
AI vs. 教科書が読めない子どもたち
新井紀子
東洋経済新報社
酔いを醒ましてくれる良書
AIという言葉に、夢中になるあまり、過度な期待が膨れ上がっている。という主張は何かのメディアでたまに目にすることがある。 しかし、結局、それ以上のAIへの期待がこもったニュースに押し流されて記憶には留まらずなんとなくそういった主張もあるという認識で終わってしまう。その主張の中身を確かめもせずにだ。 本書は、AIに夢中になる社会に冷水をぶっかけてくれる。AI技術に期待するなら、必ず一度は本書を読んで頭を冷静するべきだと思う。いい自省の書となった。 ただ、ベーシックインカムは早計とした部分やブルーオーシャン戦略の部分などをもう少し詳しく書いて欲しかった。著者の主張が非常にデータと論理を重んじているだけあって、その部分がとってつけたような印象を受けてしまった。
0投稿日: 2018.04.04
エクサスケールの衝撃
齊藤元章
PHP研究所
最初は眉に唾をつけて読み始めたが……
本書が話題になっていると知り、購入して読み始めたのが17年12月下旬である。ふと、スーパーコンピュータは今、どうなっているのかと気になって検索したところ、著者が12月上旬に開発費不正受給で逮捕されたことを知った。ある意味でそれが「エクサスケールの衝撃」だったが、買ったのだから最後まで読もうと決めた。 不正受給で捕まった人が書いた本と身構えたながら読み始めたのだが、最後まで読み切り、この本と著者のスパコンにかける情熱を知り、すっかりファンとなってしまった。また本来なら日本と日本国民がもっと積極的にスパコン開発を支援してしかるべきところを著者に重荷を負わせて不正受給という犯罪に追い込んでしまったことは慙愧の念に耐えない。 著者である斎藤氏という日本にとってなくてはならない人材が失われ、ただでさえ中国に遅れをとっている日本のスパコン開発がさらに困難となってしまったことは本当に残念でならない。医者であり、実業家であり、外国生活で養われた国際感覚を持ち、日本の将来のことをこれほど真剣に考える人材は他にいないだろう。叶うことなら、斎藤氏の早急の社会復帰を望む。
0投稿日: 2018.01.01
人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊
井上智洋
文春新書
未来に希望が持てる本
●本書の良い点 ・数字と統計を使って論理的な主張がされている ・AIやシンギュラリティについて現状を理解しやすい ●本書の悪い点 ・ベーシックインカムについての主張については「そこまでうまくいくのか」という読者に疑問符を与えるスキがあるように思う。 ●総評 全ての社会人に一度読んでほしい、とオススメできる
0投稿日: 2017.12.31
AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である
成毛眞
SB新書
非常に手軽に読める
★を3か4かで迷ったのだが、3.5とするのが正確だと思う。 ●本書の良い点 ・非常に手軽 ・STEAM教育(科学、技術、工学、数学+アート)の重要性を理解しやすい ・参考図書が提示されている ●本書の悪い点 ・内容が薄い ・堀江氏との対談に必要性を感じない ●総評 しっかり読み込むというより、つまみ読みするぐらいでちょうどいいと思う。
0投稿日: 2017.12.31
30ポイントで読み解くクラウゼヴィッツ「戦争論」
金森誠也
PHP文庫
「戦争論」の入門書として
●本書の良い点 ・章立てで分かりやすい ・日本の歴史的事件を例を引用して「戦争論」の考えを身近に感じやすい ●本書の悪い点 ・本書自体が悪いわけではないが、タブレット表示では文字が極端に小さく表示され変更できない。ただし、Reader StoreのWebで読む分には問題なく読める。
0投稿日: 2017.09.17
30ポイントで読み解く「ローマ帝国衰亡史」
金森誠也
PHP文庫
ローマの歴史を知る入門として良書
