
バイオーグ・トリニティ 1
大暮維人,舞城王太郎
ウルトラジャンプ
熱く、切ない、独特の世界観と表現の異能バトル
好きなものを吸い込んで融合でき、その特徴を得ることができるバイオ・バグという病気があるという設定。 ほぼ特殊能力といっても差し支えないし周囲の反応もそんな感じなのですが、制御を誤ると暴走してしまうなどのリスクがあるから病気という扱いなのでしょうね。 バイオ・バグ以外にもそれに関連した組織の設定がかなり多そうなのですが、それについての説明は2巻以降になりそう。 最後は、ここでこうくるかという熱い展開で終わります。 そこまではかなりクセが強いだけの漫画かなぁ、2巻は買わなくていいかと思っていたのですが、終盤の展開でガラっと評価が変わりました。熱く、切ない漫画です。 また、見開き表現が多用されていた印象なのでE-Ink端末よりもタブレットで読んだ方がいいと思います。
2投稿日: 2014.03.13
I.R:I.S2 Indirect Ruler:Infinite Seizor
澄守彩,シロウ
講談社ラノベ文庫
予想外の設定が明かされ、水面下で物語が動き始める
異世界の状況についてはあまり進展はないため、思い返した時、話進んだかこれ?と思ってしまいましたが、主人公の周囲の環境などが色々変化の兆しを見せていました。 設定も明かされ、伏線も張られ、水面下で大きく展開した巻です。 異世界で大活躍するのかと思いきやこういう水面下での展開になるとは、ますます展開の予想がつかなくなりました。 ちなみに表紙の新キャラはナルシスト。こういう自信たっぷりなキャラは好きです。 まぁ最終的には色々あってキャラが変わりますが...。
0投稿日: 2014.03.13
岸辺露伴は動かない 1
荒木飛呂彦
週刊少年ジャンプ
『岸辺露伴 グッチへ行く』だけを目当てに購入
『岸辺露伴 グッチへ行く』だけ未読という状態で買うか悩んだのですが、結論としてはグッチの話もちゃんとジョジョとしてまとまっていたので良かったです。 まぁ、グッチの話は宣伝も兼ねていると思うので、純粋に話だけを楽しむことはできず、収録話の中では一番低い評価(私の評価)ですが、『SPUR』で掲載された時、この話のためだけに買うか一考もしたのに比べれば368円はとてもお得でしたし。 個人的な評価はまさに掲載順の 懺悔室>六壁坂>富豪村>密漁海岸>岸辺露伴 グッチへ行くです。 懺悔室は手に汗握りオチが良くて面白いホラー、六壁坂は奇妙なホラー、富豪村は油断できない...ホラー?といった感じ。
3投稿日: 2014.02.23
ノーゲーム・ノーライフ 5 ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです
榎宮祐
MF文庫J
ハッタリが全て
序盤は思考の穴を突くシンプルな策でやられた!星4は確定だなと感じましたが、中盤は空と白の純粋な能力が凄いというだけで今までの駆け引き、心理戦の面白さをそこまで感じず、星3にすることも検討しました。 しかし、終盤、最後の最後でまたも大どんでん返しがあったことと、中盤に少し不自然に感じたあることが伏線であることに気づき、星5という結論に。 総合的には、今までと変わらない面白さをある程度維持しつつ、ストーリー的な面白さを増していたりキャラの掘り下げを行っている印象でした。 空と白を中心に場面展開されていた今までと異なり、クラミーサイドの話が語られたり、手分けして複数の場面で同時展開している点からも、今までとはちょっと違った感覚になるかもしれません。 また、2014年4月にアニメ放送が始まるようです。 頭脳戦でありながら、ファンタジーな魔法を駆使してビジュアル的に映える場面が数多くあるのでヒットするかもしれませんね。
2投稿日: 2014.02.23
テラフォーマーズ 7
貴家悠,橘賢一
週刊ヤングジャンプ
各国の思惑が飛び交う
前巻で主な戦闘は終了していたので、序盤ではこれまでのおさらいや考察、反省などが語られます。 読者側からすればたくさん死んでしまったキャラたちの影に隠れたシーラも作品のキャラクターにとっては掛替えのない一人だということを実感。 前巻ラスト『惑星開発についての決定』会議での各国代表による頭脳戦がメインの巻になります。 各国の建前と本音が垣間見え、その中には今までの展開の前提を覆すようなものも...。 本当の目的についてはこれまでの話から予想できていましたが、この前提も建前に過ぎないとは...といった感じでした。 そして戦いになるのですが、この展開を完璧に予測できた人はほとんどいないのではないか、というくらいには意外な展開。 戦いの場は火星だけではなく、地球からの影響を実感する1冊でした。
3投稿日: 2014.02.19
ジョジョの奇妙な冒険 第8部 ジョジョリオン 5
荒木飛呂彦
ウルトラジャンプ
7部のキャラクターの話がついに...
