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芦原すなお / 創元推理文庫 (62件のレビュー)
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総合評価:
猫式
1
地味ながら良作です
このシリーズの探偵は小津安二郎監督の映画に出て来そうな古風な女性です。あまり活動的な人ではない為、本作は必然的に安楽椅子探偵ものとなっています。その夫の小説家が情報収集役兼語り部ですが、独特な性格の…人で、毎度事件を持ち込んでくる古なじみの警察官の話に頻繁に茶々を入れるので、読んでいて少し苛ッとくるかもしれません。しかし、その分のストレスは毎回登場する郷土料理や家庭料理の美味しそうな描写で吹き飛んでいきます。 本書の存在を初めて知ったとき、自分の中で『青春デンデケデケデケ』のイメージが強かったため、本当にこの作者さんにミステリィが書けるのだろうかと気になって手に取りましたが、その心配は杞憂に終わりました。ミステリィとしては並な印象を受けましたが、登場人物や作風が気に入って続編も読み、今では新作が出るのを楽しみにしています。続きを読む
投稿日:2013.09.28
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熊猫
表紙の雰囲気そのままの世界
作家のぼくの妻は名探偵なのだった。 安楽椅子探偵もの。 様々な形で持ち込まれる事件をぼくの妻が鮮やかに解いていく。 謎はたいしたことがないのだけれど、美味しそうな料理と昭和が色濃く残る描写、ミミズク…のかわいらしさが心地よい。 派手さはないけれど、よい作品だと思う。続きを読む
投稿日:2013.12.25
レビューネーム未設定
ちょっと安易すぎる設定
病弱な奥さんが難事件を解決する、というちょっと無理な設定ですが、時々登場するミミズクが、これはファンタジーなのかなあ、と感じさせてくれてホンワカします。 本格的ミステリー嗜好のかたには向きませんが、眠…れない夜のお供には刺激がなくていい短編です。続きを読む
投稿日:2013.12.27
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ぱぱいや33
このレビューはネタバレを含みます
再読。「ハート・オブ・スティール」を読んだら、芦原すなおが読みたくなって、このシリーズを一気に借りた。ほんと、この讃岐の手料理と何とも言えない語り口というか、事件を奥さんに相談に来る客人と夫であるぼくとの会話がほんとに魅力的。これこそ芦原すなおである。奥さんは完全なる安楽椅子探偵。こういう鋭い頭脳の持ち主になりたかったわ。しかし、こんな夫婦なら結婚しても良かったなー。
投稿日:2022.10.27
sana
作家の僕の妻は名探偵、そう、妻の方が。 ほのぼのした雰囲気です。 庭にミミズクが来る、八王子の郊外に暮らす夫婦。 作家の僕が語り手で、ややとぼけた感じ。 専業主婦の妻は料理上手で美人、しかも頭が切れ…て勘が良い、そのうえ、着物がよく似合い、仕立てもするほど。 二人で暮らす家での会話が中心なので、美味しい料理も出てきて、気分良く読めます。 事件の謎は夫の友人の河田警部からもたらされるものが多いため、けっこうガッツリ事件なのも多いんですが。 奥さまは家にいる安楽椅子探偵、僕は奥さまの指示で動くこともあるワトソン役の名コンビ。 「猫とアリス」を読んだ時には、作者は女性かと勘違いしておりました。 「青春デンデケデケデケ」の作者だとも気づかないでいた。 この作品を読んだら、男性に違いないと気づきました! この奥さんは優しくて賢いので女性から見ても感じはいいけれど、あまりにも理想的で、女性はこれは書かないでしょう。 魚を持ってきて郷土料理を食べたがる男性に「手間はかからないから」なんて言ってさらっと手料理、いやすっごく手間かかる料理じゃないの~! まあ夫も警部も奥さまの手のひらの上、状態ではあるのですが(笑) 1994年の作品にしても、奥さまは私が子供だった昔以前の大人の理想、ってぐらいに感じますねえ。 それゆえの懐かしさも感じつつ(笑)続きを読む
投稿日:2022.04.15
shuwacho
八王子からバスで20分の山奥に暮らす、作家のぼくと奥さん。 原稿の締め切りが迫っては、散歩に出たり、庭の草むしりをしたりするぼくに、笑顔で焼き芋をすすめてくれる奥さん。 庭のブナの大木にあらわれるミミズクにお裾分けしたり、のんびりとした生活。 そんな生活はふらりと訪れる友人たちに乱される。 家出した友人の妻の行方 絞殺された女性社長 散歩中に倒れて発見された地元の名主 奥さんとの馴れ初めに絡んだ骨董品の盗難 画壇の大御所の死の違和感 老舗お茶屋夫妻の離婚 デザイナーと元モデル夫妻の死体の謎 ぼくが友人と奥さんの美味しい料理を食べながら、酔いどれでいる間に、友人の話を聞いた奥さんは顔を曇らせて。 サラリと謎が解けて、時に切ない結末も、飄々としたぼくが和ませる。 美味しい料理を食べながら、ゆっくり飲みたくなる。
投稿日:2021.01.24
もちこ
美味しい郷土料理を給仕しながら、夫の友人が持ち込んだ問題を次々と解決してしまう新しい型の安楽椅子探偵――八王子の郊外に住む作家の奥さんが、その名探偵だ。優れた人間観察から生まれる名推理、それに勝るとも…劣らない、美味しそうな手料理の数数。随所に語り口の見事さがうかがえる、直木賞受賞作家の筆の冴え。 夫の、気が抜けるような会話が面白くて癖になる。 少ない手がかりで、言葉少なにサラッと謎を解決してみせる奥さんの奥ゆかしさも良い。続きを読む
投稿日:2019.11.16
marimoco
ぐうたら作家の主人公「ぼく」のもとへ友人から持ち込まれる事件を、専業主婦の妻が家事のかたわら鮮やかに解決していく短編七編。 よくある素人探偵&安楽椅子探偵ものと言えばそうなんだけど、夫を足代わりに使…い、縫い物の片手間に謎解きをするというスタイルが面白い。 夫と友人、奥さんとの軽妙な会話を中心に進んでいくので、かなり読みやすい。加えて、奥さんの作る料理が美味しそう! 約20年前の作品とはいえ、一応現代設定のはず。なのに、すごく昭和の雰囲気が漂うのはなぜだろう。 妻が常に着物を着ているからか、一歩下がって夫をたてている感じがあるからか。どことなくサザエさんに似た世界観を感じ、夫婦二人の穏やかな日常がほのぼのとしてて和む。 ただ、夫と友人との会話の端々に、何となく女性を下に見ているようなフシがあり、少し嫌な気持ちになるのは時代の違いのせいなのか…。面白いだけに、ちょっと残念。続きを読む
投稿日:2018.08.13
工藤恭悟
hontoの料理系ブックツリーで紹介されていたので読んでみる。 ちょっと古い作品なので、男尊女卑のノイがする。 ミステリーの内容も、初っ端から男の浮気性に腹を据えかねた妻が家出した、どうしようとのこと…。 主人公は男の肩をもって、男がちょっと浮気するのは当たり前、と自分の妻に言うが、ここで妻も黙っていない。そこがスカッとする。 この本は通しで、男と女の考えの行き違いが中心な事件ばかりな印象。それが苦手な人は読まないが吉。 ただし、主人公のつまが作るご飯はどれも美味しそう。続きを読む
投稿日:2018.01.02
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