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本読むアシカさんのレビュー
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  • SNOOPY COMIC SELECTION 80’s

    SNOOPY COMIC SELECTION 80’s

    チャールズ・M・シュルツ,谷川俊太郎

    角川文庫

    グッズは持っているけど、原作を読んだことがないみなさんへ。

    言わずと知れたスヌーピーの原作です。 描かれた時代も国も違うせいか、 笑いのツボがわからないこともありますが(笑) なかなかイイことを言っていたり、 微笑ましいやり取りを覗き見できたりと 日本人の考えるマンガとは一味違う体験があります。 サクサク読み進めるというよりは、 思い出した時に見て、ほっこりとする、 というタイプの本を探している人におすすめです。

    1
    投稿日: 2015.10.27
  • 人生はもっとニャンとかなる!-明日にもっと幸福をまねく68の方法

    人生はもっとニャンとかなる!-明日にもっと幸福をまねく68の方法

    水野敬也,長沼直樹

    ミズノオフィス

    ニャンともいえない続編

    偉人たちの壮絶な生き様と 猫たちの気ままな生き方・・・ この本では、この二つが両極端なようでいて 絶妙にマッチしています。 猫写真を愛でるもよし。 偉人たちのエピソードを胸に刻むもよし。 格言をおぼえて自慢の種にするもよし。 色んな楽しみ方があるからこそ、 電子書籍で持ち歩きましょう。

    6
    投稿日: 2015.10.27
  • 走ることについて語るときに僕の語ること

    走ることについて語るときに僕の語ること

    村上春樹

    文春文庫

    これは、ちょっとしたエッセイやただの記録ではない。

    これは、ちょっとしたエッセイやただの記録ではない。 といっても、小説ともまた違う。 走るということを通して、村上春樹の生き方や考え方をあぶり出すような ある意味では自伝に近い本であると言える。 走る、ということと併せて、小説を書く、ということについても この本のなかでは書かれている。 しかし、それは小説家を目指す人のための道しるべとなるような ノウハウ的なことを書き記したものではなく、 村上春樹という人が小説を書くとはどういうことか、ということを 実務的な部分を含めて切り取ったものである。 村上春樹という人間に興味がある人は、 偏見や先入観の前にこの本を読んでみるといいと思う。

    6
    投稿日: 2015.08.29
  • 図書館戦争+別冊図書館戦争 全6冊合本版

    図書館戦争+別冊図書館戦争 全6冊合本版

    有川浩

    角川文庫

    ただのエンタメではなくて

    戦争と言っても、ハードボイルドな雰囲気や ある種の男臭さが漂うものではなく、 主人公たちが身を置いているのは一見するとフツーの日常です。 読みやすいので、さくさく読めます。 タッチの軽いラブコメディの面もありつつ、 検閲や表現の自由についても、考えさせられる作品だと思います。 図書館戦争は、本編4冊+別冊2冊の計6冊のシリーズです。 別冊はスピンオフというか、こぼれ話をおさめていて、 どちらかというと恋愛の比重が大きくなっています。

    6
    投稿日: 2015.08.21
  • 赤と黒(上)

    赤と黒(上)

    スタンダール,野崎歓

    光文社古典新訳文庫

    ジュリアン・ソレル、痛いけど素敵な青年。

    「赤と黒」といえば、古典名作として名を連ねる長編小説。 古典で名作で長編と三拍子そろっているものだから、 読まずに敬遠している人も少なくないのではないでしょうか。 この小説の主人公であるジュリアン・ソレルは、 とても優秀な青年で、その優秀さを自負しており、 それゆえにまわりを見下していたりと、 砕けた言い方をしてしまえばちょっとイタい青年。 けれど、読み進めるうちに惹きつけられていく魅力が この主人公には、そしてこの作品には、あります。 訳も新しくて、読みやすいと思います。 図書館の古ぼけた文庫本で途中で挫折した人も 再チャレンジしてみるチャンスです。

