【感想】ビタミンF

重松清 / 新潮社
(570件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
98
213
190
27
3
  • 父親、家族を描かせたら重松さんの右に出る人はいないのでは…

    いつでも開ける短編集はReaderと相性が良いと思いますが
    人生半ばに差し掛かり
    家庭での居場所に窮屈さを感じるように感じ出した父親と
    その家族を描いたこの作品は腰を落ち着けてじっくり読みたい作品
    A,B,Cなど15種類ある中で存在しないビタミンF
    存在しないFをFamily、Father、Friendなどの言葉にかけて作られたFiction(話)
    Fiction(話)の力を感じる作品です



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    投稿日:2014.06.29

  • 「お話」の力を感じる短篇集

    私事で恐縮ですが、2000年の夏、第124回直木賞受賞作が載った雑誌「オール讀物」を手に、「この作品おすすめだよ、読んでみて」と友人からすすめられたのが「ビタミンF」に収められた「セッちゃん」という作品でした。

    「セッちゃん」はいじめをテーマにした作品です。

    物語の中で描かれる家族の苦悩に、自分がその立場だったらどうするだろうと自問自答しながら読み終えて、強く感じたことは、いじめという重苦しいテーマからくる不快感よりも、「身代わり雛」を流すことで家族が前に進もうとすることからくる希望や救いでした。

    あれから14年。「ビタミンF」の電子版が出版されたと知り、早速購入しました。

    「セッちゃん」を読むためにだけと言っても過言ではありません。

    今回読んではじめて知ったのですが、「ビタミンF」の後記で、各短編に込めた思いを、作者の重松清氏は次のように書いています。

    『そのうえで、いま全七編を読み返してみて、けっきょくはFiction、乱暴に意訳するなら「お話」の、その力をぼくは信じていたのだろうと思う。これからも読み物の書き手として畏れながらも信じつづけていくものは、「お話」の力しかないんだろうな、とも』

    私はこれを読み合点がいきました。

    私が「セッちゃん」を読んで感じた「希望」や「救い」は、重松清氏が信じる「お話」の力の賜物だったのだと思っています。
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    投稿日:2014.06.28

  • せっちゃん

    父親(Fatherの「F」)が主人公の短編集。

    「せっちゃん」、切なくて思わず泣いた!
    つらい、悔しい、切ない。どうもしてあげられない子の苦しみを知った時の、親たちの葛藤やもどかしさ。どれも珠玉の名作ですが、一番はこれでした。続きを読む

    投稿日:2014.09.26

  • 世代的には分かるけれど

    ちょっと若い時に読んでも共感が得にくいかもしれません。この世代を描いた作品もたくさん読んできましたが,特別という感じはもてませんでした,正直。

    投稿日:2014.10.15

  • おもしろい

    いろんな家族の苦悩が書かれていて、自分が家庭を持ったら……こんなときはどうするのかな?って思いながら読み進めていました。
    短編集という形態が、いろんな家族を描いていて読みやすく、心に残るものでした。

    投稿日:2015.05.30

ブクログレビュー

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  • Sayuri

    Sayuri

    2003年(発出2000年) 362ページ

    第124回直木賞受賞作です。
    重松清さん、初読みです。
    人の心にビタミンのようにはたらく小説。
    Family、Father、Friend、Fight、Fragile、Fortune … 〈F〉で始まるさまざまな言葉をキーワードに紡いだストーリー、そしてFiction…お話の力を信じ続けていくーーーーー後記で作者が述べられていたことばです。
    ◉ゲンコツ
    ◉はずれくじ
    ◉パンドラ
    ◉セッちゃん
    ◉なぎさホテルにて
    ◉かさぶたまぶた
    ◉母帰る
    7編の短編小説がおさめられています。
    いずれも30代後半くらいの男性を主人公とした物語です。家族、親子、夫婦の関係を描いた物語で、どれも印象深いお話でした。日常の中の重苦しい出来事をテーマにしたお話が多かったです。主人公が、それぞれ家族関係の悩みや葛藤を抱えています。家族間の表面には見えない心、そして家族の絆を描き出しています。どんな家庭でも起こり得るリアリティさがあり、身につまされます。特に『セッちゃん』が切ない。『かさぶたまぶた』も主人公の視点が胸にきます。他のお話も心を揺さぶってきます。
    さすが直木賞と思う作品でした。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.20

  • そねさん

    そねさん

    37,8歳の物語。自分には少し遠い未来だったけど、大人になってから出会う「苦悩」や「快楽」など、考えさせられる作品だった。
    子供ができた時、どんな父親で居られるのか、分からないから、またこの本に戻ってこようと思う。続きを読む

    投稿日:2024.03.17

  • Limei

    Limei

    30代後半から40歳の、人生の「中途半端」な時期に差しかかった夫であり父である人たちの7つの家族の物語。

    けっこう心にずっしり重い。
    「なにが、どう間違っていたのだろう。」
    その都度家族のためを思って正しいと思って生きていたのに、ふってくる家族の問題。
    読めない子供の心。
    家族って難しいですね。
    子供は思い通りに育たないし、自分が良いと思っていることは子供にとって良いこととは限らないし。
    そもそも、「親の思い通りに」と思うことが間違っているんだろうな。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.12

  • nattak

    nattak

     中年を迎えた男たちが、仕事場での関係や家族内での立場などに悩む姿を描く短編集。みんな若くなくなってそれぞれに悩みを抱えるようになる。それぞれの物語の中ではそれらに対する解決が示されるわけではないが、それでも同じような年代の者としては身に染みるような状況が描かれていて、共感できる。ハッピーエンドとは言えない物語だが、それでもそれぞれが悩みながら頑張っている姿を見ると、自分も頑張ろうという気持ちになれる。続きを読む

    投稿日:2024.03.05

  • TAKEYA

    TAKEYA

    重松清氏の2冊目ですが、更に次の本が読みたくなりました。 今春に中学生になる娘を持つ私としてもドキッとすることがあります。 自分ではないことなので、乗り越えるのは自分自身なんだけど、親って干渉したくなるのかな〜続きを読む

    投稿日:2024.03.01

  • Rinco

    Rinco

    家族とは。
    みたいなざっくりそういう感じの話でした。
    共感できるとこできないところあったし、結局家族って難しいなぁ、家庭って難しいなぁと感じる

    投稿日:2024.02.28

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