社畜のススメ
藤本篤志(著)
/新潮新書
作品情報
「社畜」なんて哀れで情けない存在だ――この「常識」は本当なのだろうか?「自分らしさ」を必要以上に求め、自己啓発書をうのみにすることから生まれるのは、ずっと半人前のままという悲劇だ。そこから抜け出す最適の手段は、あえて意識的に組織の歯車になることである。「ワーク・ライフ・バランス」「残業は悪」「転職によるキャリアアップ」等の美辞麗句に踊らされない、現代サラリーマンの正しい戦略を指南する。
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商品情報
- シリーズ
- 社畜のススメ
- 著者
- 藤本篤志
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮新書
- 書籍発売日
- 2011.11.17
- Reader Store発売日
- 2012.05.18
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 191ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (79件のレビュー)
-
過激なタイトルではありますが、中身は至って真っ当です。
「社畜のススメ」という過激なタイトルですが、中身は至ってまっとうでした。個人的には、いい本だと思います。過激なタイトルは、昨今の行き過ぎた「個性重視」の風潮に警鐘を鳴らしたいという動機で付けたようです…。
自分が40代で、なかなか上に行けないなぁと思いながら、20年近く下積みをやって来ているので、自分でも気が付かないうちに、単なる「社畜」になってしまったのではないかと思い手に取りました。
本書の主張は、若いうちは、「自分らしさ」だの「やりがい」だの「歯車は嫌だ」だの、つべこべいわず、下積み期間だと思ってしっかり仕事しなさい、という話しです。それも「石の上にも三年」どころか、サラリーマンの勤続年数を35~37年として三分の一に当たる12年くらいはとにかく修行だと思って頑張れ、「自分らしさ」を出すために自分で考えたりするのはその後だ、というものです。考えてみれば、昔は、若手が何か言うと上司から「十年早い」とよく言われました。なお、12年というのは決まった期間というよりも、働ける現役期間を「守・破・離」に3つに分け、基礎を身に付ける「守」の期間として目安的に指して著者は使っています。この辺の育成方針を巡る期間設定は、職種的に求められる技能レベルといった内的な要因だけでなく、企業の置かれた環境や時代・世代的な時間感覚といった外的な要因にも左右されるとは思います。
筆者も本の中で述べてますが、20代の若い人はこう言ってもピンと来ない率が高いそうです。ですので、自分がいい本だと思っても、先輩・上司目線で、若手・部下に「いい本だから読んで」といって渡すと、それこそ価値観を押し付けてくるパワハラ系の人と思われるなど、「悲劇」の元になるのかもしれません。
私自身は、「自分優先」的な考え方と「社畜」的考え方の双方にそれぞれ共感してしまいます。あくまでも自分から見てですが、何にも分かっていないし何も出来ないくせして「自分らしい仕事をしたい」といって会社を辞めてしまう人に対しては「こらえ性がないんだなぁ。転職癖がつきそう」としか思えない一方、自分の出世とか保身の為なのか見え見えな状態で、どんな会社の命令にも従いますという人には「うーん。ああいう風(社畜)にはなれないな」と思ってしまいます。
しかしながら、著者が言うように、上司やお客さんに言われたことを理不尽と思うところがあったとしても、「理不尽と思ってしまう自分の方が修行が足りない」くらいに思っていないと、成長の機会すら摑めないというのは、自省の念を込めて、事実だと思います。現実はそんなに甘くないですし、コンプライアンスに抵触でもしない限り、「嫌だからといって逃げているだけ」なわけですから。
また、残業していても仕事が遅いだけのアウトプットの無い人は重要な仕事を任せてもらえず、結果として「残業代狙い」の残業依存生活パターンに陥り勝ちでしょうが、自分の成長の為に事務所の電気や設備をタダで利用させてもらって申し訳ないと思っている人は当然残業代はつけませんし、どんどん仕事を覚え成果も出していきます。結果として上司にも目を掛けられたり、お客さんに信用されることも多いでしょう。そいういう意味では、「社畜になるんだ」くらいの意気込みで、もう少し会社優先で働いて来ても良かったかもしれないなと思いました。
他人への迷惑やチームとしての成果に無頓着でいつも定時退社し自宅でネットしているような人と、必死に生産性を高め、夜学に通うとか家事の分担したり子供の保育所の送り迎えの為に定時に帰る人と、どちらが中長期的に成長し、かつ評価されるのか? 少し視線を高くし姿勢と自己認識を変えれば、同じ環境が違って見えるし、懸命に働くことで、自分の実力も他人の評価も後からついてくるのではないでしょうか。
一部の天才と本当の反社会的な職場環境で働いている人を除けば、凡人にとっての真理はシンプルであるように思いますが、こんな真理が信じられるかどうか自体が、問われてしまう時代なんだと思いました。
続きを読む投稿日:2014.01.14
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社畜はイヤだけど、デキる社員になりたいっていうのは、ムシが良すぎるみたいです・・・
社畜になりなさい、歯車になりなさい、というのは人権無視でブラック企業だ!!!というイメージが付きまといますが、そうでもなさそうです。
日本企業固有の文化ですが、会社が素人を育てる、というやりかたは社…員が歯車にならないと成り立ちません。
欧米の企業では、できる仕事に対価を払うので、歯車になりたくない人は、会社に入る前に高い能力を身に着けていなくてはなりません。
企業経験ゼロの新卒が、職を見つけられる日本の雇用システムは、この会社の歯車になって勉強する、というプロセスに支えられていると感じます。
この本に書いてある事は、日本企業に置いて、きわめて普通の事だと思います。
興味深いのが、目指している所が、日野瑛太郎氏の「あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください」という本と似ている、という所です。
結局、天才が一発当てるか、一般人がコツコツやるかの、どちらかしか成功する道は無い、という事だと感じました。続きを読む投稿日:2015.01.30
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