猫式さんのレビュー
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9
このユーザーのレビュー
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大阪豆ゴハン(1)
サラ・イイネス / モーニング
残念ながら、たったの全12巻です
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安村家の四姉弟を軸にした群像劇です。なんとなく小金持ちな感じがする人たちの日常系のコメディで、所謂長編ストーリーものではなくて、細かいエピソードが一話読み切り形式で綴られていきます。登場人物それぞれの…職場や大学・家庭でのささやかなエピソードは地に足がついており、突飛なストーリー展開はありません。肩の力を抜いて気軽に読んでいる内に次の巻、また次の巻と手が伸びていくそんな漫画です。 続きを読む
投稿日:2013.09.25
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魔法の材料ございます ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚
葵東, 蔓木鋼音 / GA文庫
念のため第二巻まで読むことをお勧めします
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第一巻の評価は三つ星ですが、シリーズ全体に対する評価は四つ星です。仮に第一巻がいまいちでも、念のため第二巻まで読むことをお勧めします。本領が発揮されるのは第二巻からです。
[1]どんでん返しやミ…スリードなどの意外性がない為、窮地と解決がだらだらと連続している感じがする。[2]政治的な駆け引きがうまく描けているのに、「窮地→引き→思わぬ解決法の提示」といった流れを劇的に描くことでカタルシスを引き出すといった構成が出来ていない。[3]読んでいてニヤリとするようなシーンや展開があまり無いのが残念。
以上は、このシリーズに対して抱いた印象です。 悪い点ばかり書いてしまいましたが、このシリーズの魅力は、しのぎを削るような政治的闘争を粘り強く戦いぬいた末に薄氷の勝利を得るというストーリー展開にあります。私はそれが楽しくて続巻を購入し続けているのですが、この第一巻ではそういった要素は控えめで、主人公の立場の特殊性や人物像の奥深さ、特殊能力、他の主要人物の紹介に重点が置かれているようです。あまり劇的でないせいか、カタルシスを得ることが出来ませんが、読み終えたときに心地よい疲れを感じさせてくれるかもしれません。 続きを読む投稿日:2013.11.08
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えむえむっ!
松野秋鳴, QP:flapper / MF文庫J
意外によかったです
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キャンペーンがきっかけで読みました。そうでもなければ多分一生縁がなかったはずの小説です。以前、何故か深夜アニメ化された事があり、大雑把なあらすじだけは知っていましたが、逆にそれが仇となって手が伸びなか…ったのです。主人公がマゾヒストで女性達から暴力をふるわれるという事で敬遠しておりました。読んでみて、この作品に関しては読まず嫌いは良くないなぁと思わされました。あまりリアリティが無い上、暴力を振るわれた主人公がよがる様が大変気持ち悪いのですが、その体質を活かしてヒロインが抱える問題を頑張って解決していきます。それがカタルシスとなって読後感が良い作品でした。 続きを読む
投稿日:2013.09.26
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ミミズクとオリーブ
芦原すなお / 創元推理文庫
地味ながら良作です
1
このシリーズの探偵は小津安二郎監督の映画に出て来そうな古風な女性です。あまり活動的な人ではない為、本作は必然的に安楽椅子探偵ものとなっています。その夫の小説家が情報収集役兼語り部ですが、独特な性格の…人で、毎度事件を持ち込んでくる古なじみの警察官の話に頻繁に茶々を入れるので、読んでいて少し苛ッとくるかもしれません。しかし、その分のストレスは毎回登場する郷土料理や家庭料理の美味しそうな描写で吹き飛んでいきます。
本書の存在を初めて知ったとき、自分の中で『青春デンデケデケデケ』のイメージが強かったため、本当にこの作者さんにミステリィが書けるのだろうかと気になって手に取りましたが、その心配は杞憂に終わりました。ミステリィとしては並な印象を受けましたが、登場人物や作風が気に入って続編も読み、今では新作が出るのを楽しみにしています。 続きを読む投稿日:2013.09.28
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未完少女ラヴクラフト
黒史郎, コバシコ / スマッシュ文庫
異世界ファンタジーです
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H・P・ラヴクラフト氏が生み出したクトゥルフ神話に対するオマージュ小説ですが、オカルトやホラーではなく、異世界ファンタジーものです。女顔の主人公が、異世界に召還されて不思議な少女と出会い、元の世界に戻…る方法を探すため旅に出るという筋書きです。召喚前に主人公が暮らしていた街の方もなかなか魅力的だと感じましたが、少ししか舞台にならなくて残念でした。クトゥルフ神話の舞台の一つであるアーカムに似ている事から改名して同名にしてしまったり、文学が盛んだったり、学術都市的な側面があったりと大変面白そうなんですが…。この街を舞台に新作を書いてもらえないかなぁなんて期待しています。 続きを読む
投稿日:2013.10.02
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灼熱の小早川さん(イラスト簡略版)
田中ロミオ, 西邑 / ガガガ文庫
地味ながら良作
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この作者さんの「人類は衰退しました」を読んだ勢いで購入しました。あまり話題にあがることがない作品な為、全然期待していなかったのですが、読み応えがありました。学級崩壊の気配を感じ取った小早川さんという女…生徒(学級代表)がクラスに対してけんか腰ともとれる強硬な手段に出た結果孤立し、クラス全体を敵に回してしまいます。本作の語り部である飯島少年は人間(じんかん)を泳ぐのがうまいくせ者で、小早川さんの優秀な補佐役になっていくのですが、策士ではないため状況を劇的に変化させることができません。義務を果たさず権利ばかり主張し、視野が狭いせいで恥知らず且つ幼稚な他の生徒達と絶望のあまり過激な思想に陥ってしまった学級代表…。私はいつの間にか自分が飯島君の立場だったらどうするのかを考えながら本書を読んでいました。主人公達の物の考え方含め、色々と気持ちの悪いところのある小説ですが、お勧めです。 続きを読む
投稿日:2014.01.05