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ケイン岩谷ゆかり, 井口耕二, 外村仁 / 日経BP (29件のレビュー)
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総合評価:
Grizzly
7
面白い!
一言でいうとこの本は面白い。以前は挑戦者であったアップルがいつのまにか世界の帝王になってずいぶんたつが、その裏側とアップルのこれからを描いた話。そもそも会社のカリスマ的創業者がいなくなったあとの会社は…衰退していくと言われている。ソニーもその例にもれず、この本の返しにかいてあるコピー「ソニーは偉大な企業から単なる良い企業になってしまった」とかかれているように、アップルも次第に黒い影が襲いだしている・・・。一読の価値多いにあります。なおこの本はアップルCEOのティム・クックが名指しで批判した話題作です。続きを読む
投稿日:2014.06.18
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ABAKAHEMP
4
『スティーブ・ジョブズ』の次に読むべき本はこの一冊
これまで何冊かアップルを取り上げたノンフィクションを読んでいるが、アイザックソンの『スティーブ・ジョブズ』の次に読むべき本はこの一冊かもしれない。 CEOの健康状態をどこまで発表すべきかのせめぎ合いや…、徐々にゴジラ化していくアップルに焦点を当てた前半は、闘病中のジョブズの様子も描かれるが重複は少なく、彼が結婚20周年の記念日に送るものを古い友人であるデザイナーと相談しながら決めていく様は実に感動的。 後半では、アップルもソニーのように偉大な企業から単なるよい企業となってしまうのかという疑問を掘り下げていく。 特別だったジョブズがいなくなってアップルも変わったが、何より社外からの見る目が大きく変わった。 フォックスコンにおける労働条件やサプライヤーに対するアップルの厳しい姿勢、米国に対する何十億ドルもの納税を逃れるための複雑な仕組みなどが次々と明らかになり、「世界をよりよい場所にするのが会社のミッションだ」と言って自分たちを倫理的に一段高いところにいると取り繕うことが難しくなっている。 アップルは、「ほかの業界の破壊者であるとともにみずからの破壊者である」とも言われているが、この姿勢を貫くのは生半可なことではない。 データや分析に頼るのではなく、大胆な発想から製品開発を進めることができるのは、リスクを取り自分の行動が正しいと証明できる創業者だけで、盛田やジョブズの後の、雇われ経営者にはそもそも荷が重い話のような気がする。 そもそもクックはリスクをとって業界自体を変えてしまうような新製品を出す本当に革新的な会社を目指していないのかもしれない。 彼はこれからも確実に利益の出る、すばらしい普通の会社を目指し、彼を選んだジョブズも、後任には自分と同じワイルドカードではなく、きちんとふるいにかけられた人物を選んでいる。 ジョブズとクックのスタイルの違いも面白い。 ・ジョブズは休暇中の幹部を呼び戻すことが多かったが、クックは部下の私生活を尊重するため、以前より休みを多く取るようになった。 ・ジョブズは興味を持つとなんにでも首を突っ込んできたが、クックは信じて任せるタイプであるため、結果が出るまではジョブズのようにNoと言わない。 ・ジョブズは摩擦上等だったが、クックは協力関係とチームワークを大切にする。 ・ジョブズは利益をあまり気にしていなかったが、クックのような経営者は利益を重視し過ぎることが多い。 ・クックはわずかな金額を値切って利益を出すタイプで、ジョブズはそのお金を使って人々を幸せにするタイプだ。 アップルは、これまで、市場に新たな可能性を拓くこと、新たな消費者の欲求を生み出すことを一番の目標とし、利益は二の次にするのが特徴だったのに。 クックの人事における眼力やコントロールも当てにならない。 企業文化がそもそも大きく異なる家電量販店出身のブロウェットにアップルストアをまかせるべきではなかったし、何よりフォーストールをクビにしたのは一番の間違いだった。 著者は、フォーストールがいなくなり、アイブが製品のデザインとユーザーインターフェイスの両方を統括するようになったが、うまくバランスをとれず、見た目はいいがまともに使えない製品が生まれるおそれがあると指摘する。 「アップルの現幹部が認めようが認めまいが、彼らはいまも天才という罠に捕らわれたままだ。この罠が彼らを縛り、悩ませ、あらゆる決定にまとわりついている。ビジョナリーリーダーが世界的な偶像となり、さらに死によってその影響力が昇華されたいま、残された人々は、創意工夫と意思の力をかき集め、炎をふたたび燃え上がらせることができるのだろうか。それとも、あちこちで言われているように、アップルは単なる企業になりつつあるのだろうか。その場合でも、世界的にも有数の成功を収める企業にはまちがいなくなるはずだが、その卓越した力が世界を変えることに発揮されるのではなく、利益をあげることに発揮される企業、そういう企業になりつつあるのかもしれない」続きを読む
