【感想】ホームタウン

小路幸也 / 幻冬舎文庫
(39件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
7
20
11
1
0
  • ホットします

    いい話です。安心して読めます。いつもですが、映像化されたら誰が演じるか、考えます。

    投稿日:2016.08.09

  • 人間ドラマとして読めば傑作

     舞台は北海道の3つの街。妹の木実の失踪、それを追ううちにフィアンセまでもが失踪していることを知る、主人公の柾人。兄妹にのしかかっている黒い過去、そしてそれを置いてきた旭川で、柾人を過去・現在を支えてきた脇役たちとの捜索劇が展開される。
     この小説はミステリーとして読むと物足りないかもしれませんが、小路幸也一流の人間ドラマとして読めば、感じるものが多いです。
     最後に柾人が住み込んでいる家のおばあちゃんとの会話のシーンにすべてが救われる思いがします。
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    投稿日:2013.10.04

  • 他のシリーズとは作風が違っているが面白かった。

    どちらかというとデビュー作に近い雰囲気で些細な出来事をきっかけに平凡な人生が変わっていく不思議さを描いている。
    幸せな家族だったはずなのにある日、父と母が互いに傷つけあい亡くなってしまう。その場を目撃した兄妹。自分たちには殺人者の血が流れている。それぞれの方法で辛い日々をやっと乗り越えた2人だったが突然の妹の失踪。
    大人になるってことはドアを閉めることを覚えることだ。責任ある立場の社会人として、時として嘘を突き通さなくてはならない時もある。それぞれの揺れ動く思い。
    主人公の征人が百貨店内部監察の仕事をしてることも関係し軽いミステリ仕立になっているが全体を通して優しさがにじみ出る流れである。
    嫌なこと、辛いことは溜め込まずに少しずつ吐き出しておきなさい、年寄りはそれを聞くのが役目、そしてぜんぶ墓場までもって行ってあげるよ。ばあちゃんの言葉が暖かい。
    私たち世代はもしかしたら歳のとりかたを少し勘違いしてるかもしれない。いつまでも元気で若くいることも良いけれど上手に枯れていくことを学ばなければと感じた。
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    投稿日:2018.07.13

  • 読み終わった後、ジワジワくるタイトルの意味

     ミステリーの分野に入るのでしょう。小説の内容は作品情報の通りなんですけど、まず、百貨店で働く行島征人の仕事が特殊です。こういう部署が実際にあるのかどうかは知りませんけど、きっと必要なんでしょうねぇ。
     物語は、ある事件がトラウマとなって家族を持つことを恐れている兄と妹のお話。そしてある日突然姿を消してしまう妹、その消え方が、あたかも存在そのものを消し去るような消え方でこれまた異常。と同時にその婚約者まで姿を消してしまう。この二つの事象には関連があるのかないのか。また、百貨店の方にも問題が。。。次から次へとナゾを呼び、また征人を取り巻く様々な人々も、一筋縄ではいかいような人が続々と。。。
     ついに全ての問題が解決したとき、いやいやただ一つ、例の倉庫にあったブツの行く末は、有耶無耶のままで、物語はめでたしめでたし、となるワケですが、ここで、名セリフがでます。「家族は、できあがるものじゃなくて、作っていくものだよな。」なるほど、血のつながりばかりが家族ではありません。そもそも夫婦なんて血はつながっていないんだしね。この小説のタイトルが、もし「ホームタウン」ではなく他のタイトルだったならば、あ~面白い小説だった、で終わるところですが、最後の最後にこのタイトルが効いていますね。
     ホームタウン、家族のいる所、あるいは故郷ですかね。寅さんだって、帰る場所、柴又があってこその寅さんなんですから。
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    投稿日:2022.06.06

ブクログレビュー

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  • dora

    dora

    2015.7.20 読了


    辛い過去をもち、そのトラウマを
    抱えている僕。

    高校卒業依頼、同じトラウマを持った
    妹 木実とも 会っていない。

    その妹からの 突然の手紙。

    「結婚を決めた」
    そんな人に会え、そんな決断ができるように
    なったんだ、と 素直に喜んでいた。

    その妹が 消えた。。。

    その妹の婚約者までも 行方不明。。。



    何が起きているのか?


    サラッと読めました。
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    投稿日:2015.07.20

  • msatoe2mr

    msatoe2mr

    かなり重たい幕開けに、読み進むのが辛いかなと感じましたが、さすがに人間性豊かな作家ですね。主人公と共に悩み解決していく読み手を感じてしまい、引きずられるように物語に魅了されてしまいました。主人公が成長していくと共に読み手の自分も成長出来たと感じ取れました。
    人生には過酷な時が在るものですが、小路さんの作品は、良い意味で刺激に成ります。応援歌のように、生きざまを勇気づけてくれますね。
    続きを読む

    投稿日:2014.01.12

  • iMaizu

    iMaizu

    デパートの探偵。ハードボイルドの要素もありつつ、ホロリとする優しさもあり。悲惨な過去がある兄妹が主人公だけれど、気持ちの良いお話でした。

    投稿日:2013.03.18

  • 優希

    優希

    凄惨な過去を持つ兄と妹を取り巻く奇想天外なお話です。
    小路作品の中では(日本が舞台という意味で)珍しい本格的なミステリーといっていいのでは?
    裏の世界を描いている割には、いつもの如く、悪者は表面に出てこない…(笑)
    ちょっと道を外れるとサスペンスになりそうなのが抑えられているのも個人的には好感が持てます♪
    続きを読む

    投稿日:2012.02.29

  • あお

    あお

    百貨店の探偵的業務の男が、離れて暮らしていた妹の失踪を追う内に、大きな事件に巻き込まれる。
    これまたアラもあれば突飛な設定も多いが
    イキイキしたキャラに助けられて一気に読めた。
    カクさんがいいね〜。

    【図書館・初読・12/25読了】
    続きを読む

    投稿日:2011.12.25

  • mr.

    mr.

    このレビューはネタバレを含みます

    柾人がつらい
    けど、良い人に囲まれてるよ



    「僕が探さないでどうするんですか。僕は木実さんの婚約者です」 

    レビューの続きを読む

    投稿日:2011.12.22

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