佐々木閑 / 角川ソフィア文庫 (21件のレビュー)
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総合評価:
まさし
5
タイトルのとおり「なるほど、科学と仏教は共通点があるんだな」と膝を叩くこと請け合いです。
内容の大半は科学の説明に割かれていますが、面白いのは仏教の説明に入ってから。 ブッダは、悟りを啓いたけどあくまで普通の人だという説明はフラットに宗教と向き合う距離感を保ってくれるし、仏教が何故こんなに…多種多様な宗派に枝分かれしているのか? という発端の考えについても、とても合理的な理由があって親近感が持てます。 褐色の恋人で有名なスジャータさんが、実は、ブッダの命の恩人だったり、大乗仏教の経典の内容はブッダの言葉ではないと結論が出ていたり、トーマス・ヤングは言語学にも顔を突っ込んでいたり、面白いエピソードも満載で楽しめます。続きを読む
投稿日:2014.02.04
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hazu-haya-yu
1
好奇心
物理や数学嫌いじゃないけど、とっても苦手でした。小さい頃から。 なのに買ってしまった。全くの好奇心です。 知識に乏しいのが悔やまれましたが、進化論から物理、数学の成り立ち、プロセスと思考という点では非…常に興味をそそられました。 南に広まった仏教と、中国を通って日本に広まった仏教の変遷は興味深く、反対に西洋では昔はいまにもましてキリスト教が、世間・世界の中心にあったのだなあと外枠に感心しました。続きを読む
投稿日:2014.02.03
じゃがいも
0
科学と初期仏教
宗教 仏教は、来世の平安を願い という印象を持っていたが、釈尊はそのようなことは説いていない。 遥かに実践的論証的という下りはとても新鮮であった。今 我々が仏教として信じているものは、後世の坊主たちが…釈尊の名を借りていろいろ付け加えていったものにすぎないということがわかった。現代科学の基本的な考え方と釈尊の教えは共通する底流があるのだなとしみじみ感じた。続きを読む
投稿日:2022.05.30
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echigonojizake
科学と仏教という無関係に思える両者が、実は「神の視点の排除」という共通のテーマを持っていることを著者は明らかにする。テーマから面白そうと思い読み始めたが、物理学、進化論、数学といった「科学」の話だけで…3分の2に達する。いずれもキリスト今日的な神の視点から、人間中心の視点への転換=人間化がキーワードとなる。 量子論から無理数の話なども出てきて、いつから仏教の話になるのだ??と読み進めていくと、後半は一気に仏教の歴史と大乗と上座部の違いの話になり、それまで読んできた価格の話と急に接近する不思議な体験ができる。仏教が超自然的な絶対者の力を否定し、人間の存在だけをよりどころに世界観を構築しようとした点を詳しく描いており、科学の人間化とシンクロしていたとは! 科学が仏教に漸近したようにとれるが、仏教自体も変わっている。日本をふくむ東アジアで独自の発展を遂げた大乗がそれだ。日本の仏教は超自然的な存在も認め、釈尊の原始仏教とは乖離しているのも興味深い。科学と仏教がそれぞれ「真理探究」という共通目的に向かう過程で、独自の方法論や哲学を発展させてきた結果だ。 また、「犀の角たち」というタイトルは、他者に惑わされず真理探究に邁進する姿勢を象徴する。これは本で取り上げるここのエピソードはもちろんだが、ユニークな文体で論を展開する著者・佐々木閑氏の姿勢そのものだと感じた。とても刺激的な本でした。 続きを読む
投稿日:2025.04.05
Go Extreme
物理学: 進歩の本質=パラダイムシフト 神の存在&磁力/重力 素粒子は意志を持つか 物事は確立でしか予測できず 神の視点を排除し科学は進展 多世界解釈 進化論: キリスト教との攻防の歴史 超自然的存在…の排除 神の視点を見抜いた日本人 数学: 無理数 実無限 虚数i 有限と無限 釈尊、仏教: 自己の努力だけを拠り所 苦行か瞑想かーブッダは瞑想を選択 淡々とした人生・人間らしい最期 3つの特性ー現象世界の法則性・努力領域を精神に限定・集団生活体制 そして大乗: 爆発的多様化 合理性だけで全うできないのも人生続きを読む
