の上司としてなどで知られる平安宮廷政治の頂点・藤原道長の弱さやドス黒さを、ライバル側の中宮やそれに仕える清少納言の側から描いております。
    (主人公が清少納言故に、語調は抑えながらもかなり辛辣)
    現世的な栄華や絆は儚いけれど、心から愛し合えた者同士の幸せは一瞬であれ永遠の輝きを放ち、魂で結ばれた絆は永遠である事が淡々と描かれていきます。
    続きを読む

    投稿日:2014.01.02

  • 枕草子は清少納言と定子の共作だった

    清少納言の文才を見出したのは、彼女が仕えた中宮、藤原定子。定子のプロデュース能力が清少納言を日本女性初のエッセイストに育て上げた。
    本小説の主人公は間違いなく、中宮定子だ。

    投稿日:2014.02.03

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ブクログレビュー

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  • lyn5

    lyn5

    終始、主人公である清少納言の視点で書かれているが、
    説明的な表現になっていないのが、
    読みやすい。

    清少納言の史実を知っていれば、
    なお楽しめる作品。

    再読の価値あり。

    投稿日:2020.09.29

  • izzy

    izzy

    このレビューはネタバレを含みます

    清少納言が『枕草子』を書くまでのお話。中宮定子に仕えた時から始まり、都を去るまで。
    中宮定子に才能を見出され、その時代では少し異端であるが雅な趣を追い求めている姿が描かれていた。
    最後の解説まで面白かった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.07.08

  • もん

    もん

    清少納言の生涯の話で、割と面白かった。昔の人は、歌のやり取りで気持ちを伝え合っていて、自分には出来ないと改めて感じた。

    投稿日:2020.07.07

  • ヒボ

    ヒボ

    このレビューはネタバレを含みます

    苦手だった時代小説のイメージを著者である冲方丁「天地明察」で変えられ、読んでみようと手にした一冊。

    清少納言「枕草子」の物語であるが、読後の感想としては実に深い物語であった。

    読め始めてからは私自身の無知さ故に時代小説特有の言葉遣いや登場人物の名前、相関関係等、やはりとっつきにくさもあり世界観に引き込まれるまでに3日を要した。

    清少納言が生きた平安時代中期(藤原氏全盛の時代)に帝位にあった一条天皇とそのきさき中宮定子の愛の物語なくして「枕草子」が誕生する事はなかった事に気づき、定子の人生をかけた愛の物語が本作により深みを与え、一途なまでに定子に仕え、時代に翻弄され続けた清少納言の存在を際立たせている。

    私自身、本作ではもっと「枕草子」について深く掘り下げた内容になっているものだと思い込み読み進めたが、あくまでも個人の感想としては時代に翻弄されながらも愛に生きた2人の女性(中宮定子と清少納言)の物語であった。


    説明
    内容紹介
    なぜ彼女は、『枕草子』を書いたのか――。28歳の清少納言は、帝の妃である17歳の中宮定子様に仕え始めた。華やかな宮中の雰囲気になじめずにいたが、定子様に導かれ、その才能を開花させていく。機転をもって知識を披露し、清少納言はやがて、宮中での存在感を強める。しかし幸福なときは長くは続かず、権力を掌握せんとする藤原道長と定子様の政争に巻き込まれて……。清少納言の心ふるわす生涯を描く、珠玉の歴史小説!
    内容(「BOOK」データベースより)
    なぜ彼女は、『枕草子』を書いたのか―。28歳の清少納言は、帝の妃である17歳の中宮定子様に仕え始めた。華やかな宮中の雰囲気になじめずにいたが、定子様に導かれ、その才能を開花させていく。機転をもって知識を披露し、清少納言はやがて、宮中での存在感を強める。しかし幸福なときは長くは続かず、権力を掌握せんとする藤原道長と定子様の政争に巻き込まれて…。清少納言の心ふるわす生涯を描く、珠玉の歴史小説!

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    投稿日:2019.12.15

  • rn518

    rn518

    清少納言が定子と出会わなければ、枕草子は生まれなかった。と思うと、人と人との出会いは奇跡。本のタイトルが内容とぴったり合う。

    投稿日:2019.12.07

  • tomosaku

    tomosaku

    ワシはいま猛烈に枕草子が読みたい!そんな気持ちにさせられる、枕草子と清少納言を研究して再構築した物語だった。

    日本人の多くが教科書で触れその有名な冒頭文のみ語られがちなそれらに、これだけ豊かな色彩と物語を持たせたことにまずは感嘆する。

    話は清少納言と、彼女が仕えた中宮定子を軸に、宮中の華やかさと権力闘争を描き、枕草子誕生秘話となる。自分より遥かに若く、それでありながら才気煥発な人に出会える喜びを読むと、こんな人に出会い、仕えたことは本当に幸せなのだろうなと思う。

    きっとこんなはなとゆめが、千年の昔にあったのだ。
    続きを読む

    投稿日:2019.11.25

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