投稿日:2014.07.22
崩紫サロメ
2
「沈みゆく」ことより「帝国」になっていたことが衝撃!あと、サムスン絡みも面白い
このタイトルを見て、軽い衝撃を覚えた。 かつて、Appleといえば、「虐げられたもの」で「抵抗するもの」で、 「悪の帝国=マイクロソフト」に対する「挑戦者」だったはずである。 少なくとも20世紀末はそ…うだった。 自分のMacが最後のMacになるのではないか・・・そんなことを思った頃もあった。 それが。 そういえば。 いつのまにやら。 世界の中心たる「帝国」になっていた。 栄枯盛衰は世の習。 沈まぬ帝国はない。 本書の面白いところは、「沈みゆく」部分だけではなく、 「Appleが悪の帝国になってしまっていたということ」に対する戸惑いがじわりじわりと伝わってくるところだ。 いや、面白いというよりも悲しいことなのだが。 それから、普通に面白かったのが、サムスンとの訴訟でのやりとり。 デザインの剽窃を訴えるAppleに対し、サムスン側は乳飲み子を抱えながら夜通し仕事をしたデザイナーの姿を語る。 あれ?そういう情緒的な問題!? 結局のところ、サムスンは敗訴したわけだが、こうした情緒に訴えるところは、 韓国の大統領選挙などでも見られるような。 別にアメリカン・スタンダードに合わせなければならないという法はないのだが、 企業がグローバル化すると意外なところで「あれ!?」というようなことが出てくるものだと思った。 続きを読む
投稿日:2014.09.04
J.SUZUKI
個人的には微妙
読む時間があまりなかったのもあるが、流し読みでも結構時間がかかった。 非常によく取材して書いているのは良く分かるが、だから何なの?的な雰囲気が全体的に漂う感じ。内容的には確かにクックは批判するわなぁ、…って内容だし(タイトル的にも)、アップルフリークはこういった本は読みたくないだろうなぁ、と。 クリステンセン教授のコメントの辺りはフムフムって思った気がする。続きを読む
投稿日:2016.03.06
レビューネーム未設定
1
偉大な企業も明日はどうなっているのか?分からない。
飛ぶ鳥を落とす勢いのアップル。次々と魅力的な製品を生み出し、ワクワクさせてくれる企業なのですがそんな偉大な企業にも「これでもか!」というぐらいに弱点があることを本書は教えてくれます。アップルの今後が気…になる方は一読しておく事をおススメします。 10年後にもう一度読み返してみたくなる本です。 続きを読む
投稿日:2014.11.27
アップルへの幻想と現実
ビジネス書ということで、取っ付きにくい、読みにくい本かと思っていたら、思いがけず引き込まれた。文章もわかりやすく、ある部分では小説でも読んでいるような感覚になる。あまりビジネス書に慣れていない人にもお…勧めできる。 本書の中で出てくるのが、アップルはソニーのような「偉大な」企業から単なる「良い」企業に変わってしまうのか? という問いかけだ。こんなところでソニーの名前を見るのは日本人として非常に悲しいものであるが、作者の言っていることはもっともだと思う。ソニーを始めとする日本企業が、アップル、グーグルだけでなく、サムスンやファーウェイのようなアジアの企業相手にも苦戦しているのも、ある意味しかたのないことなのかもしれないと感じる。 サムスンとの特許戦争や、サプライヤーとの問題、フォックスコンのひどい労働環境なども詳しく記載されていて興味深い。しかし、このような問題を持って、「アップルは悪だ」とは必ずしも作者は言っていない。そのような問題は、他の企業も抱えているものだからだ。ただ、アップルは良くも悪くも目立つため、異常なほどの攻撃にさらされてしまう。(もっとも、アップルの姿勢にも問題はあるのだろうが) また、この本では必ずしもジョブズを神格化しすぎてはいない。ジョブズにも失敗はあった。iphone4のアンテナ問題がそうだし、7インチサイズのタブレットは売れないと判断したこともそうだ。そもそも、アップルが今抱えている問題はジョブズがいた頃からあったものだとはっきりと書かれている。ただ、ジョブズ亡き後は新しいイノベーションを生み出せなくなったために、批判を浴びやすくなっただけだ。 