投稿日:2024.08.29
aiaitaro8
パラダイムシフトを繰り返し進んで行く科学の思考法・世界観の方向性とブッダの創始した仏教の思考法・世界観とが相似形であるということを論じた一書。ブッダの本だというのに、全302頁中、ブッダが本格的に登場…するのが233頁。だからつまらないかというと、そんなことはなく、筆者の博覧強記ぶり、さまざまな学問分野の歴史のエッセンスをぎゅっとつかみ、分かりやすく読者に提示する手つきが素晴らしい。こういう類いの本(特に歴史書など)は学問的にちゃんとしようとするあまり、学問的には正確な記述なんだろうけど、「結局何がどうなの?」となることが多いが、実に本質を分かりやすく伝えてくれる。そして、上座部仏教の方がブッダの創始した本来的な仏教に近いものであり、僕らに馴染みのある大乗仏教は後にブッダの教えから離れ多様化した仏教のあり方だということがとても良く理解出来た。しかし、といって、上座部仏教こそが真の仏教であり、大乗はダメというのではなく、大乗仏教の価値を認めているところに、筆者の知性を感じる、読んでよかった!続きを読む
投稿日:2024.04.25
ayanen
身の回りに起きている自然現象、当たり前に受け入れているそれぞれの、改めてみるとなんと不思議なことか。 初期の哲学者が科学者たり得たこと。 神が創った世界を解明するための科学から、 神ではなく人間が知…覚する世界を記述しようという態度への変化。 ヴィパッサナーは本来的な仏教の教えに限りなく近かった 人間を通して物理的世界を究明する科学、 人間を通して精神的に世界を追究する仏教(本来の) 続きを読む
投稿日:2024.02.16
useless2
科学と仏教。一見すると関係のなさそうなこの2つの間には、世界観を確立する方向性において重要な類似点がある、という。科学は神の視点を廃し、人間の視点によって納得できる物理的世界観を構築する方向に発展して…きた(例:相対性理論、量子論、自然淘汰説、実無限など)。一方(釈迦)仏教は、神という超越的な存在をはじめから考慮せず、人間の視点だけで精神的世界観を構築する。神ではなく人間の視点で世界観を構築するという点が両者の類似点である、という考察は非常に面白い。科学は実験というコントロールできるミクロの現実を使って世界を捉えようとし、仏教は禅定によって世界全体を捉えようとする。この方法の相違も、先の類似点を考えると示唆深い。続きを読む
投稿日:2024.01.08
トシノリ
1 どんな本? 仏教を科学的に説明する骨太本。未来の科学と 仏教の解釈の相関にまで触れているのはこの本だ け。 2 なんで読んだの? (1) 仏教の本でレビューが高いから。 …(2) 原始仏教の楽に生きる知見を学びたい。 (3) 学びを人生に活かせる状態になりたい。 3 構 成 全5章296頁 「科学理論の構築した偉人たちは皆瞑想の習慣を 持つ」と始まり、「釈尊に心からの敬意を表して 考察を終わる。」と締め括る。 1-3章で科学が「神の視点」から「人間化」へ の推移した事実と歴史を。4章で原始仏教を。5 章で大乗仏教について述べている。 4 著者の問題提起 科学と仏教の関係を明らかにしたい。 5 命題に至った理由 科学と仏教が大好きな著者の考察から。 6 著者の解 科学が進化して仏教との関係が学術的に明らか になるだろう。 7 重要な語句・文 (1) 神の意思 (2) 人間化 (3) 合理性だけで全う出来ないのも人生 (4) アーリア人 (5) 超越者 (6) 偉大な学者は瞑想している。 8 感 想 私には骨太な本で読破に骨が折れた。 刺さったのは合理性だけでは人生を全う出来 ない事。支えが必要だと思う。 深く知りたいことはヒトラーが迫害をするに 至った理由。アーリア人のルーツが関係あるのは 理解した。 人に勧めるなら科学者達は瞑想習慣がある事。 瞑想と言うよりも考え事だと思う。 ビジュアル要素は無し。(図とか) タイトルの犀のたちは最後まで読まないと理解 できない。 私には非常に骨太な本だった。 9 TODO (1) 再読 10 問 い 人生に必要なものは? 11 答 え 支え。 続きを読む
投稿日:2023.11.03
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