ジョジョ全巻の中でもかなり難解な1冊です。 まず、前巻で攻撃を受けたスタンドの能力がよく分からない。 基本的な能力(前巻の現象)は条件や結果など何となく理解することができますが、その応用方法となると、何故こうなるの?となるようなものが多いです。 何度も読まなければ理解できないとまで思ったのは私の読解力が足りなかったという可能性もありますが、ジョジョの戦闘でこうなったことは一度も無かったので理解が難しい戦いであることは確かです。 また、7部のキャラクターのエピソードが語られるので、7部を知らないとその部分についてはよく分からない可能性大。7部も面白いので読んでなければ読むことをお勧めします。 知ってる人は、7部の後のエピソードを知ることができるので興奮すると思います。私も興奮しました。しかし、ここの話でも何故ここでこうしてこうなったか?どうやって~をしたか?などいくつか疑問が残りました。 ジョジョは全巻星5、巻によっては限界突破の星6をつけたいくらいなのですが、この巻だけは不可解な点があった、難しかったため星4にしてしまいました...。
8投稿日: 2014.01.16
寄生獣(2)
岩明均
アフタヌーン
信じたくない展開がここにはある
父から不吉な電話があり、話の途中で切れてしまう。その内容から「母がパラサイト(ミギーの仲間たち)に殺された」という最悪の予想が頭をよぎる。 普通に読んでいれば読者はどうなったか予想できるので、こんな電話受ければ高確率でこれはこうだろうと冷静な判断をすることができると思います。そして、予想したけど信じられない、信じたくないとなっている主人公に対し、もどかしく考えてしまうかもしれません。 しかし、実際同じ状況になって同じように冷静に判断できる人は果たしているでしょうか? 冷静に判断きる読者は、主人公よりもミギーよりの気持ちなのかもしれません。逆に言うと、ミギーにとって人間は物語の中のキャラクターと同じくらいの存在と考えると面白い。
4投稿日: 2014.01.16
涼宮ハルヒの憂鬱
谷川流
角川スニーカー文庫
ライトノベルの一雛形を作った作品
ずっと主人公の一人称で話が進み、地の文の中で色々ツッコミます。今となってはこの形式は珍しくありませんが、一人称作品のいくつかはこの作品の影響があって生まれたものもあるのではないかと思います。 ただ、主人公の名前があだ名しか出てこないというのは他にないでしょう。 SFの設定もユニークですし、ライトノベル好きも、ライトノベル読んだことがない人も1度読んで見て欲しい作品です。もしかすると一部嫌いなキャラも出てくるかもしれません(私の場合は朝日奈さんが苦手)が、それを補って余りある面白さがこの作品にはあります。 ちなみに一番好きなエピソードは5巻の『射手座の日』です。 2巻目以降は分裂&驚愕を除き1冊で1エピソードとなっていたり複数のエピソードが収録されていたりするので順番の重要度はそんなに高くないと感じると思いますが、前のエピソードの話が出てきたりするので基本的には順番に読んだ方がいいです。
13投稿日: 2014.01.10
好敵手オンリーワン1
至道流星,武藤此史
講談社ラノベ文庫
神社と教会というそれぞれの特徴を活かして商売
細かい勝負を繰り返していた二人はどちらがより多く金を集めることができるかという勝負をすることになります。宗教法人としての強みを活かして何かするというのはあまり聞かないし、経営の方法、それに伴う失敗もリアルで良かった。 特に最後のマスコミを利用した広告というのは、誰でも手法としては知っているが、実際にどういうステップを踏むのかは知らない人が多いのではないだろうか。 しかし上記以外の部分では、主人公はなぜこんな状況ですら流されると違和感を感じるほどのヘタレ、美少女で優秀な幼馴染がいて、主人公も地味に能力が高いなどなど、ほとんどがありきたり・あざといと感じてしまった。 ヒロインも二人いるが、その違いが上手く描かれていないように感じる。名前だけだとどっちがどっちで何をしたか時々混乱した。文中では片方は~で片方は~と語られており、確かにそのような傾向は感じるのだが、主人公の前ではどちらも所謂ツンデレ状態になるため、違いが分かりづらいのだと思う。 物語としての評価は2.5、経営の部分は4.5くらいと感じ、星3か4か悩んだ末に3にしました。
0投稿日: 2014.01.04
LIAR GAME 4
甲斐谷忍
週刊ヤングジャンプ
フクナガとは一線を画す相手が現れる
4つ目(第三回戦)のゲームは密輸ゲーム。今回のゲームは今までのゲームと比べて複雑さが増しています。 簡単に言えば、二つの国に分かれ、チームとなり、それぞれ密輸人と検査官を決める。そして、密輸人は敵の国にある自分の金を敵の検査官にいくら持っているか悟られないように第三国に密輸する...ということを繰り返すゲーム。一度に運べる金額に上限があったり、検査官が当てられなかった場合(宣言した金額よりも上か下かで分岐する)など細かいルールがありますが、その全てをここで語る必要はないでしょう。 そしてもはや恒例といっていい必勝法のアイディアも登場...と思いきや、直が考えた誰でも考え付く段階のものだから登場といっていいかは微妙か。 今巻で登場した強敵ヨコヤも気になると思いますが、序盤に秋山から『人を疑うことはその人を理解するのに必要なこと』と言われた直の心の変化にも注目。 6巻まで続くゲームですが、ヨコヤの策を一つ見破るという結構キリの良いところで終わってます。
0投稿日: 2014.01.02
