【感想】宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の謎

村山斉 / 幻冬舎新書
(280件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
49
115
61
13
0
  • 何もないところから、何かが生まれるメカニズム

    ビッグバンが起こり、宇宙が誕生。微生物が生まれ、恐竜の時代を経て、類人猿、そして人類へという進化の過程はいろいろなところで聞いてきた。けれど、そもそもビッグバンが起きて我々のもととなる“物質”ができるというのはどういうことなのか、についてはどうもよくわからなかった。

    村山先生がこの本で教えてくれた素粒子物理学を読むと、どうやらその秘密は、素粒子=ニュートリノとヒッグス粒子にあるらしい。物質が生まれた時、同じ量の反物質が生まれたと考えられており、物質は反物質が出会うと1対1で消滅してしまう。同じ量のふたつがあるのだとしたら、宇宙の全ては無になっているはず。でも実際は物質が存在している。物質が存在するためにわずかにバランスを崩す役割を担っているのがニュートリノなのだそうだ。わずか数%のズレで生まれる物質は、宇宙に充満するヒッグス粒子によって原子になり、質量を持ち始めたという。

    2013年、“欧州原子核研究機構(CERN)によって存在が確認された素粒子(ヒッグス粒子)に基づく、質量の起源を説明するメカニズムの理論的発見”によって、ヒッグス粒子の名前の元でもあるピーター・ヒッグスがノーベル物理学賞を受賞。

    まだまだ宇宙のほとんどを占めるとされている暗黒物質はほぼ内も解明されていない状態ではあるけれど、真空状態で、無であるとされた宇宙に、我々が存在するきっかけは徐々にわかりつつある。
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    投稿日:2013.10.31

  • 素粒子物理学の骨格をさらりと教えてくれる良書

    素粒子物理学の概要を素人に優しく教えてくれる良書です.
    ただ,カバーする範囲が広範で深いので数式なしの日本語と挿絵だけで理解するのはちょっと難しいかなと思いました.
    村山先生の説明はわかりやすいので他の本も読んでみたいと思います.続きを読む

    投稿日:2013.10.04

  • 「宇宙の起源を知ろうと思ったら、素粒子のことを理解しなければいけません」

    膨張を続ける宇宙も時間を逆行してその起源をたどれば、物質をこれ以上分解できない最小単位に行き着く。つまり広大な宇宙を知るには素粒子を理解することになる。この両極端なものの結びつきを著者は「ウロボロスの蛇」にたとえる。
    大学で力学、電磁気学を少しかじったが、素粒子物理学の前提にあるのは常識を超えた数々の概念だ。たとえると、太陽は自分の頭上を東から西へと移動しているように見えるが(天動説)、実は自分が動いているのだよ(地動説)、と告げられたようなイメージだ。本書は入門書ということでそれを平易に解説している。途中で素粒子の名前が多数出てきて混乱したが、どのようにして宇宙が解明されているかを知るにはうってつけだ。
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    投稿日:2015.05.23

  • 素粒子についてこんなに分かり易く書かれた本は他にないのでは?

    そうか、この本は「素粒子物理学で解く宇宙の謎」が主題だったのか。
    「宇宙が何でできているのか?」が主題の本だと思っていたので、大半が物質について分かったことの説明だったことが残念だったのですが、残念なのは早合点して本書を手に取った自分でした。
    ま、それはそれとして、素粒子についてこんなに分かり易く書かれた本には初めて出会いました。
    ミクロな世界に興味はあるけど何から読んでいいか分からないって人は、本書を選んでおけば間違いないでしょう。
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    投稿日:2017.02.23

ブクログレビュー

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  • 竹蔵

    竹蔵

    このレビューはネタバレを含みます

    宇宙は何でできているのか

    ベストセラーとなっているのもうなずける、平明な文章と解説です。特に、各理論のエッセンスを要約し、難しい説明を省く際の思い切りの良さが光ります。
    内容的には、ウロボスの蛇をモチーフとした、極大(宇宙)と極小(素粒子)の世界が実は密接な関係があり、現状で物理学・天文学はその真の姿にどれくらい迫れているのか?を教えてくれます。
    また、逆に何がわかっていないのか?わかっていないものにはどんな説があるのかに関しても若干触れています。
    惜しむらくは、「生物と無生物のあいだ」の福岡先生のようなドラマティックな発見物語や裏話などはないのでその点は期待なきよう。
    一昔前は、面白い科学本は欧米の科学者かサイエンスライターの書いた物という頭がありましたが、最近日本にも平明な文章で楽しく・面白く科学を解説してくれる科学者の方々が増えてきているようで、今後期待したい分野であります。
    「事実は小説より奇なり」ですから。

    竹蔵

    レビューの続きを読む

    投稿日:2025.04.23

  • 図書館ぶらり

    図書館ぶらり

    興味本位で図書館から借り読んでみた。
    うーん。題名からして、子供でもこうした疑問思うと思うのですが、なかなかの難しい内容。理数系が苦手な方は、読むペースがちまちましそう。
    新書はやはり、難しいです。
    これなら、子供が持っているこども図鑑を読んだ方がわかりやすかったかな。
    最後まで読みたかったのですが、最初と中盤、最後にざっくりと読んだ程度。さすがに、細かく読めませんでした。
    続きを読む

    投稿日:2024.08.03

  • jerico

    jerico

    ざっくり理解をする事が出来たと思うが、物理や数学的な専門的なところに入り込んでくると、中々理解が及ばないので、もどかしさはある。
    でも宇宙に対する興味はあるだけに悩ましい。
    宇宙の始まりとか、もう自分の頭では想像が及ばない領域なのです。続きを読む

    投稿日:2024.06.18

  • 会社員かずや

    会社員かずや

    #ヨンデルホン
    #宇宙は何でできているのか #素粒子物理学で解く宇宙の謎 / #村山斉
    #幻冬社新書 #ヨミハジメ #ドクリョウ #ヨミオワリ
    2010年刊行。難解な内容を分かりやすく丁寧に書かれていた。過去の研究やノーベル賞受賞の後日談などもあり、面白く読めた。ビッグバンまで遡れば人類皆兄弟。続きを読む

    投稿日:2024.05.08

  • だい

    だい

    とても素晴らしい内容である題名から不足される宇宙の出来事でありますが 本書の内容は副大臣に示す 物理学の話が主になっている とても分かりやすく解説されているので 多くの人におすすめできる内容である
    でできているのか 更生する物質は ソリューシと呼ばれるものである これはとても小さな物質を構成する単位である 宇宙を語ることは所有者に成り立ちよ ら調べることと同じ意味合いにあることを意味している
    ニュートリノのバンコク 物質 ビッグバン
    素粒子量子力学の研究はどのように行われているのかクオークを探し求めるミニ ロンド 実験の世界が語られている
    4つの力とは 重力 電磁力 強い力 弱い力不確定性パリティがキーワード仕草 粒子は発見された
    続きを読む

    投稿日:2024.05.05

  • 9678

    9678

    はじめのうちは興味深く読んでいたが、途中から難しすぎて気が遠くなりました。これが入門書であれば、私には理科系はやはり無理です

    投稿日:2024.03.11

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