
こころ オブ・ザ・デッド ~スーパー漱石大戦~ 1
夏目漱石,架神恭介,目黒三吉
デジタル版コミックアーススター
漱石キャラは結構キャラが立っているのだ
夏目漱石没後100周年を記念して始まった、漱石キャラでのスターシステム超大戦。でゾンビ。 ゾンビものとしてはシリアスホラーではなくスプラッタコメディ寄りではあるのですが、ゾンビの役割としては舞台背景・装置の色が強いですね。 世界背景としてゾンビが蔓延している中、漱石キャラが跳梁跋扈、じゃあなかった八面六臂の活躍する漫画です。 漱石キャラでのバトルがアツく、坊っちゃんが出てからが本気。やっぱやべーわ、坊っちゃん。 2017年は生誕150周年でもあり、まだまだ祭りは続く模様です。
5投稿日: 2017.01.13
ダンベル何キロ持てる?(1)
サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM
裏少年サンデー
JKは多少ぽっちゃりめでもいいんですよ
メインにJKを据えたダイエット筋トレ燃焼系漫画。めし漫画の後にはこのジャンルが続くのか!?HowTo風味なところもあり、結構ためになります。 正月明けに相応しく、このまま読み続けたい。
6投稿日: 2017.01.13
オニマダラ 1
黒谷シュウジ
少年ジャンプ+
予測よりも常にケレン味一枚上乗せ
御伽話の登場人物たちが異世界で異能を駆使して戦うという、一見ドリフターズぽいのだけど、作品の持ち味としては別物で、外連味と剛腕で序盤は持ってかれました。 漫画のハッタリに躊躇がなくって、これもWeb漫画だからなのでしょうか。いいですね。
4投稿日: 2017.01.13
六道の悪女たち 1
中村勇志
週刊少年チャンピオン
太ももは誰にでもある!!!! けども!
エロゲ界隈でいちジャンルを築いているビッチハーレムものからエロビッチ成分をふわふわさせてラブコメに傾倒させた、今までにあるようでなかったかもしれない異色作。 芯にあるのはかっちりとした少年漫画で、そこがブレてないので安定して読めます。絵柄は慣れる。そしてこれがマッチしているのだ。 ラブコメ脳でかるーく読めば面白いのだけど、気になるところは多々あって、たとえばひとつに主人公の力の影響の対象になる「悪女」の定義が曖昧というのがあります。 社会通念的な「悪」だとすると、そんな女がちょっと女の子らしく言い寄ってきても全然羨ましくなくてラブコメとして破綻するというか、逆に自分の筋を通しているだけのちょっとつっぱってるホントはかわいい女の子、だとするとそんなの「悪女」でもなんでもなくて、ただ不思議な力で女の子にモテまくるという設定になり、作品のアイデンティティが崩壊するというか、うん、今後の持って行き方が気になりますね。 設定といえば、不思議な力の元である陰陽道も今のところ陰陽である必要性が皆目見えず、六道など仏教思想に至っても同様でタイトルを極妻のダジャレにしたかっただけにしか見えないんですが、これもきっと何かあるんでしょう。膝を打つ展開が待っていればいいのですが。 乱奈さん(表紙の子)が、実は恋愛経験0の、六道くんの能力がなくてもやさしくされたら恋の奈落に落ちるようなただただチョロイ女の子で、主人公への忠犬、媚売り、手のひらクルーもそれでカバー可能なら萌えられるかなあ!と思いましたが、いきなり人を木刀で殴るような女、というか人は自分にはちょっと無理だ…逢坂大河もそれやったし。。。 毒舌デレキャラが出てくるまで待機だ。はやくだせ。だしてください。
5投稿日: 2016.12.14
モディリアーニにお願い(1)
相澤いくえ
ビッグコミック
すべてのクリエイターと東北に
東北の、とある美大のお話。 美大の話ということで、若き仲良しクリエイター3人の視点でストーリーは進みます。 普通科を出て大学行ってサラリーマンというような、マニュアル通りの人生を送っている自分などには、 創作を志し美大に進み将来について悩む様子は、何でもないことでも何もかもが新鮮で面白く、また敬意を抱かせてくれます。異文化に触れるのは、ただそれだけで興味深い。 美大を舞台にした作品ということで「ハチミツとクローバー」を引き合いに出すと、ハチクロから恋愛成分を控えめにしてローカルさを加味した感じでしょうか。あと青春がもっと自然にそこにあるという感じ。 ただ、舞台が東北ということもあり、かの未曾有の大災害はこの作品にも確かな爪痕として描かれ、エッセンス程度なのだけどそれぞれのキャラクターの今に続いている感じがとてもリアル。 がんばれ と、がんばろう を、心に浮かばせる作品です。おすすめしたい。
