【感想】鬼畜の家

深木章子 / 講談社文庫
(78件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
9
31
28
4
0
  • これは面白い。高評価に納得!

    レビューが高評価だったので、「これは期待できるぞ~」と思って読み始めました。
    レビューしてくださったみなさまありがとうございます!最近読んだミステリーの中で、突出して面白かったです。

    深木章子さんのデビュー作となった本作品。
    ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作だそうですが、これ新人賞のレベルをはるかに超えていると思います。ホント驚きました。内容が内容なだけにメジャーな文学賞は取れなかったのでしょうか。

    周到に仕組まれたトリックに、読了後堪らず再読してしまいました。
    こういう読み終わった後にイヤな気分になるミステリーのことをイヤミスと呼ぶのですね。
    だとすると、本作品はイヤミスの極みと言って良いのではないでしょうか。

    元刑事で現在探偵の榊原が、ある家族の不審死について調査するため、関係者にインタビューする形式で話が進んでいくのですが…。

    黒幕とその家族と関係者の中にも鬼畜がウヨウヨ。イヤ、これは通常の神経じゃもちません。榊原が真相に迫るほどに、心がザワザワします。

    ミステリー好きなら読まなきゃ損!だと思います。


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    投稿日:2016.04.25

  • 主観語りの罠

    保険金目当てで家族を利用していく母親。その母親も自動車と共に夜の海に沈み、末娘だけが残った。その末娘が語る「鬼畜の家」の所業。それから、関係者から話を聞いていく探偵はさらなる真実に迫っていく。

    関係者からの一方的な話言葉で描かれているのは、もちろん仕掛け。関係者の誰もが気づいていない、衝撃の真実が隠されている。

    フェアに描かれており、注意深く物語を見ていけば、第4章の前に「真実」にたどり着く手がかりが随所にちりばめられている。

    どんでん返しがいくつもあるので、一気に読むことをおすすめ。
    この「真実」に読了前にたどり着くことが出来るのであれば、かなり本質を読み取る力に長けているであろうと言い切れるくらい、巧妙に伏線が張り巡らされているので、挑戦するつもりで読むとより楽しめるかもしれない。
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    投稿日:2016.02.28

  • かなりサスペンスです

    軽くグロくてかなりサスペンスです。イイ感じな裏切られ方です。
    続きが読みたいです。

    投稿日:2014.06.02

  • そうきたか!!

    ここまで人は鬼畜になれるか?
    頭のいい人ですよね、犯人。
    ちょっと出来すぎ感はありますけど、思いっきり作者さんに裏切られましたね。
    「そうくる?そうきたか!!」他に言いようがありません。

    投稿日:2014.07.02

  • 自分が探偵になった気になりますが。。。

     とってもいや~な、どうにもこうにも、いたたまれない気分になる小説です。でも、滅茶苦茶面白い小説でありました。
     元刑事の探偵が地道に聞き取り調査を行っていくというスタイルです。そして、最初から最後まで、〇〇の話という章立てで、探偵が聞き取った内容が羅列されているだけで話は展開します。つまり、普通の小説の形態とは異なり、探偵さんが聞き取った調査結果を、我々自身も順番に読んでいくという形です。だから、登場人物が会話を交わすシーンとか、誰々はこう思った。なんて記述はありません。最後の第4章のみ、普通の形ではありますが、こんなスタイルのミステリーは初めてで、とても斬新な物でした。
     しかし、話の内容は、唾棄したくなる、まさにイヤミス。次々と明かされていく事実に嫌気がさすことこの上もありません。まさに鬼畜の極致と言ってよいでしょう。そちらの方に気を取られ、真犯人についての重要なヒントが、先に述べた調査結果にすべて書かれていることに気がつかないという、まことに上手い構成でありまして、正直、やられた~!と思うこと請け合いでありますよ。
     「ことく」さんがレビューで書かれているとおり、ミステリー好きなら読まなきゃ損!という一冊でありました。
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    投稿日:2017.12.27

  • 最高におもしろい

    単純におもしろかった。
    買って読んで下さい。
    伏線とどんでん返し、ぐいぐい読み手を引き付ける構成。
    買って損はありません。

    投稿日:2019.07.16

ブクログレビュー

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  • ponまま

    ponまま

    「おとうさんはおかあさんが殺しました。おねえさんもおかあさんが殺しました。おにいさんはおかあさんと死にました。わたしはおかあさんに殺されるところでした……」

    末娘から語られる本当の真実とは・・・・・・・

    インスタで紹介されており、どうしても読みたくて
    本屋に行ったけど見つからなかったからメルカリで購入した

    タイトルを彷彿とさせるような
    (私の大好きな)陰気臭い嫌な気分になるストーリー(めっちゃ褒めてる)
    最後のネタバレページは本当に面白くて面白くて…
    多分最近読んだ本で一番好き

    嫌な感じを前面にだしつつも、しっっっかりミステリーとしてちゃんとしている!!
    そこがめっちゃ好きになった理由

    数人の証言者からの話を順番に紹介していくスタイルなので、昨日はこれがあって今日はこれで誰かがこうなったという時系列的なことは特に気にならないけど

    証言者から語られる節々に実はとっても大事な情報があって、それぞれのピースをつなぎ合わせていくと
    今まで見えてこなかった別のストーリーがあぶりだされていく!!

