【感想】エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

グレッグ・マキューン, 高橋璃子 / かんき出版
(918件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
354
339
130
17
1
  • 仕事の【断捨離】

    『エッセンシャル思考』というタイトルからは内容の想像が付かないのですが、読み進めていくウチに自分の中で感じたのは「これは『仕事の【断捨離】』の本だ」という感覚です。
    断捨離という言葉がバズワードとなってしまい、このレビューを書いている2015年3月にはほとんど見かけなくなったのですが、自分で仕事を持ちすぎず、最も必要なものだけにしてしまうという方法論が、断捨離と同じ方向だと思います。

    ちょうど先日、別のところでこの書籍の記述に通じるおもしろい話を聞いたので紹介します。
    日本のある企業(規模こそ小さいですが、知名度はある会社です)の社長さんの話で、大きな売上につながる研修講師の依頼が入ってきました。
    たまたま、同じ日に社長の中学生になるお子様のイベントがあり、そのイベントに参加するとお子様と約束していたとのことです。
    社長は依頼の返事を1日延ばしてもらいましたが、その後取った行動、そして翌日の回答はどのようなものだったか、想像できますでしょうか。
    答えは、
    「お子様と話をして、イベントに自分が参加して欲しいのか正直なところを聞き出した。
    そしてその結果をもって、講演の依頼はお断りした」
    です。
    優先順位が一貫しているところ、家族との人間関係を重視するところが、本書と同じだと感じましたし、実践している人が現実にいるのだというのも驚きでした。

    いま自分が仕事のやり方を表面的に変えようとすると、「生兵法は大怪我のもと」になるだけに思います。
    エッセンシャル「思考」とあるように、ものの考え方を改め、今やるべきことは何か、そう決断する理由や優先順位はどうなっているのか、というところに一貫性を持たせないといけないでしょう。
    それには自分自身の判断基準が確立していないといけないですし、自分の信念やビジョンというものも明確にしていくことになるかと思います。
    (ここまで、上の社長さんの話が出た、目標達成の講習で聞いてきた話ですが)

    また、仕事を1つに絞ると言うことは、その1つで失敗することは許されないということになります。
    複数の仕事を並行に動かすのは、どれかが失敗しても他でカバーする、というリスクヘッジの意味もありますので、それを捨てて1つの仕事を絶対に成功させるという覚悟や自信を持っていないとできないことでもあるでしょう。
    極端な話、外的要因での失敗も仕方ないでは済まされず、先着して外的要因の影響をつぶしておくなどの必要があるし、それだけの行動ができる権限や能力、意志の強さが求められます。
    そもそも、仕事を絞らないと回しきれないほど持っていないし(この段階で仕事を絞るとただの「サボり」です)、自分の場合は優先順位の考え方は必要ですがまずは絶対量を増やしてからですね。
    続きを読む

    投稿日:2015.03.01

  • 充実した人生を生きるために

    近年読んだビジネス書の中でも、最良に近い部類の本だと思います。

    仕事をしていると、自分が本来やらなければならないことのほかに、雑用に近いことも含め様々なことをしなければなりません。時には、そうした種々雑多なことごとが複数の人や部門間を結びつけ、仕事の円滑化につながっていたりすることもありますが、その反面、自分の価値を最大限発揮できているのだろうかと疑問に思ってしまうこともあろうかと思います。
    この本は、そうした、自分にとっての本質から外れたことを多く行っていることが個人および企業のパフォーマンスを低下させており、自分にとっての本質が何かを見極め、そこに集中することこそが優れたパフォーマンスを発揮するために必要なことだということを主張しています。
    本書は、プライベートも視野に入れたうえで、自分の仕事への取り組み方を見直すきっかけを与えてくれると思います。
    続きを読む

    投稿日:2015.07.12

  • 最少の時間で成果を最大に。

    思考をスッキリさせて、とにかく無駄を省こうという本。
    「本当に重要なのは何か?」それ以外のことは、全部捨てていい。
    というフレーズが強く残っている。
    仕事はもちろん、人生にもためになる本で素晴らしかった。読み返したい。続きを読む

    投稿日:2015.09.04

  • 良かった

    最近読んだビジネス書の中ではかなりよかった。
    シンプルで分かりやすく、実践したいと思う。
    読んでおいて損は無い一冊。

    投稿日:2015.09.04

  • 超合理的な思考法。

    エッセンシャル思考とは極めて合理的な思考のことのようだ。日本社会で受け入れられるかどうかは疑問だが、そのように考えられたらかなり効率が上がりそうではある。

    他人、特に上司等に頼まれた仕事を断るというのはなかなか難しいものがあると思う。欧米のように個人主義がある程度認められていて比較的ドライな環境ならできるかもしれないが。

    でもこれからの日本社会も個人主義が強くなっていくのが予想されるから、一読の価値はあると思う。ただ力がないものには不利な社会になるだろうけど。
    続きを読む

    投稿日:2015.11.25

  • 決断の裏に潜むトレードオフに着目するのはいいが・・・

    勘違いしがちだが、著者はマルチタスクが問題だとは言っていない。
    マルチフォーカスがダメだと言っているのだ。

    この本で推奨されている「決断すること」になんら躊躇を感じなかったジョブズも、Next時代の最初の合宿で、会社の目標をすごいマシンにするか、納期厳守にするか、価格を3000ドル以下に抑えるかを決めようとする愚を犯している。
    この3つはすべて、なにがなんでも実現しなければならないことで、彼も優先順位付けを苦手としていた。
    美しい事務所やかっこいいロゴへの拘りも、それ自体は悪くないが、その決断に伴うトレードオフを無視していたのだ。

    本質と本質でないことの区別は、本書でも語られている通り重要で、生まれたばかりの会社を率いるCEOなら必ずやらなければならないことだったが、ジョブズにはそれが出来なかった。

    しかしトレードオフを重視し過ぎるあまり、本当に重要なことだけに集中し、やることを減らし、周りとの間に境界線を引くというのはどうだろう?
    視野を狭め、可能性を見逃すことになりはしないか?

