とある本読みさんのレビュー
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沖縄から貧困がなくならない本当の理由
樋口耕太郎 / 光文社新書
おかしなところがいくつも。。。
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前半はまあ沖縄分析論としてそれなりの説得力を感じながら読んでいった。興味深い内容だったし中華文化の影響強いなぁとは感じながらも東南アジア全体こんな感じだよなと(現在在住中)
途中からおかしな流れ…に。。。
まあ著者は教育者であるので中盤はそれなりに理解できたけれど、ホテルあたりからおやおやと。だいたい結果を出した経営者を挿げ替えるか?あの連中が?ってところから、日本全体の問題でもあると言い出しておかしなことに。。。。
外資ビジネスばかり見て次に沖縄にいったから日本を見てないんじゃあと。
まあ、前半は面白いです。が、その内容も結構いろいろなところで言語化されているので特に目新しいところはありません。
多分、2016年初出な分古いんでしょうね。 続きを読む投稿日:2022.04.20
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自衛隊はアフリカのジブチで何をしているのか
小山修一 / 扶桑社BOOKS
自衛隊はアフリカのジブチで何をしているのか、は書かれていない
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うーん、ジュバに関する著書を読んでそれなりに面白かったので、これも読んでみたが全くの期待外れ。
内容的には自衛隊関係の話はあまりない。特に陸自はほとんどない。自衛隊の訓練の話などジブチとは関係の…ない話ばかり。しかも例えば銃剣突撃の訓練は日露戦争時代のもので「牧歌的な精神修養にあたるもの」と古巣を貶めるような内容。
米陸軍が教範から外したのは2010年で著者のジブチ駐留の前年。海兵隊は現在でも基礎訓練から含まれている内容で、英軍は駐留中の2011年に至ってもアフガニスタンの実戦で実施して戦功をあげているし、豪やニュージーランドなども多国籍間で共通訓練として実施している。
基本的には米軍万歳という立場の著者であるが本当に防大を出たのか疑わしくなる。単に訓練内容に不満があるなら馬鹿にせずに書きようもあるだろうと。
海自の哨戒機の話も一部あるが、本当に同乗していたのか少々怪しいくらい。ほぼ同内容の動画や著作を見たことがあるので、その引き写しではとも疑える。
誤解を恐れず言ってしまうと「著者はアフリカのジブチで何をしてたのか」で軍事寄りの政治エッセイとみて良いと思う。
他国軍との交流にも多少の分量が割かれているが、主として米軍に関するもので、自衛隊に関するものよりも多いくらい。
後はジブチの観光ガイドや周辺国との関連性の説明と。
ただ、ジブチを離れて軍事関連のよもやまエッセイとしてみれば読めるところも多々ありで、それは一通り読まないとわからないのが少々つらい。 続きを読む投稿日:2022.01.27
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不動産投資専門税理士が明かす 金持ち大家さんの共通点
稲垣浩之 / 双葉社
失敗しないために
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作品としては2014年の本。なので今の環境とは少々違うが参考になるだろう本。
著者は「5年たった不動産関係の本は参考にならない」と書いているが。この本は基本的なことを淡々と書いてあり今でも十分に…参加になると思う。
ただ、信用できる管理会社を見つけること、と言われてもななぁってところはあって、結局自分の人を見る目と会社を見る目が試されると。
一応目の付け所は書いてあるが、ここはそれこそ今の環境で通用するのか確信の持てないところ。
任せるとお金かかるしねぇ。
とは言え始める前に一読してほしいところの本ではある。 続きを読む投稿日:2022.01.16
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中世を道から読む
齋藤慎一 / 講談社現代新書
タイトルが内容を示してないし、つまらない
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これは別に中世の構造を「道」と言う観点から解き明かすとかそういう趣旨の本ではない。
「「路次不自由」の意味は、と考える本書の課題」とあるように、「遠すぎて自由に通行できない道」「川や峠があって自由に…通行できない道」「戦時中の敵地を通れない」の例を延々と並べてるだけ。中世で遠ければ通行に不自由するのは当然のことで、武田と北条が戦っていればそこを通れないのも当然。それを示す書簡を延々と並べて例示する、そこに何の考証もないので時間の無駄。
あとがきに「編集者にそう言われてみればそうですねと評された」とあるように当たり前で特別に考えるまでもないことが書いてある。
後は筆者の思い付きで、それを考証すればそれなりの読み物になるはずだと思うけれど、そのまま放置と。せめて持説くらい開陳すればと思うんだけどねぇ。「飛脚とは何者か」なんて本が書けそうな題材なんだけど。
これを出版した意図こそ読みたい。何が書きたかったのかさっぱりわからない。
一番面白かったのは、あとがきで「教科書では江戸幕府が五街道を整備したことになっている。東海道の難所、箱根は戦国大名の北条氏によって整備され、東海道自体も北条氏により新道、今の東海道、が開かれた。中山道、甲州街道も江戸幕府以前の整備。江戸幕府の成果としてことさらに取り上げることもない。こういうと職場で叱責を浴び立場を下げる」(評者略)と言うくだり。
学者の世界って相変わらず「事実ではなく、誰がその説を唱えたか」で評価されてるんだなって改めて認識した。 続きを読む投稿日:2021.12.24
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うんち学入門 生き物にとって「排泄物」とは何か
増田隆一 / ブルーバックス
子供向けの本ではありませんので念のため
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「うんち」と言う言葉と表紙から子供向けの優しくかみ砕いた本とイメージされる方もいると思いますが、なかなかどうして情け容赦ない文章です。
蠕動運動、これ読めますか? 普通に出てきます。何の事前説明…もなく。
つまり学者さんが「自分の常識」で子供向けだろうと感じた幼稚な言葉を混ぜ込んでるわけで、実際の対象になるのは生物関係の専門分野に進まない高校生以上になります。(大学でこの分野に進むような人は、中学生でももっと専門書に親しんでるでしょう)
内容的には大人が読んで十分手ごたえを感じてもらえるものだと思いますし、受験生が生物の副読本位にするには丁度良いかもしれません。 続きを読む投稿日:2021.12.20
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日本の「老後」の正体
髙橋洋一 / 幻冬舎新書
経済原論の副教材としても良し
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本書は消費税10%への増税直前の作品ですので、どっちかと言うとそれへの反論として読んだ方がわかりやすいかなと思います。
老後はほぼ関係ありません。ボリューム的にも260Pほどの内80Pほどです。…
メインになるのは「なぜバブルは崩壊したのか」「金融政策とは」です。
この辺の論旨展開は明快ですが、高校生に聞かせてそれに回答するという形式なので少々あざといです。
また、本当に著者が内容を確認したのか疑問になるくらい矛盾点、疑問点があったりします。多分高校生部分や言い回しなどは著者が直接書かずゴーストライターか編集者がそれらしくリライトしているので、その部分でおかしくなっているのではと推測しています。「先生」の発言部分だけ目を通したのでしょう。
バブル崩壊以降の金融緩和が必要な部分で緩和しなかった日銀の罪は重いというのは常々感じていたことで、こんな簡単なことを日銀の行員が理解していないわけがなく「なぜなのか」。
また、消費税増税をいつも最悪のタイミングで行う財務省の「なぜなのか」。
ここが書かれていれば星5つですが残念ながら高望みなのでしょう。 続きを読む投稿日:2021.12.12