    1
    投稿日: 2015.04.30
  • 猫とともに去りぬ

    猫とともに去りぬ

    ロダーリ,関口英子

    光文社古典新訳文庫

    さあ、飛躍しましょう。

    ロダーリという名前にはあまりなじみがない方が多いかもしれません。 彼は、イタリアの児童文学作家として知られており、 50歳の時(1970年)に国際アンデルセン賞を受賞しています。 この、「猫とともに去りぬ」はロダーリの軽快に飛躍していく ファンタジックな世界観がたっぷりと詰め込まれた短編集です。 短編というよりは、ショート・ショートのような読みごたえです。 初めて読んだら、ロダーリの世界観に戸惑うかもしれませんが、 のめりこんでしまったら、こんなに愉快な作家はいません。

    1
    投稿日: 2015.04.30
  • 本当に頭がよくなる1分間ノート術

    本当に頭がよくなる1分間ノート術

    石井貴士

    SBクリエイティブ

    頭がよくなるかどうかはさておき。

    そして、多くの物事においてそうであるように 自己流に固執していると、効率があまり上がらない。 ノートの取り方もそうだと思う。 高校卒業までに学校に12年も通っても、 案外、ノートの取り方は誰も教えてくれないもの。 だから、この本のようにノートを取るためのルールというか 枠組みを教えてくれる本は、思ったより頼りになります。 端末に入れておけるので、いつでも見たい時に見れるのも、便利です。 自分のノートの取り方に確固たる流儀があって それに満足している人には必要ない本だと思います。 けれど、何か迷っている、自身がない、そんな人には 素敵な羅針盤になると思います。

    0
    投稿日: 2015.04.03
  • 若おかみは小学生!(1) 花の湯温泉ストーリー

    若おかみは小学生!(1) 花の湯温泉ストーリー

    令丈ヒロ子,亜沙美

    講談社青い鳥文庫

    おもてなしの物語。

    若おかみは小学生!は、小学生だった頃、等身大の読者として読んでいました。 とにかく、主人公・おっこと彼女を助ける幽霊・ウリ坊の会話が面白くて、 何回も繰り返し読んだ記憶があります。 今、オトナになって見て読み返してみると、 このシリーズは「おもてなしの物語」だったのだなあ、と気が付きました。 ある日突然温泉旅館の若おかみになった主人公は、 ネット検索もマニュアルもなく相手を思うことを頼りに、 手探りでおもてなしをすることを通して成長していくのです。 オトナの再読にも、おすすめです。

    3
    投稿日: 2014.11.16
  • ヘヴン

    ヘヴン

    川上未映子

    講談社文庫

    ずぶずぶ

    まず、最初に。好き嫌いが分かれる作品だと思います。 ハッピーでウキウキでゴキゲンな気分になりたい人は、読むのを後回しにした方がよさそうです。 さて、いじめを受けている中学生が語り手であり、この物語の主人公です。 といっても、いじめ防止啓発本ではないので、あしからず。 作者の語りにずぶずぶと埋もれていくような感触の読み心地です。 でも、それは気持ちよい、快いものとは、少し遠い。 読んでいて息が詰まりそうになりながらも、投げ出すこともできない、 そんな魅力がある本です。

    1
    投稿日: 2014.11.16
  • やっぱり世界は文学でできている~対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義2~

    やっぱり世界は文学でできている~対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義2~

    沼野充義

    光文社

    読めば「世界文学」に近づける。

    この本は、「世界は文学でできている」の続編にあたるが 厳密に言えば、それほど密接に内容が繋がっているわけではない。 自分が気になっている作家や翻訳者との対談が載っているのを見つけた場合、 この本から読んでも十分理解できるはずだ。 また、前作の巻末で取り上げられた震災以後の「世界文学」については 亀山郁夫氏(「カラマーゾフの兄弟」の最新の訳はこの人によるものだ)との 対談の中で掘り下げられているので、 前作を読んで興味を持った人には是非読んでほしい。

    1
    投稿日: 2014.08.20