とある本読みさんのレビュー
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ゲート―SEASON2 自衛隊 彼の海にて、斯く戦えり 1.抜錨編
柳内たくみ, DaisukeIzuka / アルファポリス
値段考えると、正直お薦めはしがたい
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2巻まで読了です。
ゲートが面白いだけに期待して読むとがっかりするかもしれない。
ゲートの世界観は継承しているが、本質的にミリタリー物ではなくなって単なる異世界もの。
物語もこじんまりし…ていて、ゲートの外伝を読んでるようで本編とは思えなかった。主人公コンビにあまり魅力がないのも。。。
潜水艦が登場するが、基本的に単艦で隠密行動を取り、異世界に持ってゆくことでシステムの集合体である海軍の在り方からは外れるため、ミリタリー要素は薄くなっているのだろう。
帆船の描き方などもごく一般的な異世界もののもの。
また、単発エピソードの羅列と言うか、全体に進行がちぐはぐな感じは否めないと思う。この辺ゲートが実によくできていた。
この作品であるならば別に海自である必要はない。江田島、徳島の代わりに伊丹チームが担当しても潜水艦の操艦など一部を除けば違和感はないだろう。
鎧鯨、水中回廊のエピソードは逆に潜水艦ならではのものであるが展開もしにくい。
実は1巻がありきたりで放置しようかとも思ったけれど、2巻読んでみたら少し練れてきているし、この作品の構造であれば今からでも修正は効くと思うのでもう少し期待して読んでみたい。
ただ、値段考えると人にお勧めはできないなぁ。 続きを読む投稿日:2019.01.13
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落窪物語
氷室冴子 / 21世紀版・少年少女日本文学館
おもしろい、これぞ現代語訳
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落窪物語、日本の古典ですが今読んでも十分面白いです。と言うより千年ほど前の作品が特に違和感もなく読めるというのは、人の世は変わらないというのか何というのか。
もちろん現代の感覚で行けば違和感ありあり…ですが一種のファンタジー小説、異世界ものとして読めば全く違和感ないでしょう。
元は大作ですが是非全巻翻訳を氷室さんでお願いしたい。買います。
学者の訳では参考書にしかならないので、やはり作家が書くと言うのが肝になるのでしょう。
余談ですが、学生が古典に親しむためにも、採算取れないというならば国家予算使ってでも古典と呼ばれるものは一通り全訳してほしいですね。で、各校や図書館に一式でいいので完備。当時の最新の流行りやコラムを障害なく読めると歴史への理解も深まるだろうし、漫画だとどうしても余分な脚色が入りがちになるのであくまでも全訳で。挿絵は検証は必要でしょうけれど資料集的にも多めに。
クールジャパンなんつう役人の自己満足よりよっぽど意義ある事業になると思いますけどねぇ。 続きを読む投稿日:2019.01.12
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虚構推理 スリーピング・マーダー
城平京, 片瀬茶柴 / 講談社タイガ
おもしろいけど。。。
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この作品って漫画の連載のノベライズとみるか、小説のコミカライズとみるかによって評価が変わるような気がする。ほぼ平行するのでどっちともとれる。それでいてキッチリ書籍とコミックとが対応するのでもなくと。
…
どうしても漫画の方がインパクトが強くて、種明かしをされたものを小説で再読できるかと言うと。。。
なので、コミックは小説版を読んでからをお勧めします。故にコミックは10巻を買わずに先に小説を読みましょう。 続きを読む投稿日:2019.07.05
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幼女戦記 1 Deus lo vult
カルロ・ゼン, 篠月しのぶ / KADOKAWA
人を選ぶかなぁ、大丈夫だと思うのだけど
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この作品に最初に触れたのはWEBですけれど、その時はあまりの読みにくさに途中でギブアップした作品です。が、ストーリー性や設定などはよくできていたので気になりつつも放置していました。
たまたま購入して…読み直してみたら、書籍化による整理なのかとても読みやすくなっており現在8巻を読んでるところです。
特に軍事関連に知識がなくとも、一般的な戦争映画をいくつか見たことがあれば読むために基礎知識には困らず、更に軍事系の知識があればもっと深くまで楽しめるという作品で一粒で二度おいしい作品です。
舞台は一次世界大戦を経ず、魔法のような魔導師が存在する異世界。転生ものでありながら、現実の歴史を踏み台に二次大戦もどきが勃発展開してゆく中でのある一魔導士官の社畜幼女としての生きざまを描いてゆきます。
「何言ってるんだ」と思った方、是非一読を。面白いです。 続きを読む投稿日:2019.01.11
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数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。
長田信織, 紅緒 / 電撃文庫
まあ、ラノベですから
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正直、中途半端と。
人の世は人と人のかかわりでできていて、そのすべてが善良なものじゃないんだよ、でも積み重ねていくしかないんだよっていうのはどんな物語でも根底にあって、その描き方が深みを作っていくと…思っているけれど、何とも薄っぺらい。
数字によるロジックを中心に据えるならもっときちんとした分析と評価、その結果としての影響が描かれるべきだろうし、人物の描写を中心に置くならそうすべきだろうし。。。
「まあ、ラノベだから」っていうのが、あんまりいい言葉じゃないけど適当な評価かなぁ。 続きを読む投稿日:2019.01.09
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30の神社からよむ日本史
安藤優一郎 / 日本経済新聞出版
単なるエピソード集
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いくつかの神社の歴史をまとめただけのエピソード集で別に「日本史をよむ」ことはできません。確かにごく一部の歴史は記載されますがそれだけです。しかも明治以降が中心。それも歴史年表でも追ってるように中身は薄…い(よく事跡にある由来の説明程度)ので、タイトル詐欺と中身の薄さを合わせて低評価します。
ただ、土地の絡みなどで興味のある人には面白いのかもしれませんし、空いた時間に読み流して「へぇー」と思う程度はできそうですね。 続きを読む投稿日:2019.01.09