みんさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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へなちょこ探検隊 屋久島へ行ってきました
銀色夏生 / 幻冬舎文庫
屋久島に旅行したことがある方へ
6
屋久島旅行のエッセイです。
旅行慣れしていない人が初めて屋久島に行ったかなり率直な感想という感じで驚きました。
宣伝っぽさが一切なく、すがすがしいです。あまりに正直なので、日記か!(笑)と言いたくなり…ますがなんとなく美しい文章で読んでいて楽しかったです。
また、かなり多くのスポットをちょっとずつ紹介してくれているところもありがたく思いました。
私は屋久島旅行に行く前と行った後に読みましたが、旅行後に読んだ方が楽しめるかなと思いました。
行く前に読むには少し現実を突きつけられすぎるかなと思いますが(笑)、旅行後に読むと共感できるし、行った場所を思い出せてとても楽しかったです。
もちろん著者のファンの方も楽しめる作品だと思います。 続きを読む投稿日:2017.02.15
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白河夜船
吉本ばなな / 幻冬舎
とても不思議、共感できるだろうか?
5
よしもとばななさんの作品って、恋人との日常の描写とか割と多くの人が共感できるような描写が多い印象でしたが、
本作は3部とも「浮気」「不倫」という関係が存在するためか、そんな感じなの?ととても不思議な気…持ちになりました。
そういった関係の経験がある方はもしかしたら共感できるのかもしれません。
3部とも「死」と「浮気」と重そうな設定が登場しますが、やはり悲しい話ではなく、優しく爽やかな印象です。
私は3部のなかでも「ある体験」が特に好きでした。
自称霊媒を通して死んだ人と会うという描写があり、ホラーというわけではありませんが、ちょっと不思議な話で面白かったです。
死んだ人と会うなんて言うと重そうな感じがしてしまいますが、私はこの話が一番変で笑ってしまいました。 続きを読む投稿日:2017.01.24
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改訂完全版 斜め屋敷の犯罪
島田荘司 / 講談社文庫
御手洗の活躍が面白い!
5
本作は御手洗シリーズ2作目ですが、本作から読んでも楽しめると思います。
流氷館という傾いて建てられた洋館に主人の浜本が数名招待しパーティーを行っていると、密室殺人が起きるという話です。
話がかなり進ん…だ後、東京の警察からの紹介で助っ人という形で御手洗たちは登場します。
ずっと三人称で書かれている話だと思っていましたが、御手洗たちが登場した瞬間に石岡君による一人称であることに気付いたというか思い出したというか・・・、そういった表現もちょっと面白かったです。
また、肝心のトリックですが「おったまげる」というのが最も相応しい表現かと思いました。あまりにぶっとんでいてきちんと推理できた人なんていないのでは・・・と思ってしまいます。犯人は結構わかりやすいと思いますが・・・。
あと、やはり建物の構造はきちんと理解してから読んだ方がより楽しめると思います。
トリックの以外にも御手洗の活躍の仕方にも驚かされました。ゆっくりとした登場でしたが、彼が登場すると話の展開スピードが倍速になります(笑)
結末もなかなかドラマティックで後半最高に面白かったです。 続きを読む投稿日:2017.02.02
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アムリタ (上)
吉本ばなな / 幻冬舎
よしもとばななの世界に長い間触れていたい方へ
4
よしもとばななさんの作品にしては上下巻あり、ボリュームのある作品です。
とは言え短編を読んでいるときと感覚的には変わりませんでした。
短編を読んでいるときにはこの主人公の話、もう少し読みたいなと思うと…ころがしっかり満喫できる1冊という印象です。
ストーリーは説明するのが難しいですが、頭を打って記憶があやふやなことが不安だけど、周囲からは一皮むけた感じで好印象だと言われる主人公と、ちょっとした異能力に目覚めてしまい悩める小学生の弟が共に旅行をして様々な変わった人たちに出会い、悩みを乗り越えていく?話でしょうか。
変わった設定も多いですが、日常を描いたお話だと思います。
私はエピローグの最後の数行に出てくる主人公と恋人の関係がたまらなく好きで、そこを読むためだけに何度も読んでいます。
よしもとばななさんの作品が好きな方には是非読んでいただきたいです。 続きを読む投稿日:2017.02.21
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エジプト十字架事件
エラリー・クイーン, 石川年 / グーテンベルク21
推理できたはずなのに・・・!
4
本作は国名シリーズ5作目で、エラリーの相棒はクイーン警視でなくヤードリー教授というエラリーの大学時代の古代史の先生です。
有名な作品なだけあり、はっとする素晴らしいトリックでした!
じっくり考えれば誰…でも絶対推理できたはずの簡単なものだったと思います。
しかし、ミスリードも多く犯人にも意外性があり、とても面白かったです。
作品全体としては、宗教的なエピソードやTの文字という怪しげなメッセージなど雰囲気がありすぐに引き込まれます。
ただ、中盤は状況が二転三転したり、エラリーの行き詰る様子などの描写があまりに長くて辛く感じる部分もありました(笑)
しかし、最後の部分は説明も簡潔ですし、さっぱりできる解決が待っているので、ちょっと辛く感じても結末を楽しみに読んでみてください。
とくに、途中エラリーが気にしているちょっとしたことなどを意識して読むと犯人を推理できると思うので、それもお楽しみに! 続きを読む投稿日:2017.01.25
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新装版 46番目の密室
有栖川有栖 / 講談社文庫
作家アリスシリーズ1作目
4
ドラマ化もした人気シリーズです。
本作は推理小説家が集まる別荘の中で密室殺人が起こるお話で、設定は綾辻行人の「迷路館の殺人」と似ているのですが、全く違うストーリーと結末で別の楽しみがありました。
本作…の面白いところは、序盤からポンポン手がかりになるようなことが発覚し、展開が早いところです。全く飽きないです。
そして堅実なトリックと結末かと思いきやなかなか驚かされました。
私はドラマの火村先生にちょっと抵抗があったのですが、原作の方は好印象でした。
また、学生アリスシリーズよりも王道本格ミステリーという印象で、あちらのシリーズが苦手な方でも楽しめると思います。 続きを読む投稿日:2017.02.19