
魔法使いの婚約者
中村朱里,サカノ景子
アイリスNEO
あっさりとした展開
連作形式で,まずは本人視点で愛情を確認するまでと,ディー視点。 さらに周囲の人間に移って,弟子,庭師,勇者。 淡々とした作風だが,それが逆にいいかも。でないとすごくありきたりな話だし。 転生ものにする必要性はほとんどなし。 黒髪に全く抵抗がない理由づけぐらい。
1投稿日: 2017.08.01
誰かこの状況を説明してください! ~契約から始まったふたりのその後~7
徒然花,萩原 凛
アリアンローズ
サブキャラ視点でおさらい
本編のエピソードをなぞりつつ、メインはサーシスの同期で部下のユリダリスと、ダリアの娘で王宮勤めに出されていたステラリアの視点での物語。 まあ、メインのカップルが変わっただけで、内容やノリはたいして変わらない。 「どうしてこうなった」を言うのはユリダリスだったりするが。 フィサリス公爵家の使用人のハイレベルぶりがまた見られます。 公爵夫人の必修科目、縄抜けもまた役に立ったもよう。 おまけでヴィオラとサーシスのラブラブぶりと、書店配布の特典ショートストーリー、愛人付き結婚を知った使用人たちの話。
0投稿日: 2017.07.29
ようこそ実力至上主義の教室へ 6
衣笠彰梧,トモセシュンサク
MF文庫J
D組の成長が嬉しい
今度は学力試験で戦略が試される。 人間関係や洞察・行動力で、綾小路の予想を超えるところも見せ始める堀北。 その他、おなじみから今まで目立たなかった人物も含め、それぞれに前向きな姿勢のD組。 櫛田桔梗だけは暗黒・・・ ようやく詳しい経緯も明らかになる。 そして主役の綾小路はと言えば、まさかのリア充(笑)に戸惑い気味な一方で、龍園相手に本格的に暗躍したり。 見どころいっぱいで楽しめる。
1投稿日: 2017.07.29
魔王さまと行く! ワンランク上の異世界ツアー!! 2
猫又ぬこ,U35
HJ文庫
今回はテーマパーク巡り
異文化に直接触れて理解するのが平和への近道ということで、旅行ネタに特化したユニークなシリーズ。 今回はテーマパークを主としたミステリーツアー。 私自身は自然や日常を見るほうが好きだが、たまには楽しいかもと思わせてくれる。 他にも、テンションの高いソレイユと引きこもりタイプのパルフェが互いの良さを認識して仲間内の雰囲気も良くなるし、そもそもテーマパーク自体が窮乏した種族のための町おこしだったり、一石何鳥にもなっている。 1巻ではまだ最後は主人公最強!的な展開だったが、今回は新たな異端審問官も颯馬とは直接関係ないところで解決。 楽しい、嬉しいが一番!という、とっても幸せな話。
0投稿日: 2017.07.26
C★NOVELS Mini - 鍵堂さん抗争に首を突っ込む - 蓮華君の不幸な夏休み番外篇11
海原育人
C★NOVELS Mini
3連作でいちばん面白い
蓮華晴久本人は出てこないが、性格がよく似た謎の女が本編のお馴染みキャラと絡んでトラブルを解決というか、ぶちのめす3連作。 全部同じ日の話ってことになっている。 この3作目は、蓮華晴久から意識は離れた不死身の鍵堂が主役。ヤクザの新組長の少女と関わる。 短いがけっこう読みごたえがあった。 盾無の正体が判明。なるほどね・・・ 堂々と、当然のごとく賭けマージャン。いいのか?
