
萌え家電 家電が家族になる日
大和田茂
ディスカヴァー・トゥエンティワン
愛される物作りとは・・・?
物を作る上で、やっぱりユーザーに愛される製品を提供したい!でも、スペックを追っても、既存品を調査しても、外観を凝っても、ユーザー視点に立てない!どうすりゃいいの?という悩みに、一つの可能性を提示してくれる本です。 本書で提示されている成功例は、初めからユーザーが"萌える"事を想定していたとは思えないです。しかし、ユーザーとのコミュニケーションを通して、"萌え"が醸成されていくプロセスが非常に勉強になります。 興味深い所は、最終的にアニメ調の絵がついた製品になったとしても、アニメ調の絵がついているから製品がユーザーに愛されているのでは無い、という点です。 狙って出来る製品設計では無いのかもしれませんが、こういった状況を目指したいですね。 "萌え"に関係無い分野の方にも、一読をオススメします。
4投稿日: 2016.01.01外交の大問題(小学館新書)
鈴木宗男
小学館新書
ネバーギブアップ!逆境にある方に読んで頂きたい!
メディアとは別の視点で語られる外交の裏話は、それだけで読みごたえがあります。 ただそれ以上に、逆境に陥った時にどう行動したか、という点に含蓄があります。 外交もスキャンダルも、外部からは何が真実かは知る由もありません。ですが、少なくとも糾弾される側の主張にも耳を傾ける事は、視野を広げるという意味で非常に意義深く、また限られたチャンスであると思います。 特に、今逆境にある方には、強力に背中を押してくれる本だと思います。 オススメです。 ただし、裏情報を読んで知ったかぶりたい人には不向きです。そういう視点で読むと、ゴシップ記事のような扱いになってしまい、逆に恥をかくことになると思います。
4投稿日: 2015.12.31日本で働くのは本当に損なのか
海老原嗣生
PHPビジネス新書
え、成果主義って、歩合制と違うんですか??
日本と米国の雇用形態の違いが、解りやすく比較されています。 (欧州は国毎に異なる文化があるので、"欧米"とされている箇所の殆どは、米国と読み替えて差し支え無いと思います。) 所謂、成果主義を、日本の雇用システムに適用すると、なぜうまく行かないのかがよく判ります。 またこの本を読むことで、部下が仕事に対して理不尽だと訴えて来た時に、「だって、会社のルールだもん。僕もそうだったし。」というようなヒドイ説明をしないで済むようになると思います。
0投稿日: 2015.07.07社長の掟 業績を上げ続けるための60則
吉越浩一郎
PHPビジネス新書
ここまで言われたら、ついて行くしか無いっす!
社長・若しくは社長になりたい人への心構えが書いてあります。 ファーストリテイリング社長の推奨本なだけあって、なかなかシビアな論調です。 この本の指摘は、大変、腑に落ちます。 上司が、出来ない理由をいくら言っても聞き入れ無い時、現場感覚が無いからだと思ってました。 しかし、もしこの本のような考え方が背景にあったならば、その発言も前向きに理解できます。 仮に自分が社長になるとしたら、という視点でこの本を読むと、日々の仕事にも違った視点が得られます。 上司にムカついている人にも、オススメです。
3投稿日: 2015.05.06徒然チルドレン(1)
若林稔弥
別冊少年マガジン
もー! んんんー!! もーー!!! 寿司!!!!
