散り椿

葉室麟 / 角川文庫
(52件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
21
18
5
1
0
  • その想いに応えたくて・・・

     不正を告発したため、本社を追われたエース社員が妻の死をきっかけに帰ってきた。おりしも妻の元許婚を筆頭とした創業者一族と、新規事業で会社を立て直した専務派の派閥争いの真っ只中。新入社員の甥っ子も、知らず知らずに争いの中に巻き込まれていく・・・。そのまま現代版にできてしまいますが、時代劇でやらないと生々しすぎるかな。
     ストーリーは上記のようにベタな流れですが、妻の愛しい気持ちが男たちを切なくさせます。ある意味、愛って残酷なのかな・・・。「褒めてくれるか?」って旦那(私の!)の本音です・・・、多分・・・。
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    投稿日:2015.09.01

  • 切ないですね

    ひとを想う気持ちの切なさに、40過ぎの男が泣きました。
    若い人は、キープリストに追加して歳をとってから読んでください。

    投稿日:2015.05.19

  • 青春の思い出と恋にまつわるお話です。

    扇野藩の坂下藤吾は父の不始末によて減らされた禄高と家名の回復を願って 日々、生真面目にお役目についている。。そんなある日、やはり不始末によって 妻と藩を出た瓜生新兵衛が妻をみとった後かえってくる。。その時から藩にうずまく陰謀や古い恋の顛末が明らかにされていく。やがて藤吾にもふりかかる難儀と縁談のどたばたが藤吾を大人にしてくのである。若い恋と大人たちの古い恋が切なく胸にほろりと来ます。最後ははっぴーえんどでありながら、切ない思いも残ります。心に染み入るお話です。続きを読む

    投稿日:2015.07.05

  • ミステリー時代劇の傑作。いや、これは愛の物語かも

     直木賞受賞作「蜩ノ記」に勝るとも劣らない、傑作時代小説でありました。かなりミステリー的要素が高いので、詳しく記することが出来ないのが残念です。
     主人公が帰郷するところから物語は始まるわけですが、とにかく登場人物全てが、どこかあやしい。みな腹に一物を持っていて、いったい誰が味方で誰が敵なのかも、まったく見えてこない。また、蜻蛉組なる時代劇にはお馴染みの影の隠密軍団も登場しますが、これがまた誰に荷担しているのか最初はわからない。しかも、急に組み入れられる人もいるのですが、監視する側ではなく、逆に監視しやすいように組み入れられるという念の入った仕組みもあったりして、かなり話は込み入ってます。
     そもそもの争いの原因は、藩内の旧勢力と新勢力の争いなのか?それとも商人と癒着して私腹を肥やす上層部の隠蔽工作なのか?はたまた、お家乗っ取りを計る親戚筋の陰謀なのか?なかなか全貌が読めてこない中、亡くなった妻の願いをかなえようとする新兵衛が、これに否応なく絡んでいきます。でも、そんな新兵衛も妻の一世一代の芝居を誤解していた。。。。いやいや、これ以上は書けません。
     そこには亡き妻「篠」の切なくも熱い愛情があったという、麗しき愛の物語となっています。自分の思いをストレートに伝えることが出来ない、もどかしさとそれを曲解してしまう残酷さ。ままになりませんね。それにしても、この直接言えない思いを、歌や漢詩で書き表すことが出来るのは、やはりうらやましい気がします。
     昔の学生は、理科系の人間でも、普通に漢詩を作ることが出来たそうで、私のおじさんにもそのような人がいらっしゃいますが、私も含め、現代の教養レベル低下は否めませんな。
     さて、この作品、是非映像化して欲しいところですが、かなりストーリー的には複雑でありますので、映画よりも連続テレビドラマの方がむいているかもしれません。その時は、やはり主役の新兵衛は、役所広司かなぁ。
     それから後書きには、希代の読書家である女優、中江有里さんの解説が付いています。これがまたこの物語の全てを語っています。読後には、こちらも是非味わって頂きたいと思います。流石の解説ですよ。
    続きを読む

    投稿日:2016.03.05

  • 胸に響きました。

    良い小説に出会えました。主人公はいったい誰なの?
    と考えさせられるほど各々に生き様があり、それが愛と友情の想いで交差しながら物語りは進んでいきます。切なくとも愛情と希望に満ちた『散り椿』の風情に感動しました。続きを読む

    投稿日:2017.01.12

  • 映画化しそう?

