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てくのかにんひぇんさんのレビュー
いいね!された数25
  • ふたりの証拠

    ふたりの証拠

    アゴタ・クリストフ,堀茂樹

    ハヤカワepi文庫

    一緒に住んでいても、孤独。

    文章を追う目が、ページを繰る手が止まらなかった。悪童日記読了後即購入。孤独。その一言に尽きる。誰も愛せない、愛さない。愛とは?愛する人を見つけられない孤独な人間はそこから逃れるのにやはり死という選択以外にないのか。悪童日記とはまた違うテーマを投げかけている。傑作。

    0
    投稿日: 2015.02.01
  • 悪童日記

    悪童日記

    アゴタ・クリストフ,堀茂樹

    ハヤカワepi文庫

    さりげなく、だが確実に心を抉る一冊

    今戦争の無い時代に生きている幸せを強く感じずにはいられない。賢しく、したたかに見える双子でも、やはりまだ子供。自分の感情と折り合いをつけることを知らない。そこが微笑ましくもあり、怖い。

    1
    投稿日: 2015.01.28
  • かばん屋の相続

    かばん屋の相続

    池井戸潤

    文春文庫

    人には裏がある。そこにストーリーがある

    やっぱり、池井戸氏よかったです!本当にリアリティがあるから、すばらしいドラマに仕立て上がっている。でも、ドラマな展開に甘んじない。特に私は「妻の元カレ」が好きです。言えない、聞けない。言ったら最後、聞いたら最後。だって、そういうものじゃないですか。普通。怖いですよ。その、一人の男の気持がものすごく伝わって来る話。「芥のごとく」も、素晴らしかった。社長も、太郎も生きるのに必死。すばらしい本です。

    4
    投稿日: 2015.01.22
  • 鼠、江戸を疾る

    鼠、江戸を疾る

    赤川次郎

    角川文庫

    人情溢れる江戸が舞台のミステリー

    面白かったです。兄妹の掛け合いが「三毛猫ホームズ」の片山兄妹を彷彿させるようでした。弱い者の味方「鼠」が解決するちょっとしたミステリ風味で話は進んで行きます。読後は爽快感が残る話ばかりでよかったです。

    0
    投稿日: 2015.01.22
  • 秘囚

    館淳一

    秘囚

    館淳一

    双葉文庫

    話の土台は確かだが、最後が駆け足ぎみ。色気に欠ける

    官能小説。萌えは無し。SMの主従関係、入り口がなんとなくわかる。が、ノーマルの女子大生(主人公)が決定的に堕ちるまでではなく、話はこれから、という所で終わっているのが残念。というか、あの奈々美が実は主人公だったのか?読み易い文章ではある。

    0
    投稿日: 2015.01.22
  • 不夜城

    不夜城

    馳星周

    角川文庫

    あなたは何者ですか

    うん年前に読み、再読。内容全然覚えてないので逆に新鮮だったw二日で一気読み。印象に残ったのは「半々」な人間とアイデンティティーを確立している者の生き方決定的な違い。自分が誰か。両親を日本人に持ち、日本に住んでいればそんな疑問はわかないけれど、海外在住の自分にはものすごくヒットしたテーマ。「日本人の条件とは。自分は何者か」これを読んだ方は一度考えてみてもいいかもしれない。

    1
    投稿日: 2014.08.19
  • 恋地獄

    恋地獄

    花房観音

    幽ブックス

    幽霊に視姦されて。

    主人公は、でも幸せだったんだよね……?地獄?恋は地獄を見るってことか。地獄に行きたいと思うまでとらわれたって事かしら。でも、どうして最後に体を重ねてあの結果か、ちょっと衝動的にしてもなんか……押しが足りないというか、説得力が(それを求める物ではないのかもしらんが)ぐっとくるものがなかった。墓守娘の話はものすごくよかった。ものすごく。

    0
    投稿日: 2014.08.14
  • 撞着する積木

    那識あきら

    撞着する積木

    那識あきら

    らぶドロップス

    萌え度は低いかも

    ハッピーエンドなのですが、回想シーンが何度も出て来て話が前後するようでそれが読みにくかったです。先生が生徒を陵辱するものとしては、濡れ場もそれなりに充実していると思われ。

    0
    投稿日: 2014.08.13
  • ボーナス・トラック

    ボーナス・トラック

    越谷オサム

    東京創元社

    ミステリー要素は少ないけど

    幽霊見れる人間がこんなに集まるかよ!と思いつつもリアル・ファンタジーで面白かった。横井君が意外とちゃんとした青年で、年上の草野君を支えているのがなんとも微笑ましい。草野君においては「いるいる、人に仕事を任せられないで、自分で抱え込んでオーバーヒートする上司」と頷きながら読んだ。戦闘ゲームはやったことがないのでピンと来ませんでしたが、二人の楽しんでいる様子が伝わって来て、それが最後にアレだから、じんわり来ました。

    0
    投稿日: 2014.08.13
  • トリニティ・ロマンス 鈴蘭の花嫁と双子プリンス

    館山緑

    トリニティ・ロマンス 鈴蘭の花嫁と双子プリンス

    館山緑

    ティアラ文庫

    もっと話に深みがあれば……

    んー、残念ですが双子じゃなくてもいいんじゃないかという甘い設定。主人公がそれぞれのどこに強く惹かれたのかもよくわからないままラストへ。キャラ全員が空回りしているような感がありました。表紙が可愛くて期待しただけにがっかりです。

    0
    投稿日: 2014.08.13