アオハライド 1
咲坂伊緒
別冊マーガレット
手に取りやすい
青春を大人や周囲が憧れるような過ごし方をした人は意外と少ないんじゃないかと思っています。 例えば最初の頃の主人公のように空気を読んで別の仮面をかぶり登校したり・・・。 そんな人は多く、この本が人気が出た理由の一つに主人公と自分を重ね、 話のようなドラマチックな出来事はなくても当時や今を振り返った人が多い(ような)気がするんです。
0投稿日: 2015.07.01壇蜜日記
壇蜜
文春文庫
短文で魅せられる
短い文章なのに人がきちんと書いたものだとわかる。 つまり内容が濃く、なのに濃すぎない。 頭よく且つ頭良くぶらない知性。 今後、どういう方向にすすまれるのか? 既存ではない道を進まれそうだから、つい注目しちゃいます。
3投稿日: 2014.11.12思い出のマーニー 上
ジョーン・G.ロビンソン,松野正子
岩波少年文庫
ファンタジーがある意味
まったく関係ない映画を観ていて、この本を思い出した。 「ファンタジー作品(映画やアニメーション・小説や漫画を含めて)が どうして大人の心もとらえることができるのか?」 もし、そんな質問があったなら、 その答えが書かれている気がします。 子供が読むなら、登場人物の年齢に近くなる 小学中・高学年以上がオススメなのかな? なお、多分(?)大人の私は別の角度や視点から物語を楽しみ、 もし、多感な頃に読んでいたらどう感じただろうかと考えた。
1投稿日: 2014.08.10赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ1―
モンゴメリ,村岡花子
新潮社
少女趣味以上のなにかを感じる物語
いつだったか、成人してから1年に一度ほどこのシリーズを読み返すことがあると話したら、当時の友人が苦笑した。少女趣味だと。 「あら、そう?」 そんなことは気にしない私はその習慣を続けていた。 このシリーズは読む年齢や環境で好きな巻が変わってきます。 言われた頃は「アンの愛情」や「・・・夢の家」が大好きでした。 その後は、短編もの(「アンをめぐる人々」や「・・・友達」「・・・幸福」など)を好みました。 ここ数年はすっかり忘れていて、1年ほど前に久々に読み・・・。 そして、実はアンが脇役となる最終巻「アンの娘リラ」(今は最終巻ではありません)をなぜだかず~っときちんと読まずにいて(ささっと読み飛ばしていた)、やっとしっかりと手に取りました。 しっかりとアンの物語でした。 なお、先に書いた友人の一人は、もっと大人になってからこのシリーズにはまっていたようです。 いつだったか、どこかの雑誌だかなんだかで、 なぜかこのシリーズをよんで心がほぐれるという人が多いと書かれていた記憶があります。 なんでだろう。
1投稿日: 2014.07.20舟を編む
三浦しをん
光文社文庫
さらさら・すらすらと読める。
女性誌に連載されたものだからかシンプルな内容で読みやすいです。 それなのに読みごたえがないと感じることもありません。 こういう読みやすい物語を書かれることが上手な小説を書くということなんだろうな~なんて思いました。 そして、この話を面白かった~と言う人は多くて、その頻度は緻密な仕事をしている人が高い気がします。 私は子供の頃に読んだ辞書作りの物語を思い出しました。 参考までに書くとそのタイトルは「ことばの海へ雲にのって」。 (確か子供への推薦図書のひとつだった) 子供心にあまりに過酷な話だ!と感じましたが、三浦さんが書かれたこの辞書作りのお話は 恋愛要素を多く含んでいるからか、そのつらさへの想像を半減して読むことができ、読後感が良かった。 さらさら・すらすらと読める。
2投稿日: 2014.07.19楽園のカンヴァス(新潮文庫)
原田マハ
新潮文庫
餅は餅や、著者の昔の仕事ぶりがかなりのものだったに違いないと感じさせる奥行きのある小説。
初めて著者の作品にふれたのがこちら。 深い上質の水墨画のような、でもけっして単色ではなくゆったりとまったりとした空気に包まれて話が進みます。 気がついたら話にひきこまれ、ラスト数ページで現実に戻りました。 もとはキュレーターの方なんですね。 私の感想のタイトル通り、「餅は餅や」 著者の当時の仕事が・・・・・。 この後、いくつか作品を読みましたが、この小説と初期の頃の代表作が一番お気に入りです。 お兄さんが宗典さんだということもこの本を読んだ後、知りました。 だから文章もお上手なのかなと想像しましたが、きっと関係はありませんね。 今は著者は小説が本業なんでしょうか? 美術展を見てみたいのにもう見られないから、電子書籍の「ジヴェルニーの食卓」狙っています。
2投稿日: 2014.05.17【日本語訳/英語原文 同時掲載】雪の女王/THE SNOW QUEEN ~七つのお話でできているおとぎ物語~
ハンス・クリスティアン・アンデルセン
ゴマブックス
心に残っているのは幼少の頃に読んだからか?お話の内容か?
