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吉田修一 / 幻冬舎 (719件のレビュー)
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総合評価:
goiching
6
ぞっとした
もう一度読み返したくなる作品。 5人に抱いた最初の印象が、読み進めていくうちにどんどん変わっていく。 よく考えてみれば、それはまさしく実世界と同じなんだなと思う。 第一印象と実際の中身、知れば知るほど…違ってくるかんじ。 かなりリアルな人間の心を描いていると思う。続きを読む
投稿日:2013.10.06
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ナチ_コチ_ショチ
5人の奇妙な同居者たちの、それぞれを一人称とした5つのプロット・・・最後に何で
5人の男女が、それそれ私・僕・おれなどの一人称で5つのストーリーが展開される。同じ出来事を別の観点から見ていくのが面白い。作家自体に文章力があるので、それなりのテンポで読んでいけるが、最後に何で暗転す…る?久しぶりに純文学を読んだ感じがした。続きを読む
投稿日:2014.05.24
しおり
5
パレードは続くのか?
第一印象とこれほどかけ離れた結末を迎える小説もちょっと他にはない。 第一章は固有名詞で華やかに飾られた軽妙な文章が並ぶ。そうかこれはちょっとユーモアのある若者たちの青春譚なのかとの印象を持つ。それが、…読み進めていくにつれ「あれ?」「あれ?」となり・・・ついにはとんでもない方向へ! ルーム・シェアをする5人の男女。家族ほど近くはないが友達ほど遠くはない。ゆるく結びついた彼らの日常。よく知っていると思ったいた人物が急に他人のように感じたことはありませんか?日常の中の虚像を見たい方に。続きを読む
投稿日:2013.10.05
ことく
再読はないな…
うーん…。 この作品のレビューは難しいなぁ。 特筆すべきことが何もないのです。山本周五郎賞受賞?各紙誌から絶賛?? みんなに見えるものが、私には見えない。 もしかして私はものすごくボンクラなのかもしれ…ません。 私は作中の5人が生きている感じが全くしませんでした。 みんなのっぺらぼうで、最後まで作品の中で体温を持ちませんでした。 何故なら、彼らが何を考えているのか全然読み取れないからです。木偶と同じです。 この小説で唯一印象に残ったのは旧甲州街道を真上から見下ろした景色のみ。 最終章では予想だにしない事件がいきなり始まり、中途半端なままエンディングを迎えます。 そんな兆候がそれまで全くなかったのに、気持ち悪いです。 多分二度と読み返すことはないと思います。続きを読む
投稿日:2016.04.20
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3
ストーリーの展開が面白い。
話の展開が意外でとても面白かった。今時の若者たちの心の内が巧みに描写されている。一度読み終わった後に、もう一度読みかえしたほど面白かった。
投稿日:2014.04.20
ondankbarehond
群衆の中の孤独
吉田修一氏の作品には、一緒にいることの地獄と、天国のような人間関係における孤独と、つまりは人間関係のままならさが良く出て来て、読んでいてその通りなのだけれど辛くなる。 草食系の外側の一皮を向くと肉その…ものが出てきちゃうような独特の雰囲気がある。 「悪人」ほどではないけれど、面白く読めると思う。続きを読む
投稿日:2014.05.01
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おしすい
このレビューはネタバレを含みます
巧みに仕掛けられた伏線が、ラストシーンで見事回収されるわけでもなければ、やられた!と声を上げたくなるようなどんでん返しが待ち受けているわけでもありません。 それでいながら、〝衝撃のラスト〟というのは、このような結末を指すのだろうな……と思わされてしまうのですから、恐ろしい作品です。 都内にあるマンションで、一見平和そうな暮らしを送っている五人の主要人物たちの視点が切り替わる形式で、物語は進行していきます。 しかし、解説にもあるように「こわい」結末が待ち受けているのです。 この「こわい」という気持ちは、実際に経験した〝こわさ〟、そして起こり得るかもしれない〝こわさ〟に対して抱く気持ちではないでしょうか。 「この階段は急だから慎重に降りなければ転げ落ちてしまうかもしれない」、「事故や事件に巻き込まれてしまうかもしれない」といった、日常生活を送る上での不安であったり、「暗闇に恐ろしい幽霊が潜んでいるかもしれない」という心理的な問題であってもそうです。 