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山田宗樹 / 幻冬舎 (3件のレビュー)
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総合評価:
崩紫サロメ
10
ひたむきに生きた人と、その後の物語
『嫌われ松子の一生』本編+続編。やはり合わせて読んでみてよかったと思う。 「既に亡くなった人」に出会うことによって人生はどう変わるのだろう? そんなことを考えさせられた。 本編は笙と恋人の明日香が、…笙の伯母である松子の死を、 いや、初めて松子という人間が存在していたことを知るところから始まる。 そして松子の生涯が本編の中心となって語られる。 これについては本編の上のところでビューしたのでよろしければご覧あれ。 続編の『ゴールデンタイム』はその4年後の話。 笙は、明日香はどうしているのか。 松子との「出会い」は彼らの人生に何を与えたのだろう? 続編の中の松子の登場(?)シーンは非常に少なく、だからこそ自然で印象的。 そうか、死んだ人間って日常生活の中では忘れ去られてしまったように思えるけれど、 ふとしたところで思い出されたりするものだ。 二つ目の続編は、本編で「あの後どうなったのだろう?」と思っていた人物のその後。 メイン登場人物について感じるのは、自分の仕事に対して非常に高いプロ意識を持っているということ。 それが、「立派な仕事」であろうとなかろうと、真摯に向き合う。 作者自身、そうやって原稿を書いているのかな、と思う。 やはり、続編まで含めて完結、なのかな。続きを読む
投稿日:2014.10.17
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aiueo12
続編がよかった
確か映画になった物語…というぐらいの認識しかなかった。 もちろん映画も見ていない。 でも、読んでよかったと思えました。 本編だけでなく、続編の「ゴールデンタイム」があることで、単に亡くなった人の生き様…を描くだけでなく 小説の中の他の人物の清々しい生きた方が心に残ります。 この作者の他の著作も読んでみたくなりました。続きを読む
投稿日:2016.11.10
cozycozy
読むたびに感じ方が変わる本
本編 以前に読んだときは落ちていくだけの転落人生の印象で、松子のことにも嫌悪感しかなかったが、今読むとどんな状況でも懸命に生きる物語だなと、少し違った感情になった。誰にでも起こりうる転落人生。どこか…らボタンを掛け違えたのかわからないから余計に怖いし、掛け違えてることに気付いた時にはもう遅い。転落から抜け出せるチャンスを掴むのも、転落している状況だと難しいのだろうなあ。いろいろと考えさせられる。とても重い本のようで、読後感はそこまで重くなくて、映画と同様に人にオススメしたくなる。 続編 松子の過去を辿っていた二人のその後のストーリー。続編というか、別の物語。生きるってどういうことなのか、いろんな葛藤を抱え、人を嫉妬し、そういう自分が嫌になったり、妥協する自分が嫌いになったり、夢を追いかけることがいいのかと、もやもやと悩みながら、生きていく。「共感は感情を伴う。共感ではなく、みんな違うということを認めて受け入れる。そして違いを尊重する。」難しいことだけど、悩んで葛藤して妥協して、それでも夢を忘れずに追いかける人もいれば、違う道を選択する人もいる。みんな違って、みんなそれでいいと思う。続きを読む
投稿日:2017.03.08
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