【感想】ダークゾーン(上)

貴志祐介 / 祥伝社文庫
(37件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
2
17
13
3
0
  • 貴志祐介、待望の新刊!!

    お前は、赤い軍団の王だ。味方の戦士を指揮して、戦いに勝利せよ。

    唐突な始まりから、一気にこの特異な世界観に引き込まれる。
    最近では、人気俳優が主演した悪の教典、の作者として有名な
    貴志祐介氏であるが、こうした不思議な舞台装置での活劇は、
    名作クリムゾンの迷宮(未読の方はこちらも必見)以来、おそらく
    氏の最も得意とする分野であろうと推察する。

    本作は将棋世界を具現化し、将棋のコマを異形の生命体に置換した、閉鎖空間での予断を許さないリアルタイムの戦闘に描き起こしたもので、
    この辺りにゾクゾクできる向きには、非常に満足感の高い作品と言える。互いの軍に、それぞれ非常に攻撃力の高い駒・生命体が
    配備されており、これらは将棋の飛車、角を連想させる。また雑兵
    でありながら、一定時間の戦闘に耐えると昇格する(歩の成り)
    など、細かいルールもなかなかに面白い。
    戦闘開始時は、戦力はまったく互角なのに、時に一方的な
    展開になったり、劣勢であっても、一気に王を討ち取れば、
    それで勝利になったり。将棋は、指す人の棋力で決まる、という
    当たり前の世界が本作によってゲーム感覚で、すんなり理解できる。

    上巻では、敵味方、手探りの緒戦における混乱が描かれる。
    もっとも大切なのは、現在の状況、敵味方の戦力、その展開、について
    限られた手段で、”情報収集”する事、というメッセージが感じられる。
    これは、現実社会でもまったくその通り、と実感できる。

    新社会人にとっては、まさに異空間な環境、組織で、なにを目標に、
    どんな手段で、誰と連携して、働くのか(戦うのか)これを組み立てるには、
    正確な”情報”こそ命。

    現実世界も、またダーク・ゾーン。














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    投稿日:2013.11.05

  • ちょっと分かりづらい

    将棋に模したバーチャルな世界でx回戦の戦いが繰り広げられる。構想は良いのだが、個々の戦い(作戦)が分かりづらい。将棋を知っている人だったら面白いのかな?各回戦の合間に挟まっているリアルな世界の話も捻りが欲しかった。後、主人公に色目を使う女の役割がよく分からん。続きを読む

    投稿日:2013.11.16

  • 情報非公開のゼロサムゲーム

    冒頭、何の説明もなく異世界からスタートし戦いを強要される。
    貴志祐介氏のクリムゾンの迷宮のようなスタート展開で繰り広げられるファンタジー。

    まるで将棋のようなゲームで4勝をしなければ存在が消えてしまう(かもしれない)。
    逆に4勝すれば無事に現実世界に帰れる(かもしれない)

    全てが謎、ゲームが進む中で主人公も情報を得、同時に読者も情報を得ていく・・・。
    深く考える作品ではなく、単純娯楽として面白い作品でした。
    続きを読む

    投稿日:2013.11.16

  • クリムゾンを思い出させる!

    ゲームの世界だがそうではないようなリアルを感じさせるとても面白い内容です。長編ですが一気に最後まで読んでしまうと思います。

    投稿日:2013.11.19

  • 内容に入り込む迄に

    登場人物把握に時間がかかるので、タブレットで読むに適していないように感じました。

    投稿日:2013.11.28

  • また新しい世界に出会ってしまった・・

    この作家さんの頭の中って、どんなことになっているんだろ・・!?
    と、思わず呻かずにはいられない作品。また新しい発想の本に逢ったな、と思ったら、大概この人の作品のような気がします。
    もちろん、設定だけなら奇抜なものは沢山あるでしょう。けどこの方の作品の驚くべきところは、きちんとミステリーという根底を抑えたままで、我々に未知の世界の冒険心とか不気味さとかをくすぐってくれているところなのではないでしょうか。
    ・・と、この感想はちょっと早かったですね。後半、信頼はしてますけど、どんな結末が待っているかは分からないですから。
    いざ下巻!
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    投稿日:2013.12.28