ひとはその、〝こわさ〟を想像したときに「かもしれない」と思うことで気を引き締め行動を見直し、逆に「かもしれないのだ」と思い直すことで不安を拭い、安堵しているように思います。 では、この作品はどうしてこんなにもこわく、恐ろしいのでしょうか? そう考えたとき、結末そのものというよりも、すべて「起こり得るかもしれない」という事実が恐ろしくなってきます。 ※以下、軽度のネタバレを含みます。 この作品において「起こり得るかもしれない」ことは、多くあります。 殺人事件や交通事故によって家族や友人を失うこと、または自分がそのようにして命を落とすこと。 殺人や薬物といった犯罪に手を染めてしまうこと、そして罪を知ってなお、看過すること。 マンションに暮らす五人、それぞれの境遇。 自身にも降りかかりかねない問題たちは、その恐ろしさを際立たせるのに十分な役割を果たしています。 とはいえ所詮はフィクションの物語なのだ、と切り離すことも難しく、後味悪く、それでいて小気味の良い結末なのですから、そういった意味でも恐ろしい作品でした。 本書「パレード」もさることながら、吉田修一氏の作品は〝現実味〟がよりクリアで色濃い特徴があります。 どんな些細な日常のワンシーンであっても、まるで本当にあったこと__たとえば、自分がそのように暮らしていた記憶があるように錯覚してしまったり、その場の匂いや温度までが、ページに添えられた手のひらから指先へと伝わり、一種のトランス状態へと導かれてしまうのです。 フィクションでありながら、この現実味を味わうことのできる巧みな表現力には、畏れすら覚えます。 余談ではありますが、登場人物の一人である小窪サトルが劇場にて「ハンニバル」を観た感想として 〝……映画は評判通りグロテスクで面白く、最後にレクター博士が男の頭を割って脳みそをスプーンで掬(すく)って食べるシーンなど、思わず「ウオッ」と声を上げてしまいそうになった。(P.217L3〜)〟 と述べています。 自分も幼い頃に観ました、ハンニバル。 脳みそを食べるシーンが衝撃すぎて未だに忘れることができず、もはやハンニバルは脳みそを食べる映画だと思い込んでいる節があるので気分が悪くなりました。 そう、このようにして実際の記憶の隙にまで忍び込んできて、どれが現実の自分が持つ記憶で、どれが架空の記憶なのかわからなくなってくる。 それがとても恐ろしく、そして楽しい。 物語の世界に浸る時間の素晴らしさを教えてくれる作品でもあります。
投稿日:2024.04.15
ともひで
読み返したいと思った初の小説。 「パレード」というタイトルから漂う、楽しいだけではない、どこか暗く、不気味で、ヤケクソな感じが良い。
投稿日:2024.04.11
ぬ
今時な若者の群像劇かと思いきや、最終章こわっ。 え?なにこんな話だったっけ? 時系列・・・。 いや、このつかず離れず感こわいね。
投稿日:2024.04.05
MM
描かれたのは、現代版の酒池肉林だ。 シェアハウスという薄くもなく濃くもないうわべだけのつながりの中でふわっと無責任という優しさに包まれて生きていく5人の物語。読者は否応なしに6人目の同居者として、こ…こに参加させられる。 居心地の良さと悪さを短いスパンで交互に感じる空間だったな。 だがこれも一つの癒しの形なのだろうか?何を持って「癒し」とするのか、「癒し」を定義することの難しさがここにある。 シェアハウスでの私の姿(役割)を押し通し続けることで成立する集団としての黙過。黙過とは、バランスのために必要な機能なのだろう。共創造される黙過はどこか優しい。見て見ぬふりをすることで襲われる自身への責任追求が分散されるからだろうか?無責任さを対価に他者と溶け合い融合することの心地よさ… ただ、この優しさはやはり毒だと思う。例えどんなに苦しく、生きるのに必要だったとしても。温かく優しい毒は、精神の骨の髄まで溶かしきる。その先にあるのは考えることを放棄したブヨブヨの肉塊だ。どうあがいても好きにはなれない。これは現代版の酒池肉林だ。 続きを読む
投稿日:2024.04.01
リョク
1回目読んだ時は怖さは感じずに逆に他人に深く踏み込まない優しさを感じたが、2回目は少しだけ怖さを感じた。自分の領域を侵されない限り犯罪者にも他人に寛容的な現代の若者を描いた作品。登場人物が皆キャラが良…かった。良介は世之助に似ていて好きな人物だった。続きを読む
投稿日:2024.03.23
京香
おもしろすぎて2日で完読。しかしこわーい!涙 まさに『悪人』を執筆した吉田修一の本という印象。ありふれる日常の中の、見えにくい人間の本質を暴いているようで面白かった
投稿日:2024.03.13
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