とある本読みさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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灰の轍 警視庁文書捜査官
麻見和史 / 角川文庫
過去作とは少々毛色が違う
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今まで3作読んできてそれなりに面白いと思ってますが、星3つでレビューしてませんでした。
今作は少々毛色が違い、一種の叙述トリックとも言える作品に仕上がっています。
当てが外れる方もいるとは思い…ますが、結構まっすぐな推理小説と言えるものに、組織と個人のわだかまりを絡ませて次回以降の作品への足掛かりを持たせるような内容です。
シリーズの転換点となりそうな内容を足して甘めの星4つです。 続きを読む投稿日:2021.12.06
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叙述トリック短編集
似鳥鶏, 石黒正数 / 講談社タイガ
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忘れない男 ~警視庁特殊能力係~
愁堂れな, 円陣闇丸 / 集英社オレンジ文庫
絶対記憶ではないのです。でも、忘れない男
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絶対記憶をテーマにしたものは世にたくさんあってそれなりになじみがあるのですが、これは意表を突かれたので甘めの星4つ。
作品自体は警察を舞台にしたラノベで、「 ミステリー・サスペンス・ハードボイルド」…に分類されてますけど、どっちかってーとSFかファンタジーに属するものです。だからいろいろ設定が甘いしそういったところはどーでも良い作品。
虚構推理と同じジャンルですね。
そろそろ名前がついてもよさそうなジャンルですが、結構良作が揃ってるんですよね。
----------------ここまで2021.10.07投稿-------------
続巻を読んだので以下追記。
続巻は標準的なラノベってところ。警察と犯罪と言ういわゆるラノベでは比較的少数派の題材ではあるけど作品としては星3つの標準的な出来。
なのでここに追記。
BLの作家さんらしくその香りも少ししはじめたのでこれ以上は読まないかな。
続きを読む投稿日:2021.12.05
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おひとりさまのゆたかな年収200万生活3
おづまりこ / コミックエッセイ
内容は好きなんだけど。。。 とうとう逸脱
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暮らし向きの考え方としては良く分かるし共感できる。
過去二冊が具体的なハウツー的なものだったのに対し、今回はそのあたりは繰り返しと言うか改善したよって感じ。で、全体としてはまとめと言うか読者への近況…報告的な内容になっている。
残念なことに著者の収入が上がったことでとうとう200万円生活からは逸脱している。まあ、家賃を除く生活コスト的には今までと変わらないと言うことだろうけれど、住環境は結構生活の余裕と言うか満足感に直接つながって、タイトルにもある「ゆたか」に感じる部分。実際に著者が旧居の不満点を挙げている。
なので前二冊と同じ様には200万円ではいかないよというところ。 続きを読む投稿日:2021.11.08
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あの日、ジュバは戦場だった 自衛隊南スーダンPKO隊員の手記
小山修一 / 文春e-book
南スーダンで何があったか、その記録として
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自衛隊のPKO参加もずいぶんと長くなり数々の記録と変質を重ねてきたようです。
少なくとも私はPKO司令部と実行部隊の構成がこうなっていたとは知りませんでした。その関係性は初期のものとは大きく変わって…いるようです。
著者は防大を卒業、南スーダンの戦闘を経験し、二佐で退官しています。南スーダンで何があったのか? 少なくとも自衛隊に関することに関しては嘘のないところが書かれていると感じます。
と、同時に本当に日本では国民に対し「軍事」が隠されていると感じます。これは政治の問題でもありますがマスコミが軍事を理解していないことも大きな要因であることも読み込めます。
ただ、著者の主張、感想としては、自衛官として口にしてはならんと感じることも書かれているのも確かです。従って読む人によっての感じ方は大きく違うでしょう。
また、著者の考え方感じ方ははおそらく自衛官の主流ではないと思われます。自身が「落ちこぼれ防大出身幹部」と称していますが、空挺団の大隊長を経ていることから、おそらく有能ではあるが考え方の問題で主流から外れていったのだと思われます。
そういった種々の事柄も踏まえながら、東アジアがきな臭い今、一読をお勧めできると思います。 続きを読む投稿日:2021.11.01
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家康、江戸を建てる
門井慶喜 / 祥伝社
家康が邪魔
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小説としては少々退屈。
江戸建設の話はもっと史実に基づいて追っかけた方が面白い。資料を見ながら見ていくと当時の労苦が目に浮かぶ。
真っ当な学者が書いた本の方が文章は下手でも読みごたえがある。
…
内容的には別に家康出してこなくても十分面白いものがかけると思う。家康が出てくることで間延びして、あくまでも私見に基づいた小説なので嘘くささが増すのが惜しい。もっと深みのある作品ならこれもありだろうけど、そういうものでもないので「家康要らない」と強く感じる。
日本史科卒業とは思えない事実誤認もいくつか出てくるので、小説上の演出か、著者の誤解か、単に俗説の誤解を採用したのか判断に迷うのもテンポよく読み進めなくなる理由の一つ。 続きを読む投稿日:2021.10.17