心に残っている話。 或る程度の年齢から、幼少期に読んだ童話などを思い出すようになりましたが、 それがまだいろんな事柄を知らない時期に読んだからなのか、お話の内容からなのか気になっていました。 私の読んだものはもう少し子供用に訳されたものだったのでしたが、 はっきりと7つに分けられた舞台からなっていたんですね。 そういえば王子様お姫様がでてきたな、 干タラで手紙を作っていたな、 山賊の女の子がいたな、 最初と最後ははっきりと覚えていましたが、 通り過ぎたお話達はもっと記憶の底に沈んでいました。 大人が読んでも心にひっかかる部分が多い、 不思議なアンデルセンの童話。
3投稿日: 2014.05.17アルスラーン戦記(1)
荒川弘,田中芳樹
別冊少年マガジン
あっ!この原作読んだことがある!! 荒川さんが色づけしたファンタジーの大家の作品
少年漫画誌を読むのを卒業して大分たちますが、 荒川さんについてはその間に大人が読んでも面白い漫画をかかれる方が出られたな~と思っていました。 同じく日本のファンタジーの作品を読むことを卒業して大分たちますが、 原作の1巻(多分2巻も?)を10代に読んだ記憶があります。 「わ~い」これからどうなるんだろう・・・と思っていたら・・・、なんだか続きの話が出ないらしい。 それでも面白かったので記憶の隅にタイトルが残っていました。 原作のお話しについてはもうほとんど記憶にございません。 だから、ああ・・・こんな名前の人がいたような、こんな展開だったような・・・ と読みました。 本の挿絵は耽美でしたが、荒川さんの絵はほのぼのとして殺伐感がへりますね~。 なんとな~くどこかで聞きましたが、原作が完結していない・と。 おーまいがっ!!! これを機にするといいな~(ーー ) そんな気持ちで目にした、とある一日。 しかし、どこからこの組み合わせの話が出たんだろう。 ある一定の時期にファンタジーにはまったことがある人なら、きっとそう思われるはず・・・。
0投稿日: 2014.05.17幕が上がる
平田オリザ
講談社文庫
さわやかな読後感、そして、はっきりとしない未来・将来への進み方
タイトルとちらりよんだ冒頭部分から、 なんとなく有名な「劇をモチーフにした少女漫画」と似た内容を想像していましたが異なりました。 もっと、自分の将来やそういうものに演劇を通して素直に向き合っている10代が主人公です。 大人がその時代を爽やかに書きすぎているかもしれないとも感じますが、 時間がある10代に自分の将来をきちんと考えて真剣に取り組もうと決めるのはとても大切なことだと思います。 ただ、主人公らの年齢に近い中高生が読んだらどう感じるんでしょうか? 年上の私から見たらお勧めしたい本なんですが・・・。 (’’ )こればっかりはその年齢を過ぎた私にはわからない。 よければどなたか読まれて感想を教えてください。 ところで、作中に重要な小道具として使われる宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」。 宮沢作では好きな話といいつつ内容はなんとなく時間が経つと忘れてしまう、私にとってふしぎな話です。 なので、本作を読んだ後、そんな内容だったかな~とこちらも再読。 ・・・といっても、しばらくしたらまたよくわからなくなりそう。
0投稿日: 2014.05.05神様のカルテ
夏川草介
小学館文庫
主治医がこんな心を持つドクターだったらいいな~と思いながら読む
以前、医療に従事する知人が言った。 現場にはドラマや小説の中の主人公のようなドクターはいな~いと。。。 そっか、ちぇっ それは残念ご無念(’’ ) この小説の舞台は救急病院。 どんな病院でも研究機関でも人の生死に関わる仕事(研究)をするドクター(その他、コメディカルも含む)は忙しいし大変だと思う。 そ~してこの本のように懸命に人の命に向き合い、助けようという医師がいてくれるなら・・・ 私はとっても嬉しい。
2投稿日: 2014.04.06