【感想】この闇と光

服部まゆみ / 角川文庫
(256件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
55
96
72
11
2
  • どんでん返しが見どころと聞いて

    あらすじは書けません。読みやすいので是非読んでみてください。
    私は、どんでん返しがすごい作品と聞いて、ミステリーなのかな?という程度で読みましたが、読んでみるとファンタジーのような美しいお話が。表紙に似合うお話が始まります。

    たしかにどんでん返しには驚きましたが、それ以前に美しく、幻想的で素敵な話でした。
    闇と光の対比など考えさせられる点も多くありますし、名作だと思います。
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    投稿日:2017.03.15

  • 何も知らないで読むべき

    ストーリーもなにも知らないで読んだからこそ楽しめた。
    読み進めて退屈になってきたところで、
    あれ?なんか変だ。と。モノクロだった世界が急にグルグル変化して、この世界に吸い込まれた。
    そして、すぐに再読した。続きを読む

    投稿日:2015.05.04

  • 耽美と幻想

    ゴシックミステリ。森の奥、王と二人で暮らす盲目の王女・レイア。美しいドレス、音楽、おとうさまが朗読してくれる物語。階下には異国の言葉を喋る兵士と、恐ろしいダフネ。囚われの身だったレイア。だが真実は…。時代と場所には早々に違和感を覚え、序盤で大体の予測をつけていた通りの展開だったので、衝撃という程ではなかった。けれど、仮初めの夢の世界から放逐されたレイアの心の変化、葛藤。そして、その後の物語を予感させるラスト。幕引きは好み。続きを読む

    投稿日:2016.12.21

  • 幻想的であり気持ち悪く耽美だなー

    城を追われて幽閉された王と王女、王女の世話をする意地悪な召使のダフネ。光を失い盲目のレイア姫が頼れるのは父だけであった。父がすべてであり父は神だった。
    突如世界が崩壊しすべてがひっくり返る時、そこには衝撃的なラストが待っている。続きを読む

    投稿日:2017.01.19

  • 奇作、怪作、ほぼ傑作

    とても不思議なお話です。奇作、怪作、ほぼ傑作です。

    半分ぐらいまでは単調なファンタジーもののように思われますが、急に話が思わぬ方向へ進んで行きます。

    だんだん不思議な場面設定が明かされていくのが楽しかったです。

    傑作と言い切りたいのですが、大きななぞが解明されておらず、そこだけが残念でした。
    続きを読む

    投稿日:2016.02.15

  • 耽美と倒錯と衒学、そして世界の反転。

    よかった。偶然に手にした本だったのに、また作家読みすべき作家が増えてしまった。
    この耽美と倒錯と衒学の世界、皆川博子さんの作風と似てる気がしてたら、解説が皆川さんだった。やはり。絶対読者層かぶってるだろうな。
    ぼんやりとほの暗く、「閉じた」雰囲気を持つ物語。終盤、半ば無理矢理に開かれた物語世界の枠が最後に再び閉じられたようでもあり、あるいは枠そのものが溶けてしまったようでもあり。そこから広がる新たな世界の色は、眩しい光なのか甘い闇なのか。不安と希望が融け合うことなく綺麗にくっきり半々づつな幕引きが見事。
    ・・・と、感想がやたら抽象的になってしまうのは、何を書いてもネタバレになってしまいそうなので・・・。
    続きを読む

    投稿日:2015.12.18

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ブクログレビュー

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  • ウィンストン

    ウィンストン

    このレビューはネタバレを含みます

    視覚が戻り、真実の世界を知り辟易とするシーン時点では深すぎる闇も眩しすぎる光も視えるものが視えなくなってしまうから、本質的には同じ物だと感じた。
    闇も光も解釈次第だなーと。

    同世代の他人や両親に対する愚かさとそれによる生きやすさみたいなものを冷笑と同時に羨ましく思っていたり、闇を知ったものは2度と光の中でだけに居る事が出来ないのも知っていたから、分かるしそれがどんなに苦しいか、自分が苦しいと思っているかを外から再認識できた。

    レイア2から、エピローグにかけて読みながらずっと気になっていた誘拐の経緯(真偽不明)を読めて、孝夫もまた光と闇の中に居た事を知れてよかった。

    作中では色々な光と闇があったし、この本を読む前に光の中に居た人が闇を知ってどう思ったのかがとても気になる。

    他作品から引用するが、「地獄は頭の中にあります」という文章が個人的にこの本を読んでより強く印象に残った。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.03.09

  • こまつな

    こまつな

    このレビューはネタバレを含みます


    YouTubeの紹介がきっかけで読みました。

    どんでん返しとは知っていたので読みながら結末を予測していましたが全然分からなかったです。

    前半の盲目のお姫様の描写が緻密で、盲目の感覚が詳細にイメージできました。
    途中、男の子?と違和感を感じる部分もありましたが違うなあと考え直し見事に騙されました。
    初めて読んだ作家さんでしたが、読んで良かったです。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.03.03

  • はるさめマン

    はるさめマン

    序盤で想像していた話からあまりにかけ離れた展開にびっくりしましたが、そこから描かれるストーリーと耽美に彩られた世界観があまりに好みで、一気に引き込まれました。闇の中で恋焦がれた極上の美を、光の世界でも追い求める主人公。そこに至るまでの境遇とやるせなさに心打たれ、読了後、しばらく放心していました。極上の作品です。おすすめ!


    ※以下ネタバレ
    真相はぼかしていたので想像するしかないと思いますが、『レイア 一』『レイア 二』が作中作だとすると、別荘でのエピソードも真相も全て主人公の「こうであって欲しかった」という妄想なんでしょうか?闇の中で恋焦がれた美に出会えず、現実世界に幻滅する中で生み出された空想だとしたら、とんでもない悲劇だなと感じました。いや、でもレイアとしてお父様と再会できたのだからハッピーエンドなのか?
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    投稿日:2024.02.22

  • あ

    このレビューはネタバレを含みます

    後からじわじわと効いてくる面白さでした。
    たまに、この本面白かったよなと、思い返してます。

    異世界パートではかなりの違和感を感じながらも真相には気付けず楽しく読めましたし、現実世界パートでの怒涛の種明かしも面白かったです!
    歪で美しい2人の関係性が他の小説にはない独特な世界観を作り上げていました。

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    投稿日:2024.02.17

  • あさ

    あさ

    このレビューはネタバレを含みます

    「闇の中にあって、世界はなんと美しく輝いていたことだろう」

    闇の中で与えられる光だからこそ最高に美しいと感じるのだろう。

    レイアは自分の思う美を詰め込んだDの作品。歪んでいる。だが、少し羨ましいと感じてしまう体験でもある。(ダメ誘拐絶対)洗脳ではあるが、こんな洗脳ならされてみたい。(だからダメ絶対)なんて感じてしまった私もこの闇に光を感じた読者の一人である。

    最後は私的にはD側をもっと掘り下げて欲しかったのでモヤモヤが残るが、これも作者の「美」なのであろう。

    でも一人三役って難しそう。兵士はいけたとしても、ダフネいけるかな?読み返したら上手いことやってるなってなるのかも。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.02.09

  • じゃず

    じゃず

    前半と後半で世界がガラっと変わりますね…
    ボリュームも少な目で読みやすい。
    オチも上品で良書でございました。

    投稿日:2024.02.06

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