【感想】楽園の日々 アーサー・C・クラークの回想

アーサー・C・クラーク, 山高昭 / ハヤカワ文庫SF
(8件のレビュー)

総合評価:

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  • こんなおじいちゃん日本にもいるはず…

    アーサーCクラークをSF作家としてだけ認識していた方は、是非彼の生い立ちを含めた生き様をこの本で堪能して下さい。技術者として、軍の技術員として、そしてもちろん極めつけのSFマニアとして、自分の趣味嗜好全開で生きるその姿勢に感動します。この本のトーンは、どこかで読んだことがあると思いましたが、ファインマン先生の一連のエッセイにそっくりです。物事を究めるということは大切なのです。日本ではなかなかお目にかかれない種類のエッセイですが、こんなおじいちゃんはこの国にも必ずいるに違いないです。きっと。続きを読む

    投稿日:2013.09.26

  • 楽園の日々

    宇宙開発が夢の世界で、核エネルギーが発見され、そしてSFが黎明期だったころ。
    夢を抱くとは、知識を求めるとは、未来に乗るとは。
    知性が全盛を迎えて疑似科学作家が生まれ出でる瞬間。
    大家たちが子供だった頃、そこにも自由と現実と夢を追い求める楽天的な夢想家がいたのです。
    クラーク先生の作品を見ると知識人がいるということをはっきりと意識できます。
    ここからは誹謗中傷も入るので読み飛ばしてもよいです。
    えっと、自民党が参議院選で勝ちましたね。
    でね、僕はナチが共産党を非難したように自民党の勝利を非難できません。
    なぜならメディアが、民主主義が、SNSが、知識ではなくその反対側のものをきわめて声高に宣伝しているからです。
    都議選でも鳥越氏と小池氏は負けるでしょう。
    そしてメディアは縛られてしまいその権力の源を失うように思います。
    私は知識の価値を信じるものとしてその知識極めて粗雑な扱いと露骨な軽侮を隠さない今の主要メディアに対し彼らが陥るであろう奇妙な没落を冷淡な視線で眺めるでしょう。
    黄金時代は終わったのです。
    55年体制への復帰は反対もなく速やかに行われるでしょう。
    楽園の日々。
    フロンティアはすでに無く、文筆の地位の低下は急速です。
    ああ、楽園の日々。
    僕は時代遅れな人間です。
    そして、それでも僕たちは楽園に生きているのです!
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    投稿日:2016.07.19

  • 巨匠の青春時代?

    クラークとはいえ、エッセイなのだから軽く読み終えるだろう…
    と、たかをくくって読み始めたのですが、意外にもボリューム満点でした。

    内容は、若い頃に影響を受けた様々なSF作品に関しての私感を、当時の思い出、あるいは人物との出会いや交流などを交えながら描かれており、スタンリー・キューブリックやロバート・A・ハインラインといったSF界における重鎮達が次々と登場します。

    中でもあのクトゥルフ神話で有名な、H・P・ラヴクラフトにまで言及されていたのは、私には意外な驚きでした。
    そういえば、クラーク氏の作品「幼年期の終わり」や「宇宙のランデヴー」などはラヴクラフトっぽい雰囲気もあるかな~…
    などと勝手に妄想しながら楽しく読むことができました。

    古典SFファンなら迷わずオススメです。
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    投稿日:2015.11.28

  • パルプ雑誌の表紙が載ってたところがいいですね。

    電子書籍を買う前に試し読みを読んでみました。アーサーCクラークさんはきっと
    少年の頃から月や火星や宇宙ステーションに自分がいつか行ける事を夢みながら小説を書き続けたんだと思います。
    テレビなど普及していなかった40年代50年代から彼は宇宙旅行を夢見て小説を書いた。
    パルプ雑誌などの昔懐かしい表紙の絵を見ながら小説の中で彼は宇宙探検を試みたのではないかと
    思いながら読みました。
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    投稿日:2015.03.18

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  • ykikuchi

    ykikuchi

    『2001年宇宙の旅』の著者として有名なアーサー・C・クラークさんのエッセイ。少年時代からの愛読書『アスタウンディング』というSF雑誌との出会いと、如何にこの雑誌から影響を受けてきたのかを綴ったもの。所々に雑誌の表紙が掲載されており、この表紙を眺めているだけでも楽しい。この雑誌は、多くの著名なSF作家にも影響を与えてきているものというのも本書を読めばわかる。
    大好きなことに、手を抜かず貫き通すこだわりを感じる。科学技術に基づく未来を描くSF作家魂が随所に感じることができる。本書から、著者が示す第三法則を転記しておく。
    第一法則ー著名だが年配の科学者が、なにごとかが可能だと言えば、それはまずまちがいなく正しい。しかし彼が不可能だと言えば、たいていの場合はまちがっている。
    第二法則ー可能性の限界を知る唯一の方法は、それを超えて不可能の段階に入ることである。
    第三法則ー充分に進歩した技術は、魔法と区別できない。
    続きを読む

    投稿日:2020.07.24

  • kiwi

    kiwi

    自伝、を期待したのだけれど、思い出話もちょくちょく出てくるいつもの調子の手慣れたエッセイ。読みやすく、ユーモアたっぷりで、でもちょっと「テレビ司会者のジョーク」的なよそよそしさ。
    古いSFをまた読みたくなってしまった。続きを読む

    投稿日:2013.05.09

  • sylphid

    sylphid

    若き日のクラークのSF読書日記。
    イギリスのSF小僧に過ぎなかった少年が、
    いかなる作品を読破して、それらを自らの血や肉と成し、
    遂にはSF御三家に名を連ねるまでに至ったのか、
    作品名を通じて追体験できる好エッセイ。
    収録された作品が少々古すぎて、収録された作品を
    イメージするのが難しいのが欠点?
    これがジェネレーション・ギャップなのかもしれない。
    続きを読む

    投稿日:2010.05.31

  • Manabu

    Manabu

    ■引用
    p328
    第一法則:著名だが年配の科学者が、なにごとかが可能だと言えば、それはまずまちがいなく正しい。しかし彼が不可能だと言えば、たいていの場合はまちがっている。
    第二法則:可能性の限界を知る唯一の方法は、それを越えて不可能の段階に入ることである。
    第三法則:充分に進歩した技術は、魔法と区別できない。
    続きを読む

    投稿日:2008.08.14

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