
鉄の骨
池井戸潤
講談社文庫
池井戸潤氏からの挑戦状
ページめくる手が止まりませんでした!すごいエンターテイメント性!一見大団円に見えて、”でも結局これで何かが変わるだろうか?”という池井戸氏のメッセージがひしひしと伝わる。城山は財界に何人もいる。たった一人が逮捕されたからと言って何かが変わるわけじゃない。そんな政治家をのさばらせているのは読者、あなたたちでもあるのでは?と問いかけられている気がしました。税金の使われ方にシビアにならないとなぁ。 しかし、萌は同じ女として微妙だな。いっそ園田について行って欲しかった。そして後悔すればよかったのさ。
1投稿日: 2015.06.27いいなりラプンツェル―プリンス・ロイヤル・ウェディング―【特典SS・イラスト付き完全版】
仁賀奈
いいなりラプンツェル―プリンス・ロイヤル・ウェディング―【特典SS・イラスト付き完全版】
仁賀奈
集英社シフォン文庫
お茶目な王子?
表紙と、作者さんの知名度から期待して購入。ストーリー云々以前に読みづらい文章。それは好みの問題としても、作者さんの、ことわざの意味もきちんと把握されていないのが、叔父の「果報は寝て待てと…」と王子の「僕は大人しく寝てるだけじゃなくて、」のやり取りにて感じられる。編集さんか校正さんが指摘しなかったミスか。誤字も目立つし、あまりにもお粗末な仕事としか言いようが無い。お金を払って購入している読者がいる以上、もう少しプロフェッショナルな仕事をしていただきたい。非常に残念。
0投稿日: 2015.06.02
er-恋縛 あなたとつながる赤い糸
橘志摩
eロマンス文庫
読み易い作品。萌え度は低いかも。
淀みない文章で一気に読了。シチュエーション的に入り込みがたいテーマなのに、ヒーローにもヒロインにも違和感を感じず。ただ、ヒロイン視点が少しドライな気もしなくもなく、もう少し女臭いウェットなところがあれば萌えたかな、と思わなくもない。でも、短編だとこれくらいのバランスがベストなのかもしれない。ヒーローの優しさ、ヒロインへの思いやりがロマンス度を上げていた。性描写はわりとあっさり。
0投稿日: 2015.05.31禁断の交際 秘め事しらべ
響由布子
禁断の交際 秘め事しらべ
響由布子
竹書房ラブロマン文庫
事件の結末は王道。でも、執拗な性描写
骨子は事件を解決するストーリーラインですが、あかねと耕作の不器用な恋のお話でもあります。成人なのになんだかぎこちない二人の恋は、もどかしさを感じさせつつ、微笑ましくもあります。3Pもあり、濃厚で丁寧な性描写です。
0投稿日: 2015.05.29
暁の死線
ウィリアム・アイリッシュ,砧一郎
グーテンベルク21
堅実なサスペンス。
御都合主義も否めないが、許容範囲。むしろエンターテイメントとして十分楽しめる。文章の素晴らしい表現により、ストーリーが生き生きとしていて古臭さを感じさせない。一人では決して乗り越えられなかっただろう死線を、二人で越えた瞬間の「読者」の悦びは半端ないことを約束します。彼らは逃げなかった。だからこそ、自分たちの新たな人生を勝ち得たのです。そして、ブリッキーを支え続けたたった一人の都会の友達は、またいつか彼女に会える日まで静かに時を刻み続けるのです。
2投稿日: 2015.04.26
フィンスタニス統治記1 夢の楽士と炎の精霊
くりたかのこ,山下ナナオ
ビーズログ文庫
一所懸命過ぎて周りが見えない女の子が好きであれば。
領主の知識が何も無いが、その地位にあった憧れの母に追いつくことに必死で、人に迷惑かけまくり、な女の子のお話、だと思う。こんな娘がいる父が不憫。大抵、出来過ぎの妻を持った夫というのは立場が無いもので、母の生存中、父はほとんど自由がなかったはず。その父の心情を理解せず、単に「弾けた能無しの父」という扱いのヒロインに共感出来ず。そこだけかなり気になりましたが、文章は読み易い。たまに文調ががらりと変わり違和感もあるが、許容範囲。人間ではないヒーローに溺愛され、ヒロインの幸せな将来を仄めかす一巻でした。
0投稿日: 2015.04.20
悪夢の女相続人
和久峻三
光文社文庫
女はしたたか
淡々と読み進めた。はらはらと花びらが落ちていくように事件の真相が明かになっていくのが面白かった。また、後半には意外な事実が飛び出し、最後まで飽きさせないところはベテランミステリー作家の腕か。
0投稿日: 2015.04.16蜜色のときめき
藍川京
蜜色のときめき
藍川京
徳間書店
不幸は必ずしも不幸ではない
官能小説なんですけど、それ抜きにしてもとてもいいお話でした。不幸が幸福に転じると気づかされる切ない話。愛される人には愛される理由があるんだなと素直に心に染入りました。もちろん濡れ場も官能的です。凌辱系がお好きな方は物足りないかもしれません。
0投稿日: 2015.03.16
白昼堂々(凜一シリーズ)
長野まゆみ
集英社文庫
美しい日本語を思い出す
同性愛は他人事なので嫌悪はしないが、積極的に作品を手に取ることはないのだが、心情をはじめ描写が素晴らしいと勧められて読了。久々に日本語を楽しめる作品だった。最近のいわゆる”上手な作家”陣の作品はストーリーこそ惹き付けられるのが多いものの、長野女史のようなふと立ち止まって読み直すような日本語の表現が少なくなっている気がする。正直、この作中の彼らの今後には興味がないので二作目は読まないと思う。省子が不憫な気がした。我慢の子?そうだ、省子の今後は気になるな……。
0投稿日: 2015.02.18
昨日の彼は今日の敵!
麻生ミカリ,周防佑未
エバーロマンス
安心して読めるラブコメ
がさつでずぼらで料理も掃除も苦手だけど、真面目が取り柄な美人だから、『偶然』再会した、料理も掃除も得意で床上手な素直じゃないけど、ハイスペックなエリートサラリーマン(元カレただし七年間音信不通)と元鞘に収まりました☆というドリームストーリー。文章は読み易い。ただ、やっぱりというか、この手のレーベルには”ひねり”が無いので、一日で読めるけど、一日で忘れてしまうようなお話でした。多分、ヒロインが出産した後は、ハイスペックな旦那が子供の世話も甲斐甲斐しくしてくれる、そんな明るい未来が予想出来そうな感じですね。
1投稿日: 2015.02.05