0投稿日: 2017.07.26
V系バンドの王子様が実は学園一の美少女お嬢様なのは秘密にしてくれ2
椎月アサミ,蜜桃まむ(EDEN’S NOTES)
講談社ラノベ文庫
友情をつなぐ歌
すれ違い、恨まれたまま音信不通になった幼馴染が、アイドルになって羽月の前に現れ、脅しで空詩を奪おうとする。 出来過ぎな展開ではあるが、こういう真っ直ぐな友情ハッピーエンドは好み。 サービスシーンは相変わらずというか、グレードアップ? ラッキースケベやその場の勢いでいろいろ。 空詩がこんなに紳士でなかったら、やばすぎる。 「空音」は順調にメンバーにもファンにも受け容れられているようで。 本人もすっかり前向き、やる気。 香水とかメイクとか、絶対残ってバレると思うが・・・ 「どこか痛んでる」にはウケた(^o^)
0投稿日: 2017.07.26
うちの居候が世界を掌握している!16
七条剛,希望つばめ
GA文庫
家族のきずなの物語
世界がどうなろうとかまわないが、家族のために未来を守りたい。 それだけで人知れず地球を救った人々の物語。 最後の手段と後始末の方法は、大胆ではあるが、予想の範囲。 尾が出ないなら小惑星と呼ぶほうが適切じゃないかとか、 爆破より軌道をそらすほうにもっと重点を置いたらどうかとか、 多少気になるところはあるが、べつにハードSFではないからいいだろう。 形や関係は様々でも、家族という絆は確かにそこにある というメッセージは、確かに伝わった。
1投稿日: 2017.04.03
おこぼれ姫と円卓の騎士 16 反撃の号令
石田リンネ,起家一子
ビーズログ文庫
クライマックスに向けて、一気に流れが変わっていく
オールスターで楽しい、最終回直前巻。騎士たち以外にもいろんな人が活躍する。 うまく行きすぎな感もあるが、これまでの活躍で信頼と経験を積み上げてきた成果には違いない。 国内を固めていくフリートヘルムに対し、国外の協力を取り付けていくレティ。 国内では牢内にいる人も含めて様々な人物が独自の判断でサポート。 レティの望む展開が、頼んでいない方面までどんどん進む。 ゼノンは物理的な面ではあらゆることを想定しているが、心理的な面を軽視しているのが敗因になるか。
1投稿日: 2017.03.28
どうやら乙女ゲームの攻略対象に転生したらしい
みなみ,碓井ツカサ
マッグガーデンノベルズ
乙女ゲーム転生ものを、男性視点で
妹の乙女ゲームに付き合わされていた主人公。 節操なく男をたらし込むヒロインはとんでもないビッチ、悪役令嬢ポジションのアンジェリカのほうがずっといい、と思っていた。 それが例によって(笑)トラックに撥ねられて、気づいたらアンジェリカの婚約者である第一皇子カイルの中の人に。 どストライクなアンジェリカには、思春期の大学生な中身のままに、目一杯愛情を注ぎ。 ヒロインになびく気は全くないので、アンジェリカに誤解されてなるものかとフラグ回避に全力。 将来の重臣のはずがアホすぎる脳筋貴族、他国の変態王子に鬼畜眼鏡など、他の攻略対象の動向にも悩みつつ、腹黒義兄&有能執事(面白い)と共に、自らにとってのハッピーエンドを目指して頑張る話。 よくある乙女ゲーム世界ながら、男性視点なのでノリがちょっと違って面白い。 一冊で完結せず、大ピンチなところで終わりなのがやや中途半端な感じで残念。
1投稿日: 2017.03.20
ギャルスレイヤーだけどギャルしかいない世界に来たからギャルサーの王子になることにした
白乃友,necomi
HJ文庫
シュールで感動的
10年に1人の天才という宣伝文句はともかく、斜めにすっ飛んだノリで感動的な物語をつむぐセンスは、確かに類を見ないレベルだろう。 冒頭からして、一面の草原となった原宿に、テトラポッドに囲まれたプリクラ機がぽつんと立ち、ギャルが列をなして巡礼しているという、シュールな光景。 カリスマギャルな姉のセンスで造られたサヴァンギャルドでは、お姫様も修道女もギャルで、魔法のエネルギー「女子力」で戦う。 「王子になることにした」というタイトルだが、王子になって何かをするという話ではない。 ギャルを憎みながら少女たちを憎めないギャルスレイヤーが、ギャルと姉に対して心の折り合いをつけるに至るまでの物語。 あらすじ的にはわりと古典的な感じがするのだが、とにかくノリが面白く、しかもけっこう深い。 一読の価値はあると思う。
1投稿日: 2017.03.07