6投稿日: 2016.12.13
テラフォーマーズ 19
貴家悠,橘賢一
週刊ヤングジャンプ
私は好きにした 君らも好きにしろ
前巻から地球編に入ってどうテコ入れされるのかと思っていたが、リミッターを解除したかのような貴家先生のブーストがすさまじくって、うん、それが最高に面白い。 アクションや設定面でのちょっとやり過ぎ感もちょいちょい感じるけど、そこはマンガだし。で乗りきれる外連味。本流はリアリティ溢れるSF設定で、それが心地よい。 最新技術、時事ネタ、世界情勢をコーティング剤として塗してあるのがニクイし、原作者の凄さを感じる次第。 地球編に入ってこの方向性に振り切った感がありますね。振り落とされるものは気にしない、というか振り落としてる感じさえするぜ。 もっと欄外注釈とかガンガン増やしてっていいとおもいます。
6投稿日: 2016.12.09
中間管理録トネガワ(4)
福本伸行,萩原天晴,三好智樹,橋本智広
コミックDAYS
ジャンル福本の確立とそれを土台にした無類のスピンオフ=悪魔的面白さ
このスピンオフ作品のすごいところは、ジャンル・福本というべきものが確固として確立され、その上に楼閣をブチ立てたところにある。 一個人の作風がひとつのカテゴリとして認知されるという所業が既に凄まじいものであり、これは偉業であると言える。 これがあって初めて、「作品」のスピンオフでなく、「作風」のスピンオフがここに成り立ったのである。 その手があったかと膝を打ちつつも、こんな真似は他にはできない。 想像にすぎないが、企画の発端がたとえ悪ノリであったとしても、この作品を作り上げる熱意や真剣さを評価せずにはいられない。 こと4巻にして、福本先生ご本人による特別読み切りが掲載された。 これを読むと、いかに中間管理録トネガワが良い意味で「完璧な模倣」であるかがよくわかる。 「作風」という意味からいえば、福本読み切りのほうがイレギュラー…違和感を感じる。 だが、それはあくまで「整地された福本節」からの観点によるものであり、ここから逆説的にオリジナルの力というものを認識させられてしまうのだ。 微に入り細を穿った仕事で研鑚され続けるスピンオフ。 そんな己の濃縮エッセンスの中にあっても損なわれないオリジン。 出オチの心配をしていた本作だが、この二つがある限り進化し続ける未来もあるだろう。
6投稿日: 2016.12.09
テラフォーマーズ 18
貴家悠,橘賢一
週刊ヤングジャンプ
俺らのトンデモSFアクションが帰ってきたぜ
本巻から地球編。 am○zonレビュー見る限りどんなことになってるのかと思いきや、ガッチリ原点回帰してるじゃあないですか。 このSFウンチクっぷりと過剰にも思える少年バトルもの演出がいいんですよ。これがね。 アニメはトチ狂ったのか力不足なのか、ウンチク要素を排除した挙句アニメーションで伸ばすべきアクション描写はひたすらに生温く、見どころが聖飢魔IIの歌ぐらいっていう有様でしたが、原作は原作の良いところをブラッシュアップしてくれました。貴家先生、流石!(これがいいたかったわけではありません) 風呂敷が拡がっていくさまはすごくワクワクしますが、キチンと畳めるかどうかのハラハラも比例していくので、期待を込めて見守りたいところであります。
5投稿日: 2016.09.09
ねこもくわない
カレー沢薫
漫画ゴラクスペシャル
飯モノと猫。だのにどうしてこうなった。
本作の主人公は猫であり、ちゃんと料理漫画である。 であるのにこうなってしまったのは、漫画ゴラクという土壌の影響か、この作者が描くとどんなテーマもこうなってしまうのか。 たぶんその両方なのだろう。 何でもありの肥沃な土壌で、類い稀無きセンスという名の超水で育成された未だかつてない猫飯モノ。 とくとご賞味あれ。
4投稿日: 2016.09.07
鉄腕アダム 1
吾嬬竜孝
少年ジャンプ+
ジャンプ+で不定期連載中の近未来ハイSF
宇宙から飛来する「蝶」と呼称される兵器生命体と人類の戦いを描いた物語で、欄外にも専門用語の注釈モリモリ、果ては科学講座という短編ページを定期で連載するほどのガチサイエンスぶりは銃夢を彷彿とさせます。 パシフィック・リムとか、ロボコップ、チャーリー、あとはエヴァのような演出や会話ベースの主展開などから、映画好きにはお勧めです。 連載スピードがかなり遅いのがネック。話忘れてまう。1話の中身も月刊誌サイクルに近い。コミックスでの一気読みが合っているかもです。
5投稿日: 2016.09.06
