【感想】四畳半神話大系

森見登美彦 / 角川文庫
(1539件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
428
596
317
57
9
  • エッシャーの騙し絵の世界を歩くような、奇妙な心地よいふわふわ感。

    冴えない苦学生が薔薇色のキャンパスライフを夢見つつ、うだうだ悩んで駄弁って選択して空転して過ごす、4つの平行世界を巡る「if」の物語。もし〜たら、れば、を巡って知る、必然と偶然と運命。

    4話目、蛾ともちぐまが出て来た辺りからの、頭の中で伏線が一本のベクトルに集約して物語を逆行していくすっきり感と、4話までの間に繰り返された表現が改めて多用されることによる既視感が凄い。あえて既読箇所を飛ばし読みしていくと、読む箇所が減ってくる物語の後半、展開が早まるような錯覚に陥るのでおススメです。エッシャーの騙し絵の世界をふらふら歩くような、奇妙な心地よいふわふわ感。

    隣の芝生は青いけど、今いるそここそがあなたの選択、青い鳥はいつもそこにいるのね的な普遍的なテーマを、一見高尚な文体で包み込んでピリッとスパイスを利かせた、でもやっぱり面白い小説です。
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    投稿日:2014.08.15

  • 「あの時ああしてれば…」などとクヨクヨしている方にはこの一冊

    何とも不思議な物語に出会ったものです。

    四つの短篇からなる一冊ですが、四篇とも同じ主人公、同じ時系列、同じ場所を中心に広げられる異なる物語。
    いわば読者は四篇の並行異世界を体験する事になります。

    予備知識ゼロで取り組むと、この辺の仕組みを正しく理解するのに半分、約二〇〇頁も要してしまいましたが、理解してからは楽しさ倍増。
    最近氏の作品の世界観も理解し始めてきた所だったので、余計な気を回す事無く純粋に没頭する事ができました。

    ただ、最後の一篇は解決編に見えて読者を混乱させるだけだった様な。
    発想は凄く楽しかったけれど。
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    投稿日:2014.04.06

  • 並行世界で七転八倒…嗚呼、バラ色のキャンパスライフはどこに!

    相変わらず拗らせたキャラクターを描くのが上手い。
    『四畳半恋ノ邪魔者』 『四畳半自虐的代理代理戦争』 『四畳半の甘い生活』 『八十日間四畳半一周』 バラ色のキャンパスライフを夢見て入学したのに、冴えない大学三回生になってしまった私。並行世界での4つの物語。
    妖怪の如き悪友の小津、謎の人・樋口師匠、孤高の乙女・明石さん。登場キャラクターもクセモノ揃いで。小津の小指から繋がるのは運命の黒い糸、シュレディンガーの猫、占いの婆さん、猫ラーメン、コロッセオ、大量の蛾…雑多な情報と小道具が入り乱れ、世界は綾取りのように縺れ絡まる。
    下鴨幽水荘の四畳半で繰り広げられる七転八倒。面白かったです。
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    投稿日:2015.03.06

  • 薔薇色のキャンパスライフを目指して

     ノイタミナ枠でアニメ化されていました。アニメと原作では細かい設定が違いますが両方おもしろい作品です。時間があるかたは原作も読み、アニメも見てみるといい思います。
     主人公は薔薇色のキャンパスライフにあこがれる大学生の「私」。小津と出会い、私の大学生活はこんなはずじゃなかったと後悔する日々。あのとき、ああしておけば・・・
     アニメを先に見ていたので内容を知っていましたが、それでも、なかなか楽しい作品でした。回収された伏線が気持ちいいです。
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    投稿日:2014.05.10

  • 本当にリアルな学生生活を描く観念的青春小説

    薔薇色の学生生活は、夢の国の話なのか?それとも、現実にあるのか?

    学生の町京都を舞台に、縦横無尽に青春を謳歌する若者たちの物語。
    それが、たとえ4畳半の下宿の中で悶々と日々を送っているにしても、それは青春なのだ。

    薔薇色の学生生活は、手に届かないところにあるようで、実は青い鳥のように近くにあるのかもしれないし、
    誰かの歌にあったように、青春自体の真ん中は、道に迷っているばかり

    若者は黒髪の乙女を求めて、次元を超えて旅をする。
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    投稿日:2016.07.15

  • もしあのときやり直せたら

    本当によかったのでしょうか?
    この本はきっとその答えを教えてくれるはず・・

    投稿日:2013.09.28

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ブクログレビュー

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  • I.M.O.