もどかしさがタマラナイです!! ホント寿司! もう、私が何を言ってるのか、意味が解らないと思うのですが、とにかく読んでみて下さい! このもどかしさ、ニヤニヤ感は、どうした事なのでしょう。 多分、いきなり青春時代に引き戻されて、胸がキュンとして、オーバーヒートしたのです。 とにかく、オススメです。
1投稿日: 2015.04.09嫌われる勇気
岸見一郎,古賀史健
ダイヤモンド社
確かに、人生がシンプルになりますけど、これって滅茶苦茶キビシイですよ・・・
とにかく何かに悩んでいる人に、オススメです。 考え方が欧米的な印象ですが、実践すれば、確かに人生がシンプルになり、多くの悩みが解消すると思います。 人生観が変わります。 是非、試される事をお勧めします。 本文は「哲人」と「青年」の対話形式で進行しますが、これが飲み込みやすくてとても良いです。 「哲人」が訳知り顔で、到底受け入れがたい事を語るのは、正面から捉えると非常に腹が立ちます。 しかし、読者の代わりに「青年」が十分怒って(悩んで)くれるので、第三者目線で考え方を見る事ができ、最終的に腑に落ちてきます。 反対意見も述べられるのも、理解の助けになります。 夢を追っている人、充実している人、新しい事を始めた人には、もしかしたら冷や水かもしれません。 結果よりも内面的充実に重きを置く考え方のようなので、成果を求める人は、落ち着いて足元を見直す時に読まれた方が良いと思います。 読んだら癒されるような、甘い本では無いです・・・。
2投稿日: 2015.03.18社畜のススメ(新潮新書)
藤本篤志
新潮新書
社畜はイヤだけど、デキる社員になりたいっていうのは、ムシが良すぎるみたいです・・・
社畜になりなさい、歯車になりなさい、というのは人権無視でブラック企業だ!!!というイメージが付きまといますが、そうでもなさそうです。 日本企業固有の文化ですが、会社が素人を育てる、というやりかたは社員が歯車にならないと成り立ちません。 欧米の企業では、できる仕事に対価を払うので、歯車になりたくない人は、会社に入る前に高い能力を身に着けていなくてはなりません。 企業経験ゼロの新卒が、職を見つけられる日本の雇用システムは、この会社の歯車になって勉強する、というプロセスに支えられていると感じます。 この本に書いてある事は、日本企業に置いて、きわめて普通の事だと思います。 興味深いのが、目指している所が、日野瑛太郎氏の「あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください」という本と似ている、という所です。 結局、天才が一発当てるか、一般人がコツコツやるかの、どちらかしか成功する道は無い、という事だと感じました。
1投稿日: 2015.01.30イケアはなぜ「理念」で業績を伸ばせるのか
立野井一恵
PHPビジネス新書
外資系の良いトコロ
誰にでも平等にチャンスがあって、休暇が気兼ねなく取れて、会社方針が明確で…という事で、素晴らしいのですが、外資系ではよく聞く話です。 ネガティブな話はほとんど出てこないのも、ちょっと不自然です。 IKEAに肩入れしすぎのように思います。 業績で給与を決める場合(成果主義)、同じ仕事をしている限りは、何年やっても同じ給料です。これは日本のライフプランと親和性が低いと思います。 こういった外資系の難しさにも言及されていればなあ、と感じます。
0投稿日: 2015.01.05労使間トラブルを未然に防ぐ! 問題社員の取扱説明書
田北百樹子
PHPビジネス新書
この視点は、アリだと思います。
問題社員を更生するというよりは、どう処理するか、という観点で書かれた本です。 こういう視点は、逃げ場のない中間管理職にとって、いい意味でのガス抜きになると思います。 本書内でも詳しく述べられていますが、教育では改善は難しい局面もあります。真面目な管理職の方ほど、一人で背負いこまないで頂きたいと、思うのです。 問題社員は確実に存在するので、「被害を最小限にする」という考え方は他部門とも協力でき、前向きなアクションです。 本書内に、従来型の管理職と、問題社員の両方の言い分が併記されている箇所があります。この問題社員の言い分の中に、共感できてしまう所もあります。これは自分でも知らないうちに、自分が問題社員化している可能性を示唆する物で、自分を戒めるのにも役立ちます。
3投稿日: 2014.12.27道をひらく
松下幸之助
PHP研究所
金言の数々! でも、ハウツー本ではない。考えさせられます!
一つ一つの話は、大変素晴らしく、そこに議論の余地は無いと思います。 ただし、「鵜呑みにして同じことをすれば、誰でもうまくいく」という性質のハウツー本では無いようです。 他のレビュワーの方が書いておられるように、少しずつ読んでは考えるのが、入っていきやすいと思います。 書いてある内容そのままですと、矛盾が生じます(押すべきか、引くべきか。やるべきか、やらないべきか。等)。 字面ではなく、背景にある哲学を測る、というスタンスで読み進めると、何となく分かった気がしてきます。 経営の神様の揚げ足取りをするべきでは、ないですね。
0投稿日: 2014.09.09