    ジョブズが講演で語った「点と点がいつかつながると信じる」ことは、あちこちに散らばって無関係で無意味とさえ思えた可能性が、結果として一つにつながることで、iPhoneやiPadを生んだプロジェクトも、ある日「iPadあれ」とジョブズが宣言し、その意思を実現するため会社全体が全精力を傾けるという形で進められたわけではなく、社内の至る所でぶくぶくと泡立っている可能性を整理し、なにかまったく新しいものへとつなげる道筋を思い描くことで実現した。
    続きを読む

    投稿日:2017.12.08

ブクログレビュー

"powered by"

  • もろ

    もろ

    この本を読むと、いかに自分が「選ぶ」ことを放棄しているんだな、とつくづく思う。目標はあれど明確ではない、だから基準がない、基準がないから選ぶこともできず、何でもいいとなっている。すぐにこのエッセンシャル思考で生きることは難しいと思うし筆者も同意見だが、少なくとも努力はできるし少しずつ身につけていく、で良いはず。「選ぶ」ことを選んでいきたい。自分に浸透させたい思考。続きを読む

    投稿日:2024.04.14

  • Ronnio

    Ronnio

    久々に見返した。
    時間術、タイムマネジメント、断捨離と基本的には同じ内容だが、残すべきものをより厳選しており、その根拠を徹底定期に解説している点で、主張が強い。

    essentialとは「重要」とう意味だが、「不可欠」というニュアンスが強い。
    なので本書で述べられている「エッセンシャル思考」というのは、「不可欠なものだけに集中する考え方」と言える。
    この時点で非常に厳密である。

    人生における幸福度合は、単一の要素の多寡だけでは測れない。
    お金だけを多く持っていたとしても、自由な時間だとか健康がなければ不幸せだ。
    自由な時間がどれだけあっても、一緒に楽しめる友人や愛する恋人・家族などの打ち解けた人間関係がないと楽しさの上限は低い。

    私は生活における幸せの総量は木樽や桶に入るものと同じように考えている。
    木樽は側面の板という要素が組み合わさって多くの中身が入る容器を構成していて、1本が短ければそこから中身はあふれ出る。

    なので単一の要素ではなく、全体的なバランスも重要と考えている。
    そうはいっても、分散してしまうと成果を出すには効率が悪い。
    そこで重要になってくるのが人生の時間軸における一点集中期間の積み重ねである。

    今この時に集中できるリソースをエッセンシャルな1点に集中して、必要な条件に達するまでの成果を出し、満足できた段階で次の点に取り掛かる、という行動をとった方が、急がば回れが如く効果的なのだ。
    とまぁ、こういうことをいっているのだと理解した。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.08

  • みゆ

    みゆ

    最近日々過ごす中で「選択」ということについ考えることが多くなり、手に取ってみた本。
    エッセンシャル思考とは、選びとり、他の選択肢を捨てること。より少なく、より良いものを選びとるという面では、ミニマリズムとも通ずる面があるように思った。人が良かれと思ってするアドバイスや一般論に左右されず、自ら考えること。本質はどこにあるのか、それを見据えて生きること。とても勉強になる内容だった。この考え方を取り入れて、迷いや過去に囚われずに、今この瞬間を生きることに重きをおき、すぐ行動することを今後心がけたい。続きを読む

    投稿日:2024.04.06

  • 読書家kanchin

    読書家kanchin

    自分自身で選択をして人生を取り戻すということ
    自分で優先順位を立てて、選ぶということを自覚する
    そして人生で成し得たいことに焦点を当てる
    それが非常に重要なことだと自分はこの本を読んで理解した
    人生は長いようで短いし、自分にとって重要なことは何かというのをとことん意識してやりきっていきたい
    自分の仕事において何を重要視するか
    それは本当にやらないといけないことなのか、
    エッセンシャル思考で取捨選択していきたい
    続きを読む

    投稿日:2024.03.31

  • しゅ

    しゅ

    何かを選ぶことは何かを捨てること。
    もしたった一つのことしかできないとしたら今何をするのか。
    自分で優先順位を決めなければ他人の言いなりになってしまう。
    より少なく、より良いものを選ぶこと。
    トレードオフの考え方はとても大事。続きを読む

    投稿日:2024.03.26

  • 1986634番目の読書家

    1986634番目の読書家

    このレビューはネタバレを含みます

    とにかく重要なこと以外は断捨離していこうという趣旨の本。成果をあげるために必要なこと以外は全て切り捨て、時間を有効に使うことが大事だということを学んだ。
    これを読み始めてから、何かを行う時に「本当に重要なことか?」を意識するようになった。そのおかげで、「時間がないからできない」と言い訳をしていたことを自覚できた。いかに自分が無駄なことに時間を浪費していたかを教えてくれた本であった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.03.25

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。