アップルが今後どうして行くべきなのかはわからない。まあ、答えがわかっていれば、日本の家電産業も苦しむことはなかったのだろうが。Macとipad、iphoneを持つ身としては、また新たなイノベーションをアップルが起こしてくれることを期待するだけである。 それにしても、アメリカ人がもつアップルの幻想は凄まじいものだと感じた。本書では「アップルは人々に新たな価値を与える存在」だとアップル自身が言い、アメリカ人たちもそれを信じている節がある。自社の利益ではなく、顧客を喜ばせることを第一にしている存在だと。 だからこそ、サプライヤーや特許、税の問題でアップルが利益を追いすぎているとバッシングされている状況が描かれている。 私のような1アップルユーザーの感覚では、「利益追求なんて当たり前じゃないの? 大企業ならどこでも黒い部分くらいあるでしょ」と思ってしまうので、アメリカ人の持つ「アップル=善」のイメージには驚かされた。続きを読む
投稿日:2014.10.21
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dekadanna
ジョブズ亡き後のAppleを占う書の一つと思う。フォーストール、アイブ、シラーの働きとクックの関係を垣間見ることができる。今後のAppleはどうなるのか、この書だけではまだまだ何も見えないが、恐らく、…アイブの動きとと働きが結局鍵を握るのではないかと思う。続きを読む
投稿日:2018.11.12
suburibilly
アップルは巨大になってしまっており、全体的な売上や利益にはっきりと貢献し、成功だとみなされるためには、出した新製品が何百万台も売れなければならない―ジョブズなきあとアップルはイノベーションのジレンマに…陥るのか続きを読む
投稿日:2018.11.04
miura8118
4年前に書かれた本だが、懸念されてたよりかはまだアップルは沈まずに、うまくやっているように見える。 ただイノベーションが衰えてるのは確かで、表向きのビジネスは成功しつつも、筆者が懸念してるようなコトが…ジワジワと蝕んでいるようにも感じる。 この本の正確な評価には、まだ数年はかかると思った。続きを読む
投稿日:2018.10.29
すぎもったん
ジャーナリストである著者が自身のウォール・ストリートジャーナル在籍時代の取材などからスティーブ・ジョブズ亡き後のアップルの今後について書いた一冊。 数々の取材からジョブズの病気の情報をいかにして守る…か、現CEOのティムクックの素顔、Siriの評価、サムスン・グーグルとの訴訟、サプライヤーであるフォックスコンでの労働者の実情など前線で取材を行う著者であるから書ける情報が多くありました。 そして、数々のイノベーションを起こす製品を世間に発表してきたアップルが今までの製品の改良版の発表にとどまっていることやジョブズならしなかった競合他社の批判などの広告戦略などジョブズ亡き後の迷走も本書で知ることができました。 また、電子書籍や特許を巡る訴訟については詳細に描写が描かれており、非常に臨場感のあるものでした。 クックとジョブズのシナジー効果やクックとジョブズの会議での進行方向の違いやジョナサンアイブの工業用デザインとユーザーインターフェースの両方に並外れた手腕を発揮するのは難しいというところは今後のアップル社の行方において楽しみになりました。 自分たちの生活が一変する利便性の高い革新的なアイテムを使う一方でフォックスコンなどサプライヤーへの要求やそれ応えようとする人たちの労働環境には非常に考えさせられるものがありました。 なぜジョブズがクックを後継者として選んだのか?という部分の指摘もあり、非常にアップル社がジョブズが抜けたあとのアップルの凋落と同じ道を歩まないか今後を考えるうえで非常に参考となる一冊だと感じました。続きを読む
投稿日:2016.11.07
kenshinakagawa
ジョブズ死後のアップルに焦点をあてた1冊。目新しい情報があるかと思い読んでみたが、ありきたりの内容でちょっとがっかり。ジョブズ亡き後、革新的な商品がアップルからでないのはアップルが普通の優良企業になり…つつあり、イノベーションのジレンマに陥っているからみたいな内容は誰でも感じることで、それに関する裏付け取材は感心するが、今更それを言われても。。。続きを読む
投稿日:2015.11.08
uma-z
ジョブズ後のアップルが輝き続けられるのか。タイトル通り、著者はその未来に否定的。兎にも角にも、世間を驚かすような製品を出せるかに尽きるだろう。
投稿日:2015.05.31
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