ブクログレビュー

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  • ねこまた

    ねこまた

    あまり将棋に詳しくもなく、始めは何が起きているのかよく分からないまま読み進めた。異空間で戦う各局面は映画のような描写でずんずんと引き込まれるも、上巻を読み終わる頃にも何がなんだか、という感じ。ただ各局の合間に書かれた現実世界の断章を辿ると、後半には段々と様子が見えてくる。最後には完全に謎が解けて、ぼろぼろ泣いてしまった。
    各局の戦いも手に汗握るものだったし、徐々に謎が解けていく構成も、謎自体も凄く良かった!
    戦いの描写が最初なかなか想像しづらかったので、ぜひ映像化してほしい…!
    続きを読む

    投稿日:2024.03.01

  • につ

    につ

    このレビューはネタバレを含みます

    感想
    将棋のようで違うのは、実際に命をかけた心理戦ということと、勝ち負けの先にあるのが何かは分からない恐怖。

    しかし、自分の手駒の歩兵に自分より段位の高い棋士がいるのに助言を求めないのはなぜ?

    あらすじ
    棋士の卵である塚田は、ある日突然、ダークゾーンと呼ばれる世界に掘り込まれる。そこでは赤軍と青軍が持ち駒を駆使して敵を倒す七番勝負。まるで将棋のような世界だ。

    持ち駒はゴーレム、死に手、鳥、軍師に歩兵とDF。敵の大将は自分と同じく奨励会3段の奥本であると分かる。

    三局目までで1勝2敗。塚田は逆転できるのか?

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    投稿日:2024.02.08

  • ss512(試)

    ss512(試)

    このレビューはネタバレを含みます

    舞台は軍艦島。だけどどこか違うそれは、周りが虚無で覆われた「ダークゾーン」に浮かぶ島だった。訳も分からず、怪物の姿となり、将棋やチェスの駒のように戦わせられる人間たち。一体ここはどこなのか!?下巻に期待が高まる!

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    投稿日:2023.01.09

  • jube

    jube

    面白かった。ただ、ぼんやりと昔読んだ記憶があるような気がする。多分読んでると思う(笑)、が、まったく思い出せないので、中途半端に初読感。読了後調べてみると、2018年にも読んで同じように、以前読んだかもと書いていて、さらに調べると、2013年にも読んでいた。どないやねん
    読み始めてすぐに、これ、永井豪の『真夜中の戦士』やん、と思ったら、本文中でも言及されていた(p146)。フレドリック・ブラウンやスタートレック、アウターリミッツも。
     ダークゾーンと呼ばれる異空間で、将棋などを混ぜたようなウォーゲームの7番勝負を行う。主役は将棋の奨励会三段、ダークゾーンでの1局ごとに、断章があり、奨励会での出来事や将棋生活が語られる。ダークゾーンでの対戦は序盤、もたつきがちで、ラノベ無双になれすぎているせいか、あまり面白くは感じられなかったが、後半結構面白くなってくる。
    続きを読む

    投稿日:2022.06.29

  • kaori930

    kaori930

    このレビューはネタバレを含みます

     将棋・ゼロサムゲーム・異次元設定に造詣の深い人はもっと楽しめるかな?
     恋人も駒になるのに駒として扱わないところは、序盤は素敵だと思って読んだが、後半は腹が立ってきた。
     下巻でどう決着がつくのか、決着がついたとき、どうなっていくのかを考えると、ワクワクする!
    あと、将棋がやりたくなる。チェスと囲碁もやりたい。

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    投稿日:2021.06.17

  • popongataro

    popongataro

    このレビューはネタバレを含みます

    将棋が全く分からず、キャラクターの数が多くて、頭に入りにくかったが、戦いはスリルがあって、読んでいて楽しかった。
    塚田の視点で読み進めたためか、最後まで読み進めると、塚田がかなり身勝手なことをしていることが分かるが、不思議と嫌な人物だとは思わなかった。

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    投稿日:2021.06.12

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