    傑作か、と思う。
    エンターテイメントとしては「蜩ノ記」を超えるのではないか、とも。
    暗殺された者の、自決した者の、真相はどうだったのか推理小説のような伏線と、それを背負って生きた者たちの想いに心揺さぶられる。
    同時進行する若者の成長物語に心躍る清涼感も残っている。
    何を感じるのかは、もしかすると世代に問うのかもしれない。
    本当に、よくできた物語だと感じた。こんな時代に生きたいと思うのも、そんな世代ゆえなのかもしれない。。
    読んで面白い。
    映像化されたら、見て損のない作品になるだろうと確信する。そんな作品。

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    投稿日:2015.08.30

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ブクログレビュー

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  • ブクログスタッフ

    ブクログスタッフ

    2/8は
    「つばきの日」
    岡田准一さん主演で映画化され、日本アカデミー賞7部門を受賞したことでも話題になった『散り椿』。

    投稿日:2019.06.19

  • hinagiku

    hinagiku

    「散る椿は残る椿があると思えばこそ見事に散っていけるのだ」

    この言葉だけでも何か惹きつけられるものを感じるが、読み終わったあとはなお一層心に残る言葉になった。

    映画を先に鑑賞していたが、内容としては原作の方が断然面白く感じた。

    特に篠の目線が描かれていたところが、映画にはなかったところだが特に印象に残った。解説で、本当の主人公は篠ではないかと書かれていたのにも納得できる。

    人の思いが人を動かすということに対して少しもどかしくもあり、でも人を動かすほどに誰かを思い、その思いに誠実である生き方に強く憧れを感じた。
    続きを読む

    投稿日:2019.06.14

  • isiwari

    isiwari

    このレビューはネタバレを含みます

    襖絵や焼き物の器にありそうな椿の絵のカバーが目に留まり買った本です。
    このページでは「椿」に合わせて、気に入りの写真を貼ってみました。

    書店の「今月の新刊コーナー」にて一目惚れしました、中身は時代劇ものです。

    大まかには、、、
    主人公は18歳の扇野(架空の藩)藩士。
    かつて道場で鬼と恐れられた流れ者の伯父と共に、自決した父の謎と藩内の因縁に立ち向かうストーリー。
    勧善懲悪の時代物、という印象で読み進めましたが、
    次第に明らかになっていく登場人物の過去や想いにじっくりと引き込まれ、夢中で読み終えました。
    全てが全てめでたしという訳でもないと思いますが、読後感は気持ちの良いものです。

    今回この作家さんのことを初めて知りましたが、
    07年「銀漢の賊」で松本清張賞
    12年「蜩ノ記」で直木賞
    受賞だそうです。

    いかにも時代劇らしいセリフが少し重々しいかもしれませんが、
    雨の山道で刺客の姿に目をこらす緊張感、
    屋敷の庭に落ちた椿の前に佇む人物、
    見事な剣さばきを見せる伯父の逞しい後姿、
    …と、鮮やかに物語の景色を想像させてくれる一冊です。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.06.13

  • かゆ♪

    かゆ♪

    すぐ読み終えられました。面白いです。椿は花ごとぽとりといっぺんに落ちるイメージですが、タイトルの散り椿は花びらが一枚ずつ散るそうです。残る椿があると思えるからこそ見事に散っていけるという話です。藩での権力争いですが、四天王のみんな、生き様と心が素晴らしい。愛する人のために生きたいと思いました。自分の苦しむことが癒される術がこの本にはありそうです。続きを読む

    投稿日:2019.06.10

  • mkappa122

    mkappa122

    映画にもなっててぜひ読んでみたかった。主人公二人の関係はそういうことだったのかと。妻を思い妻のために友を見守り、若き日の想いを隠し静かに強く公に生き。改めて振り返ると公私の生き方が書かれたんだと思いました。続きを読む

    投稿日:2019.06.09

  • masato

    masato

    これは素晴らしい!
    心揺さぶられました!
    映画も見たい!!

    背景はお家騒動ですが、その中で描かれる男同士の友情、一人の女性。その時代を生きる人たちの清々しく、誠実な生き様。切なく心打たれます。

    トーリとしては、
    かつて一刀流道場の四天王と謳われた勘定方の瓜生新兵衛は、上役の不正を訴え藩を追われます。18年後、妻・篠と死に別れて帰藩した新兵衛が目の当りにしたのは、藩主台替わりに伴う側用人と家老の対立と藩内に隠された秘密といった展開です。

    篠の最期の願いを叶えるため、一人故郷に戻ってきた新兵衛。そして、その旧友采女との決着。
    過去の事件の真相は?
    藩内に隠された秘密とは?
    そして、篠の願いの奥に秘めた本当の想いに心揺さぶられます。

    また、新兵衛の帰藩に伴い、大きく影響を受けるのが、新兵衛の甥の坂下藤吾。
    藤吾の父・源之進は使途不明金を糾問され、無実を主張したものの聞き入れられず自害することに。結果、家録を減らされ、藤吾はその家録を取り戻すべく、出世しようと励んでいます。
    新兵衛の振る舞い、生き方が、藤吾の生き方に大きく影響を与え、藤吾が成長していく様を感じます。

    「散る椿は残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの」

    切なく、そして強い

    とってもお勧め。
    続きを読む

    投稿日:2019.06.08

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