本読むアシカさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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若おかみは小学生!(1) 花の湯温泉ストーリー
令丈ヒロ子, 亜沙美 / 講談社青い鳥文庫
おもてなしの物語。
3
若おかみは小学生!は、小学生だった頃、等身大の読者として読んでいました。
とにかく、主人公・おっこと彼女を助ける幽霊・ウリ坊の会話が面白くて、
何回も繰り返し読んだ記憶があります。
今、オトナになっ…て見て読み返してみると、
このシリーズは「おもてなしの物語」だったのだなあ、と気が付きました。
ある日突然温泉旅館の若おかみになった主人公は、
ネット検索もマニュアルもなく相手を思うことを頼りに、
手探りでおもてなしをすることを通して成長していくのです。
オトナの再読にも、おすすめです。 続きを読む投稿日:2014.11.16
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新装版 ムーミン谷の仲間たち
トーベ・ヤンソン, 山室静 / 講談社文庫
ムーミン谷の仲間たちの魅力をじっくりと
3
収録されているお話はどれも短いけれど、
ムーミン谷の仲間たちの魅力をじっくりと
楽しめるものばかりです。
短編の中にもムーミンの世界が
見事に構築されていて、そのなかでお話は展開していきます。
ま…ずこれを読むのも、もちろんいいですが
ほかの長編でムーミンの世界にどっぷり浸かってから読むと
さらに楽しめると思います。 続きを読む投稿日:2014.07.09
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世界は文学でできている~対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義~
沼野充義 / 光文社
「世界文学」とは、「世界の文学」じゃない。
3
世界文学を提唱した人びとのうちのひとりである
デイヴィッド・ダムロッシュは、世界文学について次のようなことを主張している。
「世界文学とは、翻訳によって(価値を減ずるものではなく)価値を増すものだ」
…
日本では2010年あたりから「世界文学」の考え方が浸透してきており、
その最たるものは池澤夏樹個人編集の世界文学全集にある。
また辻原登などの現代作家による著作(「東京大学で世界文学を学ぶ」)も含めて
「世界文学」に関する本が少なからず出版されてきた。
この本はそのような系譜にある。
他に世界文学について書かれた本と比べて
この本が対談形式であることは特筆すべき点であろう。
「世界文学」は専門家にとっても
まだ地図も目録もできていない未踏の領域であるが、
この本はひとつのよい道しるべとなるだろう。 続きを読む投稿日:2014.08.20
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学生時代にやらなくてもいい20のこと
朝井リョウ / 文藝春秋
読み応えすっきりです
3
コミカルなのにネタに走っていない
バランスの取れたエッセイ集です。
言うなればラジオに投稿される面白いエピソードみたいに、
フレッシュな話なんだけど、けしてベタにかたられているわけでもなく
読み応え…すっきりです。
朝井リョウの作品をまだ読んだことがない人でも、
十分楽しめるエッセイ集になっています。
むしろ、これを入り口に朝井リョウを読み始めるのもありです。
(私の場合は、これを読んだ後に小説を読み始めました) 続きを読む投稿日:2014.07.18
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これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義
ウォルター・ルーウィン, 東江一紀 / 文藝春秋
縦書きで読む物理は頭に入ってきやすい
3
物理と聞くだけで眠気が襲ってくる・・・
そんな人でも楽しく読み進められる本だと思います。
教科書では、まず物理の法則を説明して、
それから身近な例を紹介しますが、
この本では、まず身近な例を紹介し…てから
説明にするっと入っていきます。
ところどころでMITでのエピソードも書いてあったりして、
それもそれで興味深いものです。
そしてこの本を何よりも面白くしているのは、
文章だけじゃなくて講義で行った実験の映像も
ウェブで見られるようになっていることです(英語ですが)。
アンドロイドで読む場合などは特に、同時並行で実験を見ることができて
読書体験を超えた読書になることでしょう。
文の調子が翻訳口調なのは少し気になる方がいるかもしれませんが
それでも、著者の物理への愛が感じられる一冊になっています。
続きを読む投稿日:2014.07.18
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刑務所わず。 塀の中では言えないホントの話
堀江貴文 / 文藝春秋
サクサクと読んでフンフンとうなづいて
2
これまでに、こんな風に描かれた刑務所話があっただろうか。
まあ、重く受け止めずに
サクサクと読んでフンフンとうなづいて
適当に読むというスタンスでいると
意外と足元をすくわれます。ご注意を。投稿日:2014.07.18