    I.M.O.

    いっとき、何を書いても森見色に寄る時期があった。
    それぐらい彼の作品には影響された。京都への関心から、語彙と文体まで。
    というか、人生まで。予備校に逃げ込んだ時分に本書に出合い、今後の大学生活四年間の、まっすぐ曇天につづく軌道が見通せたような、いっそ清々しい気持がしたものだ。いろいろあって思いのほかどんよりと進路が掻き曇り、在学がけっきょく五年まで延びたのは秘密である。底抜けに学業からドロップアウトしていくじぶんに愕然とするたび、いつも念頭をかすめたのは、学問において低空飛行にも関わらずどこ吹く風を貫く妖怪小津の勇姿であった。暗い回顧に目が据わる私の顔を、小津が覗き込む。宵闇にぼうと浮かびあがるその顔は、不健康な人間の舌をびっしり覆う苔のように不気味に白い。
    「あなたまだそんな瑣末なことに頓着してるんですか?」
    「ええい、うるさい」私は吼えた。頬が俄かに塩辛くなったのは断じて泣いているからではない。孤高を身上に生きる狼の頬は得てして前触れなしに塩辛くなるものなのである。異論は大抵まっとうだから許さない。

    大学入学早々に、知り合って間もない知人に貸したきり、本書は返ってこない。
    十指に余るほどの回数読み込んだわが読書人生最愛の書であるだけに惜しい。
    面白い作品ほど貸してしまい、そして往々にして還らず、滂沱の涙に枕を腐らせる。
    もうすまい、もう金輪際貸すまい、と胸に誓ったこと幾度。
    それでもまた夜が明ければぬけぬけと棚から抜き出してリュックにしまいこんでしまうあたり、私は手のつけようもない阿呆だ。責任者はどこか?

    ああ四畳半神話大系。
    ほうほうの体で大学を出たいまとなっても改めて読みたいものよ。
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    投稿日:2024.05.28

  • いけうち宏維

    いけうち宏維

    漢字の勉強になる。
    物語のポイントポイントがコピペされ、少しサプライズがある感じが心地よい。

    ナルトのイザナミ

    投稿日:2024.05.26

  • mocasa

    mocasa

    あ、良かった。とりあえずほっとした。ハッピーエンドだ。と思ったらそこで終わりじゃなかった。
    運命論。諦観。霞んだ青春。アホらしい馬鹿騒ぎに疑わしい友情やら胡散臭い師弟愛。螺旋の中で練り込まれて行く。
    京都は既視感が似合う街だ。天狗も、仙人も、たぬきも、黒髪の乙女も、アホも、留年生さえも(蛾は苦手だ)。関東生まれ関東育ちとしてはズルいと思う。
    この作品は途中で飽きるかもしれない。そんな時は積読がおすすめ。しかしいつか抗えない何かが頁を繰る時が来るのだ。

    とりあえずモチグマンが欲しい。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.20

  • もち村もちこ

    もち村もちこ

    タイムループ系かと思いきや、パラレルワールド
    入るサークルによって人生がかわる??

    前情報なしだったので最初?だらけだったけど、そういうことか!と分かってからは不思議な世界に入り込んで楽しめました!

    あの時こうしておけば。。。と悩んだことがある人ならよりおもしろいかもです!

    なにげない日常をこんなに魅力的に描けるのはさすが森見登美彦先生だなと!
    続きを読む

    投稿日:2024.05.14

  • hyakki

    hyakki

    運命の黒い糸にぎうぎうに縛られ不毛で赤裸々な学生生活を送ってしまう「私」だけど、憎みきれない小津との友情も黒髪の乙女明石さんへの恋心もどのみちひっくり返せない運命···こわいよ無限四畳半!バラバラがひとつになる妙味とセルフつっこみ的文章が快感。続きを読む

    投稿日:2024.05.14

  • 読書クマちゃん

    読書クマちゃん

    森見登美彦さんの京都の描写が大好き。実家が近いから戻ると京都へ遊びに行くこともあるけれど、住む人の目線で描かれているからまた違った魅力があっていいんだよね。

    投稿日:2024.05.14

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