Reader Store
bockyさんのレビュー
いいね!された数32
  • 二つの祖国(二)

    二つの祖国(二)

    山崎豊子

    新潮社

    第二巻~戦場における日系二世

    2011/10/25読了。 今年度に入ってすぐに手に取った記憶があり、 ずいぶんと時間がかかってしまったように思う。 新装文庫版により全4巻。 トヨコさんの作品は、いつものごとく第一巻を読み終わるのに 時間がかかってしまう。 本作品においては、ざっくりと下記のように分かれるかと。   第一巻~日系アメリカ人強制収容所   第二巻~戦場における日系二世   第三巻~東京裁判 前   第四巻~東京裁判 後 第一巻では、戦争時下の日系人家族がどのような 処遇を受けたかを通して、小説構成上の舞台設定、 登場人物の心理スケッチを読みながら 彼らの人となりを理解する工程を踏むのだが その作業に時間を費やされてしまう。 第二巻以降は、戦場ないし裁判という局面において、 本作品のテーマでもある二つのアイデンティティの端境の中で 自分の果たすべき役割を見出しながらもそれに伴う苦悩に 悶える主人公にぐっと感情移入することができ、 夢中になって読み進めることができた。 また、第三巻以降では、東京裁判というあまり馴染みのない 話題に触れ、戦争指導者たちの証言から 全く知らなかった事実や、意外な思想・信条に 触れることができる。 個人的な一番の関心事は、天皇についての扱いについて。 法的理屈とは無関係に、日米ともに現実に即した 暗黙知の中でことが進んでいったのだと実感。 この点は日本人にとって絶対に譲れない聖域であり、 そこを侵さなかったGHQは懸命だと再確認。 この作品を読了できたので、最新の「運命の人」及び、 「ぼんち」「華麗なる一族」以外の 代表的な作品はほぼ網羅できたかな? 戦争三部作を完読して思うのは氏の描く女性像って なしてここまで男目線の理想像が描けるのかしらと 毎度のごとく感心してしまう。ナギコーーー。 Wikiで本作のモデルは誰だろうと調べると 思わぬネタバレに合ってしまったのが悔やまれるところ。 余談だが、「不毛地帯」の壹岐正のモデルである瀬島龍三が 後の作品の「沈まぬ太陽」だけでなく、本作にもちらっと登場。 まあ、東京裁判を扱えば必然ではあるけれど。 広田弘毅については、悲しいかな予備知識が足りず。 東条英機は割合良く描かれているが、さもありなんかなと。

    1
    投稿日: 2013.12.26
  • 二つの祖国(一)

    二つの祖国(一)

    山崎豊子

    新潮社

    第一巻~日系アメリカ人強制収容所

    2011/10/25読了。 今年度に入ってすぐに手に取った記憶があり、 ずいぶんと時間がかかってしまったように思う。 新装文庫版により全4巻。 トヨコさんの作品は、いつものごとく第一巻を読み終わるのに 時間がかかってしまう。 本作品においては、ざっくりと下記のように分かれるかと。   第一巻~日系アメリカ人強制収容所   第二巻~戦場における日系二世   第三巻~東京裁判 前   第四巻~東京裁判 後 第一巻では、戦争時下の日系人家族がどのような 処遇を受けたかを通して、小説構成上の舞台設定、 登場人物の心理スケッチを読みながら 彼らの人となりを理解する工程を踏むのだが その作業に時間を費やされてしまう。 第二巻以降は、戦場ないし裁判という局面において、 本作品のテーマでもある二つのアイデンティティの端境の中で 自分の果たすべき役割を見出しながらもそれに伴う苦悩に 悶える主人公にぐっと感情移入することができ、 夢中になって読み進めることができた。 また、第三巻以降では、東京裁判というあまり馴染みのない 話題に触れ、戦争指導者たちの証言から 全く知らなかった事実や、意外な思想・信条に 触れることができる。 個人的な一番の関心事は、天皇についての扱いについて。 法的理屈とは無関係に、日米ともに現実に即した 暗黙知の中でことが進んでいったのだと実感。 この点は日本人にとって絶対に譲れない聖域であり、 そこを侵さなかったGHQは懸命だと再確認。 この作品を読了できたので、最新の「運命の人」及び、 「ぼんち」「華麗なる一族」以外の 代表的な作品はほぼ網羅できたかな? 戦争三部作を完読して思うのは氏の描く女性像って なしてここまで男目線の理想像が描けるのかしらと 毎度のごとく感心してしまう。ナギコーーー。 Wikiで本作のモデルは誰だろうと調べると 思わぬネタバレに合ってしまったのが悔やまれるところ。 余談だが、「不毛地帯」の壹岐正のモデルである瀬島龍三が 後の作品の「沈まぬ太陽」だけでなく、本作にもちらっと登場。 まあ、東京裁判を扱えば必然ではあるけれど。 広田弘毅については、悲しいかな予備知識が足りず。 東条英機は割合良く描かれているが、さもありなんかなと。

    2
    投稿日: 2013.12.26
  • ロスジェネの逆襲

    ロスジェネの逆襲

    池井戸潤

    ダイヤモンド社

    溜飲を下げたい方向け

    2014年7月から開始される半沢直樹シリーズの内容をいち早く知りたい方にオススメ。 東京中央銀行から東京セントラル証券に舞台を移した半沢直樹が出向先で大活躍。

    0
    投稿日: 2013.12.26