    いやあ、お初の作家さんだったけど
    他作品気になりすぎる~~
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    投稿日:2024.03.29

  • きらりんず

    きらりんず

    面白かった。けど内容的に趣味に合わない感じで星3つ。
    探偵が話を聞いて、相手が話す感じで物語が進むのは面白かった。
    こういう作りは好き。

    投稿日:2024.01.03

  • なつこ

    なつこ

    き‐ちく【鬼畜】 〘名〙 鬼と畜生。 転じて、残酷な行ないをする者。 恩義を知らない者(コトバンクより)

    夏の陣。こうも暑いとホラーを欲する。
    ページの向こうで繰り広げられるであろう、とんでもなく残虐で猟奇的な〝人間〟と、これまたとんでもない恐怖に晒された〝獲物〟との非現実の世界に身を投じようと、少しの躊躇いと少しの好奇心で読み始めたけれど、吐き気を催すような映像型ホラーではなく心理的なホラー。
    とは言え、関係者の死がどれも見事に肥やしとして利用されているので、鬼畜であることは間違いない。

    私立探偵が一人ひとりの証言を聞いて答えを導き出す。この手の手法を用いる場合、たいていは1つの事件がだんだんと様相を変えていき、真相があらわになると言う感じなのだけど、これは幾つもの事件について真相に辿り着くので読み応えはある。

    家族が死ぬたびにお金持ちになってゆく母。疑われることなくいかにして母は死を肥やしとしてきたのか。
    唯一の生き残りである末娘が語る真実と、探偵がたどり着こうとする真実が徐々に変化してゆく。
    登場人物の印象が読み進めるうちに変わってゆくとこや、謎解きと動機、私立探偵が話しを聞いて歩くというところも上手いなと思う。
    身の毛もよだつホラーではなく、あるところに鬼畜と呼ばれる女がおりましたサスペンス。

    今年の16冊目
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    投稿日:2023.07.30

  • cham

    cham

    母親に支配された家族に巻き起こる数々の死。唯一の生き残りである末娘の証言を探偵目線で追うミステリー。
    鬼畜とは、何が真実なのか、最後まで目が離せない。これが一作目…すごい

    投稿日:2023.07.29

  • りーり

    りーり

    「あたしの家は鬼畜の家でした。」
    夫を殺し、娘を殺し、金の為に数多の犯罪を繰り返した母親。しかし、その母親の最期は唯一溺愛していた息子との心中でした。
    生き残りの末娘が語る壮絶な家庭環境。母は自分から死を選ぶような人間じゃないとの証言。「鬼畜」を死に至らしめた衝撃の正体が明らかになる・・・。

    著者のデビュー作品ですね。東大卒の元弁護士なんて聞いたらどんな理屈っぽいミステリを出してくるんだと身構えちゃいそうですが、この作者はかなりミステリのエンターテイメント性を重視してくれる。消人屋敷なんてもうごりごりの館物だし。また一人お気に入りの作家が増えました。
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    投稿日:2023.05.09

  • sumirere

    sumirere

    このレビューはネタバレを含みます

    どストレートなタイトルと素敵な表紙に惹かれて購入。面白かったです!

    タイトルとあらすじから、冒頭から鬼畜な殺人事件とか起こる系かなー?と思っていたら、怒涛のインタビュー尽くし。一体何が起きたんだろう?何の事件?と謎に満ちたスタート。

    第2章の時点で依頼人から郁江の恐ろしさが語られるが、物語の前半のため「いやいやこれが真相な訳はないよな…どうなっていくんだ…」とすっかり作者の術中にハマっていく良い読者の私。(怪しみつつも真相は全く予想できないタイプ)

    第4章で真相が明らかになった時は、うわああ…と素直に驚きました。
    インタビューの中にひとつだけ聞き手が異なるものが混じっていたのは、本当気付かなかった…でも読み返してみると、他は榊原の名前を呼んでいたり、「男」の表記がちゃんとあるんだよね。見事にやられた!

    特にゾワッとしたのは、「犬を飼った理由」がわかった時。
    いや、冒頭から悲惨な殺人事件とか起こってたわけじゃないので、完全に油断してました!
    そもそも、郁江も秀一郎もまさかとっくに死んでたなんて思いもしなかったから、犬が突然死んだのもきっと郁江が殺したんだろうなぁ理由はわからんけど…くらいの気持ちでしたわ。
    「引っ越しの夜、なぜかしきりに吠えたという隣家の柴犬と、その二、三日後、突如北川家にやって来た大型のジャーマン・シェパード…。それに加えて、がっちりしたキッチン鋏。そして極めつきは、アメリカ人が使うような特大の冷凍庫だ。」
    うわああそういうことか…と。
    そういう猟奇的な出来事。大好物です。

    にしても亜矢名の行動力、計画性、忍耐強さ、半端ない。目的のために全てを利用していく姿勢、サイコパスじみていてとても良い。
    そして、その狂気の根底には歪んた家族の影響が強く、父親に似た男に惚れてしまうところなんかも、最高でした。
    やはり真犯人にはその「人格」を形成する上で多大な影響を与えた「何か」があり、それがきちんと描かれるのが好きです。

    読み終えてみるとそれまでのインタビュー内での細々した描写も全て伏線になっており、きれいに辻褄が合うのはとても気持ちが良かった。
    その、ミステリーとしての気持ち良さと、事件の真相の気持ち悪さが相反しているところが、また良い。
    読後感はスッキリしたので、後味悪いとは感じません。事件そのものは、おぞましいですがw

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    投稿日:2023.02.23

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