●本書の良い点 ・「ローマ帝国衰亡史」は長いが本書をそれをポイントごとにまとめてて手軽に読める ・本書の悪い点 ・タブレットで読もうとしたが、なぜか字が小さく表示されどうやっても変更できなかった。本書自体が悪いというわけではないが、購入される人は注意が必要。ただし、Reader Storeのプラウザ表示は問題がなかったので、それで購入を諦めることはおすすめしない。
0投稿日: 2017.09.17
竜と勇者と可愛げのない私
志村一矢,ぎん太
電撃文庫
★は3.5。惜しい作品
注:一巻目のみ読了の感想 ●本作品の良い点 ・王道的な物語でクセがない ・イラストがかわいい ●本作品の悪い(と思った)点 ・クセがなさすぎて次の展開に驚きがない ・主人公の女の子の一人称視点で描かれるので盛り上がり部分がヤムチャ視点となってしまい盛り上がりに欠ける ●総評 まとまっていてストーリー、文章共にクセがなく読みやすい。ただその分、展開に驚きがなく、「次はどうなる」「早く先を読みたい」というワクワク感はあまりない。これは1巻目時点での感想に過ぎないが、かといって2巻目、3巻目に期待して読み進めるのはためらわれる。 しかし、まったくツマラナイ作品というわけでもなく王道的展開は疲れた頭に読むにはちょうどよく、決められた予定調和に目新しさは感じないものの「少年少女のファンタジー」という枠組みが好きな方は読んでみてもいいと思う。
0投稿日: 2017.08.16
読書狂の冒険は終わらない!
三上延,倉田英之
集英社新書
読書好きならこの著書は読んでいて楽しい
●この本の良い点 ・読書家のラノベ作家対談という企画が面白い ・著者達の読書経験に触れて、読書欲をさらにかきたてられる ●この本の悪い点(人によって悪い点ではないかもしれない) ・対談本なので単純な良書紹介のような本ではない ・読書体験の話自体に興味がないなら読んでいて退屈かもしれない ●総評 「本を読むこと自体が好きだ」「あの作家さんはどんな本を読んできて、あの作品を書いたんだろう」という気持ちがあるならこの本は面白い。ただ、他人の読書体験に興味がないなら、この本は読んでいて退屈させるかもしれない。それならこの本を買うより自分な好きな本を買ったほうがお得だと思う。
0投稿日: 2017.08.08
服を着るならこんなふうに(1)
縞野やえ,MB
カドカワデジタルコミックス
同窓会に着ていく服がない人向け
男性の、奇抜ではない、流行ではない、万人向けの無難な服装について漫画を通して分かりやすく解説してくれる。 主人公は二十代の若手サラリーマン。仕事はなかなか頑張っているが、私生活はテキトーに過ごしている。ある時、主人公は同窓会に呼ばれて服装はテキトーにすましてしまうが、友人達は服装がどこか垢ぬけていて衝撃を受ける。 帰宅した主人公はファッションに詳しい妹に教えられて、少しずつファッションについて学んでいく――というストーリー。 紹介されるコーディネートは誰にでも実践できる簡単なもので、高いブランドものではなくユニクロなどが紹介されている。
2投稿日: 2017.08.08
昆虫はすごい
丸山宗利
光文社新書
「へぇ、そんな昆虫もいるのか」という発見がある本
●この本の良い点 ・昆虫を知らない人間でもいろいろな昆虫を紹介していて好奇心が満たされる ・ところどころに昆虫の特性の説明があり、これも面白い ・新書にしては写真が多い ●この本の悪い点(但し、必ずしも人にとって悪い点ではないことに留意) ・虫の写真が多い為、電車の中で読むのに気を使う ・テーマを決めて紹介しているが、「こんな昆虫もいるよ、こんな昆虫もいるよ、こんな昆虫もいるよ」と次々と紹介されるので、やや網羅的な印象を受ける。(但し、興味のきっかけにはなる) ●総評 昆虫な苦手な人には見るのもおぞましい本だろうが、昆虫について少しでも興味があるのなら読んで損はない。昆虫の種類は多いので、どうしても浅く広くな内容になってしまうが著者の経験談も軽くまじえたエッセー的な部分もあるので、昆虫図鑑よりは読み物として手を出しやすい。 ●こんな人向け ・昆虫に興味があるが、その分野について知識のない人 ・単純に昆虫が好きな人
0投稿日: 2017.08.04
